会話集/支援会話
ディミトリの支援会話†
ドゥドゥー†
支援C†
- [ドゥドゥー]
- 殿下。このような夜更けに、
どこへ行かれるのです。▼
- [ディミトリ]
- ……書庫へ調べ物に。
それが済んだら、軽く鍛錬して休む。▼
- [ドゥドゥー]
- そうでしたか。
では、お供いたしましょう。▼
- [ディミトリ]
- ……いや、いい。
もう子供じゃない、勘弁してくれ……。▼
- [ドゥドゥー]
- ですが殿下、昨日訓練中にお怪我なさったと
聞いています。もし、また何かあれば……▼
- [ディミトリ]
- ただの打ち身だ、すぐに治る。
それよりもドゥドゥー、お前……▼
- [ドゥドゥー]
- 殿下、何かご不満でも……?
直せることであれば、すぐにでも。▼
- [ディミトリ]
- ……それだ。▼
- [ドゥドゥー]
- は……?▼
- [ディミトリ]
- お前はいつから俺のことを
殿下、と呼ぶようになった。▼
出会った頃のお前は、
俺を名前で呼んでいただろう。▼
- [ドゥドゥー]
- ……それは、その。
フォドラの言葉には、不慣れだったために。▼
今思い返せば、
無礼極まりない振る舞いでした。▼
- [ディミトリ]
- 俺には、あちらのほうが好ましいな。▼
王子としての敬称で呼ばれるよりも、
名前で呼ばれるほうが気楽でいい。▼
- [ドゥドゥー]
- ですが……。▼
- [ディミトリ]
- 俺に対する礼儀を弁えさせるために
読み書きを教えてやったわけではない。▼
お前を士官学校に通わせたいと言ったのも、
従者としてではなく、友人として、だ。▼
- [ドゥドゥー]
- ですが殿下、ご理解ください。
おれは殿下の友人ではなく、従者なのです。▼
- [ディミトリ]
- ……お前と出会って随分経つが、
こればかりは埋まらない溝だな。▼
まあいい。とにかくお前は、
先に部屋に戻って休め、ドゥドゥー。▼
- [ドゥドゥー]
- ! なりません、殿下。
おれも同行すると言ったはずです。殿下!▼
- [ディミトリ]
- その過保護ぶりも、そのうち
何とかしたいところなんだがな……。▼
支援B†
- [王国兵]
- ……おかしな方だよなあ。
ダスカー人なんて側に置くか、普通。▼
- [王国兵]
- どうせ汚い手でも使って取り入ったんだろ。
ダスカー人どものやり口だ。▼
- [ディミトリ]
- ほう、随分愉快な話をしているな。
俺も混ぜてくれるか。……で、その続きは?▼
- [王国兵]
- ……え、ああ、殿下。
いや、何でも……ははは……。▼
- [ディミトリ]
- 続きは。▼
- [王国兵]
- は、はは……
す……すみませんでした……。▼
- [ディミトリ]
- どいつもこいつも、馬鹿馬鹿しいな。
……だがこれがファーガスの現状、か。▼
- [ドゥドゥー]
- 事実、おかしなことなのです。
おれを側に置いておくというのは。▼
- [ディミトリ]
- ……お前は嫌か、ドゥドゥー。▼
- [ドゥドゥー]
- と、言いますと……。▼
- [ディミトリ]
- 従者の地位を手に入れるために、
汚い手を使ったと罵られるのは、嫌か。▼
- [ドゥドゥー]
- それは……嫌です。おれはともかく、
殿下の名誉が傷つけられるのは……▼
- [ディミトリ]
- 今、俺のことは聞いていない。
それはどうでもいい話だ。▼
- [ドゥドゥー]
- ……どうでもいいはずがありません。▼
殿下、なぜ……なぜそうまでして、
おれを守ろうとなさるのです。▼
- [ディミトリ]
- ……俺の義務だからだ。▼
- [ディミトリ]
- 父上が殺されたあの日、ダスカーで俺が見た
襲撃者は、ダスカー人などではなかった。▼
俺はそれを見ていながら、知っていながら、
その後の虐殺を阻止することも……▼
お前たちに着せられた王殺しの汚名を、
拭ってやることもできなかった……!▼
俺はお前に……俺が死なせてしまった
すべての者の無念に、報いねばならない。▼
- [ドゥドゥー]
- ……おれは、確かにファーガスが憎い。
ですが、殿下だけは別です。▼
あの地獄に手を伸べてくれたのは
殿下だけでしたから。▼
- [ディミトリ]
- ………………。▼
- [ドゥドゥー]
- あなたが身を呈してまで、顔も知らぬはずの
おれを救ってくださった瞬間に……▼
この方のために生きようと、
そう心に決めたのです。▼
殿下、あなたのためならば、
おれは命さえも惜しくなどありません。▼
そして……だからこそ
おれはあなたの友人にはなれないのです。▼
王国にはいまだダスカー人を恨む者も多い。
そんなおれを友人として側に置けば……▼
- [ディミトリ]
- ……ドゥドゥー。▼
- [ドゥドゥー]
- ……!▼
- [ディミトリ]
- 俺が、その程度の雑言を
気にかけるとでも思っているのか。▼
- [ドゥドゥー]
- も……申し訳ありません、殿下。▼
- [ディミトリ]
- ……お前の言いたいことは、よくわかった。
寂しいものだな。▼
俺はこれからもお前の主君であり、
お前はこれからも俺の従者だ。▼
それ以上でも以下でもない。
……お前はそう言いたいんだな。▼
- [ドゥドゥー]
- ……は。▼
支援A†
- [ドゥドゥー]
- ……殿下。
背中の傷、まだ残っていたのですね。▼
痛むようなことがあってはいけません。
薬を手配しなければ……▼
- [ディミトリ]
- いや、いい。深かったとはいえ
9年も前の傷だ、もう痛むこともない。▼
それに、お前を庇って負った傷を、
消してしまうのも勿体ないからな。▼
あの傷は誇りだ。……俺のような者にも
生き延びた価値があったのだと思える。▼
- [ドゥドゥー]
- 殿下、そんな仰りようは……。▼
- [ディミトリ]
- ドゥドウー、お前は俺に救われたというが、
あの日、俺もお前に救われたんだ。▼
……誰も救えず、俺だけが生き延びて、
生きている価値も理由もないと思っていた。▼
だが、俺はたった一人……お前を救えた。
それだけがずっと、俺の支えだった。▼
- [ドゥドゥー]
- あの日……剣を手にした兵士を前にして、
おれはここで死ぬのだと覚悟していました。▼
ですから、突然現れたあなたが
おれを庇ってくださった時には……▼
……地獄の底にも救世主は現れるのだと、
心の底からそう思ったのです。▼
そんなあなたに、おれは何も返せていない。
まだ恩を返しきれていない……!▼
- [ディミトリ]
- ……馬鹿、今更何を言っている。
お前にはいろいろと助けられてきただろう。▼
5年前、牢の中で斬首を待つだけだった俺を
救い出してくれたのは、他でもないお前だ。▼
- [ドゥドゥー]
- それは……臣下として、
当然のことをしただけです。▼
- [ディミトリ]
- なあ、ドゥドゥー……お前にとって、
俺は特別な存在なのかもしれない。▼
だが、それは俺からしても同じことだ。
お前は俺のかけがえのない、大切な……▼
……だから友人にはなれないなどと、
悲しいことを言わないでくれ、ドゥドゥー。▼
- [ドゥドゥー]
- ………………。
……そんな顔を、なさらないでください。▼
あなたは約束してくださった。
ダスカーの血を誇れる国を作ってやる、と。▼
あなたの築く王国では、ダスカーの民や
フォドラの民、そういった区別もなく……▼
何の気兼ねもなく、胸を張って、
あなたを友と呼べるのですか。▼
……ディミトリ。▼
- [ディミトリ]
- ドゥドゥー……!▼
ああ、何度だって呼ばせてやる。
どれほどの苦労を背負おうと、俺は……!▼
