正の女神アスタルテの力によって
ほとんどのベオクとラグズが石と化してしまった
メダリオンより解放された負の女神ユンヌの言葉に従い
三隊に分かれたアイクたちは
それぞれ別の道筋を通って 【導きの塔】 へと向かう
ミカヤと同行するのは、彼女に常に付き従うサザ
獣牙の将スクリミルに鴉王ネサラと白鷺王女リアーネ
そして神使サナキと親衛隊隊長シグルーンなどであった
ミカヤたちは南へと進路を取り
ひたすらにベグニオンを目指した
聞こえるのは動物たちの声だけ
世界はひどく空虚なものに
変わってしまったかのようだった
アイクの隊は西の進路をたどる
同行するのは傭兵団副長ティアマト、同じく参謀セネリオ
狼の女王ニケと白鷺王子ラフィエル
竜王子クルトナーガとその臣下たるイナが
主だった顔ぶれである
ミカヤ隊から伝えられた
【正の使徒】 の存在を警戒しながら
彼らはセリオラ領内へ足を踏み入れた
ティバーン率いる一隊は
センペル湖を大きく迂回する東の進路をとっていた
白鷺王子リュシオン、獣牙の戦士ライ
クリミア王女エリンシアとその側近ルキノ
(ペレアス死亡時)デイン王太后アムリタなどが同行している
(ペレアス生存時)デイン王ペレアスと王太后アムリタなどが同行している
彼らの元にも他の二隊より
【正の使徒】 についての報告はあったが
これまでのところ遭遇することなく平穏なまま
旅を続けることができていた
アスタルテの加護を受けた 【正の使徒】 の登場によって
【導きの塔】 への道程はより厳しいものとなった
だが、危険を察知するミカヤの能力が
使徒の攻撃による損傷を抑え
仲間たちに多少の余裕を与えていた
ベグニオン領を南下するミカヤ隊は
【正の使徒】 と戦闘を繰り返しつつ
ベグニオン中央部の山岳地帯を無事に越え
グラーヌ砂漠に足を踏み入れた
クルトナーガ王子の語った竜鱗族とデインの因縁
そしてライより告げられた漆黒の騎士の正体について
アイクは自分を取り巻く様々な事柄に
思いをめぐらせていた
女神がいる 【導きの塔】
そこへたどり着けば、全ての答えが得られる……
そんな気がしてならない
ようやく、帝都に程近いタナス領に到着したアイクたちは
突然の豪雨に遭遇し、公爵の別邸へと避難した
機動力に優れるティバーン隊は早々にサルモー領を抜け
帝都へと着実に近づいていた
厳しい旅の中、隊では種族の差を越え
互いに固い信頼関係が築かれつつあった
その中にあって、ひとり……アムリタは孤高を保っていた
(ペレアス生存時)
そしてその息子ペレアスも
また何かしら深い想いに囚われているようだった
執拗に繰り返される襲撃を退け
アイクたちはついに王都シエネに到着した
【導きの塔】 ――
ベグニオン帝国が広める女神信仰によれば
世界が危機を迎えた時
女神アスタルテはここに降臨し
人々を正しく導くという
ベグニオンの民ならば誰もが知る女神の領域であり
人が立ち入ってはならぬ聖地
そして、現実に世界が滅びを迎えようとするこの時
かの塔は天をも貫く光の柱のごとく燦然と輝いていた