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カゲロウの親子会話†
カンナ(女)†
- [カゲロウ]
- …………▼
- [カンナ]
- …………▼
お母さん…
いるんでしょ…?▼
- [カゲロウ]
- …くっ、気付かれてしまったか…▼
- [カンナ]
- もー!
今日は警護しないって約束でしょ?▼
- [カゲロウ]
- そうは言っても、見よ。
この賊を。▼
祭りだからといって
気を抜いてはならなかったのだ。▼
- [カンナ]
- …確かに賊の襲撃はあったけど、
あたしはもう大人だもん!▼
そろそろ警護なんてしなくていいよー!▼
- [カゲロウ]
- …ふっ。カムイにも
似たようなことを言われたものだ。▼
だが、私が警護の重要性を説くと
カムイは納得してくれたのだ。▼
あの人は立派で聡明だ…▼
- [カンナ]
- …………▼
そ、そうだ!
いいこと思いついた!!▼
お母さん、お父さんの警護に戻ってよ!▼
お父さんはとっても重要人物なんだから。
警護しなきゃ! ね! そうだよ!▼
- [カゲロウ]
- いいや。
今はカムイよりカンナだ。▼
- [カンナ]
- ええええっ…▼
…あ、そうだ!▼
私、お母さんの創作したもの、
また見たいなぁ!▼
母さんの創作物って、味があって
私、大好きなんだよね!▼
- [カゲロウ]
- みえみえだな。▼
私を創作に没頭させて、
警護をやめさせようという魂胆だな。▼
しかし、無駄だ。
今は創作よりお前の警護が大事なのだ。▼
- [カンナ]
- うぅ…
うぅーーーっ!▼
じゃあ、いつになったら警護されなくなるの!?
それだけでも教えて!▼
- [カゲロウ]
- この子は一人前と思えるようになったらだな。▼
- [カンナ]
- わかった!▼
じゃあ、今から賊と戦ってくるから、
私が一人前なところを見てて!▼
- [カゲロウ]
- いいだろう。▼
- [カンナ]
- よーし!
じゃあ、本気を出しちゃうぞ!▼
カゲロウの娘カンナ推参いたした!
いざ、参らんっ!!▼
- [カゲロウ]
- ほう…あの勇ましさ。
この分ではすぐに、一人前になるかもな…▼
ディーア†
- [カゲロウ]
- ディーア、何か落としたぞ。
ん? これは…▼
- [ディーア]
- ああ…
この間、俺が描いた絵だよ…▼
- [カゲロウ]
- 畑で遊びまわる子どもたちの絵か。
なかなか上手に描けているじゃないか。▼
- [ディーア]
- か、母さんにはわかるのか?
この絵が子どもたちを描いたものだって…▼
- [カゲロウ]
- 当たり前だ。
私にはそれ以外の絵には見えないぞ。▼
- [ディーア]
- だけど、カムイ様に見せたら…▼
何匹もの悪魔たちが踊りながら
街を貪り食ってる絵だと勘違いされたぜ?▼
- [カゲロウ]
- …なるほど。
私にもそういう経緯があるな。▼
いつか、りんごの絵を
描いたことがあったのだが…▼
不気味な老婆が
怪しく微笑んでいる絵だと言われたことがある。▼
- [ディーア]
- ってことは、俺の絵の腕前は…
確実に母さんの血ってことじゃん…▼
- [カゲロウ]
- そ、そうかもしれないな…
すまぬ…▼
しかし、そう悲観することはないぞ。▼
人とは違う独特の感性や視点…▼
それらがディーアには
備わっているということだからな。▼
その力は必ずや
お前の人生の助けとなるだろう。▼
- [ディーア]
- 確かにそう言われると…
この絵の才能も悪くない気がしてきたぜ…▼
母さんから譲り受けたこの才能は
このまま磨いていこうと思う。▼
- [カゲロウ]
- それを聞いて安心した。▼
私のせいでディーアが
辛い思いをするのは耐えられぬからな。▼
- [ディーア]
- 母さん…
今度、一緒に絵を描かないか?▼
ほら、今まではさ…
そんな時間もあまり作れなかったし…▼
- [カゲロウ]
- ああ、必ず描こう。
約束する。▼
- [ディーア]
- ありがとう…
母さん…▼
ゾフィー†
- [ゾフィー]
- 母さん、敵をぜーんぶ倒したら
あたしと一緒にお祭りで遊んでくれる?▼
- [カゲロウ]
- もちろんだ。
いくらでも遊ぶぞ。▼
- [ゾフィー]
- やったー!