- [ドゥドゥー]
- ……では、その日を迎えるために、
おれも力を尽くしましょう。▼
……本当は、おれもずっと
あなたと……友人になりたかった。▼
- [ディミトリ]
- そうか……そうだったのだな。
……良かった。▼
- [ドゥドゥー]
- ……ですがそれまで、あなたの御身に
万一のことがあってはなりません。▼
良いですか、殿下。深夜に一人で
出歩かれる際には、必ずお声がけください。▼
たとえ昼間であっても、
行き先や何をするか、誰と会うかは必ず……▼
- [ディミトリ]
- 結局、この過保護ぶりのほうは
どうにもならなかったな……。▼
……まあ、それもいいか。▼
フェリクス†
支援C†
《白雲の章限定》
(訓練場にて)
- [ディミトリ]
- フェリクス、お前も剣の稽古か。▼
- [フェリクス]
- その気味の悪い笑顔で話しかけるな。
見ているだけで胸糞悪くなる。▼
- [ディミトリ]
- ……年々兄に似てくるな、
お前の口の悪さは。▼
- [フェリクス]
- 黙れ。
獣は獣らしくしていろ。▼
- [ディミトリ]
- ……随分と嫌われたものだ。▼
- [フェリクス]
- 俺はお前の本性を知っている。
お前が血と殺戮を好む獣であることを、な。▼
- [ディミトリ]
- ……血と殺戮、か。▼
それは2年前、俺と最後に会った時のことを
言っているのか、フェリクス。▼
- [フェリクス]
- ああ、そのとおりだ。▼
反乱鎮圧にかこつけた虐殺はどうだった。
さぞ爽快だったろうよ。▼
わざわざ相手を苦しめるような、
残虐な方法ばかりを選んで殺す……▼
あの時のお前の顔と言ったら、
この世の邪悪を煮詰めたように醜かった。▼
……あれが俺たちにとっての初陣だったな。
何もかも、よく覚えているぞ。▼
- [ディミトリ]
- ………………。▼
- [フェリクス]
- どうした。
……否定してみろ、猪。▼
- [ディミトリ]
- ……否定は、しない。
フェリクス、お前は間違っていない。▼
- [フェリクス]
- ………………。
……ああそうか、もういい。▼
やはり俺の知るお前は、
ダスカーで、兄上と共に死んだのだな。▼
- [ディミトリ]
- ……そうかもしれないな。▼
- [フェリクス]
- ……チッ。▼
ならばさっさと失せろ、邪魔だ。
話しかけるな、この化け物が。▼
支援B†
《共通》
(訓練場にて)
- [フェリクス]
- おい……暇を持て余しているのだろう。
稽古に付き合え、猪。▼
- [ディミトリ]
- ……何だ、フェリクス。俺とは、
言葉も交わしたくないんじゃないのか。▼
- [フェリクス]
- 剣を交わしたくないと言った覚えはない。▼
- [ディミトリ]
- 面倒な奴だな……。
……ん、お前、剣を新調したのか。▼
……! いや、いやいや、待て。お前、
なぜそんな稀少なものを持っている……!▼
- [フェリクス]
- フン……。
やはり、貴様ならばわかるか。▼
ちょうど行商が良い品を並べていてな……
鋼の剣の中に交じって売られていた。▼
- [ディミトリ]
- この分厚い刀身、独特な刃紋……
間違いない、名匠ゾルタンの作だな!▼
- [フェリクス]
- やらんぞ。▼
- [ディミトリ]
- ……目にできただけでも十分だ。
だが、頼む……試し切りくらいは……▼
- [フェリクス]
- 阿呆が。お前は自分の馬鹿力を省みろ。
万一破損したらどうする!▼
- [ディミトリ]
- そんな迂闊な真似をするかっ!▼
- [フェリクス]
- 俺はまだ覚えているぞ。お前が9つの頃、
剣を力任せに振ってへし折ったことを。▼
- [ディミトリ]
- そ……それは昔の話だろう。
流石にもう、あんな馬鹿をするものか。▼
- [フェリクス]
- フン、どうだかな。あの出来事は
長らくフラルダリウス家で語り草に……▼
………………。▼
- [ディミトリ]
- ……どうした、フェリクス。▼
- [フェリクス]
- ……クソッ。
何を言っているんだろうな、俺は。▼
とっくに死んだ奴の話をするとはな。
くだらん……。▼
お前の顔を見ていたら腹が立ってきた。
稽古は別の相手に頼む。▼
……チッ。
腹立たしい……。▼
(フェリクスが立ち去る)
- [ディミトリ]
- ……何だったんだ、あいつは。▼
ベレトが
ゾルタンの剣を獲得しました!
支援A†
《蒼月の章限定》
(訓練場にて)
- [フェリクス]
- ……お前に聞かねばならんことがある。
手が滑って斬りつけないうちに、答えろ。▼
- [ディミトリ]
- お前はいつも物騒だな。
で……何だ、フェリクス。▼
- [フェリクス]
- 血と殺戮を好む、獣の顔。
能天気で善良な、人の顔。▼
……結局お前の本当の顔は、
どちらだったんだ。▼
- [ディミトリ]
- 当たり前のことを聞くな。
どちらも俺の本性だよ、フェリクス。▼
父上も、グレンも、多くの仲間たちも皆、
俺にとってはかけがえのない人々だった。▼
彼らが惨い殺され方をした。
そして、俺だけが生き残った。▼
……俺が彼らの無念を背負ってやらずに、
誰が背負ってやれると言うんだ。▼
- [フェリクス]
- フン……そうして自分の悪行を
正当化するのか、お前は。▼
- [ディミトリ]
- ……正当化、だと?▼
- [フェリクス]
- 「亡き王への忠義を果たす」。
親父殿の口癖だった。▼
ハッ……まったく、反吐が出るな!
親父殿もお前も、なぜ理解できん。▼
死者への義務、忠義……
そんなものを果たしてどうなる。▼
本当にふざけた話もいいところだ。
自己満足だろう、それは!▼
- [ディミトリ]
- ……違う。▼
- [フェリクス]
- いいや、違わん。
死者は死者、生者は生者だ。▼
……そう折り合いをつけて生きてゆかねば、
自分で括りつけた重石に潰されて死ぬぞ。▼
- [ディミトリ]
- それでも……彼らの存在を忘れたり、
手放したりするなど、俺にはできない。▼
- [フェリクス]
- ……ならば呑み込め。▼
それさえできんと弱音を吐くのなら、
王位など捨てて墓守でもしていればいい。▼
- [ディミトリ]
- フェリクス……。▼
- [フェリクス]
- ……俺とて、父や兄の死に
何も思わなかったわけではない。▼
なぜ彼らは死に、自分が生きているのか。
……今でも、問わん日はない。▼
だが、俺はお前ほど甘ったれた男ではない。
これ以上の後悔は、墓の下に持っていく。▼
そんなことよりも大事なものが、
今の俺にはあるのだからな。▼
- [ディミトリ]
- ………………。▼
……ふっ。なぁ、フェリクス。
お前は年々兄に似てくるな、本当に。▼
口が悪くて、他人に喧嘩を売ってばかりで、
それでも、本当は誰より……▼
- [フェリクス]
- どういう意味だッ。▼
- [ディミトリ]
- いや、何でもない。とにかく礼を言うよ。
……目の覚めるような思いだ。▼
- [フェリクス]
- フン……別に。▼
お前の辛気臭い顔が、
癇に障って仕方なかっただけだ。▼
- [ディミトリ]
- ……そうか。
ならば、そういうことにしておこう。▼
アッシュ†
支援C†
《共通》
(訓練場にて)
- [ディミトリ]
- む……この天幕も破れているな。
アッシュ、こっちの修繕を先に頼めるか?▼
- [アッシュ]
- はいっ、お任せください!▼
- [ディミトリ]
- 悪いな、本当なら俺がやるべきことだが、
繕う間に日が暮れてしまいそうで……。▼
- [アッシュ]
- いえいえ、慣れていますから!
