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章別会話/誰がための力
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[[章別会話]]
*誰がための力 [#mabf4d45]
#contents
**誰がための力 [#z307ac23]
***オープニング [#qa13010e]
:[フィル]|
よしっ…!~
勝負あり、ですね!▼~
:[ノア]|
参った…~
フィルさん、また強くなったね。▼~
はじめて闘技場で~
手合わせをしたときに比べて~
その成長がよくわかる…▼~
:[フィル]|
ありがとうございます、ノアどの!~
見知らぬ異界にとまどいましたが~
顔見知りがいて助かりました。▼~
:[ノア]|
それはおれも同じだよ。~
サウル神父やドロシーたちも~
一緒だったのは心強い。▼~
:[フィル]|
それで…その…~
先ほどの手合わせなのですが。▼~
ノアどの、もしかして左足の様子が~
よくなかったのではありませんか?▼~
:[ノア]|
気づかれてしまったか…~
情けない話だけど~
戦場でくじいてしまってね。▼~
サウル神父に杖で癒してもらったが~
まだ本調子ではないようだ。▼~
:[フィル]|
そうだったんですね…。~
私はその弱点を攻めるようなことを…▼~
:[ノア]|
フィルさん?▼~
:[フィル]|
ノアどの、申し訳ありません!~
こんな卑怯な勝ち方は~
私たちの進むべき道ではありません!▼~
私は…強くなってなどいません。~
ただの未熟者です!▼~
:[ノア]|
フィルさん!?~
行ってしまった…▼
進むべき道か。~
考えすぎるあまり~
彼女の剣が曇らなければいいのだが…▼~
***C [#u384ac08]
:[サウル]|
おや、あれは?▼~
:[フィル]|
……▼~
:[サウル]|
やあ、フィルさん。~
どうかなさいましたか。▼~
:[フィル]|
神父さま…▼~
:[サウル]|
いつもの明るさに~
かげりが見えますね。~
なにかお悩みですか?▼~
:[フィル]|
え?~
よ、よくわかりましたね。▼~
:[サウル]|
聖女エリミーヌとこの私も~
麗しき花々が輝きをなくしてはいないか~
常日頃から見守っているのです。▼~
なにか悩みがありましたら~
遠慮なくお話しください。▼~
:[フィル]|
実は…その…▼~
私は…~
母のような剣士になりたくて~
剣を振り続けてきました。▼~
でも、伯父上は言いました。~
私が進むべき道は~
母と同じ道ではないと。~
:[サウル]|
ほう。あなたの伯父というと~
あの高名な…?▼~
:[フィル]|
はい。【剣聖】カレルです。~
強さと優しさを兼ね備えた~
私が最も尊敬する剣士です。▼~
伯父上は、こうも言いました。~
私が進むべき道は、伯父上の道とも違う。▼~
私が進むべき道は~
自身でこれから切り開く道だ、と。▼~
:[サウル]|
つまり、あなたが悩まれているのは~
その道のことでしょうか?▼~
:[フィル]|
はい…。~
先日、手合わせをした時、~
ノアどのは足を負傷していて…▼~
:[サウル]|
私が癒して差し上げた~
ノアさんの左足のことですね?▼~
:[フィル]|
相手の弱点を攻めるのは~
戦いの定石であるということは~
私にも理解できます。▼~
ですが、非常な戦い方をしてまで~
強くなる必要があるのか。▼~
弱点を攻めるような戦い方が~
私が進むべき道なのか。~
そのことが頭から離れられないのです。▼~
:[サウル]|
なるほど…。▼~
癒し手である私でも~
相手の弱点を突くのは~
勝つためには必要なことと思えます。▼~
ただ、それで良心が痛むなら~
神に許しを乞うてはいかがですか?▼~
もちろん、それ以外にも~
心を守る方法はいくらでもあります。~
よければもっと私が親身に相談を…▼~
:[ドロシー]|
あーっ! 神父さま!!~
まーた女の子にちょっかいかけて!▼~
:[サウル]|
ドロシー?~
違います、私は純粋に人助けを…▼~
:[ドロシー]|
フィルさんも困ってるじゃないですか!▼~
助けを必要とされている人は~
アスク王国にたくさんいるので~
そっちに行ってください!▼~
:[サウル]|
どうして弓に手をかけるのでしょう?~
わかった、わかりました!~
では、フィルさん。私は失礼しますよ!▼~
***B [#ced489ee]
:[ドロシー]|
まったく、神父さまときたら。~
目を離すと、いつもこうなんだから。▼~
:[フィル]|
あ、あのっ~
ドロシーさん、誤解なんです!▼~
神父さまには真剣に~
相談に乗っていただいていたというか…▼~
:[ドロシー]|
そ、そうだったんですか!?~
私の誤解だったんだ…▼~
でも、これは神父さまの~
日頃の行いのせいですから。~
&br;''(暗転)''~
:[ドロシー]|
…なるほど。~
お話はだいたいわかりました。▼~
真面目なんですね、フィルさんは。~
そんなことを気にするなんて。▼~
:[フィル]|
気にしすぎかもしれません。~
でも、私には卑怯な戦い方に思えて~
正々堂々とは言えない気がするのです。▼~
:[ドロシー]|
でも、それって剣士ならではの~
悩みかもしれませんね。▼~
だって、弓使いの私は~
敵に近寄られるとなにもできないけど~
空を飛ぶ敵にはめっぽう強いんです。▼~
常日頃から相手の弱点を突くような~
戦い方をしているせいか~
そんなふうに考えたことなかったです。▼~
:[フィル]|
自分が有利になる戦い方を~
心がけている、ということですね。▼
:[ドロシー]|~
そう! そんな感じです!~
それに先日の手合わせの話ですけど…▼~
ノアさんも左足の調子が悪いのを~
フィルさんに見抜かれることを~
承知で戦われていたと思います。▼~
フィルさんが弱点を突いて戦ったのは~
手合わせで全力を尽くした証。▼~
そのことはきっとノアさんにも~
伝わっているのではないでしょうか。▼~
:[フィル]|
つねに全力で剣を振ること。~
それも私の道かもしれない…▼~
ありがとうございます、ドロシーさん!~
私の進むべき道が~
見えたような気がします!▼~
***A [#ra41a593]
:[フィル]|
ノアどの!▼~
:[ノア]|
おや、フィルさん。~
ちょうどよかった。▼~
調子も戻ったし~
手合わせの相手が欲しいと~
思っていたところなんだ。▼~
:[フィル]|
そのことなのですが…先日の件、~
卑怯と思われたのなら謝ります。~
ですが、私は…▼~
:[ノア]|
卑怯だなんてとんでもない。~
気にする必要なんてありませんよ。▼~
戦場ではだれも手加減はしてくれない。~
こちらの不調を見逃すような~
お人好しはどこにもいないんだ。▼~
むしろ、あの状態でフィルさんと戦えて~
いい訓練になったよ。▼~
:[フィル]|
ノアどの…▼~
:[ノア]|
フィルさんが優しいのは知っている。~
だけど、戦いにその優しさを~
持ち込む必要はないよ。▼~
つねに本気で一生懸命に。~
自分を信じて剣の道を進めばいい。▼~
:[フィル]|
は、はいっ!~
ありがとうございます!~
その言葉、励みにします!▼~
さっそくですが、まずは一本~
お手合わせをよろしいでしょうか。▼~
:[ノア]|
ああ、こちらこそ~
よろしく頼むよ!▼~
&br;''(暗転)''~
:[ドロシー]|
ノアさんの調子、戻ったみたいですね。~
フィルさんも剣に気迫が乗って~
よい手合わせになってる気がします。▼~
:[サウル]|
信じる者は救われる。▼~
もっとも、なにを信じるかは~
それぞれの心の中にあるのです。~
それぞれの形でね。▼~
そして、神は~
そのような人間を~
信じておられるのです。▼~
:[ドロシー]|
フィルさんは、ご自分の目と心で~
信じる道を見つけられた…~
ということですか?▼~
:[サウル]|
そういうことですね。▼~
それでも悩みが尽きないときは~
この私が親身に~
相談に乗れはいいだけのこと。▼~
…ドロシー?~
どうして弓に手をかけるのです?▼~
:[ドロシー]|
しーんーぷーさーまー。~
また、いかがわしいことを~
考えているんじゃないですか?▼~
:[サウル]|
暴力はいけませんよ、ドロシー!~
しかも、神父に弓を向けるなど~
神は決して望んでは…▼~
:[ドロシー]|
そう思うなら~
エリミーヌ教が誤解されるような~
行動はつつしんでください!▼~
:[サウル]|
か、神よ!~
私が無事に逃げおおせる道も~
お示しください…▼~
**剣に生きる乙女 フィル [#mc6a5622]
***C [#c69002bc]
:[フィル]|
フィヨルム王女、お忙しいところ~
城を案内してくださり~
ありがとうございます!▼~
:[フィヨルム]|
気になさらないでください。~
私たちはこれからともに戦う~
仲間なのですから。▼~
召喚されたばかりで~
わからないこともあるかと思います。~
いつでも相談してくださいね。▼~
:[フィル]|
お気遣い、ありがとうございます!~
今後ともよろしくお願い…むむっ!?▼~
:[フィヨルム]|
ど、どうかなさいましたか?▼~
:[フィル]|
フィヨルム王女、聞こえませんか?~
何やら地響きのような音が…~
なにかがこちらに近づいています!▼~
:[フィヨルム]|
い、言われてみれば。~
地を揺るがすような音が~
こちらに迫っているような…▼~
:[バアトル]|
うおおおー、フィル!~
アスク王国への到着、歓迎するぞ!~
わが娘よぉぉぉーーー!▼~
:[フィル]|
ち、父上!?~
見切った…せやっ!▼~
:[バアトル]|
むぅっ!? この父の抱擁を~
こともなげにかわすとは!▼~
:[フィル]|
地響きの正体は~
父上の足音でしたか…▼~
それよりも…人前で~
抱きつこうとするのはやめてください!▼~
:[バアトル]|
わっはっは!~
恥ずかしがることではないではないか!▼~
それにしても今の身のこなし~
ずいぶんと腕を上げたようだな?~
まるで別人のようだったぞ!▼~
:[フィル]|
母上の背中を追って~
度に出たあの日から…。▼~
私はさまざまな人々と出会い~
多くのことを学びました。▼~
まだまだ未熟ではありますが~
以前の私とは違います。▼~
:[バアトル]|
おおおお…!~
あの…フィルが…幼かった娘が…~
こんなに立派になって! ずびぃ!▼~
:[フィル]|
ち、父上っ! そんなに~
仰々しく泣かないでください!~
フィヨルム王女が驚かれますよ!▼~
