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章別会話/高め合う魂たち
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*高め合う魂たち [#ndcab398]
#contents
**高め合う魂たち [#ve539374]
***オープニング [#r8738ffe]
:[ミリエル]|
なるほど。つまりは、私たち4人を~
アスク王国の特務機関――~
ヴァイス・ブレイヴの指揮下にと。▼~
:[アルフォンス]|
この国のために、民の未来のために~
力を貸してほしいんだ。▼~
:[パリス]|
国のため、民の未来のために…か。▼~
:[バジーリオ]|
…と、王子様は仰せだが、~
どうするよ、フラヴィア?▼~
:[フラヴィア]|
どうするもなにも今~
アンタが考えていることと同じだよ。▼~
:[シャロン]|
それじゃ、わたしたちに~
力を貸してくれ…▼~
:[フラヴィア]|
ちょいと待っておくれ。▼~
民や未来を守るために~
戦わなくちゃいけないって~
事情は理解したよ。▼~
だけどね…~
私たちがヴァイス・ブレイヴとやらに~
力を貸すかは別問題さ。▼~
:[ミリエル]|
……▼~
:[フラヴィア]|
あんたらが戦うために~
異界の英雄頼みって連中なら~
力を貸すのは願い下げだ。▼~
そういうことなら~
私たちは私たちで好き勝手にやって~
この国を救うだけさ。▼~
:[シャロン]|
わ、わたしたちは~
決して他力本願なわけでは…!~
ただ、みなさんの力をお借りしたくて。▼~
:[バジーリオ]|
俺たちを仲間にしたいんだったら~
話は簡単だ。▼~
お前たちの力を~
俺たちに示せばいい。▼~
:[アルフォンス]|
力を…示す?▼~
:[バジーリオ]|
俺たちフェリアの民は蛮族の出だ。~
もっともらしい言葉より~
力で説き伏せてみな。▼~
:[アンナ]|
それは、あなたたちと~
戦えってことかしら?▼~
:[バジーリオ]|
そのとおり。~
どうせなら団体戦といこうぜ。▼~
こっちにはロンクーもいるんだろう?~
あいつは俺の後継に考えてる奴だからな~
ちょっと借りるぜ。▼~
:[フラヴィア]|
そいつは面白そうだね。~
私とバジーリオ、ロンクー~
そしてパリスとミリエルで5人だ。▼~
:[パリス]|
……▼~
:[ミリエル]|
私はそもそも、蛮族でも~
フェリアの民でもないのですが?▼~
:[バジーリオ]|
固いこと言うなって。~
同じ頃合いにアスク王国に~
呼ばれたよしみじゃねえか。▼~
:[フラヴィア]|
んじゃあ、アルフォンス王子。~
そっちも明日までに~
腕っこきを5人集めな。▼~
:[パリス]|
どうせなら~
倒し甲斐のある相手を頼むぞ。▼~
:[シャロン]|
あっ! 待ってくださいっ!~
みなさん、行っちゃいましたね…。▼~
:[アンナ]|
どうするのよ、アルフォンス。~
向こうの提案に従うの?▼~
:[アルフォンス]|
戦いは望みませんが、~
彼らの信頼を勝ち得るには~
それしかなさそうです…▼~
***C [#m59a4abb]
:[バジーリオ]|
うーっし! 天気もいいし~
暴れるにはもってこいの日だな。▼~
:[フラヴィア]|
逃げずに来たみたいだね。~
その勇気は褒めてあげるよ。~
そっちは誰が戦うんだい?▼~
:[アルフォンス]|
ヴァイス・ブレイヴを代表して~
僕とシャロン、アンナ隊長。~
それと…。▼~
:[フィヨルム]|
ニフル王国第二王女~
フィヨルムと申します!~
よろしくお願いいたします!▼~
:[ピアニー]|
私、ピアニー。~
アルフォンスさんたちと~
一緒にがんばるわ。▼~
:[バジーリオ]|
おうおう、活きの良さそうなのが~
いるじゃねえか。▼~
:[ロンクー]|
油断しないほうがいい。~
彼らはまがりなりにも~
厳しい戦いを生き抜いた英雄だ。▼~
:[パリス]|
なるほどな。~
それでこそ、倒しがいもある。▼~
最初は俺に行かせてくれ。~
そっちは5人まとめて~
かかってきてもかまわんぞ。▼~
:[シャロン]|
はいはいはーいっ!~
先鋒はこのシャロンにお任せを!▼~
:[エイル]|
審判役は私が務めるわ…~
安心して。どちらかが~
死ぬ前には止めるから。▼~
それでは先鋒戦…~
シャロン王女対パリス、はじめ。▼~
:[シャロン]|
勢いでは負けませんよ!~
たりゃぁぁぁーっ!~
せいせいっ! はぁぁぁーっ!▼~
:[パリス]|
ほぉ、気迫が乗ったいい槍さばきだ。~
だが…。▼~
勢いだけでは勝てんぞ、王女様!~
ふんっ!▼~
:[シャロン]|
あう!? いったぁーっ!~
くうう、1本、取られちゃいました…。▼~
:[バジーリオ]|
だーっはっはっ! まずは俺たちの1勝!~
幸先いい出だしだな!▼~
:[シャロン]|
す、すみません…~
いけそうな気はしたのですが。▼~
:[フィヨルム]|
大丈夫です、取り返しますから!~
次は私が参ります!▼~
:[ロンクー]|
このような茶番~
そぐに終わらせる。▼~
:[エイル]|
それでは次鋒戦…~
フィヨルム王女対ロンクー、はじめ。▼~
:[フィヨルム]|
焦らず落ち着いて相手の動きをよく見て~
はぁぁぁっ!▼~
:[ロンクー]|
……▼~
:[フィヨルム]|
気持ちでは負けません!~
前へ、前へっ!▼~
:[ロンクー]|
くっ…! 近い!?▼~
:[フラヴィア]|
んん…? 気のせいか。~
ロンクーの動き、ちと固いね。▼~
:[バジーリオ]|
ふぅむ。▼~
:[フィヨルム]|
そこです…! せいっ!▼~
:[ロンクー]|
つうっ…!▼~
:[エイル]|
…それまで。~
勝者、フィヨルム王女。▼~
:[ロンクー]|
くっ、捌き切れなかったか。▼~
:[バジーリオ]|
あの様子じゃ、あいつの女嫌いは~
まだ治ってなかったってかぁ。▼~
:[フラヴィア]|
女嫌い? なんだいそりゃ?▼~
:[バジーリオ]|
ロンクーは女に近づかれると~
緊張して身体が固まっちまうのさ。▼~
剣の腕は申し分ないけどな。~
女嫌いさえ克服できれば~
もう一回り成長できるんだがなあ。▼~
:[シャロン]|
やりましたね、フィヨルム王女!~
これで1対1です!~
わたしたちは負けませんよー!▼~
***B [#e9e117e7]
:[エイル]|
次の試合は中堅戦…~
ピアニーとミリエル、前へ。▼~
:[ピアニー]|
きゃっ、私が呼ばれたのね。~
何して遊ぶのかしら?~
わくわく。▼~
:[バジーリオ]|
おう、ミリエル!~
クロム自警団仕込みの魔道を~
ぶちかましてやれ!▼~
:[ミリエル]|
そんな野蛮なことはしません。~
ピアニー、~
ここに2冊の同じ本があります。▼~
アスク王国の大図書館から借りて来た~
魔道理論の本です。▼~
どちらが早く読破して~
より深く理解できるのか、勝負です。▼~
:[ピアニー]|
えっ!?~
な、なに、この分厚い本?~
文字ばっかりで挿絵がぜんぜん…▼~
:[バジーリオ]|
おいおいっ!~
いきなり読書の時間たぁ~
どういうことだ!?▼~
:[ミリエル]|
戦いとは武力によるものとは限りません。~
知力を尽くして戦うのもまた戦い…▼~
:[パリス]|
なるほどな。勝負は勝負。~
肉の早食い競争だって~
立派な勝負になるだろうしな。▼~
:[ミリエル]|
では、エイル王女。~
試合開始の合図を。▼~
:[エイル]|
…それには及ばないわ。~
ピアニーを見て。▼~
:[ピアニー]|
すぅー…すぅぅ…むにゃ…~
おやすみなさい…▼~
:[ミリエル]|
…本を開いた瞬間~
眠りはじめましたか。▼~
:[フィヨルム]|
ピアニーさん! ピアニーさんっ!~
ダメです、~
ルピナスさんばりに寝てます…▼~
:[エイル]|
ピアニーの試合放棄と見なすわ。~
勝者、ミリエル。▼~
:[ミリエル]|
本気を出すまでも~
ありませんでしたね。▼~
:[フラヴィア]|
これで私たちの2勝だね!~
さあ、このまま決めるよ!▼~
:[バジーリオ]|
任せろ! ここは俺が行く!~
そっちの副将はアンナ隊長かい?▼~
同じ斧使い同士、力と力~
正面からぶつかり合おうじゃねえか!▼~
:[アンナ(正月)]|
じゃあエイル王女。~
副将戦、はじめてちょうだい!▼~
:[バジーリオ]|
…は? アンナ隊長~
いつのまにあんな遠くに…▼~
って、斧じゃなくて~
弓を持ってるじゃねえか!▼~
:[エイル]|
…はじめ。▼~
:[アンナ(正月)]|
それーっ! それそれっ!~
遠距離から先手必勝!▼~
:[バジーリオ]|
いてっ! いててててて!~
お、斧はっ、さっきまで持ってた~
斧はどこにやったんだ!?▼~
:[アンナ(正月)]|
問答無用!~
これでトドメーっ! せいっ!▼~
:[バジーリオ]|
ぐはっ!~
な、なんだ…そりゃあ…▼~
:[エイル]|
勝者、アンナ隊長。▼~
:[アンナ]|
ふっふっふ! 恐れ入ったかしら。~
どう? アスク王国には~
異界の自分が何人もいるのよ!▼~
副将として戦ったのは~
私と同じアンナだし、問題ないわよね!▼~
:[アンナ(正月)]|
勝つためにはあらゆる手を使う。~
それがヴァイス・ブレイヴ!▼~
:[バジーリオ]|
ぐぅっ、勝ちにこだわるその姿勢。~
なんてぇ執念だ…▼~
:[アルフォンス]|
いいのかな、これで…▼~
***A [#u344ef98]
:[フラヴィア]|
ったく、それでもフェリアの西の王かい!~
だらしがないね!▼~
:[バジーリオ]|
いてて、めんぼくねえ。~
不意をつかれちまった。▼~
:[フラヴィア]|
しょうがないね。~
私がビシっと決めてやるさ。~
大将戦で決着だよ!▼~
:[アンナ]|
あとは任せたわよ、アルフォンス!▼~
:[シャロン]|
お兄様、頑張ってくださいっ!▼~
:[アルフォンス]|
彼らの力はヴァイス・ブレイヴに必要だ。~
負けるわけには…いかない!▼~
:[エイル]|
では、大将戦をはじめるわ。~
アルフォンス王子、フラヴィア王、前へ。▼~
:[フラヴィア]|
私の剣はお上品とは程遠いからね。~
あとで泣き言は言わないでおくれよ。▼~
:[アルフォンス]|
僕もこの剣を~
信念をかけて振るいます。▼~
:[エイル]|
それでは大将戦、はじめ。▼~
:[フラヴィア]|
はぁぁっ!~
しょっぱなから全力でいくよ!~
そらっ、そらそらっ!▼~
:[アルフォンス]|
くっ…! 速い…!~
そして一撃一撃が重い!?▼~
:[ピアニー]|
