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章別会話/預け合う背中
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*預け合う背中 [#g60b46e8]
#contents
**預け合う背中 [#scdd16be]
***オープニング [#h6956e2d]
:[エーデルガルト]|
はあ…~
どうにか撒いたかしら。▼~
:[ベレス]|
3人とも、怪我がないようで良かった。~
それにしてもあの軍勢は、いったい…▼~
:[ディミトリ]|
賊…のようには見えなかったな。~
奴らの装備を見るに、俺たちの知る~
どの軍のものとも違うようだったが。▼~
:[エーデルガルト]|
ええ、それにこの辺りの景色…~
どうやらここはガルグ=マクの~
森の中ではなさそうね。▼~
:[ベレス]|
見覚えのない敵、見覚えのない森…~
何が起こったんだろう。▼~
:[エーデルガルト]|
事態を把握するためにも、~
話の通じる相手を探さなければね。~
だけど、それよりも…▼~
:[ディミトリ]|
ああ…~
それよりも、だ…▼~
おいクロード、どこへ行く。▼~
:[クロード]|
おわ、気づかれたか!~
さっさとずらかろうと思ったんだが…▼~
:[ディミトリ]|
お前というやつは…~
…この状況、いつかも見た気がするな。▼~
:[エーデルガルト]|
クロード。~
何度も同じ手が通用すると思っているの?▼~
:[クロード]|
わかってるわかってる。~
だが、ここに留まってたって~
そう都合よく誰か来てくれるなんて…▼~
:[シャロン]|
…おーい!!~
大丈夫ですかー!?▼~
:[エーデルガルト]|
来たわね。▼~
:[ディミトリ]|
…来たな。▼~
:[クロード]|
あっはっは!~
これも天の配剤、~
日頃の行いの良さの賜物だな、先生。▼~
***C [#cc9a42e2]
:[クロード]|
…なるほど?~
要は、あんたらが俺たちを「英雄」として~
ここに呼びつけたってことか。▼~
:[ディミトリ]|
そして、先程我々を襲った軍勢こそが~
我々の戦うべき敵…~
異界から現れた侵略者だ、と。▼~
:[エーデルガルト]|
荒唐無稽な話だけれど、~
状況的には信じるしかなさそうね…。▼~
:[シャロン]|
この辺りの敵は、~
わたしたちでぱぱっと片づけます!~
皆さんは早くお城に…▼~
:[エーデルガルト]|
相手もそう簡単に~
私たちを逃がすつもりはないようよ。▼~
:[アンナ]|
!~
…足音よ。それもかなりの数ね。~
私たちを探しているみたい。▼~
:[アルフォンス]|
! まずいな…~
僕たちだけで、~
さばき切れるかどうか…▼~
:[クロード]|
…まあ、俺らも戦うしかないか。~
こんなわけのわからない世界に~
屍をさらすのは勘弁願いたいからな。▼~
:[ディミトリ]|
ああ、同感だ。~
幸運なことに、手元には武器もある。~
ここは皆で手を携え、切り抜けるとしよう。▼~
:[エーデルガルト]|
貴方たちと意見が合うとはね。~
一人も欠けず、生きて戻るわよ!▼~
:[アンナ]|
あなたたち、~
召喚されたばかりでそんな…~
だ、大丈夫なの!?▼~
:[ベレス]|
心配はいらないよ。~
彼らは強いから。▼~
もちろん、~
貴方たちの力も頼りにさせてもらう。~
一緒に戦おう!▼~
***B [#r5143a6b]
:[ベレス]|
敵は「英雄」や特務機関を~
余程警戒しているんだろう。~
多くの兵を動員して、私たちを捜している。▼~
:[エーデルガルト]|
交戦は控えて離脱したいところだけれど~
あの数が相手となると、~
簡単にはいかないでしょうね。▼~
:[ディミトリ]|
やはり、包囲を切り崩すより他ないか。~
打てる手はだいぶ限られてくるが…▼~
:[ベレス]|
けれど……手段を選ばなければ~
いくらでもやりようはある。▼~
:[ディミトリ]|
…………▼~
:[エーデルガルト]|
…………▼~
:[クロード]|
…おっと、3人とも~
どうしてそこで一斉に俺を見るんだ?▼~
:[エーデルガルト]|
適材適所、と言うでしょう?~
今度はどんな趣味の悪い奇策を~
思いついてくれるのかしら、クロード。▼~
:[クロード]|
人聞きが悪いなあ。~
俺はいつだって、平和的に~
物事を解決したいだけなんだが…▼~
まあ、策がないわけじゃない。~
皇女様と王子様はもちろん、~
特務機関の皆様がたにも手伝ってもらうぜ。▼~
:[シャロン]|
もちろん!~
このシャロンにお任せくださいっ!▼~
:[クロード]|
で、作戦の要は先生の指揮だ。~
俺が思いつきでどんどん口に出すから、~
上手いことまとめて指示にしてくれよ?▼~
:[アンナ]|
…なんだか、作戦会議っていうより~
戦術の講義風景でも見てるみたいね。▼~
:[ディミトリ]|
あながち間違いでもありませんよ。~
私たちは、士官学校の~
教師と生徒なのですから。▼~
:[アルフォンス]|
士官学校の教師と、生徒…か。▼~
***A [#i04c9e3d]
:[シャロン]|
すごかったです!~
あの時の連携といったら、~
流石は英雄! って感じでしたよ!▼~
:[エーデルガルト]|
大げさよ。そもそも、~
私たちが背中を預け合って戦う機会なんて~
本来ないはずだったのだから。▼~
:[クロード]|
それぞれ面倒なものを背負ってるもんでね。~
しがらみのない世界ってのは、~
なかなか気楽でいいもんだ。▼~
:[ディミトリ]|
…だが、そんな俺たちが~
一つとなれていた、と言うなら、~
それはきっと、先生のおかげなのだろうな。▼~
:[シャロン]|
そういうの、素敵ですね!~
英雄さんたちが一つにまとまれば、~
怖いものなし! ちょっと羨ましいです。▼~
:[エーデルガルト]|
あら? 私の目には、貴方たちや英雄と~
エクラも、~
同じような関係に見えるけれど。▼~
:[アルフォンス]|
えっ?▼~
:[クロード]|
いろんな生い立ちの生徒をまとめるのも~
いろんな異界の英雄たちをまとめるのも~
似たようなもんだと、俺は思うぜ。▼~
:[アルフォンス]|
確かに、そうかもしれないね。▼~
エクラが~
導いてくれたからこそ…▼~
僕たちは多くの英雄たちと出会い、~
背中を預け合う関係になれた。▼~
:[ディミトリ]|
俺たちも、折角こうして巡り会ったんだ。~
仲間として、協力は惜しまない。▼~
:[ベレス]|
最後まで、共に戦おう。~
これからも、よろしく頼むよ。▼~
**傭兵上がりの教師 ベレス [#xf32fdf3]
***C [#r77b52bf]
:[シャロン]|
あの、ベレスさんって教師なんですよね。▼~
それも、"十傑"って呼ばれる英雄の~
子孫たちの先生だって聞いたんですけど。▼~
:[ベレス]|
確かに教師だけど…~
そんな大それたものではないよ。▼~
:[シャロン]|
この地に呼ばれた英雄さんたちは、~
ベレスさんを慕っているように~
見えますけど…▼~
:[ベレス]|
だったら嬉しいね。~
立派で教えることも少ない、~
