(「MAP34 総力戦」)
(フォーカス、エルンスト)
(背景、城門前)
[バルカ](右)
勇敢な兵士諸君よ▼
君たちにはこれまで
言い尽くせないほどの苦労をかけてきた▼
街で、▼荒野で、▼草原で▼
君たちは勇敢に戦い勝利を重ねてきた▼
にもかかわらず
今日のこの困難な状況は
全てこのバルカの責任である▼
私が無能であるがゆえに
諸君らの血も汗も涙も
全てが無に帰そうとしている▼
私は諸君らに詫びたい▼
そして、最後の願いを聞いてほしい▼
カナンの子らのために▼
カナンの未来のために▼
今一度、祖国のために戦って欲しいのだ▼
(効果音、歓声)
[エルンスト](右)
皆も聞いたであろう▼
バルカ様はこれより王宮に戻られ
ある重大な決意をされる▼
その決意とはここにいる兵士全員が
心より望んでいることである▼
我らはバルカ様をお助けするため
このリーヴェを守らねばならぬ▼
皆の命をわしに預けてくれ▼
祖国の興廃はこの一戦にある▼
カナンの未来を信じて
共に最後まで戦おうではないか!▼
(効果音、歓声)
(フィールドマップ上からエストファーネ登場)
(フォーカス、エストファーネ)
(背景、森)
[エストファーネ](左)
リュナン公子……▼
絶対に許さない!▼
(フォーカス、リュナン)
(背景、平原)
[オイゲン](左)
リュナン様▼
あの丘に見えるのがリーヴェ王宮です▼
[リュナン](右)
言われずともわかっているさ▼
父上と共に何度も訪れたからな▼
[オイゲン]
ご機嫌が悪いようですな▼
エンテ様とまだ仲直りができませぬか▼
[リュナン]
……▼
[オイゲン]
おっと、これは余計なことを▼
大会戦を前にして不謹慎でしたな▼
申し訳ございません▼
[リュナン]
いや
戦いを前にして心が乱れていたのは
僕の方だ▼
オイゲンはいつもそうだな▼
わざと僕を怒らせて反発を引き起こし
正しい方向に導いてくれる▼
父上がなぜ
オイゲンを守り役にされたのか
最近ようやくわかってきたよ▼
[オイゲン]
いや、私には何のことか
さっぱりわかりませぬぞ▼
それより、敵の木馬が動き出しました▼
ご注意ください、リュナン様▼
※リュナンと戦わせた場合
[エストファーネ](左)
あなたがリュナン公子……▼
バルじいの仇……!▼
※それ以外のユニットで戦わせた場合
[エストファーネ](左)
お願い……▼
私の邪魔をしないで!▼
[エストファーネ](左)
バルじい……
お父様……
ごめんなさい……▼
(フォーカス、リュナン、エストファーネ)
(背景、森の中)
[リュナン](右)
待て!▼
君は兵士じゃないだろう▼
なぜ私を襲おうとする▼
訳を言ってくれないか▼
[エストファーネ](左)
あなたは侵略者で人殺しよ!▼
バルじいを殺し
今またジュリアス叔父様や
私の父まで殺そうとしている▼
[リュナン]
戦争だからな▼
殺したり殺されたり
仕方の無いことだ……▼
[エストファーネ]
じゃあ、私も殺したらいいでしょ!▼
どうして殺さないの!▼
[リュナン]
……▼
[オイゲン](左)
リュナン様
この娘はバルカ王子の一人娘です▼
投降した兵士が顔を知っておりました▼
捕らえて人質にしてはいかがです▼
[リュナン]
捕らえて人質か……▼いいだろう▼
オイゲンの言うとおりにしよう▼
[オイゲン]
ほっ……▼これは意外な……▼
[リュナン]
勝つためには時に非情なこともある▼
いつもオイゲンが言ってることだ▼
この子を捕らえて後方に送ってくれ▼
[エストファーネ]
くっ……▼
やっぱりそうなのね▼
このけだもの!▼
あなたなんか死ねばいい!!▼
[リュナン]
けだもの……▼か……▼
(エストファーネがマップ上から消える)
(フォーカス、ハガル)
[ハガル](左)
あーあ……▼ピリピリしちゃって▼
嫌になるぜ、こんな戦争はよぉ▼
どっかに
可愛い子でもいないかなぁ……▼
[ハガル](左)
ちっ……▼来やがった!▼
相手が可愛い娘ちゃんだってんなら
手加減してやりてぇところだが▼
生憎、こいつを操りながらじゃ
いちいち男か女かまでは
見分けていられないんでな▼
思いっきり行くぜ、覚悟しな!▼