アルフォンスさん、頑張って!▼~
:[パリス]|
さすが戦士たちの国を治める女傑。~
いい剣さばきだ。▼~
そして、それを受け止める王子もな。~
なかなかに見どころがある。▼~
:[ロンクー]|
だが、徐々に押されている。~
アルフォンス王子は…~
受け止めるので精一杯だ。▼~
:[フラヴィア]|
どうしたどうした!~
こんなんじゃ、あんたらに~
力は貸せないね!▼~
:[アルフォンス]|
ぐっ、ううっ!▼~
:(画面が白く光る)|
:[グスタフ]|
……▼~
:(画面が白く光る)|
:[アルフォンス]|
…父上!▼~
僕は…僕がこの手で~
なすべきことは…!▼~
負けない、負けはしない!~
この国の未来のためにも…~
あなた方の力は必要だ!▼~
:[フラヴィア]|
なにっ…!?~
押し返してきた!?▼~
:[バジーリオ]|
ほお、やるじゃねえか。▼~
:[アルフォンス]|
はぁぁぁっ!▼~
:[フラヴィア]|
やらせはしないよ! そらぁぁっ!▼~
:[エイル]|
……!? そこまでよ。~
この勝負、引き分けのようね。▼~
:[アルフォンス]|
はぁ、はぁっ、はぁっ…。▼~
:[フラヴィア]|
ちっ、しょうがないね。▼~
:[シャロン]|
えっえっ!? じゃ、じゃあ~
2勝2敗1引き分け…~
決着はつかずってことですか?▼~
:[バジーリオ]|
いーや、勝負はお前たちの勝ちだ。▼~
:[アンナ]|
え!?~
勝負は引き分けよね?▼~
:[フラヴィア]|
あんたたちが勝てば力を貸す、と~
条件を出したわけじゃないよ。▼~
私たちはあんたらに~
力を示せと言ったんだ。▼~
合格だ。あんたたちは他人頼みじゃなく~
自分たちも血を流す覚悟を持っている。~
剣を通じて、そいつが伝わってきたよ。▼~
:[パリス]|
誰かの下で戦うのは本意ではないが~
俺は俺のやり方で~
お前たちに力を貸すことにしよう。▼~
:[ミリエル]|
まあ、私は最初から~
手を貸すつもりでしたが…▼~
私たちクロム自警団も~
こうやって試されたのです。~
フェリアの国を訪れたときに。▼~
:[バジーリオ]|
そんなわけで。フェリアの東の王~
西の王ともども力を貸すぜ!~
よろしくな…!▼~
:[アルフォンス]|
ありがとう…~
この国の未来のため、民のために~
その力が役立つことを願っているよ。▼~
**蒼炎の末裔 パリス [#mb065c04]
***C [#f1446abf]
:[アイク]|
はっ…!~
ぬぅぅんっ!▼~
……。~
誰だ、そこにいるのは。~
俺になにか用か。▼~
:[パリス]|
なるほどな…。~
よい呼吸をしている。▼~
練り上げられた気が刀身に宿り~
気迫の乗った一撃を生むか。▼~
:[アイク]|
あんたは…▼~
:[パリス]|
戦士が剣を抜いて~
姿を見せたとなれば~
やることはひとつだ。▼~
俺と戦え。▼~
:[アイク]|
……▼~
来い。▼~
:[パリス]|
感謝する。いくぞ…!▼~
:[アイク]|
むっ!~
はぁぁっ!▼~
:[パリス]|
俺の打ち込みを正面から受けるか!~
ならば…!▼~
:[アイク]|
せいっ!▼~
:[パリス]|
っ! この剛剣!~
なるほど…これが~
蒼炎の勇者の一撃!▼~
:[セネリオ]|
……!?~
アイク! どうしました!?▼~
:[パリス]|
邪魔が入ったようだな。▼~
:[アイク]|
……▼~
:[セネリオ]|
アイク! いったい~
なにがあったんですか…!?~
あの男は…▼~
:[アイク]|
去ったようだな。~
もう気配を感じない。▼~
:[セネリオ]|
先ほど響いていた剣の音…~
あれは訓練とは思えぬ~
打ち込みでした。▼~
:[アイク]|
だろうな。あいつは本気で~
俺を倒すつもりだった。▼~
:[セネリオ]|
まさか、アスク王国に~
敵対する勢力の刺客…?~
何者なのですか、あの男は…▼~
:[アイク]|
知らん。~
だが、ひとつだけ~
わかったことがある。▼~
:[セネリオ]|
わかったこと…?▼~
:[アイク]|
あいつが持っていた~
ボロボロの剣。▼~
あれは俺が持つものと同じ…~
ラグネルだ。▼~
:[セネリオ]|
……!▼~
***B [#ka92491b]
:[パリス]|
先日は世話になったな。▼~
:[アイク]|
……▼~
:[パリス]|
今日は戦いに来たわけではない。~
剣を抜くつもりもない。▼~
俺の名はパリス。~
一度、お前と剣を交えてみたかった。▼~
:[アイク]|
あんたのことは聞いた。~
クロムたちと同じ~
イーリス大陸から来たそうだな。▼~
:[パリス]|
そうだ。向こうでは~
ひたすらに剣の腕を磨き~
強者を求めて旅をしていた。▼~
蒼炎の勇者アイク。~
お前の剣の腕は~
伝え聞いた伝承どおり…。▼~
いや、伝承を上回る重みを持つ~
目の覚めるような一撃だった。▼~
:[アイク]|
俺の伝承…~
後世にはそんなものが~
残っているのか。▼~
:[パリス]|
聞きたいのなら話すが?▼~
:[アイク]|
いや、いい。▼~
:[パリス]|
話が逸れたようだな。~
お前と戦いたかった理由は~
手合わせがしたかっただけではない。▼~
この剣が本来の輝きを放つさまを~
一度、見てみたかった。▼~
:[アイク]|
その剣はやはり、ラグネルか?▼~
:[パリス]|
そうだ。俺の大切な相棒。▼~
これまで幾多の戦いをくぐり抜け~
共に歩んで来た、大切な剣。~
いや、武器を超えた武器だ。▼~
:[アイク]|
……▼~
***A [#ydb00c87]
:[パリス]|
伝承によると~
この剣は神話の時代から~
輝きを放ち続けていたというが…▼~
:[アイク]|
元は【三雄】の一人、オルティナが~
神剣エタルドとともに~
振るっていたと聞いた。▼~
それ以来、テリウス大陸の動乱を~
この剣は戦い抜いてきた。▼~
:[パリス]|
伝承どおりだな。▼~
そして、ラグネルはお前の手に渡り~
お前はテリウス大陸の種族をまとめ上げ~
神との戦いに勝利した…▼~
それが俺の知る~
蒼炎の勇者にまつわる伝承だ。▼~
:[アイク]|
…▼~
:[パリス]|
ラグネルは特別な剣。~
お前と手合わせして~
それがよくわかった。▼~
異国の伝説に~
愛着を持って使い続ける品には~
魂が宿るというものがある。▼~
このラグネルこそ~
魂を宿した、まさしく奇跡の武器。▼~
使い手との絆をつなぎ~
想いを力に変え~
時代を超えて受け継がれていく。▼~
武器を超えた武器…~
このラグネルには~
そのような言葉がふさわしいと俺は思う。▼~
:[アイク]|
…意外に饒舌だな。▼~
:[パリス]|
ん? なにか言ったか?▼~
:[アイク]|
いや、なにも。▼~
:[パリス]|
武器とは実に繊細なものでもある。▼~
俺はラグネルを手にして以来~
1日たりとも手入れを~
欠かしたことはない…。▼~
:[アイク]|
だろうな。~
だが…▼~
:[パリス]|
ああ。どんなに手入れをしても~
朽ちゆくラグネルを止められない。▼~
武器としての~
寿命が近づいているのかもしれん。▼~
***S [#x1127fcf]
:[アイク]|
ラグネルが朽ちると言うのならば~
それでいい。▼~
:[パリス]|
それはどう言う意味だ?▼~
:[アイク]|
ラグネルが役目を終えようとしているのは~
世界から戦いがなくなりつつある~
証かもしれん。▼~
:[パリス]|
……▼~
:[アイク]|
ラグネルが無用となる世界…~
平和な世界の到来が近いことを~
ラグネルも感じているのかもしれない。▼~
:[パリス]|
だが、俺は~
ラグネルを携えたままこの異界…~
アスク王国に召喚された。▼~
つまり、この世界には~
俺とラグネルに果たすべき役割がある。▼~
ラグネルが最後の使命を果たすために~
俺たちは流れ着いたのかもしれんな。▼~
:[アイク]|
……。▼~
パリス。あんたさえよければ~
グレイル傭兵団に来ないか。~
この世界にいる間だけでもな。▼~
:[パリス]|
……。~
誘ってくれたことについては~
感謝する。▼~
:[パリス]|
だが俺は、誰かの下で働くのは~
性に合わんのでな。▼~
:[アイク]|
そうか。▼~
:[パリス]|
俺はこの世界でも~
自分の足で強いやつを探し歩く。~
これまでそうしてきたようにな。▼~
しかし、俺もお前も~
歩む方向は同じはずだ…▼~
:[アイク]|
……▼~
:[パリス]|
また会おう、蒼炎の勇者。▼~
:[アイク]|
ああ。また会おう。▼~
同じ剣を握る宿命を持った~
異界の戦士よ。▼~
**フェリアの東王 フラヴィア [#u2cb5da8]
***C [#o4eecd39]
:[フラヴィア]|
エイル王女、こんなところにいたのかい?~
ほお、ここはずいぶんと~
見晴らしのいい丘だね。▼~
:[エイル]|
気に入ってくれたのなら、うれしいわ。~
ここは…私の大切な場所だから。▼~
…なにか御用かしら?▼~
:[フラヴィア]|
王女が、死の国の出身だと聞いてさ。~
人の生き死にには詳しいんだろ?~
聞きたいことがあってね。▼~
:[エイル]|
私に答えられることなら。▼~
:[フラヴィア]|
私と一緒に、アスク王国に~
召喚されて来たバジーリオ…▼~
あいつは生きてんのかい?~
それとも死んでんのかい?▼~
:[エイル]|
どういう意味…かしら。▼~
:[フラヴィア]|
あいつはね…~
死んじまったんだよ。▼~
信じたくはないけどさ~
助かりっこない状況で~
我を通しちまったんだ。▼~
:[エイル]|
…▼~
:[フラヴィア]|
私たちとクロムが~
ヴァルハルトと戦ったときのことさ。▼~
私らはヴァルハルトに力負けし~
全滅の危機に陥った。▼~
あいつは私を逃がすために~
自分を囮にしてヴァルハルトに~
向かって行ったんだ。▼~
そして…。▼~
:[エイル]|
それが…あなたが見た~
バジーリオの最後だった、と。▼~
:[フラヴィア]|
……。~
それなのにさ、この国では~
昔みたいにイキイキとしてやがる。▼~
ガサツで大雑把で、すぐに調子に乗るけど~
戦うことに対しては誰よりも真剣な…~
私の知ってるバジーリオだ。▼~
それはそれで結構なことなんだけど~
私の中では、バジーリオは~
一度死んでいるんだ。▼~
何事もなかったかのように~
振舞っているけど…~
どう接していいかわからなくてさ。▼~
:[エイル]|
そう。それが…~
私に聞きたかったことなのね。▼~
***B [#m5dddca4]
:[エイル]|
異界から召喚される英雄たちは~
たとえ同じ人物だとしても…~