:[フィヨルム]|
父と娘が異界で再会、~
そこで知る娘の成長…~
感動的です…▼~
:[フィル]|
ええっ!?~
フィヨルム王女も~
まさかの父上寄り!▼~
:[バアトル]|
まあ、それはともかく~
再会できてうれしいぞ。我が娘よ。▼~
そういえば先ほど~
母の背中を追って~
旅に出たと言っていたが…▼~
:[フィル]|
は、はいっ! 母上の足跡を辿って~
母上を知る方とお会いしたり…▼~
私の剣の修行には~
常に母上の存在がありました。▼~
:[バアトル]|
そのことなのだが…~
この世界、アスク王国にはカアラ…~
お前の母も召喚されているのだ。▼~
:[フィル]|
……!?▼~
***B [#r0b38394]
:[フィル]|
…母上がアスク王国に?~
幼い頃に死に別れた母上が~
この世界にいらっしゃると?▼~
:[バアトル]|
うむっ、そのとおりだ。~
だが、この世界にいるカアラは~
お前のことは知らぬだろう。▼~
:[フィル]|
どういうことでしょうか?~
母上が…娘の私を知らないなんて!▼~
:[バアトル]|
無理もない。~
それには理由があるのだ。▼~
この世界にいるカアラは~
まだわしと一緒になる前の~
若い頃のカアラだからな。▼~
:[フィル]|
若い頃の…母上!?▼~
つまり、ここにいる母上は~
将来、父上と結ばれることも~
私を産むこともご存じないと?▼~
:[バアトル]|
うむ、アスク王国にいるカアラは~
まだお前の母ではない。▼~
わしもまだ混乱しているが~
つまりはそういうことなのだ。▼~
:[フィル]|
……▼~
:[バアトル]|
フィル…~
それでも母に会いたいか?▼~
:[フィル]|
は、はい…。~
母上はずっと私の憧れでした。▼~
ずっと母上のような~
強い剣士になりたかった。▼~
そして、叶わぬ願いとは思いながら~
もう一度会いたいと…▼~
:[フィヨルム]|
フィルさんが剣を手にする~
きっかけになられた方ですものね。~
その気持ち、わかります。▼~
:[バアトル]|
うむ…~
もしお前が望むのであれば~
会って話すがよい。▼~
だが、ここにいる母は~
お前を知らぬだろう。~
それでも良いか?▼~
:[フィル]|
もちろんです!~
もちろん…ですが…~
少しだけ考えさせてください…▼~
***A [#i0cc3b7e]
:[フィル]|
フィヨルム王女…~
お尋ねしてもよろしいですか?▼~
:[フィヨルム]|
私に答えられることでしたら~
なんでもお教えしますよ。▼~
:[フィル]|
ヴァイス・ブレイヴには私以外の私…~
フィルの名前を持つ~
剣士として生きた英雄がいるそうですね。▼~
:[フィヨルム]|
はい。同じ名前、姿をした英雄でも~
異界によって生き方は異なるそうです。▼~
:[フィル]|
つまり、この世界にいる母上は~
違う異界から来た可能性もあるのですよね?▼~
:[フィヨルム]|
そうですね。~
先日お会いしたバアトルさんも~
別の異界から来たのかもしれません。▼~
:[フィル]|
父上はどこの異界でも~
まったく変わらないと思います…▼~
:[フィヨルム]|
え、ええ、そうですよね。▼~
ですが、異界によって~
英雄が辿る運命が変わるというのは~
事実だと聞きました。▼~
:[フィル]|
だとすると、アスク王国にいる母上は~
父上を結ばれず、私の母にならない~
可能性もあるのですよね?▼~
この世界にいる母上の未来は~
まだ決まっていない、と…▼~
:[フィヨルム]|
…そ、そうですね。▼~
:[フィル]|
私、母上に会いたいです。~
会っていろんな話がしたいし~
いろんなことを教えてもらいたい。▼~
でも、私が娘だと名乗り出てしまえば~
母上の未来が変わってしまうかも…▼~
フィヨルム王女…~
私はやっぱり、母上と会わないほうが~
よいのでしょうか。▼~
:[フィヨルム]|
でしたら…~
素性を隠して一人の剣士として~
お会いしてみるのはいかがでしょうか?▼~
:[フィル]|
それは、剣士として母上と…~
手合わせするってことでしょうか?▼~
いえ、そうですね。~
…悪くないかもしれません。▼~
私はずっと母上から~
剣の手ほどきを受けられたら~
どれほどよいかと思っていたのです。▼~
:[フィヨルム]|
カアラさんとフィルさんは~
お二人とも優れた剣士です。▼~
ただ会って剣を交えるだけでも~
なにか伝わるのがあるのでは?▼~
:[フィル]|
フィヨルム王女、ありがとうございます!~
私の剣が母上にどこまで通用するのか~
試させてもらいます!▼~
***S [#fa72815f]
:[フィヨルム]|
カアラさんは森の奥で~
剣を振られているはず…~
あっ! いらっしゃいましたよ!▼~
:[フィル]|
……!?~
あれが若かりし頃の母上!~
なんと凛々しい…▼~
:[フィヨルム]|
あの、フィルさん。~
感激されるのはわかりますが…▼~
:[フィル]|
そ、そうでした!~
そこのお方! お頼み申します!▼~
:[カアラ]|
? 私に用か?~
フィヨルム王女と…~
はじめてみる顔だな。▼~
:[フィル]|
わたしはそのっ…~
な、名乗るほどの者では~
ございません!▼~
:[カアラ]|
そうか。~
その名無しが私になんの用だ?▼~
:[フィル]|
かの高名な【剣姫】カアラどのと~
お見受けしました!▼~
:[カアラ]|
自分でそう名乗った覚えはないが…~
いかにも私がカアラだ。▼~
:[フィル]|
どうかこの若輩者に~
一手ご指南いただきたい!▼~
:[カアラ]|
手合わせを望むというのか。~
だが、いいのか?~
今にも泣き出しそうではないか。▼~
:[フィル]|
ち、違います! これは…~
【剣姫】と手合わせできる~
感激の武者震いです!▼~
:[カアラ]|
心が乱れている。~
まずは深呼吸をしろ。~
そして、剣を握り直すがいい。▼~
:[フィル]|
すぅぅぅ…はぁぁっ…~
震えが…止まった…▼~
あ、ありがとうございます!~
私がこれまで積み上げてきた~
剣のすべてを出し切ります!▼~
:[カアラ]|
来るがいい。~
悔いがないようにな。~
&br;''(暗転)''~
:[フィル]|
はぁ、はぁ、はぁっ…~
ありがとうございました!▼~
:[カアラ]|
いい気迫だった。~
いくつも死地を潜り抜けてきたのだろう。~
剣から生き様が伝わってきた。▼~
:[フィル]|
はぁ、はぁっ…~
仲間に…恵まれていたのです。~
だから今日まで…生きてこられました。▼~
:[カアラ]|
…そうか。▼~
しかし不思議だ。~
はじめて手合わせをしたはずなのに~
なぜか懐かしさを感じた。▼~
:[フィル]|
……!?~
は、はは…う…くぅ…。▼~
いえっ、なんでもありません!~
今日はありがとうございました!▼~
&br;''(暗転)''~
:[フィヨルム]|
いい手合わせでしたね。~
見ている私も~
息を呑んでしまいました。▼~
:[フィル]|
剣を交えて、すぐにわかりました。~
私の剣は母上に遠く及びません。▼~
そのことを教えてくれただけでも~
会った甲斐がありました。~
ありがとうございます、フィヨルム王女。▼~
:[フィヨルム]|
お力になれたのなら幸いです。▼~
:[フィル]|
私、もっともっと強くなりたいです。~
この世界にいる間にもっと成長して~
その姿を…母上に見てほしい。▼~
:[フィヨルム]|
期待していますよ、フィルさん。~
私も力添えさせてもらいますから。▼~
:[フィル]|
私は強くなります!~
この剣ですべての困難を~
乗り越えていけるように。▼~
あの日、抱いた憧れを~
この剣で実現してみせますから!▼~
**野にある聖者 サウル [#n41708be]
***C [#w8f922e5]
:[サウル]|
あなたのように可愛らしい人と~
引き合わせてくださるとは…~
おお、神よ。感謝します。▼~
:[レギン]|
神様? ニザヴェリルは~
魔道科学が発達しているから~
神様にはあんまり頼らないの。▼~
:[サウル]|
そうなのですか?~
ならば、これを機会に~
エリミーヌ教に触れてみては?▼~
祈りを捧げればすぐ願いが叶うと~
奥様方にも大評判…~
それがエリミーヌ教です。▼~
:[レギン]|
えーっと…~
なんだかよくわからないの。~
間に合ってますなのー!▼~
:[サウル]|
お待ちください、麗しの姫!~
ふむ、不思議な鉄の馬に乗って~
全力で立ち去られましたね。▼~
:[アサマ]|
逃げられてしまいましたねえ。~
心中お察しいたします。▼~
:[サウル]|
これはお恥ずかしいところを。~
今日は運気がよくないようです。▼~
:[アサマ]|
いやいや、なかなかどうして~
面白いものを見せていただきました。▼~
神の名の下に~
女性の関心を引こうとは…~
実に肝が据わられたお方だ。▼~
:[サウル]|
それは…~
褒めているわけではありませんよねえ。~
失礼ですが、あなたは?▼~
:[アサマ]|
修験者のアサマと言います。~
神仏に仕えるという意味では~
同じような立場でしょうか。▼~
まあ、私は神仏などという~
胡散臭いものは信用していませんけど。▼~
実は。ちょうどあなたを~
探していたところだったんです。▼~
:[サウル]|
私…ですか? ふむ。▼~
***B [#ub8e8826]
:[サウル]|
私を探していたと?~
さて、どのような要件でしょうか。▼~
:[アサマ]|
城内のいたるところに~
貼ってあるこの紙。~
あなたが貼られたものですよね?▼~
『どんなケガでも安心!~
エリミーヌ教を信じれば~
神の御業でたちどころに快癒!』▼~
『今なら格安で入信できます!~
エリミーヌ教神父、サウルまで』▼~
:[サウル]|
たしかに私が貼ったものですね。~
なるほど、これを見たと…▼~
あなたもヨーデルさまのように~
お説教をなさるおつもりですか?▼~
:[アサマ]|
誰ですか、それ?~
しかし、エリミーヌ様とやらは~
すごいですねえ。▼~
傷薬のように神の恩恵にあずかれるのなら~
入信するのも悪くないと考えまして。~
どうせなら楽に人を治したいですし。▼~
:[サウル]|
ふむ、そういうことでしたか。~
しかし、ひとつ大きな問題があります。▼~
私は男性に教えを~
説くつもりはないんですよ。▼~
:[アサマ]|
……▼~
:[サウル]|
私が受け持つ信徒は女性のみです。~
そのような星の下に生まれたゆえ~
仕方がないのです。では失礼。▼~
:[アサマ]|
いやいやいや。目の前にいる~
迷える者を見捨てるのですか、神父様。▼~
:[サウル]|
