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*資料 [#h317f93b]
資料の入手場所は[[こちら>前哨基地/自室#v0cc71dd]]
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**帝国領地名鑑 [#p81cd0a8]
***帝国領地名鑑1 [#tbbc1c6c]
アドラステア帝国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
フレスベルグ領~
皇帝直属領。帝国南部に突き出た半島の大部分を占め~
る。広く南の海に面し、温暖で暮らしやすい気候が特~
徴。帝都アンヴァルはフォドラ有数の港町でもある。~
領内は商業と漁業が特に発展しているほか、帝都の東~
は森林地帯になっており、狩猟や林業も盛ん。▼~
エーギル領~
公爵領。帝国の東海岸、内海である“珠の海”に面す~
る。領港ボラマスはアンヴァルと並ぶ良港であり、魔~
道都市モルフィスを含む東方諸国との交易で賑わって~
いる。領内は漁業に加えて農業や、交易品や東方の技~
術を利用しての工芸も発達しており、豊かである。▼~
ベルグリーズ領~
伯爵領。アミッド大河からメリセウス要塞まで南北に~
広く、グロンダーズ平原の大半を領地とする。肥沃な~
土地で多種多様の穀物が栽培され、「帝国の台所」と~
まで言われる。また、馬の育成も盛んであるなど、帝~
国の軍事を支える一大地帯となっている。▼~
ヴァーリ領~
伯爵領。東部がグロンダーズ平原、西部がオグマ山脈~
から成っており、特に鉄鉱山を多く抱えていることで~
有名。かつてはフレスベルグ領との境に南方教会領が~
あったが、今ではヴァーリ領に吸収されている。鉱業~
では他領の追随を許さぬ発展を遂げている。▼~
フリュム領~
子爵領。アミット大河と“珠の海”に挟まれる好立地~
にありながら、山がちな地形と湿地帯の多さが領地の~
発展を阻害している。北部の山中では近年、多くの遺~
跡が発見されており、その調査が進められている。▼~
フェニヤ領~
子爵領。フォドラ最南端の領地。東に浮かぶ幾つかの~
島の領有も主張しているが、支配の実態はない。温暖~
で乾燥した気候を生かして多くの貴重な農産物を栽培~
され、バクスや食用油の一大産地となっている。▼~
***帝国領地名鑑2 [#u7c4d014]
アドラステア帝国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ヘヴリング領~
伯爵領。オグマ山脈から西のミアハ海岸まで、東西に~
長い形をしている。帝国の東西を繋ぐミアハ街道を擁~
し、中央には要害たる領都モズグズがある。土地の肥~
沃さでは他領に劣るものの、豊富な資源や公益での優~
位性を活かした産業が盛んである。▼~
ゲルズ領~
公爵領。帝国の最北端に位置し、帝国では比較的涼し~
い気候が特徴。5年前のダグザ=ブリギット戦没で取~
り潰されたヌーヴェル家の領地を吸収し、最先端の地~
を有することとなった。東部の広大な台地は森林に覆~
われており、さらなる発展が期待されている。▼~
旧アランデル領~
大公領であったが、皇帝直属領に組み入れられた。~
“黒き森”と呼ばれる深い森が特徴で水源も多い。~
ギリング領~
男爵領。狭く険しい土地だが、貴重な鉱物が出る。▼~
オックス領~
男爵領。“フォドラの牙”と呼ばれる半島の北半分に~
位置する。北部には平野と大河、南部には産地と良港~
があり、領内の地形は多種多様だが、産業に突き抜け~
たものはなく、平凡な発展に留まっている。▼~
エッサー領~
子爵領。山で囲まれた巨大な盆地が特徴。領都は帝都~
を除けば帝国一の学術都市があり、魔道研究も盛ん。~
ロッキン領~
子爵領。西のヒュミル領と共に毛織物業が盛ん。▼~
ヒュミル領~
子爵領。東のロッキン領と共に毛織物業が盛ん。~
メニヤ領~
子爵領。入り江の多いミアハ海岸の西部を有する。漁~
業が盛んなほか、船舶の一大製造地でもある。▼~
マルティン領~
男爵領。新興の領地であり、特色は少ない。~
バルナバシュ領~
男爵領。ガルグ=マクの西、険しい産地と森林がその~
領地のほとんどであるが、木工業や果樹栽培で有名。▼~
**王国領地名鑑 [#jc7098a7]
***王国領地名鑑1 [#l5c9cb37]
ファーガス神聖王国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ブレーダッド領~
王領。領地の大半を寒冷な荒野が占めており、冬には~
一面の雪原へと姿を変える。経済の主軸は林業と鉱業~
であり、特に銀の採掘量はフォドラ随一を誇る。南西~
部には800年の歴史を持つカムロス大聖堂がそびえ~
立ち、古くから巡礼者たちの街として栄えてきた。▼~
フラルダリウス領~
公爵領。東西で異なる二つの顔を併せ持つ。穏やかな~
“白角海”に面する東部では漁業が、広大な針葉樹林~
を有する西部では狩猟や林業が盛んに行われている。~
南のダヌ川流域には穀倉地帯が広がっており、しばし~
ば北部で最も肥沃な土地と称される。▼~
イヴァン領~
公爵領。林檎の栽培とそれを原料とした酒造が盛ん。~
特に蒸留酒は、歴代の王に愛されてきた逸品である。~
旧クレイマン領~
子爵領であったが、現在は王家直轄領になっている。▼~
カロン領~
伯爵領。工芸、特に玻璃の製作が盛ん。大修道院の玻~
璃窓の製作と修繕はカロン領の職人が手がけている。~
エレボス領~
侯爵領。大修道院への北の玄関口として栄える。▼~
デュバル領~
伯爵領。各地にトータテス湖などセイロス教の聖地が~
点在しており、敬虔な信徒が数多く巡礼に訪れる。~
プライデリ領~
男爵領。岩塩坑を保有し、長く製塩業で栄えてきた。▼~
ベリナス領~
子爵領。目立った特産物はない。“獅子王”ルーグが~
盟友と共に決起した土地であると言われる。~
ブレナス領~
子爵領。領都は刃物の街として知られている。▼~
***王国領地名鑑2 [#u8d96c2c]
ファーガス神聖王国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ゴーティエ領~
辺境伯領。フォドラの最北に位置し、国境のルスカ山~
脈に拠ってスレンの襲撃を防ぐ役割を担っている。領~
土の大半が針葉樹の森に覆われており、一年を通して~
機構は非常に寒冷。主な産業は林業と漁業だが、領都~
の周辺は草原が広がり、畜産業が盛んである。▼~
ガラテア領~
伯爵領。険峻な岩山や荒野が面積の大半を占める。荒~
涼とした土地。農耕には向かず、規模の大きな街もご~
くわずか。しかしフラルダリウス領との教会付近には~
天馬の好む牧草が群生しており、良質な天馬の生産地~
として知られている。▼~
ドミニク領~
男爵領。小さいが、風光明媚な土地である。沿岸諸都~
市は、アルビネとの交易により商業が発達している。~
ギディオン領~
子爵領。北の山間では、僅かだが金が産出される。▼~
ローベ領~
伯爵領。西部はアリアンロッドを中心に製鉄や鍛冶で~
栄えている。東部ではバクスの製造が盛んである。~
エリデュア領~
子爵領。西方教会の影響を受けた独特の文化を持つ。▼~
イーハ領~
大公領。領地の大部分を占めるイーハ平原で行われる~
小規模な狩猟と、傭兵の派遣が経済の中核を成す。~
マテウス領~
子爵領。古くから、漁業と造船を主産業としている。▼~
ゲライント領~
伯爵領。南部を流れるタラヌス川の流域は肥沃な平原~
であり、一面に牧歌的な田園地帯が広がっている。~
イーニッド領~
子爵領。良質な羊毛の産地として名高い。▼~
**同盟領地名鑑 [#da55e68f]
***同盟領地名鑑1 [#p8c4365b]
レスター諸侯同盟、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
リーガン領~
公爵領。肥沃な平原と草原が領地の大部分を占め、領~
都のデアドラは“水上都市”の異名を取る華やかな港~
街である。飛び抜けている分野はないものの、農業~
漁業、商業、製造業などあらゆる産業が活発であり、~
足りないのは鉱山資源のみだという。▼~
~
グロスタール領~
伯爵領。同盟ではリーガンに次ぐ大きさで、森林と~
平原からなる。酪農をはじめとした農業が盛んである~
と共に、林業や狩猟など豊かな自然を生かした産業が~
発展している。また古くから芸術が盛んで、領都であ~
るエドギアには多くの芸術家の工房が立ち並ぶ。▼~
~
ダフネル領~
侯爵領。西側に山地、東側にビムル川の河口を含む平~
野が広がる。王国との境界にあることと、デアドラと~
の往来が容易なことから、商業を中心とした多種多様~
な産業が発展する。領内には“煉獄の谷”アリルもあ~
るが、人の住める土地ではない。▼~
~
フレゲトン領~
子爵領。領地は小さいが、アミッド大河に架かる最大~
の橋ミルディンを有し、交易で巨利を得ている。~
~
シーワード領~
子爵領。山がちの小さな領地で目立った特産はない。▼~
~
オールバニ領~
子爵領。大修道院へ向かう巡礼者の中継地。~
~
バーガンディ領~
子爵領。大修道院への東の玄関口。アミッド大河の源~
流に近く、カレドニス台地などの自然も豊か。▼~
***同盟領地名鑑2 [#l46adf26]
レスター諸侯同盟、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ゴネリル領~
公爵領。“フォドラの喉元”を含む起伏に富んだ地形~
が特徴で、そこから産出される貴重な輝石類は貴族の~
間で人気が高い。また、隣国パルミラとの小競り合い~
が頻発することから多くの騎士団や傭兵が集まり、彼~
らを相手とする商売が非常に盛んである。▼~
~
コーデリア領~
伯爵領。“フォドラの喉元”の南の付け根から西に広~
がり、南側はほぼアミッド大河に面している。それを~
水源として多様な作物が栽培されてきたが、近年では~
グロスタール領の発展に押されている。まだ酒造も盛~
んであり、コーデリア産のヴァダは高級品とされる。▼~
~
エドマンド領~
辺境伯領。レスター最北部と、その西に浮かぶ島を領~
地とする。多くの商人が属する交易の中心地であり、~
莫大な利益を上げている一方で、島には多くの海賊、~
北の対岸にはスレンの民がおり、近頃ではパルミラか~
らも船が来るなど、決して安全な地とは言えない。▼~
~
アダルブレヒト領~
男爵領。堅固な立地を生かして金融業が興っている。~
~
ミュラー領~
男爵領。狭い土地ながらほぼすべてを森林に覆われて~
おり、良質な材木をレスター各地に輸出している。▼~
~
ネルソン領~
子爵領。東方教会に接し、守護する役目を持つ~
~
クパーラ~
“山の民”が暮らす領域。厳密には諸侯同盟には含ま~
れていない。僅かながら周辺の領地と交流がある。▼~
**古びた高級な手紙 [#ffa88f50]
……来節、フェルディアで商談の予定があったが、~
あれは取りやめだ。今はそれどころじゃない。~
王様がダスカーの族長と会談をしに行くって話を~
覚えているな? その道中、王様の一団はダスカー~
の連中に襲われて、みんな死んじまったそうだ。~
生き残ったのは、小さな王子様一人だけと来た。▼~
すぐに誰かが軍をまとめて、ダスカーに討伐の兵~
を送ったそうだが、王様がいなくなった王都は、~
上を下へ大騒ぎってわけだ。~
ダスカーの民も馬鹿な真似をした。一部の過激な~
奴らのせいで、とばっちりを食うのだかな。~
この所業を思えば、当然の報いかもしれないが。▼~
ただ、ダスカーとの商売はもう駄目だろう。~
ゲネウラの近くは良質な金が採れる上、~
鍛冶屋の腕も良いだけにもったいないものだ。~
とにかく、私が帰るまで勝手な行動は謹んで……~
(商人が王都からどこかに送った手紙のようだ)▼~
**帝国貴族名鑑 [#dd0a943d]
***帝国貴族名鑑1 [#l845c22a]
アドラステア帝国の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版▼。~
フレスベルグ家~
大帝ヴィルヘルムを祖とする帝国の大貴族。~
1100年以上にわたって帝国を治める。~
その系譜は聖セイロスの血統をも有し、~
代々の皇帝はその身にセイロスの紋章を~
宿していたという。▼~
帝都アンヴァルとその周辺一帯を領地とし、~
帝国の内外で絶大な権力を誇ったが、~
1171年の七貴族の変により、貴族らに~
権能を剥奪される。また近年、立て続けに~
一族の者に不幸が起こっており、その支配~
体制には暗雲が垂れ込めている。▼~
エーギル家~
帝国でフレスベルグ家に次ぐ力を持つ公爵。~
当主がいつしか宰相の地位を歴任するように~