[ハガル](左)
つまんねえ終わり方だぜ……
戦場で散るなんて
柄じゃないってのに……▼
(フォーカス、ミンツ、ハガル)
[ミンツ](左)
おい、やっぱりハガルか▼
お前まで戦争に狩り出されたのか▼
[ハガル](右)
おっ、アニキ!?▼
戦死したって聞いてたけど
ピンピンしてるじゃねぇか▼
こんなところで何やってんだよ▼
[ミンツ]
俺のことはいいんだよ▼
しかし見直したぜ▼
お前にも
人並みの愛国心があったってわけか▼
女の尻ばかり追いかけてるんで
兄ちゃんは心配だったぞ▼
[ハガル]
へっ、よく言うぜ▼
俺の百倍も無責任な奴がよ▼
しかしまいったぜ……▼
アニキの逃亡が知れれば
俺までとばっちりを食うじゃねぇか▼
下手をすれば処刑だぜ▼
いったいどうしてくれるんだよ!▼
[ミンツ]
お前もこちらに来たらどうだ?▼
可愛い子がいっぱいいるぜ▼
[ハガル]
ホントかよ!▼
うーん、そうするかな……▼
※ミンツと戦わせた場合
[エルンスト](左)
ミンツ、お前か……?▼
そうか、そういうことか……▼
まあいい▼
だが、いかにお前といえど
我らの敵となった以上
ここから先には通すわけにはいかぬ▼
退く気がないというのなら
このわしの屍を踏み越えて行け!▼
※それ以外のユニットと戦わせた場合
[エルンスト](左)
お前たちは、セネーの時の……▼
我がカナンの恥、パブロフを
始末してくれたことには感謝しよう▼
だが、ここから先は
断じて通すわけにはいかん!▼
[エルンスト](左)
……まだだ……
まだ、ここを通すわけにはゆかぬ……
バルカ様の苦渋の決断が……
倒れていった幾万の将兵たちの魂が……
そして、カナンの未来が……
……戦え!戦え!……と……
…………
ゆえに!このエルンスト
断じて!断じて!
引かぬ!……
倒れぬ!……
退かぬ!!!!!
(フォーカス、エルンスト)
[エルンスト](左)
ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!……▼
(リュナンがエルンストの近くに行く)
(背景、城の前)
[リュナン](左)
どうしたんだ、オイゲン
兵たちが騒いでいるようだが?▼
[オイゲン](右)
公子、どうやら敵のエルンスト将軍が
リーヴェ王宮の入り口に
居座りつづけているようです▼
その戦いぶりはまさに鬼神の如く
兵たちも恐れて
近寄る事ができないようです▼
[リュナン]
かといって
このままにしておくわけにもゆくまい
僕が行こう!▼
[オイゲン]
公子、私もお供いたします▼
[リュナン]
こ……これは……!?▼
[オイゲン]
……ふむ、すでにこときれておりますな▼
死してなお、我々の進軍を阻むとは……▼
さすがは、カナンにその人ありと言われた
エルンスト将軍
敵ながら見事というほかありません▼
[リュナン]
この戦い、一般の兵士に至るまで
恐ろしく士気が高かった▼
すべて、この将軍の指揮だったとすれば
納得がゆく▼
[オイゲン]
恐らくは……▼
ですが公子、私めにはカナンの兵たちの
士気が上がっている事には
何かまだ別の理由が
あるようにも感じられます▼
何かとははっきり
申し上げられませぬが……▼
[リュナン]
……行こうオイゲン
考えるのはリーヴェ王宮を
取り戻してからだ!▼
[オイゲン]
はっ!▼
(フォーカス、リュナン)
(背景、城門前)
[オイゲン](左)
リュナン様▼
西の空にペガサスが見えます▼
こちらに来るようですぞ▼
[リュナン](右)
ペガサスならサリアの騎士か▼
クラリス様の使者かもしれないな▼
こちらに通してくれ▼
(フィールドマップの西の方角からヴェーヌが飛んでくる)
(フォーカス、ヴェーヌ、リュナン)
(背景、城門前)
[ヴェーヌ](左)
リュナン様ですね▼
よかった、やっとお会いできました▼
[リュナン]
君は?……▼
[ヴェーヌ]
私はヴェーヌと申します▼
[リュナン]
ヴェーヌ?……▼
ではやはりクラリス様の……▼
[ヴェーヌ]
はい、クラリスは私の母です▼
ですが、今日は自由カナン軍の
使者として参りました▼
[リュナン]
自由カナン軍?……▼
