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| | マイユニット女性・私
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- [マトイ]
- …………▼
- [カムイ]
- マトイ?
どうしたんですか、そんなしかめっ面して?▼
- [マトイ]
- 母さん!
い、いえ、別になんでもないわ。▼
- [カムイ]
- なんでもないことないでしょう。
母さんには全てお見通しですよ。▼
あなた、悩みごとを
抱えているのではありませんか?▼
- [マトイ]
- えっ?▼
- [カムイ]
- あなたはツバキさんに似て、
悩みを人に相談するのが苦手な人…▼
だから隠す気持ちはわかります。▼
でも母さんならいいでしょう?
良かったら、話してください。▼
- [マトイ]
- いえ…本当に悩み事なんてないわよ?▼
そ、それよりあんなところに賊が!▼
- [カムイ]
- ええっ、賊?▼
…?
でも、そちらには見当たりませんが…▼
- [マトイ]
- い、いるのよ!
ちょっとあたし戦ってくるわね!▼
ほら、あそこに…その、
はみ出してるのが見えるもの!▼
- [カムイ]
- はみ出してる? どこに…▼
- [マトイ]
- とにかくあたし行くから!
引き止めないで母さんっ!▼
…………▼
ぐぅ。▼
- [カムイ]
- えっ?▼
もしかして今のは…
あなたのお腹の音ですか?▼
- [マトイ]
- …………▼
ごごご、ごめんなさい…▼
賊がいるなんて嘘…
本当はお腹が空いてるの隠したかったの…▼
体に力を入れていないと、
グ~っと鳴ってしまいそうで…▼
- [カムイ]
- ああ…
それで、しかめっ面だったんですか。▼
- [マトイ]
- そ、その通りよ…
ああ、恥ずかしくて死にそう…▼
お願いだから、誰にも言わないで!▼
- [カムイ]
- わかりました。
もちろん誰にも言いませんよ。▼
それに恥ずかしがることでもないです。
私は慣れっこですから。▼
昔、ツバキさんとも
同じことがあったんです。▼
ツバキさんたら、私の前でお腹の音を
鳴らしてしまったことを恥じて…▼
今のはわざと鳴らしたんだとか
言い出したり…▼
- [マトイ]
- えっ!? 父さんが!!?▼
- [カムイ]
- はい。それで次に会ったときは
ずーっと食べ物を食べていて。▼
こうしてずっと食べ続けていれば、
空腹にならないからって…▼
- [マトイ]
- ふ、ふふふ…
何それ…▼
父さん、なんか…かわいいわ。▼
- [カムイ]
- ふふ。
かわいいのは、あなたも同じですよ。▼
- [マトイ]
- あたしはそんなこと…▼
…………▼
- [カムイ]
- マトイ?
急に黙って、どうしたんです?▼
- [マトイ]
- なんか…うれしくて…▼
母さんに、あたしのダメな部分を
受け入れてもらえたみたいで…▼
- [カムイ]
- へえ、やっと自覚してくれたんですか?▼
私はずっと前から、
あなたの全てを受け入れていますよ。▼
だって…
あなたの親なんですからね。▼
- [マトイ]
- …ねえ、母さん。▼
今日は子どものためのお祭りよね。
ひとつ、わがままを言ってもいいかしら?▼
- [カムイ]
- はい、どうぞ。▼
- [マトイ]
- あたし、母さんに甘えてみたいわ。
例えば手を繋いだり、一緒に買い物とか…▼
- [カムイ]
- もちろんいいですよ。▼
- [マトイ]
- ほんと?▼
- [カムイ]
- ええ。では賊を倒したら、
神社の境内で待ち合わせしましょう。▼
今日はマトイのわがままを
なんでもきいちゃいます。▼
- [マトイ]
- ありがとう。
楽しみにしているわ。▼
大好きよ、母さん!▼
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