なり、今では実質的に世襲宰相の地位を~
有する。七貴族の変を主導し、帝国の統治に~
おける実権を握っている。▼~
ベストラ家~
フレスベルグ家の影であり、領地を持たない~
特殊な侯爵。帝国の暗部を牛耳っているほか、~
皇帝の補助、儀礼典礼、後宮、近衛などを~
含めた皇帝周辺の政務を担っていた。~
七貴族の変ではエーギル家に味方する。▼~
ヘヴリング家~
帝国の内務卿を世襲するようになった伯爵。~
主に政務、財務、法務などを担当し、その~
領分を巡って頻繁に軍務卿と対立している。~
領地の大半がオグマ山脈に属し、鉱業が~
盛んである。▼~
ベルグリーズ家~
帝国の軍務卿を世襲するようになった伯爵。~
皇帝直属軍以外の帝国すべての軍事を~
管轄とし、戦時には当主が大将軍として~
全軍を率いる。フォドラいちの穀倉地帯、~
グロンダーズ平原の大半を領地とする。▼~
ヴァーリ家~
帝国の教務卿を世襲するようになった伯爵。~
教務卿は主にセイロス聖教会との渉外が~
領分だったが、近年は教団と帝国が疎遠に~
なっているため、法務などにも干渉しては、~
内務卿との政争を起こしている。▼~
***帝国貴族名鑑2 [#h27d1123]
アドラステア帝国の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版。▼~
ゲルズ家~
帝国の外務卿を世襲するようになった公爵。~
外交や他国との交渉、中央と地方の紐帯を~
任とし、ダグザ・ブリギット戦役においても~
停戦協定の締結に尽力した。七貴族の変に~
加担してはいるが、他家とは一線を画す。▼~
アランデル家~
元は帝国の小貴族だったが、現当主である~
フォルクハルトの妹が皇帝イオニアス9世の~
室となってから急伸し、アランデル大公の~
位を贈られる。エーギル家に協力し、七貴~
族の変を起こした主犯格の一人と目される。▼~
フリュム家~
帝国の子爵。皇帝イオニアス9世の中央集権~
政策に反発し、帝国からの独立と同盟への~
参画を目論むも、帝国軍の介入にあって~
失敗する。後始末として本家は断絶、現在~
では養子を当主として迎え入れている。▼~
ヌーヴェル家~
帝国の子爵。帝国西端に領地を構え、家名に~
由来する港湾都市ヌーヴェルを中心にダグザ、~
アルビネ、ブリギットなどとの交易で栄える。~
だが、1175年に攻め寄せたダグザ・ブリ~
ギット連合軍の上陸を許し、没落した。▼~
オックス家~
帝国の男爵。帝国西部”フォドラの牙”と~
呼ばれる半島の北半分を領地とする。~
ダグザ・ブリギット戦役で当主を失った。▼~
バルテルス家~
帝国の男爵。野心高く、多くの紋章の血統を~
その家系に加えている。1176年、当主を~
含む一族の多くが不審死。嫡男エミールの~
犯行とされたが、エミールは行方不明になり、~
現在は遠縁の者が当主となっている。▼~
**王国貴族名鑑 [#g2fc389b]
ファーガス神聖王国の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版。▼~
ブレーダッド家~
十傑の一人、ブレーダッドを祖とする一門。~
751年、鷲獅子戦争で勝利を収めた~
”獅子王”ルーグが、教団より戴冠を受け~
アドラステア帝国からの独立を果たして以来~
400年以上にわたり王国を統治してきた。▼~
王都フェルディアとその周辺を領土とし、~
フォドラ北部の諸侯を数多く従属下に置く。~
国王ランベールが1176年に没した後は~
その実兄にあたるイーハ大公リュファスが~
若年の王子に代わり領内の政を担っているが~
各地で争乱が続き、体制は揺らぎつつある。▼~
フラルダリウス家~
十傑の一人、フラルダリウスを祖とする一門。~
王国諸侯の中でも歴史の長い家の一つであり、~
”獅子王”ルーグの盟友であるキーフォンも~
英雄フラルダリウスに連なる者であるという。~
公爵の位に叙されている。▼~
ゴーティエ家~
十傑の一人、ゴーティエを祖とする一門。~
王国の最北に領土を持ち、二百余年にわたり~
”北方の民”スレン族による侵攻から国土を~
守護してきた。辺境伯の位に叙されている。▼~
カロン家~
十傑の一人、カロンを祖とする一門。~
鷲獅子戦争の時代に独立軍と聖教会の折衝を~
担ったことから、今も国内での典礼の場には~
カロン家の当主が立ち会う伝統が残っている。~
伯爵の位に叙されている。▼~
ガラテア家~
レスター諸侯同盟の一角を成すダフネル家が~
家督争乱により二分された際、ファーガスに~
帰順した一派が家を興し、後に伯爵の位に~
叙された。領地の大部分が寒冷な荒野であり、~
1170年代の初頭には大飢饉が起こっている。▼~
ローベ家~
もとは帝国北西部に領地を持つ貴族であったが~
領内に城塞都市アリアンロッドが築かれた際、~
帝国に反旗を翻し、アリアンロッドを含む~
所領ごと、ファーガス神聖王国に帰順した。~
その功を以て、王家より伯爵位に叙される。▼~
クレイマン家~
元来、王国西部の一城主に過ぎなかったが、~
1176年に行われたダスカー半島の征伐で~
大功を立て、王家より子爵の位に叙された。~
封土としてダスカー半島を与えられている。▼~
**同盟貴族名鑑 [#q1d2936a]
レスター諸侯同盟領の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版。▼~
リーガン家~
十傑の血統で、レスター諸侯同盟の盟主格。~
881年の三日月戦争を経て、王国からの~
独立と諸侯による共和制の樹立を主導した。~
以来、円卓会議の主催者の役を担っている。▼~
公爵の位は同盟成立以前に王国より叙された~
爵位を根拠とする。なお、現リーガン公の~
嫡男ゴドフロアは公務中の事故により他界。~
ほかに女子もいたが現在は消息不明である。▼~
ゴネリル家~
十傑の血統。レスター地方東部に領地を有し、~
パルミラ軍との攻防において中心的役割を~
担ってきた武門の家柄。殊に次期当主である~
ホルスト卿は同盟随一の勇将として知られる。▼~
コーデリア家~
レスター地方南東部に領地を有する伯爵家。~
1167年、帝国貴族フリュム家の内乱に~
関与したことを契機に、帝国より内政干渉を~
受け続け、急激に国力が低下した。▼~
グロスタール家~
十傑の血統。レスター地方東部の伯爵家。~
現当主は渉外に長けた野心家で、円卓会議で~
議決権を有する五大諸侯の中では、盟主格の~
リーガン家に次ぐ発言力を有している。▼~
エドマンド家~
レスター地方北部に領地を有する辺境伯家。~
良港を活かした交易重視の政策で国力を貯え、~
五大諸侯に名を連ねるまでに成長した。~
現当主は能弁家としても知られている。▼~
ダフネル家~
十傑の血統。かつては同盟の五大諸侯に名を~
連ねていたが、家中の分裂により勢いを失い、~
ここ何代かは紋章持ちの当主も現れていない。~
名家としての存在感は現在も保ち続けている。▼~
**大修道院地下の調査書 [#haf31198]
……侵入経路があるようだ。~
引き続き調査を進めることが望まれる。~
また、数年ほど前から士官学校に~
いられなくなったものを収容するための~
学級が存在していることが判明した。▼~
その名も“灰狼の学級”。~
所属する面々の大半は、士官学校の~
元生徒らしいが、教師らしき者もおらず~
学級とは名ばかりの吹き溜まりと思われる。▼~
住人から聞き出したところ、よく名前が上がった~
のは主にユーリス、コンスタンツェ、ハピ~
バルタザールの4人である。教団がこの学……~
(古びた報告書のようだ。~
読める部分はあまり残っていない)▼~
**地下の住人からの手紙 [#x6789061]
……近頃、鼠通りに住み処を移してね。~
“灰狼の学級”の連中と知り合ったんだ。~
何でも士官学校の元生徒で~
表通りを歩けなくなったような奴らが~
集まっている学級なんだと。▼~
バルタザール、コンスタンツェ、~
ユーリス、ハピ……~
みんな癖はあるが、悪い奴じゃなさそうだ。~
特にバルタザールの金……~
(薄汚れた紙に汚い字で書かれた手紙だ)▼~
**地下の番人からの手紙 [#b9c989ea]
久しぶりですね。~
こっちも本日は異常あり、ですよ。~
前に“灰狼の学級”の話はしたでしょう?~
地上の士官学校からあぶれた若者たちの~
集まりです。▼~
特に危ない奴らが3人いるって書きましたけど、~
とうとう4人に増えましてね。~
ユーリス、ハピ、コンスタンツェ、~
そして、バルタザール……~
こいつらは本当に困ったもんです。~
面白い相手ではあるんですがね。▼~
この前なんか大修道院へ抜ける~
大きな穴を見つけ出しちまいまして。~
慌てて俺たちで岩を持ち寄って……~
(癖のある字でびっしりと書かれた手紙だ)▼~
**諸遊紀行 [#zc3cafc5]
***諸遊紀行1 [#bc0da826]
主にフォドラの外の世界について書かれた記録。~
著者は不明だが、実際に各地を旅した者が~
書いているようだ。▼~
パルミラ~
フォドラの東にある大国。険峻な山岳地帯~
"フォドラの喉元"を領界として、レスター~
諸侯同盟領と接する。騎馬民族の血を引く~
者たちであり、戦いを好む。広大な国土は~
肥沃な大草原、砂漠、大連峰など地形に富む。▼~
アルビネ~
フォドラの北西にある大地。寒冷な気候で、~
貴重な動植物が数多く生息しているものの、~
厳寒と穀物の育ちにくい凍土のため、暮らす~
人々の数は少ない。▼~
モルフィス~
フォドラの南東にある魔道の都の名であり、~
その都市を中央に置く広大な砂漠の名でも~
ある。"幻の都"とも称された時代も~
あったが、細々と繋がる行商の道を通して、~
偉大にして摩訶不思議な魔道の噂が伝わる。▼~
ダグザ~
フォドラの南西にある大地。遥か遠方であり、~
その地は焦熱の密林であるとか、冷涼な~
大高原であるとか、噂を挙げれば枚挙に~
暇がない。そしてそれらは半ば事実であり、~
南北に長い大地に様々な地形を有している。▼~
***諸遊紀行2 [#p114afd0]
主にフォドラの外の世界について書かれた記録。~
著者は不明だが、実際に各地を旅した者が~
書いているようだ。▼~
ブリギット~
フォドラとダグザの間に位置する島々。~
穏やかな海と豊かな緑に覆われた大自然の~
結晶とも呼ぶべき地であり、フォドラと~
ダグザの間で支配権が争われてきた。▼~
スレン~
フォドラの北にある巨大な半島の名だったが、~
今は北半分をスレン地方と呼び、南半分は~
ファーガス神聖王国の領土となっている。~
荒涼とした大地には好戦的な民族が住まう。~
岩砂漠が広がっている一帯もある。▼~
ダスカー~
フォドラの北、スレンの西側にある半島。~
かつて暮らしていたダスカーの民は滅び、~
ファーガス神聖王国の領土となっている。~
取り立てて何もない土地だが、珍重な鉱物が~
見つかるという噂もある。▼~
オグマ山脈~
フォドラの中央からやや南に広がる大山脈。~
西は帝国と王国の境界となり、ガルグ=マクを~
囲いながら帝国を縦断するように伸びる。~
他では見られない動植物も多く、また豊富な~
鉱物を有する。▼~
**フォドラの歴史 [#ue688e32]
***フォドラの歴史1 [#x8c5e9f4]
長きにわたり、世は乱れ民は苦しんでいた。~
”解放王”を僭称する邪なる者ネメシスは、~
争乱を喜び、流血を讃うる。~
フォドラの氏族たちは、糾合されることなく~
ただ奪い合い、殺し合っていた。▼~
帝国歴 前41年~
聖セイロスの出現~
聖者セイロス、アンヴァルの地に現る。~
セイロスは多くの奇跡をもたらし、~
人心をよく集め、集いた人々は~
セイロス聖教会を組織す。▼~
帝国歴 元年~
アドラステア帝国の建国~
国の名は神託を以て定む。~
アンヴァルを都としてフォドラの南を治め、~
聖者セイロスもこれに力を与う。▼~
帝国歴 32年~
英雄戦争の起こり~
初代アドラステア皇帝、~
ヴィルヘルム=パウル=フレスベルグ。~
フォドラの統一のため兵馬を挙げ、~
力をほしいままにする各地の氏族を討滅す。▼~
帝国歴 46年~
グロンダーズの会戦~
ネメシスに味方する氏族の連合軍と、~
アドラステア帝国軍が平原で激突す。~
帝国軍が大勝を収むる。▼~
帝国歴 91年~
タルティーンの会戦~
ネメシスに味方する氏族の連合軍と、~
帝国軍が再び激突す。邪なる者ネメシスは~
ここに死して、帝国は勝勢を定むる。▼~
帝国歴 98年~
英雄戦争の終結~
皇帝ヴィルヘルム1世の後を継いだ~
リュカイオン1世が急病にて崩御す。~
フォドラの大半を支配するに至っていた~
帝国は、これを機に戦いに幕を下ろす。▼~
***フォドラの歴史2 [#b1cd069f]
帝国歴 721年~
第一次ミアハ戦役~
海を越えてダグザ軍が襲来す。~
