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会話集/記憶の欠片

神と人の大地

[ミラ]
ああ、ドーマ……
どうしておわかりいただけないのです?▼
私は生きとし生けるものが
幸福に生きる世界を創りたいのです。▼
苦しみや悲しみが一切ない、
地上の楽園をこのバレンシアに……▼
[ドーマ]
愚かな!
そのような世界が幸福であるものか。▼
人は生涯をかけて強さを求めるべきなのだ。
己の力で生きてゆくために……▼
神の恩恵をただ享受するだけの生など
虚しいだけよ。▼
[ミラ]
それは違います。▼
試練など、
人の生には与えずとも在るものです。▼
私はそこから人を救いたい。
悲しみや苦しみを取り除いてあげたい……▼
それこそがわれら神の
務めではありませんか。▼
[ドーマ]
ミラよ……▼
お前の愛は、人を堕落と破滅に
導くものでしかない。▼
人は弱い生き物だ。▼
なればこそ、その弱さを取り除くことが
われら神の務めではないか。▼
[ミラ]
……ドーマ……
私のただ一人の兄上……▼
共に、このバレンシアに
楽園を築くことを夢見ていたけれど……▼
これ以上の争いは無意味のようですね。▼
[ドーマ]
ああ、そのようだ。▼
われらの理想郷を求めて
かの地をあとにしたのは▼
いつのことであったか、
もう思い出せぬ……▼
ミラよ、われわれは
共に生きることはできぬようだ。▼
私は北の地を、
お前は南の地を治めるとしよう。▼
それぞれの地で
己の理想を求めるのだ。▼
そして、互いにそれを侵してはならぬ。
これを盟約としようではないか。▼
どちらの選択が人のためになるのか……
それはいずれ時が証明しよう。▼
[ミラ]
ええ、いいでしょう。
私ももう、争うことに疲れました。▼
さようなら、ドーマ。
私は私の道をゆきます。▼
願わくは、どちらの地の民も
幸いであらんことを……▼

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Last-modified: 2020-09-29 (火) 16:02:45
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