迷える者と言うか…~
あなたからは邪気に似た気配を~
感じるのですが?▼~
そういえば異界には性別が異なる英雄も~
いらっしゃると聞きます。▼~
女性のアサマどのが希望されるなら~
あらためて入信を考えましょう。~
というわけで、わたしはそろそろ…▼~
:[アサマ]|
私が男性であったとしても~
信徒が増えることは~
喜ばしいことでは?▼~
まさか自分の都合で~
信徒を&ruby(え){選};り好みされるとは…▼~
もしかして、あなたは~
神父でありながら~
神を信じておられぬのではありませんか?▼~
***A [#yedb8f97]
:[サウル]|
なんと言われようと、私は神父です。~
神を信じていないなど~
そのようなことはありませんよ。▼~
聖女エリミーヌのもたらす光によって~
人々は笑い、未来への希望を持つのです。▼~
:[アサマ]|
でしたら、私もその輪に~
加えてくれればいいんですよ。▼~
:[サウル]|
かつて、聖女エリミーヌは~
このようにおっしゃられました。▼~
神の意のままに動く人間は~
意思なき人形と変わりません、と。▼~
よい言葉です。~
私はこの言葉に~
大きな感銘を受けました。▼~
:[アサマ]|
だから自分の欲望の赴くまま~
女性信徒ばかりを増やしている、と。~
なんとも物は言いようですねえ。▼~
:[サウル]|
あなたこそ神仏の徒でありながら~
気やすく&ruby(しゅうしが){宗旨替};えを望むとは~
信心に欠けるのではないですか?▼~
:[アサマ]|
私は神社の子に生まれたから~
そのまま僧侶になっただけですよ。~
神仏を信じているわけではありません。▼~
:[サウル]|
笑顔で言い切りましたね。▼~
:[アサマ]|
それに、信仰の深さはどうあれ~
知識があれば人々に教えは説けます。▼~
説法をしていると、私を見る~
人々の目が次第に輝いていくんですよ。▼~
そうやって人心を掌握することは~
実に愉快です。心が高揚しますねえ。▼~
:[サウル]|
なんと恐れ多いことを…~
アサマどのは一番神職に~
就いてはいけない方では?▼~
:[アサマ]|
それはお互い様というもの。~
で、どうですか?▼~
私もエリミーヌ教とやらに入信して~
楽して人を癒せそうですかね?▼~
:[サウル]|
それは…▼~
:[マリナス]|
おおっ、癒しの力を持つお二人が~
ちょうどよいところに!▼~
:[サウル]|
マリナスどの?~
どうなされました、血相を変えて。▼~
:[マリナス]|
西の山のふもとにある村が盗賊に襲われて~
ケガ人が出ているようなのですじゃ!▼~
今から馬車で向かうところでして~
お二人も手を貸してはくださらんか?▼~
:[サウル]|
一刻を争うようですね。~
私でよろしければ手を貸しましょう。▼~
:[アサマ]|
私も同行しましょう。~
すぐに馬車を出してもらえますか?▼~
:[マリナス]|
ありがたいですじゃ!~
それでは、すぐに出発しますぞ!▼~
***S [#xbf5289d]
:[サウル]|
さあ、これでもう大丈夫です。~
あとはしばらく安静にしてください。▼~
次の方…ああ、これは痛かったでしょう?~
聖女エリミーヌの御業にて~
すぐに癒して差し上げましょう。▼~
…これで一段落ですね。~
アサマどの、そちらはいかがですか?▼~
:[カムイ]|
……?~
俺はマリナスさんの護衛のカムイだ。~
坊さんなら向こうへ行ったぞ。▼~
:[サウル]|
おっと、これは失礼。~
アサマどのに似ていたので…▼~
…男性の顔に興味がないので~
うっかり間違えたとは言えませんね…▼~
&br;''(暗転)''~
:[サウル]|
アサマどの、こちらでしたか。▼~
:[アサマ]|
お疲れさまでした、神父様。~
まあ、お疲れさまと言ってほしいのは~
私のほうですけどね。▼~
:[サウル]|
はは、お疲れさまでした。▼~
:[アサマ]|
サウル神父の癒しの力、驚きました。▼~
あれだけのケガ人を手際よく~
次から次へと治療されるとは。▼~
神をないがしろにしていても~
加護は受けられるものなのですねえ。▼~
:[サウル]|
ないがしろになんてしていませんよ。~
前にも言ったでしょう。▼~
神の意のままに動く人間は~
意思なき人形と変わりません。▼~
私は私なりの考えで神に接しているだけで~
ちゃんと敬っておりますよ。▼~
:[アサマ]|
物は言いよう、というわけですか。▼~
:[サウル]|
あなたこそ破戒僧でありながら~
神仏の加護を正しく~
享受されているようですね。▼~
あなたの癒しの力を受けた方たちは~
笑顔で目を輝かせていましたよ。~
それこそ、仏様を見るような顔でね。▼~
:[アサマ]|
神仏がいようがいまいが~
目の前の問題を片付けるのは~
我々人間の仕事です。▼~
神仏の教えで~
人々を安心させられるのなら~
遠慮なく使わせてもらうだけですよ。▼~
:[サウル]|
人々の心を安心させる手段があるなら~
それを利用しない手はない、と。▼~
私も同じ考えで聖女エリミーヌの~
お力をお借りしているだけです。~
まあ、ご婦人相手に限った話ですが…▼~
:[アサマ]|
やれやれ。私を聖女エリミーヌの~
信徒にしてくれるつもりはなさそうですね。~
あと、私を破戒僧と呼びましたが…▼~
信心の深さはさておき~
戒律を破るわけではありませんので~
そこはお間違えなきよう。▼~
:[サウル]|
おっと、これは失礼。▼~
そういえばあなたは~
白夜王国の第一王女に~
仕えているそうじゃないですか。▼~
:[アサマ]|
ええ、なりゆきで~
引き入られただけですけどね。▼~
:[サウル]|
いい機会です。ぜひ王女様にも~
聖女エリミーヌの素晴らしさを~
知って頂きたいのですが…▼~
アサマどの、お茶の席を設けるよう~
取り計らっていただけないでしょうか?▼~
:[アサマ]|
神の意のままに動く人間は~
意思なき人形と変わらないと~
仰ってましたけど…▼~
あなたはもう少し~
聖女エリミーヌの意もくんで~
動いたほうがいいと思いますよ?▼~
**心美しき弓使い ドロシー [#lc43cd28]
***C [#g8cb37fd]
:[ドロシー]|
アスク王国にいる異界の英雄は~
みんな素敵な人たちばかり。~
はぁ、私は…▼~
:[ヴィオール]|
おお! 野に咲く可憐な花よ。~
憂いを帯びたその横顔も実に魅力的だ。▼~
ぜひ私の庭園に~
その彩りを添えてみないかね?~
貴族的に、たおやかにね。▼~
:[ドロシー]|
……▼~
:[ヴィオール]|
むう。どうやら彼女の耳には~
私の囁きが届いていないようだ。▼~
:[ドロシー]|
え、ええっ!?~
今、私に話しかけてたんですか?~
ごめんなさい、てっきり独り言かと。▼~
:[ヴィオール]|
おお、一拍遅れて届いたのか?~
そのとおり。野に咲く美しい花を見て~
貴族的に挨拶させてもらったのさ。▼~
:[ドロシー]|
美しい…花? 私が?~
それってどういう意味ですか?▼~
:[ヴィオール]|
少し驚かせてしまったかな。~
無論、君を花に例えたまでさ。~
伝わりにくかったかね?▼~
:[ドロシー]|
いえ、褒めてくれたのはわかりますけど。~
ヴァイス・ブレイヴには綺麗な人が~
たくさんいるのにおかしいなって。▼~
:[ヴィオール]|
素直に思ったことを述べたまでだよ。~
しかし、君は自分が放つ輝きを~
もっと誇ってもよいのでは?▼~
:[ドロシー]|
もしかして…~
私を褒め殺して高価なものでも~
売りつけようとしています?▼~
:[ヴィオール]|
そ、そのようなことは断じてない!~
私はただ君の魅力を…▼~
:[セルジュ]|
はーい、そこまでにしましょうね。~
ヴィオールさん!▼~
:[ヴィオール]|
セ、セルジュくんか。違うのだよ、これは…~
私はただ貴族的に礼節を持って~
異界の英雄と親交をとだね…▼~
:[セルジュ]|
だれかれ構わず迷惑をかけるつもりなら~
ミネルヴァちゃんに嚙みつかせますわよ?▼~
:[ヴィオール]|
う、うむ。満面の笑みで恐ろしい~
物言いをするのは遠慮してほしいね。▼~
仕方ない。今日は失礼するとしよう。~
ではまた、可憐に野に咲く花よ。▼~
:[セルジュ]|
はいはい、行きますよ。~
それでは失礼しますね。▼~
:[ドロシー]|
あ、はい、どうも…▼~
:[ヴィオール]|
首根っこを強く引っぱるのは~
やめてくれたまえ、セルジュくん!~
もう少し優しく…ぐえっ!?▼~
:[ドロシー]|
行っちゃった…~
変な人たちだったな。▼~
***B [#zf633a4b]
:[ドロシー]|
こないだの人…~
セルジュさんって言ったっけ。~
素敵な人だったなあ。▼~
あの人、ヴィオールとかいう人に~
お仕えする従者なのかな。~
お話してみたいなあ。▼~
:[セルジュ]|
よかった、やっと見つけたわ。▼~
:[ドロシー]|
あっ! セ、セルジュさん!?~
もう会えちゃった?▼~
:[セルジュ]|
先日、ヴィオールさんが迷惑をかけたこと~
きちんと謝っておきたくて。~
本当にごめんなさいね。▼~
:[ドロシー]|
そ、そんな、大丈夫ですよ!~
別に気にしてませんから…。▼~
:[セルジュ]|
ありがとう。~
そう言ってもらえると助かるわ。~
私はセルジュ。▼~
:[ドロシー]|
私はエリミーヌ教団のドロシーです。~
セルジュさんとお話ししたかったから~
会えてうれしいです。▼~
:[セルジュ]|
それは奇遇ね。~
聞きたいことでもあったのかしら?▼~
:[ドロシー]|
その…~
セルジュさんのご主人様も~
女の子にちょっかい出す人なのかなって。▼~
:[セルジュ]|
よくわかったわね。~
もしかして、あなたも?▼~
:[ドロシー]|
そうなんです!~
エリミーヌ教の神父さま、サウルさんの~
護衛を任されているんですけど…▼~
神父さまは目を離すと~
すぐに女の子をお茶に誘ってしまって~
本当に困ってるんです!▼~
:[セルジュ]|
そうそう、目を離せないのよねえ。~
気を抜くと女性に吸い寄せられるから~
方々に迷惑をかけっぱなしで…▼~
:[ドロシー]|
本当! 気が休まる暇もなくて!▼~
:[セルジュ]|
うふふっ。私たち~
お互い似たような立場みたいね。▼~
:[ドロシー]|
そうみたいですね。~
ふふっ、ヴァイス・ブレイヴで~
悩みを話せる人が出来てよかったです!▼~
***A [#a686f97b]
:[ドロシー]|
セルジュさんとお買い物、~
ご一緒できてうれしいです!▼~
:[セルジュ]|
ううん。買い出しなんかに~
付き合わせちゃってごめんなさいね。▼~
