(「MAP33 聖剣サリア(火の神殿)」)
(フォーカス、ホームズ)
(背景、火の神殿)
[ホームズ](右)
クラリス神官長▼
さっきサリアの聖剣って言ったよな▼
[クラリス](左)
ええ▼
サリア王国に伝わる聖なる剣が
この神殿内に隠されています▼
グエンカオスの暗黒魔法
ザッハークを破るためには
どうしても聖剣が必要なのです▼
[ホームズ]
だがよ、▼俺たちも昔
聖剣を求めてここまで来たが
神殿の奧には一本の古びた剣しか
残されていなかったぜ▼
床に突き刺さっていて
抜く事はできなかったがな▼
[クラリス]
その古びた剣が聖剣サリアなのです▼
そして、今のあなたならば
引き抜く事ができるのです▼
[ホームズ]
あの古びた剣が聖剣?▼
今の俺なら引き抜けるだと?▼
一体どういうことなんだ!▼
[クラリス]
とにかく聖剣がある場所へ!▼
グズグズしていては
ガーゼル軍に包囲されてしまいます▼
漆黒の闇に宿りし
大いなるガーゼルの瘴気よ▼
無慈悲なる破滅の罰となりて
我らが敵を滅ぼしたまえ!▼
愚か者どもめ……
ガーゼル神の裁きを受けて
滅ぼされるがいい……▼
(フォーカス、ホームズ)
(背景、フィールドマップ)
[ホームズ](右)
やはりただの古びた剣じゃねえか▼
こんなもの引き抜けるわけねえだろ▼
[シゲン](左)
ぐちぐち言ってないで
とにかく抜いてみろよ▼
[ホームズ]
ちっ……▼
わかったよ!▼
(光と揺れ、聖剣復活ムーヴィー)
[ホームズ]
わわわわっ▼
な、なんだよ、これは!?▼
[クラリス](左)
聖剣サリアが甦ったのです▼
あなたの勇気と
カトリ様の愛によって……▼
[ホームズ]
どういうことなんだ?▼
カトリの愛ってのはなんだよ▼
[クラリス]
あなたがカトリ様から預かった
サリアの腕輪が
聖剣を甦らせるカギなのです▼
腕輪に付いていた紋章が
剣の柄に収まったことで
サリアの剣は大いなるユトナ神の
聖剣として甦ったのです……▼
[ホームズ]
カトリの愛か……▼
わかったよ、神官長▼
このサリアの聖剣さえあれば
グエンカオスだって倒せるわけだろ▼
ああ、やってやるぜ▼
それでカトリが助けられるのなら
今すぐにでもやってやる!▼
(「ホームズは ☆聖剣サリアをてにいれた」)
(神殿内、神話の間へ)
(フォーカス、ホームズ、クラリス)
(背景、神話の間入り口)
[ホームズ](右)
神話の間か……
前にも来たことがあるが
俺には古代文字が読めなかった▼
(壁絵の側へ)
(フォーカス、ホームズ、クラリス)
(背景、一枚目の壁絵)
[ホームズ]
神官長、あんたなら
この意味がわかるんだろう▼
教えてくれねえか▼
[クラリス](左)
ええ、いいでしょう▼
この一枚目の絵には▼
「暗黒神の支配する時代▼
一人の奴隷剣士ありき▼
自由を求める民衆を率いて
暗黒神ガーゼルに立ち向かうなり」▼
と記されており▼
(二枚目の前に移動)
(フォーカス、ホームズ、クラリス)
(背景、ニ枚目の壁絵)
[クラリス]
この二枚目の絵には▼
「荒れ狂う魔神の炎▼
絶望の人々を焼き尽くす▼
勇者、渾身の力で戦えども
その身、炎の中に燃え尽きんとす▼
彼、神に祈る▼
我に力を、▼闇を打ち消す光をと」▼
(三枚目の前に移動)
(フォーカス、ホームズ、クラリス)
(背景、三枚目の壁絵)
[クラリス]
三枚目のこの絵には▼
「刹那、▼一人の美しき少女▼
白き竜とともに現れて
魔神の炎を打ちくだかん▼
少女は微笑む▼
汝、勇気あるもの、美しい者よ▼
この剣をそなたに託す▼
我に代わりて
