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クロム

エメリナ

クロム→エメリナ

[クロム]
姉さん、調子はどうだ?▼
[エメリナ]
すこ…し…つかれた…▼
[クロム]
そうか…▼
やはり慣れない戦いの連続では、
休まるものも休まらない…か。▼
だが見ての通り、ここは湯治場だ。▼
戦いの後にお湯に浸かれば、
きっと疲れも癒えるはずさ。▼
[エメリナ]
とう…じば?▼
[クロム]
ああ。暖かい湯に浸かって、
身体を休める場所のことだ。▼
しかもただのお湯ではなく、▼
病気や怪我が治りやすくなるとも
言われているんだ。▼
まるで魔法みたいだろう?▼
だから、入れば姉さんの回復も
きっと早まるはずだ。▼
[エメリナ]
おゆ…あたたかい…▼
[クロム]
ああ、そうさ。
温かいんだ。▼
…そうだ姉さん、
覚えてるか?▼
俺が小さかった頃、
城の風呂でおぼれかけたのを。▼
そこに姉さんが助けに来てくれて…▼
[エメリナ]
わから…ない…▼
…ごめん…なさい。▼
[クロム]
…いや、気にしないでくれ。
ゆっくり思い出していけばいいさ。▼
[エメリナ]
…で…も…▼
[クロム]
でも?▼
[エメリナ]
…ここ…すき。
あたたかい…いいにおい…▼
[クロム]
そうか、
気に入ってくれたのなら良かった。▼
なら姉さんにゆっくりしてもらうためにも、
早く敵を片付けないとな!▼

エメリナ→クロム

[クロム]
姉さん、この場所が
気に入ったみたいだな…▼
[エメリナ]
ここ…あたたかい…
きもち…やすらぐ…▼
[クロム]
…………▼
姉さん、
ひとつ相談があるんだ。▼
[エメリナ]
そう…だん?▼
[クロム]
ああ。
もし、姉さんが望むなら…▼
この場所に残って、
身体を休めることに専念しないか?▼
[エメリナ]
…?▼
[クロム]
本当は…平和を愛する姉さんを
戦いに巻き込むことが心苦しかったんだ。▼
もちろん、姉さんとはずっと一緒にいたい。
俺の手の届く所で…傍らで守り続けたい。▼
でも…このまま俺と一緒にいたら、
姉さんも戦いの連鎖から逃れられない。▼
[エメリナ]
………▼
[クロム]
だから…姉さんがもし戦いを嫌い、
ここに残ることを選ぶなら…▼
[エメリナ]
くろ…む…?
ないてる…の?▼
[クロム]
っ…▼
いや、違う…これは…▼
[エメリナ]
わたし…いっしょに…いたい…▼
[クロム]
ね、姉さん! しかし…!▼
[エメリナ]
みんなの…くろむの…
ちから…なりたい。▼
たたかわなくていい…せかい…
つくる…ため…▼
くろむの…ため…▼
だから…ずっと…いっしょ…▼
[クロム]
ね、姉さん…姉さん!
うっ…くっ。▼
[エメリナ]
…くろむ…ないてる?
…かなしい…の?▼
あたま…なでる…から
もう…なかない…で?▼
[クロム]
ありがとう…姉さん。
やはり姉さんにはかなわないな…▼
姉さん…俺はもう一度この剣に誓う。
今度こそ姉さんを守り抜く!▼
そして姉さんの望む平和を掴むと!
だからそれまで一緒にいよう!▼
何があってもずっと一緒にいよう!▼
[エメリナ]
う…ん…▼

リズ

エメリナ

エメリナ→リズ

[リズ]
ねーねー、お姉ちゃん。▼
[エメリナ]
…りず?▼
[リズ]
あのね、この戦いが終わったら、
一緒に温泉入ろうよ。▼
昔みたいに、背中流しっこしたり、
どっちが長く潜っていられるか競争したり!▼
ここ広いから、泳いでも大丈夫だよね。▼
あ、お行儀悪いって言われるから、
お兄ちゃんには内緒だよ?▼
[エメリナ]
くろむ…
いっしょ…に…はいら…ない?▼
[リズ]
ええっ?
お兄ちゃん?▼
ダメダメ! いくらお兄ちゃんでも、
男の人と一緒にお風呂なんてぜーったい嫌!▼
[エメリナ]
だめ…
ざん…ねん…▼
[リズ]
子どもの頃はともかく、
わたしだってもう大人なんだし!▼
だから勝手にお兄ちゃんを誘ったり
しちゃダメだからね?▼
お兄ちゃんのことだもん、
お姉ちゃんに誘われたら、▼
『ああ、わかった! すぐ行く!』
とか言って、▼
そのまま女湯に
突撃してきそうな気がするし!▼
[エメリナ]
…りず…ものまね…じょうず…▼
[リズ]
あはは! そう?▼
…とにかく、戦いが終わったら
わたしとふたりで温泉だからね!▼
約束だよっ!▼

リズ→エメリナ

[エメリナ]
りず…▼
[リズ]
あっ、お姉ちゃん!
どうしたの?▼
温泉、待ちきれなくなっちゃった?▼
[エメリナ]
りず…くろむ…きらい?▼
[リズ]
ええっ!? なんで!?▼
…あっ、さっき温泉に一緒に
入らないって言ったから?▼
安心して。
わたし、お兄ちゃんのこと大好きだよ。▼
[エメリナ]
だい…すき?▼
[リズ]
うん。前にお姉ちゃんが、その…
死んじゃったと思った時ね…▼
わたし、毎日毎日ずっと泣き続けて…
なんかもうボロボロになっちゃって…▼
このまま生きてても…って、
そんなことまで考えちゃって。▼
でもね、そんな時ずっと側にいてくれたのは、
やっぱりお兄ちゃんだったの。▼
[エメリナ]
…………▼
[リズ]
ほんとは自分だって悲しくて、泣きたくて、
仕方なかったはずなのにね。▼
でも、お兄ちゃんはそれを我慢して、
わたしのことを支えてくれた…▼
[エメリナ]
くろむ…やさしい…▼
[リズ]
でしょでしょ?▼
それにね…
わたし、この前見ちゃったんだ。▼
夜、お姉ちゃんのお見舞いから戻ってきた
お兄ちゃんがね、▼
『姉さん…良かった…良かった…』
って、ひとりで泣いてたの。▼
その時、お兄ちゃんがこれまでずっと
我慢してた涙が、やっと解放されたって、▼
お兄ちゃんがやっと悲しみから
救われたって…そう思ったんだよ?▼
だから…お姉ちゃんが、生きててくれて、
わたし、ほんとに…うれし…▼
[エメリナ]
りず…ないてる…の?▼
[リズ]
う、ううん…ぐすっ。
これはお兄ちゃんの涙を思い出してたら、▼
ちょっともらい泣きしちゃっただけ…
でも…これ、嬉しい涙だから。▼
[エメリナ]
うれしい…ときの…なみだ?▼
[リズ]
うん! そうそう!▼
[エメリナ]
りず…くろむ…
わたし…も…だいすき。▼
[リズ]
ありがとう! わたしも、
お姉ちゃんが大好きだよ!▼
でも、お風呂は一緒に入らないからね!
そこは譲れないんだからねっ!▼
[エメリナ]
ざん…ねん…▼

ルキナ

セレナ

セレナ→ルキナ

[セレナ]
はぁ…▼
(ルキナ登場)
[ルキナ]
あら…どうしたんですか、セレナ。
ため息なんかついて?▼
[セレナ]
あ、ルキナ…▼
こうして静かに湯けむりを見ていると
癒されるような気がしたのよ。▼
[ルキナ]
確かに…そうですね。▼
[セレナ]
あんたには言うまでもないけど、▼
あたしたちのいた未来の世界って…
本当に大変だったじゃない?▼
[ルキナ]
はい…▼
[セレナ]
だからね、
最初にこの世界に来た時、思ったのよ。▼
実際、母さん達よりもあたしたちの方が
苦労してるんじゃないかなって。▼
ほら、伝説とか武勇伝なんて、
後から尾ひれが付くものだし。▼
[ルキナ]
…………▼
[セレナ]
でも、この時代に来てよくわかった。▼
母さん達は聞いていた以上にすごい人で、
もの凄く苦労して頑張ってたんだって。▼
[ルキナ]
そうですね…
私もそう思います。▼
私たちはまだまだです…
本当に子どもだなと痛感させられます。▼
[セレナ]
はぁ? 何言ってんのよ。
ルキナは違うわよ、あんたは別格だわ。▼
[ルキナ]
えっ?▼
[セレナ]
だって聖王の血を引いているだけあって、
強いし賢いし、カリスマ性もあるじゃない。▼
[ルキナ]
いえ、そんな…▼
[セレナ]
謙遜しなくてもいいって。▼
[ルキナ]
あの…ここだけの話ですが…
私にも辛い時はありますよ。▼
[セレナ]
えっ? そうなの?▼
[ルキナ]
そうです。聖王の血と…そして
圧し掛かる皆さんからの期待…▼
いつも押しつぶされそうになります。▼
[セレナ]
ふーん…
ルキナでも、そういうこと思うんだ。▼
[ルキナ]
はい…
でもあまり重く受け止めすぎず、▼
自分に与えられた可能性だと
考えるようにしています。▼
…もっともこれは、
お父様に教えられた言葉なんですけどね。▼
うふふ…▼
[セレナ]
ふふっ。なるほどね。▼
その前向きな発想こそが、
聖王様の血って感じに思えるわ。▼
[ルキナ]
そうですか?
そうなら私…嬉しいです。▼

ルキナ→セレナ

[セレナ]
はぁ…▼
(ルキナ登場)
[ルキナ]
またため息ですか?▼
[セレナ]
うん、でもあんたの前では、
もう隠すのを止めようかなって。▼
[ルキナ]
あら…何をですか?▼
[セレナ]
あたしにだってあるのよ…
悩みというか、劣等感というか…▼
[ルキナ]
劣等感? でもあなたこそ…
あのティアモさんの娘じゃないですか。▼
ティアモさんは軍の中でも
天才と謳われた多才な方。▼
あなたは、数々の素晴らしい才能を
彼女から引き継いでいるはずですよ。▼
[セレナ]
そうね…母さんは確かに天才肌だわ。
何でもこなしてしまうもの。▼
でも、あたしは違う…
あたしは母さんと違ってデキが悪いから、▼
努力して努力して…
何とか人並に頑張ってるだけなの。▼
[ルキナ]
セレナ…▼
[セレナ]
でもみんな、
あたしの努力は知らずに、▼
ティアモの娘だから
これぐらいできて当然って目で見るの。▼
未来にいた頃は…ずっとそうだった。▼
必死にバタついてる水面下の足なんて見ずに、
白い羽根だけを見て綺麗だと言うのよ。▼
[ルキナ]
水面の白鳥のたとえ…ですか。▼
[セレナ]
どーせ、あたしは生まれ持った
力なんて何もないのよ…▼
[ルキナ]
…ごめんなさい、セレナ。
私、無神経なことを…▼
[セレナ]
ううん、いいのよ。
ルキナが知っててくれたら、それで…▼
[ルキナ]
いいえ。ダメです。▼
他の人が知らないなら、
私がはっきりと言っておきます。▼
[セレナ]
…えっ?▼
[ルキナ]
セレナ、あなたの力はあなたの努力で
勝ち取ったものです。▼
ティアモさんは素晴らしい方です。
でも、あなたはあなたの輝きがある。▼
それは…未来にいた時から一緒に
戦ってきた私が認めています。▼
私はそれをみんなにも認めて欲しいです。▼
[セレナ]
ルキナ…ありがとう。▼
あんたにそう言ってもらえると、
少し救われた気がするわ。▼
ね、良かったらまたこうして
ふたりきりで話しましょうよ?▼
ほらほら、
親に対する愚痴とか不満とかさ!▼
[ルキナ]
ええっ? お、親に対する不満…!?
私は特にありませんが…▼
[セレナ]
ふーん、面白くないわね…▼
まぁいいわ、じゃああたしの話を
聞くだけで許してあげる。▼
[ルキナ]
ふふ…仕方ないですね、セレナは。▼
[セレナ]
それじゃ、
まずはこの戦いを終わらせて、▼
ゆっくり温泉にでも浸かりながら
語りましょ!▼