帝国軍はこれを撃退するものの、~
ミアハ地方は少なからず被害を受ける。▼~
帝国歴 728年~
ブリギット侵攻~
帝国軍、ダグザに協調していた~
ブリギット諸島に侵攻す。~
勝利し、ブリギットの民を従属させる。▼~
帝国歴 731年~
ダグザ侵攻~
帝国軍、ブリギットを足掛かりに~
ダグザに大規模な侵攻をかけるも、~
武運つたなく敗退す。▼~
帝国歴 747年~
ファーガスの乱~
かつて帝国と争った氏族の子孫、ルーグが~
帝国からの独立を求めて挙兵す。~
ファーガス地方を巻き込んだ争乱となる。~
この一連の争乱を”鷲獅子戦争”とも呼ぶ。▼~
帝国歴 751年~
タルティーンの戦い~
ルーグら独立軍が帝国軍に大勝。~
セイロス聖教会が二者を仲裁し、ファーガス~
地方はファーガス神聖王国として独立す。▼~
帝国歴 801年~
レスター大乱~
帝国のレスター地方で内乱が勃発す。~
帝国軍は鎮圧に失敗。神聖王国がこれに~
乗じてレスター地方を制圧し、領土とす。▼~
帝国歴 861年~
ファーガス神聖王国分裂~
国王クラウス1世の崩御に伴い、~
3人の王子がそれぞれ大公となり、~
王国を三分割して統治す。▼~
帝国歴 881年~
三日月戦争~
王国のレスター地方を治むる大公が病没す。~
レスター地方の諸侯は、次の大公を立てず、~
諸侯の共同体となることを画策す。▼~
帝国歴 901年~
レスター諸侯同盟領の成立~
諸侯同盟に反目する諸侯を討伐し、~
ファーガス地方からの干渉も排除した~
リーガン公を中心に、同盟領が成立す。▼~
帝国歴 961年~
パルミラ襲来~
東の大国パルミラ、フォドラの喉元を~
越えて同盟領に侵攻す。~
帝国軍らも派兵され、からくも撃退す。▼~
帝国歴 1101年~
フォドラの首飾り築造~
パルミラの襲来を防ぐべく、~
同盟・王国・帝国が一丸となり、~
フォドラの喉元に要塞を築造す。▼~
**とある兵長の日誌 [#ee4b8fc5]
青海の節 2の日 曇り~
蛮勇を誇るパルミラの大軍を前に、我々は前線を後退せ~
ざるを得ず、喉元に急増した砦に籠もるしかなかった。~
もしこの砦を抜かれれば、パルミラのレスター侵入を許~
すことになる。なんとしても防がなくては。▼~
~
青海の節 5の日 曇りのち雨、風強し~
攻勢を緩めぬパルミラ勢に対し、得意の弓を以て応戦す~
るも、折からの風雨が邪魔をして、思うように狙いが定~
まらない。明日にも帝国軍の弓箭隊が増援として到着す~
ると聞いているが、この天候が続くなら、弓兵では戦力~
の足しにはならないだろう。どうしたものか……。▼~
~
青海の節 6の日 雨、風強し~
風雨が続いている。合流した帝国の弓箭隊が放つ矢は、~
案の定、虚しく地に刺さるばかりだった。~
帝国軍は軍師風の男も連れていたが、役に立つとは思え~
ない。彼は何かの器具を使ったり紙に数字を書いたりす~
るのに忙しく、作戦の一つも出してこないのだから。▼~
~
青海の節 7の日 曇り、風強し~
突如、軍師風の男は帝国と同盟の弓兵を集めてそれぞれ~
に細かな数字を示し、狙うべき方向と射角を修正するよ~
う告げた。半信半疑ながら指示どおりに修正して弓を射~
ると、矢は面白いように敵に命中し始めた。~
「計算どおりだ」と語る彼は、何と数学者だそうだ!▼~
~
青海の節 10の日 快晴、無風~
敵の攻勢が弱まるのと同時に風も止み、ようやく反撃の~
好機を得る。数学者殿がいなければ、ここまで耐えられ~
なかったはずだ。勝利したのち、もし再会が叶ったなら~
ば、必ず伝えよう。数学者殿こそ、この戦いの一番の功~
労者であったと――▼~
**ダグザ戦記 抜粋 [#w198c789]
帝国歴731年 大樹の節~
ブリギットを無事に発った我らが船団は、気候にも恵ま~
れ、ついにダグザの大地をこの目に捉えた。やけに白い~
砂浜の向こうに、不気味な森林が広がっている。情報で~
はこの辺りに集落があるとのことだったが、建物どころ~
か船や人影も見当たらない。北と南、どちらに舵を……▼~
~
……突然、ぱらぱらと矢が飛んでくる。木々の間から敵~
に狙われたらしい。不意を突かれた兵士たちが幾人か倒~
れ、慌てて盾を上げて身体を隠す。だが矢の数も勢いも、~
思ったほどではない。ダグザ軍は帝国のミアハ地方、そ~
してフリギットでかなりの兵を失っている。防衛する戦~
力が残っていないとは思わないが、思ったより容易……▼~
~
……ヒュミル子爵の嫡男が率いる第三船団は、入り江の~
中に誘い込まれた。敵の罠だった。なぜ気づけなかった~
のか。我々は岬の東端をぐるりと回頭したつもりだった~
が、霧の向こう、南側にも海岸があったのだ。行き場を~
失った船の櫂同士がぶつかり、先頭の船は座礁したのだ~
ろう、すでに傾き始めている。我々の目の前で、仲……▼~
~
……海が燃えている。いったいどんな魔道を使ったと言~
うのだ。炎の蛇は徐々に我々の船へとその舌を伸ばして~
いる。外洋に広がった敵の船陣。あれを突破せねば誰一~
人として生きては帰れない。いや、陛下にこの敗戦を報~
告することを考えると、ここで死んだほうがと思わない~
でもないが、我々が誇りを捨てるなどあってはなら……▼~
~
……ブリギットは反旗を翻し、寄港しようとした船の半~
分を沈められた。口惜しいが、今は逃げることしかでき~
ない。連中はダグザが負けたからこちらに尾を振ったに~
過ぎなかった。こちらが負ければ再びダグザに尾を振る~
だけだ。元より言葉も通じぬ小島の住人、しかし王が欠~
片も約定を守る気がなかったとは。いや、そもそも……▼~
~
……ヌーヴェルの街が見えてきた。我らは生き延びたの~
だ。ギヌンギの港を出た時に比べれば、船の数は十分の~
一以下に減ってしまっている。壊滅としか言いようがな~
い。そして戦果は皆無どころか、ブリギットとの関係を~
も失った。ダグザの民は恐ろしかった。空を舞い、海を~
焼き、森を飛び回り、突然に牙をむく。奴らはいっ……▼~
**パーソロン戦史 [#e071d956]
892年 竪琴の節~
スレン族による大規模な侵攻。彼らはルスカ山脈を越え~
てファーガス北部に攻め入り、そのままファーガス地方~
へと南下。ファーガス王バンフィグは、ブレーダッド領~
北部からフラルダリウス領北部にかけて、各地にコナン~
など数多くの城塞を築き、これを迎撃する。▼~
892年 飛龍の節~
ついにスレンを撤退せしめたファーガスは、一転攻勢に~
出るも、スレンの抵抗と猛吹雪のために侵攻を断念。こ~
れを以て戦いに終止符が打たれる。この戦役で最も功を~
上げたのは、王家の騎士にして十傑ゴーティエの裔であ~
る若き猛将、レティシア=ゾエ=ゴーティエであった。▼~
896年 大樹の節~
バンフィグは王領の北部をレティシアに割譲。彼女を辺~
境伯に叙し、国境の守護を命じた。その後、レティシア~
はスレンとの境であるルスカ山脈に数多くの砦を築くと~
ともに、セイロス聖教会に“破裂の槍”の返還を求める~
など、北方の守りを堅固にすべく務め……▼~
……~
1169年 翠雨の節~
夏を待ち、ファーガス王ランベールは共に北部を統べる~
ゴーティエ・フラルダリウス両家と連合して、スレンへ~
と兵を向ける。王国軍はルスカ山脈の砦の一つに拠って~
陣を張り、スレン軍との戦端を開いた。▼~
1169年 角弓の節~
王国軍は順調に半島北西へと攻め上るが、族長オレグ率~
いる軍と交戦中、突如戦場に巨大な獣が闖入。両軍共に~
大打撃を被る。ランベールは重傷を負い、オレグは谷底~
に姿を消した。オレグの子は、己の末子であるレフを人~
質としてゴーティエ家に差し出し、和平を願い出た。▼~
**挿絵に描かれた紙の束 [#v5b6dbbd]
第一幕 あらすじ~
アドラステアの村娘リヨラは、オグマの山々の麓に広~
がる深い森の中に迷い込んでしまう。不思議な霧の立~
ち込める森を抜けた先で彼女が出会ったのは、巨大な~
謎の存在。長い一角を持つ飛竜にも天馬にも似た生き~
物だった。▼~
~
第二幕 あらすじ~
巨大なそれを恐れて逃げ出したリヨラだったが、魔法~
のかかった霧を抜け出すことができず途方に暮れてし~
まう。やがて霧の中から怪しい青年が現れると、彼女~
に声をかける。「この先に私の家がある。そこで休む~
といい」と。▼~
~
第三幕 あらすじ~
深い森の中での奇妙な共同生活が始まった。青年は腕~
が立つ狩人のようであり、様々な道具を作る鍛冶師の~
ようでもあった。やがてリヨラは彼に惹かれていく。~
そんな彼女に待っていたのは、再びの巨大な生き物と~
の出会いだった。▼~
~
第四幕 あらすじ~
この森の事実を知ってしまったリヨラは、深い葛藤に~
悩まされることになる。青年はそんな彼女の様子……~
~
(ミッテルフランク歌劇団によって上演されたことの~
ある、演劇の筋書きのようだ)▼~
**クラウス王の死 [#s8cf39a8]
第九章 王の難題~
クラウス王が熱病によって死の床に伏し、~
王子クルーフォーはひどく頭を悩ませていた。~
あまりにも急な病であったものだから、~
彼の偉大なる父親は、兄弟の誰が~
王位を継ぐのかを定めていなかったのだ。▼~
兄のバンフィグは軍略と武芸の才に恵まれていたが、~
本人は戦争と権力を好まぬ穏やかな人柄だった。~
裏を返せば、それは君主には向かぬということだ。~
弟のカイトは、父に似てとても聡明であり、~
またいかなる時も非情に徹することができたが、~
それゆえに騎士たちからは冷徹と恐れられていた。▼~
クルーフォー自身は兄弟と違って紋章を持たず、~
王家の者が持つべき膂力も持ち合わせなかった。~
それゆえ彼は、自分が兄や弟と王位を争えるとは~
露ほども考えていなかったのだが、~
兄と弟が王位を巡って殺し合うさまを想像すると~
それだけで身を裂かれるような思いがした。……▼~
……ある時、クラウスの妹のモリアンが、~
兄が記したという書きつけを見つけてきた。~
そこには「最も民に愛された者が玉座に就く」と、~
一言だけ、確かにクラウスの筆跡で記されていた。~
このたった一言の書きつけが、血で血を洗う、~
悲劇の継承戦争のきっかけとなったのである。……▼~
……騎士たちの争いの後、ファーガス王国は~
どの王子を奉じるべきかを巡って三つに割れた。~
ファーガス地方の騎士たちはバンフィグを、~
ミアハ地方の騎士たちはクルーフォーを、~
そしてレスター地方の騎士たちはカイトを支持した。~
彼らはそれぞれ、国土を三つに分割して継承し……▼~
……彼女は歯の根を鳴らし謀の失敗を悔やんだ。~
目をかけていたカイトを王位に就けるつもりが、~
企ては凡庸なるクルーフォーによって暴かれた。~
多くの犠牲を払い、三人の兄弟は武器を捨て……~
(どうやらファーガスの歴史に取材した物語のようだ)▼~
**物語の紙片 [#k5a288f9]
終章~
王を名乗る男が、腰に下げた革袋から小さな笛を取り~
出して思い切り吹く。すると夜空に大きな黒い影が現~
れ、男のそばに飛竜が舞い降りる。目を見張る娘に向~
かって男は事もなげに言う。~
乗るも自由、乗らぬも自由。好きな方を選べ。▼~
~
戸惑う様子もなく飛竜に歩み寄る娘に、王の家来を名~
乗る男が声をかける。~
あなたはどこかの領主の娘だという。それが本当なら~
ば住み慣れた土地での暮らしに不憫などないはず。そ~
れを捨ててまでなにゆえ我が王の気まぐれに付き合う~
のか?▼~
~
娘は家来を名乗る男に笑顔を向けて答える。~
彼は私にまだ見ぬ景色をみせてくれるでしょう。その~
ために私はすべてを投げ出そうとしている。馬鹿げた~
選択かもしれませんが、これは私の気まぐれです。そ~
んな気まぐれに我が身を委ねる時、人は真の自由を手~
にすることができるのではありませんか……▼~
~
(実在の誰かを題材にした物語のようだが、~
前半が欠けており推定は難しそうだ)▼~
**古びた手記の断片 [#n566bfd0]
弧月の節 15の日~
南方教会に属する“紅の騎士団”に怪しい動きあり、と~
の報告が入ったようだ。前節の末に皇位継承が成ったば~
かりだというのに……いや、だからこそか。しかし目的~
がわからない。中央教会は関与しているのか? 紅の騎~
士団も元はセイロス騎士団の一部隊。大司教が空位……▼~
~
孤月の節 19の日~
一連の動きに、先日爵位を継いだヴィトーリア=フォン~
=フリュムが関与している線が濃厚になった。彼女は限~
ヴァーリ伯の娘。紋章持ちだが兄もそうであり、兄が嫡~
子に、彼女は紋章持ちが生まれなかったフリュム家に嫁~
ぎ、当主となっていたのだ。噂では彼女は教務卿に……▼~
~
孤月の月 20の日~
フリュム家の騎士団の一部と共に、“紅の騎士団”が蜂~
起した。情報が漏れたため事を急いだのだろう。彼らは~
ヴァーリ伯の蟄居およびフリュム伯の教務卿就任を求め~
ているとのことだが、今の陛下は誇り高きお方。お膝元~