:[ドロシー]|
…こうして二人で歩くと~
みんなセルジュさんを見てるなあ…▼~
…セルジュさん、華があって~
とっても素敵だもの…▼~
:[セルジュ]|
ドロシー、どうかしたのかしら?▼~
:[ドロシー]|
えっ! 私って二人でいると~
セルジュさんの従者みたいだなぁって。▼~
:[セルジュ]|
そんなことはないと思うけど…▼~
:[ドロシー]|
ううん。セルジュさんは~
歩いているだけで絵になるし~
私って見てのとおり、地味だから…▼~
:[セルジュ]|
おかしなことを言うのね。~
だってあなたは、英雄として認められ~
アスク王国に召喚されたわけでしょう?▼~
そんな人生を送っている人が~
地味なんてことあるのかしら。▼~
:[ドロシー]|
そ、そうでしょうか?▼~
:[セルジュ]|
世が世ならドロシーの英雄譚が~
描かれたっておかしくはないわ。▼~
それくらい、あなたは~
輝かしい人生を歩んでいると思うの。▼~
:[ドロシー]|
セルジュさん、優しいから~
そう言って私を元気づけようと…▼~
:[セルジュ]|
ふふ、私はお世辞なんか言わないわよ。▼~
あなたの弓の腕前は素晴らしいし~
努力を怠ることもない。~
英雄として誰もが認める存在よ。▼~
胸を張って生きれば~
あなたの輝きはもっともっと増すはずだわ。▼~
:[ドロシー]|
な、なんだか元気が出てきました。~
ありがとうございます、セルジュさん!▼~
ちょっと照れくさいですけど~
気持ちが楽になった気がします。▼~
***S [#t87658f0]
:[ヴィオール]|
セルジュくん。~
君はいつも後ろをついてくるね。~
それは別に構わないのだが。▼~
まるで監視されているみたいで~
落ち着かない…というのが~
正直な気持ちだよ。▼~
:[セルジュ]|
まるでではなく、監視してるんです。~
目を離すと、すぐにフラフラと~
女性に声を掛けはじめますからね。▼~
:[ヴィオール]|
うーん、君はもう少し~
私を信用すべきだと思うよ。~
おや? あのお嬢さんは…▼~
:[ドロシー]|
ふんふん~♪▼~
:[セルジュ]|
ドロシーじゃないですか。▼~
:[ヴィオール]|
ほう。買い物中のようだが~
ずいぶんと楽しそうな様子ではないか。~
この前とは、まるで別人だ。▼~
:[セルジュ]|
そうですね。店主やお客さんとも~
気さくにお話ししているみたいです。~
ふふっ、素敵な笑顔ですね。▼~
:[ヴィオール]|
どうだい?~
私の見立てに間違いなかっただろう。▼~
野に咲く花には、野に咲く花の魅力がある。~
どうやら彼女も気が付いたみたいだね。~
いつか満開の花になった頃には…▼~
:[セルジュ]|
それ以上、口を滑らせないほうがいいかと。~
でないと、ミネルヴァちゃんを~
噛みつかせることになりますので。▼~
:[ヴィオール]|
う、うむ、肝に銘じておこう…▼~
:[セルジュ]|
ふふ、頑張ってねドロシー。~
あなたのその輝きがこれからも~
進むべき道を照らしてくれるはずよ。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ドロシー]|
くしゅん!▼~
んー、どうしたんだろう?~
誰かが私のこと、噂してるのかな。▼~
あっ! もしかしたら~
神父さまがまた悪さをしているのかも。▼~
こうしちゃいられない!~
エリミーヌ教の評判が落ちないよう~
私が頑張らなきゃ!▼~
**流浪の傭兵騎士 ノア [#t6efc648]
***C [#ecd225a3]
:[ノア]|
ちょっとお尋ねしたい。~
城の武器庫はこの先だろうか?▼~
:[エイル]|
ええ。廊下の突当りを右に行けば~
衛兵が立っているわ。▼~
:[ノア]|
この国に来て日が浅く~
まだ不慣れなゆえ…~
では、失礼します。▼~
:[エイル]|
あら、これは落とし物…?~
あなたのものでは?▼~
:[ノア]|
……!~
確かにおれのです。~
ありがとうございます。▼~
申し遅れました。~
イリア傭兵騎士団のノアと言います。▼~
:[エイル]|
私はエイル。死の国…~
いえ、生の国ユーミルの王女よ。▼~
:[ノア]|
エイル王女。~
非礼の数々、どうかご容赦を。▼~
:[エイル]|
気にすることはないわ。~
私たちは…ヴァイス・ブレイヴで~
ともに戦う仲間なのだから。▼~
:[ノア]|
恐れ入ります。~
おれはこの異界に来る前は~
リキア同盟軍に&ruby(くみ){与};して戦っておりました。▼~
:[エイル]|
リキア同盟軍…~
ロイやリリーナがいたところね。~
ところで、あなたが落としたものは?▼~
:[ノア]|
ああ、これは手紙です。~
もっとも、なにも書かれていない~
白紙ですが。▼~
:[エイル]|
白紙の…手紙。~
中身はこれから書かれるのね。▼~
:[ノア]|
……▼~
その予定はありません。~
今のところ、手紙を出すような~
相手もいませんし…▼~
これからも、そんな相手は~
いないほうがいいと思います。▼~
では、失礼します。▼~
:[エイル]|
……。~
出す相手もいない、~
白紙の手紙…?▼~
***B [#m4e8492a]
:[エイル]|
敵の数が多いわね。~
このままでは…▼~
:[ノア]|
エイル王女!~
加勢させてもらいます。▼~
:[エイル]|
ノア?~
あなたもこの戦場にいたのね。▼~
:[ノア]|
おれが突破口を開きます。~
あとに続いてください。▼~
:[エイル]|
申し出はありがたいけど~
この敵の数では…▼~
:[ノア]|
東の一角を見てください。~
鎧が新品で隊列もバラバラ。~
新兵ばかりのあそこを突きましょう。▼~
:[エイル]|
わかったわ。行きましょう。▼~
&br;''(暗転)''~
:[エイル]|
さっきは助かったわ。~
あなたの読みは…~
当たっていたようね。▼~
:[ノア]|
戦場で長く経験を積めば~
あれくらいは見えるようになります。▼~
それに、礼は必要ありません。~
戦うのがおれの…仕事ですから。▼~
:[エイル]|
あなたはきっと~
ここよりも過酷な戦場を…~
たくさん知っているのね?▼~
:[ノア]|
…そうですね。~
ヴァイス・ブレイヴの戦いは~
いくらかマシです。▼~
同じ傭兵同士が敵味方に分かれて~
戦うこともありませんから。▼~
:[エイル]|
……。~
あなたのいた世界では、違うの?▼~
:[ノア]|
おれのいたエレブ大陸では~
同じ傭兵団でも雇い主が違えば~
戦場で敵同士。▼~
さっきまで仲良く飯を食っていた戦友が~
明日は襲いかかってくるかもしれない。~
そんなことが日常茶飯事でした。▼~
:[エイル]|
それが傭兵の…生き方なのね。▼~
:[ノア]|
おれたちを雇っている~
貴族たちはよく言っていました。▼~
「イリアの傭兵は死を売って生きている」~
「血の匂いに群がり。~
死肉をあさるカラス」だと。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ノア]|
すいません。お疲れのところ~
つまらない話を聞かせてしまって…▼~
おれは武器の補充がありますので~
失礼します。▼~
:[エイル]|
死を売って生きる…~
死と隣り合わせで生き続ける人生。~
まるで、心が死んでいくような生き方…▼~
***A [#z5225210]
:[エイル]|
あなたが落とした、~
あの白紙の手紙は…▼~
:[ノア]|
あれは…~
遺書のようなものなのです。▼~
:[エイル]|
遺書…~
生者に向けて託す、最後の手紙…▼~
:[ノア]|
イリア傭兵騎士団には~
戦闘に参加しない天馬の伝令がいます。▼~
もし誰かが命を落としたら~
そいつの手紙を届けてくれるんです。▼~
家族や恋人…~
親しい友人や恩人たちに。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ノア]|
おれは…誰かに手紙を~
贈ろうとは思いません。▼~
手紙を読んだあと、そこに残るのは~
大切な人を失った悲しみだけ。▼~
おれは誰かにそういう~
思いをしてほしくないんです…▼~
:[エイル]|
だから手紙は白紙だったのね?▼~
それがあなたにとっての~
死との向き合い方…▼~
:[ノア]|
……▼~
:[エイル]|
死は逃れられないもの。~
すぐ間近にあるもの。▼~
死への覚悟を持ち続ける~
イリア傭兵騎士団の人たちも…~
それは同じことでしょうね。▼~
いつなんどき、死の魔手が~
その首を絞め上げるかわからない日々。▼~
あなたたちにとって~
手紙を持ち続けることは~
生きている証…。▼~
ある意味、手紙は~
魂のようなものなのでしょうね。▼~
:[ノア]|
そういう考え方をしたことは~
ありませんでしたが…~
似ているかもしれませんね。▼~
手紙が失われるとき~
命もまた失われる…▼~
***S [#v62238e9]
:[ノア]|
しかし、この手紙は~
もう無用の長物かもしれませんね。▼~
もしここで、おれが死んだとしても~
イリアの伝令が、この世界まで~
手紙を回収に来るとは思えませんし。▼~
:[エイル]|
心配しなくても…大丈夫よ。▼~
アルフォンス王子やシャロン王女~
アンナ隊長や~
エクラ…▼~
あなたが命を落とさずに済むよう~
皆が力を貸してくれるから。~
もちろん、この私も…▼~
:[ノア]|
エイル王女…▼~
:[エイル]|
この世界では…~
死を売って生きる必要はないわ。▼~
むしろ、自分以外の誰かの~
生をすくい上げるために~
あなたの力を使ってほしいの。▼~
:[ノア]|
命を育むための戦いですか。~
生きるために他者の命を奪ってきた~
おれに、その資格があるのでしょうか。▼~
:[エイル]|
あなたに助けてもらった命は~
あなたにその資格があるかどうかを~
問うことはないと思うわ。▼~
:[ノア]|
結果で示していけばいい…~
というわけですか。▼~
なるほど。それはひとつの~
傭兵の生き方に違いありませんね。▼~
アスク王国でのおれは~
血肉に群がるカラスではなく~
一人の英雄として戦う。▼~
アルフォンス王子たちが~
そうお望みならば…~
おれは仕事をやり遂げるまでです。▼~
:[エイル]|
アスク王国であなたから…~
その手紙が離れることのないことを~
祈っているわ。▼~
:[ノア]|
この手紙は白紙のまま~
元の世界に持ち帰ります。~
その先のことは考えません。▼~
一人の英雄として目の前の戦いに~
全力を尽くし、生き抜くことを…~
この胸に誓いましょう。▼~
