会話集/章別会話
暗夜王国 15章 鈍く崩れ落ちて†
ナレーション†
王のやり方がどうしても納得できない
カムイ。
眠れぬ夜にアクアを見かけ、
話を聞こうと後を追うが、そこで
見たこともない敵と戦うことになる。
オープニング1†
+
| | マイユニット男性・俺
|
- [カムイ]
- …………▼
眠れないな。▼
シュヴァリエの件といい、
今回の件といい、▼
罪もない人々を手に掛けるなんてこと、
俺にはやっぱり、できそうにない。▼
こんなことを考えたくはないが…▼
暗夜王国側についたことは
間違いだったのだろうか。▼
俺はマークス兄さんやレオンさんを裏切ってでも、
白夜王国側につくべきだったのだろうか。▼
…………▼
…………?▼
あれは、アクア…?
- (カムイがアクアを遠目に見る)
- [アクア]
- …………
- [カムイ]
- アクア…
一人で、どこに行かれるんだ。▼
…そうだ。アクアはこちら側についたことを
どう思っているんだ。▼
一緒に育ったきょうだいたちと闘うこと、
暗夜王国のやり方…▼
アクアも迷ったりしているのでしょうか。
…俺と同じように▼
よし、ちょっと話を聞いてみよう。▼
- (アクアの歌が響く)
- [カムイ]
- えっと…
アクア、どこに行ったんだ。▼
確かこの森に入っていったと
思うんだが…▼
え…? この歌は…
あの歌姫が歌っていたものと似てる…▼
まさか…あの歌姫の正体は、
アクアだったのか?▼
早く…
早く見つけないと!▼
…いた! アクア…▼
- (泉の中で立っているアクア)
- [カムイ]
- …?▼
泉の中に、入っている?
水遊び…?▼
いや、服は着たままだな。
一体何を…▼
- (水色の光と泡を立ち上らせながら、泉に消えていくアクア)
- [カムイ]
- !? 消えた…!?
泉の中に、沈んだのか!?▼
まさか…!?
そんな…アクア…!▼
アクアっ!!!!!!!▼
|
+
| | マイユニット女性・私
|
- [カムイ]
- …………▼
眠れませんね。▼
シュヴァリエの件といい、
今回の件といい、▼
罪もない人々を手に掛けるなんてこと、
私にはやっぱり、できません。▼
こんなことを考えたくはありませんが…▼
暗夜王国側についたことは
間違いだったのでしょうか。▼
私はマークス兄さんやレオンさんを
裏切ってでも、▼
白夜王国側につくべきだったのでしょうか。▼
…………▼
…………?▼
あれは、アクアさん…?
- (カムイがアクアを遠目に見る)
- [アクア]
- …………
- [カムイ]
- アクアさん…
一人で、どこに行かれるんでしょうか。▼
…そうです。▼
アクアさんはこちら側についたことを
どう思っているのでしょう。▼
一緒に育ったきょうだいたちと闘うこと、
暗夜王国のやり方…▼
アクアさんも、私と同じように
迷ったりしているのでしょうか。▼
よし、ちょっと話を聞いてみましょう。▼
- (アクアの歌が響く)
- [カムイ]
- えっと…
アクアさん、どこに行ったのでしょう。▼
確かこの森に入っていったと
思うのですが…▼
え…? この歌は…
あの歌姫が歌っていたものと似ています…▼
まさか…あの歌姫の正体は、
アクアさんだったのですか?▼
早く…
早く見つけないと!▼
…いました! アクアさん…▼
- (泉の中で立っているアクア)
- [カムイ]
- …?▼
泉の中に、入っている?
水遊び…?▼
いえ、服は着たままですね。
一体何を…▼
- (水色の光と泡を立ち上らせながら、泉に消えていくアクア)
- [カムイ]
- !? 消えた…!?
泉の中に、沈んだのですか!?▼
まさか…!?
