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章別会話/終末に繋がる門
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[[章別会話]]
*終末に繋がる門 [#ny9079la]
#contents
**終末に繋がる門 [#xvs56kem]
***オープニング [#zdrj57hn]
:[セイズ]|
アルフォンス王子、~
ネルトゥス様をお連れしました。▼~
:[ネルトゥス]|
久しぶりね、~
かわいい人の子たち。~
元気そうで嬉しいわ。▼~
:[アルフォンス]|
アスク王国までご足労いただき~
ありがとうございます、ネルトゥス様。~
それで僕たちに伝えたいこととは?▼~
:[ネルトゥス]|
感じたの。~
邪な意思が~
アスク王国を狙っているのを。▼~
異界から何者かが~
アスク王国にやってくるわ。~
そう遠くない未来にね。▼~
:[アルフォンス]|
……!?~
アスク王国に害なす者が~
異界から現れると?▼~
:[セイズ]|
ネルトゥス様は地を司る女神…~
ミズガルズの大地に生きる人の子たちに~
迫る危険を予知されたのでしょう。▼~
:[シャロン]|
はぁっ、はぁっ…!~
お兄様、大変ですっ!▼~
国境付近に現れた何者かが~
街を焼き払っているとの知らせが!▼~
:(暗転)|
:[ヴェイル]|
ふふ…世界が変わっても、~
街が燃えるさまを見るのは~
楽しいものですね。▼~
弱き人間たちよ。~
死にたくなければ逃げなさい。~
そして、特務機関とやらに伝えるのです。▼~
これ以上、街を焼かれたくないなら~
この世界にある【紋章士】の力を~
私たちにすべて渡すように、と。▼~
:[ルミエル]|
リュール…ああ…~
この世界にも~
あなたの存在を感じるわ…▼~
どこにいるの…~
私とあなたを引き裂くものは…~
誰であろうと…許しはしない…!▼~
:[ヴェイル]|
…この世界に来ても、あなたの目には~
リュールしか映らないようですね。▼~
まあいいでしょう。~
お父様…邪竜ソンブルより賜った~
魔器の力で、存分に暴れなさい。▼~
:(暗転)|
:[アルフォンス]|
見えた!~
街が燃えている。急ごう!▼~
:[アンナ]|
街の向こうに蜃気楼のような~
大きな門も見えるわね。▼~
敵はあの門から…?▼~
:[セイズ]|
はい。~
何者かはわかりませんが…▼~
:[アンナ]|
焼け出された人々が大勢いるみたい。~
急いで助けに向かいましょう!▼~
:[ウルスラ]|
…そうはさせないわ。▼~
:(赤く光る)|
:[アンナ]|
誰!?~
いつの間に後ろにっ…!▼~
:[シャロン]|
アンナ隊長!▼~
:[アンナ]|
なに…を…~
身体が…うごかな…。▼~
:[ウルスラ]|
特務機関ヴァイス・ブレイヴ~
隊長のアンナ…~
私と一緒に来てもらうわ。▼~
:[アルフォンス]|
待て、何者だ!~
アンナ隊長を離せ!▼~
:[シャロン]|
き、消えちゃいました?~
アンナ隊長が…~
さらわれちゃったんですか!?▼~
ア、アンナ隊長ーっ!▼~
***C [#setw7wm8]
:[ウルスラ]|
ただいま戻りました、ネルガル様。▼~
:[ネルガル]|
来たか。~
ふむ、首尾は上々のようだな。▼~
:[アンナ]|
う…んん…。▼~
:[ヴェイル]|
何者なのです、その女は?▼~
エレオス大陸でも~
よく似た人物が、神竜とともに~
戦っていたような気がしますが。▼~
:[ネルガル]|
そやつはアスク王国特務機関~
ヴァイス・ブレイヴの柱。▼~
この世界で我らの計画を~
滞りなく進めるために~
邪魔な存在よ。▼~
:[ヴェイル]|
【エーギル】でしたか。~
あなたたちが求めるのは?▼~
:[ネルガル]|
【エーギル】は人間が持つ生命力。~
生きる意思の力。▼~
私の手足となるモルフを~
大量に生み出すには~
必要不可欠な力よ。▼~
このアンナという女も~
モルフに仕上げ~
我らのために働いてもらうか。▼~
:[アンナ]|
く…うう…っ。▼~
:[ヴェイル]|
あなたたちが、【竜の門】の~
力を捻じ曲げ、アスク王国へ~
強引に侵入を果たしたことで…。▼~
私たちもエレオス大陸の異界の門から~
アスク王国への道が開けました。~
その点については感謝しましょう。▼~
ですが…~
私たちの邪魔をするつもりなら~
相応の報いを覚悟してくださいね。▼~
:[ネルガル]|
……。▼~
:[ヴェイル]|
私が求めているのは、~
この世界に召喚されている【紋章士】の力、~
そしてそれを宿す指輪のみ。▼~
あなたたちが人間をどれだけ~
殺めようが、興味はありません。~
せいぜい世界を蹂躙してください。▼~
:[ウルスラ]|
それはこちらとて同じ。▼~
あなた方、エレオス大陸からの来訪者が~
アスク王国に混乱をもたらせば~
私たちの計画は円滑に進むのですから。▼~
:[ヴェイル]|
いいでしょう。~
互いに干渉せず、利用し合うだけの~
共闘関係といきましょう。▼~
:[ネルガル]|
しかし、いいのか?~
門の外で暴れている~
あの竜を放っておいても。▼~
:[ヴェイル]|
ルミエルのことなら、問題ありません。▼~
かつては聖地を統べる神竜王でしたが、~
今は邪竜の力で蘇った異形の兵。~
正気を失った哀れな存在です。▼~
我が子に会うことだけを求めて、~
目に映るものすべてを~
破壊してくれるでしょう。▼~
:[ネルガル]|
我が子を求めて…か。▼~
くだらんな。~
ウルスラ、さらってきた女は~
すぐにモルフに変える。▼~
:[ウルスラ]|
はい、仰せのままに。~
すぐに手筈を整えます。▼~
***B [#dt79okem]
:[シャロン]|
お兄様、街の人々の~
避難は終わりました!▼~
:[アルフォンス]|
よし、さらわれた~
アンナ隊長を取り戻す。~
急ごう!▼~
:[セイズ]|
はい。~
あの蜃気楼のような巨大な門…~
おそらくあそこにいるはずです。▼~
:[ヴェイル]|
そこまでですよ。▼~
さあ、此方に渡してください。~
この世界に召喚された紋章士の力…~
それが宿る指輪もすべて。▼~
:[アルフォンス]|
君は…ヴェイル!?~
街を焼いたのも~
君の仕業なのか!▼~
:[ヴェイル]|
そうだと言ったら、~
指輪を渡してくれるのですか?▼~
従わないのであれば、~
あなたたちを葬るのみです。~
…さあルミエル、出番ですよ。▼~
:[ルミエル]|
リュール…~
ああ…どこにいるの…▼~
あなたたちのせいで、~
私とあの子は会えないのね…?~
あなたたちがリュールを隠したのね?▼~
私とあの子を引き裂くものは…~
誰であろうと許さないわ。~
すべて…消し去ってあげる!▼~