召喚される時期が違う者がいる。▼~
英雄としての全盛期に召喚される者~
まだ名を成す前に召喚される者…。▼~
果ては、己の命運が尽きる寸前や~
死の運命を受け入れたあとに~
召喚される者も存在するわ。▼~
:[フラヴィア]|
ここにいるバジーリオは~
自分が死ぬ運命を知らない~
バジーリオ…なのかい?▼~
:[エイル]|
その可能性は高いわね。▼~
:[フラヴィア]|
…まいったね、本人に~
聞くわけにもいかないだろうしね…。▼~
そうだ…!~
エクラなら~
詳しいことを知ってそうだね。▼~
:[エイル]|
どうかしら…。▼~
エクラは~
アスク王国に必要な英雄と絆を結び~
召喚するだけだから…▼~
:[フラヴィア]|
そうか…。~
英雄の事情なんて~
知らないってことか…▼~
:[エイル]|
……。~
なにか胸につかえていることが…?▼~
:[フラヴィア]|
私はさ、バジーリオが~
いなくなっちまってから…。▼~
あいつの仇を取るために~
その感情に後押しされて~
剣を振るってきたんだよ。▼~
もちろん、それだけが理由じゃない。~
フェリアのため、大陸の平和のため~
そして、戦士としての意地もある。▼~
だけど、一番の理由は…~
バジーリオの仇だったんだよ。▼~
あの馬鹿…~
死ぬのはわかりきってたのに~
最後の最後で身体を張りやがって…▼~
:[エイル]|
……。▼~
:[フラヴィア]|
でも、ここじゃ~
あいつは何事もなかったように生きて~
大暴れしているだろ?▼~
なんか、安心しちまってさ。▼~
:[エイル]|
だから私に、ここにいるバジーリオ王が~
生きているのか死んでいるのかを~
尋ねた、と。▼~
:[フラヴィア]|
そのとおりだよ。▼~
魔道かなんかで無理やり動かされている~
屍兵みたいな存在だったら…~
どうしてやろうかと思ってさ。▼~
:[エイル]|
……▼~
***A [#we74a45f]
:[エイル]|
自分が死んでいるのか~
生きているのか。▼~
それを決めるのは~
他人の目でも自然の摂理でもなく~
自分自身かもしれないわ。▼~
:[フラヴィア]|
……?▼~
:[エイル]|
なにも成さず~
死んだように生きる者もいれば…▼~
肉体は滅んでいても~
世界に影響を与え続ける者もいる。▼~
:[フラヴィア]|
イーリス大陸に伝わる~
数々の英雄たちの伝承…~
まさにそういうことだね。▼~
:[エイル]|
アスク王国にいる~
バジーリオ王に限って言えば…~
死から遠いところにいるように感じる。▼~
生き抜こうという意思に~
あふれているように見えるわ。▼~
:[フラヴィア]|
……▼~
:[エイル]|
たとえ、明日死ぬという~
運命を知ったとしても~
彼は自分を貫くのではないかしら。▼~
:[フラヴィア]|
自分を貫く、か…~
そうだね、違いない。▼~
あいつが生きてようが死んでようが~
そもそも関係なかったんだ。▼~
なにがあろうと私は自分を鍛え~
上を目指し、強くなっていくだけさ。▼~
:[エイル]|
誰かの死を受け入れることで~
前に進む決意を固める~
人間もいるかもしれない。▼~
だけど、きっかけがなければ~
前に進めない人間は…~
今を必死に生きてはいない。▼~
:[フラヴィア]|
そうだな…~
うん、そのとおりさ。▼~
私は私の力で剣を振るう…~
もうブレないよ。▼~
話を聞いてくれて感謝するよ、エイル王女。~
あんた、イイ女だね!▼~
:[エイル]|
そういう褒められ方をしたのは~
はじめてよ。▼~
:[フラヴィア]|
よし、迷いも消えたことだし~
いっちょ鍛え直すかね!▼~
***S [#bead938c]
:[クロム]|
リズから聞いた。~
ヴァイス・ブレイヴに手を貸すか否かを~
武闘大会で決めたんだってな。▼~
:[フラヴィア]|
あんたのときと同じさ。~
相手を知るには~
そうするのが一番だからね。▼~
:[クロム]|
なんにせよ、この世界でも~
フェリアの新旧二人の王たちと~
共に戦えるのは心強い。▼~
:[フラヴィア]|
ああ、任せておくれよ。▼~
イーリス大陸での戦いじゃ~
バジーリオは最後まで~
あんたの力になれなかったけど…▼~
ここでは二度と~
あんな目にはあわせやしないさ。▼~
:[クロム]|
…バジーリオが最後まで~
俺の力になれなかった?▼~
:[フラヴィア]|
あ、ああ。そのはずだろ。~
バジーリオは、私を逃がすために~
ヴァルハルトに討たれて…▼~
:[クロム]|
そうか…。~
まだ真実を知らなかったんだな。▼~
:[フラヴィア]|
真実? なにを言ってんだい?▼~
:[クロム]|
実は…フラヴィア。~
バジーリオは死んではいなかったんだ。▼~
:[フラヴィア]|
な…! なんだってえ!?▼~
:[クロム]|
話せば長くなるが…~
ともかく、バジーリオは生きている。~
安心してくれ。▼~
:[フラヴィア]|
はぁぁぁぁぁっ!?~
なんだいそりゃ!▼~
じゃ、じゃあなにかい?~
私の仇討ちやフェリアの連中の涙は…▼~
:[クロム]|
まあ、そういうことだ…。~
運命は変わったんだ。▼~
:[フラヴィア]|
なんだい…そうか…▼~
:[クロム]|
ん…?~
フラヴィア、これから訓練だが~
どこに行く?▼~
:[フラヴィア]|
ちょっと用事ができた。~
ぶん殴りたいやつがいるんでね。▼~
:[クロム]|
まあ、ほどほどにな。▼~
:[フラヴィア]|
あの寝ぼけた中年に~
一発かましてやらないと~
私の気が済まないよ!▼~
ふふ…はははっ!~
死の運命を変えちまうなんざ~
まったくしぶとい男だねえ!▼~
**フェリアの西王 バジーリオ [#b7498bf3]
***C [#v5bc9325]
:[バジーリオ]|
……。▼~
:[ムスタファー]|
……。▼~
:[バジーリオ]|
ムスタファー将軍、あんたの噂は~
フェリアにも響いていた。▼~
戦いは豪胆で苛烈。~
しかし、その振る舞いは清廉で~
部下からの人望も厚い。▼~
まさかこうして組んで~
一緒に焚き火を囲むことになるとはな。▼~
:[ムスタファー]|
勇猛なるフェリアを治める東西二人の王~
フラヴィア王とバジーリオ王。▼~
武を志すものならば~
避けては通れぬ名。▼~
こちらこそ、一人の武人として~
お会いできて光栄だ。▼~
:[バジーリオ]|
イーリス大陸じゃ、不幸な巡り合わせで~
敵同士になっちまったが…。▼~
なんの因果かアスク王国じゃ~
こうして共に戦うことができる。▼~
:[ムスタファー]|
私も今は、この国の平和のために~
子の斧を振るう身。~
王の腕、存分に頼らせていただく。▼~
:[バジーリオ]|
だけどよ、なんか不思議なんだよな。~
あんたとは~
他人のような気がしねえ。▼~
いろんなところが~
似ている気がするんだよ。▼~
:[ムスタファー]|
…ふむ。▼~
戦場に身を置き続けた者が持つ~
独特な気迫…たしかにそれは~
似ているような気がする。▼~
:[バジーリオ]|
いや、それもそうなんだが~
もっとこう…なんというか。▼~
:[リフ]|
お二方。焚き火の番、ご苦労様でした。~
そろそろ交代しましょう。▼~
:[マリナス]|
王と将軍は馬車でお休みくだされ。~
あとはわしらが見張りをやりますぞ。▼~
:[バジーリオ]|
おう、すまないな。▼~
:[ムスタファー]|
なにかあれば~
遠慮なく起こすといい。▼~
:[マリナス]|
お気遣い、ありがとうございます。~
では、おやすみなさいませ。▼~
:[バジーリオ]|
お前たちも体力を~
温存しておけよ。▼~
***B [#t3d0af8d]
:[オリヴァー]|
うむむ、納得がいかぬ!~
どうして可憐で美しい私が~
このような遠征に同行せねばならんのだ!▼~
:[マリナス]|
まあまあ、オリヴァー殿。~
戦いに巻き込まれた村に物資を届けるのも~
やりがいのあるお仕事ですぞ。▼~
:[オリヴァー]|
ふん。どうせならもっと~
まろやかで美しい者たちと~
組ませてほしいものだ。▼~
ああ、これも完璧な私を妬む~
神の試練なのか…。~
だが負けぬ、負けませぬぞー!▼~
:[バジーリオ]|
しかし、どうして~
エクラは~
俺たちにこの任務を任せたんだろうな。▼~
ムスタファー将軍はともかく~
ほかの面子は出身地も兵種も~
バラバラなのによ。▼~
:[ムスタファー]|
……▼~
:[リフ]|
きっと、私たちに~
信を置いてくれているからでしょう。▼~
異界の英雄たちが~
民のために力をあわせる…▼~
この巡り合わせ…~
神のお導きに感謝しましょう。▼~
:[ムスタファー]|
本当ならゴルドア王国の~
デギンハンザー王も~
同行される予定だったらしいが…▼~
:[マリナス]|
別用でご不在だったと~
聞き及んでおりますな。▼~
:[バジーリオ]|
ラグズの民ってのも~
かなり強いんだろ?~
その腕前、見てみたかったぜ。▼~
:[オリヴァー]|
デギンハンザー王は神に次ぐ力を持つ~
【三雄】の一人なのだぞ。▼~
そのような豪の者と馬車に揺られるなぞ~
硝子細工のように繊細な~
私の寿命がメキメキと縮むわい。▼~
:[マリナス]|
そういえば…▼~
:[バジーリオ]|
どうしたマリナス。~
そんなに頭を撫でて。~
虫にでも刺されたか?▼~
:[マリナス]|
い、いえ、そのようなわけでは…~
村まではあと半日ほど。~
もうひとふんばりですじゃ。▼~
:[バジーリオ]|
おう、気を抜かずに行こうぜ!▼~
***A [#ce11f163]
:[ムスタファー]|
そろそろ、話に聞いていた。~
盗賊たちの縄張りだな。▼~
:[マリナス]|
村まではあと半日ほど…~
何事もなく通り過ぎることが~
できればいいのですが…。▼~
:[オリヴァー]|
ふん、こんな辺境の賊など~
私の美しさに腰を抜かしてひれ伏すわ。▼~
:[バジーリオ]|
俺とムスタファー将軍がいるんだ。~
百人の賊が押し寄せてきても~
負ける気はしねえけどよ…。▼~
問題は、馬車と積み荷を守りながら~
戦わなけりゃいけねえってことだな。▼~
:[マリナス]|
賊も、積み荷を狙って来るとは~
思いますが…。▼~
破れかぶれになった賊は~
なにをしでかすか~
わかりませんからのう。▼~
:[ムスタファー]|
……!~
この気配、囲まれている。▼~
:[リフ]|
かなりの数ですね。~
私にも感じます…。▼~
:[マリナス]|
あわ、あわわ…~
噂をすればなんとやらですぞ!▼~
:[バジーリオ]|
やっぱり、すんなりとは~
通してはくれねえか。▼~
俺とムスタファー将軍は~