自慢の生徒たちだよ。▼~
:[シャロン]|
ふふっ! 生徒の皆さんは、~
自慢の先生だって言ってましたよ。~
少し変わってるけど、って。▼~
:[ベレス]|
元々自分は傭兵で、ずっと父に従って、~
あちこちの戦場や野山を転戦してきた。▼~
だから世の常識には疎いし、~
貴族の子弟から見ると、ずれている~
ところがあるみたいなんだ。▼~
:[シャロン]|
傭兵から教師に…~
不思議な巡り合わせですね!▼~
:[ベレス]|
ああ。~
この先、どんな未来が待っているかは~
見当もつかないけどね。▼~
:[シャロン]|
そうだ!~
わたしも先生って呼んじゃおうかな。~
そしていろいろと教えてください!▼~
:[ベレス]|
呼ぶのは構わない。~
でも、何を教えれば……?▼~
:[シャロン]|
ええと…普段は何を教えてるんですか?~
まず、そこから教えてほしいなと…。▼~
:[ベレス]|
何を教えているかを教える?~
…いいよ、付き合おう、シャロン。▼~
***B [#c840cf17]
:[シャロン]|
ベレスさんって、戦ってる時と、~
普段とで、顔つきが違いますよね。▼~
:[ベレス]|
そうかな?▼~
:[シャロン]|
そうですよ!~
戦闘中は、何ていうか…~
傭兵って感じの顔で。▼~
普段、特に生徒の皆さんと一緒の時は、~
まさに先生って感じの顔、してますよ?▼~
:[ベレス]|
それは嬉しいな。▼~
:[シャロン]|
嬉しい?▼~
:[ベレス]|
昔から表情が乏しいと、~
周囲からは言われていたからね。▼~
あまり感情を表に出す性質では~
なかったんだ。▼~
もちろん父や傭兵団の仲間は、~
わかってくれていたけれど。▼~
:[シャロン]|
わたしにもわかりますよ!~
今は…▼~
ずばり、お腹が空いてきたって顔ですね!▼~
:[ベレス]|
…お腹が空いたのか?~
それなら、話の続きは~
食事をしながらにしよう。▼~
:[シャロン]|
正解かどうか教えてくださいよ、先生!▼~
:[ベレス]|
…………▼~
:[シャロン]|
あっ!~
待ってくださーい!▼~
***A [#ab55e4c5]
:[シャロン]|
先生!~
この戦術については理解できました!▼~
それでですね、こっちの陣形なんですけど、~
敵に弓兵が多い場合は…▼~
:[ベレス]|
…………▼~
:[シャロン]|
どうかしましたか?▼~
:[ベレス]|
いや、すっかり生徒の一人みたいだと~
思ってね。▼~
君にはアンナ隊長という立派な~
上官がいるだろう?~
彼女に悪い気がするな。▼~
:[シャロン]|
ええ!?~
そんなこと、気にしなくて大丈夫ですよ!▼~
アンナ隊長は隊長で、~
ベレス先生は先生です!~
全然、違うじゃないですかー!▼~
:[ベレス]|
そ、そうかな…▼~
:[シャロン]|
そうですよ!~
でも、気になるんだったら先生も~
やめましょう!▼~
:[ベレス]|
やめると、どうなるんだ?▼~
:[シャロン]|
えーと、お友達になれたら嬉しいなって…▼~
:[ベレス]|
すでに友達だと思っていたけれど。~
いや…戦友、かな?~
戦場で共に戦った仲間だ。▼~
:[シャロン]|
違ーう!~
お友達と戦友じゃ、全然違うんですよ、~
ベレスさん!▼~
:[ベレス]|
そうなのか…すまない。~
しかし、そうすると自分には~
友達がいたことがないような…▼~
:[シャロン]|
えええー!?~
さらっととんでもない告白じゃないですか!~
ど、どうしましょう…▼~
***S [#mde453a0]
:[シャロン]|
ベレスさん!▼~
:[ベレス]|
そんなに息せき切ってどうした、シャロン?▼~
:[シャロン]|
ベレスさんに言いたいことがありまして。▼~
その…わたしたちはお友達だと思います!~
だから、ベレスさんには友達がいますよ!▼~
:[ベレス]|
…………▼~
:[シャロン]|
…………▼~
:[ベレス]|
ふふ…ありがとう、シャロン。~
その通りだね。▼~
実は、あの後、考えてみたんだよ。~
友達とは何だろうって。▼~
:[シャロン]|
友達とは、何か…。▼~
:[ベレス]|
仲間、戦友、同志…~
あるいは、教師と生徒…。▼~
いろいろな関係性があるけれど、~
そうやってひとくくりにできないものも~
いっぱいある。▼~
その温かい何かが、自分にとっては友情で…~
だとすれば、それは確かにここにあるんだ。▼~
:[シャロン]|
…そうです!~
わたしにだって、感じられますよ。~
二人の間にある、温かな絆が。▼~
:[ベレス]|
だから、シャロン。~
これからもずっと友達でいてほしい。~
心からそう思うよ。▼~
:[シャロン]|
もちろんです!~
わたしだって願ってますからね!▼~
**野望の寵児 クロード [#s9ceced0]
***C [#t2748390]
:[クロード]|
よう、エクラ。~
さては美味そうな匂いに~
つられて現れたな?▼~
こっちの世界に来てから、~
珍しいキノコを見つけたんでね。~
そこの鍋で煮込んでたところだ。▼~
美味そうでも、つまみ食いはすんなよ?~
そのキノコ、俺がいた世界にもある~
希少種なんだが…▼~
食ったら最後、たちまち顔は蒼ざめ、~
全身から湯気を発して、三日三晩は~
高熱と吐き気と腹痛に苦しむことになる。▼~
なんでそんなもんを煮込んでるのかって?~
もちろん、キノコの毒を抽出するためだ。▼~
それを敵兵の飯にでもこっそり混ぜれば、~
戦わずして相手の戦力を削れる、だろ?▼~
毒を使った計略を卑怯と言う奴もいるが、~
戦争ってのは、勝たなきゃ仲間が死ぬんだ。~
卑怯の何のと言ってる場合かってね。▼~
それに、もしこれを食っちまっても~
三日で元気になるんだから、~
殺し合うより、よほど平和的だろ?▼~
…俺は、こう見えて慎重な男でね。~
一つの戦いに勝つために、~
予め何通りもの手札を用意するんだ。▼~
このキノコの毒だって手札の一つさ。~
ま、敵兵の飯にこいつを混ぜる手段が~
今のところ見つからないが…▼~
***B [#n5553396]
:[クロード]|
この前のキノコの毒だけどさ、~
俺がちょっと目を離した隙に~
つまみ食いしちまった奴がいてなあ…▼~
すぐに見つけて、吐き出させたから~
事なきを得たんだが、先生にバレて~
説教を食らっちまったよ。▼~
あ、説教されたのは、~
毒を作ってたからじゃなくて、~
作ってる途中で目を離したからだけどな。▼~
あの先生は、俺が何か怪しいことをしてても~
大概は見逃してくれるんだが、~
仲間に迷惑がかかるようなことは例外でね。▼~
…そういえば、お前って~
どこか雰囲気がウチの先生と似てるよな。▼~
用兵の才はもちろんだが、~
仲間を大切にするところとか、~
それでいて感情が読みづらいとことか…▼~
なあ、エクラ、~
お前って、本当は何者なんだ?▼~
…ああ、いや、別に答えなくていい。~
興味本位で詮索するのは俺の悪い癖でね。~
いつも後で反省することになるんだ。▼~
……と、わかっちゃいるんだが~
得体の知れないもんを見ちまうと~
どうしても好奇心を抑えられなくてね。▼~