:[シャロン]|
来ます!~
気をつけてください、お兄様…!▼~
:[アルフォンス]|
!? この力は…?▼~
神竜であるはずのルミエル様が~
どうしてこのような禍々しい力を!▼~
:[セイズ]|
姿形は似ていても~
魂のあり方はまったく違います…~
まるで、別の存在のように…▼~
:[シャロン]|
こ、これじゃ門に近づけません!~
アンナ隊長を~
助けなきゃいけないのに!▼~
:[ヴェイル]|
あはは! 私たちの敵ではありませんね!~
己の無力さを悔やみながら…~
絶望のまま死になさい!▼~
:[ヴェロニカ]|
…待って。▼~
:[ヴェイル]|
…何者ですか?▼~
:[アルフォンス]|
ヴェロニカ皇女!▼~
:[ヴェイル]|
ヴェロニカ…?~
何人来ようが無駄です。~
まとめて踏み躙ってあげますよ。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:(暗転)|
:[アンナ]|
【竜の門】? その遺跡を使って~
エレブ大陸からアスク王国に~
強引に侵入したというの!?▼~
:[ネルガル]|
アスク王国…ここには~
あらゆる異界から英雄たちが~
集まってきている。▼~
さぞかし良質な【エーギル】が~
手に入ることだろう。▼~
:[アンナ]|
くっ!~
そんなことさせるものですか!▼~
:[ウルスラ]|
囚われの身で~
なにを言っているの?▼~
あなたはこれからネルガル様に~
モルフに変えられるのよ。▼~
そして未来永劫、~
私たちの手足になって働くの。▼~
:[ネルガル]|
では、はじめるとするか。~
我が魔法で、貴様の心を~
すべて消し去ってやる。▼~
抗えると思うなよ。ククク…。▼~
:[アンナ]|
っ! う…うぅぅっ!~
あぁぁぁーっ!▼~
ま、負けない…~
負けるもんですか!~
私は…私は…▼~
***A [#vcti6snw]
:[ネルガル]|
ククク…無駄だ。~
いくらあがこうと~
我が魔法には耐えられぬ。▼~
:[アンナ]|
くっ…!~
私は…特務機関の隊長っ!~
アスク王国の…っ…!▼~
私にはまだ…やらなくては~
いけないことがあるのーっ!▼~
:[ウルスラ]|
……!? し、信じられない!~
ネルガル様の魔法に~
ここまで抗うなんて!▼~
:[ネルガル]|
こやつ、なんという精神力…。▼~
:(暗転)|
:[ヴェイル]|
さあ、ルミエル。~
親子の再会を阻む者は…~
すべて滅ぼしてしまいなさい。▼~
:[ルミエル]|
邪魔をしないで…~
私はあの子に会いたいだけ…~
もう待つのは嫌なの…!▼~
:[シャロン]|
ど、どうしましょう!?▼~
:[ヴェロニカ]|
…………~
『エンブラの名において、~
扉よ閉じよ』▼~
『いかなる地へ繋がろうと~
いかなる時へ繋がろうと』▼~
『エンブラはそれを~
拒絶する──』▼~
:(赤く光る)|
:[ヴェイル]|
……!? これは…。▼~
異界の門…エレオス大陸に通じる道が~
閉じようとしているのですか?▼~
これではお父様の元に、~
戻れなくなってしまいます。~
…仕方がありませんね。▼~
ルミエル、時間切れです。~
お父様から賜った魔器、~
失うわけにはいきません。▼~
:[ルミエル]|
ああ…!!~
リュールの気配が遠くなるわ…~
リュール…リュール!!▼~
:[ヴェイル]|
紋章士の力…そしてその指輪、~
諦めたわけではありません。▼~
私はまたいずれ、この地を訪れます。~
より強大な恐怖を伴って…。▼~
:(暗転)|
:[ウルスラ]|
ネルガル様、この振動は!?▼~
:[ネルガル]|
…何者かが【竜の門】を~
閉じようとしているようだな。▼~
:[アンナ]|
この隙に…!~
くっ…けど…拘束が…▼~
:[セイズ]|
──人の子よ。さあ、私の手を…▼~
:[アンナ]|
! セイズ…!▼~
:[ウルスラ]|
な…~
いつの間に…!?▼~
:[ネルガル]|
かまうな。~
態勢を立て直す必要がある。~
ここは退く。▼~
:[ウルスラ]|
はっ! 仰せのままに…。▼~
:(暗転)|
:[アルフォンス]|
門が…消えていく…!▼~
:[シャロン]|
怖いヴェイルさんと~
ルミエル様も撤退したみたいです。▼~
:[アンナ]|
おーい!~
みんな、無事!?▼~
:[アルフォンス]|
アンナ隊長!~
お怪我はありませんか?▼~
:[アンナ]|
大丈夫、見てのとおり~
ピンピンしてるわ。▼~
私をさらった連中も~
この世界から撤退したみたい。▼~
モルフにされかけたけど~
そこはそれ、私の強靭な~
精神力で耐え切ったという話よ▼~
:[シャロン]|
さすがアンナ隊長です!▼~
:[アンナ]|
ま、まあね!~
そのくらいじゃないと~
特務機関の隊長は務まらないわ!▼~
…ずっと心の中で~
「任務とお金に勝るものなし!」って~
唱え続けてたおかげかしらね…▼~
:[ネルトゥス]|
ふふっ、人の子たちが~
一生懸命がんばる姿…~
とってもかわいかったわ。▼~
セイズ、これからも~
人の子たちに力を貸してあげて。~
私も見守っているから…▼~
:[セイズ]|
はい。~
私も人の子たちに寄り添い~
支えていくつもりです。▼~
どのような闇が世界を覆おうとも…~
彼らは希望の光を胸に抱き~
前に進むと信じていますから…▼~
**異形なる竜王 ルミエル [#b65ebqky]
***C [#se53jwmq]
:[ルミエル]|
ここは…どこ……?~
聖地リトス…いえ、ソラネル……?~
違うわ、そう、違う……▼~
ここは、異界…~
エレオス大陸から遠く離れた地…~
アスク…王国。▼~
私がエレオスで命を落とした時、~
神竜としての役目を~
終えたと思っていたのに…▼~
まさか再び蘇り、~
異界に召喚されるだなんて…▼~
もう一度、あの子との時間を~
過ごせるかもしれないだなんて…!▼~
ああ、リュール…~
私の愛しい子。▼~
かつての戦争で深い傷を負い、~
深い眠りについてから千年間…▼~
いつか目覚めてくれることを信じて、~
もう一度親子として過ごせることを願って、~
神竜の力を注ぎ続けたわ。▼~
それなのに。▼~
ついに目覚めたあの子と過ごせたのは、~
ほんの僅かな時間だけ…▼~
…そんなこと、あっていいはずがない。▼~
千年間も待った私が、~
あの子を誰より愛している私が、~
一番傍にいてあげないといけないのに!▼~
けれど…今の私には時間があるわ。~
ソンブル様が与えてくださった、~
途方もない時間が…!▼~
待っていてね、リュール。~
母さんが、今行くからね。▼~
また会えたら、~
ずっとずっと一緒よ。~
誰にも邪魔させはしないわ。▼~
そう、今度こそ、誰にも……!▼~
***B [#ww4tean5]
:[アシュ]|
ヘンリエッテ様、~
