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*選んだ道の先で [#x077b2ad]
#contents
**選んだ道の先で [#j21ae35f]
***オープニング [#l67b292e]
:[ヒルダ]|
うう、予定どおりシェズちゃんと~
合流できるかなー。▼~
…あっ!~
シェズ…▼~
:[シェズ(男)]|
お、いたか、ヒルダ。▼~
:[ヒルダ]|
…くん?~
何であなたがこっちに?▼~
:[シェズ(男)]|
もう一人に頼まれてな。~
別件の依頼が、男が苦手なフロリーナからで~
こっちを俺がやったほうがいいだろうって。▼~
:[ヒルダ]|
まだ二人一組で、仕事を請けてるの?~
なんだか不思議ねー。▼~
:[シェズ(男)]|
そうか?~
性別以外、まったく同じなんだから、~
それを利用しない手はないだろ。▼~
:[ヒルダ]|
そうかなー?~
シェズちゃんも同じ考えってことよね。~
本当に不思議だわー。▼~
(暗転)~
:[モニカ]|
いいですか?~
シェズに少し頼み事がありまして…▼~
:[シェズ(女)]|
どっちの?~
いや、どっちでも大丈夫だから~
私が聞くわ。▼~
:[モニカ]|
まあ男のほうでしたけど、~
大丈夫ってことならお願いします。▼~
………………。~
…ここって男のシェズの部屋じゃ~
ありませんでしたっけ?▼~
:[シェズ(女)]|
そうだけど、気にしてないわ。~
互いに城にいないことも多いし、~
どちらも同じように動けるんだから。▼~
使えるものは何でも使う、~
それが傭兵の掟よ。▼~
:[モニカ]|
なるほど…。~
あなたは、いえ、あなたたちは、~
根っからの傭兵ですもんね。▼~
このアスクで出会った性別の違う自分を~
あっさりと受け入れて、傭兵の仕事に~
活かすなんて…流石というか何というか。▼~
***C [#h580cd02]
:[アルフォンス]|
君たちはすごいね…。~
異界の自分と出会っても、疑うどころか~
早々と受け入れて協力し合うなんて。▼~
:[シェズ(男)]|
まあ、自分が二人いるようなもんだ。~
仕事が早く片づいて、助かってるさ。▼~
:[シェズ(女)]|
同感よ。 …それに、~
彼が「もう一人の自分」であることは、~
疑いようもなかったわ。▼~
自分しか持っていないはずの剣を、~
こっちのシェズも持ってたから。▼~
:[アルフォンス]|
剣…? 神器のようなものなのかな。▼~
:[シェズ(男)]|
さあな。~
そういった情報はまったくない。▼~
:[シェズ(女)]|
ただ虚空から生み出せる、~
私たちだけの剣よ。▼~
:[ヒルダ]|
あたしたちのフォドラには、~
“英雄の遺産”っていう伝承に名を残す~
武具があるけれど…▼~
シェズちゃんたちの剣は、~
そういうのとは違うのよねー。▼~
:[モニカ]|
ええ、ヒューベルトも調べていましたが、~
どちらかというと、それらと対極にある~
ような存在ではないかと…。▼~
:[アルフォンス]|
どういう意味だろう…。~
ただの傭兵というわけではないのかな。▼~
:[シャロン]|
当然ですよ、お兄様。~
アスク王国に呼ばれた英雄なんですから。~
すごい傭兵なのは間違いありません!▼~
***B [#ba5d23b4]
:[モニカ]|
あれ…どうかしたんですか。~
微妙な空気ですけど。▼~
:[ヒルダ]|
それがね、シェズくんとシェズちゃんが…▼~
(暗転)~
:[モニカ]|
…ふむ、つまりお二人はほとんどすべてで~
気が合うけれど、最後の最後、肝心な部分で~
致命的にすれ違うことが判明したと。▼~
:[シェズ(女)]|
ええ、そうよ。~
互いに根っこの部分は同じはずなのに、~
辿ってきた道筋が違ったみたいね。▼~
:[シェズ(男)]|
人生の岐路にあって、~
別の選択をした自分ってことだ。~
性別なんかよりそこが問題だとはな。▼~
:[ヒルダ]|
ふーん。▼~
まあ、そういういものかもねー。▼~
あたしなんて、二人いたら、~
あっちもこっちも押し付け合って~
物事が収拾つかなくなっちゃうよ。▼~
…まあ、兄さんがいたら~
両方とも片付けちゃいそうだけどー。▼~
:[モニカ]|
あたしも、陛下の右腕の座を奪い合って、~
ヒューベルトに鼻で笑われそうです。~
気が合う自分は想像できません。▼~
:[シェズ(男)]|
そこは同じ自分なんだから、~
助け合えばいいだろ…って、~
思っていたんだがな。▼~
:[シェズ(女)]|
こうなっちゃったら何も言えないわね。▼~
…それで、あなたは~
そっちを選んだの?▼~
:[シェズ(男)]|
むしろなんでお前は、~
あっちを選んだのかを聞きたいが。▼~
:[ヒルダ]|
待って待って。~
二人とも、落ち着いてー。▼~
:[モニカ]|
そうですよ。~
でも、珍しいですね。~
シェズがそんなに気にするなんて。▼~
***A [#kead91c1]
:[ヒルダ]|
うーん、あれから~
シェズくんとシェズちゃん、~
どうもぎくしゃくしてるのよねー。▼~
:[モニカ]|
ええ。~
しかし、あたしたちに何かできる~
問題ではないように思いますよ。▼~
同じようでいてまったく別物だった、~
二人の生き方の違いなんですから。▼~
:[ヒルダ]|
…まあ、人ってそういうものなのかも。~
誰と出会うか、どこで暮らすか、~
そういう周りの環境で変わっちゃう。▼~
それも、所属する学級が違うとか、~
その程度の差でも、人生のすべてが~
きまっちゃったりするのよね。▼~
:[モニカ]|
選択した時には、それが大きな岐路になる~
なんて気づけないこともありますからね。~
そんなつもりはなかったのに、とか。▼~
:[ヒルダ]|
何にせよ、今までどおり~
仲よくしてくれたらいいんだけどなー。▼~
:[モニカ]|
ん? あれは…シェズとシェズ?▼~
(暗転)~
:[シェズ(男)]|
――ま、違うなら違うでやりようはある。~
相手を知って、己の成長に繋がるものを~
見つけるとかな。▼~
:[シェズ(女)]|
ええ、違う自分を観察することで、~
己の欠点に気づけたり、とかもありそうよ。▼~
:[シェズ(男)]|
使える者は何でも使う。~
:[シェズ(女)]|
それが、傭兵の掟、だものね。▼~
(暗転)~
:[ヒルダ]|
あれー…全然、平気そうじゃない。~
あたしたちの心配は何だったのかしら。▼~
:[モニカ]|
でも、それこそがシェズじゃないですか?~
あたしたちの、頼もしい仲間、~
なんですからね。▼~
**新進気鋭の傭兵 シェズ [#ycdb8998]
***C [#ddec5ff6]
:[アルフォンス]|
おや、シェズ。~
何をしていたんだい?▼~
:[シェズ]|
ん、ちょっと勧誘の張り紙をな。▼~
実はこのアスク王国で~
近々、傭兵団を立ち上げようと~
思ってるんだ。▼~
:[アルフォンス]|
傭兵団…~
どういう風の吹き回しか、~
尋ねてもいいかな。▼~
:[シェズ]|
はは、たいした話でもないんだが…▼~
(暗転)~
:[セーバー]|
…へえ、ならあんたは元々、~
傭兵団の一員だったってわけか。▼~
:[シェズ]|
ああ。~
生憎と、一番長く身を置いた傭兵団は~
あっさり壊滅しちまったが。▼~
:[テティス]|
そうだったの…。~
苦労してきたのでしょうね。▼~
:[シェズ]|
苦労ってほどの苦労はしてないさ。~
けど、強いて言うなら…▼~
一人での傭兵業ってのは骨が折れる。~
仕事一つ請けるのにも一苦労だ。▼~
:[セーバー]|
それを知りながら、~
アスクに来ても孤独に傭兵業とはな。▼~
いっそ自分の傭兵団でも~
立ち上げてみりゃあいいんじゃないか?▼~
:[テティス]|
あら、面白そうじゃない。~
勧誘する人材には困らなさそうだわ。▼~
:[セーバー]|
ははは、立ち上げの折には、~
俺も末席に加えて貰おうかね。▼~
:[シェズ]|
俺の、傭兵団か…~
…ああ、悪くない。▼~
(暗転)~
:[シェズ]|
…なんてことがあってな。▼~
:[アルフォンス]|
なるほど。~
それで、人は集まりそうかい?▼~
:[シェズ]|
いや。~
始めたばかりだし、気長に――▼~
:[???]|
…すまない。~