僕にできることなら何でもお手伝いします!▼
- [ディミトリ]
- ……そ、そうか。▼
なら、俺は差し入れでも買ってこよう。
お前は確か、甘いものが好きだったよな?▼
- [アッシュ]
- は、はい……。
………………。▼
……ああああ! やっぱり駄目です!
殿下を行かせるくらいなら僕が行きますっ!▼
- [ディミトリ]
- ……なあ、アッシュ。もう何度も
言っているだろう、そういうのはよせ、と。▼
- [アッシュ]
- だからって、自分の生まれた国の王族の方を
顎で使うような真似はできませんよお!▼
《ロナート存命時》
- [アッシュ]
- あわわわ……もしロナート様が知ったら、
どんな恐ろしい顔で叱責されるか……!▼
- [ディミトリ]
- ロナート卿が何か言ってきたら、
俺から抗議の書簡を送ってやるさ。▼
《共通》
- [ディミトリ]
- 俺としては、気軽に顎で使ってもらって
一向に構わないくらいだし……▼
正直なことを言えば、その言葉遣いさえも
やめてほしいくらいだ。▼
- [アッシュ]
- そ、それはそうですけど……殿下は僕たち
平民にとって、雲の上の方なんですよ。▼
普通に生きていたら、顔をみることさえ
一生に、一度あるかないかくらいで……▼
- [ディミトリ]
- ……やはり、そういうものか。俺が王位を
継いだ暁には、各都市への巡察の機会を……▼
- [アッシュ]
- そ、そういうことを
言っているんじゃないんです!▼
- [ディミトリ]
- む、難しいな……。まあ、これ以上の
無理強いも、お前を困らせるだけか。▼
だが、買い出しには行かせてもらうからな。
お前には迷惑をかけているのだから。▼
- [アッシュ]
- だ、駄目ですっ。天幕の修繕が終わり次第、
僕が買い出しに行きます!▼
- [ディミトリ]
- ……いや、それでは本末転倒だろ。▼
……ああ、そうだ、アッシュ。
これは、ちょっとした質問なんだが……▼
俺は普段菓子を食べないんだが、
この機に食べてみるなら、何がいいだろう。▼
- [アッシュ]
- そうですね……予算を考えないなら、
僕はやっぱり砂糖菓子とか、美味しいと……▼
……はっ!
殿下、まさか今のは……!▼
- [ディミトリ]
- よしわかった、砂糖菓子だな。
了解した、すぐに買ってこよう。▼
(ディミトリが立ち去る)
(アッシュ、ディミトリの背中を見送りながら)
- [アッシュ]
- で、殿下ああ……! すみませんっ……!
せめて修繕は終わらせておきますから……!▼
支援B†
《共通》
(食堂にて)
- [アッシュ]
- 殿下……あ、間違えた。ディミトリ!
ええと、その……今日の訓練の相手を……。▼
- [ディミトリ]
- ………………。
……ああ! もちろん構わないさ。▼
《白雲の章》
- [ディミトリ]
- なら、講義の後にでも訓練場に来てくれ。
待っているからな。▼
《蒼月の章》
- [ディミトリ]
- なら、夕方に訓練場に来てくれ。
それまでに雑務を終わらせておく。▼
《共通》
- [ディミトリ]
- そうだ、終わり次第一緒に食事に行こう。
動いた後は腹が減るからな。▼
- [アッシュ]
- そそ、そうで……だね! 是非ご一緒……
一緒に食べたいです! ……あっ!▼
ぼ、僕は……僕は……。▼
- [ディミトリ]
- ……おい、アッシュ?▼
- [アッシュ]
- 殿下、すみません! 僕は未熟でした!
もっと鍛練を積んできます……!▼
- [ディミトリ]
- おい、アッシュ……以前俺が言ったことを、
そこまで気にしていたのか。▼
- [アッシュ]
- ……殿下の言いつけに背いてまで
自分の意地を貫くのもいけない、と思って。▼
- [ディミトリ]
- アッシュ、俺もな、尊敬すべき相手に
敬意を表すのは、ごく当然のことだと思う。▼
だが、俺は生憎と、
敬意を向けられるほどの人間じゃない。▼
確かに、お前とは生まれた家や育った場所が
違うかもしれないが……それだけだ。▼
- [アッシュ]
- ……殿下の仰ることは、正しいと思います。▼
だけどやっぱり、僕は殿下に
無礼な振る舞いをすることはできません。▼
確かに王族も平民も、同じ人間であることに
変わりはないのかもしれないけれど……▼
王族や貴族が責務を果たしてくれるからこそ
平民は平和に暮らしていけるんです。▼
だから平民はその代価として、税と敬意を
払う……ロナート様はそう仰っていました。▼
《白雲の章》
- [ディミトリ]
- ……それも、道理だな。
だが、俺はまだ王位に就いたわけでは……▼
《蒼月の章》
- [ディミトリ]
- ……それも、道理だな。
だが、俺はまだ正式な王では……▼
《共通》
- [アッシュ]
- あ、だけど、それだけじゃないんです!▼
- [ディミトリ]
- ……?▼
- [アッシュ]
- 僕は、一人の人間としての殿下を
尊敬しています。殿下が何と言おうと!▼
お一人で国を背負って、武芸の腕も一流で、
仲間思いで、僕なんかにも優しくて……▼
- [ディミトリ]
- それを言い出したら、きりがないだろ。
俺だって同じだ。▼
例えば……お前は強い心を持っている。
それは、俺にはないものだ。▼
どんな時にも悪意に呑まれないお前に、
俺が何度助けられてきたか。▼
- [アッシュ]
- そ、そうなんでしょうか……。
………………。▼
……あのっ。ここは互いに互いを尊重して、
今までどおり、っていうのはどうでしょう。▼
- [ディミトリ]
- そうだな。言葉を交わす度に青くなったり
赤くなったりされては、俺も気まずい。▼
随分遠回りして、結局、元の位置に
戻ってきたような気もするが……▼
これで、いいのかもしれないな。
互いに1つずつ折れるということで。▼
- [アッシュ]
- ……はい! そ、それじゃあ、改めて……
殿下、訓練の相手をお願いできますか?▼
- [ディミトリ]
- ああ、もちろんだ。
遠慮なくかかってこい、アッシュ。▼
シルヴァン†
支援C†
《共通》
(夜の玄関ホールにて)
- [シルヴァン]
- ……訓練場は避けて帰らないとな。
あの人、随分と夜更かしだし……▼
(ディミトリが現れる)
- [ディミトリ]
- 遅かったなシルヴァン。また女遊びか?
悪いが、今日という今日は許さんからな。▼
- [シルヴァン]
- げっ、殿下!