街の至るところから火の手が~
上がっている模様でありまして…▼~
:[ヘンリエッテ]|
どうやら例の敵が~
この街にも到着したようね。~
住民の避難は?▼~
:[アシュ]|
すでに完了しています。~
ですが、アルフォンス王子の到着は~
まだ先と見込まれるのではないかと…▼~
:[ヘンリエッテ]|
私たちで時間を稼ぐしかなさそうね。~
力を貸してもらえるかしら?▼~
:[アシュ]|
はい、不肖私、~
これ以上、街に被害が出ぬように~
微力を尽くす所存であります。▼~
:(暗転)|
:[ルミエル]|
リュール、リュール…!~
ああ、間違いない…~
あの子の気配を感じるわ…!▼~
待っていて、リュール。~
母さん、すぐに行くから…!▼~
:[アシュ]|
あの、お待ちください。~
これ以上、街に被害を出すのは~
看過しがたいものがありまして…▼~
:[ヘンリエッテ]|
あなたは…神竜王ルミエル!?~
エレオス大陸を守護していた神竜が~
どうしてこんなことを!?▼~
:[ルミエル]|
邪魔…。▼~
:[アシュ]|
え? 今、なんと……▼~
:[ルミエル]|
邪魔よ、そこをどいて…~
そこを通れないと…~
あの子の元に行けないじゃない…!▼~
:(白く光る)|
:[アシュ]|
!?~
な、なんという力でありましょうか…~
ヘンリエッテ様、お下がりください。▼~
姿形こそルミエル様に似ておられますが、~
その実、まったく異なる存在のように~
お見受け致します。▼~
:[ルミエル]|
ほら、早く道を開けて…?▼~
:[ヘンリエッテ]|
そういうわけにはいかないわ。~
ここから先には行かせません。▼~
:[ルミエル]|
どうして…邪魔をするの…?~
私はあの子に会いたいだけ。~
もう一度、言葉を交わしたいだけなのに。▼~
一緒に話して、お散歩をして、~
ご飯を食べて、~
それから…ああ、それから……!▼~
***A [#mu6589wb]
:[ヘンリエッテ]|
なんて強さなの…~
こうやって攻撃を~
しのぐだけでも精一杯…!▼~
:[アシュ]|
このままではアルフォンス王子たちが~
到着される前に、街は&ruby(かいじん){灰燼};に帰すことを~
免れ得ないものかと…▼~
:[ルミエル]|
早くそこをどいて…~
死にたくなければ立ち去りなさい…~
この先に感じるの…あの子の…▼~
リュールの気配を…!▼~
:[アシュ]|
リュール…?▼~
もしや、リュール様に会うために、~
ルミエル様はこのような破壊を~
行っておいでなのでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
詳しい事情はわからないけど~
それが目的みたいね。▼~
でも、それなら…~
こんな無秩序な破壊を行わずに~
会いに行けばいいのに。▼~
:[ルミエル]|
何故…通してくれないの…?▼~
ああ、わかったわ…~
あなたたちがリュールを隠したのね?▼~
私がリュールに会えないように、~
あの子を閉じ込めたのね…!?▼~
:[アシュ]|
なっ!?~
それは誤解であります。~
我々は、そのようなことは決して…▼~
:[ルミエル]|
そうであれば仕方がないわ…▼~
紋章士の力が使えないのが~
残念だけれど……~
邪魔者は全て、燃やしてしまいましょう…!▼~
:[ヘンリエッテ]|
もうやめなさい!▼~
これ以上の破壊を行えば…~
あなたの子が悲しみます!▼~
:[ルミエル]|
リュールが…悲しむ…?▼~
:[ヘンリエッテ]|
ええ。~
英雄リュールは優しい心の持ち主です。▼~
愛する母親が自分に会うために~
街を燃やしたと知れば…悲しみ、~
自責の念に駆られるのではないですか?▼~
あなたは子の幸せを願っている筈。▼~
我が子を悲しませることは、~
本意ではない筈です。▼~
:[ルミエル]|
リュールを隠しておいて、偉そうに…!~
あの子の家族は、私だけなの。~
傍にいてあげないといけないのに…!▼~
あなたに…~
私とリュールの何がわかるというの!▼~
:[ヘンリエッテ]|
わかります。~
私も母親ですから。▼~
一人の親として…~
子を守りたい気持ちは~
痛いほどわかるつもりです。▼~
:[アシュ]|
ヘンリエッテ様……▼~
:[ヘンリエッテ]|
…神竜王ルミエル。~
私たちは誓って、あなたの子を~
隠したりはしていません。▼~
どうかこれ以上の破壊はおやめください。~
あなたたち親子の、幸せのためにも。▼~
:[ルミエル]|
幸せの…ため…?▼~
違うわ…全部嘘よ、~
同じ母親だからといって…~
あなたと私は違う……!▼~
でも、わ、私は…母親として……~
あの子の幸せを……▼~
う、ううう……!▼~
***S [#tuio7065]
:[ルミエル]|
う、ううっ……!~
私は…何をしているの……▼~
あの子に会いたいだけなのに、~
家族として過ごしたいだけなのに…~
どうして、街を燃やして……▼~
こんなことをすれば、リュールが悲しむ…~
そうね…あなたたちの…~
言う通りだわ……▼~
:[アシュ]|
! ルミエル様…!▼~
:[ヘンリエッテ]|
言葉が届いたのね…!~
さあ、ルミエル様。こちらに…!▼~
:[ルミエル]|
くっ…! 違う…違うわ!▼~
うあああああ!▼~
:(白く光る)|
:[ヘンリエッテ]|
!?▼~
:[ルミエル]|
騙そうとしたって無駄よ…~
こうしている間に、リュールをどこか遠くに~
隠してしまうつもりね…?▼~
なら…ここにいる意味はないわ。~
待っていて、リュール…~
母さん、必ずあなたを見つけるから…!▼~
:[アシュ]|
…行ってしまわれました。▼~
一時はヘンリエッテ様の説得に応じ、~
正気を取り戻されそうに見えたのですが~
何故このようなことに…▼~
:[ヘンリエッテ]|
ルミエルを蘇らせた者の力が、~
それ程までに強大だということよ。▼~
安寧の中に戻ることはできず、~
あったはずの純粋な愛情が歪められ…~
全てを破壊するよう仕向けられているわ。▼~
:[アシュ]|
リュール様に会い、本懐を果たせば~
元に戻るという可能性も…▼~
:[ヘンリエッテ]|
そうね、そうであればいいけれど。~
歪められてしまった魂は、死する時まで…~
元の形には戻らないのかもしれない。▼~
:[アシュ]|
そんな……▼~
:[ヘンリエッテ]|
行きましょう。~
ひとまずこの地の脅威は去ったわ。▼~
アルフォンスが到着するまでの間、~
火の手を消して、民たちの救出を。▼~
:[アシュ]|
は、はいっ!~
承知しました。▼~
:[ヘンリエッテ]|
神竜王ルミエル…~
あなたの魂にどうか、~
救いがありますように…▼~
:(暗転)|
:[ルミエル]|
ふふ、ふふふ……~
つまらない寄り道をしてしまったわね…▼~
