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会話集/記憶の欠片

遠き約束

[マイセン]
ルドルフ……
どこだ、ルドルフ。▼
わしだ、マイセンだ。
約束通り、来てやったぞ。▼
[ルドルフ]
マイセン……▼
久しいな、マイセン。
よくぞ来てくれた。▼
[マイセン]
おお、ルドルフ……!▼
まさか、再びリゲルの地を
踏むことになろうとはな。▼
――それで、わしをわざわざ呼びつけた
用件はなんだ。▼
昔話をするためでもあるまい。▼
[ルドルフ]
ああ。▼
マイセン、お前は私が出会った中で
もっとも忠義に篤く信頼のおける人間だ。▼
そのお前を見込んで頼みがある。
――これを預かってほしいのだ。▼
[マイセン]
……これは…………▼
赤ん坊ではないか!
ルドルフ、お前の……?▼
[ルドルフ]
ああ。
先日生まれたわが息子、アルムだ。▼
こやつを、ソフィアに連れ帰り
お前のもとで育ててもらいたい。▼
[マイセン]
正気か、ルドルフ?!
生まれたばかりのわが子を手放すなど……▼
理由はなんだ。
相応の訳がないと納得せんぞ。▼
[ルドルフ]
理由か。
理由は……▼
このアルムが、
勇者となる定めを持っているからだ。▼
[マイセン]
なに……?▼
[ルドルフ]
アルムの左手を見るがいい。▼
[マイセン]
…………!
これは……聖痕…………!▼
[ルドルフ]
そうだ。▼
聖痕を持つ、ふたりの運命の子が
滅びゆくバレンシアを救う。▼
その予言通り、
リゲルにこのアルムが生まれ……▼
そして時同じくして生まれた
ソフィアの王女にも聖痕があると聞く。▼
[マイセン]
………………
バレンシアの滅亡……▼
やはりそれは、
ドーマの狂気によるものなのか?▼
[ルドルフ]
ああ。
あれはもう、永くは持つまい。▼
[マイセン]
そうか……▼
[ルドルフ]
マイセンよ、
私は修羅にならねばならん。▼
神の恩恵と教義によってのみ
生きる民たちに▼
いま一度、自らの力で生きることを
思い出させるために……▼
近い将来、人々は私を倒すために
立ちあがるであろう。▼
その先頭に立つのが
このアルムであったなら……▼
親として、これ以上の喜びはない。▼
[マイセン]
ルドルフ……▼
[ルドルフ]
わが友、マイセンよ。▼
どうかその日まで、このアルムを
勇者にふさわしい男に育ててほしい。▼
リゲルにいては、いつドーマ教団に
命を狙われるかわからぬ。▼
誰にも知られず、
健やかに育ってほしいのだ。▼
それが私の、親としてできる
せめてもの…………▼
[マイセン]
……わかった。
アルムはこのわしに任せるがいい。▼
わしのすべてをかけて、
最強の戦士に育ててみせよう。▼
[ルドルフ]
おお……
礼を言うぞ、マイセン。▼
アルムよ、いかなる時も
優しさを忘れぬ男であってくれ。▼
次に会うのは、きっと戦場だ……▼
[マイセン]
ルドルフ……▼

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Last-modified: 2020-09-29 (火) 15:59:57
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