馬車から賊を遠ざけるように戦う。▼~
馬車の守りはオリヴァー~
あんたに任せるぜ。~
その魔道書は飾りじゃないんだろ?▼~
:[オリヴァー]|
誰に言っておるのですかな!?~
芸術を解せぬ辺境の賊に~
この美の化身が後れを取るとでも!?▼~
:[バジーリオ]|
そいつぁ頼もしい。~
俺も芸術とかはさっぱりだが~
戦えるのならそれでいい。▼~
:[リフ]|
怪我をなさったときには~
馬車までお戻りください。~
私が手当をいたします。▼~
:[ムスタファー]|
かたじけない。~
もしものときは力をお借りする。▼~
:[バジーリオ]|
んじゃあ、ひと暴れするか!~
積み荷は腹を空かした~
村人に届けるものだ。▼~
盗賊たちには~
指一本触れさせねえぜ!▼~
***S [#k7455a2b]
:[バジーリオ]|
はぁぁぁっ! せやぁぁっ!▼~
:[ムスタファー]|
ふんっ…!▼~
:[オリヴァー]|
ええい、寄るでない!~
私の美しい顔に~
傷でもついたらどうする!▼~
:[バジーリオ]|
くそっ、ひとり一人は~
大したことはないが~
こう数で押されてはな…!▼~
:[ムスタファー]|
馬車を守りながらの戦い…~
なかなかに手強い!▼~
:[マリナス]|
皆様方、頑張ってくだされ!▼~
:[バジーリオ]|
ちっ、ここで積み荷を~
奪われでもしたら…。▼~
俺たちを信頼してくれた~
エクラにも~
申し訳が立たねえ!▼~
:[リフ]|
神よ、どうかご加護を!▼~
:[オリヴァー]|
くぅぅぅ、美しい私が~
ここで倒れてしまえば~
誰がアスク王国の美を守るのか!▼~
止むを得ぬ! 秘中の秘である~
【寵愛の書】を使うしかない!▼~
さあ、美しき光を放つのです!~
【寵愛の書】よ! むんっ!▼~
:(画面が白く光る)|
:[バジーリオ]|
うおっ!?~
な、なんだっ、この光は!?▼~
:[ムスタファー]|
むぅっ!?▼~
:[リフ]|
お、おお…これは~
神の御来光でしょうか!▼~
:[オリヴァー]|
道理をわきまえぬ賊どもよ!~
見るがいい! この華麗な光を!▼~
…って、ま、眩しすぎるっ!?~
こ、これはいったい何ごとー!?▼~
:[マリナス]|
は、はわーっ!~
魔道書から放たれた光が~
何かに反射しておるような…!▼~
:[バジーリオ]|
よくわかんねえが~
賊はひるんでやがる!~
好機を逃すな、一気に押し返す!▼~
:[ムスタファー]|
承知!▼~
:(画面が白く光る)|
:[バジーリオ]|
ふぅ…なんとかなったみたいだな。~
ちょっとだけ肝が冷えたぜ。▼~
:[リフ]|
皆様、お怪我がないようで~
なによりです。▼~
:[オリヴァー]|
しかし、さきほどの輝きはいったい…。~
【寵愛の書】があれほどまで~
光るはずはないのだが…▼~
私の美を愛する心が高まったゆえに~
魔道書がさらなる光を発したのでは!?▼~
:[バジーリオ]|
ま、なんにせよ。~
力を合わせて乗り切れたんだ。~
これで胸を張って城に戻れるな・▼~
:[リフ]|
村人たちも喜ぶでしょう。~
この行いが、世の闇を照らす光の~
一助になれば幸いです。▼~
:[ムスタファー]|
うむ。民のまばゆい未来のために。▼~
:[オリヴァー]|
私の輝く笑顔で、これからも~
世を照らしてみせようではないか!▼~
:[バジーリオ]|
俺もまだまだいけるな!~
これからもアスク王国で~
輝いてやろうじゃねえか!▼~
**理知の瞳 ミリエル [#g5843967]
***C [#h02897f6]
:[ミリエル]|
ふむ…なるほど…。~
イーリス聖王国での観測と~
寸分の違いもないようですね…。▼~
:[アルフォンス]|
?~
あそこにいるのは…ミリエルか。▼~
さっきから袋を地面に落として~
拾っては落として…~
なにをしてるんだろう?▼~
:[ミリエル]|
…引力の確認です。▼~
:[アルフォンス]|
わっ、聞こえてたのかい…!?~
す、すまない。~
君の様子が気になってつい…▼~
:[ミリエル]|
この異界…~
アスク王国にも引力が存在するのか~
確認していました。▼~
ああ、引力というのはですね。~
すべての物体が必ず大地に~
引かれて落ちる現象を指します。▼~
大地が物体を引き寄せるこの力を~
私の母は引力と呼んだのです。▼~
:[アルフォンス]|
引力…か。~
そういえばエクラが~
言っていたような…▼~
:[ミリエル]|
!~
この力のことを…~
既に知っていたというのですか?▼~
:[アルフォンス]|
詳しいことは僕も知らないんだ。~
ただ、以前~
満月だった時に…▼~
:[ミリエル]|
……!?~
夜空に浮かぶあの月も…~
引力に関係しているのですか?▼~
その話が本当だとしたら~
いったいどうやって調べたのです?~
誰か月へ赴いたのですか?▼~
:[アルフォンス]|
さ、さあ…~
エクラに~
聞いてみるのはどうかな?▼~
:[ミリエル]|
…確かに、そうですね。▼~
エクラさんは~
おそらく、私たちより遥かに優れた~
文明の存在なのでしょう。▼~
尋ねれば、引力のことも…~
私の知りたい知識も~
すぐに得られるのかもしれません。▼~
………▼~
***B [#c70f3949]
:[ミリエル]|
…………▼~
:[シャロン]|
ミリエルさん。~
もしかして、~
何か悩みごとですか?▼~
:[ミリエル]|
…はい。▼~
シャロン王女、~
なぜ私の考えが~
わかったのですか?▼~
:[シャロン]|
わかりますよ!~
だってミリエルさん、~
すごく難しい顔してましてから。▼~
:[ミリエル]|
…難しい、顔?~
それはどんな顔ですか?~
詳しく話してください。▼~
目の大きさや角度ですか?~
それとも鼻?~
あるいは口の結び方が…▼~
:[シャロン]|
え、えーと…~
なんとなくです!▼~
そ、それより悩み事ですよね!~
良かったら~
わたしに話してみませんか?▼~
悩み事は誰かに話すと~
気持ちがすっきりするんです。▼~
あ、でも難しい話は~
わたし、苦手ですから、~
わかりやすくお願いします!▼~
:[ミリエル]|
……。~
そうですね、~
例えるなら…▼~
母と私が長年~
答えを追い求めていた…~
大いなる謎があるとします。▼~
:[シャロン]|
うんうん、~
なぞなぞですね!▼~
:[ミリエル]|
答えに近づくための知識は、~
母から私へと受け継がれ…▼~
私は生涯をかけて、~
謎を解き明かそうとしていました。▼~
:[シャロン]|
お母様の代からの悲願を~
ミリエルさんが叶える…~
すばらしいと思います!▼~
:[ミリエル]|
ところが…です。~
その答えは隣国の人々にとっては~
誰でも知っているような常識だったのです。▼~
私は隣国に行き、~
あっさりと答えを知ります…▼~
この謎を解くために~
母や私が費やしてきた歳月に…~
意味はあるのでしょうか?▼~
:[シャロン]|
え、えーと…▼~
意味はあります!~
だってミリエルさんは、自分自身の力で~
考え続けてきたんですから!▼~
:[ミリエル]|
…もし意味があるとするなら。▼~
私は隣国に答えがあると知っていても~
あえて耳を塞ぎ、みずから~
考え続けるべきなのでしょうか?▼~
それは、知識を求める私が…~
真理を目指す者が~
とるべき行動なのでしょうか?▼~
:[シャロン]|
え、えーと…~
わ、わかりません、ごめんなさい!▼~
すみません、~
お悩み解決できませんでした…▼~
:[ミリエル]|
…いえ。~
やはりこれは、私自身が~
決めるべきことなのでしょう…▼~
***A [#vd9acf37]
:[アンナ]|
物資の補給に、~
特務機関の財政管理に…~
あー忙しい忙しい!▼~
あ、ミリエル、良いところに。~
これ、届けといてくれないかしら?▼~
:[ミリエル]|
これは…~
魔道理論の書ですか。~
ごく初歩のもののようですが…▼~
:[アンナ]|
それ、エクラが~
読むのよ。▼~
:[ミリエル]|
…?~
エクラさんが~
なぜこのような魔道の初歩を?▼~
もしや、誰でも理解できると~
思われていたこの初歩の知識にこそ~
秘められた真理への扉が…▼~
:[アンナ]|
いいえ、~
そういうのじゃなくて。▼~
エクラが~
元いた世界にはね、~
魔法は存在しないらしいのよ。▼~
:[ミリエル]|
魔法が…存在しない?▼~
それは、例えば~
炎や風を生み出すような、~
ごく初歩的な魔道さえも?▼~
:[アンナ]|
ええ、だから~
完全に知識ゼロってわけね。▼~
:[ミリエル]|
…それは、意外でした。~
エクラさんといえば…▼~
ありとあらゆる世界の知識を蓄え~
時を超越した彼方の文明に住まう~
全知の化身のはず…▼~
:[アンナ]|
あなたの中の~
エクラ像が~
どうなってるのか気になるけど…▼~
まあ、エクラも~
私たちと同じ人間ってことね。~
知ってることも知らないこともあるのよ。▼~
:[ミリエル]|
…………▼~
***S [#q661233e]
:[ミリエル]|
…………▼~
:[アルフォンス]|
やあ、ミリエル。~
その袋は…~
また調べものかい?▼~
あ、そういえば…~
あれから~
エクラとは話を?▼~
:[ミリエル]|
…………▼~
引力…~
そう母が呼んだ力の謎は、~
母から私に受け継がれたものです。▼~
ある意味では、~
この知識は、母と私の~
絆といえるでしょう…▼~
ですが、だからこそ…~
私は知ることを拒みません。▼~
:[アルフォンス]|
…………▼~
:[ミリエル]|
私は知りたいことがあれば、~
考え、人に尋ね、書を読み、~
時に実験を行ってきました。▼~
あらゆる方法で知を深める…~
それこそが母と私が目指す、~
真理の探究です。▼~
そうであるならば、~
知ることを放棄するのは、~
知に対する冒涜です。▼~
私は今までと何も変わることなく~
知りたい知識を得て、~
真理に近づきます。▼~
:[アルフォンス]|
…シャロンからは~
君が悩んでいるみたいだと~
聞いていたけれど。▼~
どうやらもう、~
迷いは消えたみたいだね。▼~
:[ミリエル]|
はい。~
答えは既に出ていました。▼~
エクラさんが~
私の問いにどこまで答えてくれるか、~
私が理解できるかはわかりませんが…▼~
いずれにせよ、~
私は何らかの知識を~
得ることができるでしょう。▼~
そして私が得た知識は…~
私の子、あるいは私の書を~
読んだ者に受け継がれ…▼~
いつか、真理に到達する。~
私は今日も、その道標に~
向かって進むだけです…▼~