ああ、リュール…~
大丈夫、きっともうすぐ会えるわ…~
また会うって、ゆびきりしたもの。▼~
真っ白な…綺麗な場所で、~
あの敵地で…あなたと……▼~
…あら?~
これはいつの記憶だったかしら…?~
あなたが目覚めた日…? それとも…▼~
ふふふ…~
次に会ったら教えてね…~
ほら…約束…▼~
かあさんと、ゆびきりしましょ…~
これからも…ずっとそばにいるわ。▼~
いつか、指輪を……~
朝起きたら…おしゃべりを一緒に……▼~
ね、リュール……▼~
**邪竜の後継者 ヴェイル [#xe535jwn]
***C [#vk79eneh]
:[ヴェイル]|
…ここがアスク王国ですか。~
長く戦争を続けていると聞いて~
楽しみにしていたのですが…。▼~
思っていたよりも平和な国ですね。~
正直、期待外れです。▼~
この呑気で退屈な風景は、~
フィレネ王国の風車村と~
似ているでしょうか。▼~
……。▼~
風車村…。▼~
私の中にいる、もう一人のわたしが~
リュールに出会った場所。▼~
幸いにも、もう一人のわたしは~
この地では表に出てこないようですが…。▼~
神竜リュール。~
あの忌々しい存在は、~
思い出しただけで不快です。▼~
偉大なるお父様の血を継ぎながら~
神竜ルミエルに絆された、~
哀れで醜い存在め…。▼~
…そういえば、アスク王国には~
さまざまな異界の英雄が~
召喚されていると聞きました。▼~
もしもリュールが私の前に~
現れるようなことがあれば、~
すぐに殺してしまいましょう。▼~
指輪を持っていたら好都合です。~
リュールの首と、紋章士の指輪…ふふ。~
お父様もお喜びになるでしょうね…!▼~
:[リリス]|
ずいぶんと楽しそうですね?▼~
:[ヴェイル]|
…誰です?▼~
:[リリス]|
私はリリス。~
透魔竜ハイドラ様の娘にして~
その忠実なる、しもべです。▼~
:[ヴェイル]|
透魔竜ハイドラの…~
忠実なるしもべ?~
娘でありながら下僕とは滑稽ですね。▼~
いいでしょう。~
こちらも名乗って差し上げます。▼~
私はヴェイル。~
偉大なる竜、ソンブルの娘にして~
邪竜族の第一王女です。▼~
:[リリス]|
…あなたにひとつ、~
伝えておくことがあります。▼~
命が惜しいのなら~
今すぐアスク王国から~
立ち去りなさい。▼~
:[ヴェイル]|
へえ…?▼~
***B [#dt68t80l]
:[ヴェイル]|
リリス…と言いましたか。~
なぜ、この私がアスク王国から~
立ち去る必要があるのです?▼~
:[リリス]|
アスク王国には既にハイドラ様が~
手をかけておられます。▼~
ハイドラ様の力が満ちさえすれば、~
この世界は瞬く間に滅びるでしょう。▼~
あなたが求める英雄たち…~
「紋章士」とやらの力を借りても~
ハイドラ様を止めることは叶いません。▼~
:[ヴェイル]|
随分自信があるようですが、~
質問の答えにはなっていませんね。~
…何が言いたいのです?▼~
:[リリス]|
逃げるなら今のうちだと~
忠告しているのです。▼~
:[ヴェイル]|
あはは!~
そうでしたか、ご親切にどうも。▼~
ですが、逃げも隠れもしませんよ。~
この世界がどうなろうと、~
私の知ったことではありませんので。▼~
私が欲しいのは『紋章士の指輪』…~
阻む者は誰だろうと許さない。▼~
ただ…それだけです!▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
……!?▼~
:[ヴェイル]|
嫌いなんですよねえ…~
私に忠告してくる人。~
消えるのはあなたの方ですよ、リリス。▼~
:[リリス]|
愚かな選択を…。▼~
:[ヴェイル]|
ふふっ。~
この世界でも、私の力は~
十分に使えるようですね。▼~
次は本気を出しますよ。~
命乞いをするなら今のうちです。▼~
:[リリス]|
身の程知らずですね…~
この世界に手を出したこと、~
後悔するといいでしょう。▼~
***A [#fn6o79sn]
:[ヴェイル]|
はあっ!▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
せいっ!▼~
:(白く光る)|
:[ヴェイル]|
中々やりますね。~
この私に楯突くだけのことは~
あるようです。▼~
ですが…~
紋章士の力もなしに、~
私に勝つことなどできません!▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
そのようなもの持たずとも、~
私だけの力で…じゅうぶんです!▼~
:[ヴェイル]|
小賢しい…!~
これでどうです!?▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
当たりませんよ。▼~
:[ヴェイル]|
ちっ…!~
この程度の相手に、私が翻弄されるなど…~
あってはならないのに。▼~
私は…私は…~
邪竜として「欠陥品」ではないと~
証明しなければならないのです。▼~
でなければ…お父様に…▼~
お父様に処分されてしまう…!▼~
:[リリス]|
処分……?▼~
……。▼~
:[ヴェイル]|
……?~
どうしたんです。~
急に抵抗をやめるなんて。▼~
:[リリス]|
あなたは、私と同じです。▼~
:[ヴェイル]|
は?▼~
:[リリス]|
あなたは私に、~
娘でありながら下僕とは滑稽だと、~
そう言いましたね。▼~
ですが、あなたはそうではないと~
言い切れるのですか?▼~
:[ヴェイル]|
何を…。▼~
:[リリス]|
あなたが命を賭けて戦い、~
命を落としたとして…。▼~
あなたのお父様は、~
涙のひとつでも~
流してくれるのですか?▼~
:[ヴェイル]|
…当然です。~
私はお父様の唯一の御子。~
悲しまれるに決まっています。▼~
:[リリス]|
そうですか。~
でも…▼~
その言葉が本当であれば、~
どうして私の目を見ないのです?▼~
:[ヴェイル]|
…………。▼~
***S [#r668o6me]
:[ヴェイル]|
私は…お父様の力を継ぐ、~
たった一人の御子です。~
愛されていないわけがありません。▼~
いえ、たとえ愛されていなかったとしても、~
お父様のために戦います。~
それが…▼~
それが、御子として当然のこと。~
欠陥品たるもう一人のわたしや、~
愚かなリュールとは違う!▼~
お前のような下僕とは違うのです!▼~
:[リリス]|
言いたいことはそれだけですか?▼~
:[ヴェイル]|
…………。▼~
…興が削がれました。▼~
ここで殺そうと思っていましたが、~
見逃してあげます。▼~
:[リリス]|
その台詞、そのままお返しします。▼~
あなたのことを脅威に感じて、~
釘を刺しに来たつもりでしたが…▼~