おっと、本人を目の前にして~
得体の知れないってのも良くないよな。~
すまなかった。反省、反省…▼~
***A [#w1454953]
:[クロード]|
よう、エクラ。~
こんな時間まで見回りか?▼~
一人で大丈夫かよ。~
お前、腕っぷしはそうでもないって~
聞いてるぜ?▼~
人にはそれぞれ役割分担ってのがある。~
お前はお前の領分で力を尽くせばいい。▼~
ちなみに俺も、~
俺の領分で力を尽くしているところだ。~
…これを見てくれ。▼~
例のキノコの毒だが、~
試行錯誤の結果、粉末にすることに~
成功したんだ!▼~
これなら敵兵の飯に混ぜるまでもない。~
敵陣の中で撒き散らせば、~
勝手に吸い込んじまうだろうからな。▼~
どうやって撒き散らすかは~
まだ思案中だが…。~
…あ、お前! 今、笑わなかったか?▼~
俺は冗談でやってるんじゃないんだぜ?~
勝つための手札を増やすべく、~
日々努力してるってわけだ。▼~
いや、まあ…~
半ば趣味みたいなもんだってのは~
否定しないが…▼~
…ん? 急に腹の具合が…!~
まずい、頭も痛くなってきた…。▼~
キノコの毒を少し~
吸い込んじまったかもしれん…▼~
わ、悪いな…今日のところは~
これで失礼させてもら…ううっ…▼~
***S [#d9406163]
:[クロード]|
やれやれ…~
この間はさんざんな目に遭ったぜ。~
自業自得と言えばそれまでだが…▼~
三日三晩、吐き気と頭痛は想定どおり。~
しかも全身から湯気出っぱなし…~
完治までは戦力外になること確実だ。▼~
ま、身を削った甲斐あって、~
毒の効果は十分すぎるほど実証できたよ。▼~
しかし難点にも気づいちまった。~
原料となるキノコが希少すぎて、~
大量生産できないんだよな…。▼~
ごめんな、エクラ。~
お前の助けになるかと思ったんだが~
当分はお預けだ。▼~
…あれ、その残念そうな顔。~
もしかして期待してたのか?▼~
大丈夫、手札なら他にいくらでもある。~
ご要望あらば、状況に応じた最善の一手を~
ビシっとご提案させてもらうぜ。▼~
…あ、誤解しないでほしいんだが、~
別にお前に恩を売って見返りを得ようとか~
そういう打算的な考えはないからな?▼~
不謹慎かもしれないが、~
この世界に来てから、お前と一緒に戦うのが~
楽しくて仕方ないんだよ。▼~
で、戦う以上は、神頼みなんざ論外だ。~
あらゆる手を尽くして、勝つべくして勝つ!~
それが俺の流儀で…▼~
…そうだ! 急に閃いたぜ。~
原料が少ないってんなら、原料自体を~
自分で作ればいいんじゃないか?▼~
よし、まずはキノコ栽培について~
調べないとな…忙しくなってきたぞ。~
期待して待っててくれ!▼~
**黒鷲を継ぐ者 エーデルガルト [#h0b581a6]
***C [#x7560f09]
:[エーデルガルト]|
アンナ殿、少しいいかしら?▼~
:[アンナ]|
もちろんよ、何でも聞いてちょうだい。▼~
:[エーデルガルト]|
この前の異界の軍勢との戦闘だけれど、~
敵軍の一部の動きに気になるものがあって。▼~
戦場の地形と軍勢の動きを~
簡単にまとめてみたの。~
貴方にも意見をもらえたら嬉しいわ。▼~
:[アンナ]|
ありがとう!~
頼りになるわねー。▼~
…………▼~
うーん、この資料の完成度…~
あなた、本当に学校の生徒なの?▼~
:[エーデルガルト]|
ええ。~
といっても、おかしなことではないわ。▼~
私たちが属するガルグ=マクの士官学校は、~
生徒の大半が貴族の子弟…~
卒業と同時に爵位を継ぐ者もいるの。▼~
領主ともなれば、自領の安寧のために租税を~
正しく集め、正しく使わねばならない。~
賊が出れば騎士団を率いて討伐もする。▼~
若いうちから教養を身に着けなければ~
やっていけないから、そういった教育を~
受ける者も必然と多くなるわ。▼~
:[アンナ]|
へえ…~
思ったよりだいぶ厳しいところみたいね。~
それこそ軍隊に近いような。▼~
:[エーデルガルト]|
ふふっ、そうかもしれないわね。▼~
***B [#yb4c420f]
:[アンナ]|
あなたたちが所属する士官学校は、~
3つの国の人々が交ざって~
学んでいるのよね?▼~
:[エーデルガルト]|
ええ、そうね。~
私たちが元いたところは~
フォドラという地なのだけれど…▼~
アドラステア帝国、ファーガス神聖王国、~
レスター諸侯同盟という3つの勢力によって~
治められているの。▼~
私は帝国、ディミトリは王国、~
クロードは同盟領の出身で…▼~
それぞれの学級を代表して、~
級長という皆をまとめる役割を~
持っているのよ。▼~
:[アンナ]|
なるほど…それにしても~
ずいぶんと仲が良いのね、3つの国は。~
そうじゃなきゃ一緒に学べないわよね?▼~
:[エーデルガルト]|
表向きはね。~
同盟が王国から分離したのが300年ほど~
前で、以来フォドラは平和を保ってきたわ。▼~
ただ、現状に不満を持つ者も多いし、~
私も今の形が最上と思っているわけでは~
ないの…▼~
:[アンナ]|
いろいろ事情がありそうねえ。▼~
まあ、国がいくつもあれば、~
表面上は仲良くても、内心では……~
っていうのはわかるわ。▼~
:[エーデルガルト]|
こちらの世界には、国どころか~
異界がいくつもあるものね。~
想像を絶する大変さがありそう…▼~
:[アンナ]|
そうなのよ…~
わかってくれる!?▼~
***A [#wde758d5]
:[アンナ]|
…それじゃ、こういう命令にしたら?~
指揮系統に何かあった場合でも~
柔軟に対応できそうじゃない?▼~
:[エーデルガルト]|
アンナ殿、流石ね。~
後は…状況に合わせた計略を複数、~
あらかじめ準備しておくべきかしら。▼~
:[アンナ]|
それ、いいわね。~
次に異界の軍勢が襲ってきたら、~
実践してみましょ!▼~
:[エーデルガルト]|
ええ。~
お願いするわ。▼~
:[アンナ]|
…それにしても、まだ学んでいる身で~
これだけの知識があるなんて、~
余程の教育を受けてきてるのねえ。▼~
:[エーデルガルト]|
生徒とはいっても、~
私は次代のアドラステア皇帝。~
アルフォンス殿と、立場は変わらないのよ。▼~
学校に入る以前から、~
様々な研鑽を積んできているもの。▼~
:[アンナ]|
そういえばそうだったわね…。~
教師と生徒っていう印象が強すぎて、~
すこーんと抜け落ちてたわ。▼~
:[エーデルガルト]|
ふふ…そういう扱いも悪くはないわね。~
この世界にアドラステアはない。~
ならば私も、ただの生徒の一人。▼~
:[アンナ]|
異界の英雄の一人、っていうのも~
忘れちゃ困るわよ? ふふふ!▼~
***S [#g04d929d]
:[アンナ]|
あれ? あなたが読んでいる本…▼~
:[エーデルガルト]|
これはアルフォンス殿から借りたものよ。~
こちらの世界の歴史に興味があって。▼~
異界との交流があるからでしょうね、~
フォドラとはまるで違っているの。~
国の成り立ちも、発展の仕方も。▼~
そのままフォドラには適用できないけれど、~
いろいろと勉強になるわ。▼~
:[アンナ]|