そんな…アクアさん…!▼
アクアさんっ!!!!!!!▼
|
ムービー「見えざる扉」†
- (湖の光の中へ消えていくアクアを追うカムイ)
- (激しい水流を抜けていく)
- (目を覚ますと、大陸が宙に浮いた奇妙な場所に辿り着く)
- [アクア]
- どうして…
- (声のする方に視線をやる)
- [アクア]
- …あなたがここに…?
オープニング2†
+
| | マイユニット男性・俺
|
- [カムイ]
- アクア…?
あれ? ここは泉の中のはずでは…▼
- [アクア]
- 来てはいけなかったわ、
カムイ。▼
あなたはここに来るべきじゃなかった。
すぐに戻らないと。▼
- [カムイ]
- え…戻るって…?
ここはいったい…▼
- (忍者がカムイのもとに走り寄る)
- [アクア]
- カムイ、危ない!!▼
- (カムイと忍者が交戦、GUARD表示)
- [カムイ]
- いきなり斬りかかってきた…?
何なんだ、こいつは…!?▼
- [アクア]
- 厄介ね…
逃げるわよ、カムイ!▼
こいつは人の形をしているけれど、
既に人ではない化け物。▼
何の感情も持たず、何も話さず、
生きている者を見境なく襲う存在よ。▼
近くにいると危険だわ。▼
- [カムイ]
- そんな…
だ、だがアクアさん、▼
俺たち…囲まれているぞ!?▼
- [アクア]
- 何ですって!?▼
くっ…! 仕方ないわね。
ここで闘うしかないわ。▼
死なせないわよ…カムイ。
あの真実を、伝えるまでは。▼
- (ギュンターがやって来て、忍者をしとめる)
- [ギュンター]
- カムイ様!!▼
- [カムイ]
- お前は…
まさか、まさか…!▼
ギュンター!!!
ギュンターなのか!!?▼
- [ギュンター]
- はい。
幽霊ではございませぬぞ?▼
お二人が闘っておられるのが
見えたので、加勢に参りました!▼
- [カムイ]
- 良かった…
生きていたんだな、ギュンター…!▼
本当に…本当に良かった!▼
だ、だがどうして
ギュンターがここに?▼
- [ギュンター]
- いえ、話はあとです!
今はこの者共を蹴散らさねば!▼
- [カムイ]
- あ…
そうだな、すまん!▼
また一緒に闘えてうれしいぞ…
ギュンター…▼
|
+
| | マイユニット女性・私
|
- [カムイ]
- アクアさん…?
あれ? ここは泉の中のはずじゃ…▼
- [アクア]
- 来てはいけなかったわ、
カムイ。▼
あなたはここに来るべきじゃなかった。
すぐに戻らないと。▼
- [カムイ]
- え…戻るって…?
ここはいったい…▼
- (忍者がカムイのもとに走り寄る)
- [アクア]
- カムイ、危ない!!▼
- (カムイと忍者が交戦、GUARD表示)
- [カムイ]
- いきなり斬りかかってきた…?
何なんです、こいつは…!?▼
- [アクア]
- 厄介ね…
逃げるわよ、カムイ!▼
こいつは人の形をしているけれど、
既に人ではない化け物。▼
何の感情も持たず、何も話さず、
生きている者を見境なく襲う存在よ。▼
近くにいると危険だわ。▼
- [カムイ]
- そんな…
で、でもアクアさん、▼
私たち…囲まれていますよ!?▼
- [アクア]
- 何ですって!?▼
くっ…! 仕方ないわね。
ここで闘うしかないわ。▼
死なせないわよ…カムイ。
あの真実を、伝えるまでは。▼
- (ギュンターがやって来て、忍者をしとめる)
- [ギュンター]
- カムイ様!!▼
- [カムイ]
- あなたは…
まさか、まさか…!▼
ギュンターさん!!!