この程度の力であれば、~
見逃しても問題なさそうですね。▼~
:[ヴェイル]|
この程度?▼~
:[リリス]|
取るに足らない相手、ということです。▼~
己の力を過信し、~
愛されているという希望を捨てきれず、~
父の名を耳にしただけで狼狽える。▼~
まるで…▼~
まるで、私自身のようで、弱くて、~
可哀想で、相手になりません。▼~
:[ヴェイル]|
どういう意味ですか。▼~
:[リリス]|
さあ。どう取っていただいても構いません。~
私たちは、意外と気が合うと~
言っているのかも。▼~
:[ヴェイル]|
冗談を…!▼~
:[リリス]|
ふふ…~
これ以上の問答は無意味ですね。▼~
先にこの地に来た先輩として、~
私の方が引いて差し上げましょう。▼~
一足先に戻ります。~
さようなら。~
ソンブル唯一の御子、ヴェイル。▼~
願わくばもう二度と、~
顔を合わせないことを祈りますよ。▼~
:[ヴェイル]|
ふん…。▼~
不愉快な女。~
こちらだって二度と会いたくありません。▼~
…私は、あの者とは違います。▼~
あんな、実の父親に愛されず、~
下僕として扱われていることを~
隠しもしない者などとは。▼~
…………。▼~
お父様…。▼~
お父様も、早くこの世界に来てください。~
こんな心細い思いから、~
私を助けに来てください。▼~
そうして、私の傍で…~
私だけが唯一の御子だと、~
愛していると言ってください。▼~
ねえ、お父様。~
私…ずっと待っていますから…。▼~
ここで、ずうっと……。▼~
**理想郷を捨てし者 ネルガル [#a23247f6]
***C [#bu954g8k]
:[リムステラ]|
ネルガル様…~
よくおいでくださいました。▼~
:[ネルガル]|
リムステラ…~
まずは状況を聞かせよ。▼~
:[リムステラ]|
アスク王国は~
さまざまな異界から英雄を召喚し~
戦力を増強…。▼~
英雄たちは特務機関である~
ヴァイス・ブレイヴに所属し~
そこを拠点に活動しております。▼~
:[ネルガル]|
ヴァイス・ブレイヴ…~
それは【エーギル】収集に~
おあつらえ向きだな。▼~
:[リムステラ]|
はい。英雄が集うのであれば~
良質な【エーギル】の持ち主を~
探す手間も省けるというものです。▼~
:[ネルガル]|
くっくっく…~
さっそく【エーギル】収集に~
取りかかれ。▼~
:[リムステラ]|
御意。▼~
:(暗転)|
:[ネルガル]|
さて、そこのネズミどもは~
いつまで隠れているつもりだ?▼~
:[ニニアン]|
この邪な気配…~
あなただったのですね、~
ネルガル……。▼~
:[ニルス]|
ニニアン!~
不用意に近づいちゃダメだ!~
城に戻ろう!▼~
:[ニニアン]|
いいえ。~
わたしたちがここで~
止めなくては…▼~
:[ネルガル]|
ほう…でも、どうする?▼~
先んじてアスク王国に~
送り込んだ配下たちが~
【エーギル】収集を始めている。▼~
そもそも…~
貴様らごときの力で~
我が闇の魔道にかなうわけもない。▼~
:[ニニアン]|
なぜあなたは…~
平和に暮らす人々から~
【エーギル】を奪い取るのです…。▼~
エレブ大陸と同じように~
このアスク王国でも悲しみを~
広げようというのですか……?▼~
:[ネルガル]|
くだらぬ話よ。~
すべての人間は私に~
【エーギル】を捧げるための存在。▼~
私であれば~
その【エーギル】を使って~
有能なモルフを創り出せるのだ。▼~
:[ニニアン]|
犠牲を積み上げた先に~
なにがあるというのですか…?▼~
:[ネルガル]|
話にならぬな。~
世界は力のあるものが~
支配するが道理。▼~
阻む者はすべて~
我が魔道で消してやる!▼~
光栄に思うがよい。~
おまえたち姉弟の【エーギル】も~
我がモルフの糧となるのだからな。▼~
***B [#xre3457k]
:[ニルス]|
あきらめよう、ニニアン!~
早く逃げるんだ!▼~
:[ニニアン]|
ダメよ、ニルス…。~
わたしたちの背後には~
アスク王国の人々がいる…▼~
彼らは~
異界の英雄のわたしたちを信じ~
運命を託してくれたのよ。▼~
:[ネルガル]|
情に流され命を捨てるか。~
それもよかろう。~
その望み叶えてくれる!▼~
:(白く光る)|
:[ニニアン]|
きゃぁぁっ…!▼~
:[ニルス]|
しっかりして、ニニアン!▼~
:[ニニアン]|
う…だ、大丈夫…▼~
:[ネルガル]|
まだ心は折れてはおらぬか。~
だが、次で終わりだ。~
消えよ…!▼~
:[ニニアン]|
……!▼~
:[ニルス]|
ニニアン! 逃げて!▼~
:(白く光る)|
:[ニルス]|
…え?~
ネルガルの魔道が…~
打ち消された?▼~
:[ドーマ]|
……▼~
:[ネルガル]|
貴様、その気配…~
人間のものではないな?▼~
:[ドーマ]|
我が名はドーマ。~
力を司る者…▼~
:[ネルガル]|
ほう、神竜…~
それも邪神か?▼~
:[ニルス]|
ニニアン、肩を貸すよ!~
今のうちに逃げるんだ。▼~
:[ニニアン]|
ありがとう、ニルス…▼~
わたしの力だけでは~
あの人を止められないの……?▼~
***A [#vu594hww]
:[ドーマ]|
この世界に、強大な力が~
流れ込んでくるのを感じた。▼~
我はその力の正体を~
見極めにきただけだ…。▼~
:[ネルガル]|
邪神が人助けとは片腹痛い。~
よほど暇を持て余しているようだな。▼~
:[ドーマ]|
人助けとは、先の姉弟のことか?~
我は人に手を差し伸べぬ。▼~
あやつらは偶然手にした~
機会を利用しただけのこと。▼~
:[ネルガル]|
我が魔道を打ち消しておいて~
よく言えたものだ。▼~
:[ドーマ]|
人に必要なのは救いの手ではない。~
神に頼ったその先にあるのは~
堕落がはびこる世界…。▼~
:[ネルガル]|
……。▼~
:[ドーマ]|
人が成長するには~
自らの力で困難を~
乗り越える必要がある。▼~
神が人に与えるべきものが~
あるとすれば…それは試練だ。▼~
:[ネルガル]|
邪神に堕ちたとしても元は神竜。~
結局は、人の未来を見据えて~
動いているということか。▼~
だが…私が与えるのは~
試練などという~
生ぬるいものではない。▼~
私が人間に与えるのは破滅のみ。~
私はそのために力を求め~
そのために力を振るうのだ。▼~
:[ドーマ]|
己のためだけに力を求める姿勢…~
それもよかろう。▼~
力とたくましさは~
生きるうえで必要なものだ。~
私もそうして、国を作り上げた。▼~
しかしお前は力のみに~
執着しているように見える。~
なにを成さんと力を欲す?▼~
:[ネルガル]|
邪神がよくしゃべるものよ。▼~
力がなくては~
なしえぬ大望があるからこそ~
私はこの地に立っているのだ。▼~