あなたって、いつ見ても~
勉強とか訓練ばかりしている気がするわね。~
息抜きに何かしたりしないの?▼~
趣味とか、好きなものとか…。▼~
:[エーデルガルト]|
ええと…息抜きはしているわよ。~
一人でいる時にだけ。▼~
:[アンナ]|
一人でいる時にだけ?~
誰かに見られたくないような趣味なの?▼~
あ、無理には聞かないけど。▼~
:[エーデルガルト]|
見られたくはないけれど、~
そんな大層なことでもないわ。▼~
私は美しい風景を眺めるのと、~
ごろごろするのが好きなの。~
だから一人でこっそり自然の中でごろごろ…▼~
:[アンナ]|
ごろごろ…~
…ふふっ!▼~
:[エーデルガルト]|
ほら、似合わないわよね?~
皇位継承者として、他人にそういうところは~
見せられないから…▼~
:[アンナ]|
ううん、似合わないなんてことないわ!~
それにこの世界では、あなたは一人の生徒、~
なんでしょ?▼~
他人の目なんて気にせず、~
一緒にごろごろしましょ!▼~
:[エーデルガルト]|
…仕方ないわね。~
少しだけよ。▼~
**青獅子の守護者 ディミトリ [#kba15e04]
***C [#hd9bdf93]
:[アルフォンス]|
ディミトリ王子。~
ここでの生活には、もう慣れましたか?▼~
:[ディミトリ]|
お気遣いありがとうございます。~
おかげさまで、これといった不自由もなく。▼~
強いて言えば、異界の王や勇士と交誼を~
結べるこの環境では、時間がいくらあっても~
足りない、ということくらいでしょうか。▼~
:[アルフォンス]|
それは僕も、時々感じます。~
彼らからは学ぶことが多いですからね。▼~
:[ディミトリ]|
ああ…それとアルフォンス王子。~
一つ、よろしいでしょうか。▼~
:[アルフォンス]|
…何でしょう?▼~
:[ディミトリ]|
私に対して~
そのように丁寧な物言いは無用です。▼~
今の私は、この国の将の一人。~
そのような接し方をされると、~
正直こう…落ち着かないもので。▼~
:[アルフォンス]|
…君が、そう言うなら。▼~
ではどうか君も、~
僕には気安く接してもらえないだろうか。▼~
僕はこの国の王子であると同時に~
君たちと共に戦う特務機関の一人でもある。~
僕も君も、立場はそう変わらないはずだよ。▼~
:[ディミトリ]|
…………▼~
…わかった。▼~
そこまで言ってくれるのなら、~
固辞するのも悪いよな。~
ではありがたく、そうさせてもらおう。▼~
***B [#vce5b090]
:[アルフォンス]|
敵軍はこの位置に布陣している。~
とすると、相対する僕たちにとって~
最も有利な戦場は…▼~
:[ディミトリ]|
ああ…やはり、その砦だな。~
そこに布陣すれば~
確実に敵を殲滅できるだろう。▼~
…だが間違いなく、~
近郊の街を巻き込んだ大規模な戦闘になる。▼~
少数を切り捨て、多数を救う…~
合理的な判断ではあるが~
本当にお前は、それでいいのか?▼~
:[アルフォンス]|
…………▼~
…この機を逃せば、~
街の人々よりも多くの民が~
命を落とすことになる。▼~
この国の王子として、~
僕は民を守らなければいけない。▼~
…………~
けれど…僕は…▼~
:[ディミトリ]|
…アルフォンス。▼~
選べない、というのなら~
もう少し一緒に足掻いてみないか。▼~
:[アルフォンス]|
…えっ?▼~
:[ディミトリ]|
お前は一人で戦っているわけじゃない。~
他の道が見つからないのなら、~
周りの力に頼ってみればいい。▼~
軍議に先立って、作戦について~
皆に意見を乞うてきた。▼~
知恵者はもちろん、~
普段は軍議に顔を出さないような者にもな。▼~
彼らの知恵を借りつつ、~
俺なりに、いくつか策をまとめてみた。~
…どうするかはお前次第だ。▼~
:[アルフォンス]|
ディミトリ…▼~
:[ディミトリ]|
俺はな、どこの国の民だろうと~
罪なき者の血が流れるのは容認できない。▼~
大義の名のもとに切り捨てられる者など、~
本当なら…どこにもいてはならないんだ。▼~
***A [#v0fe6bdc]
:[アルフォンス]|
ありがとう、ディミトリ。~
先日の作戦、君のおかげで~
無駄な犠牲を出さずに済んだ。▼~
:[ディミトリ]|
…ああ、あの一件か。▼~
事が上手く運んだというなら、~
お前はただ胸を張っていればいい。~
選んだのはお前なのだから。▼~
:[アルフォンス]|
…僕はずっと、迷っていたんだ。▼~
少数の犠牲に気を取られて~
多数を危険に晒すのは間違っている…▼~
けれど、だからと言って本当に~
民を切り捨ててもいいのか、と。▼~
:[ディミトリ]|
アルフォンス。~
これは俺の私見ではあるが…▼~
正しさの定義など、曖昧なものだ。~
真に「過たない」王を戴きたいなら~
玉座には、法典でも座らせておけばいい。▼~
…非情に徹さねばならない局面はある。~
だが、そこで産み落とされる犠牲を~
認めてしまうのは、ただの思考の放棄だ。▼~
愚か者の謗りを受けようとも、~
最後まで足掻き、より良い道を探す…▼~
人が人を治めるのは、~
そのためなんじゃないかな。▼~
:[アルフォンス]|
…最後までより良い道を探す、か。▼~
できるなら僕も、そう在りたいな。~
…そんな王になりたい。▼~
:[ディミトリ]|
…はは。~
似た者同士だな、俺たちは。▼~
***S [#x522c775]
:[アルフォンス]|
ディミトリ。~
君の戦い方は、どこか危うく見える。▼~
まるで、自分の命を~
何とも思っていないかのような…▼~
:[ディミトリ]|
危うい…~
…そう見えるのか。▼~
…俺は元々、戦うことが好きなんだ。~
戦場で槍を振るっている時だけは、~
余計なことを考えずにいられる。▼~
筆よりも先に武器を握らされて~
育ったようなものだしな。▼~
:[アルフォンス]|
君は王子なのに、かい?▼~
:[ディミトリ]|
俺が王子だから、だ。▼~
英雄の血を引く家の人間は、~
紋章の力で王国を侵略から守り、~
貴族としての特権を得た。▼~
:[アルフォンス]|
紋章…確かフォドラでは~
限られた血統に伝わる~
特別な力のことを指すんだったね。▼~
:[ディミトリ]|
ああ。~
ファーガスの王家に生まれついた俺には、~
己の槍で、己の国と民を守る責務がある。▼~
:[アルフォンス]|
…でも、それなら余計に~
そんな戦い方はやめるべきだと思う。~
君の命は、君一人のものじゃない。▼~
:[ディミトリ]|
…そう、だな。~
俺は、まだ死ねない。▼~
元より、俺の命は俺のものではない。~
…好きに散らす権利もない。▼~
:[アルフォンス]|
…え?▼~
:[ディミトリ]|
ああ…いや。~
気にかけてくれて、ありがとう。~
お前は優しいな、アルフォンス。▼~
:[アルフォンス]|
優しい、というか…~
…似た者同士、だからかな。~
君のことは、何だか放っておけなくて。▼~
:[ディミトリ]|
…そうか。▼~
ならば共に戦い、~
共に生きよう、アルフォンス。▼~
互いの、果たすべき使命のために。▼~