に近い南方教会領での武力蜂起など絶対に許さない……▼~
~
大樹の節 7の日~
ヴァーリ伯が亡きヴィトーリアに教務卿の座を譲ること~
を条件に、兄を嫡子にするという密約を前陛下と結んで~
いた事実が判明された。伯は前陛下が病没されたのを良い~
ことに反故にしたようだ。だが、彼女も南方教会と密通~
し、事を起こすに至った点では大いに責任がある。……▼~
~
大樹の節 12の日~
南方司教の追放と南方教会の取り潰しが決まった。全土~
に衝撃が走ったことだろう。中央教会からどれほどの抗議~
が来るかはわからないが、陛下は教団と距離を取ること~
を望まれたのだ。この件の前では、ヴァーリ伯の引退や~
フリュ厶子爵の後継問題など霞んでしまう。かくいう……▼~
~
(誰かの日記のようだ。それなりの地位のあった者だ~
と思われるが、大部分が欠けてしまっている。)▼~
**古びた手紙 [#z0919852]
父上、母上~
こうして手紙を書くのは4節ぶりですね。~
寒い日が続きますが、恙なくお過ごしでしょうか。~
こちらは師匠の無茶苦茶な修業に付き合わされたり、~
危うく殿下に骨を折られかけたりと大変でしたが、~
まあ何だかんだ、それなりに楽しくやっています。▼~
今回手紙を書いたのは、角弓の節のダスカー行きに~
私も同行することになった、とお伝えするためです。~
以前お会いした際、父上は随分心配していたようですが~
私も……な鍛え方はしていませんし、いざとなれば~
「盾」にはなれるでしょう……なんて冗談を言ったら、~
まったく笑えない、と殿下に小言を……ましたよ。▼~
ダスカーとの会談が終わって落ち着いた頃にでも、~
一度……貰って、……の城に帰るつもりです。~
フェリクスがどれだけ……上げたか確かめたいですし。~
くれぐれも……を怠るな、と言っておいてください。~
私はともかく、殿下に勝ちたいと思っているなら、~
大岩を担いで山を走り回る……はしてもらわないと。▼~
追伸。~
先日、……から上等な短剣を賜ったので、~
手紙と一緒にガラテア領に……させました。~
もし彼女がフラル……ウス領に来ることがあれば、~
いつも寂しい……をさせて済まないと伝えてください。~
……=ゴーヴァン=フラルダリウス▼~
(誰かが家族に宛てた手紙のようだ。~
ところどころ文字が滲んでおり、読みにくい)▼~
**司教に宛てた古い書簡 [#i7217a02]
……会合の開催を呼びかけたクローディア夫人を始め、~
ダフネル家に生まれた女性たちは伝統的に“烈女”と呼~
ばれるに相応しい勇気と行動力、それに強情さを備えて~
いたそうですが、貴女もまた例外ではなかったのでしょ~
う。▼~
~
いまだ平穏とはほど遠いレスターにあって、あえて東方~
騎士団を解散するなど、誰が予想できたでしょうか?~
もちろん、諸侯の多くは貴女の考えを理解し、今回の決~
断を賞賛していますが、同時に大きな懸念を抱いている~
ことも事実です。▼~
~
貴女は剣を捨てると仰いましたが、盾までも捨てるのは~
時期尚早と言わざるを得ません。そこで、我々は貴女~
に一つの提案をさせていただくことに決しました。~
すなわち今後、当家が東方騎士団に代わる東方教会の盾~
となることを認めていただきたい。▼~
~
これを受け入れてくださるならば、貴女の考えに難色を~
示している大司教の諮問をかわすこともできましょう。~
夫人も、義理の妹である貴女を大変に心配しておられま~
す。そこも踏まえて、どうかお聞き届けください。~
貴女に主の加護のあらんことを。~
ハンス=フォン=ネルソン▼~
**セイロスの書 [#tf08ad06]
***第一章 啓示録[#oad74972]
女神は天であり、女神は大地である。~
今にあり、昔にあり、やがて来るときにある。~
かの目はすべてを見通し、かの耳はすべてを~
聞き、かの手はすべてを受け止める。▼~
女神の証を受け取りし者、~
言葉を預かりし者、すなわちセイロス。~
天の、大地の御使いとして、~
セイロスは恵みと平安をあなた方に届ける。▼~
女神よりの全能を以て。~
セイロスは、女神の剣として邪を除け、~
セイロスは、女神の子として王を封ず。~
セイロスは、女神の翼として人を導き、~
セイロスは、女神の声として愛を説く。▼~
その剣に、あなたの剣を委ね、~
その王を、あなたの上に戴き、~
その翼で、あなたの生を助け、~
その声が、あなたの心を赦す。~
あなた方に女神の加護あらんと。▼~
***第二章 創世記[#ic888054]
曇りなき大海に、まずフォドラがあった。~
遙かなる旅を終えし女神は、~
フォドラを見出し、降り立たれた。~
女神は生きとし生けるものを創りたもうた。▼~
女神は草木を創り、鳥獣を創り、~
そして最後に、人を創りたもうた。~
人は力を欲し、女神はそれに応えられた。~
天の恵み、大地の恵み、そして魔の恵み。~
人は魔道を得、力を増した。~
力が邪を呼び寄せるとも知らずに。▼~
女神の加護のもと、人は生きた。~
より多くを成し、より富み栄え、~
いつしかフォドラで最も力ある存在となった。~
しかし、北より、邪なる存在が訪れる。~
大地を蝕み、天を穢す、邪。~
フォドラに混迷が、訪れる。▼~
邪なる侵略に対するため、~
女神は力を創りたもうた。~
超常の武具と、そを使うための血。~
人はその力を手にし、邪と戦った。~
邪を討ち破り、北へと追いやった人々。~
彼らは英雄と呼ばれた。▼~
英雄らは数百年を生きたが、やがて~
その命も尽き、後には血と力のみが残る。~
英雄の血に宿りし力を“紋章”と呼び、~
英雄の振るいし力を“英雄の遺産”と呼ぶ。~
かくして、新しき時の縁は、紡がれていった。▼~
英雄の子孫たちは、血を求め、力を求めた。~
やがて彼らはすべてを巡って争い始める。~
紋章を、遺産を、土地を、富を。~
邪なる存在を打ち果たすための女神の力は、~
人の欲によって争いの道具となった。~
女神はそれを嘆き、天に姿を隠す……▼~
***第五章 主の五戒[#k6e35ce2]
一、あなたは主の存在と、主の力を~
疑ってはなりません。~
一、あなたの神、主の名をみだりに~
唱えてはなりません。▼~
一、あなたは父と母と、主に連なる者を~
敬わねばなりません。~
一、あなたは主より与えられた力を~
正しく使わねばなりません。~
一、あなたはみだりに人を殺め、傷つけ、~
嘘をつき、盗みを働いてはいけません。▼~
主はすべての美しきものを是とします。~
主は、愛、絆、喜び、平和、信心、親切、~
自律、謙虚さ、我慢強さ、これらのものを~
否定することはありません。~
主の導きに従えば、自ずと主の五戒は~
守られるのです。▼~
**麗しき聖人の系譜録 [#s5862b6d]
……という事実があり、真偽は定かではないのだが、本~
書においては考慮しないこととさせていただく。~
さて、前段が長くなってしまったが、「麗しき聖人」と~
聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、やはり聖~
マクイルその人であろう。宝石にも喩えられる彼の美貌~
を歌う詩歌は数知れず、中でも乙女の頬を撫でる風▼~
……大きな翼が 風を呼びました~
空から虹が 降り注ぎました~
おお、美しきあなたよ~
その炎でわたしの心を焼き尽くして~
これは聖マクイルについて歌った帝国初期の女性詩……▼~
……一人忘れてはならないのが、聖キッホルである。彼~
は数多の浮き名を流したという説と、一途な愛を貫いた~
という説がある。聖人たちの多くが婚姻を結んだ記録が~
ない中で、はっきりと結婚したと明言され、その娘まで~
もが聖人に列されている事実から鑑みれば、後者の説が~
有力であろうと私は考える。何よりロディ海岸には……▼~
……以前の存在として、およそ空想の域を出ない話では~
あるが、聖ルカという子だくさんの聖人がいる。彼は恋
~
多き男であり、多くの愛を育み、多くの命を生み出した~
とされるのだ。ただしその姿も多岐に富んでおり、果た~
して本当に「麗しき聖人」だったのか。何らかの力によ~
り姿を変えていただけではないのかと考えると、い……▼~
(聖人についての本のようだ。~
人物画が多く載せられている。~
かなり読み込まれた形跡がある)▼~
**紋章学の謎の書 [#n48b11a9]
第13章 獣の紋章~
またの名を"モーリスの紋章"という。千年以上前、~
ネメシスに従った11人の氏長の1人モーリスが持っ~
ていたとされる。モーリスは勇敢な戦士であった。若~
くして剣一本で巨狼を討ち、氏族の英雄と褒め称えら~
れた。すぐに父を倒して長の座を継ぐと……▼~
……モーリスがいつ紋章を授かったか定かではない。~
一説にはネメシスとの一騎打ちに敗れ、彼の下で戦う~
ことを誓った時といわれている。あるいは邪なる存在~
を目の前にした時、ネメシスから預かった英雄の遺産~
"ブルトガング"がその思いに応えて輝いたともいわ~
れている。いずれにせよ彼が剣と共に……▼~
……帝国軍にとってモーリスと"ブルトガング"はま~
さに"災厄の獣"であった。彼の剣は殺すことに特化~
していた。特に馬上や空中の敵は良い「的」だった。~
戦場を駆け巡るモーリスは多くの将兵を殺し、ついに~
は聖戦士の一人を殺すに至った。返り血を浴びた彼の~
姿には、敵のみならず味方も恐れを抱いたという……▼~
……グロンダーズの会戦以降、戦場が北上するにつれ~
てモーリスは正気を失っていった。その契機が何だっ~
たのかも定かではない。彼はいつの日か敵陣を突破す~
るとそのままどこかへ姿を消した。戦場の北には、霧~
の立ち込める広大な森があった。捜索の兵が一人とし~
て戻らなかったミルシャの魔の森が……▼~
……獣の紋章は散り散りに野に下ったモーリスの息子~
たちに受け継がれていた。彼らは他の氏族の家や、帝~
国を厭う領主の陰に隠れて密かに生き続けた。やがて~
忌避すべき紋章が表沙汰になると、その持ち主はなぜ~
か急な病に倒れ、あるいは事故に遭ってすぐ命を落と~
した。そうして誰もが獣の紋章を隠そうと……▼~
**フォドラ怪奇談 [#he31e23c]
フォドラ怪奇談“血の果実”~
かつて戦場となり多くの血が流れた地には、血のよう~
に赤い果実が生るという。小さな粒が幾重にも重なっ~
たそれは甘く、かじりついた者の渇きをも満たすが、~
気づけばそれなしには生きられなくなり、やがて……~
グロンダーズ地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“彷徨えし獣”~
ミルシャの魔の森に霧が立ち込める夜、この世のもの~
とは思えぬ叫び声が響きわたる。そんな夜は絶対に森~
に入ってはいけない。生きて帰ってきた者がいないか~
らだ。血に飢えた獣が霧と共にやってくる……。~
レスター地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“地の底の亡霊”~
地の底から響く恐ろしい声。それは女神の御許に辿り~
着けず、薄暗い死の国を彷徨い続ける死者の怨嗟の声~
であるという。彼らは陽の光の下を行く生者を妬んで~
おり、時には地底へと引きずり込んでしまう……。~
ファーガス地方の伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“ダナの砂嵐”~
北には侵入者を拒む砂漠があるという。砂漠のふちを~
行商人が通るだけでは現れないが、何かを求めて砂漠~
の中へと足を踏み入れると辺りの景色は一変。巨大な~
砂嵐が巻き起こり、入った者を切り裂くという。~
地域不詳の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“霧の巨人”~
夜明けちょうどに山に入ると、霧に包まれてしまうこ~
とがある。そんな時はうずくまって霧が晴れるのを待~
つのだ。決して逃げ出してはいけない。あなたを踏み~
潰せるほどの巨大な霧の巨人が迫ってくるから。~
ファーガス地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“死神の鎌”~
赤狼の節、満月の晩には窓を塞いで寝なければいけな~
い。なぜなら大きな鎌を持った死神が命を刈りに来る~
から。外を出歩くなどもってのほかだろう。血をすべ~
て吸い取られた死体となって発見される……。~
ミアハ地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“赤い悪魔”~
穏やかに見える“白角海”の底には赤い悪魔が眠って~
いる。悪魔は船から落ちる者がいると、すぐに手を伸~
ばして沈めてしまう。それを防ぐには油を……~
(フォドラの各地に伝わる怪奇を集めた書のようだ)▼~
*コメント [#ye82d7db]
