子世代編 参:四:迫る亡失†
オープニング†
オープニング1†
これは私の憶えている、或る世界の話。▼
ついに『夜刀神・白夜』を
手に入れたカンナと白き王子たち。▼
その戦いの影には
敗走する暗き国の王子と仲間の姿があった。▼
王子は傷ついた仲間を気遣い、
再び剣を取ることをためらう。▼
しかし、王子はまだ知らない。▼
彼が立ち上がらなければ、
この世界の真実には辿り着けないということに。▼
オープニング2†
- [ジークベルト]
- みんな、大丈夫かい?▼
- [ソレイユ]
- うん、何とかね。▼
- [イグニス]
- 良かった…誰も死ななくて。
さっきの敵は何だったんだ…▼
- [ベロア]
- わたしたちを追うことを、
途中でやめたように見えました…▼
- [ルッツ]
- 運が良かったね。
追われてたらタダじゃ済まなかったかも。▼
- [ジークベルト]
- すまないね、みんな…
すべて私の責任だ。▼
私が奴等に近付いたせいで、
こんなことになってしまった。▼
- [イグニス]
- ジークベルトらしくないな…▼
どうして自分から危険を冒すような
真似をしたんだ?▼
あいつらはどう見たって敵だった。
秘境を襲った奴らと同じ…▼
- [ジークベルト]
- …ああ。わかっているよ。
なのに、どうしてだろう。▼
敵だとは思えなかったんだ。
あの時の、あの光…▼
彼等の持つ剣と弓が
淡く光り溶け合ったように見えた。▼
まるで何かの救いのような、
優しく暖かな光だった…▼
- [ソレイユ]
- でも、その剣と弓であたしたちのこと
攻撃してきたんだよ。▼
優しい光に見えたのは…
残念だけど間違いだったのかも。▼
- [ジークベルト]
- くっ…いったいこれから、
どうすればいいんだ…▼
王である父上がいなくなった今、
国は混乱しているに違いない…▼
- [ルッツ]
- ねえねえ、
情報を集めるのはどうかな。▼
とにかく今は、
何が起こってるのか確かめなきゃ。▼
ミシェルで飛べば、
きっと何か見つかるよ。▼
- [イグニス]
- ああ。敵が現れても、
今度は勝てばいい話だ…▼
そうだろう、ジークベルト。▼
- [ジークベルト]
- …いや、無闇に動くことは
やめておこう。▼
- [イグニス]
- どうした…?▼
- [ベロア]
- ジークベルトは、
戦いを避けたいんだと思います…▼
わたしたちは動かず、
他の人に任せましょう。▼
- [ルッツ]
- 他の人?▼
- [ベロア]
- はい。国王が行方不明だなんて
大ごとになっているんですから…▼
わたしたちが頑張らなくたって、
他の誰かが動いてくれます…▼
戦場に出たことすらないわたしたちが
動くのは得策とはいえません。▼
- [ルッツ]
- でも、他に誰もいなかったら?▼
僕たち以外誰もいなかったら、
僕たちがやるしかないんだよ?▼
- [ベロア]
- いいえ、その心配はありませんよ…▼
- [イグニス]
- 何故、そう言いきれる。▼
- [ベロア]
- さっきから戦いの音が聞こえますから。▼
…良かったですね。▼
どうやらわたしたちの他にも、
ヒトはいるようですよ…▼
- [イグニス]
- なんだと!?
じゃあすぐに加勢に…!▼
- [ジークベルト]
- …………▼
- [ソレイユ]
- ジークベルト…?
行かないの?▼
- [ジークベルト]
- その…
出撃は見送ろう。▼
私たちは先ほど交戦したばかりだ。
勝てる保証はないからね。▼
- [ソレイユ]
- でも…▼
- [ベロア]
- これは賢明な判断だと思います…▼
わたしたちはともかく、
ジークベルトは死んではダメです。▼
もしマークスさんが死んでいたら、
次の国王はジークベルトですから…▼
- [ルッツ]
- 死んでいたらって…!