*コメント [#tbc9b683]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*高め合う魂たち [#ndcab398]
#contents
**高め合う魂たち [#ve539374]
***オープニング [#r8738ffe]
:[ミリエル]|
なるほど。つまりは、私たち4人を~
アスク王国の特務機関――~
ヴァイス・ブレイヴの指揮下にと。▼~
:[アルフォンス]|
この国のために、民の未来のために~
力を貸してほしいんだ。▼~
:[パリス]|
国のため、民の未来のために…か。▼~
:[バジーリオ]|
…と、王子様は仰せだが、~
どうするよ、フラヴィア?▼~
:[フラヴィア]|
どうするもなにも今~
アンタが考えていることと同じだよ。▼~
:[シャロン]|
それじゃ、わたしたちに~
力を貸してくれ…▼~
:[フラヴィア]|
ちょいと待っておくれ。▼~
民や未来を守るために~
戦わなくちゃいけないって~
事情は理解したよ。▼~
だけどね…~
私たちがヴァイス・ブレイヴとやらに~
力を貸すかは別問題さ。▼~
:[ミリエル]|
……▼~
:[フラヴィア]|
あんたらが戦うために~
異界の英雄頼みって連中なら~
力を貸すのは願い下げだ。▼~
そういうことなら~
私たちは私たちで好き勝手にやって~
この国を救うだけさ。▼~
:[シャロン]|
わ、わたしたちは~
決して他力本願なわけでは…!~
ただ、みなさんの力をお借りしたくて。▼~
:[バジーリオ]|
俺たちを仲間にしたいんだったら~
話は簡単だ。▼~
お前たちの力を~
俺たちに示せばいい。▼~
:[アルフォンス]|
力を…示す?▼~
:[バジーリオ]|
俺たちフェリアの民は蛮族の出だ。~
もっともらしい言葉より~
力で説き伏せてみな。▼~
:[アンナ]|
それは、あなたたちと~
戦えってことかしら?▼~
:[バジーリオ]|
そのとおり。~
どうせなら団体戦といこうぜ。▼~
こっちにはロンクーもいるんだろう?~
あいつは俺の後継に考えてる奴だからな~
ちょっと借りるぜ。▼~
:[フラヴィア]|
そいつは面白そうだね。~
私とバジーリオ、ロンクー~
そしてパリスとミリエルで5人だ。▼~
:[パリス]|
……▼~
:[ミリエル]|
私はそもそも、蛮族でも~
フェリアの民でもないのですが?▼~
:[バジーリオ]|
固いこと言うなって。~
同じ頃合いにアスク王国に~
呼ばれたよしみじゃねえか。▼~
:[フラヴィア]|
んじゃあ、アルフォンス王子。~
そっちも明日までに~
腕っこきを5人集めな。▼~
:[パリス]|
どうせなら~
倒し甲斐のある相手を頼むぞ。▼~
:[シャロン]|
あっ! 待ってくださいっ!~
みなさん、行っちゃいましたね…。▼~
:[アンナ]|
どうするのよ、アルフォンス。~
向こうの提案に従うの?▼~
:[アルフォンス]|
戦いは望みませんが、~
彼らの信頼を勝ち得るには~
それしかなさそうです…▼~
***C [#m59a4abb]
:[バジーリオ]|
うーっし! 天気もいいし~
暴れるにはもってこいの日だな。▼~
:[フラヴィア]|
逃げずに来たみたいだね。~
その勇気は褒めてあげるよ。~
そっちは誰が戦うんだい?▼~
:[アルフォンス]|
ヴァイス・ブレイヴを代表して~
僕とシャロン、アンナ隊長。~
それと…。▼~
:[フィヨルム]|
ニフル王国第二王女~
フィヨルムと申します!~
よろしくお願いいたします!▼~
:[ピアニー]|
私、ピアニー。~
アルフォンスさんたちと~
一緒にがんばるわ。▼~
:[バジーリオ]|
おうおう、活きの良さそうなのが~
いるじゃねえか。▼~
:[ロンクー]|
油断しないほうがいい。~
彼らはまがりなりにも~
厳しい戦いを生き抜いた英雄だ。▼~
:[パリス]|
なるほどな。~
それでこそ、倒しがいもある。▼~
最初は俺に行かせてくれ。~
そっちは5人まとめて~
かかってきてもかまわんぞ。▼~
:[シャロン]|
はいはいはーいっ!~
先鋒はこのシャロンにお任せを!▼~
:[エイル]|
審判役は私が務めるわ…~
安心して。どちらかが~
死ぬ前には止めるから。▼~
それでは先鋒戦…~
シャロン王女対パリス、はじめ。▼~
:[シャロン]|
勢いでは負けませんよ!~
たりゃぁぁぁーっ!~
せいせいっ! はぁぁぁーっ!▼~
:[パリス]|
ほぉ、気迫が乗ったいい槍さばきだ。~
だが…。▼~
勢いだけでは勝てんぞ、王女様!~
ふんっ!▼~
:[シャロン]|
あう!? いったぁーっ!~
くうう、1本、取られちゃいました…。▼~
:[バジーリオ]|
だーっはっはっ! まずは俺たちの1勝!~
幸先いい出だしだな!▼~
:[シャロン]|
す、すみません…~
いけそうな気はしたのですが。▼~
:[フィヨルム]|
大丈夫です、取り返しますから!~
次は私が参ります!▼~
:[ロンクー]|
このような茶番~
そぐに終わらせる。▼~
:[エイル]|
それでは次鋒戦…~
フィヨルム王女対ロンクー、はじめ。▼~
:[フィヨルム]|
焦らず落ち着いて相手の動きをよく見て~
はぁぁぁっ!▼~
:[ロンクー]|
……▼~
:[フィヨルム]|
気持ちでは負けません!~
前へ、前へっ!▼~
:[ロンクー]|
くっ…! 近い!?▼~
:[フラヴィア]|
んん…? 気のせいか。~
ロンクーの動き、ちと固いね。▼~
:[バジーリオ]|
ふぅむ。▼~
:[フィヨルム]|
そこです…! せいっ!▼~
:[ロンクー]|
つうっ…!▼~
:[エイル]|
…それまで。~
勝者、フィヨルム王女。▼~
:[ロンクー]|
くっ、捌き切れなかったか。▼~
:[バジーリオ]|
あの様子じゃ、あいつの女嫌いは~
まだ治ってなかったってかぁ。▼~
:[フラヴィア]|
女嫌い? なんだいそりゃ?▼~
:[バジーリオ]|
ロンクーは女に近づかれると~
緊張して身体が固まっちまうのさ。▼~
剣の腕は申し分ないけどな。~
女嫌いさえ克服できれば~
もう一回り成長できるんだがなあ。▼~
:[シャロン]|
やりましたね、フィヨルム王女!~
これで1対1です!~
わたしたちは負けませんよー!▼~
***B [#e9e117e7]
:[エイル]|
次の試合は中堅戦…~
ピアニーとミリエル、前へ。▼~
:[ピアニー]|
きゃっ、私が呼ばれたのね。~
何して遊ぶのかしら?~
わくわく。▼~
:[バジーリオ]|
おう、ミリエル!~
クロム自警団仕込みの魔道を~
ぶちかましてやれ!▼~
:[ミリエル]|
そんな野蛮なことはしません。~
ピアニー、~
ここに2冊の同じ本があります。▼~
アスク王国の大図書館から借りて来た~
魔道理論の本です。▼~
どちらが早く読破して~
より深く理解できるのか、勝負です。▼~
:[ピアニー]|
えっ!?~
な、なに、この分厚い本?~
文字ばっかりで挿絵がぜんぜん…▼~
:[バジーリオ]|
おいおいっ!~
いきなり読書の時間たぁ~
どういうことだ!?▼~
:[ミリエル]|
戦いとは武力によるものとは限りません。~
知力を尽くして戦うのもまた戦い…▼~
:[パリス]|
なるほどな。勝負は勝負。~
肉の早食い競争だって~
立派な勝負になるだろうしな。▼~
:[ミリエル]|
では、エイル王女。~
試合開始の合図を。▼~
:[エイル]|
…それには及ばないわ。~
ピアニーを見て。▼~
:[ピアニー]|
すぅー…すぅぅ…むにゃ…~
おやすみなさい…▼~
:[ミリエル]|
…本を開いた瞬間~
眠りはじめましたか。▼~
:[フィヨルム]|
ピアニーさん! ピアニーさんっ!~
ダメです、~
ルピナスさんばりに寝てます…▼~
:[エイル]|
ピアニーの試合放棄と見なすわ。~
勝者、ミリエル。▼~
:[ミリエル]|
本気を出すまでも~
ありませんでしたね。▼~
:[フラヴィア]|
これで私たちの2勝だね!~
さあ、このまま決めるよ!▼~
:[バジーリオ]|
任せろ! ここは俺が行く!~
そっちの副将はアンナ隊長かい?▼~
同じ斧使い同士、力と力~
正面からぶつかり合おうじゃねえか!▼~
:[アンナ(正月)]|
じゃあエイル王女。~
副将戦、はじめてちょうだい!▼~
:[バジーリオ]|
…は? アンナ隊長~
いつのまにあんな遠くに…▼~
って、斧じゃなくて~
弓を持ってるじゃねえか!▼~
:[エイル]|
…はじめ。▼~
:[アンナ(正月)]|
それーっ! それそれっ!~
遠距離から先手必勝!▼~
:[バジーリオ]|
いてっ! いててててて!~
お、斧はっ、さっきまで持ってた~
斧はどこにやったんだ!?▼~
:[アンナ(正月)]|
問答無用!~
これでトドメーっ! せいっ!▼~
:[バジーリオ]|
ぐはっ!~
な、なんだ…そりゃあ…▼~
:[エイル]|
勝者、アンナ隊長。▼~
:[アンナ]|
ふっふっふ! 恐れ入ったかしら。~
どう? アスク王国には~
異界の自分が何人もいるのよ!▼~
副将として戦ったのは~
私と同じアンナだし、問題ないわよね!▼~
:[アンナ(正月)]|
勝つためにはあらゆる手を使う。~
それがヴァイス・ブレイヴ!▼~
:[バジーリオ]|
ぐぅっ、勝ちにこだわるその姿勢。~
なんてぇ執念だ…▼~
:[アルフォンス]|
いいのかな、これで…▼~
***A [#u344ef98]
:[フラヴィア]|
ったく、それでもフェリアの西の王かい!~
だらしがないね!▼~
:[バジーリオ]|
いてて、めんぼくねえ。~
不意をつかれちまった。▼~
:[フラヴィア]|
しょうがないね。~
私がビシっと決めてやるさ。~
大将戦で決着だよ!▼~
:[アンナ]|
あとは任せたわよ、アルフォンス!▼~
:[シャロン]|
お兄様、頑張ってくださいっ!▼~
:[アルフォンス]|
彼らの力はヴァイス・ブレイヴに必要だ。~
負けるわけには…いかない!▼~
:[エイル]|
では、大将戦をはじめるわ。~
アルフォンス王子、フラヴィア王、前へ。▼~
:[フラヴィア]|
私の剣はお上品とは程遠いからね。~
あとで泣き言は言わないでおくれよ。▼~
:[アルフォンス]|
僕もこの剣を~
信念をかけて振るいます。▼~
:[エイル]|
それでは大将戦、はじめ。▼~
:[フラヴィア]|
はぁぁっ!~
しょっぱなから全力でいくよ!~
そらっ、そらそらっ!▼~
:[アルフォンス]|
くっ…! 速い…!~
そして一撃一撃が重い!?▼~
:[ピアニー]|
アルフォンスさん、頑張って!▼~
:[パリス]|
さすが戦士たちの国を治める女傑。~
いい剣さばきだ。▼~
そして、それを受け止める王子もな。~