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*資料 [#h317f93b]
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**帝国領地名鑑 [#p81cd0a8]
***帝国領地名鑑1 [#tbbc1c6c]
アドラステア帝国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
フレスベルグ領~
皇帝直属領。帝国南部に突き出た半島の大部分を占め~
る。広く南の海に面し、温暖で暮らしやすい気候が特~
徴。帝都アンヴァルはフォドラ有数の港町でもある。~
領内は商業と漁業が特に発展しているほか、帝都の東~
は森林地帯になっており、狩猟や林業も盛ん。▼~
エーギル領~
公爵領。帝国の東海岸、内海である“珠の海”に面す~
る。領港ボラマスはアンヴァルと並ぶ良港であり、魔~
道都市モルフィスを含む東方諸国との交易で賑わって~
いる。領内は漁業に加えて農業や、交易品や東方の技~
術を利用しての工芸も発達しており、豊かである。▼~
ベルグリーズ領~
伯爵領。アミッド大河からメリセウス要塞まで南北に~
広く、グロンダーズ平原の大半を領地とする。肥沃な~
土地で多種多様の穀物が栽培され、「帝国の台所」と~
まで言われる。また、馬の育成も盛んであるなど、帝~
国の軍事を支える一大地帯となっている。▼~
ヴァーリ領~
伯爵領。東部がグロンダーズ平原、西部がオグマ山脈~
から成っており、特に鉄鉱山を多く抱えていることで~
有名。かつてはフレスベルグ領との境に南方教会領が~
あったが、今ではヴァーリ領に吸収されている。鉱業~
では他領の追随を許さぬ発展を遂げている。▼~
フリュム領~
子爵領。アミット大河と“珠の海”に挟まれる好立地~
にありながら、山がちな地形と湿地帯の多さが領地の~
発展を阻害している。北部の山中では近年、多くの遺~
跡が発見されており、その調査が進められている。▼~
フェニヤ領~
子爵領。フォドラ最南端の領地。東に浮かぶ幾つかの~
島の領有も主張しているが、支配の実態はない。温暖~
で乾燥した気候を生かして多くの貴重な農産物を栽培~
され、バクスや食用油の一大産地となっている。▼~
***帝国領地名鑑2 [#u7c4d014]
アドラステア帝国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ヘヴリング領~
伯爵領。オグマ山脈から西のミアハ海岸まで、東西に~
長い形をしている。帝国の東西を繋ぐミアハ街道を擁~
し、中央には要害たる領都モズグズがある。土地の肥~
沃さでは他領に劣るものの、豊富な資源や公益での優~
位性を活かした産業が盛んである。▼~
ゲルズ領~
公爵領。帝国の最北端に位置し、帝国では比較的涼し~
い気候が特徴。5年前のダグザ=ブリギット戦没で取~
り潰されたヌーヴェル家の領地を吸収し、最先端の地~
を有することとなった。東部の広大な台地は森林に覆~
われており、さらなる発展が期待されている。▼~
旧アランデル領~
大公領であったが、皇帝直属領に組み入れられた。~
“黒き森”と呼ばれる深い森が特徴で水源も多い。~
ギリング領~
男爵領。狭く険しい土地だが、貴重な鉱物が出る。▼~
オックス領~
男爵領。“フォドラの牙”と呼ばれる半島の北半分に~
位置する。北部には平野と大河、南部には産地と良港~
があり、領内の地形は多種多様だが、産業に突き抜け~
たものはなく、平凡な発展に留まっている。▼~
エッサー領~
子爵領。山で囲まれた巨大な盆地が特徴。領都は帝都~
を除けば帝国一の学術都市があり、魔道研究も盛ん。~
ロッキン領~
子爵領。西のヒュミル領と共に毛織物業が盛ん。▼~
ヒュミル領~
子爵領。東のロッキン領と共に毛織物業が盛ん。~
メニヤ領~
子爵領。入り江の多いミアハ海岸の西部を有する。漁~
業が盛んなほか、船舶の一大製造地でもある。▼~
マルティン領~
男爵領。新興の領地であり、特色は少ない。~
バルナバシュ領~
男爵領。ガルグ=マクの西、険しい産地と森林がその~
領地のほとんどであるが、木工業や果樹栽培で有名。▼~
**王国領地名鑑 [#jc7098a7]
***王国領地名鑑1 [#l5c9cb37]
ファーガス神聖王国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ブレーダッド領~
王領。領地の大半を寒冷な荒野が占めており、冬には~
一面の雪原へと姿を変える。経済の主軸は林業と鉱業~
であり、特に銀の採掘量はフォドラ随一を誇る。南西~
部には800年の歴史を持つカムロス大聖堂がそびえ~
立ち、古くから巡礼者たちの街として栄えてきた。▼~
フラルダリウス領~
公爵領。東西で異なる二つの顔を併せ持つ。穏やかな~
“白角海”に面する東部では漁業が、広大な針葉樹林~
を有する西部では狩猟や林業が盛んに行われている。~
南のダヌ川流域には穀倉地帯が広がっており、しばし~
ば北部で最も肥沃な土地と称される。▼~
イヴァン領~
公爵領。林檎の栽培とそれを原料とした酒造が盛ん。~
特に蒸留酒は、歴代の王に愛されてきた逸品である。~
旧クレイマン領~
子爵領であったが、現在は王家直轄領になっている。▼~
カロン領~
伯爵領。工芸、特に玻璃の製作が盛ん。大修道院の玻~
璃窓の製作と修繕はカロン領の職人が手がけている。~
エレボス領~
侯爵領。大修道院への北の玄関口として栄える。▼~
デュバル領~
伯爵領。各地にトータテス湖などセイロス教の聖地が~
点在しており、敬虔な信徒が数多く巡礼に訪れる。~
プライデリ領~
男爵領。岩塩坑を保有し、長く製塩業で栄えてきた。▼~
ベリナス領~
子爵領。目立った特産物はない。“獅子王”ルーグが~
盟友と共に決起した土地であると言われる。~
ブレナス領~
子爵領。領都は刃物の街として知られている。▼~
***王国領地名鑑2 [#u8d96c2c]
ファーガス神聖王国、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ゴーティエ領~
辺境伯領。フォドラの最北に位置し、国境のルスカ山~
脈に拠ってスレンの襲撃を防ぐ役割を担っている。領~
土の大半が針葉樹の森に覆われており、一年を通して~
機構は非常に寒冷。主な産業は林業と漁業だが、領都~
の周辺は草原が広がり、畜産業が盛んである。▼~
ガラテア領~
伯爵領。険峻な岩山や荒野が面積の大半を占める。荒~
涼とした土地。農耕には向かず、規模の大きな街もご~
くわずか。しかしフラルダリウス領との教会付近には~
天馬の好む牧草が群生しており、良質な天馬の生産地~
として知られている。▼~
ドミニク領~
男爵領。小さいが、風光明媚な土地である。沿岸諸都~
市は、アルビネとの交易により商業が発達している。~
ギディオン領~
子爵領。北の山間では、僅かだが金が産出される。▼~
ローベ領~
伯爵領。西部はアリアンロッドを中心に製鉄や鍛冶で~
栄えている。東部ではバクスの製造が盛んである。~
エリデュア領~
子爵領。西方教会の影響を受けた独特の文化を持つ。▼~
イーハ領~
大公領。領地の大部分を占めるイーハ平原で行われる~
小規模な狩猟と、傭兵の派遣が経済の中核を成す。~
マテウス領~
子爵領。古くから、漁業と造船を主産業としている。▼~
ゲライント領~
伯爵領。南部を流れるタラヌス川の流域は肥沃な平原~
であり、一面に牧歌的な田園地帯が広がっている。~
イーニッド領~
子爵領。良質な羊毛の産地として名高い。▼~
**同盟領地名鑑 [#da55e68f]
***同盟領地名鑑1 [#p8c4365b]
レスター諸侯同盟、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
リーガン領~
公爵領。肥沃な平原と草原が領地の大部分を占め、領~
都のデアドラは“水上都市”の異名を取る華やかな港~
街である。飛び抜けている分野はないものの、農業~
漁業、商業、製造業などあらゆる産業が活発であり、~
足りないのは鉱山資源のみだという。▼~
~
グロスタール領~
伯爵領。同盟ではリーガンに次ぐ大きさで、森林と~
平原からなる。酪農をはじめとした農業が盛んである~
と共に、林業や狩猟など豊かな自然を生かした産業が~
発展している。また古くから芸術が盛んで、領都であ~
るエドギアには多くの芸術家の工房が立ち並ぶ。▼~
~
ダフネル領~
侯爵領。西側に山地、東側にビムル川の河口を含む平~
野が広がる。王国との境界にあることと、デアドラと~
の往来が容易なことから、商業を中心とした多種多様~
な産業が発展する。領内には“煉獄の谷”アリルもあ~
るが、人の住める土地ではない。▼~
~
フレゲトン領~
子爵領。領地は小さいが、アミッド大河に架かる最大~
の橋ミルディンを有し、交易で巨利を得ている。~
~
シーワード領~
子爵領。山がちの小さな領地で目立った特産はない。▼~
~
オールバニ領~
子爵領。大修道院へ向かう巡礼者の中継地。~
~
バーガンディ領~
子爵領。大修道院への東の玄関口。アミッド大河の源~
流に近く、カレドニス台地などの自然も豊か。▼~
***同盟領地名鑑2 [#l46adf26]
レスター諸侯同盟、各領地の情報をまとめた名鑑。~
機密は書かれていないため閲覧および持ち出しの制限は~
特になし。~
1180年版。▼~
ゴネリル領~
公爵領。“フォドラの喉元”を含む起伏に富んだ地形~
が特徴で、そこから産出される貴重な輝石類は貴族の~
間で人気が高い。また、隣国パルミラとの小競り合い~
が頻発することから多くの騎士団や傭兵が集まり、彼~
らを相手とする商売が非常に盛んである。▼~
~
コーデリア領~
伯爵領。“フォドラの喉元”の南の付け根から西に広~
がり、南側はほぼアミッド大河に面している。それを~
水源として多様な作物が栽培されてきたが、近年では~
グロスタール領の発展に押されている。まだ酒造も盛~
んであり、コーデリア産のヴァダは高級品とされる。▼~
~
エドマンド領~
辺境伯領。レスター最北部と、その西に浮かぶ島を領~
地とする。多くの商人が属する交易の中心地であり、~
莫大な利益を上げている一方で、島には多くの海賊、~
北の対岸にはスレンの民がおり、近頃ではパルミラか~
らも船が来るなど、決して安全な地とは言えない。▼~
~
アダルブレヒト領~
男爵領。堅固な立地を生かして金融業が興っている。~
~
ミュラー領~
男爵領。狭い土地ながらほぼすべてを森林に覆われて~
おり、良質な材木をレスター各地に輸出している。▼~
~
ネルソン領~
子爵領。東方教会に接し、守護する役目を持つ~
~
クパーラ~
“山の民”が暮らす領域。厳密には諸侯同盟には含ま~
れていない。僅かながら周辺の領地と交流がある。▼~
**古びた高級な手紙 [#ffa88f50]
……来節、フェルディアで商談の予定があったが、~
あれは取りやめだ。今はそれどころじゃない。~
王様がダスカーの族長と会談をしに行くって話を~
覚えているな? その道中、王様の一団はダスカー~
の連中に襲われて、みんな死んじまったそうだ。~
生き残ったのは、小さな王子様一人だけと来た。▼~
すぐに誰かが軍をまとめて、ダスカーに討伐の兵~
を送ったそうだが、王様がいなくなった王都は、~
上を下へ大騒ぎってわけだ。~
ダスカーの民も馬鹿な真似をした。一部の過激な~
奴らのせいで、とばっちりを食うのだかな。~
この所業を思えば、当然の報いかもしれないが。▼~
ただ、ダスカーとの商売はもう駄目だろう。~
ゲネウラの近くは良質な金が採れる上、~
鍛冶屋の腕も良いだけにもったいないものだ。~
とにかく、私が帰るまで勝手な行動は謹んで……~
(商人が王都からどこかに送った手紙のようだ)▼~
**帝国貴族名鑑 [#dd0a943d]
***帝国貴族名鑑1 [#l845c22a]
アドラステア帝国の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版▼。~
フレスベルグ家~
大帝ヴィルヘルムを祖とする帝国の大貴族。~
1100年以上にわたって帝国を治める。~
その系譜は聖セイロスの血統をも有し、~
代々の皇帝はその身にセイロスの紋章を~
宿していたという。▼~
帝都アンヴァルとその周辺一帯を領地とし、~
帝国の内外で絶大な権力を誇ったが、~
1171年の七貴族の変により、貴族らに~
権能を剥奪される。また近年、立て続けに~
一族の者に不幸が起こっており、その支配~
体制には暗雲が垂れ込めている。▼~
エーギル家~
帝国でフレスベルグ家に次ぐ力を持つ公爵。~
当主がいつしか宰相の地位を歴任するように~
なり、今では実質的に世襲宰相の地位を~