*コメント [#qa1452dd]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*誰がための力 [#mabf4d45]
#contents
**誰がための力 [#z307ac23]
***オープニング [#qa13010e]
:[フィル]|
よしっ…!~
勝負あり、ですね!▼~
:[ノア]|
参った…~
フィルさん、また強くなったね。▼~
はじめて闘技場で~
手合わせをしたときに比べて~
その成長がよくわかる…▼~
:[フィル]|
ありがとうございます、ノアどの!~
見知らぬ異界にとまどいましたが~
顔見知りがいて助かりました。▼~
:[ノア]|
それはおれも同じだよ。~
サウル神父やドロシーたちも~
一緒だったのは心強い。▼~
:[フィル]|
それで…その…~
先ほどの手合わせなのですが。▼~
ノアどの、もしかして左足の様子が~
よくなかったのではありませんか?▼~
:[ノア]|
気づかれてしまったか…~
情けない話だけど~
戦場でくじいてしまってね。▼~
サウル神父に杖で癒してもらったが~
まだ本調子ではないようだ。▼~
:[フィル]|
そうだったんですね…。~
私はその弱点を攻めるようなことを…▼~
:[ノア]|
フィルさん?▼~
:[フィル]|
ノアどの、申し訳ありません!~
こんな卑怯な勝ち方は~
私たちの進むべき道ではありません!▼~
私は…強くなってなどいません。~
ただの未熟者です!▼~
:[ノア]|
フィルさん!?~
行ってしまった…▼
進むべき道か。~
考えすぎるあまり~
彼女の剣が曇らなければいいのだが…▼~
***C [#u384ac08]
:[サウル]|
おや、あれは?▼~
:[フィル]|
……▼~
:[サウル]|
やあ、フィルさん。~
どうかなさいましたか。▼~
:[フィル]|
神父さま…▼~
:[サウル]|
いつもの明るさに~
かげりが見えますね。~
なにかお悩みですか?▼~
:[フィル]|
え?~
よ、よくわかりましたね。▼~
:[サウル]|
聖女エリミーヌとこの私も~
麗しき花々が輝きをなくしてはいないか~
常日頃から見守っているのです。▼~
なにか悩みがありましたら~
遠慮なくお話しください。▼~
:[フィル]|
実は…その…▼~
私は…~
母のような剣士になりたくて~
剣を振り続けてきました。▼~
でも、伯父上は言いました。~
私が進むべき道は~
母と同じ道ではないと。~
:[サウル]|
ほう。あなたの伯父というと~
あの高名な…?▼~
:[フィル]|
はい。【剣聖】カレルです。~
強さと優しさを兼ね備えた~
私が最も尊敬する剣士です。▼~
伯父上は、こうも言いました。~
私が進むべき道は、伯父上の道とも違う。▼~
私が進むべき道は~
自身でこれから切り開く道だ、と。▼~
:[サウル]|
つまり、あなたが悩まれているのは~
その道のことでしょうか?▼~
:[フィル]|
はい…。~
先日、手合わせをした時、~
ノアどのは足を負傷していて…▼~
:[サウル]|
私が癒して差し上げた~
ノアさんの左足のことですね?▼~
:[フィル]|
相手の弱点を攻めるのは~
戦いの定石であるということは~
私にも理解できます。▼~
ですが、非常な戦い方をしてまで~
強くなる必要があるのか。▼~
弱点を攻めるような戦い方が~
私が進むべき道なのか。~
そのことが頭から離れられないのです。▼~
:[サウル]|
なるほど…。▼~
癒し手である私でも~
相手の弱点を突くのは~
勝つためには必要なことと思えます。▼~
ただ、それで良心が痛むなら~
神に許しを乞うてはいかがですか?▼~
もちろん、それ以外にも~
心を守る方法はいくらでもあります。~
よければもっと私が親身に相談を…▼~
:[ドロシー]|
あーっ! 神父さま!!~
まーた女の子にちょっかいかけて!▼~
:[サウル]|
ドロシー?~
違います、私は純粋に人助けを…▼~
:[ドロシー]|
フィルさんも困ってるじゃないですか!▼~
助けを必要とされている人は~
アスク王国にたくさんいるので~
そっちに行ってください!▼~
:[サウル]|
どうして弓に手をかけるのでしょう?~
わかった、わかりました!~
では、フィルさん。私は失礼しますよ!▼~
***B [#ced489ee]
:[ドロシー]|
まったく、神父さまときたら。~
目を離すと、いつもこうなんだから。▼~
:[フィル]|
あ、あのっ~
ドロシーさん、誤解なんです!▼~
神父さまには真剣に~
相談に乗っていただいていたというか…▼~
:[ドロシー]|
そ、そうだったんですか!?~
私の誤解だったんだ…▼~
でも、これは神父さまの~
日頃の行いのせいですから。~
&br;''(暗転)''~
:[ドロシー]|
…なるほど。~
お話はだいたいわかりました。▼~
真面目なんですね、フィルさんは。~
そんなことを気にするなんて。▼~
:[フィル]|
気にしすぎかもしれません。~
でも、私には卑怯な戦い方に思えて~
正々堂々とは言えない気がするのです。▼~
:[ドロシー]|
でも、それって剣士ならではの~
悩みかもしれませんね。▼~
だって、弓使いの私は~
敵に近寄られるとなにもできないけど~
空を飛ぶ敵にはめっぽう強いんです。▼~
常日頃から相手の弱点を突くような~
戦い方をしているせいか~
そんなふうに考えたことなかったです。▼~
:[フィル]|
自分が有利になる戦い方を~
心がけている、ということですね。▼
:[ドロシー]|~
そう! そんな感じです!~
それに先日の手合わせの話ですけど…▼~
ノアさんも左足の調子が悪いのを~
フィルさんに見抜かれることを~
承知で戦われていたと思います。▼~
フィルさんが弱点を突いて戦ったのは~
手合わせで全力を尽くした証。▼~
そのことはきっとノアさんにも~
伝わっているのではないでしょうか。▼~
:[フィル]|
つねに全力で剣を振ること。~
それも私の道かもしれない…▼~
ありがとうございます、ドロシーさん!~
私の進むべき道が~
見えたような気がします!▼~
***A [#ra41a593]
:[フィル]|
ノアどの!▼~
:[ノア]|
おや、フィルさん。~
ちょうどよかった。▼~
調子も戻ったし~
手合わせの相手が欲しいと~
思っていたところなんだ。▼~
:[フィル]|
そのことなのですが…先日の件、~
卑怯と思われたのなら謝ります。~
ですが、私は…▼~
:[ノア]|
卑怯だなんてとんでもない。~
気にする必要なんてありませんよ。▼~
戦場ではだれも手加減はしてくれない。~
こちらの不調を見逃すような~
お人好しはどこにもいないんだ。▼~
むしろ、あの状態でフィルさんと戦えて~
いい訓練になったよ。▼~
:[フィル]|
ノアどの…▼~
:[ノア]|
フィルさんが優しいのは知っている。~
だけど、戦いにその優しさを~
持ち込む必要はないよ。▼~
つねに本気で一生懸命に。~
自分を信じて剣の道を進めばいい。▼~
:[フィル]|
は、はいっ!~
ありがとうございます!~
その言葉、励みにします!▼~
さっそくですが、まずは一本~
お手合わせをよろしいでしょうか。▼~
:[ノア]|
ああ、こちらこそ~
よろしく頼むよ!▼~
&br;''(暗転)''~
:[ドロシー]|
ノアさんの調子、戻ったみたいですね。~
フィルさんも剣に気迫が乗って~
よい手合わせになってる気がします。▼~
:[サウル]|
信じる者は救われる。▼~
もっとも、なにを信じるかは~
それぞれの心の中にあるのです。~
それぞれの形でね。▼~
そして、神は~
そのような人間を~
信じておられるのです。▼~
:[ドロシー]|
フィルさんは、ご自分の目と心で~
信じる道を見つけられた…~
ということですか?▼~
:[サウル]|
そういうことですね。▼~
それでも悩みが尽きないときは~
この私が親身に~
相談に乗れはいいだけのこと。▼~
…ドロシー?~
どうして弓に手をかけるのです?▼~
:[ドロシー]|
しーんーぷーさーまー。~
また、いかがわしいことを~
考えているんじゃないですか?▼~
:[サウル]|
暴力はいけませんよ、ドロシー!~
しかも、神父に弓を向けるなど~
神は決して望んでは…▼~
:[ドロシー]|
そう思うなら~
エリミーヌ教が誤解されるような~
行動はつつしんでください!▼~
:[サウル]|
か、神よ!~
私が無事に逃げおおせる道も~
お示しください…▼~
**剣に生きる乙女 フィル [#mc6a5622]
***C [#c69002bc]
:[フィル]|
フィヨルム王女、お忙しいところ~
城を案内してくださり~
ありがとうございます!▼~
:[フィヨルム]|
気になさらないでください。~
私たちはこれからともに戦う~
仲間なのですから。▼~
召喚されたばかりで~
わからないこともあるかと思います。~
いつでも相談してくださいね。▼~
:[フィル]|
お気遣い、ありがとうございます!~
今後ともよろしくお願い…むむっ!?▼~
:[フィヨルム]|
ど、どうかなさいましたか?▼~
:[フィル]|
フィヨルム王女、聞こえませんか?~
何やら地響きのような音が…~
なにかがこちらに近づいています!▼~
:[フィヨルム]|
い、言われてみれば。~
地を揺るがすような音が~
こちらに迫っているような…▼~
:[バアトル]|
うおおおー、フィル!~
アスク王国への到着、歓迎するぞ!~
わが娘よぉぉぉーーー!▼~
:[フィル]|
ち、父上!?~
見切った…せやっ!▼~
:[バアトル]|
むぅっ!? この父の抱擁を~
こともなげにかわすとは!▼~
:[フィル]|
地響きの正体は~
父上の足音でしたか…▼~
それよりも…人前で~
抱きつこうとするのはやめてください!▼~
:[バアトル]|
わっはっは!~
恥ずかしがることではないではないか!▼~
それにしても今の身のこなし~
ずいぶんと腕を上げたようだな?~
まるで別人のようだったぞ!▼~
:[フィル]|
母上の背中を追って~
度に出たあの日から…。▼~
私はさまざまな人々と出会い~
多くのことを学びました。▼~
まだまだ未熟ではありますが~
以前の私とは違います。▼~
:[バアトル]|
おおおお…!~
あの…フィルが…幼かった娘が…~
こんなに立派になって! ずびぃ!▼~
:[フィル]|
ち、父上っ! そんなに~
仰々しく泣かないでください!~
フィヨルム王女が驚かれますよ!▼~
:[フィヨルム]|
父と娘が異界で再会、~
そこで知る娘の成長…~
感動的です…▼~
:[フィル]|
ええっ!?~
フィヨルム王女も~