ギュンターさんなのですか!!?▼
- [ギュンター]
- はい。
幽霊ではございませぬぞ?▼
お二人が闘っておられるのが
見えたので、加勢に参りました!▼
- [カムイ]
- 良かった…
生きていたんですね、ギュンターさん…!▼
本当に…本当に良かった!▼
で、でもどうして
ギュンターさんがここに?▼
- [ギュンター]
- いえ、話はあとです!
今はこの者共を蹴散らさねば!▼
- [カムイ]
- あ…
そうですね、すみません!▼
また一緒に闘えてうれしいです…
ギュンターさん…▼
|
vs 謎の兵†
- [謎の兵]
- ソトノ……モノ、
ハイ…ジョ、スル……▼
謎の兵撃破†
- [謎の兵]
- …………▼
クリア後†
+
| | マイユニット男性・俺
|
- [カムイ]
- ギュンター! 会えて本当に嬉しいぞ。
今までどこで何をしていたんだ?▼
- [ギュンター]
- はい。私はあの日…
ガンズに無限渓谷に落とされました。▼
ですが…谷底に叩きつけられることはなく、
気が付いたらこの国にいたのです。▼
そして何が起きたのかわからずに
化け物に襲われ、▼
命を落としそうになっていたところを、
こちらのアクア様に…▼
- [カムイ]
- アクアに?▼
- [アクア]
- …ええ。▼
私は白夜王国で居場所を
追われるようになってから…▼
平和への手がかりを求めて、
何度かここに訪れていたの。▼
そして、化け物に襲われている
ギュンターと出会った。▼
- [ギュンター]
- アクア様は、この世界で
身を隠せる場所を教えて下さいました。▼
アクア様と出会えなかったら、
自分は今頃死んでいたでしょう。▼
本当に、感謝しています。▼
- [アクア]
- いいえ…
私に感謝される資格は無いわ。▼
私はあの後すぐに
白夜兵に捕らえられてしまったから、▼
なかなかこの国に来ることが
できなかったもの。▼
一人で残すようなことをしてしまって、
ごめんなさい。ギュンター…▼
- [ギュンター]
- いえ。
貴方様がご無事で何よりです。▼
- [カムイ]
- だが、
この国はいったい何なんだ?▼
ギュンターは無限渓谷から
ここに来たんだな。▼
だが俺は無限渓谷からではなく
泉の中からここに来た。▼
そんな不思議なことが…▼
- [アクア]
- あり得るのよ。▼
この世界は
暗夜王国でも白夜王国でもない、▼
すぐ傍にありながらも
決して『見えない』国だから。▼
- [カムイ]
- 見えない国…?▼
- [アクア]
- そう。ここは私たちのいた世界とは
時空がずれて存在しているの。▼
それに…この国の存在を知っても、
元の世界でそれを口にすれば…▼
…発言者の存在は、
泡となって消えてしまうわ。▼
- [カムイ]
- 泡に…!?
- [アクア]
- 大丈夫よ。
口にさえ出さなければ、死ぬことはないわ。▼
今から元の世界に戻るけれど、
くれぐれもこの世界のことは秘密よ。▼
二人とも、
私と一緒に来てちょうだい。▼
- (暗転→深い谷)
- [アクア]
- いい? ここが元いた世界の、
無限渓谷に相当する場所よ。▼
ここから飛び降りれば、
元の世界に戻れるわ。▼
- [カムイ]
- ほぉ…アクアは、いつもこんなことをして
戻っていたのか。すごいな…▼
- [アクア]
- ? すごくないわ。私はいつも、
泉の中から行き来しているから。▼
- [カムイ]
- ああ、じゃあわざわざ飛び降りなくても、
泉の中から帰ればいいんじゃないのか?▼
- [アクア]
- いいえ。泉を通って行き来できるのは、
私とカムイだけだもの。▼
ギュンターを連れて行くには、
この方法を使うしかない。▼
- [カムイ]
- え…
俺とアクアだけとは、どういうことだ?▼
- [アクア]
- それは…▼
…………▼
それは、
今話すことじゃないわ。▼
とにかく今は、
一刻も早く元の世界に戻りましょう。▼
またあいつらが襲ってきたら厄介よ。▼
- (アクアが谷へと飛び込む)
- [カムイ]
- ええっ!?