ノワール

ノワール→ルキナ

[ノワール]
ふははははは!
この有様はなんだ!▼
屍兵どものおかげで
せっかくの温泉が台無しではないか!!▼
おのれ…奴らめ許すまじ…!
全員バラバラの粉みじんにしてくれるわ!▼
[ルキナ]
はい、そうですね。このままでは
住民も観光客の皆さんも不安でしょう。▼
早く敵を退治しなくては…!▼
[ノワール]
当たり前だ!
すぐに片付ける!▼
どいつもこいつも、
地獄の釜に放り込んでくれるわ!▼
…と、その前に、ひとつ聞きたい!!▼
[ルキナ]
なんでしょう?▼
[ノワール]
…どうしてルキナは、
私がキレても気にしないの…?▼
[ルキナ]
別に、いつものノワールですよね?
何か変わったことでもあるのですか?▼
[ノワール]
ルキナ…もしかして
私の状態の変化に気づかないの?▼
わ…私、キレてる時怖いわよね?
口調とかも露骨に変わっちゃうし…▼
[ルキナ]
……?▼
[ノワール]
ど、どうしよう…
まさか本当に…わからないの?▼
[ルキナ]
ノワールはノワールですよね…?▼
あなたの言っていることが
全然理解できないのですが…?▼
[ノワール]
ひぃぃ…!
こんな人がいただなんて…!▼
(ノワール退場)
[ルキナ]
ノ、ノワール!?
なぜ逃げるんです?▼
足元滑りやすいですから、
気をつけないと転びますよ?▼
ノワール!▼

ルキナ→ノワール

[ルキナ]
あの、ノワール。
ちょっといいですか?▼
[ノワール]
な、なに…?
神妙な顔をして…どうしたの?▼
[ルキナ]
先ほどはごめんなさい…
あなたは…その…怒っていたのですね。▼
私、ようやく気づきました。▼
[ノワール]
あ…ええと、その…そうだけど、
別に謝られることではないというか…▼
勝手に暴走しているのは私だし…
その…こちらこそごめんなさい…▼
[ルキナ]
いえ、私がよく見ていなかったのが
悪いんです。▼
ノワールはいつものノワールだと
思いこんでいました…▼
ちょっと機嫌が悪いくらいでは
気づきませんでしたよ。▼
[ノワール]
わ、私の場合、ちょっとどころじゃ
ないと思うんだけど…▼
でも…ううん。
ルキナって…昔からそうよね。▼
周りの人を、常に認めてくれてる。▼
怒っても失敗しても、
嫌な事をしても、▼
良いところだけを見て…
全部許してくれる子。▼
[ルキナ]
…そ、そうですか?
私は別にそんなつもりは…▼
[ノワール]
うふふっ…いいの。
そこがまた…ルキナの良い所だわ。▼
自分では無意識のうちに…
他人を許してくれるんだもの。▼
[ルキナ]
何を感謝されているのか
ちょっとピンと来ないですが…▼
ノワールのお役に立てているようで
私も嬉しいです。▼
[ノワール]
ルキナ…いつもありがとうね。
そして…これからもよろしくね?▼
[ルキナ]
はい、私の方こそ、
よろしくお願いします。▼

ンン

ンン→ルキナ

[ルキナ]
その辺は足下が滑りやすくなっています。
ンン、気をつけてくださいね。▼
[ンン]
あっ…はい!
ありがとうです。▼
…あっ!!!▼
[ルキナ]
危ないっ!
ンンったら言ったそばから…▼
[ンン]
ごめんなさいなのです…▼
[ルキナ]
どこかぶつけたりしてませんか?
膝をすりむいたりとかしてませんか?▼
[ンン]
大丈夫、平気なのですよ。
ルキナが抱えてくれたので無事なのです。▼
[ルキナ]
そうですか、良かった…▼
[ンン]
それにしても…
ちょっと不思議なのです。▼
[ルキナ]
あら、どうかしましたか?▼
[ンン]
ルキナは、たまにそうやって
私のことを子供扱いしますよね?▼
普通だったら、そんなことわかってるです!
…って文句の一つも言っちゃうのです。▼
[ルキナ]
そ、そうですよね…
ごめんなさい。▼
[ンン]
いえ、違うのです!
謝らないでほしいのです!▼
私が言いたいのは…ルキナにだけは、
そんな風に思わないということなのです!▼
[ルキナ]
え…? そうなんですか?▼
[ンン]
はい。私は昔から、しっかりしなくちゃって
思いながら生きてきたのです。▼
だから子供扱いされると
本当はもっとムキになるはずなのですよ。▼
なのに、ルキナには子供扱いされても
全然腹が立たなくて不思議なのです。▼
なんだか逆に、
構ってもらって嬉しいのですよ。▼
[ルキナ]
ふふっ、それなら良かったです。▼
もしかしたら私が、ンンを妹のように
思っているからかもしれませんね。▼
でも…ちょっと嫌だと思ったら
すぐに言って下さいね。▼
[ンン]
全然思わないのです!▼
むしろルキナは…ンンを
妹のように思ってくれていたですね!▼
自分のことながら、腹が立たない
理由がわかって納得したのです!▼

ルキナ→ンン

[ンン]
ルキナお姉ちゃん!▼
[ルキナ]
え? お、お姉ちゃん!?
ンン、その呼び方はちょっと…▼
さすがに恥ずかしいので、
元に戻してもらえますか?▼
[ンン]
えぇー…ルキナ、さっきと
言っていることが違うのです…▼
私を妹のように思ってくれていたというのは
嘘だったですか…?▼
[ルキナ]
いえ、その…気持ちは姉として
変わらないのですよ?▼
ただ軍の中で突然そう呼ばれるのは、
皆さんも色々混乱されるでしょうから…▼
今まで通り、
普通に呼び合いませんか?▼
[ンン]
そうですか…
それじゃ、普通にルキナって呼ぶです。▼
[ルキナ]
ええ。ありがとうございます。▼
[ンン]
あ、そうそう。▼
早速お姉ちゃんのルキナに
ひとつお願いがあって来たですよ。▼
[ルキナ]
あら、お願い…ですか?
何でしょう?▼
[ンン]
あのですね…戦いが終わったら、
一緒に温泉に入りませんか?▼
未来の世界にいた時は
温泉どころか…▼
一緒にお風呂にも入れたことすら
なかったのです。▼
[ルキナ]
確かにそうですね…▼
ええ、わかりました。
一緒に入りましょう。▼
[ンン]
ありがとうです!▼
あとその時、もしルキナが良ければ…
私の髪を梳いて欲しいのです…▼
[ルキナ]
ふふっ、もちろんいいですよ。
ここ数日は戦い続きでしたからね。▼
ンンもお手入れが
ままならなかったでしょうし、▼
ぜひ私にさせて下さい。
もっと可愛くしてあげますよ。▼
[ンン]
へぇ…さすがルキナなのです。
私、とっても楽しみなのですよ!▼
[ルキナ]
こんなひとときも…
たまにはいいのかもしれません…▼
いいえ、そのささやかな一瞬のためにこそ、
私たちは戦うのかもしれませんね…▼
[ンン]
ルキナ?
何を独りごとを言っているですか?▼
この後の楽しい予定のためにも、
一刻も早く温泉を解放するですよ!▼
[ルキナ]
はい、そうですね。
早くこの場を屍兵たちから取り戻しましょう!▼

ウード

ジェローム

ウード→ジェローム

[ウード]
ふっ…知っているか、
ジェローム。▼
[ジェローム]
…なんだ?▼
[ウード]
この湯けむりの奥深くには、
伝説の太古の神殿があるらしい。▼
そこには、荒ぶる神の名を継ぎし
竜殺しの武器が眠っているとか…▼
俺の…この血がたぎる…
俺のことを呼んでいるのがわかるのだ…!▼
[ジェローム]
何かと思えばお得意の作り話か…
くだらない妄想に私を巻き込むな。▼
[ウード]
く、くだらないって言うなよ!▼
…って、そうじゃねぇ、
ひとつ頼みがあったんだ。▼
[ジェローム]
妄想の武器ならひとりで探せ。▼
[ウード]
違う! その仮面を俺にくれ!▼
[ジェローム]
…なんだと?▼
[ウード]
ふっ…わからんか。▼
その仮面、貴様よりも俺の方が似合うはず。
それだけのことだ。▼
[ジェローム]
…断る。▼
[ウード]
仕方ない。
ならば、その漆黒の龍衣を頂こう。▼
闇の翼は俺にこそふさわしい。▼
[ジェローム]
…断る。▼
[ウード]
くっ…ならば貴様の相棒を俺に差し出せ!
俺なら獰猛な竜さえも手なずけられる!▼
[ジェローム]
おい、獰猛という言葉は取り消せ。
こんなに愛らしいというのに。▼
それに、ミネルヴァは私の半身のようなもの。
手なずけるとかそういう類の存在ではない。▼
[ウード]
先ほどから聞いていれば…!▼
まさか貴様、そのような格好をして
俺に憧れているのではあるまいな?▼
[ジェローム]
意味がわからん。
何を言っているのだ?▼
[ウード]
ふっ…わかるぞ、ジェローム。
お前は心の目で俺の真の姿を見たのだ。▼
だからこそ俺に憧れ、そのような
いでたちをしているのではないか?▼
…どうだ! 違うか!?▼
[ジェローム]
…時間の無駄だな。▼
(ジェローム退場)
[ウード]
ふっ、俺の中に眠る力を
それほどまでに恐れるか…▼
…って、おーい、ジェローム!?
あいつどこ行きやがった…!▼
はっはーん、さてはあいつ、
俺に怖れをなしたな…!?▼

ジェローム→ウード

[ウード]
おい、ジェローム。
ひとつ聞いていいか?▼
[ジェローム]
断る。▼
[ウード]
間髪入れずに断られた…!?▼
お前どんだけ冷たいんだよ…
友達無くすぞ?▼
[ジェローム]
別にそんなもの、必要ない。▼
[ウード]
えっ…そ、そうなのか?
けどまぁ、そう言わずに聞いてくれって。▼
お前さ、なんでまだ
仮面なんか付けてんだよ。▼
もう正体なんかバレてるんだし、
必要なくねえ?▼
[ジェローム]
ふん…やはりお前は
何もわかっていない。▼
戦闘において、
素顔を見せる必要などない。▼
逆に感情を覆い隠すことで、
優位に立てることもある。▼
もっとも、
それだけの理由ではないがな…▼
[ウード]
じゃあ、なんで黒ずくめの格好してんだ?
やっぱ目立たないようにするためか?▼
[ジェローム]
いや、俺の心の奥底…深層心理に
近しい色だと思った…それだけだ。▼
結果として隠密性を高めることに
繋がってはいるがな。▼
[ウード]
じゃあ、なんでお前、
いつも一人で行動してんだ?▼
周りはみんな敵だとでも思ってんのか?▼
[ジェローム]
馴れ合いは好かん…それだけだ。▼
いや、違うな。
失うことを恐れているのかもしれん…▼
[ウード]
そ、そうなのか…
最後にもうひとつ聞かせてくれ。▼
お前って、時々血が騒いだりするのか?
過去の因縁とか、失われた記憶とかさ。▼
[ジェローム]
知るか、そんなもの。▼
だが…
妙に身体がざわめく夜はあるがな…▼
ふっ…笑いたければ笑うがいい。▼
私も私のすべてを理解しているとは
言いがたいのだ。▼
[ウード]
くっそーーーーっ!!▼
[ジェローム]
…なんだ、いきなり?▼
[ウード]
なんだよー! お前の方が何やっても
サマになってるじゃんかよ!▼
この天然カッコつけ野郎がーっ!▼
[ジェローム]
て、天然…カッコつけ…?▼
[ウード]
ちっくしょー!!
いつか見てろよっ!▼
必ずひと泡吹かせてやるからな!
覚えてろよーっ!▼
(ウード退場)
[ジェローム]
な、なんだったんだ…?▼
あいつの行動は…
心底わけがわからんな…▼

シャンブレー

シャンブレー→ウード

[ウード]
おい、シャンブレー…
ちょっといいか?▼
[シャンブレー]
え? なんでウード、
普通の喋り方してるんだ?▼
[ウード]
う、うるさいな…俺だって
普通に喋りたい時もあんだよ。▼
[シャンブレー]
『くっ、血が騒ぐ…』▼
とか、やらないのか?▼
普通のお前って、
逆になんか調子狂うなー。▼
[ウード]
ふっ…不服とでも言いたげだな?▼
俺と貴様は前世においても、
決して相容れぬ宿命が…▼
[シャンブレー]
いや、いい。やっぱりいい!
止めてくれ! 耳がもげちまう!▼
[ウード]
そこまで露骨に否定しなくても…▼
[シャンブレー]
で、どうしたんだ?▼
[ウード]
いや、それがさ…▼
なんていうか…
未来に比べてぬるいと思わないか?▼
[シャンブレー]
ぬるい…?
この温泉のお湯が?▼
ウード、今までどれだけ熱い風呂に
入ってきたんだよ…絶滅するぞ?▼
[ウード]
違うっての。この俺たちが
置かれた状況全体の事だよ。▼
[シャンブレー]
うーん、それならまぁ…確かに。▼
今は戦闘中とはいえ、終わったら
みんなで温泉だとか言ってるしな。▼
[ウード]
もちろん、身体を休めることだって、
大事な戦いの一環だってことは分かってる。▼
でもな、気持ちが急いてるんだよ…
こんなことしてる場合なんだろうか…って。▼
[シャンブレー]
俺はその方がいいけど。▼
戦わないでいいなら、
それに越したことはないしな!▼
[ウード]
でもな。俺たちにはもっと、平和のために
何かできることがあるんじゃないか?▼
[シャンブレー]
確かに至極まともなことを
言ってるんだけど…▼
その前にやっぱり、普通に真面目な
ウードって何か気持ち悪いなぁ…▼
[ウード]
うるせぇ! ほっとけ!▼