ベロア、例え話でもそんなこと…!▼
- [ベロア]
- 言ってはいけないのですか?
生きていると励ませばいいのですか?▼
…わたしのパパは多分もう、
生きてはいませんよ。▼
- [ルッツ]
- ベロア…!?▼
- [ベロア]
- パパはわたしを逃がすために、
戦ってくれました…▼
敵をすべて引きつけて、
たった一人で。▼
でも、あんな数を相手にして、
無事でいるはずがありません。▼
…ルッツ、あなたもそうですよね?
パパを秘境に残してきたんですよね?▼
- [ルッツ]
- !▼
- [ベロア]
- それなら、あなたのパパだって…▼
- [ルッツ]
- やめて…▼
- [ベロア]
- あなたのパパだって、
もう死んでいるかもしれません…▼
- [ルッツ]
- やめてよ、ベロア!!!!▼
- [ソレイユ]
- ベロア、だめだよ!
それ以上は!!▼
- [ベロア]
- …わかりました。▼
- [ルッツ]
- うっ…!
お父さん…お父さん…▼
- [イグニス]
- ルッツ…▼
- [ルッツ]
- うわあああん…!!▼
ベ、ベロアの言うとおりだよ…!
お父さん、もう死んでるかもしれない…!▼
正義のヒーローは死なないって、
そう思ってたけど…▼
ミシェルを飛ばすために
一人で残って…▼
あんなに敵に囲まれて、
無事なはずない…!!▼
- [イグニス]
- 落ち着け、ルッツ。▼
もしかしたら、
生き延びているかもしれないだろう。▼
俺の父さんも、あの時必死に、
俺を守って戦ってくれた…▼
あんな強い戦士が、
簡単に死ぬわけがない…▼
俺たちが信じなくてどうするんだ…▼
- [ソレイユ]
- …あのさ、ベロア。▼
あたしもあなたと同じだよ。
父さんが無事だとは…思ってない。▼
父さんはあたしに、この剣を渡して…
独りきりで囮になった。▼
でも、無事だって信じて戦ってる。
そうしないと折れそうだから。▼
みんな不安なんだよ。
それなのに、どうして…!▼
- [ベロア]
- 別に…
ただ現実を見せてあげただけです。▼
今この状況で、
仲良しごっこなんて無意味でしょう…▼
- [ソレイユ]
- ベロア…▼
- [ベロア]
- ソレイユ。
あなたはジークベルトの臣下ですよね。▼
それなら、わかるはずです…▼
主君のためにいちばん、
どうしたらいいのかを。▼
- [ソレイユ]
- …………▼
うん。
わかってるよ…▼
戦いに行く。
ジークベルトも一緒に。▼
- [ベロア]
- !?▼
- [ジークベルト]
- …ソレイユ、何を…▼
- [ソレイユ]
- あたし、わかるんだ。
ジークベルトは嘘ついてる。▼
ホントはこのままじゃだめだって…
戦いに行きたいって、▼
いちばんそう思ってるのは、
ジークベルトだよね。▼
戦わないのは、
あたしたちがいるから?▼
あたしたちに怪我させたくないから、
ジークベルトはホントの気持ちを隠すの?▼
- [ジークベルト]
- いや…本当の気持ちなど、
私は持つべきではないんだ。▼
王子として下さねばならない判断を
最優先で考えないと。▼
先ほどのように私情で動いて、
今度こそ全滅でもしたら…▼
父上に顔向けできない。
暗夜王族の恥を晒すことになる。▼
- [ソレイユ]
- …恥なんかじゃない!!▼
- [ジークベルト]
- ソレイユ…▼
- [ソレイユ]
- 自分のしたいこと言うのは、
恥ずかしいことじゃないよ!▼
独りで我慢して…
誰かがどうにかしてくれるまで、▼
そうやって黙ってるつもり?▼
- [ジークベルト]
- それは…▼
- [ソレイユ]
- 一緒に行こう、ジークベルト。▼
あたしたち、絶対負けない。
戦うのなら、あなたは死なせない。▼
- [ジークベルト]
- !!▼
- [ソレイユ]
- 守ってみせるよ。
そう約束するから…▼