み、見逃してくださいよお……。▼
- [ディミトリ]
- 無理な相談だ。
いい加減、観念してもらおうか。▼
……あのな、シルヴァン。俺は別に、
夜遊びをするなと言うつもりはない。▼
だが限度というものがある。今日も
こんな夜更けまで外をほっつき歩いて……▼
- [シルヴァン]
- わかった、わかりましたって。
……殿下のお小言は始まるといつも長いし。▼
《白雲の章》
- [シルヴァン]
- 素行はちゃんと改める、夜間外出も控える。
講義も課題も、ちゃんと取り組みます。▼
《蒼月の章》
- [シルヴァン]
- 素行はちゃんと改める、夜間外出も控える。
軍議にもちゃんと出ます。▼
《共通》
- [シルヴァン]
- で、俺が条件を呑む代わりに、殿下は
街で女性を食事に誘って回る……と。▼
- [ディミトリ]
- ……いやお前、馬鹿も休み休み言え。
何がどうしてそうなる。▼
- [シルヴァン]
- いや、うぶで堅物な殿下にも、
俺の気持ちを理解していただけるかと。▼
- [ディミトリ]
- 誰がうぶで堅物だ……。そもそもお前と
比べれば、大抵の男は同じようなものだろ。▼
- [シルヴァン]
- そうですかー? 好きな女の子への贈り物に
短剣を渡す男なんて、なかなか……▼
- [ディミトリ]
- 何年前の話だそれは。……お前の頭を本気で
ひっぱたけば忘れてくれるのか、その話。▼
- [シルヴァン]
- その怪力でひっぱたかれたら死にますよ……
……何か冗談に聞こえないんだよなあ。▼
……で、どうするんです、殿下。▼
- [ディミトリ]
- ……くっ。
そうすれば、お前は素行を改めるんだな?▼
- [シルヴァン]
- もちろん! ファーガスの騎士は、
約束を違えない。そうでしょう、殿下?▼
とはいえまあ、殿下にそんな
軟派なことができるなんて思っちゃ……▼
- [ディミトリ]
- ……わかった、手探りだがやってみよう。
約束は守れよ、シルヴァン。▼
(ディミトリが立ち去る)
- [シルヴァン]
- え、あ、はい……
っておい! 待て待て待て、嘘だろ!?▼
……昔っから変な方向に真面目なんだよな。
……まずいことにならなきゃいいが。▼
支援B†
《共通》
(シルヴァンの部屋にディミトリが駆け込んでくる)
- [シルヴァン]
- ……あの、殿下? いきなり俺の部屋に
転がり込んできて、どうしたんです……?
- [ディミトリ]
- しばらく匿ってくれ。
……お前にも責任があるんだからな。▼
《白雲の章》
- [シルヴァン]
- 匿う? まさか誰かに追われているとか?
けど、いったい誰が……▼
- [ディミトリ]
- ……女生徒だ。▼
《蒼月の章》
- [シルヴァン]
- 匿う? まさか敵に追われているとか?
帝国軍か、それとも……▼
- [ディミトリ]
- ……女だ。▼
《共通》
- [シルヴァン]
- ………………。
……は?▼
- [ディミトリ]
- おっ……お前が女性を
口説きに行けと言うからなあ……!▼
- [シルヴァン]
- ……ああ、やっぱりろくなことに
ならなかった……す、すみませんって。▼
- [ディミトリ]
- お前は約束どおり、きちんと素行を改めた。
だから俺も応えなければと……▼
- [シルヴァン]
- 律儀に女の子を食事に誘ったら、何でか
その子に追い回されるようになった、と。▼
……どうせ普段俺が言ってるようなこと、
そのまま言ったんでしょう?▼
たとえ同じ口説き文句でも、真面目な奴の
言葉ってのは、本気で取られちまうもんだ。▼
- [ディミトリ]
- ……俺に女を口説くなど百年早かった。
ああもう、どうしたらいいんだ俺はッ。▼
- [シルヴァン]
- ……仕方ないな、俺が何とかしましょう。
俺が殿下をからかったのが元凶なんだし。▼
厳しい相手だが、やりようはある。彼女の
興味を殿下から逸らしてやればいいんだろ?▼
そういうのは、俺の得意分野だ。
大船に乗ったつもりで待っててくださいよ。▼
- [ディミトリ]
- これは俺の無知が招いた結果でもある。
流石にお前に任せきりというのは……▼
- [シルヴァン]
- 人間ってのには向き不向きがあるんですよ。
何でも一人で解決できたら苦労しない。▼
けど、昔からあんたは、何でも一人で考えて
頑張ろうとするから、すっ転ぶってわけだ。▼
好きな子に短剣あげた話だって、前もって
俺に言ってくれたら、相談に乗ったのにさ。▼
- [ディミトリ]
- ……あれはただ、時間がなかったんだ。
話を聞いたその日に国を発つと言うから。▼
- [シルヴァン]
- あーはいはい、そうですね。じゃ、
これからはちゃんと相談してください。▼
……もっと俺たちを頼っていいんです。あ、
俺が困った時は殿下を頼らせてくださいよ。▼
- [ディミトリ]
- シルヴァン……。▼
……ああ。
その時は、必ず力になると約束する。▼
ファーガスの騎士は約束を違えない。
……そうだろ。▼
ドンドンドンッ!
(シルヴァンの部屋の扉から聞こえるノック音)
- [ディミトリ]
- うっ……シルヴァン、すまん。
ならば、今回ばかりは任せるからな……!▼
- [シルヴァン]
- おうさ。これまで鍛えに鍛えた俺の技量、
よーく目に焼き付けておいてくださいよ。▼
メルセデス†
支援C†
《共通》
(訓練場にて)
- [メルセデス]
- あら、今日も剣のお稽古?
あんまり無茶しないでね~?▼
- [ディミトリ]
- ありがとう、メルセデス。
趣味のようなものだし、心配はいらない。▼
- [メルセデス]
- 趣味~? やっぱりすごいのねえ……
私だったら疲れて飽きちゃうわ~。▼
- [ディミトリ]
- ……なあ、それよりメルセデス。近く、
剣術の試験を受けたいと言っていたよな?▼
- [メルセデス]
- ………………。▼
……ああっ! た、大変~!
すっかり忘れてたわ、どうしましょう~!▼
- [ディミトリ]
- ……実を言うと、心配していたんだ。
最近、訓練場でお前を見かけなかったから。▼
- [メルセデス]
- もう~! 気づいていたなら、
もっと早く言ってくれればいいのに~!▼
- [ディミトリ]
- いや、まさか本当に忘れているとは……。
だが確かに、俺も早く指摘すべきだった。▼
詫びと言ってはなんだが、
俺で良ければ剣を教えよう。▼
- [メルセデス]
- ……あら、本当?
それは助かっちゃうわ~!▼
- [ディミトリ]
- しかし今から慌てて、となると
多少の無茶は必要になるとは思うが……▼
- [メルセデス]
- 無茶は、ちょっと嫌ねえ……。
……だけど、頑張ってみるわ~。▼
- [ディミトリ]
- そうと決まれば、すぐに始めよう。
時間を無駄にはできないからな。▼
(画面が暗転、そのまま支援会話が進行)
- [ディミトリ]
- まさかお前、剣の持ち方から忘れて……
……これは……骨が折れそうだな。▼
- [メルセデス]
- 実は、いつも適当に握ってたのよね~。
でも、あなたが教えてくれたから、ほら!▼
ふふっ、ちょっと心配したけれど~、
これなら……えいっ!▼
カキンッ!
(金属が床か壁に当たる音)
- [ディミトリ]
- ………………!▼
(画面が明るくなる)
- [ディミトリ]
- ……まさか、剣を教えようとして
殺されかけるとは思わなかった。▼
- [メルセデス]
- ご、ごめんなさい~!