傭兵を募集していると聞いてきたのだが。▼~
:[シェズ]|
お、噂をすればなんとやらだ。~
早速、詳しい話を…▼~
――ん!?~
:[ベレト]|
…何か?▼~
:[シェズ]|
は…は…▼~
灰色の、悪魔ーっ!?▼~
***B [#n120d911]
:[ベレト]|
…ああ。~
報酬さえ払ってくれるのならば、~
護衛から砦の攻略まで請け負う。▼~
:[アンナ]|
本当!? ありがたいわ!~
なら早速仕事を頼んじゃおうかしら。~
もちろん安くしてくれるわよね?▼~
(暗転)~
:[アネット]|
えっ、先生が傭兵団に!?▼~
:[リシテア]|
そういえば、元々傭兵でしたからね。~
ここに来て復帰したというわけですか。▼~
:[ベレト]|
そういうことになる。~
何かあったら、気兼ねなく依頼してほしい。▼~
:[フレン]|
ま、楽しそうですわね!~
わたくしも加えてもらいたいものですわ。▼~
:[ベレト]|
いつでも歓迎だ。~
まだ団員の数も揃っていないから。▼~
:[シェズ]|
………………。▼~
(暗転)~
:[アルフォンス]|
どうしたんだい、シェズ。~
ぼうっとして。▼~
:[シェズ]|
いや…~
あいつ、本当に俺の知る~
“灰色の悪魔”なのかなと思って。▼~
:[アルフォンス]|
“灰色の悪魔”…~
確か、彼の異名だったかな。▼~
:[シェズ]|
そうだ。~
傭兵の間じゃ、すごく恐れられてた。~
眉一つ動かさず命を刈り取ってくってな。▼~
俺のいた傭兵団も、~
あいつに壊滅させられたようなもんだ。▼~
だから今のあいつは、こう…~
人らしいというか、~
“悪魔”らしくないというか…▼~
***A [#bf60c518]
:[シェズ]|
…ええと、つまり?~
明日の仕事は、~
朝から晩まで猫探し、と…▼~
…傭兵というか、~
何でも屋って感じだな?▼~
:[ベレト]|
不味かっただろうか。▼~
:[シェズ]|
いや。~
駆け出しの傭兵団なんてそんなもん――▼~
:[アルフォンス]|
――すまない!~
君たちに依頼があるんだ。▼~
先ほど、エンブラとの国境で~
小規模な衝突が起こったらしい。▼~
兵の数は多くないから~
アスクの軍だけで対処するつもりだが、~
長引けばエンブラの本軍が出てきかねない。▼~
そこで、君たち傭兵団の力を借りたい。~
先行したアスクの部隊に合流して、~
戦いを決着させてきてくれないか?▼~
:[シェズ]|
了解だ。~
猫探しはフレンに任せよう。~
ベレト、行くぞ!▼~
:[ベレト]|
いや、待つんだ。▼~
:[シェズ]|
な、何だよ。▼~
:[ベレト]|
…アルフォンス王子。~
この衝突そのものが、~
敵の陽動という可能性もある。▼~
:[アルフォンス]|
…!▼~
:[ベレト]|
国境の他の箇所も警戒するよう、~
各部隊に伝達してほしい。~
それと…▼~
:[シェズ]|
お、おお…。▼~
:[ベレト]|
…どうした、シェズ?▼~
:[シェズ]|
いや…~
これが人を教え導くものか、と~
感心しただけさ。▼~
俺は前線に出てばかりというか…~
契約どおり、命令どおりに戦うことが~
常だったから。▼~
俺にも、あんたみたいな先生がいたら~
よかったんだがな。▼~
:[ベレト]|
………………▼~
***S [#c2fc5f3d]
:[セーバー]|
よう。~
楽しんでるか、功労者さんよ!▼~
:[シェズ]|
よしてくれよ。~
お前らが救援に来てくれなけりゃ、~
きっと大変なことになってた。▼~
本当の功労者は俺じゃなく、~
お前らを向かわせてくれた…▼~
…あれ?~
あいつ、どこ行った?▼~
おい、戦勝の宴だってのに~
なんでこんな隅っこで飯食ってるんだよ。▼~
:[ベレト]|
理由はないが…食事に集中していた。▼~
:[シェズ]|
…あんたって、~
実は結構食い意地張ってるよな。▼~
:[ベレト]|
そうか?~
傭兵は体が何より大事、と~
父に教わったからかも知れない。▼~
:[シェズ]|
とはいえ、~
仲間と信頼を築くのだって~
傭兵の仕事の一環だろ?▼~
:[ベレト]|
善処する。~
が、あまり上手くいった記憶は…。▼~
:[シェズ]|
ま…傭兵らしい冗談は言わない、~
無表情で考えも読みにくい、とくればな。▼~
:[ベレト]|
その点、君は傭兵団にとっての~
「かすがい」とでも言おうか。~
流石は団長だ。▼~
:[シェズ]|
何だよ、こっ恥ずかしい…。▼~
…というか、ずっと思ってたんだ。~
団長には俺よりも、お前の方が~
相応しいんじゃないかって。▼~
:[ベレト]|
買い被りだ。▼~
:[シェズ(男)]|
いやいや、本当に…▼~
:[セーバー]|
――ほほう。~
そういうことなら、~
俺が団長になっちまおうか。▼~
:[シェズ]|
うわっ、セーバー!?▼~
:[フレン]|
お待ちになってくださる?~
わたくしも団長の座に興味がありますわ!▼~
:[ベレト]|
そうか…ならば、~
自分も名乗り出ないわけには…▼~
:[シェズ]|
え、何だこの流れ。~
それなら俺も…▼~
:[セーバー]|
ははは、やっと手を挙げやがったな。~
シェズ団長。▼~
:[ベレト]|
ああ。頼りにさせてもらおう。▼~
:[シェズ]|
ええ…あれ?~
結局そうなるのか…。▼~
**前途有為な傭兵 シェズ [#ode697b9]
***C [#c6034ddd]
:[クリス]|
…やはり、迷ったか。▼~
:[シェズ]|
…ええ、完全にね。▼~
:[クリス]|
参ったな…~
森の方に煙が見えたからと言って、~
慌てて森に入るべきじゃなかったか。▼~
:[シェズ]|
蓋を開けてみれば、~
味方の軍勢どころか、~
人っ子一人見えないものね…。▼~
:[クリス]|
…それで、これからどうする?~
このまま助けを待つか?▼~
:[シェズ]|
ええ。~
迷ったら下手に動くな、と~
よく言われるし。▼~
とはいえ、~
いつまでも助けが来なければ~
どうなってしまうことやら。▼~
:[クリス]|
手元の糧食にも限りがある。~
いざとなれば獣を狩って、とも思ったが~
この森…獣の姿も見当たらないな…。▼~
:[シェズ]|
実のなった草木…も、~
そう都合よく生えてないわよね。▼~
………………。▼~
…前に、ディミトリが~
雑草にも食べられるものがあるって~
話してたんだけど。▼~
:[クリス]|
雑草…。▼~
…そういえば。~
以前サクラ王女に、野草の揚げ物を~
振る舞っていただいたことがある。▼~
てんぷら…といったか。~
白夜王国の伝統料理らしいんだが、~
独特の苦みとほのかな甘みが最高だった。▼~
:[シェズ]|
揚げ物…。~
…油を使うんだった?~
それなら持ってるけど。▼~
:[クリス]|
ありがたい。~
あとは小麦の粉だが…なぜか俺が持ってる。~
出立前にシルク殿が分けてくれたものだ。▼~
:[シェズ]|
それじゃ食材さえあれば…~
早速、集めに行きましょ。▼~
***B [#e3ffd883]
:[クリス]|
採ってきたぞ、シェズ。~
どれも毒はないはずだ。▼~
:[シェズ]|
助かるわ、流石は山育ちね。~
:[クリス]|
祖父に叩き込まれたからな。~
そういうシェズこそ、随分とたくさん~
採ってきたじゃないか。▼~
:[シェズ]|
まあ、私も山村で育ったから…~
雑草の種類を見分けるのも、~
人並み以上には出来るつもりよ。▼~
それじゃ、料理に取りかかるわ。~
クリス、手伝ってもらえる?▼~
:[クリス]|
む、俺が…?~
…大丈夫だろうか。▼~
(暗転)~
:[シェズ]|
こ、これは…▼~
何と言うか、その…~
…人を、選びそうな味ね?~
食材が雑草だから、って話でもなさそう。▼~
:[クリス]|
すまない、~
俺が手を出したからだろう。~
…あまり気を遣わないでくれ。▼~
昔から、料理だけはするなと~
祖父にも言い含められていた。▼~
「お前の料理は鋼の味がする」と…。▼~
:[シェズ]|
鋼の味…。~
言い得て妙ね。▼~
:[クリス]|
くっ…オスカー殿の薫陶を受けて、~
少しはましになったと思ったんだが…▼~
:[シェズ]|
でも、小麦の粉のおかげで~
お腹には溜まりそう。~
泥土を食べるよりはずっといいわ。▼~
:[クリス]|