だから独りで抱え込まないで。
お願い、本当のことを言って。▼
もし本当に戦いたくないのなら、
あたしは臣下として、それに従うよ。▼
ジークベルト。
あなたはどうするの?▼
- [ジークベルト]
- …………▼
……っ。▼
…戦いたい。本当は。
ずっと思っていたんだ…▼
私も父上のような、
強き王子でありたいと。▼
- [ソレイユ]
- …そうこなくちゃ。▼
- [ベロア]
- まったく、
後悔しても知りませんよ…▼
- [ジークベルト]
- すまないね、ベロア。▼
君は私の身を案じて、
冷静な判断をしてくれたのに。▼
私の判断は王子として
失格なのかもしれない。だが…▼
できれば君も、
共に戦って欲しい。▼
- [ベロア]
- …………▼
- [ジークベルト]
- 私の父上は…
この神器だけを残し、姿を消した。▼
負けたと思うのが普通だろうね。
でも、希望を捨てたくない。▼
皆の大切な人は、
きっと生きている。▼
今は都合の良い勘違いでも、
力になるのなら…私はそう思いたい。▼
ベロア。私は信じているよ。
君の父上が存命であることを。▼
- [ベロア]
- …みんなは、信じているんですね。
パパが無事だって…▼
わたしだって本当は、パパが…
大好きなパパが生きているのなら、▼
どこまでだって追いかけて助けたい…▼
…そうですね。諦めてしまうのは、
まだ早いのかもしれません…▼
わかりました。
わたしも…一緒に戦います。▼
- [ジークベルト]
- ありがとう。▼
- [ベロア]
- ごめんなさい、ルッツ…
それから、みんなも…▼
わたしはひどいことを言ってしまいました。
どうか許してください…▼
- [ルッツ]
- いいよ、ベロア。
これからまた、一緒に頑張ろう。▼
- [イグニス]
- ああ。ベロアも辛かったんだろう?
その気持ちはわかる…▼
- [ソレイユ]
- あたしはベロアのすることなら
何でも許しちゃうよ。▼
- [ベロア]
- ありがとう…みんな。▼
- [ジークベルト]
- …では行こう。▼
必ず生きて帰るんだ。
みんなで。▼
オープニング3†
- (透魔兵白夜軍と対峙するフォレオ隊)
- [フォレオ]
- うう…! 一度退いたと思ったのに、
また仕掛けてくるだなんて…▼
こいつらはいったい、
何が目的なんです…!?▼
- [カンナ]
- これじゃキリがない…
でも絶対に負けるもんか…!▼
…!?▼
- (退却する白夜軍)
- [カンナ]
- あれ…?
みんな退いていった…!?▼
どうして…▼
- [フォレオ]
- 南西の方角に新しい軍勢が見えます。
見る限りだと僕らより少数の兵…▼
まさか奴らは、
あちらに標的を変更した…?▼
- [カンナ]
- そんな…! あの人たち危ないよ!
すぐに追いかけよう!▼
- [フォレオ]
- いいえ、待ってください。▼
- [カンナ]
- え?▼
- [フォレオ]
- …折角標的から外れたんです。
今のうちに体勢を整えましょう。▼
合流はそれからでも遅くありません。▼
- [カンナ]
- そ、そっか。確かに。
怪我したまま戦うのは危ないよね。▼
よしみんな、一旦退くよ!▼
- (暗夜軍退却するが、フォレオだけ残る)
- [フォレオ]
- ! あれは…
ジークベルト…?▼
ごめんなさい…
僕たちはすぐに戻ります。▼
だからそれまで、
どうか無事でいてください…!▼
- (フォレオ退却、視点ジークベルト隊へ)
- [ジークベルト]
- !! …フォレオか?▼
- [ソレイユ]
- フォレオ?▼
- [ジークベルト]
- いや、
ただの見間違いかもしれないが…▼
もし彼らならば、
何としてでも合流しないと。▼
もしかしたら何か
情報を得られるかもしれない。▼
ジークベルト⇔フォレオ会話†
- [ジークベルト]
- フォレオ!