*コメント [#r4a3eedd]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*預け合う背中 [#g60b46e8]
#contents
**預け合う背中 [#scdd16be]
***オープニング [#h6956e2d]
:[エーデルガルト]|
はあ…~
どうにか撒いたかしら。▼~
:[ベレス]|
3人とも、怪我がないようで良かった。~
それにしてもあの軍勢は、いったい…▼~
:[ディミトリ]|
賊…のようには見えなかったな。~
奴らの装備を見るに、俺たちの知る~
どの軍のものとも違うようだったが。▼~
:[エーデルガルト]|
ええ、それにこの辺りの景色…~
どうやらここはガルグ=マクの~
森の中ではなさそうね。▼~
:[ベレス]|
見覚えのない敵、見覚えのない森…~
何が起こったんだろう。▼~
:[エーデルガルト]|
事態を把握するためにも、~
話の通じる相手を探さなければね。~
だけど、それよりも…▼~
:[ディミトリ]|
ああ…~
それよりも、だ…▼~
おいクロード、どこへ行く。▼~
:[クロード]|
おわ、気づかれたか!~
さっさとずらかろうと思ったんだが…▼~
:[ディミトリ]|
お前というやつは…~
…この状況、いつかも見た気がするな。▼~
:[エーデルガルト]|
クロード。~
何度も同じ手が通用すると思っているの?▼~
:[クロード]|
わかってるわかってる。~
だが、ここに留まってたって~
そう都合よく誰か来てくれるなんて…▼~
:[シャロン]|
…おーい!!~
大丈夫ですかー!?▼~
:[エーデルガルト]|
来たわね。▼~
:[ディミトリ]|
…来たな。▼~
:[クロード]|
あっはっは!~
これも天の配剤、~
日頃の行いの良さの賜物だな、先生。▼~
***C [#cc9a42e2]
:[クロード]|
…なるほど?~
要は、あんたらが俺たちを「英雄」として~
ここに呼びつけたってことか。▼~
:[ディミトリ]|
そして、先程我々を襲った軍勢こそが~
我々の戦うべき敵…~
異界から現れた侵略者だ、と。▼~
:[エーデルガルト]|
荒唐無稽な話だけれど、~
状況的には信じるしかなさそうね…。▼~
:[シャロン]|
この辺りの敵は、~
わたしたちでぱぱっと片づけます!~
皆さんは早くお城に…▼~
:[エーデルガルト]|
相手もそう簡単に~
私たちを逃がすつもりはないようよ。▼~
:[アンナ]|
!~
…足音よ。それもかなりの数ね。~
私たちを探しているみたい。▼~
:[アルフォンス]|
! まずいな…~
僕たちだけで、~
さばき切れるかどうか…▼~
:[クロード]|
…まあ、俺らも戦うしかないか。~
こんなわけのわからない世界に~
屍をさらすのは勘弁願いたいからな。▼~
:[ディミトリ]|
ああ、同感だ。~
幸運なことに、手元には武器もある。~
ここは皆で手を携え、切り抜けるとしよう。▼~
:[エーデルガルト]|
貴方たちと意見が合うとはね。~
一人も欠けず、生きて戻るわよ!▼~
:[アンナ]|
あなたたち、~
召喚されたばかりでそんな…~
だ、大丈夫なの!?▼~
:[ベレス]|
心配はいらないよ。~
彼らは強いから。▼~
もちろん、~
貴方たちの力も頼りにさせてもらう。~
一緒に戦おう!▼~
***B [#r5143a6b]
:[ベレス]|
敵は「英雄」や特務機関を~
余程警戒しているんだろう。~
多くの兵を動員して、私たちを捜している。▼~
:[エーデルガルト]|
交戦は控えて離脱したいところだけれど~
あの数が相手となると、~
簡単にはいかないでしょうね。▼~
:[ディミトリ]|
やはり、包囲を切り崩すより他ないか。~
打てる手はだいぶ限られてくるが…▼~
:[ベレス]|
けれど……手段を選ばなければ~
いくらでもやりようはある。▼~
:[ディミトリ]|
…………▼~
:[エーデルガルト]|
…………▼~
:[クロード]|
…おっと、3人とも~
どうしてそこで一斉に俺を見るんだ?▼~
:[エーデルガルト]|
適材適所、と言うでしょう?~
今度はどんな趣味の悪い奇策を~
思いついてくれるのかしら、クロード。▼~
:[クロード]|
人聞きが悪いなあ。~
俺はいつだって、平和的に~
物事を解決したいだけなんだが…▼~
まあ、策がないわけじゃない。~
皇女様と王子様はもちろん、~
特務機関の皆様がたにも手伝ってもらうぜ。▼~
:[シャロン]|
もちろん!~
このシャロンにお任せくださいっ!▼~
:[クロード]|
で、作戦の要は先生の指揮だ。~
俺が思いつきでどんどん口に出すから、~
上手いことまとめて指示にしてくれよ?▼~
:[アンナ]|
…なんだか、作戦会議っていうより~
戦術の講義風景でも見てるみたいね。▼~
:[ディミトリ]|
あながち間違いでもありませんよ。~
私たちは、士官学校の~
教師と生徒なのですから。▼~
:[アルフォンス]|
士官学校の教師と、生徒…か。▼~
***A [#i04c9e3d]
:[シャロン]|
すごかったです!~
あの時の連携といったら、~
流石は英雄! って感じでしたよ!▼~
:[エーデルガルト]|
大げさよ。そもそも、~
私たちが背中を預け合って戦う機会なんて~
本来ないはずだったのだから。▼~
:[クロード]|
それぞれ面倒なものを背負ってるもんでね。~
しがらみのない世界ってのは、~
なかなか気楽でいいもんだ。▼~
:[ディミトリ]|
…だが、そんな俺たちが~
一つとなれていた、と言うなら、~
それはきっと、先生のおかげなのだろうな。▼~
:[シャロン]|
そういうの、素敵ですね!~
英雄さんたちが一つにまとまれば、~
怖いものなし! ちょっと羨ましいです。▼~
:[エーデルガルト]|
あら? 私の目には、貴方たちや英雄と~
エクラも、~
同じような関係に見えるけれど。▼~
:[アルフォンス]|
えっ?▼~
:[クロード]|
いろんな生い立ちの生徒をまとめるのも~
いろんな異界の英雄たちをまとめるのも~
似たようなもんだと、俺は思うぜ。▼~
:[アルフォンス]|
確かに、そうかもしれないね。▼~
エクラが~
導いてくれたからこそ…▼~
僕たちは多くの英雄たちと出会い、~
背中を預け合う関係になれた。▼~
:[ディミトリ]|
俺たちも、折角こうして巡り会ったんだ。~
仲間として、協力は惜しまない。▼~
:[ベレス]|
最後まで、共に戦おう。~
これからも、よろしく頼むよ。▼~
**傭兵上がりの教師 ベレス [#xf32fdf3]
***C [#r77b52bf]
:[シャロン]|
あの、ベレスさんって教師なんですよね。▼~
それも、"十傑"って呼ばれる英雄の~
子孫たちの先生だって聞いたんですけど。▼~
:[ベレス]|
確かに教師だけど…~
そんな大それたものではないよ。▼~
:[シャロン]|
この地に呼ばれた英雄さんたちは、~
ベレスさんを慕っているように~
見えますけど…▼~
:[ベレス]|
だったら嬉しいね。~
立派で教えることも少ない、~
自慢の生徒たちだよ。▼~
:[シャロン]|
ふふっ! 生徒の皆さんは、~
自慢の先生だって言ってましたよ。~