ウード→シャンブレー

[ウード]
おい、シャンブレー…▼
俺達は酷い未来を
生き抜いてきたよな…▼
[シャンブレー]
な、なに? やっぱり今回は、
ずっと真面目な喋り方で通すのか?▼
[ウード]
いいじゃねぇか、たまには。
それに俺は普段から色々考えてんだよ。▼
[シャンブレー]
そ、そっか…それは知らなかったぞ。▼
[ウード]
俺たちは…この世界に来て、
普通の幸せみたいなものも知っちまった。▼
そのせいで最近、牙を研ぐのを
忘れちゃいないだろうか?▼
[シャンブレー]
それはあるかもなぁ…▼
こっちに来て、
少し気持ちが緩んでる気はする。▼
[ウード]
お前もか?
う~ん、なんでだろうな…▼
[シャンブレー]
やっぱり、大人の人たちがいてくれるから
安心しちゃうのかもしれないな…▼
[ウード]
大人…つまり、親か。
親はやっぱり偉大なんだな…▼
知らず知らずのうちに、
甘えてしまっていたのかもな。▼
でも、安穏としてはいられない。▼
俺たちはその親たちの未来を、
守るためここに来たんだ。▼
[シャンブレー]
そうだな。戦うのは嫌だし、
絶滅だってしたくないけど、▼
世界が滅んでしまったら、
元も子もない。▼
[ウード]
ああ…だから絶対に、
守ってみせるぜ…▼
俺たちの、大事な未来を。
大事な人たちを!▼
なんだかそう考えると、
俄然やる気が出て来たぜ!▼
[シャンブレー]
ああ…そうだな。
俺も頑張るよ!▼
[ウード]
ふっ…俺たちは運命の奔流に抗い、
世界の法則を捻じ曲げこの時代にやってきた。▼
この暗き、悲運の轍…
我が刃で斬り裂いて見せる…!▼
[シャンブレー]
あはは…結局そうなるのか…▼

ロラン

ウード→ロラン

[ロラン]
おや、これは…▼
何でしょう?
何かの紙束のようですが…▼
…………▼
ふむ…なかなか興味深いですね。▼
(ウード登場)
[ウード]
おい、ロラン。▼
[ロラン]
おや…こんにちは、ウード。
僕に何か御用ですか?▼
[ウード]
ああ、ここら辺で手書きの紙束を
見かけなかったか…?▼
…って、それだ! お前が持ってるやつだ!
助かったぜ、ロラン!▼
[ロラン]
なるほど…これはウードの物だったと
いうことですか…▼
確かに、納得といえば納得ですね。
ふむ…本当に興味深い。▼
[ウード]
…ま、待てこら!
なに勝手に読み進めてやがんだよ!▼
返せ、返せよ!
あっ、後ろに隠すんじゃねぇ!▼
[ロラン]
34ページの2番目の項目は?▼
[ウード]
暗黒神と大天使の激突によって
生まれた雷を元に作られた槍…▼
シュバルツエンゲルに
関する記述が書かれている所だな。▼
…って、何言わせるんだよ!▼
[ロラン]
少し中を見せてもらったのですが、
なんというか、あなたらしい内容でしたから。▼
…あなた、作家や演劇の脚本家にでも
なるべきなんじゃないですか?▼
[ウード]
…う、うるさいな。▼
[ロラン]
とにかく、これはお返しします。
ありがとうございました、ウード。▼
[ウード]
お、おう。▼
[ロラン]
それにしても、相変わらず
あなたはこの手の知識…ではなく、▼
妄想が素晴らしいですね、
ウード。▼
[ウード]
失礼だな、お前…
あれは妄想なんかじゃねぇよ。▼
[ロラン]
そうですか…確かに妄想と切り捨てるには、
度が過ぎている気がします。▼
[ウード]
なに…?▼
[ロラン]
これはもしかすると…
ふむ、非常に興味深いですね。▼
(ロラン退場)
[ウード]
…なんか勘違いされてるような
気がするんだが…うーん…▼

ロラン→ウード

[ロラン]
ウード、少し宜しいですか。▼
[ウード]
お、ロラン。
さっきは紙束拾ってくれてありがとな。▼
[ロラン]
いえ、礼には及びません。▼
それより先程のお話ですが…
こういう推論はどうでしょうか?▼
[ウード]
何がだよ…?▼
[ロラン]
あなたのそれは
ただの妄想ではありません。▼
いえ、元はただの妄想なのかもしれませんが、
それは問題ではないのです。▼
[ウード]
はぁ…お前、何が言いたいんだ?▼
[ロラン]
つまりはですね、
もしかするとあなたの頭は…▼
この世界にある理を全て記憶している、
媒体であるかもしれないということです。▼
[ウード]
へ…?▼
[ロラン]
もしくはあなたの頭が、この世界の理を
記録した場所の窓口になっているのかも。▼
[ウード]
すまん…俺にはお前が
何を言ってるのかさっぱりだ。▼
[ロラン]
あなたは無意識ながらに、
この世の真理を語っている、ということですよ。▼
たしかに、妄想癖のあるあなたの言葉など、
誰も信じませんからね。▼
木を隠すなら森の中…なるほど、
万物の創造主も考えたものですね…▼
[ウード]
い、いや、えと…ロラン?▼
ノートのことは全部、俺の妄想…
じゃなかった、ええと~その~。▼
[ロラン]
そうなのです。
それは妄想などではない…▼
創造というかたちで、無意識にあなたは
世界の真理を語っているのですよ…!▼
[ウード]
いや、だから…そうじゃなくて…▼
[ロラン]
ウード! その頭を開いて、
ぜひ僕に研究をさせてくれませんか?▼
[ウード]
なに…!?▼
[ロラン]
解明には至らなくとも…何らかの印や
刻印などが見つかるかもしれません…▼
そしてそれは世界の神秘への
扉へと繋がっていく…!▼
[ウード]
バ、バカなこと言うな!
そんな事されたら痛いし死ぬだろ!▼
[ロラン]
世界の真理を解明するのです。
多少の犠牲はつきものというもの…▼
[ウード]
おい、待て待て! 今のお前、
普段の俺より危ないこと言ってるぞ!▼
[ロラン]
ははは…冗談ですよ。▼
さすがの僕も、仲間の頭を
どうにかするような真似はしません。▼
[ウード]
ほ、ホントか…?▼
[ロラン]
はい。本当ですよ。▼
ただ…あなたが戦いの最中、
悲運によって帰らぬ人となった時…▼
あなたは人々の発展のため、研究の糧に
なることを惜しまないのでしょうね…▼
[ウード]
おいおい! 何勝手なこと言ってんだよ!
も、もう勘弁してくれ~!▼

アズール

マーク男

マーク男→アズール

[マーク]
…………▼
[アズール]
マーク?
ぼーっとして、どうしたの?▼
[マーク]
あ、アズールさん!
ちょっと策を考えていたんですよ。▼
僕がいい策を思いつけば、
少しでも母さんの力になりますからね。▼
[アズール]
へぇ、それなら僕も協力するよ。▼
僕もルフレさんの
力になりたいからさ。▼
[マーク]
おお! さすがアズールさん!
相手が人妻でも母親でも見境ないですね!▼
でも、我が家の平和のために、
母さんは渡しませんよ?▼
[アズール]
えっと…あ、あの…
何を勘違いしてるのかな…?▼
今のは純粋に仲間として
力になりたいって言っただけなんだけど…▼
[マーク]
そうなんですか?
すみません、僕はてっきり…▼
そういうことなら、ご協力感謝します。▼
[アズール]
君は僕のことを
一体どういう目で見てるんだい…▼
まぁいいや、
それでどんな策を考えてたの?▼
[マーク]
この温泉に…
雷をぶちこもうと思っていました。▼
[アズール]
え!?▼
[マーク]
水は雷を通すという話を
この前読んだんですよ!▼
ということはこの温泉に雷をぶち込んだら、
奴らはひとたまりもないと思いませんか!?▼
[アズール]
わーっ! ダメダメ!
それ味方も死んじゃうから!!▼
温泉一面にみんなが
ぷかぷか浮くことになるよ!?▼
[マーク]
それは見たくありませんね。
やめておきましょう!▼
[アズール]
はぁ…良かった…▼
[マーク]
はっ! では炎の魔法で
温泉を煮立たせるのはどうでしょう!?▼
屍兵たちをコトコト煮込んで
一網打尽に!▼
[アズール]
禍々しいスープができそうだね…▼
あと、戦いが終わったら
僕たちその温泉に入るんだよ…?▼
[マーク]
あぁ…それはあまり
気分が良くないかもしれません!▼
じゃあまた別の策を…
うーん、なかなか難しいですね…▼
[アズール]
マークの策はとってもユニークで
いいと思うんだけどさ、▼
ちょっと突飛すぎるというか
味方すら殺しにかかってるというか…▼
…なんかさ、
戦術の基本みたいなものとかないの?▼
[マーク]
戦術の基本…そうだ!
僕、とってもいい案を思いつきましたよ!▼
[アズール]
えっ、なになに?▼

アズール→マーク男

[マーク]
温泉の中で死んだふり作戦は
失敗でしたね…▼
[アズール]
うん…まさか味方にまで
死んでると勘違いされるとはね…▼
[マーク]
なかなか
いい案だと思ったんですけどねー。▼
温泉にぷかーっと
浮いた状態で待ち伏せし、▼
死んでいると勘違いして
近付いてきたおバカな屍兵を倒す。▼
油断させておいて叩くのは
戦術の基本ですし、▼
ついでに温泉にも浸かれるしで
完璧だと思ったのですが…▼
[アズール]
屍兵より先に味方が近付いてきて
全力で引き揚げられたからね。▼
元気な体に必死で治癒の杖を
振られまくって気まずかったよ…▼
[マーク]
僕もです…▼
母さんに泣かれた時は
どうしようかと思いました。▼
[アズール]
さすがに味方を心配させたのは
良くなかったかもね…▼
[マーク]
ごめんなさい、アズールさん。▼
僕の策にアズールさんまで
巻き込んでしまって…▼
[アズール]
えっ、ううん、謝らないでよ!▼
僕もさっきの策はいけると思ったから
乗ったんだし。▼
こっちこそ、協力するって言ったのに
大したこともできなくてごめんね。▼
[マーク]
いえ、そんな…
色々アドバイスいただけて助かりましたよ。▼
それに、アズールさんと色々考えられて、
僕すごく楽しかったです。▼
[アズール]
そっか。なら良かった。
今日は色々失敗しちゃったけど、▼
いつかはルフレさんの
役に立つ策ができるといいね!▼
僕もマークを見習って
戦術でも勉強しようかな?▼
[マーク]
ほんとですか!?▼
実は偶然にも超お勧めの
戦術書を持ってきてるんです!▼
なんと、母さんによる詳しい
添削つきという代物なんですよ?▼
良かったら、
アズールさんにお貸ししますね!▼
[アズール]
ほんと? ありがとう!▼
[マーク]
うーん、確かこの辺に…▼
………あ。▼
[アズール]
あぁ…なんか…
びしゃびしゃだね…▼
さっき温泉に浸かってたせいかな…
たぶん、その本ごと。▼
[マーク]
そうですね…水を吸って
3倍ぐらいに膨れ上がってます…▼
[アズール]
文字とか滲んでるけど大丈夫?
添削つきなら、大切な物なんじゃ…▼
[マーク]
あ、それは大丈夫です!▼
僕、全く同じ本を
もう一冊持っているので!!▼
[アズール]
えっ、そうなの!?▼
[マーク]
はい、なぜか予備があるんですよこれが!
アズールさんにはそちらをお貸ししますね!▼
[アズール]
はは…そりゃ良かった…
さすが、用意周到というかなんというか…▼
とにかくありがと。
大事に読ませてもらうね。▼