そう言ってもらえると救われる。~
…間もなく日が暮れるが、明日の朝は~
シェズだけで作ってもらえないか。▼~
:[シェズ]|
それが賢明みたいね。▼~
ちょっと試したい工夫もあるし…~
ふふっ、きっと最高に美味しい~
雑草料理を作ってみせるわ…!▼~
:[クリス]|
ああ、頼りにしているぞ!▼~
***A [#hbab8e04]
:[シェズ]|
…ということで、~
できたのがこの料理ってわけ。~
どう? アンナ隊長。▼~
:[アンナ]|
本当にこれ、雑草だけで作ったの?~
匂いも悪くないし、見た目も綺麗。~
お味の程は…▼~
…まあ当然、草ではあるわね。~
けど、草の種類さえ選べば~
もっと美味しい料理に化けるかも…。▼~
:[シェズ]|
ええ、私もそう思う。~
行軍中、食糧が尽きた時に食べる分には~
十分だと思うし、皆にも作り方を――▼~
:[アンナ]|
…成程、お肉に添えるのも悪くないわね。~
あとはパンと一緒に食べるのもいいし…~
あ、煮込んで汁物の具にしちゃうのも…▼~
:[シェズ]|
隊長、聞いてる?~
皆にも作り方を教えようと~
思ってるんだけど。▼~
:[アンナ]|
――駄目よ。~
広めるのはもうちょっと待ちなさい。▼~
だってまとまったお金になりそ…~
…じゃなかった、そのほら、~
まだ研究の余地がありそうじゃない。▼~
:[シェズ]|
研究の余地…。~
まあ、それはそうかも。▼~
:[アンナ]|
そうでしょ、そうでしょ?~
ということで、私のほうでも~
いろいろ他の調理法を考えてみるわ!▼~
雑草料理を広めるのは、~
それからにしましょ!▼~
:[シェズ]|
え、ええ…わかったわ。▼~
…そんなに勿体ぶるようなものかしら?▼~
***S [#s47f6a3b]
:[アンナ]|
シェズ、大変よ!▼~
:[シェズ]|
そんなに慌てて、どうしたの?▼~
:[アンナ]|
あなたの雑草料理で大儲けしようと~
思ってたのに、その計画が水の泡に…!▼~
:[シェズ]|
アンナ隊長…~
そんなことを企んでいたの?~
それで広めるのを後回しにしてたのね。▼~
:[アンナ]|
も、勿論、~
後で説明するつもりだったのよ……▼~
:[シェズ]|
まあいいわ。~
それで、原因は何?▼~
:[アンナ]|
それが、あなたの教えてくれた調理法を、~
他にも知っている人がいて…~
それも、大勢よ!▼~
(暗転)~
:[ンン]|
その葉っぱは、ちょっと苦いけれど~
まあまあ美味しいのです。~
噛んでる間はお腹も空かないのです。▼~
(暗転)~
:[イングリット]|
その草、きちんと下茹でしてから~
刻んで麦粥に入れた方が美味しいですよ。~
何より、お腹も膨れますし…。▼~
(暗転)~
:[ピエリ]|
美味しいけど、物足りない感じがするの…~
この花は、お肉と一緒にえいってすれば~
もっと美味しくなると思うの!▼~
(暗転)~
:[アンナ]|
――という感じで…▼~
:[シェズ]|
あー…考えてみればそうかも。~
どこの世界にも、雑草を食べようって~
思う人はいるわよね。▼~
:[アンナ]|
このアスクにはいないわよ!~
異界っていうのは、本当に大変なところが~
多いのね…。▼~
:[シェズ]|
私は他の異界を知っているわけじゃないけど、~
“英雄”っていうのは一様に~
戦う力を持ってるわけでしょ?▼~
争いのない、誰も食べ物に困らないような~
平和な世界には…~
きっと英雄なんて生まれないのよ。▼~
:[アンナ]|
ええ、アスク王国だって、~
争いがなければ英雄を必要としないのに…~
何と言うか、切ない因果ね…。▼~
**一肌脱ぎますか! ヒルダ [#u4120bf4]
***C [#ufed2716]
:[ヒルダ]|
…そしたら、兄さんったら~
魔物の群れに突っ込んでっちゃって。~
あの時はほんとどうなることかとー。▼~
:[シャロン]|
あはは…でも、それが笑い話で済むなんて~
本当にすごい人なんですね。~
わたしもお会いしてみたいです!▼~
:[ヒルダ]|
暑苦しくって、びっくりしちゃうかもねー。~
物静かで優しいアルフォンス王子とは~
もう大違いなんだから。▼~
:[シャロン]|
いやいやいや!~
お兄様は確かに物静かですけど、~
ああ見えて結構無茶をすることも…▼~
…あれ?▼~
:[スラシル]|
…………▼~
:[シャロン]|
スラシルさん?~
あんなところでどうしたんでしょう。▼~
スラシルさーん!~
折角ですし、一緒にお茶しませんかー?▼~
:[スラシル]|
…悪いけど、構わないで。~
別に、何か用があったわけでもないの。▼~
:[シャロン]|
あっ…いっちゃいましたね。▼~
:[ヒルダ]|
何か考え込んでるみたいだけど…~
どうしたのかしら―。▼~
***B [#k10dcfd5]
:[スラシル]|
…この間はごめんなさい。~
折角のお茶会に、~
水を差すような真似をしてしまって。▼~
:[ヒルダ]|
ううん、全然気にしてませんって。~
むしろ、ずっと心配してたっていうか…~
何か悩みがあるんですか?▼~
:[スラシル]|
…悩みというほどのものではないわ。▼~
あの時、アルフォンス王子や~
あなたのお兄様の話をしていたでしょう。~
私にも、兄がいたの。▼~
:[ヒルダ]|
スラシルさまのお兄様…~
っていうと、ブルーノさまのこと?▼~
:[スラシル]|
そうね。けれど彼はあくまで、~
過去の私…「ヴェロニカ」の兄よ。▼~
私の兄は死んでしまった。~
感謝の一つも伝えられないままに。~
助けると約束したのに、結局私は…▼~
:[ヒルダ]|
なるほど、なるほどー…。~
お兄さまに感謝を伝えたかった、と。▼~
そういうことならこのヒルダちゃんが、~
人肌脱いじゃいますか。▼~
:[スラシル]|
…えっ?▼~
:[ヒルダ]|
スラシルさま。~
明日、またここに来てくれません?~
あたしも準備しときますから。▼~
:[スラシル]|
ちょっと、ヒルダ…何をするつもり?▼~
:[ヒルダ]|
ふっふっふっ、~
それは明日のお楽しみですよー。▼~
***A [#q61fd87f]
:[エイリーク]|
…やはり、武具でしょうか?~
何にせよ、家族同士の贈り物ならば~
気を遣いない品のほうがよいかと…。▼~
:[リズ]|
あ、この仮面なんかどうかな?~
いつもブルーノさんがつけてるやつより、~
ちょっと派手だけど、似合いそうだよ!▼~
:[ラケシス]|
日頃から身に着けるものならば尚更、~
相手の趣味に合わせた品を~
お贈りするのが一番ではないかしら?▼~
:[シャロン]|
ザ――ブルーノさんなら、~
何でも喜んでくれると思いますけど…~
向こうのお店も見てみましょうか!▼~
(暗転)~
:[スラシル]|
…呼ばれて来てみれば、~
「彼」への贈り物を選ぼう、だなんて。~
シャロン王女たちまで巻き込んで…▼~
:[ヒルダ]|
もー、堅いこと言っちゃってー。~
みんな折角「手伝わせて」って~
言ってくれたんですからね。▼~
:[スラシル]|
…この世界の彼に思いを伝えても、~
私の「お兄様」には伝わらない。~
…私の自己満足にしかならないわ。▼~
:[ヒルダ]|
いいんじゃないですか、自己満足だって。~
スラシルさまの中の~
「ヴェロニカ皇女」が、~
ちょっとは報われると思えば。▼~
:[スラシル]|
…………~
…世話焼きね、あなた。▼~
:[シャロン]|
あのあの、スラシルさん!~
この本なんてどうですか?~
あとは、こっちのお店の武具とか…▼~
:[スラシル]|
!~
…この本…~
…わかった、私も見に行くわ。▼~
***S [#e32182cd]
:[ブルーノ]|
…この本は?▼~
:[スラシル]|
いつも、世話になっているから。~
そのお礼を伝えたかっただけ。▼~
そのうち、ヴェロニカに読んであげて。~
何も知らない、ばかなあの子に。~
…それじゃあ。▼~
:[ブルーノ]|
待ってくれ、ヴェロ――▼~
:[スラシル]|
勘違いしないで。~
私はスラシル。死の国ヘルの将にして、~
今はアスク王国の将の…スラシルよ。▼~
(暗転)~
:[ヒルダ]|
(…なんてことがあったの。~
ほんと、素直じゃないんだから)▼~
(でも、贈り物を渡した後の~
スラシルさまは、ちょっと~