少し変わってるけど、って。▼~
:[ベレス]|
元々自分は傭兵で、ずっと父に従って、~
あちこちの戦場や野山を転戦してきた。▼~
だから世の常識には疎いし、~
貴族の子弟から見ると、ずれている~
ところがあるみたいなんだ。▼~
:[シャロン]|
傭兵から教師に…~
不思議な巡り合わせですね!▼~
:[ベレス]|
ああ。~
この先、どんな未来が待っているかは~
見当もつかないけどね。▼~
:[シャロン]|
そうだ!~
わたしも先生って呼んじゃおうかな。~
そしていろいろと教えてください!▼~
:[ベレス]|
呼ぶのは構わない。~
でも、何を教えれば……?▼~
:[シャロン]|
ええと…普段は何を教えてるんですか?~
まず、そこから教えてほしいなと…。▼~
:[ベレス]|
何を教えているかを教える?~
…いいよ、付き合おう、シャロン。▼~
***B [#c840cf17]
:[シャロン]|
ベレスさんって、戦ってる時と、~
普段とで、顔つきが違いますよね。▼~
:[ベレス]|
そうかな?▼~
:[シャロン]|
そうですよ!~
戦闘中は、何ていうか…~
傭兵って感じの顔で。▼~
普段、特に生徒の皆さんと一緒の時は、~
まさに先生って感じの顔、してますよ?▼~
:[ベレス]|
それは嬉しいな。▼~
:[シャロン]|
嬉しい?▼~
:[ベレス]|
昔から表情が乏しいと、~
周囲からは言われていたからね。▼~
あまり感情を表に出す性質では~
なかったんだ。▼~
もちろん父や傭兵団の仲間は、~
わかってくれていたけれど。▼~
:[シャロン]|
わたしにもわかりますよ!~
今は…▼~
ずばり、お腹が空いてきたって顔ですね!▼~
:[ベレス]|
…お腹が空いたのか?~
それなら、話の続きは~
食事をしながらにしよう。▼~
:[シャロン]|
正解かどうか教えてくださいよ、先生!▼~
:[ベレス]|
…………▼~
:[シャロン]|
あっ!~
待ってくださーい!▼~
***A [#ab55e4c5]
:[シャロン]|
先生!~
この戦術については理解できました!▼~
それでですね、こっちの陣形なんですけど、~
敵に弓兵が多い場合は…▼~
:[ベレス]|
…………▼~
:[シャロン]|
どうかしましたか?▼~
:[ベレス]|
いや、すっかり生徒の一人みたいだと~
思ってね。▼~
君にはアンナ隊長という立派な~
上官がいるだろう?~
彼女に悪い気がするな。▼~
:[シャロン]|
ええ!?~
そんなこと、気にしなくて大丈夫ですよ!▼~
アンナ隊長は隊長で、~
ベレス先生は先生です!~
全然、違うじゃないですかー!▼~
:[ベレス]|
そ、そうかな…▼~
:[シャロン]|
そうですよ!~
でも、気になるんだったら先生も~
やめましょう!▼~
:[ベレス]|
やめると、どうなるんだ?▼~
:[シャロン]|
えーと、お友達になれたら嬉しいなって…▼~
:[ベレス]|
すでに友達だと思っていたけれど。~
いや…戦友、かな?~
戦場で共に戦った仲間だ。▼~
:[シャロン]|
違ーう!~
お友達と戦友じゃ、全然違うんですよ、~
ベレスさん!▼~
:[ベレス]|
そうなのか…すまない。~
しかし、そうすると自分には~
友達がいたことがないような…▼~
:[シャロン]|
えええー!?~
さらっととんでもない告白じゃないですか!~
ど、どうしましょう…▼~
***S [#mde453a0]
:[シャロン]|
ベレスさん!▼~
:[ベレス]|
そんなに息せき切ってどうした、シャロン?▼~
:[シャロン]|
ベレスさんに言いたいことがありまして。▼~
その…わたしたちはお友達だと思います!~
だから、ベレスさんには友達がいますよ!▼~
:[ベレス]|
…………▼~
:[シャロン]|
…………▼~
:[ベレス]|
ふふ…ありがとう、シャロン。~
その通りだね。▼~
実は、あの後、考えてみたんだよ。~
友達とは何だろうって。▼~
:[シャロン]|
友達とは、何か…。▼~
:[ベレス]|
仲間、戦友、同志…~
あるいは、教師と生徒…。▼~
いろいろな関係性があるけれど、~
そうやってひとくくりにできないものも~
いっぱいある。▼~
その温かい何かが、自分にとっては友情で…~
だとすれば、それは確かにここにあるんだ。▼~
:[シャロン]|
…そうです!~
わたしにだって、感じられますよ。~
二人の間にある、温かな絆が。▼~
:[ベレス]|
だから、シャロン。~
これからもずっと友達でいてほしい。~
心からそう思うよ。▼~
:[シャロン]|
もちろんです!~
わたしだって願ってますからね!▼~
**野望の寵児 クロード [#s9ceced0]
***C [#t2748390]
:[クロード]|
よう、エクラ。~
さては美味そうな匂いに~
つられて現れたな?▼~
こっちの世界に来てから、~
珍しいキノコを見つけたんでね。~
そこの鍋で煮込んでたところだ。▼~
美味そうでも、つまみ食いはすんなよ?~
そのキノコ、俺がいた世界にもある~
希少種なんだが…▼~
食ったら最後、たちまち顔は蒼ざめ、~
全身から湯気を発して、三日三晩は~
高熱と吐き気と腹痛に苦しむことになる。▼~
なんでそんなもんを煮込んでるのかって?~
もちろん、キノコの毒を抽出するためだ。▼~
それを敵兵の飯にでもこっそり混ぜれば、~
戦わずして相手の戦力を削れる、だろ?▼~
毒を使った計略を卑怯と言う奴もいるが、~
戦争ってのは、勝たなきゃ仲間が死ぬんだ。~
卑怯の何のと言ってる場合かってね。▼~
それに、もしこれを食っちまっても~
三日で元気になるんだから、~
殺し合うより、よほど平和的だろ?▼~
…俺は、こう見えて慎重な男でね。~
一つの戦いに勝つために、~
予め何通りもの手札を用意するんだ。▼~
このキノコの毒だって手札の一つさ。~
ま、敵兵の飯にこいつを混ぜる手段が~
今のところ見つからないが…▼~
***B [#n5553396]
:[クロード]|
この前のキノコの毒だけどさ、~
俺がちょっと目を離した隙に~
つまみ食いしちまった奴がいてなあ…▼~
すぐに見つけて、吐き出させたから~
事なきを得たんだが、先生にバレて~
説教を食らっちまったよ。▼~
あ、説教されたのは、~
毒を作ってたからじゃなくて、~
作ってる途中で目を離したからだけどな。▼~
あの先生は、俺が何か怪しいことをしてても~
大概は見逃してくれるんだが、~
仲間に迷惑がかかるようなことは例外でね。▼~
…そういえば、お前って~
どこか雰囲気がウチの先生と似てるよな。▼~
用兵の才はもちろんだが、~
仲間を大切にするところとか、~
それでいて感情が読みづらいとことか…▼~
なあ、エクラ、~
お前って、本当は何者なんだ?▼~
…ああ、いや、別に答えなくていい。~
興味本位で詮索するのは俺の悪い癖でね。~
いつも後で反省することになるんだ。▼~
……と、わかっちゃいるんだが~
得体の知れないもんを見ちまうと~
どうしても好奇心を抑えられなくてね。▼~
おっと、本人を目の前にして~
得体の知れないってのも良くないよな。~
すまなかった。反省、反省…▼~