なかなかに見どころがある。▼~
:[ロンクー]|
だが、徐々に押されている。~
アルフォンス王子は…~
受け止めるので精一杯だ。▼~
:[フラヴィア]|
どうしたどうした!~
こんなんじゃ、あんたらに~
力は貸せないね!▼~
:[アルフォンス]|
ぐっ、ううっ!▼~
:(画面が白く光る)|
:[グスタフ]|
……▼~
:(画面が白く光る)|
:[アルフォンス]|
…父上!▼~
僕は…僕がこの手で~
なすべきことは…!▼~
負けない、負けはしない!~
この国の未来のためにも…~
あなた方の力は必要だ!▼~
:[フラヴィア]|
なにっ…!?~
押し返してきた!?▼~
:[バジーリオ]|
ほお、やるじゃねえか。▼~
:[アルフォンス]|
はぁぁぁっ!▼~
:[フラヴィア]|
やらせはしないよ! そらぁぁっ!▼~
:[エイル]|
……!? そこまでよ。~
この勝負、引き分けのようね。▼~
:[アルフォンス]|
はぁ、はぁっ、はぁっ…。▼~
:[フラヴィア]|
ちっ、しょうがないね。▼~
:[シャロン]|
えっえっ!? じゃ、じゃあ~
2勝2敗1引き分け…~
決着はつかずってことですか?▼~
:[バジーリオ]|
いーや、勝負はお前たちの勝ちだ。▼~
:[アンナ]|
え!?~
勝負は引き分けよね?▼~
:[フラヴィア]|
あんたたちが勝てば力を貸す、と~
条件を出したわけじゃないよ。▼~
私たちはあんたらに~
力を示せと言ったんだ。▼~
合格だ。あんたたちは他人頼みじゃなく~
自分たちも血を流す覚悟を持っている。~
剣を通じて、そいつが伝わってきたよ。▼~
:[パリス]|
誰かの下で戦うのは本意ではないが~
俺は俺のやり方で~
お前たちに力を貸すことにしよう。▼~
:[ミリエル]|
まあ、私は最初から~
手を貸すつもりでしたが…▼~
私たちクロム自警団も~
こうやって試されたのです。~
フェリアの国を訪れたときに。▼~
:[バジーリオ]|
そんなわけで。フェリアの東の王~
西の王ともども力を貸すぜ!~
よろしくな…!▼~
:[アルフォンス]|
ありがとう…~
この国の未来のため、民のために~
その力が役立つことを願っているよ。▼~
**蒼炎の末裔 パリス [#mb065c04]
***C [#f1446abf]
:[アイク]|
はっ…!~
ぬぅぅんっ!▼~
……。~
誰だ、そこにいるのは。~
俺になにか用か。▼~
:[パリス]|
なるほどな…。~
よい呼吸をしている。▼~
練り上げられた気が刀身に宿り~
気迫の乗った一撃を生むか。▼~
:[アイク]|
あんたは…▼~
:[パリス]|
戦士が剣を抜いて~
姿を見せたとなれば~
やることはひとつだ。▼~
俺と戦え。▼~
:[アイク]|
……▼~
来い。▼~
:[パリス]|
感謝する。いくぞ…!▼~
:[アイク]|
むっ!~
はぁぁっ!▼~
:[パリス]|
俺の打ち込みを正面から受けるか!~
ならば…!▼~
:[アイク]|
せいっ!▼~
:[パリス]|
っ! この剛剣!~
なるほど…これが~
蒼炎の勇者の一撃!▼~
:[セネリオ]|
……!?~
アイク! どうしました!?▼~
:[パリス]|
邪魔が入ったようだな。▼~
:[アイク]|
……▼~
:[セネリオ]|
アイク! いったい~
なにがあったんですか…!?~
あの男は…▼~
:[アイク]|
去ったようだな。~
もう気配を感じない。▼~
:[セネリオ]|
先ほど響いていた剣の音…~
あれは訓練とは思えぬ~
打ち込みでした。▼~
:[アイク]|
だろうな。あいつは本気で~
俺を倒すつもりだった。▼~
:[セネリオ]|
まさか、アスク王国に~
敵対する勢力の刺客…?~
何者なのですか、あの男は…▼~
:[アイク]|
知らん。~
だが、ひとつだけ~
わかったことがある。▼~
:[セネリオ]|
わかったこと…?▼~
:[アイク]|
あいつが持っていた~
ボロボロの剣。▼~
あれは俺が持つものと同じ…~
ラグネルだ。▼~
:[セネリオ]|
……!▼~
***B [#ka92491b]
:[パリス]|
先日は世話になったな。▼~
:[アイク]|
……▼~
:[パリス]|
今日は戦いに来たわけではない。~
剣を抜くつもりもない。▼~
俺の名はパリス。~
一度、お前と剣を交えてみたかった。▼~
:[アイク]|
あんたのことは聞いた。~
クロムたちと同じ~
イーリス大陸から来たそうだな。▼~
:[パリス]|
そうだ。向こうでは~
ひたすらに剣の腕を磨き~
強者を求めて旅をしていた。▼~
蒼炎の勇者アイク。~
お前の剣の腕は~
伝え聞いた伝承どおり…。▼~
いや、伝承を上回る重みを持つ~
目の覚めるような一撃だった。▼~
:[アイク]|
俺の伝承…~
後世にはそんなものが~
残っているのか。▼~
:[パリス]|
聞きたいのなら話すが?▼~
:[アイク]|
いや、いい。▼~
:[パリス]|
話が逸れたようだな。~
お前と戦いたかった理由は~
手合わせがしたかっただけではない。▼~
この剣が本来の輝きを放つさまを~
一度、見てみたかった。▼~
:[アイク]|
その剣はやはり、ラグネルか?▼~
:[パリス]|
そうだ。俺の大切な相棒。▼~
これまで幾多の戦いをくぐり抜け~
共に歩んで来た、大切な剣。~
いや、武器を超えた武器だ。▼~
:[アイク]|
……▼~
***A [#ydb00c87]
:[パリス]|
伝承によると~
この剣は神話の時代から~
輝きを放ち続けていたというが…▼~
:[アイク]|
元は【三雄】の一人、オルティナが~
神剣エタルドとともに~
振るっていたと聞いた。▼~
それ以来、テリウス大陸の動乱を~
この剣は戦い抜いてきた。▼~
:[パリス]|
伝承どおりだな。▼~
そして、ラグネルはお前の手に渡り~
お前はテリウス大陸の種族をまとめ上げ~
神との戦いに勝利した…▼~
それが俺の知る~
蒼炎の勇者にまつわる伝承だ。▼~
:[アイク]|
…▼~
:[パリス]|
ラグネルは特別な剣。~
お前と手合わせして~
それがよくわかった。▼~
異国の伝説に~
愛着を持って使い続ける品には~
魂が宿るというものがある。▼~
このラグネルこそ~
魂を宿した、まさしく奇跡の武器。▼~
使い手との絆をつなぎ~
想いを力に変え~
時代を超えて受け継がれていく。▼~
武器を超えた武器…~
このラグネルには~
そのような言葉がふさわしいと俺は思う。▼~
:[アイク]|
…意外に饒舌だな。▼~
:[パリス]|
ん? なにか言ったか?▼~
:[アイク]|
いや、なにも。▼~
:[パリス]|
武器とは実に繊細なものでもある。▼~
俺はラグネルを手にして以来~
1日たりとも手入れを~
欠かしたことはない…。▼~
:[アイク]|
だろうな。~
だが…▼~
:[パリス]|
ああ。どんなに手入れをしても~
朽ちゆくラグネルを止められない。▼~
武器としての~
寿命が近づいているのかもしれん。▼~
***S [#x1127fcf]
:[アイク]|
ラグネルが朽ちると言うのならば~
それでいい。▼~
:[パリス]|
それはどう言う意味だ?▼~
:[アイク]|
ラグネルが役目を終えようとしているのは~
世界から戦いがなくなりつつある~
証かもしれん。▼~
:[パリス]|
……▼~
:[アイク]|
ラグネルが無用となる世界…~
平和な世界の到来が近いことを~
ラグネルも感じているのかもしれない。▼~
:[パリス]|
だが、俺は~
ラグネルを携えたままこの異界…~
アスク王国に召喚された。▼~
つまり、この世界には~
俺とラグネルに果たすべき役割がある。▼~
ラグネルが最後の使命を果たすために~
俺たちは流れ着いたのかもしれんな。▼~
:[アイク]|
……。▼~
パリス。あんたさえよければ~
グレイル傭兵団に来ないか。~
この世界にいる間だけでもな。▼~
:[パリス]|
……。~
誘ってくれたことについては~
感謝する。▼~
:[パリス]|
だが俺は、誰かの下で働くのは~
性に合わんのでな。▼~
:[アイク]|
そうか。▼~
:[パリス]|
俺はこの世界でも~
自分の足で強いやつを探し歩く。~
これまでそうしてきたようにな。▼~
しかし、俺もお前も~
歩む方向は同じはずだ…▼~
:[アイク]|
……▼~
:[パリス]|
また会おう、蒼炎の勇者。▼~
:[アイク]|
ああ。また会おう。▼~
同じ剣を握る宿命を持った~
異界の戦士よ。▼~
**フェリアの東王 フラヴィア [#u2cb5da8]
***C [#o4eecd39]
:[フラヴィア]|
エイル王女、こんなところにいたのかい?~
ほお、ここはずいぶんと~
見晴らしのいい丘だね。▼~
:[エイル]|
気に入ってくれたのなら、うれしいわ。~
ここは…私の大切な場所だから。▼~
…なにか御用かしら?▼~
:[フラヴィア]|
王女が、死の国の出身だと聞いてさ。~
人の生き死にには詳しいんだろ?~
聞きたいことがあってね。▼~
:[エイル]|
私に答えられることなら。▼~
:[フラヴィア]|
私と一緒に、アスク王国に~
召喚されて来たバジーリオ…▼~
あいつは生きてんのかい?~
それとも死んでんのかい?▼~
:[エイル]|
どういう意味…かしら。▼~
:[フラヴィア]|
あいつはね…~
死んじまったんだよ。▼~
信じたくはないけどさ~
助かりっこない状況で~
我を通しちまったんだ。▼~
:[エイル]|
…▼~
:[フラヴィア]|
私たちとクロムが~
ヴァルハルトと戦ったときのことさ。▼~
私らはヴァルハルトに力負けし~
全滅の危機に陥った。▼~
あいつは私を逃がすために~
自分を囮にしてヴァルハルトに~
向かって行ったんだ。▼~
そして…。▼~
:[エイル]|
それが…あなたが見た~
バジーリオの最後だった、と。▼~
:[フラヴィア]|
……。~
それなのにさ、この国では~
昔みたいにイキイキとしてやがる。▼~
ガサツで大雑把で、すぐに調子に乗るけど~
戦うことに対しては誰よりも真剣な…~
私の知ってるバジーリオだ。▼~
それはそれで結構なことなんだけど~
私の中では、バジーリオは~
一度死んでいるんだ。▼~
何事もなかったかのように~
振舞っているけど…~
どう接していいかわからなくてさ。▼~
:[エイル]|
そう。それが…~
私に聞きたかったことなのね。▼~
***B [#m5dddca4]
:[エイル]|
異界から召喚される英雄たちは~
たとえ同じ人物だとしても…~
召喚される時期が違う者がいる。▼~
英雄としての全盛期に召喚される者~
まだ名を成す前に召喚される者…。▼~