あ、アクア!?▼
うわ…
何のためらいもなく飛び降りたね…▼
- [ギュンター]
- では、我々も参りましょう。▼
私はカムイ様の御身をお守り
するため、しんがりを務めます。▼
- [カムイ]
- えっと…それって、
先に行けということか…?▼
…………▼
お、恐ろしいが…
行くしか、ないな…▼
…………▼
…………▼
たあっ!!!!!▼
- (カムイが飛び降りる)
- [カムイ]
- …………▼
- (カムイが目を開けると、アクアがカムイを覗き込んでいた)
- [アクア]
- おかえりなさい、カムイ。▼
- [カムイ]
- アクア…
ここは、元の世界か…▼
お、おい?
ギュンターは?▼
ま、まさか失敗して谷底に…▼
- [アクア]
- 心配しないで。ちゃんと飛び降りたのなら、
必ずここに戻ってこられる。▼
ただ、さっきも言ったように…あの世界と
この世界は時空がずれているから、▼
到着する時間に少しだけ
違いが生じることがあるの。▼
…でも、ちょうど良かったわ。▼
彼を待っている間、
あなたに話しておきたいことがあるの。▼
- [カムイ]
- え…?▼
- [アクア]
- ねえ、あなたはこの戦争を
自分のやり方で止めたいと行ったわね。▼
それなら、
あなたのやるべきことは一つだけ。▼
それは…▼
…ガロン王を、倒すことよ。▼
- [カムイ]
- 父上を…!?▼
- [アクア]
- そうね。
あなたも薄々感づいていたはずよ…▼
あの男の残酷さに。▼
実の子であっても理解できないほどの、
狂気じみたやり方に。▼
- [カムイ]
- そ、それは確かに…そうだが。▼
だが、そうだとしても、
父であるガロン王を討てというのか?
- [アクア]
- いい? あれは…
もはや暗夜王ガロンではないわ。▼
悪魔に魅入られた、
この世のものでない何かなの。▼
あなたになら、
真実を見せることができるかもしれない。▼
…これを使って。▼
- [カムイ]
- それは…?
- [アクア]
- これは『あの国』で作られた道具…
真実を映し出す水晶球よ。▼
これを使えるのは、レオンのように
よほど強い魔導の才を持つ者か…▼
あなたのように、
竜の血を強く受け継ぐ者だけなの。▼
さあ、この水晶球に触れてみて。▼
- [カムイ]
- …わかった。▼
- (水晶球に映るガロンが化物に変わる。それを見終えた後、水晶球が割れる)
- [アクア]
- さあ、これで分かったかしら、カムイ。
ガロン王の真実が。▼
- [カムイ]
- ああ…▼
…なあ、アクア。
一つ聞かせてほしい。▼
人でなくなってしまった父上を
救うことは…できないのか?▼
- [アクア]
- 残念だけど…
もう手遅れよ。▼
ここまで怪物に取り込まれてしまったら、
もはや倒すしか道は無いわ。▼
私も、できるだけのことはしてみたの。
アミュージアの…あのショー会場で。▼
- [カムイ]
- やっぱりあの歌姫は、
アクアだったんだな…▼
- [アクア]
- ええ。私の歌にも、
少しだけ不思議な力があるの。▼
だから、もしかしたらガロン王を
元に戻せるかと思ったのだけれど…▼
…だめだったわ。▼
その上、
私が歌ってしまったせいで、▼
あの国の歌姫たちは
酷い怪我を負わされる羽目になってしまった。▼
私は自分の目的のために、他人を傷つけた…
決して許されることではないわ。▼
- [カムイ]
- そんな…俺も同じだ。
犠牲を出さずにいようと思っていたのに、▼
シュヴァリエ公国では結局…
たくさんの人を死なせてしまった。▼
- [アクア]
- カムイ…▼
- [カムイ]
- もう二度とあんな悲劇を繰り返さないためには、
父上を…倒すしかないんだな。▼
それにはまず、マークス兄さんたち、
きょうだいの協力が不可欠だ…▼
だが…どうやって説得する?▼
今見た事をいくら説明しても、
到底信じてもらえるとは思えない。▼
そもそも、『あの国』のことは、
みんなに一言だって話せないのに…!▼
- [アクア]
- …………▼
…いいえ。方法なら、一つだけあるわ。
ただし、危険な賭けになるけれど。▼
- [カムイ]
- それは…?▼
- [アクア]
- 白夜王国を制圧して
戦争を終わらせ…▼
ガロン王を
『白夜の王座』に座らせるの。▼
- [カムイ]
- そうか!