有する。七貴族の変を主導し、帝国の統治に~
おける実権を握っている。▼~
ベストラ家~
フレスベルグ家の影であり、領地を持たない~
特殊な侯爵。帝国の暗部を牛耳っているほか、~
皇帝の補助、儀礼典礼、後宮、近衛などを~
含めた皇帝周辺の政務を担っていた。~
七貴族の変ではエーギル家に味方する。▼~
ヘヴリング家~
帝国の内務卿を世襲するようになった伯爵。~
主に政務、財務、法務などを担当し、その~
領分を巡って頻繁に軍務卿と対立している。~
領地の大半がオグマ山脈に属し、鉱業が~
盛んである。▼~
ベルグリーズ家~
帝国の軍務卿を世襲するようになった伯爵。~
皇帝直属軍以外の帝国すべての軍事を~
管轄とし、戦時には当主が大将軍として~
全軍を率いる。フォドラいちの穀倉地帯、~
グロンダーズ平原の大半を領地とする。▼~
ヴァーリ家~
帝国の教務卿を世襲するようになった伯爵。~
教務卿は主にセイロス聖教会との渉外が~
領分だったが、近年は教団と帝国が疎遠に~
なっているため、法務などにも干渉しては、~
内務卿との政争を起こしている。▼~
***帝国貴族名鑑2 [#h27d1123]
アドラステア帝国の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版。▼~
ゲルズ家~
帝国の外務卿を世襲するようになった公爵。~
外交や他国との交渉、中央と地方の紐帯を~
任とし、ダグザ・ブリギット戦役においても~
停戦協定の締結に尽力した。七貴族の変に~
加担してはいるが、他家とは一線を画す。▼~
アランデル家~
元は帝国の小貴族だったが、現当主である~
フォルクハルトの妹が皇帝イオニアス9世の~
室となってから急伸し、アランデル大公の~
位を贈られる。エーギル家に協力し、七貴~
族の変を起こした主犯格の一人と目される。▼~
フリュム家~
帝国の子爵。皇帝イオニアス9世の中央集権~
政策に反発し、帝国からの独立と同盟への~
参画を目論むも、帝国軍の介入にあって~
失敗する。後始末として本家は断絶、現在~
では養子を当主として迎え入れている。▼~
ヌーヴェル家~
帝国の子爵。帝国西端に領地を構え、家名に~
由来する港湾都市ヌーヴェルを中心にダグザ、~
アルビネ、ブリギットなどとの交易で栄える。~
だが、1175年に攻め寄せたダグザ・ブリ~
ギット連合軍の上陸を許し、没落した。▼~
オックス家~
帝国の男爵。帝国西部”フォドラの牙”と~
呼ばれる半島の北半分を領地とする。~
ダグザ・ブリギット戦役で当主を失った。▼~
バルテルス家~
帝国の男爵。野心高く、多くの紋章の血統を~
その家系に加えている。1176年、当主を~
含む一族の多くが不審死。嫡男エミールの~
犯行とされたが、エミールは行方不明になり、~
現在は遠縁の者が当主となっている。▼~
**王国貴族名鑑 [#g2fc389b]
ファーガス神聖王国の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版。▼~
ブレーダッド家~
十傑の一人、ブレーダッドを祖とする一門。~
751年、鷲獅子戦争で勝利を収めた~
”獅子王”ルーグが、教団より戴冠を受け~
アドラステア帝国からの独立を果たして以来~
400年以上にわたり王国を統治してきた。▼~
王都フェルディアとその周辺を領土とし、~
フォドラ北部の諸侯を数多く従属下に置く。~
国王ランベールが1176年に没した後は~
その実兄にあたるイーハ大公リュファスが~
若年の王子に代わり領内の政を担っているが~
各地で争乱が続き、体制は揺らぎつつある。▼~
フラルダリウス家~
十傑の一人、フラルダリウスを祖とする一門。~
王国諸侯の中でも歴史の長い家の一つであり、~
”獅子王”ルーグの盟友であるキーフォンも~
英雄フラルダリウスに連なる者であるという。~
公爵の位に叙されている。▼~
ゴーティエ家~
十傑の一人、ゴーティエを祖とする一門。~
王国の最北に領土を持ち、二百余年にわたり~
”北方の民”スレン族による侵攻から国土を~
守護してきた。辺境伯の位に叙されている。▼~
カロン家~
十傑の一人、カロンを祖とする一門。~
鷲獅子戦争の時代に独立軍と聖教会の折衝を~
担ったことから、今も国内での典礼の場には~
カロン家の当主が立ち会う伝統が残っている。~
伯爵の位に叙されている。▼~
ガラテア家~
レスター諸侯同盟の一角を成すダフネル家が~
家督争乱により二分された際、ファーガスに~
帰順した一派が家を興し、後に伯爵の位に~
叙された。領地の大部分が寒冷な荒野であり、~
1170年代の初頭には大飢饉が起こっている。▼~
ローベ家~
もとは帝国北西部に領地を持つ貴族であったが~
領内に城塞都市アリアンロッドが築かれた際、~
帝国に反旗を翻し、アリアンロッドを含む~
所領ごと、ファーガス神聖王国に帰順した。~
その功を以て、王家より伯爵位に叙される。▼~
クレイマン家~
元来、王国西部の一城主に過ぎなかったが、~
1176年に行われたダスカー半島の征伐で~
大功を立て、王家より子爵の位に叙された。~
封土としてダスカー半島を与えられている。▼~
**同盟貴族名鑑 [#q1d2936a]
レスター諸侯同盟領の主要な貴族の名鑑。~
教団の資料のため、持ち出し及び~
生徒の閲覧を禁ずる。~
1179年版。▼~
リーガン家~
十傑の血統で、レスター諸侯同盟の盟主格。~
881年の三日月戦争を経て、王国からの~
独立と諸侯による共和制の樹立を主導した。~
以来、円卓会議の主催者の役を担っている。▼~
公爵の位は同盟成立以前に王国より叙された~
爵位を根拠とする。なお、現リーガン公の~
嫡男ゴドフロアは公務中の事故により他界。~
ほかに女子もいたが現在は消息不明である。▼~
ゴネリル家~
十傑の血統。レスター地方東部に領地を有し、~
パルミラ軍との攻防において中心的役割を~
担ってきた武門の家柄。殊に次期当主である~
ホルスト卿は同盟随一の勇将として知られる。▼~
コーデリア家~
レスター地方南東部に領地を有する伯爵家。~
1167年、帝国貴族フリュム家の内乱に~
関与したことを契機に、帝国より内政干渉を~
受け続け、急激に国力が低下した。▼~
グロスタール家~
十傑の血統。レスター地方東部の伯爵家。~
現当主は渉外に長けた野心家で、円卓会議で~
議決権を有する五大諸侯の中では、盟主格の~
リーガン家に次ぐ発言力を有している。▼~
エドマンド家~
レスター地方北部に領地を有する辺境伯家。~
良港を活かした交易重視の政策で国力を貯え、~
五大諸侯に名を連ねるまでに成長した。~
現当主は能弁家としても知られている。▼~
ダフネル家~
十傑の血統。かつては同盟の五大諸侯に名を~
連ねていたが、家中の分裂により勢いを失い、~
ここ何代かは紋章持ちの当主も現れていない。~
名家としての存在感は現在も保ち続けている。▼~
**大修道院地下の調査書 [#haf31198]
……侵入経路があるようだ。~
引き続き調査を進めることが望まれる。~
また、数年ほど前から士官学校に~
いられなくなったものを収容するための~
学級が存在していることが判明した。▼~
その名も“灰狼の学級”。~
所属する面々の大半は、士官学校の~
元生徒らしいが、教師らしき者もおらず~
学級とは名ばかりの吹き溜まりと思われる。▼~
住人から聞き出したところ、よく名前が上がった~
のは主にユーリス、コンスタンツェ、ハピ~
バルタザールの4人である。教団がこの学……~
(古びた報告書のようだ。~
読める部分はあまり残っていない)▼~
**地下の住人からの手紙 [#x6789061]
……近頃、鼠通りに住み処を移してね。~
“灰狼の学級”の連中と知り合ったんだ。~
何でも士官学校の元生徒で~
表通りを歩けなくなったような奴らが~
集まっている学級なんだと。▼~
バルタザール、コンスタンツェ、~
ユーリス、ハピ……~
みんな癖はあるが、悪い奴じゃなさそうだ。~
特にバルタザールの金……~
(薄汚れた紙に汚い字で書かれた手紙だ)▼~
**地下の番人からの手紙 [#b9c989ea]
久しぶりですね。~
こっちも本日は異常あり、ですよ。~
前に“灰狼の学級”の話はしたでしょう?~
地上の士官学校からあぶれた若者たちの~
集まりです。▼~
特に危ない奴らが3人いるって書きましたけど、~
とうとう4人に増えましてね。~
ユーリス、ハピ、コンスタンツェ、~
そして、バルタザール……~
こいつらは本当に困ったもんです。~
面白い相手ではあるんですがね。▼~
この前なんか大修道院へ抜ける~
大きな穴を見つけ出しちまいまして。~
慌てて俺たちで岩を持ち寄って……~
(癖のある字でびっしりと書かれた手紙だ)▼~
**諸遊紀行 [#zc3cafc5]
***諸遊紀行1 [#bc0da826]
主にフォドラの外の世界について書かれた記録。~
著者は不明だが、実際に各地を旅した者が~
書いているようだ。▼~
パルミラ~
フォドラの東にある大国。険峻な山岳地帯~
"フォドラの喉元"を領界として、レスター~
諸侯同盟領と接する。騎馬民族の血を引く~
者たちであり、戦いを好む。広大な国土は~
肥沃な大草原、砂漠、大連峰など地形に富む。▼~
アルビネ~
フォドラの北西にある大地。寒冷な気候で、~
貴重な動植物が数多く生息しているものの、~
厳寒と穀物の育ちにくい凍土のため、暮らす~
人々の数は少ない。▼~
モルフィス~
フォドラの南東にある魔道の都の名であり、~
その都市を中央に置く広大な砂漠の名でも~
ある。"幻の都"とも称された時代も~
あったが、細々と繋がる行商の道を通して、~
偉大にして摩訶不思議な魔道の噂が伝わる。▼~
ダグザ~
フォドラの南西にある大地。遥か遠方であり、~
その地は焦熱の密林であるとか、冷涼な~
大高原であるとか、噂を挙げれば枚挙に~
暇がない。そしてそれらは半ば事実であり、~
南北に長い大地に様々な地形を有している。▼~
***諸遊紀行2 [#p114afd0]
主にフォドラの外の世界について書かれた記録。~
著者は不明だが、実際に各地を旅した者が~
書いているようだ。▼~
ブリギット~
フォドラとダグザの間に位置する島々。~
穏やかな海と豊かな緑に覆われた大自然の~
結晶とも呼ぶべき地であり、フォドラと~
ダグザの間で支配権が争われてきた。▼~
スレン~
フォドラの北にある巨大な半島の名だったが、~
今は北半分をスレン地方と呼び、南半分は~
ファーガス神聖王国の領土となっている。~
荒涼とした大地には好戦的な民族が住まう。~
岩砂漠が広がっている一帯もある。▼~
ダスカー~
フォドラの北、スレンの西側にある半島。~
かつて暮らしていたダスカーの民は滅び、~
ファーガス神聖王国の領土となっている。~
取り立てて何もない土地だが、珍重な鉱物が~
見つかるという噂もある。▼~
オグマ山脈~
フォドラの中央からやや南に広がる大山脈。~
西は帝国と王国の境界となり、ガルグ=マクを~
囲いながら帝国を縦断するように伸びる。~
他では見られない動植物も多く、また豊富な~
鉱物を有する。▼~
**フォドラの歴史 [#ue688e32]
***フォドラの歴史1 [#x8c5e9f4]
長きにわたり、世は乱れ民は苦しんでいた。~
”解放王”を僭称する邪なる者ネメシスは、~
争乱を喜び、流血を讃うる。~
フォドラの氏族たちは、糾合されることなく~
ただ奪い合い、殺し合っていた。▼~
帝国歴 前41年~
聖セイロスの出現~
聖者セイロス、アンヴァルの地に現る。~
セイロスは多くの奇跡をもたらし、~
人心をよく集め、集いた人々は~
セイロス聖教会を組織す。▼~
帝国歴 元年~
アドラステア帝国の建国~
国の名は神託を以て定む。~
アンヴァルを都としてフォドラの南を治め、~
聖者セイロスもこれに力を与う。▼~
帝国歴 32年~
英雄戦争の起こり~
初代アドラステア皇帝、~
ヴィルヘルム=パウル=フレスベルグ。~
フォドラの統一のため兵馬を挙げ、~
力をほしいままにする各地の氏族を討滅す。▼~
帝国歴 46年~
グロンダーズの会戦~
ネメシスに味方する氏族の連合軍と、~
アドラステア帝国軍が平原で激突す。~
帝国軍が大勝を収むる。▼~
帝国歴 91年~
タルティーンの会戦~
ネメシスに味方する氏族の連合軍と、~
帝国軍が再び激突す。邪なる者ネメシスは~
ここに死して、帝国は勝勢を定むる。▼~
帝国歴 98年~
英雄戦争の終結~
皇帝ヴィルヘルム1世の後を継いだ~
リュカイオン1世が急病にて崩御す。~
フォドラの大半を支配するに至っていた~
帝国は、これを機に戦いに幕を下ろす。▼~
***フォドラの歴史2 [#b1cd069f]
帝国歴 721年~
第一次ミアハ戦役~
海を越えてダグザ軍が襲来す。~
帝国軍はこれを撃退するものの、~
ミアハ地方は少なからず被害を受ける。▼~