まさかの父上寄り!▼~
:[バアトル]|
まあ、それはともかく~
再会できてうれしいぞ。我が娘よ。▼~
そういえば先ほど~
母の背中を追って~
旅に出たと言っていたが…▼~
:[フィル]|
は、はいっ! 母上の足跡を辿って~
母上を知る方とお会いしたり…▼~
私の剣の修行には~
常に母上の存在がありました。▼~
:[バアトル]|
そのことなのだが…~
この世界、アスク王国にはカアラ…~
お前の母も召喚されているのだ。▼~
:[フィル]|
……!?▼~
***B [#r0b38394]
:[フィル]|
…母上がアスク王国に?~
幼い頃に死に別れた母上が~
この世界にいらっしゃると?▼~
:[バアトル]|
うむっ、そのとおりだ。~
だが、この世界にいるカアラは~
お前のことは知らぬだろう。▼~
:[フィル]|
どういうことでしょうか?~
母上が…娘の私を知らないなんて!▼~
:[バアトル]|
無理もない。~
それには理由があるのだ。▼~
この世界にいるカアラは~
まだわしと一緒になる前の~
若い頃のカアラだからな。▼~
:[フィル]|
若い頃の…母上!?▼~
つまり、ここにいる母上は~
将来、父上と結ばれることも~
私を産むこともご存じないと?▼~
:[バアトル]|
うむ、アスク王国にいるカアラは~
まだお前の母ではない。▼~
わしもまだ混乱しているが~
つまりはそういうことなのだ。▼~
:[フィル]|
……▼~
:[バアトル]|
フィル…~
それでも母に会いたいか?▼~
:[フィル]|
は、はい…。~
母上はずっと私の憧れでした。▼~
ずっと母上のような~
強い剣士になりたかった。▼~
そして、叶わぬ願いとは思いながら~
もう一度会いたいと…▼~
:[フィヨルム]|
フィルさんが剣を手にする~
きっかけになられた方ですものね。~
その気持ち、わかります。▼~
:[バアトル]|
うむ…~
もしお前が望むのであれば~
会って話すがよい。▼~
だが、ここにいる母は~
お前を知らぬだろう。~
それでも良いか?▼~
:[フィル]|
もちろんです!~
もちろん…ですが…~
少しだけ考えさせてください…▼~
***A [#i0cc3b7e]
:[フィル]|
フィヨルム王女…~
お尋ねしてもよろしいですか?▼~
:[フィヨルム]|
私に答えられることでしたら~
なんでもお教えしますよ。▼~
:[フィル]|
ヴァイス・ブレイヴには私以外の私…~
フィルの名前を持つ~
剣士として生きた英雄がいるそうですね。▼~
:[フィヨルム]|
はい。同じ名前、姿をした英雄でも~
異界によって生き方は異なるそうです。▼~
:[フィル]|
つまり、この世界にいる母上は~
違う異界から来た可能性もあるのですよね?▼~
:[フィヨルム]|
そうですね。~
先日お会いしたバアトルさんも~
別の異界から来たのかもしれません。▼~
:[フィル]|
父上はどこの異界でも~
まったく変わらないと思います…▼~
:[フィヨルム]|
え、ええ、そうですよね。▼~
ですが、異界によって~
英雄が辿る運命が変わるというのは~
事実だと聞きました。▼~
:[フィル]|
だとすると、アスク王国にいる母上は~
父上を結ばれず、私の母にならない~
可能性もあるのですよね?▼~
この世界にいる母上の未来は~
まだ決まっていない、と…▼~
:[フィヨルム]|
…そ、そうですね。▼~
:[フィル]|
私、母上に会いたいです。~
会っていろんな話がしたいし~
いろんなことを教えてもらいたい。▼~
でも、私が娘だと名乗り出てしまえば~
母上の未来が変わってしまうかも…▼~
フィヨルム王女…~
私はやっぱり、母上と会わないほうが~
よいのでしょうか。▼~
:[フィヨルム]|
でしたら…~
素性を隠して一人の剣士として~
お会いしてみるのはいかがでしょうか?▼~
:[フィル]|
それは、剣士として母上と…~
手合わせするってことでしょうか?▼~
いえ、そうですね。~
…悪くないかもしれません。▼~
私はずっと母上から~
剣の手ほどきを受けられたら~
どれほどよいかと思っていたのです。▼~
:[フィヨルム]|
カアラさんとフィルさんは~
お二人とも優れた剣士です。▼~
ただ会って剣を交えるだけでも~
なにか伝わるのがあるのでは?▼~
:[フィル]|
フィヨルム王女、ありがとうございます!~
私の剣が母上にどこまで通用するのか~
試させてもらいます!▼~
***S [#fa72815f]
:[フィヨルム]|
カアラさんは森の奥で~
剣を振られているはず…~
あっ! いらっしゃいましたよ!▼~
:[フィル]|
……!?~
あれが若かりし頃の母上!~
なんと凛々しい…▼~
:[フィヨルム]|
あの、フィルさん。~
感激されるのはわかりますが…▼~
:[フィル]|
そ、そうでした!~
そこのお方! お頼み申します!▼~
:[カアラ]|
? 私に用か?~
フィヨルム王女と…~
はじめてみる顔だな。▼~
:[フィル]|
わたしはそのっ…~
な、名乗るほどの者では~
ございません!▼~
:[カアラ]|
そうか。~
その名無しが私になんの用だ?▼~
:[フィル]|
かの高名な【剣姫】カアラどのと~
お見受けしました!▼~
:[カアラ]|
自分でそう名乗った覚えはないが…~
いかにも私がカアラだ。▼~
:[フィル]|
どうかこの若輩者に~
一手ご指南いただきたい!▼~
:[カアラ]|
手合わせを望むというのか。~
だが、いいのか?~
今にも泣き出しそうではないか。▼~
:[フィル]|
ち、違います! これは…~
【剣姫】と手合わせできる~
感激の武者震いです!▼~
:[カアラ]|
心が乱れている。~
まずは深呼吸をしろ。~
そして、剣を握り直すがいい。▼~
:[フィル]|
すぅぅぅ…はぁぁっ…~
震えが…止まった…▼~
あ、ありがとうございます!~
私がこれまで積み上げてきた~
剣のすべてを出し切ります!▼~
:[カアラ]|
来るがいい。~
悔いがないようにな。~
&br;''(暗転)''~
:[フィル]|
はぁ、はぁ、はぁっ…~
ありがとうございました!▼~
:[カアラ]|
いい気迫だった。~
いくつも死地を潜り抜けてきたのだろう。~
剣から生き様が伝わってきた。▼~
:[フィル]|
はぁ、はぁっ…~
仲間に…恵まれていたのです。~
だから今日まで…生きてこられました。▼~
:[カアラ]|
…そうか。▼~
しかし不思議だ。~
はじめて手合わせをしたはずなのに~
なぜか懐かしさを感じた。▼~
:[フィル]|
……!?~
は、はは…う…くぅ…。▼~
いえっ、なんでもありません!~
今日はありがとうございました!▼~
&br;''(暗転)''~
:[フィヨルム]|
いい手合わせでしたね。~
見ている私も~
息を呑んでしまいました。▼~
:[フィル]|
剣を交えて、すぐにわかりました。~
私の剣は母上に遠く及びません。▼~
そのことを教えてくれただけでも~
会った甲斐がありました。~
ありがとうございます、フィヨルム王女。▼~
:[フィヨルム]|
お力になれたのなら幸いです。▼~
:[フィル]|
私、もっともっと強くなりたいです。~
この世界にいる間にもっと成長して~
その姿を…母上に見てほしい。▼~
:[フィヨルム]|
期待していますよ、フィルさん。~
私も力添えさせてもらいますから。▼~
:[フィル]|
私は強くなります!~
この剣ですべての困難を~
乗り越えていけるように。▼~
あの日、抱いた憧れを~
この剣で実現してみせますから!▼~
**野にある聖者 サウル [#n41708be]
***C [#w8f922e5]
:[サウル]|
あなたのように可愛らしい人と~
引き合わせてくださるとは…~
おお、神よ。感謝します。▼~
:[レギン]|
神様? ニザヴェリルは~
魔道科学が発達しているから~
神様にはあんまり頼らないの。▼~
:[サウル]|
そうなのですか?~
ならば、これを機会に~
エリミーヌ教に触れてみては?▼~
祈りを捧げればすぐ願いが叶うと~
奥様方にも大評判…~
それがエリミーヌ教です。▼~
:[レギン]|
えーっと…~
なんだかよくわからないの。~
間に合ってますなのー!▼~
:[サウル]|
お待ちください、麗しの姫!~
ふむ、不思議な鉄の馬に乗って~
全力で立ち去られましたね。▼~
:[アサマ]|
逃げられてしまいましたねえ。~
心中お察しいたします。▼~
:[サウル]|
これはお恥ずかしいところを。~
今日は運気がよくないようです。▼~
:[アサマ]|
いやいや、なかなかどうして~
面白いものを見せていただきました。▼~
神の名の下に~
女性の関心を引こうとは…~
実に肝が据わられたお方だ。▼~
:[サウル]|
それは…~
褒めているわけではありませんよねえ。~
失礼ですが、あなたは?▼~
:[アサマ]|
修験者のアサマと言います。~
神仏に仕えるという意味では~
同じような立場でしょうか。▼~
まあ、私は神仏などという~
胡散臭いものは信用していませんけど。▼~
実は。ちょうどあなたを~
探していたところだったんです。▼~
:[サウル]|
私…ですか? ふむ。▼~
***B [#ub8e8826]
:[サウル]|
私を探していたと?~
さて、どのような要件でしょうか。▼~
:[アサマ]|
城内のいたるところに~
貼ってあるこの紙。~
あなたが貼られたものですよね?▼~
『どんなケガでも安心!~
エリミーヌ教を信じれば~
神の御業でたちどころに快癒!』▼~
『今なら格安で入信できます!~
エリミーヌ教神父、サウルまで』▼~
:[サウル]|
たしかに私が貼ったものですね。~
なるほど、これを見たと…▼~
あなたもヨーデルさまのように~
お説教をなさるおつもりですか?▼~
:[アサマ]|
誰ですか、それ?~
しかし、エリミーヌ様とやらは~
すごいですねえ。▼~
傷薬のように神の恩恵にあずかれるのなら~
入信するのも悪くないと考えまして。~
どうせなら楽に人を治したいですし。▼~
:[サウル]|
ふむ、そういうことでしたか。~
しかし、ひとつ大きな問題があります。▼~
私は男性に教えを~
説くつもりはないんですよ。▼~
:[アサマ]|
……▼~
:[サウル]|
私が受け持つ信徒は女性のみです。~
そのような星の下に生まれたゆえ~
仕方がないのです。では失礼。▼~
:[アサマ]|
いやいやいや。目の前にいる~
迷える者を見捨てるのですか、神父様。▼~
:[サウル]|
迷える者と言うか…~
あなたからは邪気に似た気配を~
感じるのですが?▼~
そういえば異界には性別が異なる英雄も~