確か母上は言っていた…▼
あの王座に座る者は、
真の姿を取り戻すと。▼
- [アクア]
- そうね…その通りよ。▼
さっきの水晶球では
あなたしか真実を見られなかったけれど、▼
あの王座なら、
暗夜のきょうだい達にも真実を告げられる。▼
ただ、そのためにはガロン王に従い…
白夜の王座を制圧するその時まで、▼
白夜のきょうだい達と
闘わないといけないわ。▼
あなたにとっては、
とても辛い闘いになるけれど…▼
- [カムイ]
- …………▼
…ああ。
それでも俺は闘う。▼
このまま暗夜王国で
父上に従い、闘い続けよう。▼
戦争を終わらせるため、
この悪の道を進んでみせる。▼
例え誰にも理解されず、
恨まれ罵られようとも…▼
- [アクア]
- そう…あなたがそう決めたのなら、
私も付いて行くわ。▼
暗夜王国が勝利する、
その日まで。▼
- [ギュンター]
- おお…!
カムイ様、アクア様!▼
お待たせしてしまったようですな。
今戻りましたぞ。▼
- [カムイ]
- おかえり、ギュンター。▼
- [アクア]
- 無事に戻ったようで、良かったわ。▼
…それじゃ、
みんなのところに戻りましょ。▼
あまり遅くなって、ガロン王に
余計な詮索をさせるわけにいかないもの…▼
|
+
| | マイユニット女性・私
|
- [カムイ]
- ギュンターさん! 会えて本当に嬉しいです。
今までどこで何をしていたのですか?▼
- [ギュンター]
- はい。私はあの日…
ガンズに無限渓谷に落とされました。▼
ですが…谷底に叩きつけられることはなく、
気が付いたらこの国にいたのです。▼
そして何が起きたのかわからずに
化け物に襲われ、▼
命を落としそうになっていたところを、
こちらのアクア様に…▼
- [カムイ]
- アクアさんに?▼
- [アクア]
- …ええ。▼
私は白夜王国で居場所を
追われるようになってから…▼
平和への手がかりを求めて、
何度かここに訪れていたの。▼
そして、化け物に襲われている
ギュンターと出会った。▼
- [ギュンター]
- アクア様は、この世界で
身を隠せる場所を教えて下さいました。▼
アクア様と出会えなかったら、
自分は今頃死んでいたでしょう。▼
本当に、感謝しています。▼
- [アクア]
- いいえ…
私に感謝される資格は無いわ。▼
私はあの後すぐに
白夜兵に捕らえられてしまったから、▼
なかなかこの国に来ることが
できなかったもの。▼
一人で残すようなことをしてしまって、
ごめんなさい。ギュンター…▼
- [ギュンター]
- いえ。
貴方様がご無事で何よりです。▼
- [カムイ]
- でも、
この国はいったい何なんです?▼
ギュンターさんは無限渓谷から
ここに来たんですよね。▼
だけど私は無限渓谷からではなく
泉の中からここに来ました。▼
そんな不思議なことって…▼
- [アクア]
- あり得るのよ。▼
この世界は
暗夜王国でも白夜王国でもない、▼
すぐ傍にありながらも
決して『見えない』国だから。▼
- [カムイ]
- 見えない国…?▼
- [アクア]
- そう。ここは私たちのいた世界とは
時空がずれて存在しているの。▼
それに…この国の存在を知っても、
元の世界でそれを口にすれば…▼
…発言者の存在は、
泡となって消えてしまうわ。▼
- [カムイ]
- 泡に…!?