帝国歴 728年~
ブリギット侵攻~
帝国軍、ダグザに協調していた~
ブリギット諸島に侵攻す。~
勝利し、ブリギットの民を従属させる。▼~
帝国歴 731年~
ダグザ侵攻~
帝国軍、ブリギットを足掛かりに~
ダグザに大規模な侵攻をかけるも、~
武運つたなく敗退す。▼~
帝国歴 747年~
ファーガスの乱~
かつて帝国と争った氏族の子孫、ルーグが~
帝国からの独立を求めて挙兵す。~
ファーガス地方を巻き込んだ争乱となる。~
この一連の争乱を”鷲獅子戦争”とも呼ぶ。▼~
帝国歴 751年~
タルティーンの戦い~
ルーグら独立軍が帝国軍に大勝。~
セイロス聖教会が二者を仲裁し、ファーガス~
地方はファーガス神聖王国として独立す。▼~
帝国歴 801年~
レスター大乱~
帝国のレスター地方で内乱が勃発す。~
帝国軍は鎮圧に失敗。神聖王国がこれに~
乗じてレスター地方を制圧し、領土とす。▼~
帝国歴 861年~
ファーガス神聖王国分裂~
国王クラウス1世の崩御に伴い、~
3人の王子がそれぞれ大公となり、~
王国を三分割して統治す。▼~
帝国歴 881年~
三日月戦争~
王国のレスター地方を治むる大公が病没す。~
レスター地方の諸侯は、次の大公を立てず、~
諸侯の共同体となることを画策す。▼~
帝国歴 901年~
レスター諸侯同盟領の成立~
諸侯同盟に反目する諸侯を討伐し、~
ファーガス地方からの干渉も排除した~
リーガン公を中心に、同盟領が成立す。▼~
帝国歴 961年~
パルミラ襲来~
東の大国パルミラ、フォドラの喉元を~
越えて同盟領に侵攻す。~
帝国軍らも派兵され、からくも撃退す。▼~
帝国歴 1101年~
フォドラの首飾り築造~
パルミラの襲来を防ぐべく、~
同盟・王国・帝国が一丸となり、~
フォドラの喉元に要塞を築造す。▼~
**とある兵長の日誌 [#ee4b8fc5]
青海の節 2の日 曇り~
蛮勇を誇るパルミラの大軍を前に、我々は前線を後退せ~
ざるを得ず、喉元に急増した砦に籠もるしかなかった。~
もしこの砦を抜かれれば、パルミラのレスター侵入を許~
すことになる。なんとしても防がなくては。▼~
~
青海の節 5の日 曇りのち雨、風強し~
攻勢を緩めぬパルミラ勢に対し、得意の弓を以て応戦す~
るも、折からの風雨が邪魔をして、思うように狙いが定~
まらない。明日にも帝国軍の弓箭隊が増援として到着す~
ると聞いているが、この天候が続くなら、弓兵では戦力~
の足しにはならないだろう。どうしたものか……。▼~
~
青海の節 6の日 雨、風強し~
風雨が続いている。合流した帝国の弓箭隊が放つ矢は、~
案の定、虚しく地に刺さるばかりだった。~
帝国軍は軍師風の男も連れていたが、役に立つとは思え~
ない。彼は何かの器具を使ったり紙に数字を書いたりす~
るのに忙しく、作戦の一つも出してこないのだから。▼~
~
青海の節 7の日 曇り、風強し~
突如、軍師風の男は帝国と同盟の弓兵を集めてそれぞれ~
に細かな数字を示し、狙うべき方向と射角を修正するよ~
う告げた。半信半疑ながら指示どおりに修正して弓を射~
ると、矢は面白いように敵に命中し始めた。~
「計算どおりだ」と語る彼は、何と数学者だそうだ!▼~
~
青海の節 10の日 快晴、無風~
敵の攻勢が弱まるのと同時に風も止み、ようやく反撃の~
好機を得る。数学者殿がいなければ、ここまで耐えられ~
なかったはずだ。勝利したのち、もし再会が叶ったなら~
ば、必ず伝えよう。数学者殿こそ、この戦いの一番の功~
労者であったと――▼~
**ダグザ戦記 抜粋 [#w198c789]
帝国歴731年 大樹の節~
ブリギットを無事に発った我らが船団は、気候にも恵ま~
れ、ついにダグザの大地をこの目に捉えた。やけに白い~
砂浜の向こうに、不気味な森林が広がっている。情報で~
はこの辺りに集落があるとのことだったが、建物どころ~
か船や人影も見当たらない。北と南、どちらに舵を……▼~
~
……突然、ぱらぱらと矢が飛んでくる。木々の間から敵~
に狙われたらしい。不意を突かれた兵士たちが幾人か倒~
れ、慌てて盾を上げて身体を隠す。だが矢の数も勢いも、~
思ったほどではない。ダグザ軍は帝国のミアハ地方、そ~
してフリギットでかなりの兵を失っている。防衛する戦~
力が残っていないとは思わないが、思ったより容易……▼~
~
……ヒュミル子爵の嫡男が率いる第三船団は、入り江の~
中に誘い込まれた。敵の罠だった。なぜ気づけなかった~
のか。我々は岬の東端をぐるりと回頭したつもりだった~
が、霧の向こう、南側にも海岸があったのだ。行き場を~
失った船の櫂同士がぶつかり、先頭の船は座礁したのだ~
ろう、すでに傾き始めている。我々の目の前で、仲……▼~
~
……海が燃えている。いったいどんな魔道を使ったと言~
うのだ。炎の蛇は徐々に我々の船へとその舌を伸ばして~
いる。外洋に広がった敵の船陣。あれを突破せねば誰一~
人として生きては帰れない。いや、陛下にこの敗戦を報~
告することを考えると、ここで死んだほうがと思わない~
でもないが、我々が誇りを捨てるなどあってはなら……▼~
~
……ブリギットは反旗を翻し、寄港しようとした船の半~
分を沈められた。口惜しいが、今は逃げることしかでき~
ない。連中はダグザが負けたからこちらに尾を振ったに~
過ぎなかった。こちらが負ければ再びダグザに尾を振る~
だけだ。元より言葉も通じぬ小島の住人、しかし王が欠~
片も約定を守る気がなかったとは。いや、そもそも……▼~
~
……ヌーヴェルの街が見えてきた。我らは生き延びたの~
だ。ギヌンギの港を出た時に比べれば、船の数は十分の~
一以下に減ってしまっている。壊滅としか言いようがな~
い。そして戦果は皆無どころか、ブリギットとの関係を~
も失った。ダグザの民は恐ろしかった。空を舞い、海を~
焼き、森を飛び回り、突然に牙をむく。奴らはいっ……▼~
**パーソロン戦史 [#e071d956]
892年 竪琴の節~
スレン族による大規模な侵攻。彼らはルスカ山脈を越え~
てファーガス北部に攻め入り、そのままファーガス地方~
へと南下。ファーガス王バンフィグは、ブレーダッド領~
北部からフラルダリウス領北部にかけて、各地にコナン~
など数多くの城塞を築き、これを迎撃する。▼~
892年 飛龍の節~
ついにスレンを撤退せしめたファーガスは、一転攻勢に~
出るも、スレンの抵抗と猛吹雪のために侵攻を断念。こ~
れを以て戦いに終止符が打たれる。この戦役で最も功を~
上げたのは、王家の騎士にして十傑ゴーティエの裔であ~
る若き猛将、レティシア=ゾエ=ゴーティエであった。▼~
896年 大樹の節~
バンフィグは王領の北部をレティシアに割譲。彼女を辺~
境伯に叙し、国境の守護を命じた。その後、レティシア~
はスレンとの境であるルスカ山脈に数多くの砦を築くと~
ともに、セイロス聖教会に“破裂の槍”の返還を求める~
など、北方の守りを堅固にすべく務め……▼~
……~
1169年 翠雨の節~
夏を待ち、ファーガス王ランベールは共に北部を統べる~
ゴーティエ・フラルダリウス両家と連合して、スレンへ~
と兵を向ける。王国軍はルスカ山脈の砦の一つに拠って~
陣を張り、スレン軍との戦端を開いた。▼~
1169年 角弓の節~
王国軍は順調に半島北西へと攻め上るが、族長オレグ率~
いる軍と交戦中、突如戦場に巨大な獣が闖入。両軍共に~
大打撃を被る。ランベールは重傷を負い、オレグは谷底~
に姿を消した。オレグの子は、己の末子であるレフを人~
質としてゴーティエ家に差し出し、和平を願い出た。▼~
**挿絵に描かれた紙の束 [#v5b6dbbd]
第一幕 あらすじ~
アドラステアの村娘リヨラは、オグマの山々の麓に広~
がる深い森の中に迷い込んでしまう。不思議な霧の立~
ち込める森を抜けた先で彼女が出会ったのは、巨大な~
謎の存在。長い一角を持つ飛竜にも天馬にも似た生き~
物だった。▼~
~
第二幕 あらすじ~
巨大なそれを恐れて逃げ出したリヨラだったが、魔法~
のかかった霧を抜け出すことができず途方に暮れてし~
まう。やがて霧の中から怪しい青年が現れると、彼女~
に声をかける。「この先に私の家がある。そこで休む~
といい」と。▼~
~
第三幕 あらすじ~
深い森の中での奇妙な共同生活が始まった。青年は腕~
が立つ狩人のようであり、様々な道具を作る鍛冶師の~
ようでもあった。やがてリヨラは彼に惹かれていく。~
そんな彼女に待っていたのは、再びの巨大な生き物と~
の出会いだった。▼~
~
第四幕 あらすじ~
この森の事実を知ってしまったリヨラは、深い葛藤に~
悩まされることになる。青年はそんな彼女の様子……~
~
(ミッテルフランク歌劇団によって上演されたことの~
ある、演劇の筋書きのようだ)▼~
**クラウス王の死 [#s8cf39a8]
第九章 王の難題~
クラウス王が熱病によって死の床に伏し、~
王子クルーフォーはひどく頭を悩ませていた。~
あまりにも急な病であったものだから、~
彼の偉大なる父親は、兄弟の誰が~
王位を継ぐのかを定めていなかったのだ。▼~
兄のバンフィグは軍略と武芸の才に恵まれていたが、~
本人は戦争と権力を好まぬ穏やかな人柄だった。~
裏を返せば、それは君主には向かぬということだ。~
弟のカイトは、父に似てとても聡明であり、~
またいかなる時も非情に徹することができたが、~
それゆえに騎士たちからは冷徹と恐れられていた。▼~
クルーフォー自身は兄弟と違って紋章を持たず、~
王家の者が持つべき膂力も持ち合わせなかった。~
それゆえ彼は、自分が兄や弟と王位を争えるとは~
露ほども考えていなかったのだが、~
兄と弟が王位を巡って殺し合うさまを想像すると~
それだけで身を裂かれるような思いがした。……▼~
……ある時、クラウスの妹のモリアンが、~
兄が記したという書きつけを見つけてきた。~
そこには「最も民に愛された者が玉座に就く」と、~
一言だけ、確かにクラウスの筆跡で記されていた。~
このたった一言の書きつけが、血で血を洗う、~
悲劇の継承戦争のきっかけとなったのである。……▼~
……騎士たちの争いの後、ファーガス王国は~
どの王子を奉じるべきかを巡って三つに割れた。~
ファーガス地方の騎士たちはバンフィグを、~
ミアハ地方の騎士たちはクルーフォーを、~
そしてレスター地方の騎士たちはカイトを支持した。~
彼らはそれぞれ、国土を三つに分割して継承し……▼~
……彼女は歯の根を鳴らし謀の失敗を悔やんだ。~
目をかけていたカイトを王位に就けるつもりが、~
企ては凡庸なるクルーフォーによって暴かれた。~
多くの犠牲を払い、三人の兄弟は武器を捨て……~
(どうやらファーガスの歴史に取材した物語のようだ)▼~
**物語の紙片 [#k5a288f9]
終章~
王を名乗る男が、腰に下げた革袋から小さな笛を取り~
出して思い切り吹く。すると夜空に大きな黒い影が現~
れ、男のそばに飛竜が舞い降りる。目を見張る娘に向~
かって男は事もなげに言う。~
乗るも自由、乗らぬも自由。好きな方を選べ。▼~
~
戸惑う様子もなく飛竜に歩み寄る娘に、王の家来を名~
乗る男が声をかける。~
あなたはどこかの領主の娘だという。それが本当なら~
ば住み慣れた土地での暮らしに不憫などないはず。そ~
れを捨ててまでなにゆえ我が王の気まぐれに付き合う~
のか?▼~
~
娘は家来を名乗る男に笑顔を向けて答える。~
彼は私にまだ見ぬ景色をみせてくれるでしょう。その~
ために私はすべてを投げ出そうとしている。馬鹿げた~
選択かもしれませんが、これは私の気まぐれです。そ~
んな気まぐれに我が身を委ねる時、人は真の自由を手~
にすることができるのではありませんか……▼~
~
(実在の誰かを題材にした物語のようだが、~
前半が欠けており推定は難しそうだ)▼~
**古びた手記の断片 [#n566bfd0]
弧月の節 15の日~
南方教会に属する“紅の騎士団”に怪しい動きあり、と~
の報告が入ったようだ。前節の末に皇位継承が成ったば~
かりだというのに……いや、だからこそか。しかし目的~
がわからない。中央教会は関与しているのか? 紅の騎~
士団も元はセイロス騎士団の一部隊。大司教が空位……▼~
~
孤月の節 19の日~
一連の動きに、先日爵位を継いだヴィトーリア=フォン~
=フリュムが関与している線が濃厚になった。彼女は限~
ヴァーリ伯の娘。紋章持ちだが兄もそうであり、兄が嫡~
子に、彼女は紋章持ちが生まれなかったフリュム家に嫁~
ぎ、当主となっていたのだ。噂では彼女は教務卿に……▼~
~
孤月の月 20の日~
フリュム家の騎士団の一部と共に、“紅の騎士団”が蜂~
起した。情報が漏れたため事を急いだのだろう。彼らは~
ヴァーリ伯の蟄居およびフリュム伯の教務卿就任を求め~
ているとのことだが、今の陛下は誇り高きお方。お膝元~