母さんは何して遊びたい?▼
- [カゲロウ]
- そうだな…
輪投げなどは得意だと思う。▼
- [ゾフィー]
- じゃあ、輪投げで勝負をしようよ!
負けた方がカキ氷をごちそうするの!▼
- [カゲロウ]
- 勝負などせずとも、
カキ氷くらい私が買おう。▼
- [ゾフィー]
- それじゃあダメなの!
勝負した方が盛り上がるでしょ?▼
- [カゲロウ]
- ふっ、わかった。
ゾフィーがそう言うのならそれでかまわん。▼
- [ゾフィー]
- えへへ。
楽しみだなぁ。▼
- [カゲロウ]
- …ゾフィー。
今日は好きなだけ遊べ。▼
お前には小さいころから
苦労をかけてばかりだったからな…▼
こんな日くらいは
どれだけわがままを言ってもかまわぬぞ。▼
- [ゾフィー]
- ふふふ。
ありがとう、母さん。▼
でも、遊べ、じゃないでしょ?
一緒に遊ぼう、だと思うな。▼
あたしは母さんと一緒に
楽しい時間を過ごしたいんだもん。▼
- [カゲロウ]
- …そうであったな。
では、一緒に倒れるまで遊ぶとしよう。▼
- [ゾフィー]
- ありがとう、母さん!▼
- [カゲロウ]
- では、早く賊を退治せねばならぬな。
今日という時間は限られているのだから。▼
- [ゾフィー]
- うん! 早くお祭りを楽しむためにも、
あたし、張り切っちゃうよ!▼
母さんみたいに物陰に忍んで、
敵をズバーっとやっちゃうわ!!▼
我こそは忍騎士ゾフィー!
賊は誰でもかかってきなさい!▼
- [カゲロウ]
- ゾフィー…▼
そのように高らかに宣言しては、
私のようには忍べぬぞ…▼
- [ゾフィー]
- へっ!?▼
ミドリコ†
- [ミドリコ]
- あっ、お母さん!
ミドリコ、おねがいごとがあるんだけど!▼
- [カゲロウ]
- お願いごと?
何をすればいい?▼
- [ミドリコ]
- あのね、
お母さんに絵をかいてもらいたいの!▼
- [カゲロウ]
- ふっ。
それぐらいお安い御用だ。▼
それで、どんな絵を描けばいいのだ?▼
- [ミドリコ]
- え、えっとね…
このおふだにワンちゃんの絵をかいて!▼
- [カゲロウ]
- わかった。
犬なら簡単に描ける。▼
今すぐ描いてしまおう。
少し待ってくれるか。▼
- [ミドリコ]
- ありがとう!
お母さん!▼
- [カゲロウ]
- ふんふん…
ここをこうして…▼
…できた。
これでいいか?▼
- [ミドリコ]
- ひっ!▼
す、すごいよ…お母さん…
そうぞういじょうの絵だよ…▼
- [カゲロウ]
- ふふふ。
褒めても何も出ぬぞ。▼
でも、その絵をどうする?
しかも、お札とは…▼
- [ミドリコ]
- あのね、ミドリコ、このあいだ…
お薬を作るのしっぱいしちゃってね…▼
とってもきけんな
お薬になっちゃったんだ…▼
- [カゲロウ]
- そうだったのか。
でも、それが私の絵とどう関係あるのだ?▼
- [ミドリコ]
- きけんすぎて捨てられないお薬だから、
ミドリコがほかんしてなきゃダメなの。▼
でもね、だれかが間違って
このお薬を飲んだらたいへんでしょ?▼
だから、このお母さんの絵札を
お薬が入ってるつぼにはっておくの!▼
こうしておけば、
だれが見てもあぶないってわかるから!▼
- [カゲロウ]
- わ、私の絵は
そんなに危ない感じがするのか…▼
- [ミドリコ]
- うん!
お母さん、ありがとう!▼
- [カゲロウ]
- はぁ…
これは喜んでいいのだろうか。▼
- [ミドリコ]
- もちろんだよ!
お母さんはミドリコのじまんだもん。▼
ミドリコ、大きくなったら
お母さんみたいにかっこよくって、▼
それから、お父さんみたいに優しい
すっごい忍になりたいの!▼
- [カゲロウ]
- ふふ…そうか。▼
ミドリコなら、きっとなれる。
お前は私たちの子なのだからな。▼
その上薬の調合もうまいときたら、
私たちでも敵わぬかもしれぬ。▼
- [ミドリコ]
- ほんと!?
ありがとう、お母さん。▼
ミドリコとってもうれしい…!
これからもがんばるね!▼
シノノメ†
- [シノノメ]
- 母さん、屋台を見たか?