本当に、そんなつもりじゃなかったの!▼
振ったら飛んでいっちゃっただけで……
上手くよけてくれて、本当に良かったわ~。▼
(ここで先ほどの音の正体が判明する)
- [ディミトリ]
- あ、ああ。悪気がないのはわかっている。
だが、これは……俺の寿命が、だな……。▼
- [メルセデス]
- やっぱり向いてなかったのかしら~……。
私、剣なんて振るものじゃ……▼
- [ディミトリ]
- ……いや。
そう決めつけるのはまだ早い。▼
俺だって、初めて剣を握った時は
お前とたいして変わらなかった。▼
誰にでも向き不向きというものはあるが、
諦めずに取り組めば、必ず上達する。▼
- [メルセデス]
- 本当~? ありがとう、ディミトリ。
優しいのね、あなた。……あら?▼
ディミトリ、服の裾が切れているわ。
これ、もしかして……▼
- [ディミトリ]
- ああ……先程お前の剣をよけた時だな。
まあいい、適当に繕っておく。▼
- [メルセデス]
- 切ってしまったのは私だし、
私が繕っておきましょうか~?▼
- [ディミトリ]
- いや、いいんだ。気にしないでくれ。
それよりも、今は試験のことを考えよう。▼
支援B†
《共通》
(メルセデスの部屋にて)
- [ディミトリ]
- メルセデス、本当に申し訳ないんだが……
手を、貸してくれないだろうか。▼
- [メルセデス]
- あらあら? この外套、裾が破れてるわね。
だけどこのくらい、繕っちゃえば……▼
- [ディミトリ]
- ……情けないことこの上ないんだが、
裁縫には……これまで無縁だったもので。▼
- [メルセデス]
- あら~。じゃあ、前に私が服の裾を
破っちゃった時も、困ったでしょう?▼
- [ディミトリ]
- ……まあ、そうだな。
それなりに……いや、かなり……。▼
……頼む、俺に裁縫を教えてくれないか。
お前の腕はかなりのものと聞いた。▼
- [メルセデス]
- ふふ、もちろんいいわよ~。
そんなに申し訳なさそうな顔をしないで。▼
- [ディミトリ]
- ……本当か?
ありがとう、恩に着る。▼
(ディミトリ、一礼しながら)
- [メルセデス]
- じゃあ、道具を取ってくるから、
ここで待っていてね~。▼
- [メルセデス]
- ……ごめんなさい、ディミトリ。
私には、その……。▼
- [ディミトリ]
- この際、正直に言ってくれ。
もう面倒を見切れない……と。▼
- [メルセデス]
- 縫い針を折っちゃうだろうな、っていうのは
何となーく想像していたんだけど~……▼
まさか針どころか、
はさみまで曲げて壊しちゃうなんて……▼
- [ディミトリ]
- ……本当に、申し訳ない。▼
普段は気をつけているんだが、
細かい作業では、どうにも力の加減が……▼
- [メルセデス]
- ふふっ、いいのよ~。ただ、
ここまで来るとちょっとおかしくって~。▼
- [ディミトリ]
- ……自分の馬鹿力が、今ばかりは恨めしい。
やはり裁縫など、俺には……▼
- [メルセデス]
- あら、諦めちゃうなんてもったいないわ~?
あなたはちょっと慣れてないだけよ。▼
苦手でも、諦めずにやれば上達する。
あなたが私に言ってくれたことじゃない~。▼
- [ディミトリ]
- ……そうだったな。俺らしくなかった。
もう一度やってみよう。▼
- [メルセデス]
- ええ、その調子よ。それじゃあ、再挑戦ね。
取りあえず糸を針に通して~……あ。▼
(画面暗転、そのまま支援会話が進行)
- [ディミトリ]
- くっ、しまった、また縫い針が……!▼
支援B+†
《共通》
(訓練場にて)
- [ディミトリ]
- 最近はよく訓練場に来るな、メルセデス。
剣の腕も見違えるほど上達した。▼
- [メルセデス]
- ありがとう。あなたが教えてくれるから、
訓練も楽しくって、続くのよね~。▼
- [ディミトリ]
- お前の努力あってこそだ。
しかし……それに比べて、俺のほうは。▼
- [メルセデス]
- あらあら、そう悲観することないわよ~。
少しずつ上手になってきたじゃない。▼
- [ディミトリ]
- ……ようやくまともに、針と糸を
持てるようになった気はするが。▼
- [メルセデス]
- ふふっ、大きな進歩よ。最初は、はさみも
壊しちゃうとか、大変だったものねえ。▼
- [ディミトリ]
- そうだな……。
いろいろと、迷惑をかけてしまった。▼
- [メルセデス]
- 迷惑だなんて~。こうしてあなたと
一緒にお裁縫するの、楽しいわよ?▼
何だか、昔を思い出すのよね~……
お母様からお裁縫を教わった時のこととか。▼
お母様と、私と、それから弟と……
3人で並んで座って、お裁縫をしたわ~。▼
ふふっ、懐かしい。そう言えばあの子も、
あまり器用じゃなかったわね~……。▼
ねえディミトリ、あなたのお母様は、
お裁縫がお好きだったのかしら?▼
- [ディミトリ]
- ……母、というのが生母を指すのなら、
あまり得意ではなかったと父は言っていた。▼
- [メルセデス]
- ……そう、だったわね。ファーガスの
王妃様は、だいぶ昔に亡くなられたって。▼
- [ディミトリ]
- 生母のことは、正直なところ
どんな人だったかもよく覚えていない。▼
だが、俺の継母は……よく窓辺に座って
刺繍か何かをしていたような記憶があるな。▼
- [メルセデス]
- 教えて、って言ってみれば良かったのに。
きっと喜んだと思うわよ~?▼
- [ディミトリ]
- ……縫い物をしている時のあの人は、
決まって寂しそうな顔をしていた。▼
だから何となく、話しかけにくくて。
……結局、教わらないままだった。▼
- [メルセデス]
- ……ごめんなさい、話しにくいことを
聞いちゃったかしら~?▼
- [ディミトリ]
- ああいや、構わない。時々こうして
思い出さなければ、忘れてしまいそうで。▼
- [メルセデス]
- ……そうなのね。▼
- [ディミトリ]
- だが、俺ばかり喋っても仕方ないよな。
良ければ、お前の話も聞かせてくれないか?▼
- [メルセデス]
- ……あら、私の話?
困ったわ~、何を話したらいいのかしら。▼
- [ディミトリ]
- 何でも、と言っても困るよな。ならば、
例えば先ほどの……お前の家族の話、とか。▼
- [メルセデス]
- 家族の話ね? ふふ、もちろんいいわ~。
私もね、誰かに聞いてほしかったのよ~。▼
……もう戻れない過去の思い出は、
時々、言葉にして、懐かしんであげないと。▼
長くなっちゃうかもしれないけれど、
付き合ってくれる?▼
- [ディミトリ]
- ……ああ、もちろん。
時間の許す限り、いくらでも。▼
支援A†
《蒼月の章限定》
(夜の大聖堂にて)
(ディミトリが祈りを捧げているところに、メルセデスが現れる)
- [メルセデス]
- あら~、こんばんは、ディミトリ。
あなたもお祈りかしら~?▼
- [ディミトリ]
- まあ、そんなところだ。
メルセデスこそ、こんな遅くに?▼
- [メルセデス]
- ええ、私もお祈り。真夜中の大聖堂って、
静かで何だか落ち着くから、好きなのよ~。▼
- [ディミトリ]
- ああ、確かにそうだな。ここにいると
落ち着くというのは、俺にもわかる。▼
(メルセデス、祈りを捧げながら)
- [メルセデス]
- ……こういう静かな夜はね、ここに来て、
いなくなった人のことを思い出すの~。▼
この戦争で、数えきれないほど
たくさんの人たちが亡くなったでしょ?▼
その人たちが女神様のお側で、
ずっと幸せに過ごせますように、って……▼
こうして祈るくらいしか、
私にはできないのだけれど。▼
- [ディミトリ]
- ……優しいんだな、メルセデスは。▼
- [メルセデス]
- あら~? あなたも優しいと思うわよ?