[ヴェーヌ]
はい▼
セネト王子を盟主とする
反帝国派の軍隊です▼
カナンの将兵や市民と協力し、すでに
ゾーア北部一帯は制圧いたしました▼
[リュナン]
待ってくれ▼
セネト王子は誰のことだ?▼
カナン王国には
アーレス、バルカ、ジュリアスの
3王子しかいないはずだが……▼
[ヴェーヌ]
セネト様は
そのアーレス殿下のお子です▼
本来ならカナン直系の王子として
第一王位継承者になられる方です▼
[オイゲン]
アーレス殿下には
二人のお子がおられましたが
下の王女が生まれて間もない頃
何者かに襲われ妃殿下が殺されました▼
その時以来二人のお子も
行方知れずと聞いておりましたが
まさか生きておられたとは驚きですな▼
[ヴェーヌ]
訳あってエリアル王国に
隠れておいででした▼
私の祖父オクトバスや
エーゼン老師などが
密かに見守っていたのです▼
[リュナン]
そうだったのか……▼
それで祖国へ戻ってきたのか……▼
[オイゲン]
アーレス王子はカナン国民に
圧倒的な人気がありましたからな▼
特に悲惨な死を遂げられてからは
神君カーリュオンにも匹敵する
英雄として、カナン人の心に
深く刻まれています▼
その子が解放者として
戻ってきたとなれば、カナン国民の
熱狂は計り知れぬでしょう▼
[リュナン]
そうだろうな……▼
事情はだいたいわかった▼
それで私への話とは何だ?▼
[ヴェーヌ]
セネト様はリーヴェ王国との
和平を望んでおられます▼
今一度、ノルゼリアでの和約を
果たしたいとのお考えなのです▼
[リュナン]
ノルゼリアの和約……▼
[ヴェーヌ]
はい▼
もう2年も前のことになりますが
グラムド大公とアーレス王子は
ノルゼリアの街で
和平交渉をなさいました▼
その後の経緯については
リュナン様もご存知でしょう▼
[リュナン]
無論だ……▼
[ヴェーヌ]
セネト様はお父様の遺志を継ぎ
リュナン様と二人で
ノルゼリアの和約を
成し遂げたいとお望みです▼
[リュナン]
セネト王子がそんなことを……▼
むろん私にも異論は無いが
問題は皇帝と二人の王子だ▼
彼らに和平の意思がなければ
この戦争は終わらない▼
[ヴェーヌ]
すでに手は打ってありますが
まだ答えは出ていないようです▼
レシエ王女の悲しみを思うと
私も心が痛みます▼
[リュナン]
レシエ王女?……▼
[ヴェーヌ]
いえ……▼
何でもありません▼
[リュナン]
セネト王子がカナン王城に戻るには
後どれくらいの期間が必要なんだ▼
[ヴェーヌ]
今の勢いからすればそう長くは
かからないと思います▼
リュナン様、城下での戦いは
双方に多大な損害がでます▼
セネト様がカナン王城に達するまで
進撃を留まっていただけませんか▼
[オイゲン](右)
ヴェーヌ殿、それは無理ですぞ▼
彼らが停戦を求めるなら
まずリーヴェ王宮から
撤退するのが筋でしょう▼
人の家に勝手に押し入っておいて
今は忙しいから後で来いでは
我らリーヴェ人は納得できません▼
リュナン様が認められても
他の諸侯や兵士たちは
承知いたしませぬぞ▼
[リュナン]
そうだな……▼
今一度、敵の指揮官に使者を送り
王宮を明け渡すよう言ってみよう▼
それでも拒むならしかたがない▼
我らが全力をもって奪回するまでだ▼
ヴェーヌ、忘れないで欲しい▼
この王城はリーヴェ王国の聖都であり
私たちリーヴェ人の誇りなんだ▼
それを踏みつけにされたままでは
休戦などありえない……▼
[ヴェーヌ]
わかりました……▼
では私はカナンに戻り、リュナン様の
お気持ちを伝えてまいります▼
※エストファーネと会話し、捕らえた場合のみ
[リュナン]
ヴェーヌ、もう一つ
君に頼みたいことがあるのだが▼
女の子を一人
セネト王子の元に届けてくれないか▼
戦いに巻き込まれて
困っているところを助けたのだが
どうやらバルカ王子の娘らしい▼
[ヴェーヌ]
それは本当ですか!▼
バルカ様の娘なら
エストファーネ王女です▼
セネト様とも従兄弟同士の間柄▼
会えばお喜びになるでしょう▼
わかりました、エストファーネ様は
私が責任を持ってお預かりいたします▼
(Now Loading...)