ものすごいものが売られているんだ。▼
- [カゲロウ]
- ん? ものすごいものとは?▼
- [シノノメ]
- なんて言えばいいんだろ…▼
この世のものとは思えないような
まがまがしい絵とか…▼
- [カゲロウ]
- !▼
- [シノノメ]
- どこから拾ってきたのかわからないような
毒々しい花の生け花とか…▼
- [カゲロウ]
- !!▼
- [シノノメ]
- 見たことのない色の茶とか…▼
- [カゲロウ]
- !?!?▼
そ、そうであったか…
きっと、嫌な気分になったことだろう…▼
- [シノノメ]
- いや…それが違う。▼
なんだかわからないけど、
ものすごく心惹かれた。▼
- [カゲロウ]
- な、なんだと?▼
- [シノノメ]
- 多分、父さんに言ったら心配されるだろうな。
下手したら怒られるかもしれない。▼
だが俺は胸がザワザワして、
いても立ってもいられなくなった。▼
- [カゲロウ]
- …………▼
シノノメ。▼
今から言うことを、
誰にも言わぬと約束できるか?▼
- [シノノメ]
- えっ? なんだかわからないが…
わかった、約束する。▼
- [カゲロウ]
- お前が見たという絵も、生け花も、お茶も、
全て私の作品だ。▼
- [シノノメ]
- ええっ?▼
- [カゲロウ]
- 往々にして、私の作品は
人々から気持ち悪がられる。▼
しかし、どこかに
わかってくれる人もいるかもしれぬ。▼
そう思って、屋台の片隅を間借りして、
こっそり展示してみたのだ。▼
…まさか。
お前が理解してくれるとは…▼
- [シノノメ]
- 理解どころじゃない!▼
すごい才能に打ちのめされた!
母さんは天才だ!▼
- [カゲロウ]
- …ほ、本当か?
からかっているのではあるまいな!?▼
- [シノノメ]
- 本当だ!
俺も母さんみたいな作品を作ってみたい!▼
あれこそ真の芸術だ!▼
- [カゲロウ]
- シノノメ…
私は今、猛烈に感動している。▼
- [シノノメ]
- 母さん、さっさと賊を倒して、
真の芸術について語りあおう!▼
- [カゲロウ]
- あぁ…▼
息子にこんなことを言われる日がくるとは。
人生、わからぬものだな…▼
キサラギ†
- [カゲロウ]
- キサラギ、何をしている。▼
- [キサラギ]
- …………▼
- [カゲロウ]
- …小枝の山など作って
遊んでいる場合ではない。▼
今は戦闘中だ。
やるなら賊を倒してからにしろ。▼
- [キサラギ]
- 小枝の山じゃないよ。▼
- [カゲロウ]
- ほう…では何だ?
たき火でもしようという魂胆か?▼
- [キサラギ]
- ううん、違うよ。
母上の真似してるんだ!▼
- [カゲロウ]
- 私の真似?▼
- [キサラギ]
- 母上もしょっちゅう、
1人でこういうことしてるでしょ?▼
お花を集めて生けたり、
筆を使って何か書いたり。▼
ああ、私の創作活動のことか。▼
…しかしな、キサラギ。
創作活動と小枝の山を一緒にされても困る。▼
- [カゲロウ]
- まあ、広義では小枝の山も創作活動と
言えなくはない。しかし…▼
- [キサラギ]
- でーきたっ! 見て見て!
これ、白夜王国のお城なんだーっ!▼
- [カゲロウ]
- …………▼
なに?
お前、小枝で城を作っていたのか!?▼
よく見ると、この完成度…
そして細部まで作り込まれた造形美…▼
これはすごい。
立派な創作だ!▼
キサラギ、小枝の山だなどと言ってすまなかった。
心から詫びる。▼
- [キサラギ]
- ねえねえ、これで僕も母上と同じ?▼
- [カゲロウ]
- 同じではない。▼
- [キサラギ]
- ありゃ…
まだまだか…▼
- [カゲロウ]
- いや、逆の意味で言ったのだ。▼
私の作るものはどれも、まがまがしいなどと
言われて人々に忌み嫌われる。▼
しかし、お前の創作物にはそれがない。
透き通った…極上の透明感と言うべきか…▼
どうやら私とは別の感性を
お前は持っているようだな。▼
- [キサラギ]
- んー、難しいことはよくわかんないけど、
いいことなんだよね?▼
- [カゲロウ]
- いいどころのものではない。
極上だ!▼
- [キサラギ]
- わあ、よかったー!