むしろ優しすぎて、良くないくらいよね~。▼
- [ディミトリ]
- 俺が優しい? ……それは違う。
俺はただの人殺しで……醜悪な化け物だ。▼
- [メルセデス]
- ……ねえ、ディミトリ。あなたが人を
手にかけてきたのは、何のためなの?▼
それは家族だとか、お友達とか……
死んでしまった人たちのためでしょう?▼
本当の化け物は、自分のために殺すの。
あんな悲しい顔で人を殺したりしないわ。▼
だから、自分を化け物だなんて……
そんなこと、いっちゃ駄目よ。▼
- [ディミトリ]
- ……ッ。
……なあ、メルセデス。▼
俺は……ずっと怖くて、仕方がないんだ。
「彼ら」の顔を忘れていくことが……▼
死んでいった……俺が殺してきた人々。
その死を忘れることなど、許されない。▼
それなのに、俺は……。▼
……どんな動機があったとしても、
それは、化け物の所業だ。▼
- [メルセデス]
- ……あのね。悲しいことだけれど、人って、
どうやっても忘れてしまう生き物なのよ~。▼
どんなに忘れるのが怖くても、過去はただ
懐かしむもので、決して戻れはしない。▼
結局、私たちは今を生きるしかないのよね。
死んだ人は、絶対に生き返らないから。▼
- [ディミトリ]
- ……その言葉を5年前に聞いていたら、
もっと違う人生もあったかもしれないな。▼
- [メルセデス]
- ……ねえ、ディミトリ。今、何がしたい?
まだ、死んだ人たちのために戦いたいの?▼
王様としてのあなたじゃなくて~、
同級生のディミトリの願いを聞きたいわ。▼
- [ディミトリ]
- 俺自身の願い、か。
……そんなもの、考えたこともなかったな。▼
……メルセデスの願いは?▼
- [メルセデス]
- う~ん、そうねえ。あなたが王様になっても
一緒にお裁縫や剣の稽古をしたい、とか?▼
- [ディミトリ]
- ………………。
メルセデス。お前の隣に立つ資格は……。▼
- [メルセデス]
- もうっ。化け物だ、資格だ、って、
あんまり卑屈だと嫌いになっちゃうわよ~?▼
私は……ただあなたの側にいたいわ。
それ以上の理由が、必要かしら~?▼
- [ディミトリ]
- ……メルセデス。▼
……ああ、俺の願いも同じだ。
俺も、許されるなら……お前の側にいたい。▼
- [メルセデス]
- ……ふふ、よかった~。
そう思っているのが、私だけじゃなくって。▼
それじゃ、もう少しだけ……
こうして、二人きりでいましょうか。▼
アネット†
支援C†
《共通》
(早朝、士官学校教室前の中庭にて)
- [アネット]
- あ、殿下、おはようございます。
こんな朝早くから、訓練ですか?▼
- [ディミトリ]
- ああ、まあ……。
アネットこそ、こんな朝からどうした?▼
- [アネット]
- えへへ、あたしは朝のお散歩中です。
殿下もどうですか? 気持ちいいですよ!▼
- [ディミトリ]
- ……朝の散歩、か。
ギュスタヴの奴も、それが日課だった。▼
お前は本当に父親に似ているな、アネット。▼
- [アネット]
- ……えへへ、よく言われました。▼
父さん、仕事も忙しくて、あまり家に
帰ってくることはなかったんですけど……。▼
家に帰ってきた時は、よく
あたしをお散歩に連れていってくれました。▼
- [ディミトリ]
- ……お前には、いろいろと
悪いことをしたな、アネット。▼
あいつには、ろくに休みも
与えてやれなかった。▼
まるで、俺や父上が、お前から
父親を取り上げてしまったような……▼
- [アネット]
- 少し寂しかったけど……いいんです。
父さん、自分の仕事が大好きだったから。▼
- [アネット]
- ……あっ、それよりあたし、もっと殿下と
お話したいなーって思ってたんですよ!▼
- [ディミトリ]
- 俺と……? どうして、また。▼
- [アネット]
- 父さん、あたしや母さんの前でもあんまり
喋るほうじゃなかったんですけど……▼
たまに、殿下の話を聞かせてくれたんです。
……だから他人って気がしなくって。▼
昔から知ってたような感じがするというか、
うーん……お兄ちゃん、みたいな?▼
- [ディミトリ]
- ……お兄ちゃん、か。▼
- [アネット]
- あっ、ご、ごめんなさい、つい!
……失礼でしたよね!▼
- [ディミトリ]
- ああいや、別に構わない。▼
確かに、もしお前のような妹がいたら、
きっと毎日楽しかっただろうな。▼
しかしギュスタヴの奴、
アネットに何を話したんだ……?▼
- [アネット]
- あっ、聞きたいですか?
殿下が子どもの頃に―……▼
- [ディミトリ]
- ああ……いや、わざわざ言わなくていい。
……悪い予感しかしないからな。▼
この際すべて忘れてくれ。
そして他言無用で頼む。いいな、アネット。▼
支援B†
《共通》
(食堂にて)
- [アネット]
- あの、殿下。
今日はですね、お願いがあって来たんです!▼
- [ディミトリ]
- ……お願い?
どうしたアネット、改まって。▼
- [アネット]
- えっと、そのですね……
父さんの話を聞かせてほしくって。▼
仕事をしている時の父さんと家での父さんは、
全然違ったんだろうなあって思って。▼
- [ディミトリ]
- ……俺の知る、ギュスタヴ、か。▼
お前も知ってのとおり、ギュスタヴは
祖父の代から王家に仕えてきた騎士だ。▼
俺にとっては武芸や用兵の師であり、
子供の頃から何かと頼れる相手だった。▼
……同時に、厳しい師でもあったがな。▼
- [アネット]
- あはは、厳しい性格なのは同じなんですね。
確かに家でもそんな感じでしたもん。▼
食事の作法とか、言葉遣いとか、
間違う度にきつくたしなめられました。▼
《蒼月の章》
- [アネット]
- あたしが殿下にこんな口をきいてるのも、
士官学校の同級生だからこそで……▼
もしそうじゃなかったら、
今頃父さん、卒倒しちゃってたかも。▼
《共通》
- [ディミトリ]
- そうか……
あいつ、アネットの前ではそういう……。▼
- [アネット]
- ? 殿下の前での父さんも、
そんな感じじゃなかったんですか?
- [ディミトリ]
- ……今でもよく覚えている。
あれは俺が11の頃の秋だった。▼
夜明け前、突然あいつに叩き起こされると
何の騒ぎだと言う間もなく弓を持たされ……▼
まだ暗い山に俺と兄弟子を放り込むと、
あいつは一言「鹿を狩ってこい」と……。▼
知ってのとおり、王都の秋は冷える。
まして夜の山だ、何が出てくるか……▼
……とにかく俺の師としてのギュスタヴは、
そういう男だった。▼
- [アネット]
- あはは……想像つかないかも。
やっぱり全然違うんですね、父さん。▼
- [ディミトリ]
- それから……ギュスタヴは事あるごとに、
娘の……お前の話をしていたな。▼
- [アネット]
- ……えっ?
父さん、いったいどんな話を……▼
- [ディミトリ]
- ……聞かないほうがいいと思うがな。
アネットが子供の頃に……▼
- [アネット]
- わー! や、やっぱり言わなくていいです!
絶対に恥ずかしい話ですよね、それ!?▼
- [ディミトリ]
- ……まあ、それなりには。▼
- [アネット]
- あたしも殿下の話はちゃんと忘れますから!
お願いします、忘れてくださーい!▼
- [ディミトリ]
- ……そうだな。ならば互いに、
秘密ということにしておこうか。▼
支援A†
《蒼月の章限定》
(食堂にて)
- [アネット]
- あの、殿下!