いらっしゃると聞きます。▼~
女性のアサマどのが希望されるなら~
あらためて入信を考えましょう。~
というわけで、わたしはそろそろ…▼~
:[アサマ]|
私が男性であったとしても~
信徒が増えることは~
喜ばしいことでは?▼~
まさか自分の都合で~
信徒を&ruby(え){選};り好みされるとは…▼~
もしかして、あなたは~
神父でありながら~
神を信じておられぬのではありませんか?▼~
***A [#yedb8f97]
:[サウル]|
なんと言われようと、私は神父です。~
神を信じていないなど~
そのようなことはありませんよ。▼~
聖女エリミーヌのもたらす光によって~
人々は笑い、未来への希望を持つのです。▼~
:[アサマ]|
でしたら、私もその輪に~
加えてくれればいいんですよ。▼~
:[サウル]|
かつて、聖女エリミーヌは~
このようにおっしゃられました。▼~
神の意のままに動く人間は~
意思なき人形と変わりません、と。▼~
よい言葉です。~
私はこの言葉に~
大きな感銘を受けました。▼~
:[アサマ]|
だから自分の欲望の赴くまま~
女性信徒ばかりを増やしている、と。~
なんとも物は言いようですねえ。▼~
:[サウル]|
あなたこそ神仏の徒でありながら~
気やすく&ruby(しゅうしが){宗旨替};えを望むとは~
信心に欠けるのではないですか?▼~
:[アサマ]|
私は神社の子に生まれたから~
そのまま僧侶になっただけですよ。~
神仏を信じているわけではありません。▼~
:[サウル]|
笑顔で言い切りましたね。▼~
:[アサマ]|
それに、信仰の深さはどうあれ~
知識があれば人々に教えは説けます。▼~
説法をしていると、私を見る~
人々の目が次第に輝いていくんですよ。▼~
そうやって人心を掌握することは~
実に愉快です。心が高揚しますねえ。▼~
:[サウル]|
なんと恐れ多いことを…~
アサマどのは一番神職に~
就いてはいけない方では?▼~
:[アサマ]|
それはお互い様というもの。~
で、どうですか?▼~
私もエリミーヌ教とやらに入信して~
楽して人を癒せそうですかね?▼~
:[サウル]|
それは…▼~
:[マリナス]|
おおっ、癒しの力を持つお二人が~
ちょうどよいところに!▼~
:[サウル]|
マリナスどの?~
どうなされました、血相を変えて。▼~
:[マリナス]|
西の山のふもとにある村が盗賊に襲われて~
ケガ人が出ているようなのですじゃ!▼~
今から馬車で向かうところでして~
お二人も手を貸してはくださらんか?▼~
:[サウル]|
一刻を争うようですね。~
私でよろしければ手を貸しましょう。▼~
:[アサマ]|
私も同行しましょう。~
すぐに馬車を出してもらえますか?▼~
:[マリナス]|
ありがたいですじゃ!~
それでは、すぐに出発しますぞ!▼~
***S [#xbf5289d]
:[サウル]|
さあ、これでもう大丈夫です。~
あとはしばらく安静にしてください。▼~
次の方…ああ、これは痛かったでしょう?~
聖女エリミーヌの御業にて~
すぐに癒して差し上げましょう。▼~
…これで一段落ですね。~
アサマどの、そちらはいかがですか?▼~
:[カムイ]|
……?~
俺はマリナスさんの護衛のカムイだ。~
坊さんなら向こうへ行ったぞ。▼~
:[サウル]|
おっと、これは失礼。~
アサマどのに似ていたので…▼~
…男性の顔に興味がないので~
うっかり間違えたとは言えませんね…▼~
&br;''(暗転)''~
:[サウル]|
アサマどの、こちらでしたか。▼~
:[アサマ]|
お疲れさまでした、神父様。~
まあ、お疲れさまと言ってほしいのは~
私のほうですけどね。▼~
:[サウル]|
はは、お疲れさまでした。▼~
:[アサマ]|
サウル神父の癒しの力、驚きました。▼~
あれだけのケガ人を手際よく~
次から次へと治療されるとは。▼~
神をないがしろにしていても~
加護は受けられるものなのですねえ。▼~
:[サウル]|
ないがしろになんてしていませんよ。~
前にも言ったでしょう。▼~
神の意のままに動く人間は~
意思なき人形と変わりません。▼~
私は私なりの考えで神に接しているだけで~
ちゃんと敬っておりますよ。▼~
:[アサマ]|
物は言いよう、というわけですか。▼~
:[サウル]|
あなたこそ破戒僧でありながら~
神仏の加護を正しく~
享受されているようですね。▼~
あなたの癒しの力を受けた方たちは~
笑顔で目を輝かせていましたよ。~
それこそ、仏様を見るような顔でね。▼~
:[アサマ]|
神仏がいようがいまいが~
目の前の問題を片付けるのは~
我々人間の仕事です。▼~
神仏の教えで~
人々を安心させられるのなら~
遠慮なく使わせてもらうだけですよ。▼~
:[サウル]|
人々の心を安心させる手段があるなら~
それを利用しない手はない、と。▼~
私も同じ考えで聖女エリミーヌの~
お力をお借りしているだけです。~
まあ、ご婦人相手に限った話ですが…▼~
:[アサマ]|
やれやれ。私を聖女エリミーヌの~
信徒にしてくれるつもりはなさそうですね。~
あと、私を破戒僧と呼びましたが…▼~
信心の深さはさておき~
戒律を破るわけではありませんので~
そこはお間違えなきよう。▼~
:[サウル]|
おっと、これは失礼。▼~
そういえばあなたは~
白夜王国の第一王女に~
仕えているそうじゃないですか。▼~
:[アサマ]|
ええ、なりゆきで~
引き入られただけですけどね。▼~
:[サウル]|
いい機会です。ぜひ王女様にも~
聖女エリミーヌの素晴らしさを~
知って頂きたいのですが…▼~
アサマどの、お茶の席を設けるよう~
取り計らっていただけないでしょうか?▼~
:[アサマ]|
神の意のままに動く人間は~
意思なき人形と変わらないと~
仰ってましたけど…▼~
あなたはもう少し~
聖女エリミーヌの意もくんで~
動いたほうがいいと思いますよ?▼~
**心美しき弓使い ドロシー [#lc43cd28]
***C [#g8cb37fd]
:[ドロシー]|
アスク王国にいる異界の英雄は~
みんな素敵な人たちばかり。~
はぁ、私は…▼~
:[ヴィオール]|
おお! 野に咲く可憐な花よ。~
憂いを帯びたその横顔も実に魅力的だ。▼~
ぜひ私の庭園に~
その彩りを添えてみないかね?~
貴族的に、たおやかにね。▼~
:[ドロシー]|
……▼~
:[ヴィオール]|
むう。どうやら彼女の耳には~
私の囁きが届いていないようだ。▼~
:[ドロシー]|
え、ええっ!?~
今、私に話しかけてたんですか?~
ごめんなさい、てっきり独り言かと。▼~
:[ヴィオール]|
おお、一拍遅れて届いたのか?~
そのとおり。野に咲く美しい花を見て~
貴族的に挨拶させてもらったのさ。▼~
:[ドロシー]|
美しい…花? 私が?~
それってどういう意味ですか?▼~
:[ヴィオール]|
少し驚かせてしまったかな。~
無論、君を花に例えたまでさ。~
伝わりにくかったかね?▼~
:[ドロシー]|
いえ、褒めてくれたのはわかりますけど。~
ヴァイス・ブレイヴには綺麗な人が~
たくさんいるのにおかしいなって。▼~
:[ヴィオール]|
素直に思ったことを述べたまでだよ。~
しかし、君は自分が放つ輝きを~
もっと誇ってもよいのでは?▼~
:[ドロシー]|
もしかして…~
私を褒め殺して高価なものでも~
売りつけようとしています?▼~
:[ヴィオール]|
そ、そのようなことは断じてない!~
私はただ君の魅力を…▼~
:[セルジュ]|
はーい、そこまでにしましょうね。~
ヴィオールさん!▼~
:[ヴィオール]|
セ、セルジュくんか。違うのだよ、これは…~
私はただ貴族的に礼節を持って~
異界の英雄と親交をとだね…▼~
:[セルジュ]|
だれかれ構わず迷惑をかけるつもりなら~
ミネルヴァちゃんに嚙みつかせますわよ?▼~
:[ヴィオール]|
う、うむ。満面の笑みで恐ろしい~
物言いをするのは遠慮してほしいね。▼~
仕方ない。今日は失礼するとしよう。~
ではまた、可憐に野に咲く花よ。▼~
:[セルジュ]|
はいはい、行きますよ。~
それでは失礼しますね。▼~
:[ドロシー]|
あ、はい、どうも…▼~
:[ヴィオール]|
首根っこを強く引っぱるのは~
やめてくれたまえ、セルジュくん!~
もう少し優しく…ぐえっ!?▼~
:[ドロシー]|
行っちゃった…~
変な人たちだったな。▼~
***B [#zf633a4b]
:[ドロシー]|
こないだの人…~
セルジュさんって言ったっけ。~
素敵な人だったなあ。▼~
あの人、ヴィオールとかいう人に~
お仕えする従者なのかな。~
お話してみたいなあ。▼~
:[セルジュ]|
よかった、やっと見つけたわ。▼~
:[ドロシー]|
あっ! セ、セルジュさん!?~
もう会えちゃった?▼~
:[セルジュ]|
先日、ヴィオールさんが迷惑をかけたこと~
きちんと謝っておきたくて。~
本当にごめんなさいね。▼~
:[ドロシー]|
そ、そんな、大丈夫ですよ!~
別に気にしてませんから…。▼~
:[セルジュ]|
ありがとう。~
そう言ってもらえると助かるわ。~
私はセルジュ。▼~
:[ドロシー]|
私はエリミーヌ教団のドロシーです。~
セルジュさんとお話ししたかったから~
会えてうれしいです。▼~
:[セルジュ]|
それは奇遇ね。~
聞きたいことでもあったのかしら?▼~
:[ドロシー]|
その…~
セルジュさんのご主人様も~
女の子にちょっかい出す人なのかなって。▼~
:[セルジュ]|
よくわかったわね。~
もしかして、あなたも?▼~
:[ドロシー]|
そうなんです!~
エリミーヌ教の神父さま、サウルさんの~
護衛を任されているんですけど…▼~
神父さまは目を離すと~
すぐに女の子をお茶に誘ってしまって~
本当に困ってるんです!▼~
:[セルジュ]|
そうそう、目を離せないのよねえ。~
気を抜くと女性に吸い寄せられるから~
方々に迷惑をかけっぱなしで…▼~
:[ドロシー]|
本当! 気が休まる暇もなくて!▼~
:[セルジュ]|
うふふっ。私たち~
お互い似たような立場みたいね。▼~
:[ドロシー]|
そうみたいですね。~
ふふっ、ヴァイス・ブレイヴで~
悩みを話せる人が出来てよかったです!▼~
***A [#a686f97b]
:[ドロシー]|
セルジュさんとお買い物、~
ご一緒できてうれしいです!▼~
:[セルジュ]|
ううん。買い出しなんかに~
付き合わせちゃってごめんなさいね。▼~
:[ドロシー]|
…こうして二人で歩くと~
みんなセルジュさんを見てるなあ…▼~
…セルジュさん、華があって~