母上に褒められたよーっ!▼
- [カゲロウ]
- さあキサラギ、戦闘に戻ろうではないか。
賊を倒したらこの続きだ。▼
お前の成長を、この目に焼き付けさせてくれ。▼
- [キサラギ]
- はーい! わかったよ!
戦いもお城作りもがんばるね!▼
グレイ†
- [カゲロウ]
- グレイ…こんなところに
私たちの神輿を持ってきていたのか?▼
- [グレイ]
- おっ、母さん。そうなんだ。
俺たちの作品をお披露目したくてな。▼
俺と母さんの合作の神輿が、
この異界の祭りで担がれる…▼
その姿を想像するだけで興奮するぜ!▼
…そう思って持ってきたら、
さっき賊の奴らに壊されちまってさ…▼
今、必死で修理しているところだ。
祭りが再開するまでには修理を完了させるぜ。▼
- [カゲロウ]
- そうだったのか…
しかし、グレイ、かなり作業を進めたものだな。▼
私が最後に見た日から
そんなに経っていないはずだが…▼
もう完成させていたとは。▼
- [グレイ]
- あはは、母さんのおかげさ。▼
母さんからどんどん上がってくる
追加分の設計図を見て…俺、確信したんだ。▼
俺は母さんの感性が好きなんだってな。
他の誰がどう言おうとも。▼
- [カゲロウ]
- !?▼
- [グレイ]
- 知ってたか? 俺、そう感じてから
ほぼ寝ずに作ってるんだぜ?▼
- [カゲロウ]
- そんな…▼
- [グレイ]
- なあ母さん。▼
国が平和になって、今ほど忙しくなくなったら、
二人で本気で組まないか?▼
- [カゲロウ]
- く、組むとは?▼
- [グレイ]
- 今回の神輿だけじゃないってことだよ。▼
暇を見て、俺と母さんでこれからもたくさん、
こういう創作の仕事をやっていくんだ。▼
母さんには類い稀な感性がある。
そして、俺は手先が器用。▼
俺たちが組めば、
かなりおもしろいことになると思うぜ。▼
- [カゲロウ]
- …………▼
- [グレイ]
- どうしたんだよ?
嫌なのか?▼
それとも父さんの跡を継ぐために
邪魔になるとか思ってるんじゃ…▼
- [カゲロウ]
- いや…その点は心配していない…
お前は器用だから、きっとうまくやるだろう。▼
ただ、胸がいっぱいになってしまったのだ…
あまりに嬉しくてな…▼
- [グレイ]
- 嬉しい?
じゃあ、了承ってことか?▼
- [カゲロウ]
- もちろんだ…
そのような提案を断るわけがなかろう…▼
- [グレイ]
- ありがとな。
未来が楽しみになってきたぜ。▼
じゃあまずは、修理を完了させないとな。
ここをこうして…っと。▼
- [カゲロウ]
- …………▼
…今、親としては「その前に賊の退治だ」と
言わなければならないのだろう…▼
しかし、私は言わぬぞ。▼
完成の瞬間は、この目でしっかりと
見届けたい。▼
- [グレイ]
- ああ!
じゃ、一気にたたみかけるぞ!▼
- [キヌ]
- ここをこうしてーこうやってー、
うーん、最高!▼
よしっ!
こんなもんかなーっ!▼
- [カゲロウ]
- …キヌ?
何を作っているのだ?▼
- [キヌ]
- わーーーーーーーーっ!
見つかっちゃったーーーーーーーーっ!▼
こっそりやってたハズなのに…
母さんに見つかっちゃった…▼
- [カゲロウ]
- …いや、こっそりというか…
大声で堂々とやっていた気が…▼
- [キヌ]
- …で、見た?
何を作っているか、見えた?▼
- [カゲロウ]
- うっすらと…だが…▼
- [キヌ]
- そっか!
まぁ、うっすらぐらいならいいかなっ!▼
- [カゲロウ]
- うっすらしか見えなかったが、
雰囲気は素晴らしいと思ったぞ。▼
- [キヌ]
- えっ!? ほんと!?▼
- [カゲロウ]
- そのまがまがしい形…▼
それを装備すれば、おのずと戦いに心が入り、
敵が誰であろうと瞬殺できるだろう。▼
- [キヌ]
- えっ…しゅんさつ?▼
- [カゲロウ]
- ああ。いい出来の武器だ。
それは忍者刀と手裏剣なのだろう?▼
- [キヌ]
- ち、違うよ!
これは武器じゃないのっ!▼
- [カゲロウ]
- 何?
では、なんなのだ?▼
- [キヌ]
- もう! なんか悔しいし、けっこう
見えちゃってるみたいだから全部言うよ!▼
忍者刀じゃなくて、かんざし!