やはり君だったか…!▼
- [フォレオ]
- ジークベルト!
よかった、ご無事だったんですね…!▼
- [ジークベルト]
- 君も無事でよかった。▼
そうだ、レオン叔父さんは…!?▼
- [フォレオ]
- …お父様は…▼
…………▼
- [ジークベルト]
- …そうか。▼
もう何も言わなくていい…
私たちも同じ状況だよ。▼
それより、敵はいったい、
何が目的でこんな戦を…?▼
何か知っていることはあるかい?▼
- [フォレオ]
- ごめんなさい…
何もわからないんです。▼
ただ、逃げても逃げても
追いかけてきて…▼
まるで僕たちのことを
捕まえようとしているみたいなんです。▼
- [ジークベルト]
- 捕まえようと…?▼
- [フォレオ]
- これはただの仮説ですが、
もしかしたら彼らには…▼
何らかの意思があるのかもしれません。▼
- [ジークベルト]
- …わかった。それならば、
撃破して話ができるか試してみよう。▼
今は力を合わせ、
この場を突破するぞ!▼
- [フォレオ]
- はい! では皆に伝えてきます。
心強い仲間ができたことを…!▼
(フォレオ退場)
- [ジークベルト]
- 捕まえようとしている…か。▼
!!
…まさか。▼
向こうも私たちと同じように、
こちらに話をしようと…?▼
もし、そうだとしたら…
彼らは本当に、敵なのか…?▼
撤退時のセリフ†
ジークベルト†
- [ジークベルト]
- 私はここで死ぬわけにはいかない…
少し、下がらせてもらうよ…▼
ソレイユ†
- [ソレイユ]
- ヘマしちゃった…ごめん、ジークベルト…
ちょっと、下がってるね…▼
イグニス†
- [イグニス]
- この傷で戦うのは無謀だな…
悪いが、下がらせてもらう…▼
ベロア†
- [ベロア]
- 厄介な相手ですね…付き合っていられません…
少しの間…退避しています…▼
ルッツ†
- [ルッツ]
- この程度で済んで、ラッキー…なのかな…
ミシェルと一緒に、下がってるね…▼
カンナ†
- [カンナ]
- ごめん、みんな…僕失敗しちゃった…
後ろに下がってるね…▼
ディーア†
- [ディーア]
- このままじゃ…マジで死んでしまう…
悪い…俺は少し、下がってるぜ…▼
ゾフィー†
- [ゾフィー]
- いたた…これはまずいよ…
どこかに隠れてやり過ごそう…▼
フォレオ†
- [フォレオ]
- この傷では、戦えません…
少し…後ろに下がっています…▼
オフェリア†
- [オフェリア]
- くっ…戦線を離脱させて貰うわ…
ごめんね、フォレオ…▼
エポニーヌ†
- [エポニーヌ]
- うう…あたしがヤられちゃうなんて…
悪いけど、撤退するわね…▼
クリア後†
クリア後1†
- [カンナ]
- はあ、はあ…
勝てたのに…まだ向かってくる…▼
- [ジークベルト]
- これでは、話をするのは難しいね…
どうしたら…▼
- [フォレオ]
- ! 来ますよ!▼
- (透魔兵カンナ女、カンナ男を攻撃)
- [カンナ]
- うわあっ!!▼
- [フォレオ]
- 大丈夫ですか、カンナ!!▼
- [カンナ]
- 大丈夫だよ。▼
でも、この敵は…
さっきから僕を狙ってる?▼
どうして!?
君たちはどうして、こんなことするの!?▼
- (透魔兵カンナ女、再度カンナ男を攻撃)
- [カンナ]
- くっ…!