シャンブレー

シャンブレー→アズール

[シャンブレー]
…………▼
(アズール登場)
[アズール]
シャンブレー?
そんなところに突っ立って、どうしたの?▼
[シャンブレー]
こんなに…こんなに熱い水が…
あっちにもこっちにも、いっぱい…▼
[アズール]
あぁ、もしかして
温泉に感動してたの?▼
そうだよね、その気持ちわかるよ。
未来にはこんな大きなお風呂無かったし…▼
[シャンブレー]
ぜ、絶滅するーーーーー!!▼
[アズール]
わわっ!?
な、なんだよ急に…どうしたの?▼
[シャンブレー]
アズール!!▼
[アズール]
は、はい!?▼
[シャンブレー]
男として一生のお願いだ! 頼む!
俺をこの温泉から守ってくれ!!▼
[アズール]
ええっ!? 何言ってるのさ?▼
[シャンブレー]
ウサギは濡れるのが苦手なんだよ!
だからここは恐ろしくて仕方ないんだ!▼
[アズール]
ぬ、濡れるのが苦手って…
そんなの初耳だよ?▼
だってシャンブレー、川とか海とかに入って
戦っても何も言ってなかったじゃないか?▼
[シャンブレー]
あれは冷たい水だから平気なんだ!▼
でもこれ…お湯だろ!?
乾く時に体温が奪われるし!▼
それにこの中に落ちでもしたら…それって
でっかい鍋の中に入るようなものだろ!?▼
俺は知ってるんだ…鍋の中から
生きて出てきた者はいないって!▼
どうしようどうしよう! 俺はこの地で
茹でウサギになって絶滅するー!!▼
[アズール]
お、大袈裟だなぁ…
茹であがるほど熱いものじゃないよ。▼
…ほら。▼
[シャンブレー]
うひゃーーー! 毛皮にかかった!
熱い溶ける絶滅するーーー!▼
[アズール]
そ、そこまで拒否する感じなの!?
うーん…本当にお湯、ダメなんだね。▼
[シャンブレー]
そうなんだよ! だから頼む!
俺にお湯がかからないよう守ってくれ!▼
[アズール]
んー…仲間にそこまで言われちゃ
断るわけにもいかないな。▼
…わかったよ、シャンブレー。
そのお願い、聞いてあげる。▼
ここにいる間は君のこと、
このお湯から守ってみせるからね。▼
[シャンブレー]
やったぁ! さすがアズール!
よっ、時を越える色男!▼
[アズール]
…持ち上げ方が雑すぎるよ。▼
[シャンブレー]
とにかく、ありがとうアズール!!
戦いが終わるまでよろしくな!▼
お前は今から俺の騎士、
シャンブレーナイトだ!▼
[アズール]
しゃ、シャンブレーナイト?
ま、まぁ好きに呼ぶといいよ…▼

アズール→シャンブレー

[シャンブレー]
ひいぃ~! 敵の剣にたっぷり
お湯がついてるよ~!!▼
あれは剣を振ったら
絶対に水滴が飛び散る~!!▼
[アズール]
させないよ!▼
[屍兵]
グワッ…!▼
[アズール]
…ふう。
大丈夫だった?▼
[シャンブレー]
アズール!!
約束通り、庇ってくれたんだな。▼
…って、あわわ!?
足が滑って…っ!?▼
[アズール]
危ない、シャンブレー!▼
[シャンブレー]
アズールがお湯の中に落ちた~!!▼
俺を抑えて代わりに落ちてくれなかったら、
俺がビショビショになるところだった…▼
[アズール]
はぁ…はぁ…
また全身ずぶぬれだよ…▼
[シャンブレー]
…アズール、大丈夫か?▼
[アズール]
ああ、うん。大丈夫だよ。▼
…まぁ、水も滴るいい男になれたと思えば、
これくらい全然何ともないよ!▼
[シャンブレー]
そ、そうか…?
水、滴り過ぎな気もするけど…▼
ごめんな…まさかここまで
頑張らせることになるとは思わなくて。▼
[アズール]
いいよそれは。
約束した以上、使命は全うするさ。▼
それより君は大丈夫?
お湯かかったりしてな…▼
…っくしゅん!▼
[シャンブレー]
風邪引いちまったのか…?▼
[アズール]
大丈夫だって。心配しなくてもいいよ、
君のことはちゃんと守るから。▼
だって僕、ここでは君の騎士…
シャンブレーナイトなんでしょ?▼
[シャンブレー]
で、でも…ちょっと寒そうだし…
もう…庇ってくれなくてもいいよ…▼
[アズール]
えっ? 気にすることはないよ。
シャンブレーは心配性なんだから。▼
ほらほら、寒いのだって
動いてれば大丈夫だし…▼
って、おっと…!?
うわわ、足が滑って…!!▼
[シャンブレー]
…っ! アズール!▼
[アズール]
うわっ、シャンブレー!?▼
[シャンブレー]
うひゃぁあ~~!!
やっちまった~~!!!▼
うひぃ~熱いよ~!!
しかも全身グズグズで気持ち悪い~!▼
[アズール]
シャンブレー…君…
今、どうして僕の代わりに落ちたの?▼
[シャンブレー]
いや、なんかさ…
俺、お前に庇ってもらってばっかりで…▼
なんか自分が情けなくなっちゃってさ…▼
悪かったよ、アズール。
もう俺を庇ったりしなくていいからな!▼
[アズール]
もう…これだとせっかく君を
庇ってきた意味がないんだけど…▼
…でも、あんなにお湯が苦手だって
言ってたのに、僕を庇ってくれたんだね。▼
ありがとう、シャンブレー。▼
[シャンブレー]
へへっ。▼
[アズール]
このままだと二人とも風邪ひいちゃうから、
後から温泉にゆっくり入ろうよ。▼
[シャンブレー]
ええっ…!?
で、でも俺…▼
[アズール]
そこまで浸かったんなら大丈夫でしょ?
ちゃんとあったまったほうがいいよ。▼
それに、みんなで温泉に入ったら
きっとすごく楽しいからさ。▼
もちろん、水に濡れた毛は
ちゃんと乾かしてあげるよ?▼
[シャンブレー]
アズール…▼
…よ、よしわかった!
俺、温泉に挑戦してみる!▼
[アズール]
うんうん。その意気だよ!▼

ロラン

ロラン→アズール

[ロラン]
アズール、少しいいですか?▼
[アズール]
ん? どうしたの?▼
[ロラン]
あなたは、
ダンサーになりたいのですよね?▼
[アズール]
えぇっ!?
ど、どうしてそれを…!▼
[ロラン]
軍の皆さんの情報を集めていたら、
偶然小耳に挟みまして。▼
男性でダンサーを志望している方は
とても珍しいですよね。▼
あなたがどんなダンスを踊るのか
非常に興味があります。▼
ここで踊って見せてもらえませんか?▼
[アズール]
そ、それは…やめとくよ。
今は戦闘中だしね。▼
[ロラン]
確かに今は戦闘中ですが、
あなたのお母様が踊るのも戦闘中です。▼
もし、あなたの踊りでオリヴィエさんと
同じ効果が発生するとすれば、▼
それは大きな戦力となります。▼
ですから、今こそ試してみる価値が
あるのではないでしょうか?▼
[アズール]
それは…そうかもしれないけどさ。
でも…ごめん、やっぱりやめておくよ。▼
[ロラン]
何故ですか?
僕は何か間違ったことを言っていますか?▼
[アズール]
そうじゃないけど…
こんなところで踊りたくないからさ。▼
[ロラン]
…こんなところ?
ここにはどんな悪い条件があるのですか?▼
[アズール]
えっ…だ、だって…
ロランが…見てるから…▼
[ロラン]
そうですか…
僕が見てるという条件が嫌なのですね。▼
ですが、あなたは
ダンサーになりたいのですよね?▼
それなら、どうして
人に見られるのを嫌がるのですか?▼
[アズール]
どうしてって…▼
[ロラン]
アズールの思考がわかりません。
教えてもらえませんか?▼
[アズール]
それは…ほら…▼
[ロラン]
なんですか?
どうぞ、答えてください。▼
[アズール]
は、恥ずかしいからだよーーーー!!▼
(アズール退場)
[ロラン]
…何故恥ずかしがるのでしょう?
ダンサーになりたいのに…▼
これは、もう少し調べを進める
必要がありそうですね。▼
逃がしませんよ…アズール。▼

アズール→ロラン

[アズール]
はぁ…良かった。
無事にロランから逃げられたみたいだ。▼
(ロラン登場)
[ロラン]
そうはいきませんよ。▼
[アズール]
うわっ!?▼
[ロラン]
さあ、捕まえました。
観念して話してください。▼
何故、この場で僕に見られて踊るのが
恥ずかしいのですか?▼
[アズール]
そ、そんなこと言われても…▼
どうして恥ずかしく思うのか、
自分でもよくわからないんだ。▼
[ロラン]
わからない…?
ご自分の考えがわからないというのですか?▼
[アズール]
うん…僕の踊りを見てほしい、
みんなを笑顔にしたいって気持ちと、▼
上手く踊れなかったらどうしようとか、
男のくせにって笑われたらどうしようとか、▼
そういう感情がいつも
一緒に出てきちゃって…▼
自分でもどうしたらいいのか…
わからなくなるんだ。▼
[ロラン]
なるほど…つまり自分が
傷つくのを恐れているのですね。▼
[アズール]
…!!▼
[ロラン]
ようやく腑に落ちました。▼
[アズール]
そうか…僕も言われて気がついたよ。
そういうことだったんだね。▼
[ロラン]
本気でやっていることを
馬鹿にされれば、確かに人は傷つきます。▼
ですから、
それを恐れて本心を隠し…▼
恥ずかしいと言って逃げてしまう心理も、
僕は理解できるつもりです。▼
ですが…それではいつまで経っても
前に進めませんよ?▼
[アズール]
…………▼
[ロラン]
怖いかもしれませんが、▼
少しずつ皆さんに踊りを
見せていってはどうでしょう?▼
ここには、あなたの夢を笑ったり
馬鹿にしたりする者はいませんよ。▼
もちろん…僕もです。
僕も、あなたの夢を応援しています。▼
[アズール]
ロラン…▼
…ありがとう。▼
そんな風に言ってもらえると、
なんか嬉しいな…心が軽くなったよ。▼
[ロラン]
それなら良かったです。▼
ではアズール、
僕に踊りを見せて下さいますね?▼
[アズール]
うん!▼
…と言いたいところだけど、
やっぱり、後でいい?▼
僕たち、さっきから敵に
囲まれちゃってるような気が…▼
このままだと、
二人とも危ない…よね?▼
[ロラン]
僕としたことが迂闊でした…
おしゃべりが過ぎましたね。▼
[アズール]
まずはこいつらを倒すことにしよう!
この話の続きはそれからだよ!▼
[ロラン]
ええ、そうしましょう!▼

ブレディ

ジェローム

ブレディ→ジェローム

[ブレディ]
へぇ、こういうもんもあるのか…
ふーん…▼
(ジェローム登場)
[ジェローム]
おい、戦闘中に何を読んでいる?
随分と派手な色彩の書物のようだが…▼
[ブレディ]
あぁ、これか?
アンナ商会の商品冊子だ。▼
[ジェローム]
商品冊子…?▼
[ブレディ]
無料で配布されてるやつみたいだ。
温泉地の入り口で手に入れたんだよ。▼
すげーんだぜ、これ。
いろんな種類のものが何でも載ってやがる。▼
[ジェローム]
!! 何でも?
…では、仮面も載っていたりするのか。▼
[ブレディ]
仮面? お前どんだけ仮面買うんだよ。
まぁいいや、ちょっと待てよ…▼
ほら、あったぜ。
このページだ。▼
[ジェローム]
…礼を言う。▼
ほう…種類が豊富だな。
それに、この仮面はなかなか…▼
[ブレディ]
なんだ、お前もこの冊子気に入ったのか?
どれどれ…▼
お、この仮面と一緒に写ってる
首飾り、いいな。▼
上品かつ繊細な紋様があしらわれてて、
茶会に出るときなんかにもってこいだ…▼
[ジェローム]
それなら、別ページに大きく特集記事として
掲載されていると書いてあるぞ。▼
[ブレディ]
!! マジかよ!
ちょっとめくっていいか?▼
[ジェローム]
ああ、構わん。▼
[ブレディ]
悪ぃな、見てる最中によ。
お、このページか。▼
…これ、いいな。お前、どう思う?
俺に似合うと思うか?▼
[ジェローム]
そうだな…なかなか似合いそうだぞ。▼
[ブレディ]
そ、そうか!
…買っちまうかな?▼
[ジェローム]
値も妥当だし、
良い買い物なのではないか?▼
それより、
ページを戻してもいいか。▼
[ブレディ]
おう、
さっきの仮面のページだな。▼
[ジェローム]
この仮面…どう思う?▼
[ブレディ]
悪くねぇな…彩色がシンプルな割に、
こだわりを感じるぜ。▼
カッコ良くていいんじゃねーか?▼
[ジェローム]
やはりお前もそう思うか…▼
[ブレディ]
…ま、迷うぜ。▼
[ジェローム]
あ、あぁ…そうだな。▼