手裏剣じゃなくて、櫛!!▼
これを次の母さんの誕生日に
あげようと思って、コツコツ作ってるの!▼
- [カゲロウ]
- …………▼
…な、何?
かんざしと…櫛?▼
これがか?
これが、かんざしと櫛なのか?▼
- [キヌ]
- そう! そう見えないならごめんなさいっ!
でも、アタシはそのつもりで作ってるのっ!▼
母さん、こういうの好きそうだから…▼
- [カゲロウ]
- …そ、そうだったのか…
…感謝する。▼
ニシキも昔、かんざしと櫛をくれたな…
妖狐にはそんな習性でもあるのだろうか…▼
- [キヌ]
- ねえねえ、ちょっと試しにつけてみようよ!
きっと似合うよ!!▼
まずは櫛で髪をとかして…▼
- [カゲロウ]
- いや! その前に、
そ、その無数に尖った部分を削り落とすのだっ!▼
その状態で髪をとかしたら、私の髪はズタズタ…
そして、かんざしが刺さって頭から流血する!▼
- [キヌ]
- そ、そっか…
そうだよね…▼
あははっ!
そこまで考えてなかったーーっ!!▼
- [カゲロウ]
- …し、仕方ないな。
祭りが再開したら、一緒に作ろうではないか。▼
後に私が身につけるというのであれば、
念入りに手伝わせてもらいたい。▼
- [キヌ]
- わかった!
じゃあ賊をチャチャッと倒さないとね!▼
- [カゲロウ]
- ああ、そのかんざしと櫛で戦うと、
意外と早く片付くかもしれないぞ。▼
ヒサメ†
- [ヒサメ]
- 母さん、何をしているのですか?▼
- [カゲロウ]
- !?▼
ヒ、ヒサメか…
驚いたではないか…▼
- [ヒサメ]
- 母さん…今、何か隠しましたね?
何を隠したのですか?▼
- [カゲロウ]
- 嫌だ。
見せたくない…▼
- [ヒサメ]
- 母さん…私に隠しごとなんて…
悲しいです…▼
- [カゲロウ]
- …………▼
確かに隠しごとはよくないな。
すまぬ。見せよう。▼
…これだ。▼
- [ヒサメ]
- それは…絵ですか?▼
- [カゲロウ]
- そうだ。
私はこの祭りの風景の絵を描いていたのだ。▼
だが描いているうちに賊が来てしまって…
やむを得ず持ち歩くことに…▼
- [ヒサメ]
- そうだったのですか。
祭りの絵…▼
- [カゲロウ]
- ああ。通行人たちからは、
とてもつもなくまがまがしいと称された…▼
こんなものを描いていると知れて、
息子に軽蔑されたくなかった。▼
だから隠したんだ。▼
- [ヒサメ]
- まがまがしい? 軽蔑?
まったくそんなことありません!▼
- [カゲロウ]
- 気を遣わなくていい。▼
- [ヒサメ]
- 実は私、母さんが絵を描いていることは
知っていました。▼
うまく言えませんが…簡単に言うと…
私、母さんの絵の愛好者なんです。▼
- [カゲロウ]
- えっ?
そ、そうだったのか?▼
…………▼
…ふっ…▼
- [ヒサメ]
- な、何がおかしいのですか?▼
- [カゲロウ]
- その言葉が嬉しかったのと同時に、
懐かしい思い出が蘇ってしまってな。▼
実は結婚前…お前の父さんとも、
今のようなやりとりをしたことがあるのだ。▼
私が絵を描いていて、彼がやってきて…
私は絵を隠した。▼
何を隠したと、しつこく追い回されてな。
そんなことを思い出してしまった。▼
- [ヒサメ]
- あはは、そうなんですね。
さすが親子。似てしまうのでしょうか…▼
- [カゲロウ]
- あ、そうだ。
この絵にお前を描いてもいいだろうか。▼
- [ヒサメ]
- 私を?▼
- [カゲロウ]
- お前は日に日に大人になっていく。
その成長の記録として、残しておけたらと思う。▼
どうだ。
祭りが再開したら、屋台の前に立ってくれぬか。▼
- [ヒサメ]
- もちろんです!▼
母さんが私を描いてくださるなんて、
光栄この上ありません!▼
- [カゲロウ]
- よかった。
では、またあとで。▼
- [ヒサメ]
- はい、楽しみにしています!▼
ミタマ†
- [カゲロウ]
- ミタマ、今日は子どものためのお祭りだ。
何かほしいものがあるなら、言ってみろ。▼
- [ミタマ]
- うーん…
そうですわね…▼
あ…