刃がきしむ…▼
このままじゃ、折れちゃうよ…!▼
- [フォレオ]
- 卑劣な真似を…!▼
仕方ありません。
説得は諦めて僕たちも加勢を…▼
- [ジークベルト]
- 待ってくれ。▼
- [フォレオ]
- ジークベルト?▼
- [ジークベルト]
- 試してみたいことがある。
カンナが持つあの剣…▼
あれは、『夜刀神・長夜』だね?▼
- [フォレオ]
- はい。カンナと合流したときに、
僕のブリュンヒルデと呼応して…▼
…!
ジークベルト、もしかして。▼
- [ジークベルト]
- 手を貸そう、私が。
何故もっと早く気づかなかったんだろう。▼
力が足りないのはきっと、
私とジークフリートのせいだ。▼
『長夜』が敵わないのなら…
もっと強い力をぶつけてみよう。▼
…ジークフリート、お願いだ。
私を主と認めてくれるのなら…▼
どうかこの思いに応えてくれ…!▼
- (ジークフリートが光りだす)
- [ジークベルト]
- !! 光った…!▼
やはりこの光は、
あのときに見たものと同じだ。▼
ということは、敵側にも私たちと同じ
神器を持つ者が…?▼
- [カンナ]
- ジークベルト…!?▼
- [ジークベルト]
- 準備はいいかい、カンナ。
君にこの力を託そう。▼
そして私たちに見せてくれ…
あの敵の正体を。▼
- [カンナ]
- 正体…▼
- [ジークベルト]
- 信じているよ。
その剣なら、きっとできる…!▼
- (夜刀神・長夜が夜刀神・暗夜に変化する)
- [カンナ]
- …!! また形が変わった…▼
- [ジークベルト]
- それは『夜刀神・暗夜』だよ。
ブリュンヒルデと同じように、▼
ジークフリートの力が
君の剣に繋がったんだ。▼
- [カンナ]
- 『暗夜』…
フォレオが教えてくれた名前だね。▼
- [フォレオ]
- はい。先の戦争では、
この剣が戦を終わらせたそうです。▼
ですからカンナ、きっとあなたも…▼
- [カンナ]
- 僕にも…できるかな。
お母さんみたいに…▼
- [ジークベルト]
- 君ならできるさ、カンナ。
その刃は二度と怯みはしない。▼
もう一度、剣を交えるんだ!▼
- [カンナ]
- …わかった!▼
えーーーーいっ!!▼
- (カンナ男、透魔兵カンナ女を攻撃)
- (数回フラッシュした後、背景が透魔王国になり、白夜軍の透魔化が解ける)
- [カンナ(男)]
- え…!?▼
- [カンナ(女)]
- な、なにこれ…▼
- [カンナ(男)]
- !! 僕そっくりの女の子…!?▼
- [カンナ(女)]
- あたしそっくりの男の子…!?▼
- [ジークベルト]
- これが敵の正体なのか…?▼
- [シノノメ]
- どうなってんだよ…!▼
- (再び背景がスサノオ長城になり、白夜軍が透魔化する)
- [ジークベルト]
- 元に戻った…▼
さっきのはなんだったんだ?
敵の姿が一瞬、人に見えた…▼
私たちと同じぐらいの歳の
者たちだったみたいだが…▼
- [カンナ(男)]
- …………▼
…倒す…▼
- [ジークベルト]
- カンナ?▼
- [カンナ(男)]
- …あいつらを、倒さないと…▼
- [フォレオ]
- カンナ、何を言って…▼
- [カンナ(男)]
- どうしてだ…あの姿を見たら…
なんだか…頭が痛い…▼
あいつらが秘境を襲って、
お母さんたちにひどいことしたんだ。▼
あいつらさえいなかったら、
こんなことにはならなかったのに。▼
だから、だから…!!!!▼
- (2人のカンナ、竜化する)
- [ジークベルト]
- カンナ!?