:[ドーマ]|
……。▼~
***S [#t90rn7ie]
:[ネルガル]|
私の望みは強く、芸術的な~
モルフを大量に創り出すこと。▼~
:[ドーマ]|
モルフ…お前に作られた~
偽りの生を持つ者か。▼~
:[ネルガル]|
だが、モルフを創るためには~
【エーギル】を集めなければならぬ。~
優秀なモルフであればなおのことだ。▼~
ゆえに下等な人間たちから~
【エーギル】を奪う。~
理想のモルフを生み続けるために!▼~
:[ドーマ]|
そのモルフで…~
地を埋め尽くしてなんとする?▼~
その先にお前が見ているのは~
どのような光景だ?▼~
:[ネルガル]|
…なんだと?▼~
:[ドーマ]|
お前の望みは力を求めること…~
それ自体が目的のように見える。▼~
望みが叶った先に~
いったいなにがあると言う。▼~
お前がやろうとしていることは~
砂漠に水を吸わせるようなもの。~
いつまで経っても満たされはせぬ。▼~
:[ネルガル]|
知ったような口をきくな。~
その顔、不愉快だ。▼~
:(白く光る)|
:[ドーマ]|
…なるほど、たいした魔道の力だ。~
自惚れるのも無理はない。▼~
だが…最後に~
ひとつ教えておいてやろう。▼~
お前は、このアスク王国で~
身をもって思い知ることになる。▼~
お前が下等と断じた~
人間たちの力とたくましさをな。▼~
:(白く光る)|
:[ネルガル]|
……。~
ふん…消えたか。▼~
人間のたくましさだと?~
くだらぬ。実にくだらぬ。~
邪神の眼力も底が知れるわ。▼~
だが、これは好機よ。~
どうやらアスク王国には~
神々も召喚されているようだな。▼~
ならば神々からも【エーギル】を奪い~
我が糧としてくれよう!▼~
さぞ良質な【エーギル】を~
持っているのであろうな。~
胸が躍るわ、ハハハハハ!▼~
**闇に舞う蒼鴉 ウルスラ [#etu562av]
***C [#r69o0ena]
:[ウルスラ]|
ああ、ソーニャ様…~
このウルスラ、異界の地でも~
お仕えできて光栄です。▼~
:[ソーニャ]|
お前は私のお気に入り…~
このアスク王国でも~
しっかりと働いてもらうわ。▼~
:[ウルスラ]|
はっ、ソーニャ様は~
ネルガル様に選ばれた完璧な人間。▼~
お仕えさせていただくからには~
完璧な活躍をお約束いたします。▼~
:[ソーニャ]|
人間にはふたつの種類があるわ。~
上に立つ者と奉仕するだけのクズ…~
お前はどうすべきか、わかっているわね?▼~
:[ウルスラ]|
無論、心得ております。▼~
:[ソーニャ]|
偉大なるネルガル様は~
人間の【エーギル】を欲しておられるわ。▼~
優れた人間である私たちは~
下等な人間から【エーギル】を~
搾り取らなければならない。▼~
それはエレブ大陸でも~
このアスク王国でも変わりはないわ。▼~
:[ウルスラ]|
おっしゃるとおりです。~
クズどもに、それ以外の~
存在価値はありません。▼~
:[ソーニャ]|
この【エーギル】収集計画は~
ネルガル様の意向…。~
失敗は許されない。▼~
念には念を入れて~
懸念材料を潰す必要があるわ。▼~
:[ウルスラ]|
下等な人間の中に~
分をわきまえぬ者がいると?▼~
:[ソーニャ]|
ええ。私たちと同じく~
エレブ大陸から召喚された人間…▼~
特にリキア同盟の~
エリウッドたちの~
存在は目障りだわ。▼~
私はお前の~
暗殺の腕前を評価しているの。~
やるべきことは…わかるわね?▼~
:[ウルスラ]|
承知しました。~
すぐにアスク王城に向かい~
始末して参ります。▼~
:[ソーニャ]|
私は役立たずが大嫌いよ。~
期待しているわね、ウルスラ。▼~
***B [#njy8trtt]
:[ウルスラ]|
アスク王城…ふふ。~
拍子抜けするほど~
簡単に侵入できたわね。▼~
あとは標的を探し出し~
その寝首をかくだけ…▼~
:[レギン]|
そこまでなの!~
ここから先に入ることは許さないの!▼~
:[フィヨルム]|
ヴァイス・ブレイヴに~
所属する英雄ではありませんね?~
目的は何ですか?▼~
:[ウルスラ]|
あら…~
泳がされていたというわけね。▼~
面倒なことになるまえに~
まとめて相手してあげる。▼~
姿を見られたからには容赦しない。~
すぐに片付けてあげる。▼~
:(白く光る)|
:[フィヨルム]|
っ…なんて強い魔道の力!?~
二人がかりでも押されるなんて!▼~
:[ウルスラ]|
ネルガル様に賜ったこの力…~
存分に味わわせてあげる。▼~
:(白く光る)|
:[レギン]|
は、速い!?~
人間離れした力なの!▼~
:[ウルスラ]|
私にかなうわけがないでしょう?~
理由は簡単よ。▼~
優れた人間の私と~
クズのあなたたちでは~
勝負になるわけがない!▼~
:[フィヨルム]|
くっ…!~
そんなことはありません!▼~
:[レギン]|
どうして私たちがクズなの?▼~
:[ウルスラ]|
氷の国ニフルのフィヨルム王女。~
小人の国ニザヴェリルのレギン王女。~
あなたたちのことはすでに調べている…▼~
たとえクズを相手するにも~
任務のために準備は怠らないの。▼~
:[レギン]|
任務…?~
いったいなにが目的なの!?▼~
:[ウルスラ]|
価値のない人間が~
知ったところで無意味だわ。▼~
クズはおとなしく~
優れた人間の役に立ちなさい。▼~
:[フィヨルム]|
お断りします!~
そのような曲がった考えに~
従う道理はありません!▼~
:[ウルスラ]|
…あなたたちは~
戦争で大切な人間を~
守れなかった負け犬。▼~
負け犬がなんと吠えようが~
虚しく響くだけよ?▼~
:[フィヨルム]|
ど、どうしてそのような~
ひどいことを言えるのですか…!▼~
:[ウルスラ]|
私はただ、事実を~
口にしているだけよ。▼~
価値のない人間に~
存在する意味はないわ。~
消してあげるから感謝しなさい。▼~
***A [#r67j68wx]
:[フィヨルム]|
価値のない人間には~
存在する意味がない…。▼~
だから消えるべきだと~
あなたは仰るのですね?▼~
:[ウルスラ]|
ええ。それこそが~
世のことわりだから。▼~
:[フィヨルム]|
たしかに私は…~
ムスペル王国との争いで~
スリーズ姉様を失いました。▼~
:[レギン]|
私もニザヴェリルの内乱で~
お兄ちゃんたちを亡くした。~
それは動かせない事実なの。▼~
:[ウルスラ]|
そうね。あなたたちが~
無能な負け犬である事実は~
歴史に刻まれているわ。▼~
:[レギン]|
私は大切な人を守れなかった。~
それはたしかなの!▼~
だけど今は…大切な人たちが~
託してくれたものを守るために~
私は生きてるの!▼~
それを負け犬呼ばわりするなんて~
許せないの!▼~