わたくし、屋敷がほしいですわ。▼
- [カゲロウ]
- 屋敷?▼
- [ミタマ]
- はい。ここにドーンと頑丈な屋敷を建てて
いただいて、わたくしはそこで寝ますの。▼
賊が侵入しようとしても
絶対に入ることは不可能。▼
天井から槍が降り、壁は回り、
隠し通路も盛り沢山…▼
わたくしはすぐさまそこでお昼寝し、
妨害されることのない眠りにつきますわ。▼
- [カゲロウ]
- …………▼
つまりは忍者屋敷か?▼
ふざけたことを言わず、
もっと現実的なものにしてくれ。▼
- [ミタマ]
- 貧民に 生まれた自分に 嘆き節…▼
- [カゲロウ]
- ひ、貧民ではないだろう。
それに、富豪でも今すぐに屋敷など無理だ…▼
- [ミタマ]
- もっと謙虚なものとなりますと…
…あ、これなどどうでしょう。▼
わたくしが 欲するものは 寝る時間…▼
- [カゲロウ]
- 何?▼
- [ミタマ]
- 賊と戦うなんて面倒きわまりないので、
戦闘を放棄したいということです。▼
その分、寝る時間に
充てられればと思いますの。▼
- [カゲロウ]
- …そんなことを言われて、
私がうなずくと思うか?▼
もっとまじめに答えろ。▼
- [ミタマ]
- わかりましたわ…▼
…あ、ではこれなどいかがでしょう?▼
わたくし、お母様みたいな
魅力的なお服がほしいですの。▼
たまには
大人びたものも着てみたいのです。▼
- [カゲロウ]
- ふむ、それならばいいだろう。
検討しておこう。▼
…だが、アサマには気をつけろ。▼
私のような服を着ていると、
文句をつけてくるぞ。▼
「そんな格好をして、
男を誘惑しているのですか」▼
…などと言ってな。
しかも実際は、▼
アサマ本人が誘惑されていただけという
オチまでついてくる。経験者談だ。▼
- [ミタマ]
- …………▼
で、ではやっぱり服はやめますわ。▼
あの破戒僧が喜んでるのを想像したら
気持ち悪くなりましたの。▼
…では、これなどどうでしょう。▼
…わたくし、お母様との時間がほしいですの。▼
- [カゲロウ]
- 私との時間?▼
- [ミタマ]
- ええ。なかなか親子水入らずの時間って
ありませんから。▼
- [カゲロウ]
- …………▼
ふっ…そんなことが望みとは…
お前にも、かわいらしいところがあるのだな。▼
- [ミタマ]
- 当たり前ですわ。
わたくし、寝てばかりではありませんの。▼
- [カゲロウ]
- では、期待に応えるとしよう。
今日は存分に付き合うぞ。▼
マトイ†
- [マトイ]
- ねえ、母さん。
お祭りが再開したら、また絵のこと教えて。▼
- [カゲロウ]
- …それはできん。▼
- [マトイ]
- えっ?
どうして?▼
- [カゲロウ]
- …自分でも気付いているだろう。
お前の絵は私の手の届かない域に行ってしまった。▼
私から学ぶことはもう何もない。▼
- [マトイ]
- そんなことないわ…▼
- [カゲロウ]
- いいや、ある。
具体的に言おう。▼
この間、二人で山を描いたな。
あのときなぜお前は紙を漆黒に塗りつぶした?▼
その漆黒にいくつもの光線を描いて…
私にはわからない。なぜあれが山なのか…▼
手の届かないところに行ってしまったお前に
どうして指導などできよう…▼
天才を前に私は無力なのだ…▼
- [マトイ]
- ちょ、ちょっと、やめてよ…
そんなことないわ…▼
正直に言うけど、あたしの中には
常に下敷きがあるの。▼
下敷きを使うなんて、
天才のすることじゃないわ。▼
- [カゲロウ]
- 下敷き?▼
- [マトイ]
- ええ。あたしには母さんという名の下敷き…
つまりお手本があるの。▼
この間の絵、母さんは
山の頂上から足を生やしたじゃない。▼
- [カゲロウ]
- あ、ああ…▼
- [マトイ]
- あれこそ天才の描く絵よ。
あたしが目指している世界観というか。▼
でも、母さんはお手本も下敷きもなくて、
独自にあの境地に到達したわけでしょ。▼
- [カゲロウ]
- ま、まぁ…
私は思ったことを描いているだけだし…▼
- [マトイ]
- 母さんは、世の中が平和になったら、
あたしと個展を開きたいって言ってたわよね。▼