果ては、己の命運が尽きる寸前や~
死の運命を受け入れたあとに~
召喚される者も存在するわ。▼~
:[フラヴィア]|
ここにいるバジーリオは~
自分が死ぬ運命を知らない~
バジーリオ…なのかい?▼~
:[エイル]|
その可能性は高いわね。▼~
:[フラヴィア]|
…まいったね、本人に~
聞くわけにもいかないだろうしね…。▼~
そうだ…!~
エクラなら~
詳しいことを知ってそうだね。▼~
:[エイル]|
どうかしら…。▼~
エクラは~
アスク王国に必要な英雄と絆を結び~
召喚するだけだから…▼~
:[フラヴィア]|
そうか…。~
英雄の事情なんて~
知らないってことか…▼~
:[エイル]|
……。~
なにか胸につかえていることが…?▼~
:[フラヴィア]|
私はさ、バジーリオが~
いなくなっちまってから…。▼~
あいつの仇を取るために~
その感情に後押しされて~
剣を振るってきたんだよ。▼~
もちろん、それだけが理由じゃない。~
フェリアのため、大陸の平和のため~
そして、戦士としての意地もある。▼~
だけど、一番の理由は…~
バジーリオの仇だったんだよ。▼~
あの馬鹿…~
死ぬのはわかりきってたのに~
最後の最後で身体を張りやがって…▼~
:[エイル]|
……。▼~
:[フラヴィア]|
でも、ここじゃ~
あいつは何事もなかったように生きて~
大暴れしているだろ?▼~
なんか、安心しちまってさ。▼~
:[エイル]|
だから私に、ここにいるバジーリオ王が~
生きているのか死んでいるのかを~
尋ねた、と。▼~
:[フラヴィア]|
そのとおりだよ。▼~
魔道かなんかで無理やり動かされている~
屍兵みたいな存在だったら…~
どうしてやろうかと思ってさ。▼~
:[エイル]|
……▼~
***A [#we74a45f]
:[エイル]|
自分が死んでいるのか~
生きているのか。▼~
それを決めるのは~
他人の目でも自然の摂理でもなく~
自分自身かもしれないわ。▼~
:[フラヴィア]|
……?▼~
:[エイル]|
なにも成さず~
死んだように生きる者もいれば…▼~
肉体は滅んでいても~
世界に影響を与え続ける者もいる。▼~
:[フラヴィア]|
イーリス大陸に伝わる~
数々の英雄たちの伝承…~
まさにそういうことだね。▼~
:[エイル]|
アスク王国にいる~
バジーリオ王に限って言えば…~
死から遠いところにいるように感じる。▼~
生き抜こうという意思に~
あふれているように見えるわ。▼~
:[フラヴィア]|
……▼~
:[エイル]|
たとえ、明日死ぬという~
運命を知ったとしても~
彼は自分を貫くのではないかしら。▼~
:[フラヴィア]|
自分を貫く、か…~
そうだね、違いない。▼~
あいつが生きてようが死んでようが~
そもそも関係なかったんだ。▼~
なにがあろうと私は自分を鍛え~
上を目指し、強くなっていくだけさ。▼~
:[エイル]|
誰かの死を受け入れることで~
前に進む決意を固める~
人間もいるかもしれない。▼~
だけど、きっかけがなければ~
前に進めない人間は…~
今を必死に生きてはいない。▼~
:[フラヴィア]|
そうだな…~
うん、そのとおりさ。▼~
私は私の力で剣を振るう…~
もうブレないよ。▼~
話を聞いてくれて感謝するよ、エイル王女。~
あんた、イイ女だね!▼~
:[エイル]|
そういう褒められ方をしたのは~
はじめてよ。▼~
:[フラヴィア]|
よし、迷いも消えたことだし~
いっちょ鍛え直すかね!▼~
***S [#bead938c]
:[クロム]|
リズから聞いた。~
ヴァイス・ブレイヴに手を貸すか否かを~
武闘大会で決めたんだってな。▼~
:[フラヴィア]|
あんたのときと同じさ。~
相手を知るには~
そうするのが一番だからね。▼~
:[クロム]|
なんにせよ、この世界でも~
フェリアの新旧二人の王たちと~
共に戦えるのは心強い。▼~
:[フラヴィア]|
ああ、任せておくれよ。▼~
イーリス大陸での戦いじゃ~
バジーリオは最後まで~
あんたの力になれなかったけど…▼~
ここでは二度と~
あんな目にはあわせやしないさ。▼~
:[クロム]|
…バジーリオが最後まで~
俺の力になれなかった?▼~
:[フラヴィア]|
あ、ああ。そのはずだろ。~
バジーリオは、私を逃がすために~
ヴァルハルトに討たれて…▼~
:[クロム]|
そうか…。~
まだ真実を知らなかったんだな。▼~
:[フラヴィア]|
真実? なにを言ってんだい?▼~
:[クロム]|
実は…フラヴィア。~
バジーリオは死んではいなかったんだ。▼~
:[フラヴィア]|
な…! なんだってえ!?▼~
:[クロム]|
話せば長くなるが…~
ともかく、バジーリオは生きている。~
安心してくれ。▼~
:[フラヴィア]|
はぁぁぁぁぁっ!?~
なんだいそりゃ!▼~
じゃ、じゃあなにかい?~
私の仇討ちやフェリアの連中の涙は…▼~
:[クロム]|
まあ、そういうことだ…。~
運命は変わったんだ。▼~
:[フラヴィア]|
なんだい…そうか…▼~
:[クロム]|
ん…?~
フラヴィア、これから訓練だが~
どこに行く?▼~
:[フラヴィア]|
ちょっと用事ができた。~
ぶん殴りたいやつがいるんでね。▼~
:[クロム]|
まあ、ほどほどにな。▼~
:[フラヴィア]|
あの寝ぼけた中年に~
一発かましてやらないと~
私の気が済まないよ!▼~
ふふ…はははっ!~
死の運命を変えちまうなんざ~
まったくしぶとい男だねえ!▼~
**フェリアの西王 バジーリオ [#b7498bf3]
***C [#v5bc9325]
:[バジーリオ]|
……。▼~
:[ムスタファー]|
……。▼~
:[バジーリオ]|
ムスタファー将軍、あんたの噂は~
フェリアにも響いていた。▼~
戦いは豪胆で苛烈。~
しかし、その振る舞いは清廉で~
部下からの人望も厚い。▼~
まさかこうして組んで~
一緒に焚き火を囲むことになるとはな。▼~
:[ムスタファー]|
勇猛なるフェリアを治める東西二人の王~
フラヴィア王とバジーリオ王。▼~
武を志すものならば~
避けては通れぬ名。▼~
こちらこそ、一人の武人として~
お会いできて光栄だ。▼~
:[バジーリオ]|
イーリス大陸じゃ、不幸な巡り合わせで~
敵同士になっちまったが…。▼~
なんの因果かアスク王国じゃ~
こうして共に戦うことができる。▼~
:[ムスタファー]|
私も今は、この国の平和のために~
子の斧を振るう身。~
王の腕、存分に頼らせていただく。▼~
:[バジーリオ]|
だけどよ、なんか不思議なんだよな。~
あんたとは~
他人のような気がしねえ。▼~
いろんなところが~
似ている気がするんだよ。▼~
:[ムスタファー]|
…ふむ。▼~
戦場に身を置き続けた者が持つ~
独特な気迫…たしかにそれは~
似ているような気がする。▼~
:[バジーリオ]|
いや、それもそうなんだが~
もっとこう…なんというか。▼~
:[リフ]|
お二方。焚き火の番、ご苦労様でした。~
そろそろ交代しましょう。▼~
:[マリナス]|
王と将軍は馬車でお休みくだされ。~
あとはわしらが見張りをやりますぞ。▼~
:[バジーリオ]|
おう、すまないな。▼~
:[ムスタファー]|
なにかあれば~
遠慮なく起こすといい。▼~
:[マリナス]|
お気遣い、ありがとうございます。~
では、おやすみなさいませ。▼~
:[バジーリオ]|
お前たちも体力を~
温存しておけよ。▼~
***B [#t3d0af8d]
:[オリヴァー]|
うむむ、納得がいかぬ!~
どうして可憐で美しい私が~
このような遠征に同行せねばならんのだ!▼~
:[マリナス]|
まあまあ、オリヴァー殿。~
戦いに巻き込まれた村に物資を届けるのも~
やりがいのあるお仕事ですぞ。▼~
:[オリヴァー]|
ふん。どうせならもっと~
まろやかで美しい者たちと~
組ませてほしいものだ。▼~
ああ、これも完璧な私を妬む~
神の試練なのか…。~
だが負けぬ、負けませぬぞー!▼~
:[バジーリオ]|
しかし、どうして~
エクラは~
俺たちにこの任務を任せたんだろうな。▼~
ムスタファー将軍はともかく~
ほかの面子は出身地も兵種も~
バラバラなのによ。▼~
:[ムスタファー]|
……▼~
:[リフ]|
きっと、私たちに~
信を置いてくれているからでしょう。▼~
異界の英雄たちが~
民のために力をあわせる…▼~
この巡り合わせ…~
神のお導きに感謝しましょう。▼~
:[ムスタファー]|
本当ならゴルドア王国の~
デギンハンザー王も~
同行される予定だったらしいが…▼~
:[マリナス]|
別用でご不在だったと~
聞き及んでおりますな。▼~
:[バジーリオ]|
ラグズの民ってのも~
かなり強いんだろ?~
その腕前、見てみたかったぜ。▼~
:[オリヴァー]|
デギンハンザー王は神に次ぐ力を持つ~
【三雄】の一人なのだぞ。▼~
そのような豪の者と馬車に揺られるなぞ~
硝子細工のように繊細な~
私の寿命がメキメキと縮むわい。▼~
:[マリナス]|
そういえば…▼~
:[バジーリオ]|
どうしたマリナス。~
そんなに頭を撫でて。~
虫にでも刺されたか?▼~
:[マリナス]|
い、いえ、そのようなわけでは…~
村まではあと半日ほど。~
もうひとふんばりですじゃ。▼~
:[バジーリオ]|
おう、気を抜かずに行こうぜ!▼~
***A [#ce11f163]
:[ムスタファー]|
そろそろ、話に聞いていた。~
盗賊たちの縄張りだな。▼~
:[マリナス]|
村まではあと半日ほど…~
何事もなく通り過ぎることが~
できればいいのですが…。▼~
:[オリヴァー]|
ふん、こんな辺境の賊など~
私の美しさに腰を抜かしてひれ伏すわ。▼~
:[バジーリオ]|
俺とムスタファー将軍がいるんだ。~
百人の賊が押し寄せてきても~
負ける気はしねえけどよ…。▼~
問題は、馬車と積み荷を守りながら~
戦わなけりゃいけねえってことだな。▼~
:[マリナス]|
賊も、積み荷を狙って来るとは~
思いますが…。▼~
破れかぶれになった賊は~
なにをしでかすか~
わかりませんからのう。▼~
:[ムスタファー]|
……!~
この気配、囲まれている。▼~
:[リフ]|
かなりの数ですね。~
私にも感じます…。▼~
:[マリナス]|
あわ、あわわ…~
噂をすればなんとやらですぞ!▼~
:[バジーリオ]|
やっぱり、すんなりとは~
通してはくれねえか。▼~
俺とムスタファー将軍は~
馬車から賊を遠ざけるように戦う。▼~
馬車の守りはオリヴァー~
あんたに任せるぜ。~
その魔道書は飾りじゃないんだろ?▼~