- [アクア]
- 大丈夫よ。
口にさえ出さなければ、死ぬことはないわ。▼
今から元の世界に戻るけれど、
くれぐれもこの世界のことは秘密よ。▼
二人とも、
私と一緒に来てちょうだい。▼
- (暗転→深い谷)
- [アクア]
- いい? ここが元いた世界の、
無限渓谷に相当する場所よ。▼
ここから飛び降りれば、
元の世界に戻れるわ。▼
- [カムイ]
- へぇ…アクアさんは、いつもこんなことをして
戻っていたのですか。すごいですね…▼
- [アクア]
- ? すごくないわ。私はいつも、
泉の中から行き来しているから。▼
- [カムイ]
- あ、じゃあわざわざ飛び降りなくても、
泉の中から帰ればいいのでは…▼
- [アクア]
- いいえ。泉を通って行き来できるのは、
私とカムイだけだもの。▼
ギュンターを連れて行くには、
この方法を使うしかない。▼
- [カムイ]
- え…
私とアクアさんだけとは、どういう意味です?▼
- [アクア]
- それは…▼
…………▼
それは、
今話すことじゃないわ。▼
とにかく今は、
一刻も早く元の世界に戻りましょう。▼
またあいつらが襲ってきたら厄介よ。▼
- (アクアが谷へと飛び込む)
- [カムイ]
- ええっ!?
あ、アクアさん!?▼
うわ…
何のためらいもなく飛び降りましたね…▼
- [ギュンター]
- では、我々も参りましょう。▼
私はカムイ様の御身をお守り
するため、しんがりを務めます。▼
- [カムイ]
- えっと…それって、
先に行けということですよね…?▼
…………▼
こ、怖いですが…
行くしか、ありませんね…▼
…………▼
…………▼
えいっ!!!!!▼
- (カムイが飛び降りる)
- [カムイ]
- …………▼
- (カムイが目を開けると、アクアがカムイを覗き込んでいた)
- [アクア]
- おかえりなさい、カムイ。▼
- [カムイ]
- アクアさん…
ここは、元の世界ですか…▼
あ、あれ?
ギュンターさんは?▼
ま、まさか失敗して谷底に…▼
- [アクア]
- 心配しないで。ちゃんと飛び降りたのなら、
必ずここに戻ってこられる。▼
ただ、さっきも言ったように…あの世界と
この世界は時空がずれているから、▼
到着する時間に少しだけ
違いが生じることがあるの。▼
…でも、ちょうど良かったわ。▼
彼を待っている間、
あなたに話しておきたいことがあるの。▼
- [カムイ]
- え…?▼
- [アクア]
- ねえ、あなたはこの戦争を
自分のやり方で止めたいと行ったわね。▼
それなら、
あなたのやるべきことは一つだけ。▼
それは…▼
…ガロン王を、倒すことよ。▼
- [カムイ]
- お父様を…!?▼
- [アクア]
- そうね。
あなたも薄々感づいていたはずよ…▼
あの男の残酷さに。▼
実の子であっても理解できないほどの、
狂気じみたやり方に。▼
- [カムイ]
- そ、それは確かに…そうですけど。▼
でも、そうだとしても、
父であるガロン王を討てというのですか?
- [アクア]
- いい? あれは…
もはや暗夜王ガロンではないわ。▼
悪魔に魅入られた、
この世のものでない何かなの。▼
あなたになら、
真実を見せることができるかもしれない。▼
…これを使って。▼
- [カムイ]
- それは…?