- [カゲロウ]
- ああ…言った…▼
- [マトイ]
- そのころまでには、
下敷きを外せるように努力するわ。▼
だから、賊を倒したら絵の話をさせて。
母さんから学ぶべきこと、たくさんあるのよ。▼
- [カゲロウ]
- …………▼
…わかった。
励ましてもらったお礼にそうするとしよう。▼
- [マトイ]
- もう、励ましたんじゃなくて事実なんだって。▼
まずは、山の頂上から
足を生やした理由を詳しく聞かせて?▼
- [カゲロウ]
- いいだろう。
それならば嫌というほど語ってやるぞ。▼
- [マトイ]
- うふふ。
楽しい時間になりそう。▼
シャラ†
- [カゲロウ]
- シャラ、今日は子どものためのお祭りだな。
どう過ごすつもりだ?▼
- [シャラ]
- 私はお祭りはいいわ…
おまじないの研究をする予定だから…▼
- [カゲロウ]
- …それはならぬ。
せっかくのお祭りなのだ。▼
子どもは子どもらしく、
お祭りを楽しむべきだ。▼
- [シャラ]
- 嫌よ…▼
私の恩人である、カムイ様が
お祭りを楽しめって言うなら話は別だけど…▼
母さんに言われても従わないわ…▼
- [カゲロウ]
- くっ…
親の言うことよりもカムイ様か…▼
- [シャラ]
- 当然でしょう…▼
- [カゲロウ]
- 本当にカムイ様が言ったら
従うのだな?▼
- [シャラ]
- ええ、誓うわ…▼
- [カゲロウ]
- よし、わかった。▼
賊を倒したらさっそく
カムイ様にお願いしてみよう。▼
- [シャラ]
- ちょっと…本気?
そこまでする必要ないでしょう…▼
そもそも、あの人に
なんて言うの…▼
- [カゲロウ]
- 「今日くらいは、親と一緒にお祭りを楽しめ」と
お前に言ってもらうつもりだ。▼
- [シャラ]
- …………▼
な、何よ…
母さん、私と一緒にお祭りを楽しみたいの?▼
- [カゲロウ]
- …ま、まぁ…そうだ…▼
- [シャラ]
- …………▼
もう…
かわいいわね…▼
だったらはっきり
そう言ってくれればよかったのに…▼
- [カゲロウ]
- …お前に断られることを想像したら…
怖くなってしまったのだ…▼
- [シャラ]
- そんなことないわ…
だから、はっきり言って…▼
そうしたら、命令じゃなくても従うわ…▼
- [カゲロウ]
- …………▼
…シャラ、今日の祭りは一緒に過ごさぬか?
たまには親子水入らず、過ごしたいのだ…▼
- [シャラ]
- うふふふ…いいわ…▼
その代わり、常にカムイ様が
見えるところを歩きましょう…▼
- [カゲロウ]
- 何?▼
- [シャラ]
- ずっとカムイ様を眺めていたいの…
その姿を肴に、お祭りを楽しむわ…▼
- [カゲロウ]
- い、いいだろう…
隠密は得意だ。▼
- [シャラ]
- 私もよ…
そこは母さんに似て、本当に良かった…▼
この点に関しては母さんに感謝ね。
うふ、うふふふふ…!!▼
- [カゲロウ]
- お前が楽しそうで、何よりだ…▼
ルッツ†
- [カゲロウ]
- ルッツ。少しいいか。▼
- [ルッツ]
- あ、お母さん。
どうしたの?▼
- [カゲロウ]
- 今言うことではないのだが…
お前に贈り物がある。▼
- [ルッツ]
- えっ!?
僕に!?▼
- [カゲロウ]
- ああ。渡す前に賊が来たから
そこに立てかけておいたのだが、▼
今ならよく見えると思って声をかけた。
あの四角い、赤い色をしたものだ。▼
- [ルッツ]
- ええっと…
あれは、絵?▼
- [カゲロウ]
- そうだ。私が描いた絵なのだが…
気に入ってくれるだろうか?▼
- [ルッツ]
- うわっ!すごいすごい!
怪獣が戦ってる絵だ!▼
格好いいなー!
僕、すごく気に入ったよ!▼
- [カゲロウ]
- …ルッツとミシェルだ。▼
- [ルッツ]
- …え?▼
- [カゲロウ]
- ルッツとミシェルが
仲良く空を飛んでいる絵なのだが…▼
- [ルッツ]
- う、うん!
僕もそう思ったよ!▼
- [カゲロウ]
- …そうか?
さっきは怪獣がどうとか言ってた気が…▼
- [ルッツ]
- 好き!僕、あの絵すごく好きだよ!