スッキリした顔に見えたかなー)▼~
(昔から、兄さんには~
感謝は伝えられるうちに伝えておけ~
って言われてきたけど…)▼~
(その意味が、身に染みて~
わかったようなきがするよ)▼~
(そんなわけで、あたしもたまには~
兄さんに感謝の手紙でも~
書いてみようと筆を執ったんだけど――)▼~
(暗転)~
:[シャロン]|
…あれ、ヒルダさん?~
お手紙を書いてるんですか?~
珍しいですね。▼~
:[ヒルダ]|
あはは、ちょっと兄さんに。~
いつか機会が来たら、送ろうかなーと。▼~
スラシルさまのこともあったし、~
改めて感謝の気持ちを~
伝えなきゃいけないな、って思って。▼~
:[シャロン]|
わあ、素敵です! それじゃ~
早くホルストさんを召喚してくださいって、~
エクラさんに…▼~
:[ヒルダ]|
わわ、待って待って-!~
直接渡すと、喜んだ兄さんが絶対に~
大騒ぎ起こすからダメー!▼~
**女帝いちの家臣 モニカ [#w518c862]
***C [#g2aa9632]
:[エーデルガルト]|
はあ…ようやく戻れたわ。~
まだ雑事は残っているけれど、~
これで一息つけるというものでしょう。▼~
:[ヒューベルト]|
エーデルガルト様は、~
今のうちに休息を取られては?~
荷解きは私が。▼~
:[エーデルガルト]|
お願いできる? 悪いわね。▼~
:[ヒューベルト]|
…さて、私も早く始末して、~
テフの一杯でも楽しみたいところですが。▼~
…む?~
これは…。▼~
(暗転)~
:[ヒューベルト]|
これが、エーデルガルト様の荷から~
見つかった呪符です。▼~
:[モニカ]|
あ…そ、そうなんですか。~
陛下に危害を加える不届き者など、~
許してはおけませんね…。▼~
:[ヒューベルト]|
おや…どうしたのです、モニカ殿。~
まさか犯人に心当たりでも?~
であれば教えていただきたいものですな。▼~
:[モニカ]|
い、いえ、ありません。~
ありませんよ。▼~
:[ヒューベルト]|
…左様ですか。▼~
では、モニカ殿。~
貴殿にも助力を頼むこととしましょう。▼~
呪符を忍ばせた不届き者を見つけるのに、~
貴殿の記憶力は大いに役立つかと。▼~
さ、まずは荷物に近づけた者を集め、~
話を聞いてみようではありませんか。▼~
:[モニカ]|
…………。▼~
(暗転)~
:[フィヨルム]|
モニカさん…。~
た、大変なことに~
なってしまいました……!▼~
***B [#ba5d23b5]
:[クロード]|
呪符ねえ…。~
薬ならともかく、呪いには詳しくなくてね。~
心当たりはないが…ディミトリはどうだ?▼~
:[ディミトリ]|
俺もだ。そもそも~
俺たちはずっと城を出払っていたし…~
力になれず、すまない。▼~
(暗転)~
:[バアトル]|
むっ、貴様! 我ら斧の会が、~
見えざる斧の会を危険視していると!?~
笑止千万も甚だしいわ!▼~
:[ドルカス]|
…仮にそうだったとしても、~
おれたちはそんな小細工を弄せるほど~
器用ではない。▼~
(暗転)~
:[ニュクス]|
…馴染みのない術式ね。~
どんな呪いなのかも判然としないわ。▼~
:[ルフレ]|
書かれている文字を見る限り、~
ペレジアの呪術…でしょうか?~
どことなく、既視感があるような…▼~
(暗転)~
:[ヒューベルト]|
さて。~
いまだ犯人は見つかっていませんが、~
一つ重要な情報があったようです。▼~
ペレジアの呪術師、でしたか。~
見つけ出して尋問することとしましょう。▼~
:[モニカ]|
その、まだ早くはないでしょうか。~
あやふやな情報で動いては、~
陛下に迷惑をかけるかもしれませんよ。▼~
:[ヒューベルト]|
くく…私にしてみれば、~
この世界からしてあやふやなものです。~
犯人と目される相手がそこにいるならば――▼~
:[フィヨルム]|
ま、待ってください!▼~
:[ヒューベルト]|
…おや、フィヨルム殿。~
どうしましたかな?▼~
:[フィヨルム]|
ええと…その…~
その呪符…邪悪なものだとは~
限らないのではないでしょうか…?▼~
:[ヒューベルト]|
ほう…~
何かご存じのようですな。▼~
:[フィヨルム]|
ひっ!?~
あの…ええと…▼~
…す、すみません、モニカさん!~
私、もう隠し通せそうにありません…!▼~
***A [#bfbaa268]
:[カミラ]|
…ふふっ、あなたは本当に~
エーデルガルトを慕っているのね。▼~
:[モニカ]|
慕っているなんてもんじゃありません。~
あたしにとって、エーデルガルト様は~
すべてを捧げる存在。まさに愛なのです。▼~
:[フィヨルム]|
そんなふうに自分の想いを、~
素直に言葉にできるなんて…。~
少し、羨ましいくらいです。▼~
:[サーリャ]|
ところで、モニカ…~
悩み事があるって話だったけれど…?▼~
:[モニカ]|
…はい。~
あたしはかつて、~
エーデルガルト様に命を救われました。▼~
けれど、あの方のいたフォドラでは、~
あたしは敵に体を奪われて命を落とし、~
陛下をも危険にさらした存在らしく…▼~
せめてこのアスクでは、~
死んだ異界のあたしの分まで~
エーデルガルト様をお守りしたい…。▼~
そう思っているんです。~
皆さんに何かお知恵を――▼~
:[サーリャ]|
ふふ…そういうことなら、~
とっておきのおまじないがあるわ…▼~
:[モニカ]|
…おまじない?▼~
:[サーリャ]|
このお守りを、~
エーデルガルトの荷物に忍ばせておくの…▼~
そうすれば、~
彼女はどんな災難からも守られるはずよ…▼~
:[カミラ]|
まあ、すごいわね…!~
私もあの子にかけてあげたいくらいだわ。▼~
:[モニカ]|
サーリャさん…~
そんなに凄いお守りを、どうしてあたしに?▼~
:[サーリャ]|
別に…~
他人と思えなかっただけよ…。~
…そうだ、一つ伝え忘れていたわ。▼~
お守りを忍ばせたのがあなたであると、~
相手に悟られてはいけない…~
おまじないの力が失われてしまうから…。▼~
:[モニカ]|
悟られてはいけない…わかりました。~
やってみます!▼~
:[フィヨルム]|
う、うーん?~
これでよかったのでしょうか?▼~
***S [#mb3eefc1]
:[モニカ]|
そんな…フィヨルム王女…!▼~
:[フィヨルム]|
ごめんなさい!~
でも、これ以上皆さんを~
心配させるのもどうかと思いまして…!▼~
:[ヒューベルト]|
くくく…構いませんよ。~
どうせそのようなことだろうと~
思っておりました。▼~
呪術に頼るというのが些か情けないですが…~
主のためなら手段を選ばず、というのは~
至極当然のことですので。▼~
:[モニカ]|
ヒューベルト…。~
でも、あたしは…▼~
:[ヒューベルト]|
とは言いつつも、判断を下すのは~
全て我が主です。~
いかがですか、エーデルガルト様。▼~
:[エーデルガルト]|
…………。▼~
:[モニカ]|
…! エーデルガルト様!~
申し訳ありません!▼~
このモニカ=フォン=オックス、~
どのような罰でもお受けいたします!▼~
:[エーデルガルト]|
…そうね。~
貴方にしては、少し浅慮が過ぎる~
行動だったかもしれないわ。▼~
:[モニカ]|
い、いえ、そんなことは…~
でも万が一はありますし…。▼~
:[エーデルガルト]|
ふふ…確かにそうかもしれない。~
私は貴方一人守れなかった皇帝。~
貴方が心配するのも当然よね。▼~
:[モニカ]|
そんなことをおっしゃらないでください!~
あたしにとって、陛下は…!▼~
:[エーデルガルト]|
ごめんなさい、意地悪を言ったわ。~
モニカ、呪符をありがとう。~
私は貴方を罰したりはしない。▼~
その資格があるのは、~
“あなたを助けた私”だけでしょう。~
私も、あなたを頼りにさせてもらうわ。▼~
:[モニカ]|
エーデルガルト様…!~
ありがとうございます!▼~
:[フィヨルム]|
ほっ…何はともあれ、~
丸く収まったようで一安心ですね。▼~
:[ヒューベルト]|
ええ、良かったのではないですか。~
互いのために、ね。▼~
*コメント [#k0c76a3e]
- モニカB ドルカス 小細工を弄せるほど こざいくをろうせ...