悪しき者を滅ぼすべし」▼
と記されています▼
(四枚目の前に移動)
(フォーカス、ホームズ、クラリス)
(背景、四枚目の壁絵)
[クラリス]
四枚目のこの絵には▼
「少女の名はユトナ▼
大地母神ミラドナの娘▼
小さな女神にして巨大なる竜▼
勇者、女神の愛を得て
暗黒神を打ち果たすなり」▼
と記されています▼
(五枚目の前に移動)
(フォーカス、ホームズ、クラリス)
(背景、五枚目の壁絵)
[クラリス]
そして結びの五枚目には▼
「勇者、王となりて
我らが大地に永久の繁栄を導かん▼
勇者、滅するとも
その愛は永久に消えなん」▼
と記されているのです▼
[ホームズ]
なんだ▼
ようするにカーリュオン神話の抜粋か▼
なんのひねりもねえありふれた英雄伝説だ▼
期待して損をしたぜ▼
[クラリス]
あなたはカーリュオン伝説を
信じていないのですか▼
[ホームズ]
そりゃそうだろ▼
英雄伝説なんてモンは
支配者が自分たちを正当化するために
作り出した幻想だ▼
貴族たちを見てみろ▼
生まれたときから民の上に立ち
働かなくとも贅沢に暮らせる▼
初代王朝の子孫だというだけで
本人の能力や努力とは無関係に
ふんぞり返っていられるわけだ▼
庶民は騙されやすい▼
英雄を信じて崇拝すれば
その子孫も偉いと思っちまうんだからな▼
もしも実在したカーリュオンが
ただの女好きで
ぶさいくなヤツだとわかったら▼
世の中は一気に
ひっくり返っちまうんじゃないか▼
[クラリス]
確かに英雄伝説の大部分は
後から作られたものでしょう▼
しかしこの壁絵は七百年の間
真実だけを語り続けてきました▼
カーリュオンとユトナの愛は
永遠不滅であったと
私は信じているのです▼
[ホームズ]
すまん▼
ちょっと言い過ぎた▼
俺だってカーリュオンとユトナの愛を
疑っているわけじゃない▼
ただ……▼
[クラリス]
ええ、わかっています▼
ホームズ様、そろそろ行きましょうか▼
この先は地下の洞窟が
果てしなく続いています▼
邪神の祭壇まで
数日はかかるかも知れません▼
[ホームズ]
覚悟はしているさ▼
クラリス神官長▼
ここから先は俺たちだけで充分だ▼
あんたは先に帰ってくれ▼
[クラリス]
どうしてですか▼
[ホームズ]
正直に言わせてもらうが
足手まといなんだ▼
あんたを気遣っていては
俺たちは満足に戦えない▼
[クラリス]
そうですか……▼
わかりました、私はサリアに戻ります▼
カトリ様をどうか……▼お願いします▼
[ホームズ]
それは任せてくれ▼
クラリス神官長、一つだけ頼みがある▼
聞いてくれるか▼
[クラリス]
はい……▼
[ホームズ]
リュナンとエンテを……▼
見守ってやってくれ……▼
(ワールドマップへ)
(フォーカス、リーヴェ王宮)
(背景、リーヴェ王宮玉座)
[セオドラ](右)
ソフィア大公国のレシエ姫を
お連れいたしました▼
[レシエ](右)
バルカ様、ジュリアス様▼
お久しぶりでございます▼
[バルカ](左)
レシエ、待っていたぞ▼
挨拶などはいいから経緯を話してくれ▼
[レシエ]
はい、少し長くなりますが
私がこれまでに知ったことを
順を追ってお話しいたします▼
14年前
アーレス殿下の館が賊に襲われ
セレーヌ夫人が亡くなられたことは
お二方ともご存知ですね▼
[バルカ]
無論だ▼
俺たちはガーゼルと戦っていて
不在だったが
連絡を受けて愕然とした▼
夫人は殺され
二人の幼子も行方知れずとは
兄上の嘆きを思うと心が痛んだぞ▼
[レシエ]
その二人の幼子ですが
実は乳母が連れて