:[ウルスラ]|
馬鹿馬鹿しい…。~
あなたたちが価値のない~
クズであることは事実なのに。▼~
:[フィヨルム]|
価値があるかどうかを決めるのは~
あなたではありません。▼~
そしてそれは……~
私たちでもない。▼~
私たちができるのは、~
亡くなった人たちの分まで~
精一杯生きること。▼~
大切な人たちが守ろうとした世界を~
後世に繋いでいくことは~
決して無駄ではないのですから。▼~
:[ウルスラ]|
耳障りな詭弁ね。~
おしゃべりの時間はおしまい。~
私の魔道で消えてなくなりなさい。▼~
はぁっ…!▼~
:[???]|
そこまでよっ!▼~
:(白く光る)|
:[ウルスラ]|
くっ!?~
この矢はいったいどこから…。▼~
:[リン]|
ちょっと距離はあったけど~
牽制には十分だったみたいね!▼~
:[ヘクトル]|
やるじゃねえか、リン。▼~
どうやら見知った顔が~
この世界でも悪さしているようだな。~
俺も暴れさせてもらうぜ!▼~
:[エリウッド]|
フィヨルム王女、レギン王女!~
お二人ともご無事ですか?~
我々も加勢いたします!▼~
:[フィヨルム]|
皆さん…!~
助かりました! 感謝します!▼~
:[ウルスラ]|
標的が首を揃えて~
出てきてくれるとはね…。▼~
けど、これでは分が悪い。~
またの機会に仕留めるわ。▼~
:[レギン]|
ああっ、待ちなさいなの!▼~
…あっという間に~
暗がりに消えちゃったの。▼~
:[リン]|
あいつら【黒い牙】は闇に紛れるのよ。~
まんまと逃げられちゃったわね。▼~
:[ヘクトル]|
ちっ。あいつら~
この世界でも迷惑かける気かよ。▼~
:[エリウッド]|
みんなが無事でよかった。~
アンナ隊長に、城の警備を~
固めるように言っておこうか。▼~
:[フィヨルム]|
価値があるかないか…~
そんな基準でしか~
人を見られないなんて…。▼~
彼女も可哀想な人なのかも~
しれません…。▼~
***S [#r68k8w3q]
:[ソーニャ]|
暗殺に失敗した、ですって?~
手ぶらでよく戻ったものね。▼~
:[ウルスラ]|
申し訳ございません、ソーニャ様。~
次こそは必ず仕留めて参ります。▼~
:[ソーニャ]|
次…? そんな機会が~
与えられるとでも思っているの?▼~
私は自分のまわりに~
役立たずを置きたくないわ。▼~
:[ウルスラ]|
……。▼~
:[ソーニャ]|
けれど…~
特別にもう一度だけ、~
あなたに機会をあげてもいい。▼~
次こそは~
任務を果たせるわよね?▼~
:[ウルスラ]|
もちろんです。~
ソーニャ様のために…▼~
そして、私が価値のある~
人間だと証明するために…▼~
:[ソーニャ]|
そう…。私は部屋に戻るわ。~
よい報告だけを持ってきなさい。▼~
:[ウルスラ]|
ああ、お優しいソーニャ様…。~
ソーニャ様は私を必要としてくれている。~
なんとしてもお役に立たなければ…▼~
完璧であるソーニャ様に仕える私が~
負け犬であってはならないのだから…。▼~
:(暗転)|
:[ソーニャ]|
ウルスラ…~
モルフになればもう少し~
使えるかと思っていたのに…▼~
あれは失敗作みたいね。~
役立たずは視界に入れたくないわ。▼~
使えないなら捨ててしまえばいい。~
負け犬になんの価値もないのだから…。▼~
*コメント [#comment]
- こいつら(闇ルミエル、闇ヴェイル)、人の心とかないんか --...
- あと、モルフウルスラ(キャラ崩壊)とネルガルとソーニャと...
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*終末に繋がる門 [#ny9079la]
#contents
**終末に繋がる門 [#xvs56kem]
***オープニング [#zdrj57hn]
:[セイズ]|
アルフォンス王子、~
ネルトゥス様をお連れしました。▼~
:[ネルトゥス]|
久しぶりね、~
かわいい人の子たち。~
元気そうで嬉しいわ。▼~
:[アルフォンス]|
アスク王国までご足労いただき~
ありがとうございます、ネルトゥス様。~
それで僕たちに伝えたいこととは?▼~
:[ネルトゥス]|
感じたの。~
邪な意思が~
アスク王国を狙っているのを。▼~
異界から何者かが~
アスク王国にやってくるわ。~
そう遠くない未来にね。▼~
:[アルフォンス]|
……!?~
アスク王国に害なす者が~
異界から現れると?▼~
:[セイズ]|
ネルトゥス様は地を司る女神…~
ミズガルズの大地に生きる人の子たちに~
迫る危険を予知されたのでしょう。▼~
:[シャロン]|
はぁっ、はぁっ…!~
お兄様、大変ですっ!▼~
国境付近に現れた何者かが~
街を焼き払っているとの知らせが!▼~
:(暗転)|
:[ヴェイル]|
ふふ…世界が変わっても、~
街が燃えるさまを見るのは~
楽しいものですね。▼~
弱き人間たちよ。~
死にたくなければ逃げなさい。~
そして、特務機関とやらに伝えるのです。▼~
これ以上、街を焼かれたくないなら~
この世界にある【紋章士】の力を~
私たちにすべて渡すように、と。▼~
:[ルミエル]|
リュール…ああ…~
この世界にも~
あなたの存在を感じるわ…▼~
どこにいるの…~
私とあなたを引き裂くものは…~
誰であろうと…許しはしない…!▼~
:[ヴェイル]|
…この世界に来ても、あなたの目には~
リュールしか映らないようですね。▼~
まあいいでしょう。~
お父様…邪竜ソンブルより賜った~
魔器の力で、存分に暴れなさい。▼~
:(暗転)|
:[アルフォンス]|
見えた!~
街が燃えている。急ごう!▼~
:[アンナ]|
街の向こうに蜃気楼のような~
大きな門も見えるわね。▼~
敵はあの門から…?▼~
:[セイズ]|
はい。~
何者かはわかりませんが…▼~
:[アンナ]|
焼け出された人々が大勢いるみたい。~
急いで助けに向かいましょう!▼~
:[ウルスラ]|
…そうはさせないわ。▼~
:(赤く光る)|
:[アンナ]|
誰!?~
いつの間に後ろにっ…!▼~
:[シャロン]|
アンナ隊長!▼~
:[アンナ]|
なに…を…~
身体が…うごかな…。▼~
:[ウルスラ]|
特務機関ヴァイス・ブレイヴ~
隊長のアンナ…~
私と一緒に来てもらうわ。▼~
:[アルフォンス]|
待て、何者だ!~
アンナ隊長を離せ!▼~
:[シャロン]|
き、消えちゃいました?~
アンナ隊長が…~
さらわれちゃったんですか!?▼~
ア、アンナ隊長ーっ!▼~
***C [#setw7wm8]
:[ウルスラ]|
ただいま戻りました、ネルガル様。▼~
:[ネルガル]|
来たか。~
ふむ、首尾は上々のようだな。▼~
:[アンナ]|
う…んん…。▼~
:[ヴェイル]|
何者なのです、その女は?▼~