***A [#w1454953]
:[クロード]|
よう、エクラ。~
こんな時間まで見回りか?▼~
一人で大丈夫かよ。~
お前、腕っぷしはそうでもないって~
聞いてるぜ?▼~
人にはそれぞれ役割分担ってのがある。~
お前はお前の領分で力を尽くせばいい。▼~
ちなみに俺も、~
俺の領分で力を尽くしているところだ。~
…これを見てくれ。▼~
例のキノコの毒だが、~
試行錯誤の結果、粉末にすることに~
成功したんだ!▼~
これなら敵兵の飯に混ぜるまでもない。~
敵陣の中で撒き散らせば、~
勝手に吸い込んじまうだろうからな。▼~
どうやって撒き散らすかは~
まだ思案中だが…。~
…あ、お前! 今、笑わなかったか?▼~
俺は冗談でやってるんじゃないんだぜ?~
勝つための手札を増やすべく、~
日々努力してるってわけだ。▼~
いや、まあ…~
半ば趣味みたいなもんだってのは~
否定しないが…▼~
…ん? 急に腹の具合が…!~
まずい、頭も痛くなってきた…。▼~
キノコの毒を少し~
吸い込んじまったかもしれん…▼~
わ、悪いな…今日のところは~
これで失礼させてもら…ううっ…▼~
***S [#d9406163]
:[クロード]|
やれやれ…~
この間はさんざんな目に遭ったぜ。~
自業自得と言えばそれまでだが…▼~
三日三晩、吐き気と頭痛は想定どおり。~
しかも全身から湯気出っぱなし…~
完治までは戦力外になること確実だ。▼~
ま、身を削った甲斐あって、~
毒の効果は十分すぎるほど実証できたよ。▼~
しかし難点にも気づいちまった。~
原料となるキノコが希少すぎて、~
大量生産できないんだよな…。▼~
ごめんな、エクラ。~
お前の助けになるかと思ったんだが~
当分はお預けだ。▼~
…あれ、その残念そうな顔。~
もしかして期待してたのか?▼~
大丈夫、手札なら他にいくらでもある。~
ご要望あらば、状況に応じた最善の一手を~
ビシっとご提案させてもらうぜ。▼~
…あ、誤解しないでほしいんだが、~
別にお前に恩を売って見返りを得ようとか~
そういう打算的な考えはないからな?▼~
不謹慎かもしれないが、~
この世界に来てから、お前と一緒に戦うのが~
楽しくて仕方ないんだよ。▼~
で、戦う以上は、神頼みなんざ論外だ。~
あらゆる手を尽くして、勝つべくして勝つ!~
それが俺の流儀で…▼~
…そうだ! 急に閃いたぜ。~
原料が少ないってんなら、原料自体を~
自分で作ればいいんじゃないか?▼~
よし、まずはキノコ栽培について~
調べないとな…忙しくなってきたぞ。~
期待して待っててくれ!▼~
**黒鷲を継ぐ者 エーデルガルト [#h0b581a6]
***C [#x7560f09]
:[エーデルガルト]|
アンナ殿、少しいいかしら?▼~
:[アンナ]|
もちろんよ、何でも聞いてちょうだい。▼~
:[エーデルガルト]|
この前の異界の軍勢との戦闘だけれど、~
敵軍の一部の動きに気になるものがあって。▼~
戦場の地形と軍勢の動きを~
簡単にまとめてみたの。~
貴方にも意見をもらえたら嬉しいわ。▼~
:[アンナ]|
ありがとう!~
頼りになるわねー。▼~
…………▼~
うーん、この資料の完成度…~
あなた、本当に学校の生徒なの?▼~
:[エーデルガルト]|
ええ。~
といっても、おかしなことではないわ。▼~
私たちが属するガルグ=マクの士官学校は、~
生徒の大半が貴族の子弟…~
卒業と同時に爵位を継ぐ者もいるの。▼~
領主ともなれば、自領の安寧のために租税を~
正しく集め、正しく使わねばならない。~
賊が出れば騎士団を率いて討伐もする。▼~
若いうちから教養を身に着けなければ~
やっていけないから、そういった教育を~
受ける者も必然と多くなるわ。▼~
:[アンナ]|
へえ…~
思ったよりだいぶ厳しいところみたいね。~
それこそ軍隊に近いような。▼~
:[エーデルガルト]|
ふふっ、そうかもしれないわね。▼~
***B [#yb4c420f]
:[アンナ]|
あなたたちが所属する士官学校は、~
3つの国の人々が交ざって~
学んでいるのよね?▼~
:[エーデルガルト]|
ええ、そうね。~
私たちが元いたところは~
フォドラという地なのだけれど…▼~
アドラステア帝国、ファーガス神聖王国、~
レスター諸侯同盟という3つの勢力によって~
治められているの。▼~
私は帝国、ディミトリは王国、~
クロードは同盟領の出身で…▼~
それぞれの学級を代表して、~
級長という皆をまとめる役割を~
持っているのよ。▼~
:[アンナ]|
なるほど…それにしても~
ずいぶんと仲が良いのね、3つの国は。~
そうじゃなきゃ一緒に学べないわよね?▼~
:[エーデルガルト]|
表向きはね。~
同盟が王国から分離したのが300年ほど~
前で、以来フォドラは平和を保ってきたわ。▼~
ただ、現状に不満を持つ者も多いし、~
私も今の形が最上と思っているわけでは~
ないの…▼~
:[アンナ]|
いろいろ事情がありそうねえ。▼~
まあ、国がいくつもあれば、~
表面上は仲良くても、内心では……~
っていうのはわかるわ。▼~
:[エーデルガルト]|
こちらの世界には、国どころか~
異界がいくつもあるものね。~
想像を絶する大変さがありそう…▼~
:[アンナ]|
そうなのよ…~
わかってくれる!?▼~
***A [#wde758d5]
:[アンナ]|
…それじゃ、こういう命令にしたら?~
指揮系統に何かあった場合でも~
柔軟に対応できそうじゃない?▼~
:[エーデルガルト]|
アンナ殿、流石ね。~
後は…状況に合わせた計略を複数、~
あらかじめ準備しておくべきかしら。▼~
:[アンナ]|
それ、いいわね。~
次に異界の軍勢が襲ってきたら、~
実践してみましょ!▼~
:[エーデルガルト]|
ええ。~
お願いするわ。▼~
:[アンナ]|
…それにしても、まだ学んでいる身で~
これだけの知識があるなんて、~
余程の教育を受けてきてるのねえ。▼~
:[エーデルガルト]|
生徒とはいっても、~
私は次代のアドラステア皇帝。~
アルフォンス殿と、立場は変わらないのよ。▼~
学校に入る以前から、~
様々な研鑽を積んできているもの。▼~
:[アンナ]|
そういえばそうだったわね…。~
教師と生徒っていう印象が強すぎて、~
すこーんと抜け落ちてたわ。▼~
:[エーデルガルト]|
ふふ…そういう扱いも悪くはないわね。~
この世界にアドラステアはない。~
ならば私も、ただの生徒の一人。▼~
:[アンナ]|
異界の英雄の一人、っていうのも~
忘れちゃ困るわよ? ふふふ!▼~
***S [#g04d929d]
:[アンナ]|
あれ? あなたが読んでいる本…▼~
:[エーデルガルト]|
これはアルフォンス殿から借りたものよ。~
こちらの世界の歴史に興味があって。▼~
異界との交流があるからでしょうね、~
フォドラとはまるで違っているの。~
国の成り立ちも、発展の仕方も。▼~
そのままフォドラには適用できないけれど、~
いろいろと勉強になるわ。▼~
:[アンナ]|
あなたって、いつ見ても~
勉強とか訓練ばかりしている気がするわね。~
息抜きに何かしたりしないの?▼~