館を逃げ出していたのです▼
[バルカ]
なんだと!?▼
では二人は助かっていたというのか!▼
[レシエ]
はい、乳母は追っ手に殺されましたが
お二人は旅の女剣士に拾われ
命を救われたそうです▼
[バルカ]
その女はなぜ届け出なかったのだ▼
王宮に届ければ褒美をもらえるとは
考えなかったのか▼
[レシエ]
剣士は乳母から
賊の正体を聞いていたのです▼
それゆえ誰にも告げずに
カナンから逃れようとしました▼
[バルカ]
どういうことだ?▼
賊はカナン王国と
関係あるものだとでも言うのか▼
[レシエ]
はい……▼アーレス館を襲い
セレーヌ様を殺害したのは
バハヌーク王妃カルラでした▼
カルラはネイファ様を拉致する目的で
館に侵入したのですが、セレーヌ様に
抵抗されて殺害したそうです▼
[バルカ]
なんだと!?▼
あの女が姉上を!……▼
ま、まさか……▼
[レシエ]
カルラはガーゼル教国の魔女です▼
カナン王国との戦いで
敗勢が濃くなったガーゼル教国は▼
魔女カルラを送り込み
カナン王国を内部から
切り崩そうと考えたのです▼
[バルカ]
なんということだ……▼
それで父上は
あの女に騙されてしまったのか▼
[レシエ]
カルラは国王を虜にして
徐々に洗脳したようです▼
[バルカ]
……だがレシエ▼
カルラは何のために
ネイファを奪おうとしたのだ▼
[レシエ]
ガーゼルの儀式……▼
邪神復活の生け贄として使うためです▼
[バルカ]
なんだと!?▼
奴らは邪神の復活を本気で
考えているのか▼
[レシエ]
はい、それは間違いありません▼
現にネイファ様は再び……▼
[バルカ]
なに?……▼
まさかネイファが
囚われたというのではあるまいな▼
[レシエ]
残念ですが
風の神殿でグエンに襲われ
囚われてしまいました▼
[バルカ]
なんだと!▼
お前がついていながら
何と言うことだ!▼
[レシエ]
もうしわけございません……▼
[ジュリアス](左)
兄上
とりあえずレシエの話を聞きましょう▼
レシエ
話を続けてくれ▼
[レシエ]
はい▼
カナンを逃れた剣士は
お二人を自分の街に連れ帰り
自分の子供として育てました▼
彼女の名はカティナ▼
エリアルの傭兵王テムジンの娘です▼
[バルカ]
なんだと!?▼
テムジンならばアーレス兄上とも
旧知の仲ではないか!▼
その娘が兄の子供たちを
救ったというのか▼
[レシエ]
カティナは二人を拾った孤児と偽り
父親にも真実を告げなかったそうです▼
二人はカティナの子として育てられ
立派な若者に成長しました▼
しかし昨年
ネイファ様が15歳になられて
ある出来事が起こりました▼
ふとした出来事から
ネイファ様の中に眠る聖竜ラキスが
目覚めて、イストリア兵
数十人を焼き殺してしまったのです▼
ネイファ様はそのショックで
口も利けぬようになり
セネト様も自分の出生について
疑問を持つようになりました▼
ガーゼルの勢力は日々強力になり
もはや自分の力だけでは子供たちを
守りきれないと思ったカティナは▼
テムジンに真実を話して
助けを求めました▼
驚いたテムジンは
エーゼン老師に相談し
老師は私に連絡を下さいました▼
私がエリアルを訪れたときには
お二人ともすでに
カティナから真実を聞かされており
かなりショックなご様子でした▼
[バルカ]
そうだろう……▼
無理もない……▼
[レシエ]
ですがセネト様はおっしゃいました▼
自分はネイファを守るためなら
どんなことでもする▼
妹を苦しめるものは
ガーゼルであろうとカナンであろうと
容赦はしない、と……▼
[バルカ]