いきなりどうしたんだい!?▼
- [カンナ(男)]
- ゴアアアアアアアアアアアアアア!!▼
- [フォレオ]
- そんな…!
竜石があるのに暴走した!?▼
いけません!
あの人たちを傷つけてはダメです!!▼
- [ジークベルト]
- 行くんじゃない、カンナ!!▼
- [???]
- …ユラリ、ユルレリ…▼
- [ジークベルト]
- この歌は…!?▼
- [???]
- ~♪▼
…………▼
その殺意は、
あなた自身のものではありません…▼
戻ってきてください…
カンナ…▼
- (シグレが現れ、2人のカンナが元に戻る)
- [カンナ(男)]
- …うう…▼
あれ?
僕はいったい、何をして…▼
- [???]
- 良かった。
二人とも正気に戻ったんですね。▼
- [カンナ(男)]
- 君は…?▼
- [シグレ]
- …俺はシグレ。▼
- [カンナ]
- シグレ…?▼
- [シグレ]
- あなたたちはまだ、幻の中にいる…
落ち着いて考えてください。▼
本当はもうわかっているはずです…▼
目の前にいるのは憎むべき敵ですか?
倒すべき相手なんですか?▼
- [カンナ]
- …………▼
いや、ちがう。
この人たちは敵じゃない…▼
なんだかわからないけど、
敵じゃない人が敵に見えてるみたい。▼
- [ジークベルト]
- 相手は私たちと同じ、
神器を持っている。▼
それに、人間だった。
私たちと同い年ぐらいの。▼
- [フォレオ]
- 僕、秘境を襲った敵は、
この人たちじゃないと思います…▼
…僕たちはもしかして、
誰かの罠にはまっているのかも。▼
- [シグレ]
- …………▼
…良かった。これで…▼
- (先程と同じように、背景が透魔王国になり、白夜軍の透魔化が解ける)
- [カンナ(男)]
- !! 君は…▼
- [カンナ(女)]
- あ…!
あなた、さっきの子だ!▼
やっぱり、あなたたちは…
人間だったんだね。▼
- [シノノメ]
- おかしいと思ってたんだよ。
ずっと。▼
なんでこんなことになってるんだよ。
この場所はいったい何なんだ?▼
- [シグレ]
- ここは透魔王国です。▼
- [シノノメ]
- 透魔王国…?▼
- [シグレ]
- あなたたちは秘境を出てから…
ずっと、ここにいたんですよ。▼
- [キサラギ]
- え…!?
どういうこと?▼
僕たちさっきまで確かに、
暗夜のお城にいたんだよ!?▼
絶対に気のせいなんかじゃない。
すぐそこに、竜の像があった。▼
君たちも同じ場所にいたでしょ!?
そこで戦ったよね!?▼
- [ジークベルト]
- いや…私たちは白夜の長城にいた。▼
暗夜の城にはもちろん…
こんな場所にも、来た覚えはない。▼
- [シグレ]
- それは作られた虚像…
同じ場所にいながら違う世界を見せる術。▼
…すべて敵の罠です。
あなたたちを互いに殺し合わせるための。▼
- [ジークベルト]
- こ、殺し合わせる…!?▼
- [シグレ]
- 大丈夫です。その罠はもう、
あなたたち自身で脱しました。▼
…場所を変えましょう。
詳しくお話しします。▼
クリア後2†
- [ジークベルト]
- そうか…私たちはまんまと
敵の術にはまっていたんだね。▼
すまない…知らなかったとはいえ、
攻撃をしてしまうだなんて。▼
- [シノノメ]
- いや、それはお互い様だ、
謝るのはよしてくれ。▼
悪いのはシグレの言う
透魔竜ハイドラって奴なんだろ。▼
なあシグレ。
そいつが俺たちの、真の敵なのか。▼
- [シグレ]
- はい。
今お話ししたとおり…▼
この透魔王国を支配している竜が
俺たちの戦うべき相手です。▼
- [ソレイユ]
- でもさ、人間たちを
根絶やしにするのが目的なら、▼
どうして直接手を下さなかったの?