ジェローム→ブレディ

[ブレディ]
おい、ジェローム!
頼んでおいた商品がもう届いたぜ!▼
[ジェローム]
なんだと!?
ず、随分と早いな。▼
[ブレディ]
こんなところまで届けてくれるなんて
さっすが、アンナ商会だよなぁ。▼
[ジェローム]
しかも、戦闘中なんだがな…▼
[ブレディ]
お! やっぱりこの首飾り、
すげえカッコいいな!▼
俺の髪の色とも合ってるし、
へへっ、惚れ惚れするぜ…!▼
[ジェローム]
ふむ…この仮面も、書物で見るより
ずっと艶やかで良い光沢だ…気に入った。▼
[ブレディ]
それにしても、戦いの場とはいえ
温泉地で買い物が楽しめるなんてな…▼
[ジェローム]
これで周囲に敵さえいなければ、
ただの観光に来ただけのようだ。▼
[ブレディ]
何だ? 珍しいな。
お前がそんなこと言うの。▼
確かに、こんな場所にいると
ちょっとだけ…戦いのこと忘れちまうな。▼
今までもずっと、平和な世界に
いたように錯覚しちまう…▼
[ジェローム]
そう…だな。私も同意見だ。
あまり好ましいことではないが…▼
それにしても、俺たちの意見が
ここまで合うのは珍しいな。▼
[ブレディ]
確かに、普段は俺とお前って
反りが全然合わねぇしな…▼
ま、お互い積極的に周りと話すような
性格してねぇからだろうがな。▼
[ジェローム]
まぁ、そうだな。▼
[ブレディ]
まぁこの温泉地ののんびりした雰囲気が
そうさせてるのかもしれねぇな。▼
[ジェローム]
…だがお遊びはここまでにするか。
そろそろ奴らの相手をしなければ。▼
[ブレディ]
そうだな…
早いとこ敵を倒して、▼
のんびり湯に浸かった後は、
食事でも楽しんでくか!▼
[ジェローム]
…それはいい案だ。▼
では、行くぞ!▼
[ブレディ]
上等だ!▼

マーク男

マーク男→ブレディ

[ブレディ]
おい、マーク。
お前まだ記憶が戻んねぇのか?▼
[マーク]
そうですね…
今のところは、まだ。▼
[ブレディ]
そうか…
なんとか戻るといいけどよ。▼
何か記憶の戻りそうなことは試したのか?
ショック療法とかどうだ?▼
[マーク]
それは何度も試しましたよ~!▼
高い所から落ちてみたり、
頭を何かにぶつけてみたり!▼
でも、いつも何にも思い出せないんです!
毎回頭が痛くなって終わるんですよ。▼
[ブレディ]
それは…ちょっと衝撃を加え過ぎじゃねぇか?
あんまり無茶するなよ?▼
んじゃ…お、そうだ。
敵を倒したら温泉に入ってみたらどうだ?▼
[マーク]
えっ? なんでですか?▼
[ブレディ]
だって温泉って保養地だろ?▼
何か治るきっかけにでも
なるかもしれねーからな。▼
[マーク]
なるほど、さすが癒しに関しては
お詳しいブレディさんですね!▼
[ブレディ]
温泉には色々と身体に効く
効能があるから、勉強したんだよ。▼
[マーク]
あっ! そういえばさっきその効能が、
看板に書いてあるのを見ましたよ。▼
[ブレディ]
温泉の効能っつーと、
何があったか…▼
肩こり、腰の痛み、冷え性…
そんな感じのもんだよな。▼
[マーク]
いえ、僕が見たのはもっと違う感じで…
ええと…なんでしたっけ…▼
…あ、思い出しました!
記憶喪失によく効くって書いてありました。▼
[ブレディ]
ちょっ…マジかよ!?
お前、それ絶対入るべきだろ!▼
[マーク]
頭から温泉に突っ込めば
治るってことですかね?▼
[ブレディ]
いや、せめて
お湯をかぶるとかにしとけよ…▼
[マーク]
あっ、そうか!
ブレディさん、頭いいです!▼
[ブレディ]
普通はお前の方法のほうが
思いつかねーよ。▼
…んで? その温泉はどこにあんだ?
さっそく湯をかぶりに行こうぜ!▼
[マーク]
ええっ?
ブレディさんも被るんですか!?▼
まさかブレディさんにも何か
取り戻したい記憶がおありで…!?▼
[ブレディ]
ちげーよ! お前がかぶりに行くのを
引率してやるんだよ!▼
ほら、さっさと行くぜ!▼
[マーク]
はい!▼

ブレディ→マーク男

[ブレディ]
ったく…その記憶喪失に効く温泉って、
どこにあんだよ…▼
[マーク]
確かに…見つからないですね。
僕…どこで見かけたのかな…?▼
[ブレディ]
これだけ探し回ってんのに
見つかんねーって、おかしくないか?▼
[マーク]
そうですね…もしかして、幻の湯…
秘湯というやつだったのかもしれません。▼
[ブレディ]
なるほど…あり得るな。
なにせ記憶喪失に効く温泉だ。▼
そう簡単に見つけられるもん
じゃねぇってことか。▼
[マーク]
困りましたね~! う~ん…
どうしましょうか?▼
[ブレディ]
んなの簡単だろ。敵を蹴散らした後で
ゆっくり探せばいいんだよ。▼
[マーク]
!! すみません…
僕のせいでご迷惑をおかけしてしまって…▼
[ブレディ]
あのな…そんなの別に
気にすることねぇんだよ!▼
ここにはお前の記憶を
取り戻す鍵があるってことだぜ?▼
お前は俺の…その…仲間だからな!
協力するのは当然だろーが!▼
[マーク]
へぇ…ブレディさんが
そんなこと言って下さるなんて意外です!▼
でも僕、すごく嬉しいですよ!
ありがとうございます!▼
[ブレディ]
おう!▼
[マーク]
…あ!?
ありました、ブレディさん!▼
[ブレディ]
マジかよ!? もう見つけたのか?
でかしたぞ、どこだ!?▼
[マーク]
はい、向こうの岩場の影です!
あの看板です、間違いありません!▼
[ブレディ]
なになに…
温泉の効能・保湿効果…って…▼
おい! ぜんぜん違うじゃねーか!
記憶喪失なんて書いてねぇぞ!?▼
[マーク]
え? あれ…? おかしいですね、
確かにこの看板だったんですが…▼
あはは、僕としたことが
読み間違えてたみたいですね~。▼
[ブレディ]
はあぁ!?
なんで都合よく読み間違えんだよ!▼
…なんだよ…せっかくお前の
記憶が戻るかと思ったのによ…▼
[マーク]
す、すみません…▼
無意識にそういう効能の温泉を
求めてしまっていたのかもしれませんね…▼
[ブレディ]
ったくよぉ…
話が巻き戻っちまったぜ…▼
[マーク]
あ、でも温泉に入るのは
それはそれで楽しみですよね!▼
[ブレディ]
まぁ…そうだな。よし! マーク!
とっとと敵、やっつけちまおうぜ!▼
[マーク]
はい! やってみせます!▼

ロラン

ロラン→ブレディ

[ブレディ]
はぁ…▼
[ロラン]
どうかしたのですか?▼
[ブレディ]
…いや、ついさっきのことなんだけどよ。▼
負傷した兵士がいたから、
傷を看てやろうと思って声をかけたんだ。▼
…そしたらよ、そいつ
悲鳴を上げて逃げていっちまって…▼
[ロラン]
敵だと思われたのですか…?▼
[ブレディ]
ああ、恐らくな…▼
[ロラン]
まったく酷い話です。▼
あなたは優しいし、いつも皆さんのことを
気にかけている素晴らしい人なのに。▼
[ブレディ]
ロ、ロラン…!▼
[ロラン]
ですが、いかんせん…顔が…▼
[ブレディ]
ぐっ!▼
[ロラン]
あなたは相変わらず見た目が怖いですし、
とても聖職者には見えませんよね。▼
[ブレディ]
よ、余計なお世話だ…!▼
そんなこと今更言われなくても、
わかってんだよ!▼
[ロラン]
ここに来てすぐの際も…
温泉の観光客があなたを見て、▼
山賊だと思ったなんて
話をしているのを聞きましたし…▼
[ブレディ]
さ、山賊!?
マジかよ…▼
[ロラン]
…す、すみません。もう少し歯に衣を
着せて発言すべきだったでしょうか。▼
[ブレディ]
いや…いい。
正直に言ってくれて良かったぜ…▼
どうしたら怖がられなくなるのか、
ちょっと考えてみることにする。▼
[ロラン]
そうですか。
それは良い考えだと思いますよ。▼
[ブレディ]
まぁ顔はもう
どうしようもねぇからな…▼
…うーん、性格か?▼
[ロラン]
性格だってそうそう簡単に
変わるものではありませんよ。▼
ですから、まずは見た目から
変えてみるというのはどうでしょうか?▼
[ブレディ]
だから顔はどうしようもねぇだろ?▼
[ロラン]
いえいえ、顔以外でも十分
見た目に変化をつけることはできますよ。▼
[ブレディ]
そうなのか?▼
[ロラン]
はい、僕の方でも少し
検討してみることにしますよ。▼
[ブレディ]
ああ、頼むぜ!▼

ブレディ→ロラン

[ロラン]
見た目で怖いところを直すには…
そうですね、まず姿勢を正してみましょう。▼
[ブレディ]
し、姿勢?
でもよ、これは…▼
[ロラン]
ピンと背を伸ばせば礼儀正しい
好青年に見えるかもしれません。▼
[ブレディ]
そ…そうか。▼
…うぐっ、こ、これでどうだ?▼
[ロラン]
…すみません。今の話は無しにしましょう。
あなたには元の姿勢が似合っています。▼
[ブレディ]
なんでだよ!▼
[ロラン]
上から目線で睨まれて、
僕まで恐ろしくなってしまいました…▼
[ブレディ]
はぁ…やっぱりそうか。
前にも同じことを言われたんだよな…▼
大体、いつも腰を屈めてるのだって、▼
女や子どもと同じ視線の高さで
話すためなんだぜ。▼
[ロラン]
なんと…!
そんな理由があったのですね。▼
でもそうなると姿勢を変えても
ほとんど効果はなさそうですね…▼
[ブレディ]
おい、他にもっといい策はないのかよ?▼
[ロラン]
では、髪型を変えてみてはどうでしょう?
そのツンツン頭は怖いと思うのですが。▼
それにも何か理由があるのですか?▼
[ブレディ]
そうだな…あんまり見かけない髪型にして
おけば味方から探しやすいと思ったんだよ。▼
もちろん敵の目につきやすいって
危険もあるけどよ…▼
味方から見つけやすかったら、
早く俺に助けを求められるだろう?▼
すぐに傷を看てやりてぇからな…▼
[ロラン]
なるほど…▼
[ブレディ]
だから髪型も変えるわけにはいかねーよ。▼
[ロラン]
そうですか…あなたがそこまで
考えているとは知りませんでした。▼
ブレディは、まさに聖職者の鑑ですね。▼
[ブレディ]
あ…ありがとよ。▼
[ロラン]
ですが、そうなると他に変えるべき所が
思いつきませんね…▼
結局、あなたはあたなのままが
一番ということなのかもしれませんよ。▼
[ブレディ]
でもよ、このままじゃ
怖がられたままなんだろ?▼
[ロラン]
大丈夫ですよ。あなたはそんなに、
皆さんのことを大切に思っているんですから。▼
そのうちきっと皆さんにも
わかってもらえますよ。▼
[ブレディ]
そ…そうか?
お前に言われるとそんな気がしてくるな。▼
…うし! ありがとな、ロラン!
俺はこのままでいることにするぜ!▼
[ロラン]
はい。▼
[ブレディ]
オラオラオラ!
俺に癒されてぇヤツはどいつだ!?▼
[ロラン]
…あの。▼
やっぱり、その言葉遣いだけでもなんとか
したほうがいいかもしれませんよ…▼