つまりセネトは妹を守るために
ガーゼル教国と戦ってきたわけか▼
やはり血は争えぬな▼
アーレス兄上も、お前を庇って
よく父上と口論していた▼
自分の領地となった
ソフィア大公国の養女としたのも
カルラから守るためだった▼
[レシエ]
前王妃だった私の母は
カルラに殺されたのです……▼
私は偶然に目撃したのですが、国王は
子供のたわごとと信じてくれませんでした▼
カルラが私に敵意を持ったのも
当然のことだと思います……▼
[バルカ]
すまぬ、余計なことを言ったな▼
それでセネトはエリアルの
傭兵たちを率いてカナンに来た訳か▼
[レシエ]
ガーゼル神殿まではレダ王国軍と共に
北部辺境を進んできましたが▼
魔獣やガーゼル兵との戦いで
多くの兵士を失い
北カナンで新たに兵を募りました▼
今では北カナンの兵士や市民が
自由軍の主力となっており
それも日を追うごとに
膨れ上がっています▼
[ジュリアス]
それでレシエはどうするつもりだ▼
俺たちと戦うのか?▼
[レシエ]
これからどうするべきか
それを伺うためにここまで来たのです▼
お二人ならわかっていただけると
私は信じているのです▼
[ジュリアス]
……▼
レシエ、一つだけ聞かせてくれ▼
父上……▼皇帝はどうするつもりだ▼
[レシエ]
皇帝は今やガーゼルの下僕です▼
もはやどうにもなりません▼
[ジュリアス]
お前たちの手で倒すということか▼
レシエは父親を殺すことに
ためらいはないのか▼
[レシエ]
お言葉ですが私の父は
ソフィア大公ただ一人▼
皇帝は父上を殺した仇と思っております▼
なんでためらいがありましょう▼
[ジュリアス]
そうか……▼
無論セネトも承知しているのだろうな▼
[レシエ]
皇帝がガーゼルと切れぬのなら
やむをえないとお考えです▼
[ジュリアス]
レシエ、戻ってセネトに伝えてくれ▼
皇帝は私が始末する▼
無論カルラも一緒にだ▼
[バルカ](右)
待て、ジュリアス▼
それは俺の仕事だ▼
勝手なことは許さんぞ!▼
[ジュリアス]
父親殺しの汚名は
兄上には似合いませんよ▼
私はすでに反逆者だし
前々から考えていたことです▼
いつかはこうなると思っていました▼
[バルカ]
ジュリアス、違うのだ▼
俺はな▼
このままでは兄上に顔向けができぬ▼
今までの過ちの全てを
この俺の手で清算したいのだ▼
その上で、このカナンの未来を
兄上の子……▼
セネトに託したいと思っている▼
ジュリアス、お前ならば
俺の気持ちがわかるだろう▼
[ジュリアス]
……▼
まあ、いいでしょう▼
今度ばかりは兄上の顔を立てましょう▼
それで、私は何をすればいいのです?▼
[バルカ]
セネトにはリーヴェと対等の立場で
和平交渉ができるようにしてやりたい▼
リーヴェ王宮は貴重なカードだ▼
セネトをカナン城に迎え入れるまでは
なんとしても持ちこたえて欲しいのだ▼
[ジュリアス]
……そんなことですか▼
わかりました▼
リーヴェ王宮は
私が命に代えても守ってみせます▼
[バルカ]
すまぬな、ジュリアス……▼
城外の守りはエルンストに命じた▼
お前は今のうちに
城内の守りを固めてくれ▼
俺はこれからすぐに帰国する▼
[レシエ](左)
では、私も途中までご一緒に……▼
[ジュリアス]
ところで兄上▼
エストの姿が見えないようだが
どうしたのです▼
[バルカ]
そういえば姿が見えぬな▼
いったいどこに行ったのか……▼
(ワールドマップ・リーヴェ南にエルンスト軍出現)
本文を提供してくださった、Lie-Reさん
編集してくださった、山井寿章さん