とっても素敵だもの…▼~
:[セルジュ]|
ドロシー、どうかしたのかしら?▼~
:[ドロシー]|
えっ! 私って二人でいると~
セルジュさんの従者みたいだなぁって。▼~
:[セルジュ]|
そんなことはないと思うけど…▼~
:[ドロシー]|
ううん。セルジュさんは~
歩いているだけで絵になるし~
私って見てのとおり、地味だから…▼~
:[セルジュ]|
おかしなことを言うのね。~
だってあなたは、英雄として認められ~
アスク王国に召喚されたわけでしょう?▼~
そんな人生を送っている人が~
地味なんてことあるのかしら。▼~
:[ドロシー]|
そ、そうでしょうか?▼~
:[セルジュ]|
世が世ならドロシーの英雄譚が~
描かれたっておかしくはないわ。▼~
それくらい、あなたは~
輝かしい人生を歩んでいると思うの。▼~
:[ドロシー]|
セルジュさん、優しいから~
そう言って私を元気づけようと…▼~
:[セルジュ]|
ふふ、私はお世辞なんか言わないわよ。▼~
あなたの弓の腕前は素晴らしいし~
努力を怠ることもない。~
英雄として誰もが認める存在よ。▼~
胸を張って生きれば~
あなたの輝きはもっともっと増すはずだわ。▼~
:[ドロシー]|
な、なんだか元気が出てきました。~
ありがとうございます、セルジュさん!▼~
ちょっと照れくさいですけど~
気持ちが楽になった気がします。▼~
***S [#t87658f0]
:[ヴィオール]|
セルジュくん。~
君はいつも後ろをついてくるね。~
それは別に構わないのだが。▼~
まるで監視されているみたいで~
落ち着かない…というのが~
正直な気持ちだよ。▼~
:[セルジュ]|
まるでではなく、監視してるんです。~
目を離すと、すぐにフラフラと~
女性に声を掛けはじめますからね。▼~
:[ヴィオール]|
うーん、君はもう少し~
私を信用すべきだと思うよ。~
おや? あのお嬢さんは…▼~
:[ドロシー]|
ふんふん~♪▼~
:[セルジュ]|
ドロシーじゃないですか。▼~
:[ヴィオール]|
ほう。買い物中のようだが~
ずいぶんと楽しそうな様子ではないか。~
この前とは、まるで別人だ。▼~
:[セルジュ]|
そうですね。店主やお客さんとも~
気さくにお話ししているみたいです。~
ふふっ、素敵な笑顔ですね。▼~
:[ヴィオール]|
どうだい?~
私の見立てに間違いなかっただろう。▼~
野に咲く花には、野に咲く花の魅力がある。~
どうやら彼女も気が付いたみたいだね。~
いつか満開の花になった頃には…▼~
:[セルジュ]|
それ以上、口を滑らせないほうがいいかと。~
でないと、ミネルヴァちゃんを~
噛みつかせることになりますので。▼~
:[ヴィオール]|
う、うむ、肝に銘じておこう…▼~
:[セルジュ]|
ふふ、頑張ってねドロシー。~
あなたのその輝きがこれからも~
進むべき道を照らしてくれるはずよ。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ドロシー]|
くしゅん!▼~
んー、どうしたんだろう?~
誰かが私のこと、噂してるのかな。▼~
あっ! もしかしたら~
神父さまがまた悪さをしているのかも。▼~
こうしちゃいられない!~
エリミーヌ教の評判が落ちないよう~
私が頑張らなきゃ!▼~
**流浪の傭兵騎士 ノア [#t6efc648]
***C [#ecd225a3]
:[ノア]|
ちょっとお尋ねしたい。~
城の武器庫はこの先だろうか?▼~
:[エイル]|
ええ。廊下の突当りを右に行けば~
衛兵が立っているわ。▼~
:[ノア]|
この国に来て日が浅く~
まだ不慣れなゆえ…~
では、失礼します。▼~
:[エイル]|
あら、これは落とし物…?~
あなたのものでは?▼~
:[ノア]|
……!~
確かにおれのです。~
ありがとうございます。▼~
申し遅れました。~
イリア傭兵騎士団のノアと言います。▼~
:[エイル]|
私はエイル。死の国…~
いえ、生の国ユーミルの王女よ。▼~
:[ノア]|
エイル王女。~
非礼の数々、どうかご容赦を。▼~
:[エイル]|
気にすることはないわ。~
私たちは…ヴァイス・ブレイヴで~
ともに戦う仲間なのだから。▼~
:[ノア]|
恐れ入ります。~
おれはこの異界に来る前は~
リキア同盟軍に&ruby(くみ){与};して戦っておりました。▼~
:[エイル]|
リキア同盟軍…~
ロイやリリーナがいたところね。~
ところで、あなたが落としたものは?▼~
:[ノア]|
ああ、これは手紙です。~
もっとも、なにも書かれていない~
白紙ですが。▼~
:[エイル]|
白紙の…手紙。~
中身はこれから書かれるのね。▼~
:[ノア]|
……▼~
その予定はありません。~
今のところ、手紙を出すような~
相手もいませんし…▼~
これからも、そんな相手は~
いないほうがいいと思います。▼~
では、失礼します。▼~
:[エイル]|
……。~
出す相手もいない、~
白紙の手紙…?▼~
***B [#m4e8492a]
:[エイル]|
敵の数が多いわね。~
このままでは…▼~
:[ノア]|
エイル王女!~
加勢させてもらいます。▼~
:[エイル]|
ノア?~
あなたもこの戦場にいたのね。▼~
:[ノア]|
おれが突破口を開きます。~
あとに続いてください。▼~
:[エイル]|
申し出はありがたいけど~
この敵の数では…▼~
:[ノア]|
東の一角を見てください。~
鎧が新品で隊列もバラバラ。~
新兵ばかりのあそこを突きましょう。▼~
:[エイル]|
わかったわ。行きましょう。▼~
&br;''(暗転)''~
:[エイル]|
さっきは助かったわ。~
あなたの読みは…~
当たっていたようね。▼~
:[ノア]|
戦場で長く経験を積めば~
あれくらいは見えるようになります。▼~
それに、礼は必要ありません。~
戦うのがおれの…仕事ですから。▼~
:[エイル]|
あなたはきっと~
ここよりも過酷な戦場を…~
たくさん知っているのね?▼~
:[ノア]|
…そうですね。~
ヴァイス・ブレイヴの戦いは~
いくらかマシです。▼~
同じ傭兵同士が敵味方に分かれて~
戦うこともありませんから。▼~
:[エイル]|
……。~
あなたのいた世界では、違うの?▼~
:[ノア]|
おれのいたエレブ大陸では~
同じ傭兵団でも雇い主が違えば~
戦場で敵同士。▼~
さっきまで仲良く飯を食っていた戦友が~
明日は襲いかかってくるかもしれない。~
そんなことが日常茶飯事でした。▼~
:[エイル]|
それが傭兵の…生き方なのね。▼~
:[ノア]|
おれたちを雇っている~
貴族たちはよく言っていました。▼~
「イリアの傭兵は死を売って生きている」~
「血の匂いに群がり。~
死肉をあさるカラス」だと。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ノア]|
すいません。お疲れのところ~
つまらない話を聞かせてしまって…▼~
おれは武器の補充がありますので~
失礼します。▼~
:[エイル]|
死を売って生きる…~
死と隣り合わせで生き続ける人生。~
まるで、心が死んでいくような生き方…▼~
***A [#z5225210]
:[エイル]|
あなたが落とした、~
あの白紙の手紙は…▼~
:[ノア]|
あれは…~
遺書のようなものなのです。▼~
:[エイル]|
遺書…~
生者に向けて託す、最後の手紙…▼~
:[ノア]|
イリア傭兵騎士団には~
戦闘に参加しない天馬の伝令がいます。▼~
もし誰かが命を落としたら~
そいつの手紙を届けてくれるんです。▼~
家族や恋人…~
親しい友人や恩人たちに。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ノア]|
おれは…誰かに手紙を~
贈ろうとは思いません。▼~
手紙を読んだあと、そこに残るのは~
大切な人を失った悲しみだけ。▼~
おれは誰かにそういう~
思いをしてほしくないんです…▼~
:[エイル]|
だから手紙は白紙だったのね?▼~
それがあなたにとっての~
死との向き合い方…▼~
:[ノア]|
……▼~
:[エイル]|
死は逃れられないもの。~
すぐ間近にあるもの。▼~
死への覚悟を持ち続ける~
イリア傭兵騎士団の人たちも…~
それは同じことでしょうね。▼~
いつなんどき、死の魔手が~
その首を絞め上げるかわからない日々。▼~
あなたたちにとって~
手紙を持ち続けることは~
生きている証…。▼~
ある意味、手紙は~
魂のようなものなのでしょうね。▼~
:[ノア]|
そういう考え方をしたことは~
ありませんでしたが…~
似ているかもしれませんね。▼~
手紙が失われるとき~
命もまた失われる…▼~
***S [#v62238e9]
:[ノア]|
しかし、この手紙は~
もう無用の長物かもしれませんね。▼~
もしここで、おれが死んだとしても~
イリアの伝令が、この世界まで~
手紙を回収に来るとは思えませんし。▼~
:[エイル]|
心配しなくても…大丈夫よ。▼~
アルフォンス王子やシャロン王女~
アンナ隊長や~
エクラ…▼~
あなたが命を落とさずに済むよう~
皆が力を貸してくれるから。~
もちろん、この私も…▼~
:[ノア]|
エイル王女…▼~
:[エイル]|
この世界では…~
死を売って生きる必要はないわ。▼~
むしろ、自分以外の誰かの~
生をすくい上げるために~
あなたの力を使ってほしいの。▼~
:[ノア]|
命を育むための戦いですか。~
生きるために他者の命を奪ってきた~
おれに、その資格があるのでしょうか。▼~
:[エイル]|
あなたに助けてもらった命は~
あなたにその資格があるかどうかを~
問うことはないと思うわ。▼~
:[ノア]|
結果で示していけばいい…~
というわけですか。▼~
なるほど。それはひとつの~
傭兵の生き方に違いありませんね。▼~
アスク王国でのおれは~
血肉に群がるカラスではなく~
一人の英雄として戦う。▼~
アルフォンス王子たちが~
そうお望みならば…~
おれは仕事をやり遂げるまでです。▼~
:[エイル]|
アスク王国であなたから…~
その手紙が離れることのないことを~
祈っているわ。▼~
:[ノア]|
この手紙は白紙のまま~
元の世界に持ち帰ります。~
その先のことは考えません。▼~
一人の英雄として目の前の戦いに~
全力を尽くし、生き抜くことを…~
この胸に誓いましょう。▼~
*コメント [#qa1452dd]
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