デジェル

シンシア

シンシア→デジェル

[デジェル]
温泉か…いいわね。▼
油断は禁物だけど…
たまには休息も必要よね。▼
[シンシア]
そうだねー。▼
デジェルなんか、肩とかこってるだろうし、
絶対に入った方がいいよ!▼
[デジェル]
やっぱりそう思う?▼
[シンシア]
そりゃあ思うよ~!▼
デジェルってさ、戦闘中じゃなくても
鎧を着てること多いよね。▼
[デジェル]
ええ。この鎧は私にとって
半身のようなものだもの。▼
それに…着てると落ち着くのよ。
ほら、未来にいたときなんか、▼
安心して鎧を外せる時間なんて
そんなに無かったじゃない?▼
[シンシア]
うん…そうだね。▼
[デジェル]
とはいえ、こっちに来てからも
四六時中鎧をつけてるから、▼
身体に負担をかけてるのは
確かなのよ。▼
だから、温泉に入るのは賛成よ。
戦いが終わったら、みんなで楽しみたいわ。▼
[シンシア]
え?▼
[デジェル]
どうしたの?
私、何か変なこと言ったかしら?▼
[シンシア]
そんなことないけど、変じゃないのが
変っていうか…だってデジェルが、▼
みんなと一緒にああしたい、
こうしたいって言うのは珍しくない?▼
[デジェル]
…え、なによそれ!
私ってそんなに寂しい女!?▼
[シンシア]
寂しいというか、厳しい感じかな?▼
だってさー、この前も
二人で手合わせしたとき、▼
デジェルは倒れたあたしを見下ろして、
こんなふうに…▼
…はぁ。▼
って見下すような顔してたもんね。▼
[デジェル]
わ、私そんなに冷たい目してなかったわよ!
言いがかりはよしてよね!▼
[シンシア]
えー、似てたと思うけどなぁ。▼
[デジェル]
似てないわよ!▼
…もう。私だってみんなと何かしたいって
思うことぐらい、あるわよ。▼
[シンシア]
そうなんだー!
ちょっと意外かも。▼
[デジェル]
…▼
でも、そうね…うん。やっぱり今回は、
みんなと入るのはやめておくわ。▼
[シンシア]
…え? え?▼
[デジェル]
気にしないで。
みんなの後に入らせてもらうから。▼
[シンシア]
…ちょ、ちょっとちょっと~!▼
急にどうしたのさ、デジェル~?▼
[デジェル]
ごめんね。
じゃあ私、戦闘に戻るから。▼
(デジェル退場)
[シンシア]
デ、デジェル…▼

デジェル→シンシア

[デジェル]
きっと変に思われてしまったわね…▼
でもやっぱり、私はみんなと…
シンシアと一緒に温泉に入るわけには…▼
(シンシア登場)
[シンシア]
デジェル!▼
[デジェル]
シンシア?
どうしたのよ…▼
[シンシア]
ご、ごめんね…デジェル!▼
[デジェル]
…な、なんの事かしら?▼
[シンシア]
あたし、思い出したよ…
デジェルが一緒に温泉に入れない理由。▼
[デジェル]
理由も何も、
さっきのはただの気まぐれで…▼
[シンシア]
嘘だよ。
本当は…あたしのせい、だよね?▼
[デジェル]
…………▼
[シンシア]
あたしに気を遣ってくれたんだよね?
背中に残ってる傷跡のせいなんでしょ!?▼
[デジェル]
そ、それは…▼
[シンシア]
目をそらさないで!▼
昔、屍兵からあたしをかばって
できちゃった傷…あれを見せると、▼
またあたしが思い出して辛くなるからって…
そう思ったんでしょ?▼
[デジェル]
…………▼
そうよ…一緒に入れないのは、シンシアが
そうやってまた気に病むと思ったから。▼
[シンシア]
傷は…まだ痛むの?▼
[デジェル]
…いえ、まったく。
だから安心して。▼
[シンシア]
そう、よかった。でも、女の子なのに、
大きな傷が残っちゃって…▼
本当にごめんなさい…
ごめんね…デジェル。▼
ううっ…ううっ…▼
[デジェル]
あんた、何こんなことくらいで
な…泣いてるのよ!▼
[シンシア]
だって…! だって…!
ううっ…うわああん!▼
[デジェル]
も、もう…
ほんとに泣き虫なんだから…!▼
そういう風に泣くと思ったから、
思い出して欲しくなかったのよ…▼
でもこの事は、今さら気にしちゃいないわ。
だからほら、顔を上げて。▼
[シンシア]
でもっ…でも…!▼
[デジェル]
まったく…仕方ないわね、シンシア。▼
あんたが本当に私の傷を癒したいのなら、
ひとつだけ方法があるわ。▼
[シンシア]
…え! な、なに!?
あたし、何をすればいいの!▼
[デジェル]
シンシアがヒーローになればいいの。▼
[シンシア]
え?▼
[デジェル]
本当に、あんたが私を余裕で守れるくらい、
強いヒーローになるの。▼
そうすればこの傷は、私がみんなのヒーローを
守った証として、誇らしい勲章になるじゃない。▼
[シンシア]
デジェルがあたしを守った…証。▼
[デジェル]
私はこんな傷なんかに負けないわ。
傷は消せないけど、その意味は変えられるもの。▼
あんたも、本当に申し訳ないと思っているのなら…
なってよね、みんなのヒーローに。▼
[シンシア]
デジェル…▼
…うん。
わかった。▼
あたし、ヒーローになるね。
誰にも、デジェルにも負けない、最強の!▼
[デジェル]
ふふふ。
まだまだ道のりは長そうだけどね。▼
期待しないで待ってるわよ。
私のヒーローさん!▼

ノワール

ノワール→デジェル

[ノワール]
う、うぅ…すごい湯気…▼
大きく息を吸い込むと、
肺の中まで焼けてしまいそう…▼
でも、少しでも環境に慣れなくちゃ…▼
環境の変化についていけないのは、
自分の体力の無さが原因だもの…▼
敵と戦闘していない時にでも、
こうして訓練を続けなくちゃ…▼
はぁ…はぁ…
…っ! あっ!!▼
[デジェル]
ノワール!?▼
[ノワール]
あ、あれ…?▼
[デジェル]
ノワール、大丈夫!?▼
[ノワール]
デ…デジェル。いつの間に?▼
[デジェル]
あなたがフラフラしてるのを見て、
危なっかしいなと思っていたのよ。▼
そうしたら案の定、
倒れちゃったから…▼
[ノワール]
あの…助けてくれたの…?▼
[デジェル]
え?ええ、まあ…。▼
[ノワール]
デジェルが…
私を、助けてくれた。▼
[デジェル]
な、何よ。
そんなに意外なこと?▼
[ノワール]
ご、ごめんなさい…
そうじゃないけど…▼
…よくある事じゃないとは
思ったから…その…▼
嬉しくて…▼
[デジェル]
そ、そんなことないでしょ?!
…と思ったけど、そうかもしれないわね…。▼
貴方をこうして手助けしたことって、
そんなに無かったかもしれないわ。▼
まぁ…その…仲間だしね。▼
[ノワール]
う…うん、ありがとう。
デジェル…▼
[デジェル]
と、とにかく!▼
少し、風の通る場所に行きましょう。
立てるかしら?▼
[ノワール]
え、ええ、なんとか…
でも…肩を貸してくれる?▼
[デジェル]
もちろんよ。▼

デジェル→ノワール

[デジェル]
身体の調子はどう、ノワール?▼
[ノワール]
え…ええ、だいぶ良くなったわ。
これもデジェルのおかげね。▼
貴方が見つけてくれなかったら、
私…死んでたかもしれないわ。▼
[デジェル]
大げさよ。▼
湯船で溺れるのも難しいのに、ましてや
湯気で死ぬなんて聞いたことがないわ。▼
[ノワール]
ほ…本当よね。自分でもそう思うわ。
足手まといよね…私。▼
[デジェル]
べ、別にそこまで言ったわけじゃ…!▼
[ノワール]
いいのよ…気にしなくて。
自分でもわかってるつもりだから。▼
[デジェル]
……▼
やっぱり、
あなたって面倒くさい人ね。▼
[ノワール]
えっ…?▼
[デジェル]
本当はね、昔から少しあなたの事、
苦手だったのよ。▼
[ノワール]
…デジェル。▼
[デジェル]
普段は弱々しいくせに妙な所で怒り出すし、
未来にいたときから思う所があったわけよ。▼
[ノワール]
ご、ごめんなさい…▼
[デジェル]
…だけど今は少しだけ、
考えが変わってきたわ。▼
過去に来て、
あなたと一緒に戦うことが多くなって、▼
あなたの事がもっと見えてきたの。▼
[ノワール]
わ、私の…?▼
[デジェル]
だって、あんな暑い中、
一人でずっと訓練してたんでしょう?▼
それも、かなりの長時間だったわよね…
あれじゃ、むしろ倒れて当然だわ。▼
[ノワール]
も、もしかして…
ずっと見てたの?▼
[デジェル]
た、たまたまよ! あなたを見かけて、
いつまでやるのかなって思ってたら…▼
けど、やっぱりあれは無茶しすぎ。
無謀な行為は愚行にもなりえるのよ?▼
[ノワール]
…う、うん、そうよね。
ごめんなさい…▼
[デジェル]
だから、今度から訓練する時は、
私もつきあうわ。▼
[ノワール]
つきあうって…。
訓練に? デジェルが?▼
[デジェル]
あんなの見ちゃったんだし、
放っとけないでしょう!▼
それにあなたのこと、今まで避けてた分、
もっと理解したいし…▼
[ノワール]
デ、デジェル…嬉しい…
私もデジェルのこと、もっと知りたい。▼
だから訓練だけじゃなくて、たまには
こうしてお話にも付き合って欲しいわ…▼
[デジェル]
ええ、訓練の邪魔にならない程度…
少しだけならね。▼
[ノワール]
うふふ…
ありがとう…デジェル。▼

ンン

ンン→デジェル

[デジェル]
これが温泉…▼
未来の世界から来た私たちにとって、
温泉なんて正直ピンと来ない話よね。▼
[ンン]
ん…ええと。▼
[デジェル]
えっ…あら?▼
ンン、もしかして温泉に来たことがあるの?
未来の世界で?▼
[ンン]
いえ…その…はい。
私は行ったことがあるですよ…▼
[デジェル]
そうだったのね、ちょっと意外だわ。
あの世界にまだそんな施設があったなんて。▼
[ンン]
その…残念ながら、
いい思い出ではないのです。▼
[デジェル]
…えっ?
何があったのか、聞いてもいい?▼
[ンン]
はい…私、未来の世界で
武器の調達の護衛として、▼
どこかの街道の温泉街を通ったです。▼
でも、お使いの最中だったので、
行きがけはただ通り過ぎました…▼
[デジェル]
…………▼
[ンン]
帰りに少し寄れたらいいね、なんて
仲間たちと話し合っていたのですが…▼
でも…帰りにそこを通ったときは、
もう廃墟同然の状態だったのです…▼
[デジェル]
っ!!…屍兵ね?▼
[ンン]
そうなのです…▼
行きがけの時、お弁当を分けてくれた
おばちゃんの旅館もボロボロで…▼
もう、誰もいなくなっていて…▼
ふぃ…ううっ…ううっ…▼
[デジェル]
ンン…もうわかったから。
いいのよ、これ以上は言わなくて…▼
[ンン]
だから私…
あの事を思い出しちゃって!▼
ううっ…ううっ…▼
[デジェル]
なら…そうね。
辛い思い出の上書きをしないとね。▼
[ンン]
…?
上書き、ですか?▼
[デジェル]
そう。この温泉にも
今…屍兵が沸いているわ。▼
このままでは
この温泉街も滅ぼされてしまう。▼
ンンが未来で体験してしまった、
あの時のように…▼
[ンン]
…………▼
[デジェル]
だからそうならないよう、
私たちで屍兵を倒すのよ!▼
そして、ゆっくり温泉を堪能しましょうよ。▼
[ンン]
デジェル…▼
はいっ! ありがとうなのです!
今度こそ温泉を救ってみせるのです!▼
[デジェル]
その意気よ、ンン!▼

デジェル→ンン

[デジェル]
調子はどうかしら、ンン。▼
[ンン]
はい! 順調なのです!
みんなの温泉は、私が守ってみせるです!▼
[デジェル]
うふふ…さっきまでとは別人に見えるほど、
やる気に満ち溢れているわね。▼
でも勢い余って、
温泉を壊したりしないでよ!▼
[ンン]
了解なのです!▼
[デジェル]
ンン…本当に
さっきの話は吹っ切れたみたいね。▼
私も負けてられないわ…!▼
[ンン]
デジェルもさっきから
調子が良さそうなのですよ。▼
[デジェル]
ありがとう、ンン。▼
でもさすがにマムクートの圧倒的な
パワーには敵わないけどね。▼
[ンン]
えへへ…照れるのです!▼
[デジェル]
でもマムクートって、圧倒的な力を
持つとは言われているけれど、▼
一番すごい所って
どこなのかしら…?▼
[ンン]
それは…たぶん真竜石を使った時の
守備力だと思います。▼
[デジェル]
そうね…▼
私も守備力には自信がある方だったけど、
さすがにンンの潜在能力には負けるかも…▼
[ンン]
何を言っているのですか、デジェル?▼
私は別にデジェルと競っているわけでは
ないのです!▼
だから私のマムクートとしての力に、
何なりと頼ってくれればいいのですよ!▼
[デジェル]
ンン…
あなたって子は…▼
純真でたくましく、それでいて優しい…▼
それが…本当のマムクート…いえ、
ンンの強さなのかもしれないわね。▼
[ンン]
えっ…?
デジェル、何か言ったですか?▼
[デジェル]
ううん…なんでもないわ。▼
さぁ、ンン!
さっさと敵を一掃するわよ!▼
[ンン]
はいなのです!▼