神様なら、国なんか一発で滅ぼせるでしょ。▼
- [シグレ]
- 透魔竜はこの国の外では
その力を失ってしまうんです。▼
だから外の国を直接潰すことはできず、
その境目にある星界…▼
つまり秘境が狙われてしまった。
ここを襲えば、子を助けに来た戦士たち…▼
うまくすれば国王をも
攻撃することができますからね。▼
- [ジークベルト]
- 父上たちは狙い通り
やられてしまったというわけだね…▼
- [シグレ]
- ですが、そのおかげで
あなたたちは生き延びた。▼
だからハイドラは、
次の策を講じたんです。▼
- [イグニス]
- それが幻術か…▼
- [シグレ]
- はい。互いに殺し合ってくれれば、
労力を無駄にせずとも良いわけですから。▼
本来なら無限渓谷以外から
ここに来ることはできないのですが…▼
主たる星竜のいない星界になら、
透魔の扉を開くことができたのでしょう。▼
あなたたちの親はおそらく、
その扉からこちらに連れ去られたはず…▼
今ならまだ、取り戻せるはずです。▼
- [ベロア]
- あの…シグレは幻術に
かからなかったんですよね…▼
- [ルッツ]
- かっこいいー!
だから僕たちを助けに来てくれたんだよね。▼
あれ? でもそれなら…
どうやってこの世界に来たの?▼
- [シグレ]
- それは…▼
…………▼
忘れてしまいました。▼
- [ゾフィー]
- ええっ!? な、なによそれ。
怪しいわね…▼
- [オフェリア]
- でも私たちだって、
人のこと言えないよ。▼
現にカンナの記憶を…
私たちはみんな、失くしてたんだもん。▼
- [エポニーヌ]
- こうなったらもうナニを忘れて
ナニを覚えてるかわからないわね。▼
- [ジークベルト]
- 皆は記憶を失くしているのかい?
ではまさか、私も…▼
- [シグレ]
- 幻術にかかった以上、
そういうことになりますね。▼
ハイドラは皆さんの記憶や使命、
戦う目的を少しずつ奪い…▼
自分の望む行動をとるよう仕向けた。
一種の精神支配ですね。▼
もう心配はありませんが…
失った記憶が戻るかはわかりません。▼
ひとつの可能性としては、
ハイドラを倒せば元通りになるのかも。▼
- [キサラギ]
- よし、じゃあ一石三鳥だ。
ハイドラってやつを倒せば…▼
世界は救えるし、
父上たちは取り戻せるし、▼
その上記憶まで元通り。
やるしかないよね、もう。▼
- [キヌ]
- うん。みんな仲間ってこともわかったし、
改めて自己紹介しようよ。▼
- [ミタマ]
- なるほど。
誰が誰を覚えているかわかりませんし…▼
賛成ですわ。▼
- [カンナ(女)]
- じゃあ、あたしからね。
あたしはカンナ。▼
お父さんの名前はカムイだよ。
よろしくね。▼
- [カンナ(男)]
- 僕もカンナだよ。
お母さんの名前もカムイ…▼
おんなじだね、カンナ。▼
- [カンナ(女)]
- へえ…すごい! おんなじだ!
仲良くしようね、カンナ!▼
- [カンナ(男)]
- うんっ!
友達が増えて、嬉しいよ!▼
- [マトイ]
- あたしはマトイ。
ツバキの娘よ。▼
- [ジークベルト]
- 私はジークベルト。
暗夜王マークスの息子だ。▼
以後、お見知りおきを。▼
- [ヒサメ]
- 暗夜王…マークス?
暗夜の王は、レオン王のはずでは?▼
- [フォレオ]
- お、お父様が国王…?
どういうことです?▼
- [ヒサメ]
- どういうことも何も…▼
マークス王子は戦争中に亡くなったと、
そう聞いています。▼
それから、エリーゼ王女も。▼
- [ジークベルト]
- 父上と、叔母上が…!?