:[オリヴァー]|
誰に言っておるのですかな!?~
芸術を解せぬ辺境の賊に~
この美の化身が後れを取るとでも!?▼~
:[バジーリオ]|
そいつぁ頼もしい。~
俺も芸術とかはさっぱりだが~
戦えるのならそれでいい。▼~
:[リフ]|
怪我をなさったときには~
馬車までお戻りください。~
私が手当をいたします。▼~
:[ムスタファー]|
かたじけない。~
もしものときは力をお借りする。▼~
:[バジーリオ]|
んじゃあ、ひと暴れするか!~
積み荷は腹を空かした~
村人に届けるものだ。▼~
盗賊たちには~
指一本触れさせねえぜ!▼~
***S [#k7455a2b]
:[バジーリオ]|
はぁぁぁっ! せやぁぁっ!▼~
:[ムスタファー]|
ふんっ…!▼~
:[オリヴァー]|
ええい、寄るでない!~
私の美しい顔に~
傷でもついたらどうする!▼~
:[バジーリオ]|
くそっ、ひとり一人は~
大したことはないが~
こう数で押されてはな…!▼~
:[ムスタファー]|
馬車を守りながらの戦い…~
なかなかに手強い!▼~
:[マリナス]|
皆様方、頑張ってくだされ!▼~
:[バジーリオ]|
ちっ、ここで積み荷を~
奪われでもしたら…。▼~
俺たちを信頼してくれた~
エクラにも~
申し訳が立たねえ!▼~
:[リフ]|
神よ、どうかご加護を!▼~
:[オリヴァー]|
くぅぅぅ、美しい私が~
ここで倒れてしまえば~
誰がアスク王国の美を守るのか!▼~
止むを得ぬ! 秘中の秘である~
【寵愛の書】を使うしかない!▼~
さあ、美しき光を放つのです!~
【寵愛の書】よ! むんっ!▼~
:(画面が白く光る)|
:[バジーリオ]|
うおっ!?~
な、なんだっ、この光は!?▼~
:[ムスタファー]|
むぅっ!?▼~
:[リフ]|
お、おお…これは~
神の御来光でしょうか!▼~
:[オリヴァー]|
道理をわきまえぬ賊どもよ!~
見るがいい! この華麗な光を!▼~
…って、ま、眩しすぎるっ!?~
こ、これはいったい何ごとー!?▼~
:[マリナス]|
は、はわーっ!~
魔道書から放たれた光が~
何かに反射しておるような…!▼~
:[バジーリオ]|
よくわかんねえが~
賊はひるんでやがる!~
好機を逃すな、一気に押し返す!▼~
:[ムスタファー]|
承知!▼~
:(画面が白く光る)|
:[バジーリオ]|
ふぅ…なんとかなったみたいだな。~
ちょっとだけ肝が冷えたぜ。▼~
:[リフ]|
皆様、お怪我がないようで~
なによりです。▼~
:[オリヴァー]|
しかし、さきほどの輝きはいったい…。~
【寵愛の書】があれほどまで~
光るはずはないのだが…▼~
私の美を愛する心が高まったゆえに~
魔道書がさらなる光を発したのでは!?▼~
:[バジーリオ]|
ま、なんにせよ。~
力を合わせて乗り切れたんだ。~
これで胸を張って城に戻れるな・▼~
:[リフ]|
村人たちも喜ぶでしょう。~
この行いが、世の闇を照らす光の~
一助になれば幸いです。▼~
:[ムスタファー]|
うむ。民のまばゆい未来のために。▼~
:[オリヴァー]|
私の輝く笑顔で、これからも~
世を照らしてみせようではないか!▼~
:[バジーリオ]|
俺もまだまだいけるな!~
これからもアスク王国で~
輝いてやろうじゃねえか!▼~
**理知の瞳 ミリエル [#g5843967]
***C [#h02897f6]
:[ミリエル]|
ふむ…なるほど…。~
イーリス聖王国での観測と~
寸分の違いもないようですね…。▼~
:[アルフォンス]|
?~
あそこにいるのは…ミリエルか。▼~
さっきから袋を地面に落として~
拾っては落として…~
なにをしてるんだろう?▼~
:[ミリエル]|
…引力の確認です。▼~
:[アルフォンス]|
わっ、聞こえてたのかい…!?~
す、すまない。~
君の様子が気になってつい…▼~
:[ミリエル]|
この異界…~
アスク王国にも引力が存在するのか~
確認していました。▼~
ああ、引力というのはですね。~
すべての物体が必ず大地に~
引かれて落ちる現象を指します。▼~
大地が物体を引き寄せるこの力を~
私の母は引力と呼んだのです。▼~
:[アルフォンス]|
引力…か。~
そういえばエクラが~
言っていたような…▼~
:[ミリエル]|
!~
この力のことを…~
既に知っていたというのですか?▼~
:[アルフォンス]|
詳しいことは僕も知らないんだ。~
ただ、以前~
満月だった時に…▼~
:[ミリエル]|
……!?~
夜空に浮かぶあの月も…~
引力に関係しているのですか?▼~
その話が本当だとしたら~
いったいどうやって調べたのです?~
誰か月へ赴いたのですか?▼~
:[アルフォンス]|
さ、さあ…~
エクラに~
聞いてみるのはどうかな?▼~
:[ミリエル]|
…確かに、そうですね。▼~
エクラさんは~
おそらく、私たちより遥かに優れた~
文明の存在なのでしょう。▼~
尋ねれば、引力のことも…~
私の知りたい知識も~
すぐに得られるのかもしれません。▼~
………▼~
***B [#c70f3949]
:[ミリエル]|
…………▼~
:[シャロン]|
ミリエルさん。~
もしかして、~
何か悩みごとですか?▼~
:[ミリエル]|
…はい。▼~
シャロン王女、~
なぜ私の考えが~
わかったのですか?▼~
:[シャロン]|
わかりますよ!~
だってミリエルさん、~
すごく難しい顔してましてから。▼~
:[ミリエル]|
…難しい、顔?~
それはどんな顔ですか?~
詳しく話してください。▼~
目の大きさや角度ですか?~
それとも鼻?~
あるいは口の結び方が…▼~
:[シャロン]|
え、えーと…~
なんとなくです!▼~
そ、それより悩み事ですよね!~
良かったら~
わたしに話してみませんか?▼~
悩み事は誰かに話すと~
気持ちがすっきりするんです。▼~
あ、でも難しい話は~
わたし、苦手ですから、~
わかりやすくお願いします!▼~
:[ミリエル]|
……。~
そうですね、~
例えるなら…▼~
母と私が長年~
答えを追い求めていた…~
大いなる謎があるとします。▼~
:[シャロン]|
うんうん、~
なぞなぞですね!▼~
:[ミリエル]|
答えに近づくための知識は、~
母から私へと受け継がれ…▼~
私は生涯をかけて、~
謎を解き明かそうとしていました。▼~
:[シャロン]|
お母様の代からの悲願を~
ミリエルさんが叶える…~
すばらしいと思います!▼~
:[ミリエル]|
ところが…です。~
その答えは隣国の人々にとっては~
誰でも知っているような常識だったのです。▼~
私は隣国に行き、~
あっさりと答えを知ります…▼~
この謎を解くために~
母や私が費やしてきた歳月に…~
意味はあるのでしょうか?▼~
:[シャロン]|
え、えーと…▼~
意味はあります!~
だってミリエルさんは、自分自身の力で~
考え続けてきたんですから!▼~
:[ミリエル]|
…もし意味があるとするなら。▼~
私は隣国に答えがあると知っていても~
あえて耳を塞ぎ、みずから~
考え続けるべきなのでしょうか?▼~
それは、知識を求める私が…~
真理を目指す者が~
とるべき行動なのでしょうか?▼~
:[シャロン]|
え、えーと…~
わ、わかりません、ごめんなさい!▼~
すみません、~
お悩み解決できませんでした…▼~
:[ミリエル]|
…いえ。~
やはりこれは、私自身が~
決めるべきことなのでしょう…▼~
***A [#vd9acf37]
:[アンナ]|
物資の補給に、~
特務機関の財政管理に…~
あー忙しい忙しい!▼~
あ、ミリエル、良いところに。~
これ、届けといてくれないかしら?▼~
:[ミリエル]|
これは…~
魔道理論の書ですか。~
ごく初歩のもののようですが…▼~
:[アンナ]|
それ、エクラが~
読むのよ。▼~
:[ミリエル]|
…?~
エクラさんが~
なぜこのような魔道の初歩を?▼~
もしや、誰でも理解できると~
思われていたこの初歩の知識にこそ~
秘められた真理への扉が…▼~
:[アンナ]|
いいえ、~
そういうのじゃなくて。▼~
エクラが~
元いた世界にはね、~
魔法は存在しないらしいのよ。▼~
:[ミリエル]|
魔法が…存在しない?▼~
それは、例えば~
炎や風を生み出すような、~
ごく初歩的な魔道さえも?▼~
:[アンナ]|
ええ、だから~
完全に知識ゼロってわけね。▼~
:[ミリエル]|
…それは、意外でした。~
エクラさんといえば…▼~
ありとあらゆる世界の知識を蓄え~
時を超越した彼方の文明に住まう~
全知の化身のはず…▼~
:[アンナ]|
あなたの中の~
エクラ像が~
どうなってるのか気になるけど…▼~
まあ、エクラも~
私たちと同じ人間ってことね。~
知ってることも知らないこともあるのよ。▼~
:[ミリエル]|
…………▼~
***S [#q661233e]
:[ミリエル]|
…………▼~
:[アルフォンス]|
やあ、ミリエル。~
その袋は…~
また調べものかい?▼~
あ、そういえば…~
あれから~
エクラとは話を?▼~
:[ミリエル]|
…………▼~
引力…~
そう母が呼んだ力の謎は、~
母から私に受け継がれたものです。▼~
ある意味では、~
この知識は、母と私の~
絆といえるでしょう…▼~
ですが、だからこそ…~
私は知ることを拒みません。▼~
:[アルフォンス]|
…………▼~
:[ミリエル]|
私は知りたいことがあれば、~
考え、人に尋ね、書を読み、~
時に実験を行ってきました。▼~
あらゆる方法で知を深める…~
それこそが母と私が目指す、~
真理の探究です。▼~
そうであるならば、~
知ることを放棄するのは、~
知に対する冒涜です。▼~
私は今までと何も変わることなく~
知りたい知識を得て、~
真理に近づきます。▼~
:[アルフォンス]|
…シャロンからは~
君が悩んでいるみたいだと~
聞いていたけれど。▼~
どうやらもう、~
迷いは消えたみたいだね。▼~
:[ミリエル]|
はい。~
答えは既に出ていました。▼~
エクラさんが~
私の問いにどこまで答えてくれるか、~
私が理解できるかはわかりませんが…▼~
いずれにせよ、~
私は何らかの知識を~
得ることができるでしょう。▼~
そして私が得た知識は…~
私の子、あるいは私の書を~
読んだ者に受け継がれ…▼~
いつか、真理に到達する。~
私は今日も、その道標に~
向かって進むだけです…▼~
*コメント [#tbc9b683]
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