に近い南方教会領での武力蜂起など絶対に許さない……▼~
~
大樹の節 7の日~
ヴァーリ伯が亡きヴィトーリアに教務卿の座を譲ること~
を条件に、兄を嫡子にするという密約を前陛下と結んで~
いた事実が判明された。伯は前陛下が病没されたのを良い~
ことに反故にしたようだ。だが、彼女も南方教会と密通~
し、事を起こすに至った点では大いに責任がある。……▼~
~
大樹の節 12の日~
南方司教の追放と南方教会の取り潰しが決まった。全土~
に衝撃が走ったことだろう。中央教会からどれほどの抗議~
が来るかはわからないが、陛下は教団と距離を取ること~
を望まれたのだ。この件の前では、ヴァーリ伯の引退や~
フリュ厶子爵の後継問題など霞んでしまう。かくいう……▼~
~
(誰かの日記のようだ。それなりの地位のあった者だ~
と思われるが、大部分が欠けてしまっている。)▼~
**古びた手紙 [#z0919852]
父上、母上~
こうして手紙を書くのは4節ぶりですね。~
寒い日が続きますが、恙なくお過ごしでしょうか。~
こちらは師匠の無茶苦茶な修業に付き合わされたり、~
危うく殿下に骨を折られかけたりと大変でしたが、~
まあ何だかんだ、それなりに楽しくやっています。▼~
今回手紙を書いたのは、角弓の節のダスカー行きに~
私も同行することになった、とお伝えするためです。~
以前お会いした際、父上は随分心配していたようですが~
私も……な鍛え方はしていませんし、いざとなれば~
「盾」にはなれるでしょう……なんて冗談を言ったら、~
まったく笑えない、と殿下に小言を……ましたよ。▼~
ダスカーとの会談が終わって落ち着いた頃にでも、~
一度……貰って、……の城に帰るつもりです。~
フェリクスがどれだけ……上げたか確かめたいですし。~
くれぐれも……を怠るな、と言っておいてください。~
私はともかく、殿下に勝ちたいと思っているなら、~
大岩を担いで山を走り回る……はしてもらわないと。▼~
追伸。~
先日、……から上等な短剣を賜ったので、~
手紙と一緒にガラテア領に……させました。~
もし彼女がフラル……ウス領に来ることがあれば、~
いつも寂しい……をさせて済まないと伝えてください。~
……=ゴーヴァン=フラルダリウス▼~
(誰かが家族に宛てた手紙のようだ。~
ところどころ文字が滲んでおり、読みにくい)▼~
**司教に宛てた古い書簡 [#i7217a02]
……会合の開催を呼びかけたクローディア夫人を始め、~
ダフネル家に生まれた女性たちは伝統的に“烈女”と呼~
ばれるに相応しい勇気と行動力、それに強情さを備えて~
いたそうですが、貴女もまた例外ではなかったのでしょ~
う。▼~
~
いまだ平穏とはほど遠いレスターにあって、あえて東方~
騎士団を解散するなど、誰が予想できたでしょうか?~
もちろん、諸侯の多くは貴女の考えを理解し、今回の決~
断を賞賛していますが、同時に大きな懸念を抱いている~
ことも事実です。▼~
~
貴女は剣を捨てると仰いましたが、盾までも捨てるのは~
時期尚早と言わざるを得ません。そこで、我々は貴女~
に一つの提案をさせていただくことに決しました。~
すなわち今後、当家が東方騎士団に代わる東方教会の盾~
となることを認めていただきたい。▼~
~
これを受け入れてくださるならば、貴女の考えに難色を~
示している大司教の諮問をかわすこともできましょう。~
夫人も、義理の妹である貴女を大変に心配しておられま~
す。そこも踏まえて、どうかお聞き届けください。~
貴女に主の加護のあらんことを。~
ハンス=フォン=ネルソン▼~
**セイロスの書 [#tf08ad06]
***第一章 啓示録[#oad74972]
女神は天であり、女神は大地である。~
今にあり、昔にあり、やがて来るときにある。~
かの目はすべてを見通し、かの耳はすべてを~
聞き、かの手はすべてを受け止める。▼~
女神の証を受け取りし者、~
言葉を預かりし者、すなわちセイロス。~
天の、大地の御使いとして、~
セイロスは恵みと平安をあなた方に届ける。▼~
女神よりの全能を以て。~
セイロスは、女神の剣として邪を除け、~
セイロスは、女神の子として王を封ず。~
セイロスは、女神の翼として人を導き、~
セイロスは、女神の声として愛を説く。▼~
その剣に、あなたの剣を委ね、~
その王を、あなたの上に戴き、~
その翼で、あなたの生を助け、~
その声が、あなたの心を赦す。~
あなた方に女神の加護あらんと。▼~
***第二章 創世記[#ic888054]
曇りなき大海に、まずフォドラがあった。~
遙かなる旅を終えし女神は、~
フォドラを見出し、降り立たれた。~
女神は生きとし生けるものを創りたもうた。▼~
女神は草木を創り、鳥獣を創り、~
そして最後に、人を創りたもうた。~
人は力を欲し、女神はそれに応えられた。~
天の恵み、大地の恵み、そして魔の恵み。~
人は魔道を得、力を増した。~
力が邪を呼び寄せるとも知らずに。▼~
女神の加護のもと、人は生きた。~
より多くを成し、より富み栄え、~
いつしかフォドラで最も力ある存在となった。~
しかし、北より、邪なる存在が訪れる。~
大地を蝕み、天を穢す、邪。~
フォドラに混迷が、訪れる。▼~
邪なる侵略に対するため、~
女神は力を創りたもうた。~
超常の武具と、そを使うための血。~
人はその力を手にし、邪と戦った。~
邪を討ち破り、北へと追いやった人々。~
彼らは英雄と呼ばれた。▼~
英雄らは数百年を生きたが、やがて~
その命も尽き、後には血と力のみが残る。~
英雄の血に宿りし力を“紋章”と呼び、~
英雄の振るいし力を“英雄の遺産”と呼ぶ。~
かくして、新しき時の縁は、紡がれていった。▼~
英雄の子孫たちは、血を求め、力を求めた。~
やがて彼らはすべてを巡って争い始める。~
紋章を、遺産を、土地を、富を。~
邪なる存在を打ち果たすための女神の力は、~
人の欲によって争いの道具となった。~
女神はそれを嘆き、天に姿を隠す……▼~
***第五章 主の五戒[#k6e35ce2]
一、あなたは主の存在と、主の力を~
疑ってはなりません。~
一、あなたの神、主の名をみだりに~
唱えてはなりません。▼~
一、あなたは父と母と、主に連なる者を~
敬わねばなりません。~
一、あなたは主より与えられた力を~
正しく使わねばなりません。~
一、あなたはみだりに人を殺め、傷つけ、~
嘘をつき、盗みを働いてはいけません。▼~
主はすべての美しきものを是とします。~
主は、愛、絆、喜び、平和、信心、親切、~
自律、謙虚さ、我慢強さ、これらのものを~
否定することはありません。~
主の導きに従えば、自ずと主の五戒は~
守られるのです。▼~
**麗しき聖人の系譜録 [#s5862b6d]
……という事実があり、真偽は定かではないのだが、本~
書においては考慮しないこととさせていただく。~
さて、前段が長くなってしまったが、「麗しき聖人」と~
聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、やはり聖~
マクイルその人であろう。宝石にも喩えられる彼の美貌~
を歌う詩歌は数知れず、中でも乙女の頬を撫でる風▼~
……大きな翼が 風を呼びました~
空から虹が 降り注ぎました~
おお、美しきあなたよ~
その炎でわたしの心を焼き尽くして~
これは聖マクイルについて歌った帝国初期の女性詩……▼~
……一人忘れてはならないのが、聖キッホルである。彼~
は数多の浮き名を流したという説と、一途な愛を貫いた~
という説がある。聖人たちの多くが婚姻を結んだ記録が~
ない中で、はっきりと結婚したと明言され、その娘まで~
もが聖人に列されている事実から鑑みれば、後者の説が~
有力であろうと私は考える。何よりロディ海岸には……▼~
……以前の存在として、およそ空想の域を出ない話では~
あるが、聖ルカという子だくさんの聖人がいる。彼は恋
~
多き男であり、多くの愛を育み、多くの命を生み出した~
とされるのだ。ただしその姿も多岐に富んでおり、果た~
して本当に「麗しき聖人」だったのか。何らかの力によ~
り姿を変えていただけではないのかと考えると、い……▼~
(聖人についての本のようだ。~
人物画が多く載せられている。~
かなり読み込まれた形跡がある)▼~
**紋章学の謎の書 [#n48b11a9]
第13章 獣の紋章~
またの名を"モーリスの紋章"という。千年以上前、~
ネメシスに従った11人の氏長の1人モーリスが持っ~
ていたとされる。モーリスは勇敢な戦士であった。若~
くして剣一本で巨狼を討ち、氏族の英雄と褒め称えら~
れた。すぐに父を倒して長の座を継ぐと……▼~
……モーリスがいつ紋章を授かったか定かではない。~
一説にはネメシスとの一騎打ちに敗れ、彼の下で戦う~
ことを誓った時といわれている。あるいは邪なる存在~
を目の前にした時、ネメシスから預かった英雄の遺産~
"ブルトガング"がその思いに応えて輝いたともいわ~
れている。いずれにせよ彼が剣と共に……▼~
……帝国軍にとってモーリスと"ブルトガング"はま~
さに"災厄の獣"であった。彼の剣は殺すことに特化~
していた。特に馬上や空中の敵は良い「的」だった。~
戦場を駆け巡るモーリスは多くの将兵を殺し、ついに~
は聖戦士の一人を殺すに至った。返り血を浴びた彼の~
姿には、敵のみならず味方も恐れを抱いたという……▼~
……グロンダーズの会戦以降、戦場が北上するにつれ~
てモーリスは正気を失っていった。その契機が何だっ~
たのかも定かではない。彼はいつの日か敵陣を突破す~
るとそのままどこかへ姿を消した。戦場の北には、霧~
の立ち込める広大な森があった。捜索の兵が一人とし~
て戻らなかったミルシャの魔の森が……▼~
……獣の紋章は散り散りに野に下ったモーリスの息子~
たちに受け継がれていた。彼らは他の氏族の家や、帝~
国を厭う領主の陰に隠れて密かに生き続けた。やがて~
忌避すべき紋章が表沙汰になると、その持ち主はなぜ~
か急な病に倒れ、あるいは事故に遭ってすぐ命を落と~
した。そうして誰もが獣の紋章を隠そうと……▼~
**フォドラ怪奇談 [#he31e23c]
フォドラ怪奇談“血の果実”~
かつて戦場となり多くの血が流れた地には、血のよう~
に赤い果実が生るという。小さな粒が幾重にも重なっ~
たそれは甘く、かじりついた者の渇きをも満たすが、~
気づけばそれなしには生きられなくなり、やがて……~
グロンダーズ地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“彷徨えし獣”~
ミルシャの魔の森に霧が立ち込める夜、この世のもの~
とは思えぬ叫び声が響きわたる。そんな夜は絶対に森~
に入ってはいけない。生きて帰ってきた者がいないか~
らだ。血に飢えた獣が霧と共にやってくる……。~
レスター地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“地の底の亡霊”~
地の底から響く恐ろしい声。それは女神の御許に辿り~
着けず、薄暗い死の国を彷徨い続ける死者の怨嗟の声~
であるという。彼らは陽の光の下を行く生者を妬んで~
おり、時には地底へと引きずり込んでしまう……。~
ファーガス地方の伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“ダナの砂嵐”~
北には侵入者を拒む砂漠があるという。砂漠のふちを~
行商人が通るだけでは現れないが、何かを求めて砂漠~
の中へと足を踏み入れると辺りの景色は一変。巨大な~
砂嵐が巻き起こり、入った者を切り裂くという。~
地域不詳の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“霧の巨人”~
夜明けちょうどに山に入ると、霧に包まれてしまうこ~
とがある。そんな時はうずくまって霧が晴れるのを待~
つのだ。決して逃げ出してはいけない。あなたを踏み~
潰せるほどの巨大な霧の巨人が迫ってくるから。~
ファーガス地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“死神の鎌”~
赤狼の節、満月の晩には窓を塞いで寝なければいけな~
い。なぜなら大きな鎌を持った死神が命を刈りに来る~
から。外を出歩くなどもってのほかだろう。血をすべ~
て吸い取られた死体となって発見される……。~
ミアハ地方の古き伝承である。▼~
フォドラ怪奇談“赤い悪魔”~
穏やかに見える“白角海”の底には赤い悪魔が眠って~
いる。悪魔は船から落ちる者がいると、すぐに手を伸~
ばして沈めてしまう。それを防ぐには油を……~
(フォドラの各地に伝わる怪奇を集めた書のようだ)▼~
*コメント [#ye82d7db]
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