趣味とか、好きなものとか…。▼~
:[エーデルガルト]|
ええと…息抜きはしているわよ。~
一人でいる時にだけ。▼~
:[アンナ]|
一人でいる時にだけ?~
誰かに見られたくないような趣味なの?▼~
あ、無理には聞かないけど。▼~
:[エーデルガルト]|
見られたくはないけれど、~
そんな大層なことでもないわ。▼~
私は美しい風景を眺めるのと、~
ごろごろするのが好きなの。~
だから一人でこっそり自然の中でごろごろ…▼~
:[アンナ]|
ごろごろ…~
…ふふっ!▼~
:[エーデルガルト]|
ほら、似合わないわよね?~
皇位継承者として、他人にそういうところは~
見せられないから…▼~
:[アンナ]|
ううん、似合わないなんてことないわ!~
それにこの世界では、あなたは一人の生徒、~
なんでしょ?▼~
他人の目なんて気にせず、~
一緒にごろごろしましょ!▼~
:[エーデルガルト]|
…仕方ないわね。~
少しだけよ。▼~
**青獅子の守護者 ディミトリ [#kba15e04]
***C [#hd9bdf93]
:[アルフォンス]|
ディミトリ王子。~
ここでの生活には、もう慣れましたか?▼~
:[ディミトリ]|
お気遣いありがとうございます。~
おかげさまで、これといった不自由もなく。▼~
強いて言えば、異界の王や勇士と交誼を~
結べるこの環境では、時間がいくらあっても~
足りない、ということくらいでしょうか。▼~
:[アルフォンス]|
それは僕も、時々感じます。~
彼らからは学ぶことが多いですからね。▼~
:[ディミトリ]|
ああ…それとアルフォンス王子。~
一つ、よろしいでしょうか。▼~
:[アルフォンス]|
…何でしょう?▼~
:[ディミトリ]|
私に対して~
そのように丁寧な物言いは無用です。▼~
今の私は、この国の将の一人。~
そのような接し方をされると、~
正直こう…落ち着かないもので。▼~
:[アルフォンス]|
…君が、そう言うなら。▼~
ではどうか君も、~
僕には気安く接してもらえないだろうか。▼~
僕はこの国の王子であると同時に~
君たちと共に戦う特務機関の一人でもある。~
僕も君も、立場はそう変わらないはずだよ。▼~
:[ディミトリ]|
…………▼~
…わかった。▼~
そこまで言ってくれるのなら、~
固辞するのも悪いよな。~
ではありがたく、そうさせてもらおう。▼~
***B [#vce5b090]
:[アルフォンス]|
敵軍はこの位置に布陣している。~
とすると、相対する僕たちにとって~
最も有利な戦場は…▼~
:[ディミトリ]|
ああ…やはり、その砦だな。~
そこに布陣すれば~
確実に敵を殲滅できるだろう。▼~
…だが間違いなく、~
近郊の街を巻き込んだ大規模な戦闘になる。▼~
少数を切り捨て、多数を救う…~
合理的な判断ではあるが~
本当にお前は、それでいいのか?▼~
:[アルフォンス]|
…………▼~
…この機を逃せば、~
街の人々よりも多くの民が~
命を落とすことになる。▼~
この国の王子として、~
僕は民を守らなければいけない。▼~
…………~
けれど…僕は…▼~
:[ディミトリ]|
…アルフォンス。▼~
選べない、というのなら~
もう少し一緒に足掻いてみないか。▼~
:[アルフォンス]|
…えっ?▼~
:[ディミトリ]|
お前は一人で戦っているわけじゃない。~
他の道が見つからないのなら、~
周りの力に頼ってみればいい。▼~
軍議に先立って、作戦について~
皆に意見を乞うてきた。▼~
知恵者はもちろん、~
普段は軍議に顔を出さないような者にもな。▼~
彼らの知恵を借りつつ、~
俺なりに、いくつか策をまとめてみた。~
…どうするかはお前次第だ。▼~
:[アルフォンス]|
ディミトリ…▼~
:[ディミトリ]|
俺はな、どこの国の民だろうと~
罪なき者の血が流れるのは容認できない。▼~
大義の名のもとに切り捨てられる者など、~
本当なら…どこにもいてはならないんだ。▼~
***A [#v0fe6bdc]
:[アルフォンス]|
ありがとう、ディミトリ。~
先日の作戦、君のおかげで~
無駄な犠牲を出さずに済んだ。▼~
:[ディミトリ]|
…ああ、あの一件か。▼~
事が上手く運んだというなら、~
お前はただ胸を張っていればいい。~
選んだのはお前なのだから。▼~
:[アルフォンス]|
…僕はずっと、迷っていたんだ。▼~
少数の犠牲に気を取られて~
多数を危険に晒すのは間違っている…▼~
けれど、だからと言って本当に~
民を切り捨ててもいいのか、と。▼~
:[ディミトリ]|
アルフォンス。~
これは俺の私見ではあるが…▼~
正しさの定義など、曖昧なものだ。~
真に「過たない」王を戴きたいなら~
玉座には、法典でも座らせておけばいい。▼~
…非情に徹さねばならない局面はある。~
だが、そこで産み落とされる犠牲を~
認めてしまうのは、ただの思考の放棄だ。▼~
愚か者の謗りを受けようとも、~
最後まで足掻き、より良い道を探す…▼~
人が人を治めるのは、~
そのためなんじゃないかな。▼~
:[アルフォンス]|
…最後までより良い道を探す、か。▼~
できるなら僕も、そう在りたいな。~
…そんな王になりたい。▼~
:[ディミトリ]|
…はは。~
似た者同士だな、俺たちは。▼~
***S [#x522c775]
:[アルフォンス]|
ディミトリ。~
君の戦い方は、どこか危うく見える。▼~
まるで、自分の命を~
何とも思っていないかのような…▼~
:[ディミトリ]|
危うい…~
…そう見えるのか。▼~
…俺は元々、戦うことが好きなんだ。~
戦場で槍を振るっている時だけは、~
余計なことを考えずにいられる。▼~
筆よりも先に武器を握らされて~
育ったようなものだしな。▼~
:[アルフォンス]|
君は王子なのに、かい?▼~
:[ディミトリ]|
俺が王子だから、だ。▼~
英雄の血を引く家の人間は、~
紋章の力で王国を侵略から守り、~
貴族としての特権を得た。▼~
:[アルフォンス]|
紋章…確かフォドラでは~
限られた血統に伝わる~
特別な力のことを指すんだったね。▼~
:[ディミトリ]|
ああ。~
ファーガスの王家に生まれついた俺には、~
己の槍で、己の国と民を守る責務がある。▼~
:[アルフォンス]|
…でも、それなら余計に~
そんな戦い方はやめるべきだと思う。~
君の命は、君一人のものじゃない。▼~
:[ディミトリ]|
…そう、だな。~
俺は、まだ死ねない。▼~
元より、俺の命は俺のものではない。~
…好きに散らす権利もない。▼~
:[アルフォンス]|
…え?▼~
:[ディミトリ]|
ああ…いや。~
気にかけてくれて、ありがとう。~
お前は優しいな、アルフォンス。▼~
:[アルフォンス]|
優しい、というか…~
…似た者同士、だからかな。~
君のことは、何だか放っておけなくて。▼~
:[ディミトリ]|
…そうか。▼~
ならば共に戦い、~
共に生きよう、アルフォンス。▼~
互いの、果たすべき使命のために。▼~
*コメント [#r4a3eedd]
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