シンシア

マーク女

マーク女→シンシア

[シンシア]
うぅ、まさか戦闘中に
怒られちゃうなんて思わなかったよー。▼
[マーク]
初めて温泉に来たからとはいえ、
戦闘中にはしゃぎすぎちゃいましたね。▼
さすがのマークちゃんも
ちょっぴり反省です。▼
[シンシア]
あれくらい別に
いいと思うんだけどなぁ。▼
ちょっとお湯を触りながら
ちゃぷちゃぷやってただけじゃない!▼
[マーク]
ちゃぷちゃぷ程度で済んでいたのは
最初だけですけどね…▼
[シンシア]
そ、そりゃ、
結局お湯の掛け合いになって、▼
二人ともびしょ濡れに
なっちゃったけどさ…▼
[マーク]
近くにいた皆さんも巻き込んだのは
やはりまずかったですね。▼
[シンシア]
でも、みんなも案外
楽しそうにしてなかった?▼
[マーク]
え、え~と…そもそも
遊んでいた内容の問題ではなくて、▼
まず敵を倒してから、
ということではないでしょうかね?▼
[シンシア]
う~ん…確かにちょっと
羽目を外してたかもしれないけど…▼
だからって寄ってたかって女の子二人に
怒るだなんて、あんまりだよ!▼
[マーク]
うーん…確かに。なんで私たちだけが…
という気にはなりましたが。▼
[シンシア]
だからさ、敵を倒した後で…▼
みんなにイタズラして
ぎゃふんと言わせちゃおうよ!▼
[マーク]
ぎゃふん、ですか…?▼
[シンシア]
そう、ぎゃふん!▼
あたしのヒーローとしてのカリスマ性と
マークの戦略があれば、▼
みんなを驚かせるなんて簡単よ!
名付けて! イタズラヒーロー大作戦!▼
[マーク]
その作戦…ヒーローとしてのカリスマ性は
何か役に立つのでしょうか…?▼

シンシア→マーク女

[シンシア]
さぁ、マーク!
作戦を考えるわよ!▼
[マーク]
えっ、本当にやる気ですか…?▼
[シンシア]
だってマークは戦略の勉強を
してるんでしょ?▼
だったら今こそ、その努力の
成果を活用する時だよ!▼
[マーク]
わ、わかりました。
何事も経験ですからね!▼
…よーし、やるからには
マークちゃんは本気でいきますよ?▼
今こそ、父さんの添削つき
戦術書の力を借りる時です…!▼
[シンシア]
おおっ! 袖口から
戦術書が出てきたー!!▼
その取り出し方、
秘密兵器みたいでかっこいいよ!▼
[マーク]
そ、そうですか?
ありがとうございます!▼
ふふふ…
実はこちらにも、もうひとつ…▼
[シンシア]
おおー! 逆の袖口から
全く同じ戦術書が出てきたー!!▼
…って、何で同じの二冊持ってるの?
片方いらなくない?▼
[マーク]
はっ! そういえばそうですね!
なぜ私は同じ本を…!▼
[シンシア]
…今気付いたんだ…▼
マークって頭いいのか悪いのか
いまいちよくわかんないよね。▼
まぁいいや、それでそれで?
どんな作戦がいいと思う?▼
[マーク]
うーん、そうですね…▼
では地面がぬかるんでいる所に、
落とし穴を掘るのはどうでしょう?▼
[シンシア]
みんなの足を滑らせて、
そのままストンと落とすワケね。▼
いいじゃない、いいじゃない!▼
[マーク]
あとはこの湯けむりに紛れて
張りぼての偽の案内を用意して、▼
男湯と女湯を逆にしちゃうとか…!▼
[シンシア]
あはははっ!!!
想像しただけで笑っちゃうよ!!▼
さすがマークだね~!
あたしには全然考えつかないよ!▼
[マーク]
そ、そうでしょうか…
えへへ…▼
[シンシア]
よ~し、じゃあ敵を倒したら
早速実践に移しましょう…▼
敵を…倒したら…▼
[マーク]
…? どうしたのですか?▼
[シンシア]
これ、せっかくだから
敵に試してみない?▼
いきなり誰かにやって失敗したら、
困るでしょ?▼
[マーク]
なるほど。確かにそうですね。▼
敵に試して実用性があるか
実験するんですね。▼
それなら…むしろ敵に仕掛けて、
おしまいにしておきませんか…?▼
無理に味方のみんなにやって
怒られるよりも、後味悪くないですし。▼
[シンシア]
あっ、そうだね。
さすがマーク!▼
[マーク]
はい、落ち着いて考えれば、
むしろその方が良いとしか思えません!▼
イタズラは…
またいつでも出来ますからね。▼
[シンシア]
うん! そうしようマーク!▼
敵を罠にはめて、あたし達のこと、
みんなにすごいって認めさせちゃおうよ!▼
[マーク]
はい、そうですね!▼

ノワール

ノワール→シンシア

[シンシア]
あっ、ノワール!
ちょうどいいとこに!▼
[ノワール]
貴様、戦闘中に何用だ!?▼
[シンシア]
わっ!? な…何!?
なんでいきなりキレてるの!?▼
あたし、また何かやっちゃった~?▼
[ノワール]
あっ…ご、ごめんなさい。
つ、ついいつものクセで…▼
ほ…ほら、シンシアって突然
突拍子もないこと言うでしょ…?▼
ヒーローになりたいから、
敵役になってくれ…とか。▼
だから、つい条件反射で顔合わせた
直後にキレちゃったみたい…▼
[シンシア]
ええーっ!
そりゃないよ~!▼
ま、まぁ、確かにノワールには
いつもお願いばかりしちゃってるし、▼
時々怒らせちゃったりもするけど…▼
でも、いくらなんでも
過程をすっ飛ばしすぎじゃない!?▼
[ノワール]
ご、ごめんなさい…
この通り…許して。▼
[シンシア]
も~!▼
…まぁ、いいや! それより、
ちょっとノワールにお願いがあって。▼
[ノワール]
な、何…?
ま、まさか…?▼
[シンシア]
うん!
ヒーローの練習なんだけどね。▼
[ノワール]
貴様ぁっ!!!
結局、いつもと同じではないかっ!▼
おのれ…!
どこまで我を愚弄するか!!▼
[シンシア]
ち、違うって~!
今回はいつもとちょっと違うんだから~!▼
[ノワール]
そ、そうなの…?▼
[シンシア]
うん、そうそう!
だからちょっと落ち着いてよ~。▼
[ノワール]
わ、わかったわ…▼

シンシア→ノワール

[シンシア]
それでね、今度のヒーローはね。
力で敵をやっつけるんじゃないんだよ。▼
[ノワール]
…ち、力じゃない?▼
[シンシア]
うん、腕力よりも強いもの…
それは頭脳!▼
今度のヒーローは、事件を調べて
ズバッと犯人を言い当てるの!▼
[ノワール]
た…確かに今までとは、
ちょっと違う感じね。▼
[シンシア]
新時代のヒーローに求められるのは、
強さと勇気だけじゃない!▼
鋭い感性と洞察力!
つまり知性なのよ!▼
う~ん、完璧…!
どう、格好いいでしょ!?▼
[ノワール]
えと…それで…
私にどうしろと?▼
[シンシア]
ええっとね、ノワールには最初の犠牲者の
女の子の役になってもらおうかと思って。▼
[ノワール]
え…?▼
[シンシア]
普段は真面目に見えるんだけど、
実は何人もの男の人と同時に付き合ってて。▼
しかもキレると何をするかわからない、
そんな女の子の役よ。▼
彼女を殺したのは誰か…?▼
恨みを持つ男性は少なくない…
誰もが彼女を殺す動機はある…▼
どう、面白そうでしょ!?▼
[ノワール]
ふ…ふ…ふ…▼
[シンシア]
…ノワール?▼
[ノワール]
ふざけるなぁぁぁっ!
誰が男を取っかえ引っかえのヒステリー女だ!▼
[シンシア]
何もそこまで言ってないよ~!▼
[ノワール]
これが落ち着いてられるか!!
貴様ぁ~演劇でもやるつもりか!!▼
[シンシア]
あ…うん。それ、いいかもね!
後からみんなに見せてあげようよ~!▼
[ノワール]
そんなことはいいから
さっさと敵を倒しにいかんかーーー!!▼
[シンシア]
わ~ん!!
ノワールが怒った~~!!▼

セレナ

マーク女

マーク女→セレナ

[セレナ]
ふぅ…さっきの敵、強敵だったわね。▼
[マーク]
そうですね。…ふ、ふふふ…
あははははっ!▼
[セレナ]
わっ!?
び、びっくりした…!▼
あんた…
何をいきなり笑い出してるの?▼
[マーク]
うふふふっ…ふふっ…▼
[セレナ]
ちょっとマーク!
無視すんじゃないわよ!▼
戦闘中なんだから空気読みなさいって!▼
ほら、向こうでクロム様が
怪訝な顔して見てるわよ!?▼
[マーク]
ご、ごめんなさい…!▼
昨日父さんに聞いた小話を思い出して、
笑ってしまいまして…!▼
[セレナ]
はぁ!? 小話ぃ!?
今思い出すヒマなんかないでしょ?▼
まったく、能天気にもほどがあるわ。▼
[マーク]
す、すみません…▼
[セレナ]
…で、一体どんな話なのよ?
何がそこまで面白かったの?▼
[マーク]
あのですね、素直になれない女の子が
好きな人に本心を打ち明けられず…▼
[セレナ]
ふーん、それで…?▼
[マーク]
そのまま好きな人に辛く当たりすぎて、
恋破れるという失恋話です! あははっ!▼
[セレナ]
ちょっと、全然面白くないわよ!
悲しい話じゃない!▼
[マーク]
いえいえ、そういう話も話し方次第で
面白おかしくなるんですよ。▼
父さんが言うには、そういう一人語りを
娯楽にしている異界もあるらしいです。▼
[セレナ]
なんだか理解できないわね…▼
その小話も、
それで笑えるあんたの性格もね…▼
でも…あんたのそんな所が
親しみやすいってことなのかも…▼
[マーク]
えっ?▼
[セレナ]
だって、あんたほど
正体不明の人いないでしょ?▼
記憶喪失だなんて、
怪しくて当然なのに。▼
それなのにマークは
みんなにすごい好かれてるもの…▼
[マーク]
…? もしかして、セレナさん、
何かお悩みなんですか…?▼
[セレナ]
べ、別に悩みなんてないわよ…!
ふ、ふんっ!▼
(セレナ退場)
[マーク]
セレナさん…▼

セレナ→マーク女

[セレナ]
はぁ…▼
(マーク登場)
[マーク]
セレナさん、悩みがあるなら
私に教えてくれませんか?▼
[セレナ]
マーク…▼
[マーク]
安心してください。
絶対に他の人には言いませんから。▼
[セレナ]
うん、ありがとうマーク。
実はね…▼
あたしって、やっぱり性格が
ひねくれてるのかなって思ってるの。▼
本心と違うことを言って誤解されたり、
他人の事ズケズケと平気でダメ出ししたり…▼
だから、みんなからも
敬遠されちゃってるのかな…って。▼
[マーク]
さっき言っていたのは
そういう意味だったんですね。▼
でも…ダメ出しするって事は陰口でもないし、
むしろアドバイスじゃないですか!▼
[セレナ]
まぁ、あたしはそのつもりだけど…▼
[マーク]
より良くしたいという想いを
口にしているだけなのに何がダメなんですか?▼
それで皆さんがセレナさんを悪く思うのなら、
むしろ反省すべきなのは相手の皆さんの方です。▼
[セレナ]
でも正直過ぎる言葉のせいで、
相手を傷つけているのかもしれない…▼
[マーク]
心配には及びません!
みんなセレナさんの事、大好きですよ!▼
[セレナ]
ちょっと適当なこと言わないでよ!▼
[マーク]
とんでもない!▼
とある筋の情報だと、セレナさんは
人気の出るタイプの女性なんですよ!▼
特に男性陣から!▼
[セレナ]
ええっ…そ、そうなの?▼
[マーク]
ええ。いつもは強がっているけれど、
ふとした時に見せる可愛らしいしぐさ…▼
怒ってばかりなのに、
時折覗かせる笑顔…▼
そういった所に、最近の男性の方々は
魅力を感じるらしいですよ!?▼
[セレナ]
うーん、自分で言うのも何だけど
すごく面倒な女に思えるけど…?▼
[マーク]
雨続きの後にお天気になると、
余計に嬉しいじゃないですか。▼
あとお腹が空いた時ほど、お食事が
おいしくなりますよね。それと一緒です!▼
[セレナ]
なるほど…言われてみれば…▼
…って、あんたの例え話、
それらしく聞こえるけど、▼
あたしのことバカにしてるでしょ!?▼
[マーク]
そんなことないですっ!
少なくとも私はセレナさん大好きですよ!▼
[セレナ]
もー!! マークったら!▼
でも…うふふ、元気づけてくれたのね。
ありがとう…マーク。▼