実はまたお願いが……▼
- [ディミトリ]
- またギュスタヴの話か? 話の種なら
まだまだあるが、そろそろ本人に……▼
- [アネット]
- あ、えっと、父さんの話じゃなくって。
今日は、殿下の話が聞きたくって。▼
- [ディミトリ]
- 俺の話……?▼
- [アネット]
- あたし、父さんのことばっかり聞いちゃって
殿下のことは全然聞けなかったから。▼
- [ディミトリ]
- ……参ったな。そう期待されても、
特に面白い話もできないと思うんだが。▼
- [アネット]
- 別に、面白い話が聞きたいとか
そういうわけじゃないですよ! ただ……▼
……あたし、殿下のこと、知っているようで
なんにも知らなかったんだなって。▼
あの日……大修道院で再会した時も、
何て声をかけていいのかわからなくって……▼
だから、せめて殿下の好きな食べ物くらい
用意してあげよう、って思ったんです。▼
好きなものを食べた後って、
何だか元気が出てきますから。でも……▼
いざ厨房に立って、あたし、殿下の好きな
食べ物さえ知らなかったんだって気づいて。▼
- [ディミトリ]
- ……そうだったのか。▼
……しかし、好物と言われても、難しいな。
食事には、本当にこだわりがないから……▼
ああ、そう言うアネットは、
確か甘いものが好きだったよな?▼
- [アネット]
- えへへ、そのとおりです! あたし、
甘いお菓子を食べている時が一番幸せで……▼
……あ、殿下、知っています?
王都の有名なお菓子屋さん!▼
- [ディミトリ]
- ああ……たびたび行列ができていた店だな。
城の兵士たちも、よく噂していた。▼
- [アネット]
- あのお菓子、とっても美味しいんですよ!
値段は張るけれど、あたし、大好きで。▼
あたし、父さんがいなくなる前までは
家族で王都に住んでいたんですけど……▼
その頃から、たまに食べていたんですよ。
えへへ、また食べたいなあ……。▼
- [ディミトリ]
- ……なあ、アネット。お前はこの戦争が
終わったら、どこへ帰るつもりだ?▼
確か士官学校時代は、ドミニク男爵の元に
身を寄せていたと聞いていたが……▼
- [アネット]
- ……はい。だけど伯父さんは、5年前に
王国を裏切って帝国についたから……▼
父さんとは再会できたし、
また家族一緒に、王都で暮らしたいかな。▼
そうしたら、戦争が終わった後にも
殿下とお会いできますし、ね!▼
- [ディミトリ]
- ……困ったな。お前の父親には、まだまだ
働いてもらわなければならないんだが。▼
- [アネット]
- もう、父さんだって結構な年なんですから。
あんまり働かせすぎないでくださいね!▼
- [ディミトリ]
- ……ああ、そうだな。
肝に銘じよう。▼
支援A+†
- [アネット]
- あの……殿下。
いろいろ、ありがとうございました。▼
- [ディミトリ]
- ……いきなり何だ、かしこまって。
軍を抜けるとでも言い出すつもりか?▼
- [アネット]
- あ、いえ! この間、ちょっと軍の用事で、
久しぶりに王都に戻ったんです。▼
みんな、暮らしはまだ大変そうだったけど
少しずつ昔の活気を取り戻してて……▼
殿下がいなかったら、きっとあんなふうには
ならなかったよな、って思って。だから……▼
- [ディミトリ]
- 買い被りだ。……俺はかつて、
彼らを見捨てて逃げ出したのだから。▼
- [アネット]
- 仕方ないですよ。王都に残っていたら、
殺されちゃってたんでしょう?▼
もうっ、そんなに根暗で卑屈だと、
父さんみたいな顔になっちゃいますよ。▼
- [ディミトリ]
- アネット。お前は知らないだろうが、
あの5年間、俺は多くの命を奪ってきた。▼
将兵を、官吏を……人を人とも
思わぬような、惨たらしい殺め方でな。▼
そして俺が帝国との戦いに固執する間にも、
王都では多くの民が命を落としていった。▼
……俺の手は、すでに血に塗れている。
許されてはならない。決して。▼
- [アネット]
- ………………。殿下って、あたしよりも
よっぽど父さんに似てますよね……。▼
あたしたちを置いていなくなる前、
父さんも同じようなことを言ってました。▼
殿下には、あんなふうになってほしくない。
……だからあたし、この間考えたんですよ!▼
あたし、この戦争が終わったら、
殿下のお仕事を手伝えないかなって。▼
えへへ……王様のお仕事なんて、あたしに
手伝えるかはわからないんですけど……。▼
- [ディミトリ]
- ……どういう風の吹き回しだ?▼
- [アネット]
- ……だって殿下って、独りにしておいたら
笑い方も忘れちゃいそうじゃないですか。▼
暗い顔してたら仕事だってはかどらないし。
……あたしでいいなら、側にいます。▼
それでも悲しくて、苦しいままなら、
……声を上げて笑えるまで、ご飯抜きとか。▼
- [ディミトリ]
- ご飯、抜き……。
……ふっ。は、ははは、あはははは!▼
- [アネット]
- そ、そこで笑わないでくださいよー!
あたしだって真剣に考えたんですから!▼
- [ディミトリ]
- はは……わ、悪い、つい……。▼
確かに、アネットが近くにいてくれたら、
俺も、暗い顔などしていられないな。▼
……是非頼む、アネット。
お前がいるから、俺は笑っていられる。▼
- [アネット]
- ……はいっ!▼
イングリット†
支援C†
《共通》
(訓練場にて)
- [イングリット]
- お手合わせ、ありがとうございました。
殿下には、まだまだ敵いませんね。▼
- [ディミトリ]
- 謙遜は止せ。お前は稽古のたび、
目に見えて腕を上げている。▼
- [イングリット]
- い、いえ。腕を誇るのは、せめて殿下から
一本取れてからにさせてください。▼
- [ディミトリ]
- ……あのな、イングリット。こうして地上で
槍を交えれば、俺が勝つかもしれないが。▼
馬上での槍の扱いは、お前が何枚も上手だ。
……得意分野でくらい勝たせてくれ。▼
- [イングリット]
- そ、そういうわけには……。国のためにも、
私はもっと強くならねばならないのです。▼
- [ディミトリ]
- 国のため、か。……なあ、ところで
イングリット。先程の突き、どこで習った?▼
あの技は確かグレンの……▼
- [イングリット]
- ……はい。
あれはずっと昔、彼に教わったものです。▼
- [ディミトリ]
- そうか。まさか今になって、あいつの
技を再び受けられるとは思わなかった。▼
グレンとは、同じ師の元で武芸を学んだ。
何度となく、手合わせをしたものだ。▼
- [イングリット]
- もちろん、知っていますとも。彼は昔から、
事あるごとに殿下を褒めていましたからね。▼
あいつはすごい奴だ、とか、
俺には永遠に勝てそうにない、とか。▼
- [ディミトリ]
- ……そんなこと、俺には
一度も言ってくれなかったぞ、あいつ。▼
- [イングリット]
- フェリクスの兄だけあって、彼も
素直なほうではありませんでしたからね。▼
- [ディミトリ]
- ……本当にな。手合わせの回数よりも、
喧嘩をした回数のほうが多いかもしれない。▼
《白雲の章》
- [ディミトリ]
- 「ダスカーの悲劇」から……
グレンが死んでから、もう4年か。▼
《蒼月の章》
- [ディミトリ]
- 「ダスカーの悲劇」から……
グレンが死んでから、もう9年か。▼
《共通》
- [イングリット]
- 早いものですね。あれから、本当に……
本当に、いろいろなことがありました。▼
……あの、殿下。私も、殿下や
グレンのように、強くなりたいのです。▼
グレンや、これまで死んでいった人々が
守ってきた祖国、ファーガスのためにも。▼
これからも是非、
稽古にお付き合いいただけませんか?▼
- [ディミトリ]
- ……もちろん。お前との稽古は、学ぶことも
多い。こちらこそ、よろしく頼む。▼
支援B†
《共通》
(食堂にて)
- [ディミトリ]
- ……イングリット。お前には、
常々謝らねばならないと思っていた。▼
- [イングリット]
- む、どうしたのです、殿下?