お母さん、ありがとう!▼
- [カゲロウ]
- ま、まぁ…
気に入ってくれたのならよかった。▼
- [ルッツ]
- よく見たら上のほうに楊枝が刺さってるのが
躍動感あっていいよね。▼
- [カゲロウ]
- …………
あれは刺すつもりではなかったのだが…▼
さっきたこ焼きを食べていたハロルドが
うっかり突進してきてな。▼
- [ルッツ]
- そ、そうなんだ…▼
- [カゲロウ]
- さすがは奇跡的な男。
その能力は健在だな。▼
- [ルッツ]
- でも、どうして僕の絵を描いてくれたの?▼
- [カゲロウ]
- 今のお前の姿を
絵に留めておきたかった。▼
子どもの成長というものは
思っていたよりも早かったのでな。▼
きっと私の背丈など、
あっという間に抜いてしまうのだろう。▼
- [ルッツ]
- うん。
きっとすぐに追い抜いちゃうよ。▼
- [カゲロウ]
- そのことが寂しくもあり、嬉しくもある…
これが親心というものなのだな。▼
- [ルッツ]
- えへへ…あの絵には、
お母さんの気持ちがこもってるんだね。▼
僕、ずっと大事にするよ。
ありがとう、お母さん!▼
オフェリア†
- [オフェリア]
- 母さん、ちょっといい?
あの絵のことで、進展があったのよ!▼
- [カゲロウ]
- あの絵、とは?▼
- [オフェリア]
- あの絵よ。母さんが私たち家族の
楽しそうな様子を描いている、あの未完成の絵!▼
- [カゲロウ]
- ああ、本当か?▼
- [オフェリア]
- …実は私ね、私のおばあちゃんと…▼
つまり、父さんのお母さんと、
夢の中で会ったの。▼
- [カゲロウ]
- 何?▼
- [オフェリア]
- 姿かたちは少しぼんやりしてたけど…
でも私の直感が言ったわ。▼
この人がおばあちゃんで間違いないって!▼
- [カゲロウ]
- そのことは…
オーディンには言ったか?▼
- [オフェリア]
- ええ、起きてすぐに話したわ。
特徴とかを伝えたら、父さんびっくりしてた。▼
動揺を隠そうとして鼻で笑っていたけど…
でもあの反応は間違いないと思うわ。▼
- [カゲロウ]
- …もしそれが本当なら、あの絵が進むかもしれぬ。
よしオフェリア、彼女の特徴を言ってくれ。▼
- [オフェリア]
- えっとね…▼
おばあちゃんは色白で…
髪は金色で、ツインテール。▼
黄色い服を着ていて
ふわっとしたスカートを履いていたの。▼
顔はあんまりよく見えなかったのが
残念だったけど…▼
何となく、エリーゼさんみたいな
子どもっぽいかわいらしさがあったと思う。▼
…そんな感じの、選ばれしおばあちゃんっていう
イメージだったわ。▼
- [カゲロウ]
- よし…
これだけあれば少し描けそうだ…▼
この特徴で合っているか、あとで
私のほうからもオーディンに確認しておこう。▼
- [オフェリア]
- うん、お願いね。▼
あー、あの人がおばあちゃんかぁ…って思ったら、
世界がすっごくキラキラして見えるわ!▼
- [カゲロウ]
- 私もだ。
素敵そうなお義母さんだな…▼
- [オフェリア]
- …でも母さん、ずっと疑問だったんだけど、
どうしてその絵を描いてるの?▼
- [カゲロウ]
- …ああ、彼から求婚されたとき、
私が彼に頼んだのだ。▼
彼の家族と私が仲よくしている姿を
描かせてほしいとな。▼
彼は、両親は死んだからと言って拒否したが…▼
せめて絵の中でも会いたいと説得して、
なんとか許可をもらったという次第だ。▼
- [オフェリア]
- なんだ。
父さんは許可してたんだ。▼
それなのに
どんな人か教えてくれなかったなんて…▼
- [カゲロウ]
- 仕方ない。
誰にでも事情というものがあるからな。▼
…そうだ。そろそろお前の部分の
絵の仕上げに入りそうなのだ。▼
あとでもう一度だけ、素描きさせてもらえぬか。
もちろん謝礼は払う。▼
- [オフェリア]
- もちろん、いいわよ。
謝礼は、そうねえ…▼
私、わたあめが食べたい!▼
- [カゲロウ]
- お安いご用だ。
素描きが済んだら、一緒に屋台に行こう。▼
- [オフェリア]
- やったあ!
楽しみにしてるね!▼
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Last-modified: 2020-08-28 (金) 16:17:52