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*選んだ道の先で [#x077b2ad]
#contents
**選んだ道の先で [#j21ae35f]
***オープニング [#l67b292e]
:[ヒルダ]|
うう、予定どおりシェズちゃんと~
合流できるかなー。▼~
…あっ!~
シェズ…▼~
:[シェズ(男)]|
お、いたか、ヒルダ。▼~
:[ヒルダ]|
…くん?~
何であなたがこっちに?▼~
:[シェズ(男)]|
もう一人に頼まれてな。~
別件の依頼が、男が苦手なフロリーナからで~
こっちを俺がやったほうがいいだろうって。▼~
:[ヒルダ]|
まだ二人一組で、仕事を請けてるの?~
なんだか不思議ねー。▼~
:[シェズ(男)]|
そうか?~
性別以外、まったく同じなんだから、~
それを利用しない手はないだろ。▼~
:[ヒルダ]|
そうかなー?~
シェズちゃんも同じ考えってことよね。~
本当に不思議だわー。▼~
(暗転)~
:[モニカ]|
いいですか?~
シェズに少し頼み事がありまして…▼~
:[シェズ(女)]|
どっちの?~
いや、どっちでも大丈夫だから~
私が聞くわ。▼~
:[モニカ]|
まあ男のほうでしたけど、~
大丈夫ってことならお願いします。▼~
………………。~
…ここって男のシェズの部屋じゃ~
ありませんでしたっけ?▼~
:[シェズ(女)]|
そうだけど、気にしてないわ。~
互いに城にいないことも多いし、~
どちらも同じように動けるんだから。▼~
使えるものは何でも使う、~
それが傭兵の掟よ。▼~
:[モニカ]|
なるほど…。~
あなたは、いえ、あなたたちは、~
根っからの傭兵ですもんね。▼~
このアスクで出会った性別の違う自分を~
あっさりと受け入れて、傭兵の仕事に~
活かすなんて…流石というか何というか。▼~
***C [#h580cd02]
:[アルフォンス]|
君たちはすごいね…。~
異界の自分と出会っても、疑うどころか~
早々と受け入れて協力し合うなんて。▼~
:[シェズ(男)]|
まあ、自分が二人いるようなもんだ。~
仕事が早く片づいて、助かってるさ。▼~
:[シェズ(女)]|
同感よ。 …それに、~
彼が「もう一人の自分」であることは、~
疑いようもなかったわ。▼~
自分しか持っていないはずの剣を、~
こっちのシェズも持ってたから。▼~
:[アルフォンス]|
剣…? 神器のようなものなのかな。▼~
:[シェズ(男)]|
さあな。~
そういった情報はまったくない。▼~
:[シェズ(女)]|
ただ虚空から生み出せる、~
私たちだけの剣よ。▼~
:[ヒルダ]|
あたしたちのフォドラには、~
“英雄の遺産”っていう伝承に名を残す~
武具があるけれど…▼~
シェズちゃんたちの剣は、~
そういうのとは違うのよねー。▼~
:[モニカ]|
ええ、ヒューベルトも調べていましたが、~
どちらかというと、それらと対極にある~
ような存在ではないかと…。▼~
:[アルフォンス]|
どういう意味だろう…。~
ただの傭兵というわけではないのかな。▼~
:[シャロン]|
当然ですよ、お兄様。~
アスク王国に呼ばれた英雄なんですから。~
すごい傭兵なのは間違いありません!▼~
***B [#ba5d23b4]
:[モニカ]|
あれ…どうかしたんですか。~
微妙な空気ですけど。▼~
:[ヒルダ]|
それがね、シェズくんとシェズちゃんが…▼~
(暗転)~
:[モニカ]|
…ふむ、つまりお二人はほとんどすべてで~
気が合うけれど、最後の最後、肝心な部分で~
致命的にすれ違うことが判明したと。▼~
:[シェズ(女)]|
ええ、そうよ。~
互いに根っこの部分は同じはずなのに、~
辿ってきた道筋が違ったみたいね。▼~
:[シェズ(男)]|
人生の岐路にあって、~
別の選択をした自分ってことだ。~
性別なんかよりそこが問題だとはな。▼~
:[ヒルダ]|
ふーん。▼~
まあ、そういういものかもねー。▼~
あたしなんて、二人いたら、~
あっちもこっちも押し付け合って~
物事が収拾つかなくなっちゃうよ。▼~
…まあ、兄さんがいたら~
両方とも片付けちゃいそうだけどー。▼~
:[モニカ]|
あたしも、陛下の右腕の座を奪い合って、~
ヒューベルトに鼻で笑われそうです。~
気が合う自分は想像できません。▼~
:[シェズ(男)]|
そこは同じ自分なんだから、~
助け合えばいいだろ…って、~
思っていたんだがな。▼~
:[シェズ(女)]|
こうなっちゃったら何も言えないわね。▼~
…それで、あなたは~
そっちを選んだの?▼~
:[シェズ(男)]|
むしろなんでお前は、~
あっちを選んだのかを聞きたいが。▼~
:[ヒルダ]|
待って待って。~
二人とも、落ち着いてー。▼~
:[モニカ]|
そうですよ。~
でも、珍しいですね。~
シェズがそんなに気にするなんて。▼~
***A [#kead91c1]
:[ヒルダ]|
うーん、あれから~
シェズくんとシェズちゃん、~
どうもぎくしゃくしてるのよねー。▼~
:[モニカ]|
ええ。~
しかし、あたしたちに何かできる~
問題ではないように思いますよ。▼~
同じようでいてまったく別物だった、~
二人の生き方の違いなんですから。▼~
:[ヒルダ]|
…まあ、人ってそういうものなのかも。~
誰と出会うか、どこで暮らすか、~
そういう周りの環境で変わっちゃう。▼~
それも、所属する学級が違うとか、~
その程度の差でも、人生のすべてが~
きまっちゃったりするのよね。▼~
:[モニカ]|
選択した時には、それが大きな岐路になる~
なんて気づけないこともありますからね。~
そんなつもりはなかったのに、とか。▼~
:[ヒルダ]|
何にせよ、今までどおり~
仲よくしてくれたらいいんだけどなー。▼~
:[モニカ]|
ん? あれは…シェズとシェズ?▼~
(暗転)~
:[シェズ(男)]|
――ま、違うなら違うでやりようはある。~
相手を知って、己の成長に繋がるものを~
見つけるとかな。▼~
:[シェズ(女)]|
ええ、違う自分を観察することで、~
己の欠点に気づけたり、とかもありそうよ。▼~
:[シェズ(男)]|
使える者は何でも使う。~
:[シェズ(女)]|
それが、傭兵の掟、だものね。▼~
(暗転)~
:[ヒルダ]|
あれー…全然、平気そうじゃない。~
あたしたちの心配は何だったのかしら。▼~
:[モニカ]|
でも、それこそがシェズじゃないですか?~
あたしたちの、頼もしい仲間、~
なんですからね。▼~
**新進気鋭の傭兵 シェズ [#ycdb8998]
***C [#ddec5ff6]
:[アルフォンス]|
おや、シェズ。~
何をしていたんだい?▼~
:[シェズ]|
ん、ちょっと勧誘の張り紙をな。▼~
実はこのアスク王国で~
近々、傭兵団を立ち上げようと~
思ってるんだ。▼~
:[アルフォンス]|
傭兵団…~
どういう風の吹き回しか、~
尋ねてもいいかな。▼~
:[シェズ]|
はは、たいした話でもないんだが…▼~
(暗転)~
:[セーバー]|
…へえ、ならあんたは元々、~
傭兵団の一員だったってわけか。▼~
:[シェズ]|
ああ。~
生憎と、一番長く身を置いた傭兵団は~
あっさり壊滅しちまったが。▼~
:[テティス]|
そうだったの…。~
苦労してきたのでしょうね。▼~
:[シェズ]|
苦労ってほどの苦労はしてないさ。~
けど、強いて言うなら…▼~
一人での傭兵業ってのは骨が折れる。~
仕事一つ請けるのにも一苦労だ。▼~
:[セーバー]|
それを知りながら、~
アスクに来ても孤独に傭兵業とはな。▼~
いっそ自分の傭兵団でも~
立ち上げてみりゃあいいんじゃないか?▼~
:[テティス]|
あら、面白そうじゃない。~
勧誘する人材には困らなさそうだわ。▼~
:[セーバー]|
ははは、立ち上げの折には、~
俺も末席に加えて貰おうかね。▼~
:[シェズ]|
俺の、傭兵団か…~
…ああ、悪くない。▼~
(暗転)~
:[シェズ]|
…なんてことがあってな。▼~
:[アルフォンス]|
なるほど。~
それで、人は集まりそうかい?▼~
:[シェズ]|
いや。~
始めたばかりだし、気長に――▼~
:[???]|
…すまない。~