- [アクア]
- これは『あの国』で作られた道具…
真実を映し出す水晶球よ。▼
これを使えるのは、レオンのように
よほど強い魔導の才を持つ者か…▼
あなたのように、
竜の血を強く受け継ぐ者だけなの。▼
さあ、この水晶球に触れてみて。▼
- [カムイ]
- …わかりました。▼
- (水晶球に映るガロンが化物に変わる。それを見終えた後、水晶球が割れる)
- [アクア]
- さあ、これで分かったかしら、カムイ。
ガロン王の真実が。▼
- [カムイ]
- はい…▼
…あの、アクアさん。
一つ、聞いてもよろしいでしょうか。▼
人でなくなってしまったお父様を
救うことは…できないのですか?▼
- [アクア]
- 残念だけど…
もう手遅れよ。▼
ここまで怪物に取り込まれてしまったら、
もはや倒すしか道は無いわ。▼
私も、できるだけのことはしてみたの。
アミュージアの…あのショー会場で。▼
- [カムイ]
- やっぱりあの歌姫は、
アクアさんだったのですね…▼
- [アクア]
- ええ。私の歌にも、
少しだけ不思議な力があるの。▼
だから、もしかしたらガロン王を
元に戻せるかと思ったのだけれど…▼
…だめだったわ。▼
その上、
私が歌ってしまったせいで、▼
あの国の歌姫たちは
酷い怪我を負わされる羽目になってしまった。▼
私は自分の目的のために、他人を傷つけた…
決して許されることではないわ。▼
- [カムイ]
- そんな…私も同じです。
犠牲を出さずにいようと思っていたのに、▼
シュヴァリエ公国では結局…
たくさんの人を死なせてしまいました。▼
- [アクア]
- カムイ…▼
- [カムイ]
- もう二度とあんな悲劇を繰り返さないためには、
お父様を…倒すしかないのですね。▼
それにはまず、マークス兄さんたち、
きょうだいの理解を得なければなりません…▼
でも…どうやって説得すればいいのです?▼
今見た事をいくら説明しても、
到底信じてはもらえないでしょう。▼
そもそも、『あの国』のことは、
みんなに一言だって話せないのに…!▼
- [アクア]
- …………▼
…いいえ。方法なら、一つだけあるわ。
ただし、危険な賭けになるけれど。▼
- [カムイ]
- それは…?▼
- [アクア]
- 白夜王国を制圧して
戦争を終わらせ…▼
ガロン王を
『白夜の王座』に座らせるの。▼
- [カムイ]
- そうか!
確かお母様は言っていました…▼
あの王座に座る者は、
真の姿を取り戻すと。▼
- [アクア]
- そうね…その通りよ。▼
さっきの水晶球では
あなたしか真実を見られなかったけれど、▼
あの王座なら、
暗夜のきょうだい達にも真実を告げられる。▼
ただ、そのためにはガロン王に従い…
白夜の王座を制圧するその時まで、▼
白夜のきょうだい達と
闘わないといけないわ。▼
あなたにとっては、
とても辛い闘いになるけれど…▼
- [カムイ]
- …………▼
…はい。
それでも私は闘います。▼
このまま暗夜王国で
お父様に従い、闘い続けましょう。▼
戦争を終わらせるため、
この悪の道を進んでみせます。▼
例え誰にも理解されず、
恨まれ罵られようとも…▼
- [アクア]
- そう…あなたがそう決めたのなら、
私も付いて行くわ。▼
暗夜王国が勝利する、
その日まで。▼
- [ギュンター]
- おお…!
カムイ様、アクア様!▼
お待たせしてしまったようですな。
今戻りましたぞ。▼
- [カムイ]
- おかえりなさい、ギュンターさん。▼
- [アクア]
- 無事に戻ったようで、良かったわ。▼
…それじゃ、
みんなのところに戻りましょ。▼
あまり遅くなって、ガロン王に
余計な詮索をさせるわけにいかないもの…▼
|
コメント†