そのように改まって。▼
- [ディミトリ]
- 本来ならお前は、
グレンと結婚するはずだった。▼
あいつは……本当に、お前を好いていた。
お前も憎からず思っていたと聞く。▼
だがあの日、俺の目の前であいつは死んだ。
あいつを助けてやれなかった。▼
お前の幸せは、俺が奪ったようなものだ。
……すまなかった。▼
- [イングリット]
- それは……
殿下が謝るようなことでは……。▼
……グレンが死んだことを、
まだ受け入れたくないと思う自分もいます。▼
子供の頃からずっと、彼に憧れてきました。
グレンは清廉で、高潔な騎士だった。▼
命を懸けて騎士の務めを果たした彼を、
私は誇りに思っています。▼
- [ディミトリ]
- ……誇り、だと?▼
- [イングリット]
- はい。守るべき人を守って死んだあの人は、
私にとって、理想の騎士そのものですから。▼
- [ディミトリ]
- ……お前は、あんな痛々しい末路を
理想に掲げようというのか。▼
- [イングリット]
- 痛々しい、末路……? いくら殿下の
お言葉でも、聞き捨てなりません。▼
グレンは、あなたのために命を捧げた。
なのに、そのような言い方は……!▼
- [ディミトリ]
- お前はあいつの最期を見ていない。
……だから、そんなことが言える。▼
- [イングリット]
- ……殿下が何を仰ろうと、私にとって彼は
永遠に理想の騎士、目指すべき人です。▼
- [ディミトリ]
- そんな理想は、早々に捨て去ることだ。▼
- [イングリット]
- ……っ!▼
てすが、グレンがあなたを守ることに
誇りを持っていたのは、確かで……。▼
ですから……せめて、彼の死を
貶めるのだけは……やめてください。▼
- [イングリット]
- ……すみません。
今日はこれで、失礼します。▼
(イングリットが立ち去る)
- [ディミトリ]
- ………………。
……ああ、何をやっているんだ、俺は。▼
支援B+†
《共通》
(食堂にて)
- [イングリット]
- ……殿下。
先日は、本当に申し訳ありませんでした。▼
あの後、冷静になって考えてみたんです。
殿下がどのような思いで、ああ仰ったのか……。▼
私は自分の考えばかりに囚われて……
浅はかだったと思います。▼
- [ディミトリ]
- ……いや。俺のほうこそ、本当に悪かった。
あんなことを言うつもりはなかったんだ。▼
子供じみた八つ当たりだ。
詰ってくれていい。……本当に、最低だ。▼
……自分の口下手さには嫌気が差す。
いま一度、きちんと話させてくれるか?▼
- [イングリット]
- えっ?
……はい、もちろんです。▼
- [ディミトリ]
- 俺はな、ダスカーで幾多もの死体を見た。
もちろんあいつの……グレンの死体もだ。▼
イングリット、お前は見ていないはずだ。
あいつを連れ帰ることはできなかったから。▼
痛みと無念の中で、苦しみながら死んで
いったのだろう。……そんな顔をしていた。▼
- [イングリット]
- ………………。▼
- [ディミトリ]
- あの荒野には、英雄譚に語られるような
美しく誇り高い死など、一つも無かった。▼
お前にはあんな死に方をしてほしくない……
たとえそれが忠義と矜持のためであっても。▼
- [イングリット]
- ……王は民に、あるいは兵や騎士に、
自分のために戦って死ねと命じるものです。▼
彼らの命を切り捨てなければ、
成し遂げられないこともあるのですから。▼
……自分のために死ぬなと仰る殿下は、
人の上に立つには甘く、優しすぎます。▼
- [ディミトリ]
- 反論の余地もないな。
……失望したか?▼
- [イングリット]
- ……いいえ。私は、
そんな殿下にだからこそ、お仕えしたい。▼
私は騎士として、あなたの甘く優しい理想を
側でお支えしたいと……そう思います。▼
- [ディミトリ]
- ……どうしたんだ、イングリット。
この間は、あれだけ頑なだったのに。▼
- [イングリット]
- 気づかされたのです。私は、とても
大切なことから目を逸らし続けていた、と。▼
ありがとうございます。あなたのおかげで、
私は……ようやく前に進めます。▼
- [ディミトリ]
- ………………?▼
支援A†
《蒼月の章限定》
(訓練場にて)
- [ディミトリ]
- ……とうとう、地上でも一本取られたか。
腕を上げたな、イングリット。▼
- [イングリット]
- い、いえ、今のはまぐれのようなものです。
いずれきちんとした形で……▼
- [ディミトリ]
- いや、どんな形だろうと勝ちは勝ちだ。
ここが戦場なら、俺は死んでいただろう。▼
迷いのない、良い槍さばきだった。
やはり、何か心境の変化でもあったのか?▼
- [イングリット]
- ……以前、お伝えしましたよね。
殿下のおかげで前に進める、と。▼
- [ディミトリ]
- ああ、そうだったな。
……あれは、どういう意味だったんだ?▼
- [イングリット]
- ……ずっと目を逸らし続けていた真実を、
ようやく受け入れることができたのです。▼
グレンは、きっと無念だった。なのに、
私自身がそれを認めたくなかったのだ、と。▼
彼の本当の姿を捻じ曲げ、自分の理想を
押しつけ、目を背け続けてきた、と……。▼
- [ディミトリ]
- ……そうか。▼
- [イングリット]
- ……殿下。私は、他の誰かのために
自分の命を投げ出したりなどしません。▼
……ですが、誰かのために生きることは
許してくださいますか、殿下?▼
命を投げ打つという意味ではなく─
私は、あなたに、私の人生を捧げたい。▼
- [ディミトリ]
- ……待て。それは、
どういう意味で受け取ればいい?▼
- [イングリット]
- ……?
殿下の、お好きなように。▼
- [ディミトリ]
- はは……好きなように、か。
……参ったな。▼
イングリット。
この戦いが終わったら、お前には……。▼
………………。▼
……騎士として、俺を支えてほしい。▼
(少し早口で続ける)
- [ディミトリ]
- ……そう、言おうと思っていたんだ、
前々から。気が合うな、俺たちは。▼
- [イングリット]
- ……騎士として、ですか。
あ、えっと、いえ! 何でもありません!▼
もちろん、言われずとも私は、殿下の
……そ、祖国のため、戦うつもりでした。▼
共に参りましょう、殿下。
まずは、この戦乱の終わりを目指して。▼
- [ディミトリ]
- ああ。
その暁には……▼
……死ぬなよ、イングリット。約束だ。▼
- [イングリット]
- ……ええ。
この槍に誓って、必ず。▼
コメント(情報投稿・誤字脱字の報告)†
- アネットの支援A+を勝手ながら記載しました。会話のみしか埋めていないので、他の情報が必要な場合は編集をお願いします。 --
- ↑アネットのA+解放してなかったので助かりました、ありがとうございます。 --
- アッシュの支援Cの蒼月の章は「俺たちは対等な仲間だろう?これまでだって、一緒に戦ってきたんだ。」 --
- 一部でシルヴァンCで止めて二部でB見ると酷いな。殺戮モードで5年→ロドリグ死んで立ち直る→翌節にはナンパしてシルヴァンの部屋に逃げ込む。 --
- ↑こういうコメントの場では無かったね。失礼しました --
- ↑2それをいったら紅花ルート確定直後の仮設陣地でヒューベルナデッタの会話は末路的に敵対した大修道院の自室に連れて行きましたというシュールな状況になるのですがこれは… --
- あねっと --
- アネットA、「……はい。だけど伯父さんは、5年前に 王国を裏切って帝国についたから……▼」の部分、「はい。……だけどやっぱり、あたしの帰る場所は別にあります。▼」になってました。アネットとギルベルトの支援A開放後だったのが関係あるのでしょうか --