傭兵を募集していると聞いてきたのだが。▼~
:[シェズ]|
お、噂をすればなんとやらだ。~
早速、詳しい話を…▼~
――ん!?~
:[ベレト]|
…何か?▼~
:[シェズ]|
は…は…▼~
灰色の、悪魔ーっ!?▼~
***B [#n120d911]
:[ベレト]|
…ああ。~
報酬さえ払ってくれるのならば、~
護衛から砦の攻略まで請け負う。▼~
:[アンナ]|
本当!? ありがたいわ!~
なら早速仕事を頼んじゃおうかしら。~
もちろん安くしてくれるわよね?▼~
(暗転)~
:[アネット]|
えっ、先生が傭兵団に!?▼~
:[リシテア]|
そういえば、元々傭兵でしたからね。~
ここに来て復帰したというわけですか。▼~
:[ベレト]|
そういうことになる。~
何かあったら、気兼ねなく依頼してほしい。▼~
:[フレン]|
ま、楽しそうですわね!~
わたくしも加えてもらいたいものですわ。▼~
:[ベレト]|
いつでも歓迎だ。~
まだ団員の数も揃っていないから。▼~
:[シェズ]|
………………。▼~
(暗転)~
:[アルフォンス]|
どうしたんだい、シェズ。~
ぼうっとして。▼~
:[シェズ]|
いや…~
あいつ、本当に俺の知る~
“灰色の悪魔”なのかなと思って。▼~
:[アルフォンス]|
“灰色の悪魔”…~
確か、彼の異名だったかな。▼~
:[シェズ]|
そうだ。~
傭兵の間じゃ、すごく恐れられてた。~
眉一つ動かさず命を刈り取ってくってな。▼~
俺のいた傭兵団も、~
あいつに壊滅させられたようなもんだ。▼~
だから今のあいつは、こう…~
人らしいというか、~
“悪魔”らしくないというか…▼~
***A [#bf60c518]
:[シェズ]|
…ええと、つまり?~
明日の仕事は、~
朝から晩まで猫探し、と…▼~
…傭兵というか、~
何でも屋って感じだな?▼~
:[ベレト]|
不味かっただろうか。▼~
:[シェズ]|
いや。~
駆け出しの傭兵団なんてそんなもん――▼~
:[アルフォンス]|
――すまない!~
君たちに依頼があるんだ。▼~
先ほど、エンブラとの国境で~
小規模な衝突が起こったらしい。▼~
兵の数は多くないから~
アスクの軍だけで対処するつもりだが、~
長引けばエンブラの本軍が出てきかねない。▼~
そこで、君たち傭兵団の力を借りたい。~
先行したアスクの部隊に合流して、~
戦いを決着させてきてくれないか?▼~
:[シェズ]|
了解だ。~
猫探しはフレンに任せよう。~
ベレト、行くぞ!▼~
:[ベレト]|
いや、待つんだ。▼~
:[シェズ]|
な、何だよ。▼~
:[ベレト]|
…アルフォンス王子。~
この衝突そのものが、~
敵の陽動という可能性もある。▼~
:[アルフォンス]|
…!▼~
:[ベレト]|
国境の他の箇所も警戒するよう、~
各部隊に伝達してほしい。~
それと…▼~
:[シェズ]|
お、おお…。▼~
:[ベレト]|
…どうした、シェズ?▼~
:[シェズ]|
いや…~
これが人を教え導くものか、と~
感心しただけさ。▼~
俺は前線に出てばかりというか…~
契約どおり、命令どおりに戦うことが~
常だったから。▼~
俺にも、あんたみたいな先生がいたら~
よかったんだがな。▼~
:[ベレト]|
………………▼~
***S [#c2fc5f3d]
:[セーバー]|
よう。~
楽しんでるか、功労者さんよ!▼~
:[シェズ]|
よしてくれよ。~
お前らが救援に来てくれなけりゃ、~
きっと大変なことになってた。▼~
本当の功労者は俺じゃなく、~
お前らを向かわせてくれた…▼~
…あれ?~
あいつ、どこ行った?▼~
おい、戦勝の宴だってのに~
なんでこんな隅っこで飯食ってるんだよ。▼~
:[ベレト]|
理由はないが…食事に集中していた。▼~
:[シェズ]|
…あんたって、~
実は結構食い意地張ってるよな。▼~
:[ベレト]|
そうか?~
傭兵は体が何より大事、と~
父に教わったからかも知れない。▼~
:[シェズ]|
とはいえ、~
仲間と信頼を築くのだって~
傭兵の仕事の一環だろ?▼~
:[ベレト]|
善処する。~
が、あまり上手くいった記憶は…。▼~
:[シェズ]|
ま…傭兵らしい冗談は言わない、~
無表情で考えも読みにくい、とくればな。▼~
:[ベレト]|
その点、君は傭兵団にとっての~
「かすがい」とでも言おうか。~
流石は団長だ。▼~
:[シェズ]|
何だよ、こっ恥ずかしい…。▼~
…というか、ずっと思ってたんだ。~
団長には俺よりも、お前の方が~
相応しいんじゃないかって。▼~
:[ベレト]|
買い被りだ。▼~
:[シェズ(男)]|
いやいや、本当に…▼~
:[セーバー]|
――ほほう。~
そういうことなら、~
俺が団長になっちまおうか。▼~
:[シェズ]|
うわっ、セーバー!?▼~
:[フレン]|
お待ちになってくださる?~
わたくしも団長の座に興味がありますわ!▼~
:[ベレト]|
そうか…ならば、~
自分も名乗り出ないわけには…▼~
:[シェズ]|
え、何だこの流れ。~
それなら俺も…▼~
:[セーバー]|
ははは、やっと手を挙げやがったな。~
シェズ団長。▼~
:[ベレト]|
ああ。頼りにさせてもらおう。▼~
:[シェズ]|
ええ…あれ?~
結局そうなるのか…。▼~
**前途有為な傭兵 シェズ [#ode697b9]
***C [#c6034ddd]
:[クリス]|
…やはり、迷ったか。▼~
:[シェズ]|
…ええ、完全にね。▼~
:[クリス]|
参ったな…~
森の方に煙が見えたからと言って、~
慌てて森に入るべきじゃなかったか。▼~
:[シェズ]|
蓋を開けてみれば、~
味方の軍勢どころか、~
人っ子一人見えないものね…。▼~
:[クリス]|
…それで、これからどうする?~
このまま助けを待つか?▼~
:[シェズ]|
ええ。~
迷ったら下手に動くな、と~
よく言われるし。▼~
とはいえ、~
いつまでも助けが来なければ~
どうなってしまうことやら。▼~
:[クリス]|
手元の糧食にも限りがある。~
いざとなれば獣を狩って、とも思ったが~
この森…獣の姿も見当たらないな…。▼~
:[シェズ]|
実のなった草木…も、~
そう都合よく生えてないわよね。▼~
………………。▼~
…前に、ディミトリが~
雑草にも食べられるものがあるって~
話してたんだけど。▼~
:[クリス]|
雑草…。▼~
…そういえば。~
以前サクラ王女に、野草の揚げ物を~
振る舞っていただいたことがある。▼~
てんぷら…といったか。~
白夜王国の伝統料理らしいんだが、~
独特の苦みとほのかな甘みが最高だった。▼~
:[シェズ]|
揚げ物…。~
…油を使うんだった?~
それなら持ってるけど。▼~
:[クリス]|
ありがたい。~
あとは小麦の粉だが…なぜか俺が持ってる。~
出立前にシルク殿が分けてくれたものだ。▼~
:[シェズ]|
それじゃ食材さえあれば…~
早速、集めに行きましょ。▼~
***B [#e3ffd883]
:[クリス]|
採ってきたぞ、シェズ。~
どれも毒はないはずだ。▼~
:[シェズ]|
助かるわ、流石は山育ちね。~
:[クリス]|
祖父に叩き込まれたからな。~
そういうシェズこそ、随分とたくさん~
採ってきたじゃないか。▼~
:[シェズ]|
まあ、私も山村で育ったから…~
雑草の種類を見分けるのも、~
人並み以上には出来るつもりよ。▼~
それじゃ、料理に取りかかるわ。~
クリス、手伝ってもらえる?▼~
:[クリス]|
む、俺が…?~
…大丈夫だろうか。▼~
(暗転)~
:[シェズ]|
こ、これは…▼~
何と言うか、その…~
…人を、選びそうな味ね?~
食材が雑草だから、って話でもなさそう。▼~
:[クリス]|
すまない、~
俺が手を出したからだろう。~
…あまり気を遣わないでくれ。▼~
昔から、料理だけはするなと~
祖父にも言い含められていた。▼~
「お前の料理は鋼の味がする」と…。▼~
:[シェズ]|
鋼の味…。~
言い得て妙ね。▼~
:[クリス]|
くっ…オスカー殿の薫陶を受けて、~
少しはましになったと思ったんだが…▼~
:[シェズ]|
でも、小麦の粉のおかげで~
お腹には溜まりそう。~
泥土を食べるよりはずっといいわ。▼~
:[クリス]|
そう言ってもらえると救われる。~
…間もなく日が暮れるが、明日の朝は~