ンン

ンン→セレナ

[セレナ]
うーん、早く敵を倒して、
温泉に入りたいわね~。▼
[ンン]
はい、本当にそうなのです!
大きいお風呂、楽しみなのです!▼
あ、でも…▼
[セレナ]
ん…どうしたのよ、ンン?
顔を赤くして?▼
[ンン]
私、外で裸になるなんて
ちょっぴり恥ずかしいです…▼
[セレナ]
んー、確かにそうね…
もしかしたら覗きが出るかもしれないわね。▼
[ンン]
の、覗きですか!?▼
それは放っておけないのです!
二人で退治するのです!▼
[セレナ]
そんなチンケな小悪党を相手にするなんて、
あたしのガラじゃないけど…▼
でも自分が入った時に覗かれたくないしね。
何か対策を考えておく?▼
[ンン]
はいです!▼
[セレナ]
ンンは何かいい作戦とかある?▼
[ンン]
それなら…
囮作戦が有効だと思います。▼
[セレナ]
囮ってことは先に二人でお湯に浸かるって事?▼
裸で戦うなんて無理よ!?
結局見られちゃうじゃない!▼
[ンン]
ああ~、たしかにそうですね…
う~ん、どうしましょうか。▼
[セレナ]
裸だと恥ずかしい…
裸でないと囮にならない…▼
…そうだ!
いいことを思いついたわ。▼
ンンが囮になって、犯人が来た瞬間、
竜に変身するのよ!▼
そうすれば恥ずかしくないでしょ?▼
[ンン]
ああ、たしかにそうです!
それは妙案なのです!▼
[セレナ]
よーし、乗ってきたわ!
何か良いアイディアが浮かびそうね!▼
続けて考えましょう!▼
[ンン]
了解なのです!▼

セレナ→ンン

[ンン]
さっきの作戦なのですが…▼
[セレナ]
ああ、囮作戦よね?▼
[ンン]
よくよく考えると、
セレナは恥ずかしくないのですか?▼
[セレナ]
え? あたしは
別にお湯に浸かってないわよ。▼
影に隠れてンンに近づく犯人を見ているわ。
待ち構えてるから服は着たままよ?▼
[ンン]
ええーっ!?
じゃあ裸になるのは私だけですか!?▼
それは嫌なのです!!!
セレナはズルイのです!!!▼
[セレナ]
え~?
もう~、ワガママなんだから。▼
[ンン]
どっちがですか!▼
[セレナ]
それにしても…
覗きなんて屍兵よりも弱っちいでしょうに。▼
なんでそいつを捕まえる事に
こんなに考え込まなきゃならないのかしら…▼
[ンン]
相手によって何を守るのかが
違うからそうなるのです。▼
屍兵は倒すことが重要ですし、
覗きには覗かれないことが重要なのです。▼
[セレナ]
なるほどね…覗かれるかどうかで
勝負が決まってしまうから、▼
この戦いは最初からあたし達女子は
不利ということになるのね…▼
[ンン]
苦しい戦いですが…
セレナ、お互いがんばるのです!▼
[セレナ]
ええ、そうね!▼
[ンン]
…▼
[セレナ]
…▼
[ンン]
ところでセレナ…
私たち、一体何と戦っているのでしょう…?▼
[セレナ]
えと…想像上の覗き…▼
[ンン]
ちょっと空しい気がしませんか…?▼
[セレナ]
うん、同じく…▼

ジェローム

シャンブレー

シャンブレー→ジェローム

[シャンブレー]
うぅ、湯気がすごいな…
嫌だ嫌だ、水気は嫌だ…▼
[ジェローム]
…温泉地なのだから。
水気は仕方がないだろう。▼
…ん?
おい、なんだそれは。▼
[シャンブレー]
え…?
なにってなんだ?▼
[ジェローム]
後ろだ。▼
[シャンブレー]
後ろ?
…って、ええっ!? さ、猿だ!!▼
しかも、いっぱいいる!!
な、なんでだよ!?▼
[ジェローム]
山から続々と降りてきているな…▼
お前の後ろで
猿軍団が出来上がりつつあるぞ。▼
[シャンブレー]
ひいぃ!
なんで俺の周りに集まるんだよ!?▼
[ジェローム]
お前のことを仲間の猿だと
思っているんじゃないか?▼
[シャンブレー]
ちっ…違うよ!
俺はウサギだ、猿じゃない!▼
[ジェローム]
だが、猿がお前の背中を
毛づくろいし始めているようだが。▼
[シャンブレー]
わ!? ほ、ホントだ!
痛ててて! や、やめろよ…!▼
[ジェローム]
なかなか珍しい光景だな。
猿がウサギを毛づくろいするとは。▼
ふむ、これはなかなか…
愛らしい光景だな。▼
[シャンブレー]
いや、そんなことで感心してないで
助けてくれよジェローム!!▼
[ジェローム]
助ける…? 何故だ?
こいつらはお前に懐いているようだぞ。▼
[シャンブレー]
ちっとも嬉しくないって!
い、痛い! 痛いって、うわ!!▼
耳を引っ張るな!
引っこ抜けたらどうしてくれるんだ!!▼
[ジェローム]
…仕方がない。
今、追い払ってやろう。▼
[シャンブレー]
た、助かるよ…あっ!?▼
(ジェローム素顔になる)
[ジェローム]
うぬっ…!?▼
[シャンブレー]
ああっ! 猿が、ジェロームの
仮面を取って逃げていった…!▼

ジェローム→シャンブレー

[シャンブレー]
ジェロームの仮面を持った猿、
どこに行ったんだ? 見当たらないな…▼
(ジェローム登場)
[ジェローム]
あちらにはいないようだ。▼
[シャンブレー]
こっちにもいない…って、あれ?
お前なんで仮面してるんだ?▼
[ジェローム]
これは、いざという時のために
用意してあった予備の仮面だ。▼
[シャンブレー]
同じ仮面がいくつもあるなら、
取り返さなくてもいいんじゃないか?▼
[ジェローム]
何を言う。あの仮面は
材質がこれよりも良い一級品だ。▼
猿に渡すにはあまりにも惜しい…▼
[シャンブレー]
そうなのか…そんなに違うようには
見えないけどな…▼
[ジェローム]
あまり仮面をじろじろ見るな。
材質が良くないのがばれる。▼
それより…お前が猿の仲間だと
思われていることを利用して、▼
どうにかできないものだろうか…?▼
[シャンブレー]
えっと、そうだなぁ…▼
あ…いけるかも!▼
ジェロームが俺を人質に
取ってみるっていうのはどうだ?▼
[ジェローム]
猿に、仲間の命が惜しければ
仮面を返せと脅しをかけるのか?▼
しかし、猿の言語なんぞわからんぞ。
それに動物を交渉なと無理だ。▼
[シャンブレー]
いやいや猿は意外に賢いって聞くぜ。
計算とかもできるらしいし。▼
交渉もなんとかなるんじゃないか?
他に案も無いだろ?▼
[ジェローム]
そうだな…
では試してみるしかないか。▼
…! 見ろ! さっきの猿だ!
仮面を持っているぞ!▼
こっちへ来い、シャンブレー!▼
[シャンブレー]
よ、よし!▼
[ジェローム]
いいか貴様らよく聞け。
この猿は人質だ。▼
その仮面を返さないと、
こいつの命は無いぞ!▼
[シャンブレー]
たーすけてくれー…▼
[ジェローム]
お、仮面を持ってきたぞ…!▼
こんな茶番に引っ掛かるとは
猿の知能もたかが知れているな。▼
よしよし、そうだ。こちらへ持って来い。
よし…仮面は取り戻したぞ!▼
[シャンブレー]
やったぁ!
人質作戦成功だな!▼
…って、うわぁああっ!!▼
ぎゃあーーっ!!!!▼
[ジェローム]
シャ、シャンブレー!!▼
[シャンブレー]
痛てええぇ…あ、あの猿たち
俺が猿じゃないって気づいたら、▼
思いっきり顔を引っ掻いて
逃げやがって…!▼
[ジェローム]
だ、大丈夫か…?
だが、おかげで仮面は取り戻せた…▼
助かったぞ…シャンブレー。▼
[シャンブレー]
それは良かったぜ…▼
けど、猿って怖いんだな。
絶滅するかと思った…▼
[ジェローム]
す、すまない…▼
[シャンブレー]
まぁ…いいってことさ。
俺たち仲間だし、な?▼
[ジェローム]
そうか…ありがとう、シャンブレー。
お前は仮面の恩人だ。▼

ギャンレル

エメリナ

エメリナ→ギャンレル

[ギャンレル]
よう、エメリナ。▼
[エメリナ]
…………▼
[ギャンレル]
オレのことなんざ、
見たくもねぇってか?▼
[エメリナ]
そんな…こと…ない。▼
[ギャンレル]
そ、そうか…
まぁ…いい。▼
同じ隊にいても、こうして顔を
突き合わせんのは、そんなに無いからよ。▼
ちょっとばかし、話いいか…▼
[エメリナ]
…うん。▼
[ギャンレル]
すまねぇ…戯言だと思って
聞き流してくれりゃーそれでいい。▼
…オレはな、
許してもらおうとは思っちゃいねぇのよ。▼
あの時は、ああするしかなかったって…
そう思ってるからよ。▼
[エメリナ]
…………▼
[ギャンレル]
オレはオレの正義を貫いただけで、
お前は勝手に死を選んだって話だろ?▼
違う…か?▼
[エメリナ]
あなた…いうこと…
よく…わから…ない。▼
[ギャンレル]
そりゃそうだよな…すまねぇ…▼
[エメリナ]
あやまって…ばかり…▼
[ギャンレル]
そ、そんなことはねぇ…!
オレは別に反省なんてしてねぇんだよ!▼
反省はしてねぇ…だってしようもねぇからよ。
だがな、後悔がねぇかって言われりゃ…▼
[エメリナ]
…………▼
[ギャンレル]
いや…なんでもねぇ。
聞かなかったことにしてくれ。▼
今のは…忘れてくれ。▼
(ギャンレル退場)
[エメリナ]
…………▼
ぎゃん…れる…▼

ギャンレル→エメリナ

[ギャンレル]
!!
エメリナ…▼
その…今日はよく会うな…▼
[エメリナ]
…………▼
[ギャンレル]
ええと…その…オレは…
お前と話がしたいわけじゃねぇ。▼
だから…今から言うことは…
ただの独り言だ。▼
[エメリナ]
…?▼
[ギャンレル]
後悔…
そう、後悔はオレにだってあるさ…▼
結局、オレのやったことと言えば、
屍の山を築いたことぐらいのもんだ。▼
あげくその上で、
何も変えられずに終わっちまった…▼
[エメリナ]
…………▼
[ギャンレル]
変えられると思ったんだ。
オレの、この手で…全てをよ…!▼
だけどよぉ、今のオレの手からは
血の臭いしかしねぇ。▼
洗っても洗っても…
消えやしねぇんだ。▼
昔はそんなもん無かったんだ!
いや…気にしちゃいなかっただけか?▼
でもよ、今は…くそっ…
オレは…オレは一生、このままなのか?▼
この血なまぐせぇ臭いから逃れるこたぁ、
できねぇってのかよ?▼
それだけのことをしてきたってこたぁ、
わかってる…だけどよ…!▼
[エメリナ]
…………▼
よし、よし…
なかない、で…▼
[ギャンレル]
な、何しやがる!
人の頭撫でやがって…!▼
[エメリナ]
…あなた…だいじ…▼
[ギャンレル]
…なんだって?▼
[エメリナ]
あなた…なかま…▼
だから…なかない…で…▼
[ギャンレル]
エメリナ…!
く、くそっ…、な、泣いてなんかねぇ!▼
オレが泣く意味なんてねぇだろうがよ!
オレは…っ! オレは…!▼
ううっ…!
ち、ちきしょおぉ…っ!▼
[エメリナ]
……▼
きっと…かわれる…
あなたは…▼
わたし…そう…しんじてる…
だから…だいじょうぶ…▼
だいじょうぶだよ…▼

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Last-modified: 2013-01-01 (火) 00:53:27
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