そ、そんな…▼
- [フォレオ]
- …すみません。
念のため、確かめたいのですが…▼
白夜の国王は、ヒノカ女王ですよね…?▼
- [シノノメ]
- いや。白夜王は俺の父さん…
リョウマだ。▼
- [フォレオ]
- では、タクミ王子は
戦争終結時にご存命でしたか?▼
- [キサラギ]
- もっちろん!
じゃなきゃ僕はここにいないよ。▼
- [フォレオ]
- そんな…おかしいです。▼
お父様の話では先の戦争中に、
亡くなっているはずなんです。▼
リョウマ王子も…タクミ王子も。▼
- [キサラギ]
- え…父上が!?▼
- [シノノメ]
- まさか…レオン王は、
父さんを殺したことにしたってのか?▼
- [ジークベルト]
- それはそちらも同じじゃないか。
女王は父上を討ったと嘘を伝えている。▼
- [シグレ]
- あの…違うんです!▼
- [シノノメ]
- え…?▼
- [シグレ]
- …違うんです。
どちらも嘘なんてついていません。▼
皆さんは同じ世界の者同士ではない…
「異なる二つの世界」から来たんです。▼
- [カンナ(男)]
- ええっ!?
二つの世界…!?▼
- [カンナ(女)]
- だから、夜刀神も二つあるの…?▼
- [シグレ]
- はい。カンナたちの持つ夜刀神が、
その証拠と言ってもいい…▼
混乱させてしまうと思い
言いそびれてしまいすみません。▼
『夜刀神・白夜』の元に集まった
戦士たちの世界では、▼
白夜王国が戦争に勝利し…▼
『夜刀神・暗夜』の元に集まった
戦士たちの世界では、▼
暗夜王国が戦争に勝利しています。▼
- [シノノメ]
- …………▼
- [ジークベルト]
- …………▼
- [カンナ(男)]
- つまりお互い、
敵同士だったってこと…?▼
- [シグレ]
- あなたたちの親が争い合っていたことは
否定しません。▼
ですが異なる世界があれば
異なる歴史があるのは当然のことです。▼
今は同じ目的のために協力して…▼
- [シノノメ]
- 俺はそんな風には割り切れない。▼
- [シグレ]
- え…▼
- [シノノメ]
- 違う世界だか何だか知らないが…
そっちの世界で父さんが死んでるなら、▼
ジークベルトの持ってるその剣が、
父さんを殺したかもしれないって事だろ。▼
- [ジークベルト]
- …そんなことは…▼
- [シノノメ]
- ないって言い切れるか?▼
例え俺の父さんを殺めていなくても…
その剣が、あんたの父さんが…▼
ここにいる奴らの両親を傷つけてないって、
殺してないって言えるのかよ?▼
もしかしたら、そっちの世界の
俺のことだって…▼
- [ジークベルト]
- 憶測でモノを言うのはやめてくれ。
そちらだって同じだ…▼
その刀が父上を貫き、
民や兵たちを傷つけたかもしれない。▼
その刃が、いったい誰の血を吸っているのか
わからないだろう…!▼
- [シノノメ]
- …っ!▼
- [キサラギ]
- …そっか。
違う世界って、単純じゃないんだね。▼
もしかしてこの弓も、
君たちの父上や母上を…▼
- [フォレオ]
- ひっ…!
いや…いやです…▼
そんなもの、近づけないでください…!▼
- [シノノメ]
- …くそっ。とにかく俺は、
こいつらとは一緒に戦えない!▼
父さんだって、あんたたちになんか
助けられたくないだろうよ!▼
- [ジークベルト]
- その言葉、そっくり返させてもらう。▼
…仲間のためにも、
君たちとは共にいないほうがよさそうだ。▼
ここから先は、
私たちだけで行かせてもらおう!▼
- [シグレ]
- そんな!
皆さん落ち着いてください…!▼
…こんなことって…▼
これでは、あの時と同じ道を…▼
…………▼
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