シェズだけで作ってもらえないか。▼~
:[シェズ]|
それが賢明みたいね。▼~
ちょっと試したい工夫もあるし…~
ふふっ、きっと最高に美味しい~
雑草料理を作ってみせるわ…!▼~
:[クリス]|
ああ、頼りにしているぞ!▼~
***A [#hbab8e04]
:[シェズ]|
…ということで、~
できたのがこの料理ってわけ。~
どう? アンナ隊長。▼~
:[アンナ]|
本当にこれ、雑草だけで作ったの?~
匂いも悪くないし、見た目も綺麗。~
お味の程は…▼~
…まあ当然、草ではあるわね。~
けど、草の種類さえ選べば~
もっと美味しい料理に化けるかも…。▼~
:[シェズ]|
ええ、私もそう思う。~
行軍中、食糧が尽きた時に食べる分には~
十分だと思うし、皆にも作り方を――▼~
:[アンナ]|
…成程、お肉に添えるのも悪くないわね。~
あとはパンと一緒に食べるのもいいし…~
あ、煮込んで汁物の具にしちゃうのも…▼~
:[シェズ]|
隊長、聞いてる?~
皆にも作り方を教えようと~
思ってるんだけど。▼~
:[アンナ]|
――駄目よ。~
広めるのはもうちょっと待ちなさい。▼~
だってまとまったお金になりそ…~
…じゃなかった、そのほら、~
まだ研究の余地がありそうじゃない。▼~
:[シェズ]|
研究の余地…。~
まあ、それはそうかも。▼~
:[アンナ]|
そうでしょ、そうでしょ?~
ということで、私のほうでも~
いろいろ他の調理法を考えてみるわ!▼~
雑草料理を広めるのは、~
それからにしましょ!▼~
:[シェズ]|
え、ええ…わかったわ。▼~
…そんなに勿体ぶるようなものかしら?▼~
***S [#s47f6a3b]
:[アンナ]|
シェズ、大変よ!▼~
:[シェズ]|
そんなに慌てて、どうしたの?▼~
:[アンナ]|
あなたの雑草料理で大儲けしようと~
思ってたのに、その計画が水の泡に…!▼~
:[シェズ]|
アンナ隊長…~
そんなことを企んでいたの?~
それで広めるのを後回しにしてたのね。▼~
:[アンナ]|
も、勿論、~
後で説明するつもりだったのよ……▼~
:[シェズ]|
まあいいわ。~
それで、原因は何?▼~
:[アンナ]|
それが、あなたの教えてくれた調理法を、~
他にも知っている人がいて…~
それも、大勢よ!▼~
(暗転)~
:[ンン]|
その葉っぱは、ちょっと苦いけれど~
まあまあ美味しいのです。~
噛んでる間はお腹も空かないのです。▼~
(暗転)~
:[イングリット]|
その草、きちんと下茹でしてから~
刻んで麦粥に入れた方が美味しいですよ。~
何より、お腹も膨れますし…。▼~
(暗転)~
:[ピエリ]|
美味しいけど、物足りない感じがするの…~
この花は、お肉と一緒にえいってすれば~
もっと美味しくなると思うの!▼~
(暗転)~
:[アンナ]|
――という感じで…▼~
:[シェズ]|
あー…考えてみればそうかも。~
どこの世界にも、雑草を食べようって~
思う人はいるわよね。▼~
:[アンナ]|
このアスクにはいないわよ!~
異界っていうのは、本当に大変なところが~
多いのね…。▼~
:[シェズ]|
私は他の異界を知っているわけじゃないけど、~
“英雄”っていうのは一様に~
戦う力を持ってるわけでしょ?▼~
争いのない、誰も食べ物に困らないような~
平和な世界には…~
きっと英雄なんて生まれないのよ。▼~
:[アンナ]|
ええ、アスク王国だって、~
争いがなければ英雄を必要としないのに…~
何と言うか、切ない因果ね…。▼~
**一肌脱ぎますか! ヒルダ [#u4120bf4]
***C [#ufed2716]
:[ヒルダ]|
…そしたら、兄さんったら~
魔物の群れに突っ込んでっちゃって。~
あの時はほんとどうなることかとー。▼~
:[シャロン]|
あはは…でも、それが笑い話で済むなんて~
本当にすごい人なんですね。~
わたしもお会いしてみたいです!▼~
:[ヒルダ]|
暑苦しくって、びっくりしちゃうかもねー。~
物静かで優しいアルフォンス王子とは~
もう大違いなんだから。▼~
:[シャロン]|
いやいやいや!~
お兄様は確かに物静かですけど、~
ああ見えて結構無茶をすることも…▼~
…あれ?▼~
:[スラシル]|
…………▼~
:[シャロン]|
スラシルさん?~
あんなところでどうしたんでしょう。▼~
スラシルさーん!~
折角ですし、一緒にお茶しませんかー?▼~
:[スラシル]|
…悪いけど、構わないで。~
別に、何か用があったわけでもないの。▼~
:[シャロン]|
あっ…いっちゃいましたね。▼~
:[ヒルダ]|
何か考え込んでるみたいだけど…~
どうしたのかしら―。▼~
***B [#k10dcfd5]
:[スラシル]|
…この間はごめんなさい。~
折角のお茶会に、~
水を差すような真似をしてしまって。▼~
:[ヒルダ]|
ううん、全然気にしてませんって。~
むしろ、ずっと心配してたっていうか…~
何か悩みがあるんですか?▼~
:[スラシル]|
…悩みというほどのものではないわ。▼~
あの時、アルフォンス王子や~
あなたのお兄様の話をしていたでしょう。~
私にも、兄がいたの。▼~
:[ヒルダ]|
スラシルさまのお兄様…~
っていうと、ブルーノさまのこと?▼~
:[スラシル]|
そうね。けれど彼はあくまで、~
過去の私…「ヴェロニカ」の兄よ。▼~
私の兄は死んでしまった。~
感謝の一つも伝えられないままに。~
助けると約束したのに、結局私は…▼~
:[ヒルダ]|
なるほど、なるほどー…。~
お兄さまに感謝を伝えたかった、と。▼~
そういうことならこのヒルダちゃんが、~
人肌脱いじゃいますか。▼~
:[スラシル]|
…えっ?▼~
:[ヒルダ]|
スラシルさま。~
明日、またここに来てくれません?~
あたしも準備しときますから。▼~
:[スラシル]|
ちょっと、ヒルダ…何をするつもり?▼~
:[ヒルダ]|
ふっふっふっ、~
それは明日のお楽しみですよー。▼~
***A [#q61fd87f]
:[エイリーク]|
…やはり、武具でしょうか?~
何にせよ、家族同士の贈り物ならば~
気を遣いない品のほうがよいかと…。▼~
:[リズ]|
あ、この仮面なんかどうかな?~
いつもブルーノさんがつけてるやつより、~
ちょっと派手だけど、似合いそうだよ!▼~
:[ラケシス]|
日頃から身に着けるものならば尚更、~
相手の趣味に合わせた品を~
お贈りするのが一番ではないかしら?▼~
:[シャロン]|
ザ――ブルーノさんなら、~
何でも喜んでくれると思いますけど…~
向こうのお店も見てみましょうか!▼~
(暗転)~
:[スラシル]|
…呼ばれて来てみれば、~
「彼」への贈り物を選ぼう、だなんて。~
シャロン王女たちまで巻き込んで…▼~
:[ヒルダ]|
もー、堅いこと言っちゃってー。~
みんな折角「手伝わせて」って~
言ってくれたんですからね。▼~
:[スラシル]|
…この世界の彼に思いを伝えても、~
私の「お兄様」には伝わらない。~
…私の自己満足にしかならないわ。▼~
:[ヒルダ]|
いいんじゃないですか、自己満足だって。~
スラシルさまの中の~
「ヴェロニカ皇女」が、~
ちょっとは報われると思えば。▼~
:[スラシル]|
…………~
…世話焼きね、あなた。▼~
:[シャロン]|
あのあの、スラシルさん!~
この本なんてどうですか?~
あとは、こっちのお店の武具とか…▼~
:[スラシル]|
!~
…この本…~
…わかった、私も見に行くわ。▼~
***S [#e32182cd]
:[ブルーノ]|
…この本は?▼~
:[スラシル]|
いつも、世話になっているから。~
そのお礼を伝えたかっただけ。▼~
そのうち、ヴェロニカに読んであげて。~
何も知らない、ばかなあの子に。~
…それじゃあ。▼~
:[ブルーノ]|
待ってくれ、ヴェロ――▼~
:[スラシル]|
勘違いしないで。~
私はスラシル。死の国ヘルの将にして、~
今はアスク王国の将の…スラシルよ。▼~
(暗転)~
:[ヒルダ]|
(…なんてことがあったの。~
ほんと、素直じゃないんだから)▼~
(でも、贈り物を渡した後の~
スラシルさまは、ちょっと~
スッキリした顔に見えたかなー)▼~
(昔から、兄さんには~