(ワールドマップへ)
(フォーカス、リーヴェ王宮)
(背景、リーヴェ王宮の玉座)
[ジュリアス](左)
エルンストも敗れたか……▼
[セオドラ](右)
王宮はラゼリア軍に包囲されました▼
城門を破られるのも時間の問題かと……▼
[ジュリアス]
バルカ兄上から
まだ何も連絡はないのか▼
[セオドラ]
はい……▼
[ジュリアス]
エストファーネはどうだ▼
まだ行方がわからないのか▼
[セオドラ]
敵の方に走っていかれるのを
見たものがおります▼
日ごろのご様子から思うのですが
バルバロッサ将軍の
恨みを果たそうとして
戦いに出られたのではありませんか▼
[ジュリアス]
くっ……▼
私がもっと気をつけるべきだった▼
兄上に申し開きができぬ……▼
(ワールドマップへ)
(リーヴェ王宮ににジュリアス率いる第一軍団が出現)
※マーテル、フラウが共にリュナン隊にいる場合のみ
(フォーカス・リーヴェの南)
(背景、森)
[ヴェーヌ](左)
あなたたちの
元気な顔を見て安心したわ▼
フラウまで来ているとは
思わなかったけど▼
[マーテル](右)
ヴェーヌ姉様はサリアの森には
帰っていらっしゃらないの▼
[ヴェーヌ]
お母様には会いたいけど
このままでは帰れないわ▼
私の使命は
ネイファ様をお守りすることなのに
風の神殿でグエンに囚われてしまった▼
お母様に会わせる顔がないもの▼
[マーテル]
でも……▼
お姉様一人の責任じゃないのに……▼
[ヴェーヌ]
もしエンテ様が囚われたら
マーテルは平気な気持ちでいられる?▼
邪神復活の生け贄にされて
世界は闇に覆われるかもしれないのに
それでも自分の責任じゃないって
言ってられるの?▼
[マーテル]
そうね……▼ごめんなさい▼
エンテ様にはリュナン様が
ついていらっしゃるから▼
私……▼
少し気が緩んでるのかも知れないわ▼
[フラウ](右)
おじい様は
ヴェーヌ姉さまにネイファ様を
マーテル姉さまにエンテ様を
見守るようにおっしゃったのでしょう▼
それなのにどうして
私には何も言われないまま
逝ってしまわれたの▼
[ヴェーヌ]
フラウはまだ幼かったからよ▼
でもおじい様は
もしカトリ様が見つかれば
フラウに託すつもりだと
おっしゃっていたわ▼
[フラウ]
本当に?▼
よかった、私も頼りにされていたのね▼
[ヴェーヌ]
ええ、おじい様は言われました▼
ユトナの血を受け継ぐ4王家の娘が
聖竜の巫女として現れることなど
ユトナの聖戦以来一度もなかった▼
だけど
16年前にエンテ様とティーエ様が▼
15年前にカトリ様とネイファ様が▼
ユトナの聖痕をもって誕生された▼
邪神復活が近いと知った
3賢者の方たち……▼
つまり
風の神殿のエーゼン様▼
水の神殿のマイオス様▼
そして火の神殿のおじい様は▼
三人で協力して聖竜の巫女を
見守っていこうと約束されたのです▼
[フラウ]
でも結局
お三方とも亡くなられたのね▼
[マーテル]
だからこそ、私たちが
頑張らないといけないのでしょう▼
おじい様たちの遺志を受け継ぎ
巫女様たちを守らなければ
世界は闇に閉ざされるかもしれないのよ▼
[ヴェーヌ]
マーテル、私はセネト様の元に戻るわ▼
また後日、ノルゼリアで会いましょう▼
[マーテル]
はい、ヴェーヌ姉さま……▼
[フラウ]
気をつけてね、ヴェーヌ姉さま▼
本文を提供してくださった、飛竜さん、Lie-Reさん
間違いを指摘してくださった、とっちーさん
編集してくださった、山井寿章さん