感謝は伝えられるうちに伝えておけ~
って言われてきたけど…)▼~
(その意味が、身に染みて~
わかったようなきがするよ)▼~
(そんなわけで、あたしもたまには~
兄さんに感謝の手紙でも~
書いてみようと筆を執ったんだけど――)▼~
(暗転)~
:[シャロン]|
…あれ、ヒルダさん?~
お手紙を書いてるんですか?~
珍しいですね。▼~
:[ヒルダ]|
あはは、ちょっと兄さんに。~
いつか機会が来たら、送ろうかなーと。▼~
スラシルさまのこともあったし、~
改めて感謝の気持ちを~
伝えなきゃいけないな、って思って。▼~
:[シャロン]|
わあ、素敵です! それじゃ~
早くホルストさんを召喚してくださいって、~
エクラさんに…▼~
:[ヒルダ]|
わわ、待って待って-!~
直接渡すと、喜んだ兄さんが絶対に~
大騒ぎ起こすからダメー!▼~
**女帝いちの家臣 モニカ [#w518c862]
***C [#g2aa9632]
:[エーデルガルト]|
はあ…ようやく戻れたわ。~
まだ雑事は残っているけれど、~
これで一息つけるというものでしょう。▼~
:[ヒューベルト]|
エーデルガルト様は、~
今のうちに休息を取られては?~
荷解きは私が。▼~
:[エーデルガルト]|
お願いできる? 悪いわね。▼~
:[ヒューベルト]|
…さて、私も早く始末して、~
テフの一杯でも楽しみたいところですが。▼~
…む?~
これは…。▼~
(暗転)~
:[ヒューベルト]|
これが、エーデルガルト様の荷から~
見つかった呪符です。▼~
:[モニカ]|
あ…そ、そうなんですか。~
陛下に危害を加える不届き者など、~
許してはおけませんね…。▼~
:[ヒューベルト]|
おや…どうしたのです、モニカ殿。~
まさか犯人に心当たりでも?~
であれば教えていただきたいものですな。▼~
:[モニカ]|
い、いえ、ありません。~
ありませんよ。▼~
:[ヒューベルト]|
…左様ですか。▼~
では、モニカ殿。~
貴殿にも助力を頼むこととしましょう。▼~
呪符を忍ばせた不届き者を見つけるのに、~
貴殿の記憶力は大いに役立つかと。▼~
さ、まずは荷物に近づけた者を集め、~
話を聞いてみようではありませんか。▼~
:[モニカ]|
…………。▼~
(暗転)~
:[フィヨルム]|
モニカさん…。~
た、大変なことに~
なってしまいました……!▼~
***B [#ba5d23b5]
:[クロード]|
呪符ねえ…。~
薬ならともかく、呪いには詳しくなくてね。~
心当たりはないが…ディミトリはどうだ?▼~
:[ディミトリ]|
俺もだ。そもそも~
俺たちはずっと城を出払っていたし…~
力になれず、すまない。▼~
(暗転)~
:[バアトル]|
むっ、貴様! 我ら斧の会が、~
見えざる斧の会を危険視していると!?~
笑止千万も甚だしいわ!▼~
:[ドルカス]|
…仮にそうだったとしても、~
おれたちはそんな小細工を弄せるほど~
器用ではない。▼~
(暗転)~
:[ニュクス]|
…馴染みのない術式ね。~
どんな呪いなのかも判然としないわ。▼~
:[ルフレ]|
書かれている文字を見る限り、~
ペレジアの呪術…でしょうか?~
どことなく、既視感があるような…▼~
(暗転)~
:[ヒューベルト]|
さて。~
いまだ犯人は見つかっていませんが、~
一つ重要な情報があったようです。▼~
ペレジアの呪術師、でしたか。~
見つけ出して尋問することとしましょう。▼~
:[モニカ]|
その、まだ早くはないでしょうか。~
あやふやな情報で動いては、~
陛下に迷惑をかけるかもしれませんよ。▼~
:[ヒューベルト]|
くく…私にしてみれば、~
この世界からしてあやふやなものです。~
犯人と目される相手がそこにいるならば――▼~
:[フィヨルム]|
ま、待ってください!▼~
:[ヒューベルト]|
…おや、フィヨルム殿。~
どうしましたかな?▼~
:[フィヨルム]|
ええと…その…~
その呪符…邪悪なものだとは~
限らないのではないでしょうか…?▼~
:[ヒューベルト]|
ほう…~
何かご存じのようですな。▼~
:[フィヨルム]|
ひっ!?~
あの…ええと…▼~
…す、すみません、モニカさん!~
私、もう隠し通せそうにありません…!▼~
***A [#bfbaa268]
:[カミラ]|
…ふふっ、あなたは本当に~
エーデルガルトを慕っているのね。▼~
:[モニカ]|
慕っているなんてもんじゃありません。~
あたしにとって、エーデルガルト様は~
すべてを捧げる存在。まさに愛なのです。▼~
:[フィヨルム]|
そんなふうに自分の想いを、~
素直に言葉にできるなんて…。~
少し、羨ましいくらいです。▼~
:[サーリャ]|
ところで、モニカ…~
悩み事があるって話だったけれど…?▼~
:[モニカ]|
…はい。~
あたしはかつて、~
エーデルガルト様に命を救われました。▼~
けれど、あの方のいたフォドラでは、~
あたしは敵に体を奪われて命を落とし、~
陛下をも危険にさらした存在らしく…▼~
せめてこのアスクでは、~
死んだ異界のあたしの分まで~
エーデルガルト様をお守りしたい…。▼~
そう思っているんです。~
皆さんに何かお知恵を――▼~
:[サーリャ]|
ふふ…そういうことなら、~
とっておきのおまじないがあるわ…▼~
:[モニカ]|
…おまじない?▼~
:[サーリャ]|
このお守りを、~
エーデルガルトの荷物に忍ばせておくの…▼~
そうすれば、~
彼女はどんな災難からも守られるはずよ…▼~
:[カミラ]|
まあ、すごいわね…!~
私もあの子にかけてあげたいくらいだわ。▼~
:[モニカ]|
サーリャさん…~
そんなに凄いお守りを、どうしてあたしに?▼~
:[サーリャ]|
別に…~
他人と思えなかっただけよ…。~
…そうだ、一つ伝え忘れていたわ。▼~
お守りを忍ばせたのがあなたであると、~
相手に悟られてはいけない…~
おまじないの力が失われてしまうから…。▼~
:[モニカ]|
悟られてはいけない…わかりました。~
やってみます!▼~
:[フィヨルム]|
う、うーん?~
これでよかったのでしょうか?▼~
***S [#mb3eefc1]
:[モニカ]|
そんな…フィヨルム王女…!▼~
:[フィヨルム]|
ごめんなさい!~
でも、これ以上皆さんを~
心配させるのもどうかと思いまして…!▼~
:[ヒューベルト]|
くくく…構いませんよ。~
どうせそのようなことだろうと~
思っておりました。▼~
呪術に頼るというのが些か情けないですが…~
主のためなら手段を選ばず、というのは~
至極当然のことですので。▼~
:[モニカ]|
ヒューベルト…。~
でも、あたしは…▼~
:[ヒューベルト]|
とは言いつつも、判断を下すのは~
全て我が主です。~
いかがですか、エーデルガルト様。▼~
:[エーデルガルト]|
…………。▼~
:[モニカ]|
…! エーデルガルト様!~
申し訳ありません!▼~
このモニカ=フォン=オックス、~
どのような罰でもお受けいたします!▼~
:[エーデルガルト]|
…そうね。~
貴方にしては、少し浅慮が過ぎる~
行動だったかもしれないわ。▼~
:[モニカ]|
い、いえ、そんなことは…~
でも万が一はありますし…。▼~
:[エーデルガルト]|
ふふ…確かにそうかもしれない。~
私は貴方一人守れなかった皇帝。~
貴方が心配するのも当然よね。▼~
:[モニカ]|
そんなことをおっしゃらないでください!~
あたしにとって、陛下は…!▼~
:[エーデルガルト]|
ごめんなさい、意地悪を言ったわ。~
モニカ、呪符をありがとう。~
私は貴方を罰したりはしない。▼~
その資格があるのは、~
“あなたを助けた私”だけでしょう。~
私も、あなたを頼りにさせてもらうわ。▼~
:[モニカ]|
エーデルガルト様…!~
ありがとうございます!▼~
:[フィヨルム]|
ほっ…何はともあれ、~
丸く収まったようで一安心ですね。▼~
:[ヒューベルト]|
ええ、良かったのではないですか。~
互いのために、ね。▼~
*コメント [#k0c76a3e]
- モニカB ドルカス 小細工を弄せるほど こざいくをろうせ...
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