エレオス大陸でも~
よく似た人物が、神竜とともに~
戦っていたような気がしますが。▼~
:[ネルガル]|
そやつはアスク王国特務機関~
ヴァイス・ブレイヴの柱。▼~
この世界で我らの計画を~
滞りなく進めるために~
邪魔な存在よ。▼~
:[ヴェイル]|
【エーギル】でしたか。~
あなたたちが求めるのは?▼~
:[ネルガル]|
【エーギル】は人間が持つ生命力。~
生きる意思の力。▼~
私の手足となるモルフを~
大量に生み出すには~
必要不可欠な力よ。▼~
このアンナという女も~
モルフに仕上げ~
我らのために働いてもらうか。▼~
:[アンナ]|
く…うう…っ。▼~
:[ヴェイル]|
あなたたちが、【竜の門】の~
力を捻じ曲げ、アスク王国へ~
強引に侵入を果たしたことで…。▼~
私たちもエレオス大陸の異界の門から~
アスク王国への道が開けました。~
その点については感謝しましょう。▼~
ですが…~
私たちの邪魔をするつもりなら~
相応の報いを覚悟してくださいね。▼~
:[ネルガル]|
……。▼~
:[ヴェイル]|
私が求めているのは、~
この世界に召喚されている【紋章士】の力、~
そしてそれを宿す指輪のみ。▼~
あなたたちが人間をどれだけ~
殺めようが、興味はありません。~
せいぜい世界を蹂躙してください。▼~
:[ウルスラ]|
それはこちらとて同じ。▼~
あなた方、エレオス大陸からの来訪者が~
アスク王国に混乱をもたらせば~
私たちの計画は円滑に進むのですから。▼~
:[ヴェイル]|
いいでしょう。~
互いに干渉せず、利用し合うだけの~
共闘関係といきましょう。▼~
:[ネルガル]|
しかし、いいのか?~
門の外で暴れている~
あの竜を放っておいても。▼~
:[ヴェイル]|
ルミエルのことなら、問題ありません。▼~
かつては聖地を統べる神竜王でしたが、~
今は邪竜の力で蘇った異形の兵。~
正気を失った哀れな存在です。▼~
我が子に会うことだけを求めて、~
目に映るものすべてを~
破壊してくれるでしょう。▼~
:[ネルガル]|
我が子を求めて…か。▼~
くだらんな。~
ウルスラ、さらってきた女は~
すぐにモルフに変える。▼~
:[ウルスラ]|
はい、仰せのままに。~
すぐに手筈を整えます。▼~
***B [#dt79okem]
:[シャロン]|
お兄様、街の人々の~
避難は終わりました!▼~
:[アルフォンス]|
よし、さらわれた~
アンナ隊長を取り戻す。~
急ごう!▼~
:[セイズ]|
はい。~
あの蜃気楼のような巨大な門…~
おそらくあそこにいるはずです。▼~
:[ヴェイル]|
そこまでですよ。▼~
さあ、此方に渡してください。~
この世界に召喚された紋章士の力…~
それが宿る指輪もすべて。▼~
:[アルフォンス]|
君は…ヴェイル!?~
街を焼いたのも~
君の仕業なのか!▼~
:[ヴェイル]|
そうだと言ったら、~
指輪を渡してくれるのですか?▼~
従わないのであれば、~
あなたたちを葬るのみです。~
…さあルミエル、出番ですよ。▼~
:[ルミエル]|
リュール…~
ああ…どこにいるの…▼~
あなたたちのせいで、~
私とあの子は会えないのね…?~
あなたたちがリュールを隠したのね?▼~
私とあの子を引き裂くものは…~
誰であろうと許さないわ。~
すべて…消し去ってあげる!▼~
:[シャロン]|
来ます!~
気をつけてください、お兄様…!▼~
:[アルフォンス]|
!? この力は…?▼~
神竜であるはずのルミエル様が~
どうしてこのような禍々しい力を!▼~
:[セイズ]|
姿形は似ていても~
魂のあり方はまったく違います…~
まるで、別の存在のように…▼~
:[シャロン]|
こ、これじゃ門に近づけません!~
アンナ隊長を~
助けなきゃいけないのに!▼~
:[ヴェイル]|
あはは! 私たちの敵ではありませんね!~
己の無力さを悔やみながら…~
絶望のまま死になさい!▼~
:[ヴェロニカ]|
…待って。▼~
:[ヴェイル]|
…何者ですか?▼~
:[アルフォンス]|
ヴェロニカ皇女!▼~
:[ヴェイル]|
ヴェロニカ…?~
何人来ようが無駄です。~
まとめて踏み躙ってあげますよ。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:(暗転)|
:[アンナ]|
【竜の門】? その遺跡を使って~
エレブ大陸からアスク王国に~
強引に侵入したというの!?▼~
:[ネルガル]|
アスク王国…ここには~
あらゆる異界から英雄たちが~
集まってきている。▼~
さぞかし良質な【エーギル】が~
手に入ることだろう。▼~
:[アンナ]|
くっ!~
そんなことさせるものですか!▼~
:[ウルスラ]|
囚われの身で~
なにを言っているの?▼~
あなたはこれからネルガル様に~
モルフに変えられるのよ。▼~
そして未来永劫、~
私たちの手足になって働くの。▼~
:[ネルガル]|
では、はじめるとするか。~
我が魔法で、貴様の心を~
すべて消し去ってやる。▼~
抗えると思うなよ。ククク…。▼~
:[アンナ]|
っ! う…うぅぅっ!~
あぁぁぁーっ!▼~
ま、負けない…~
負けるもんですか!~
私は…私は…▼~
***A [#vcti6snw]
:[ネルガル]|
ククク…無駄だ。~
いくらあがこうと~
我が魔法には耐えられぬ。▼~
:[アンナ]|
くっ…!~
私は…特務機関の隊長っ!~
アスク王国の…っ…!▼~
私にはまだ…やらなくては~
いけないことがあるのーっ!▼~
:[ウルスラ]|
……!? し、信じられない!~
ネルガル様の魔法に~
ここまで抗うなんて!▼~
:[ネルガル]|
こやつ、なんという精神力…。▼~
:(暗転)|
:[ヴェイル]|
さあ、ルミエル。~
親子の再会を阻む者は…~
すべて滅ぼしてしまいなさい。▼~
:[ルミエル]|
邪魔をしないで…~
私はあの子に会いたいだけ…~
もう待つのは嫌なの…!▼~
:[シャロン]|
ど、どうしましょう!?▼~
:[ヴェロニカ]|
…………~
『エンブラの名において、~
扉よ閉じよ』▼~
『いかなる地へ繋がろうと~
いかなる時へ繋がろうと』▼~
『エンブラはそれを~
拒絶する──』▼~
:(赤く光る)|
:[ヴェイル]|
……!? これは…。▼~
異界の門…エレオス大陸に通じる道が~
閉じようとしているのですか?▼~
これではお父様の元に、~
戻れなくなってしまいます。~
…仕方がありませんね。▼~
ルミエル、時間切れです。~
お父様から賜った魔器、~
失うわけにはいきません。▼~
:[ルミエル]|
ああ…!!~
リュールの気配が遠くなるわ…~
リュール…リュール!!▼~
:[ヴェイル]|
紋章士の力…そしてその指輪、~
諦めたわけではありません。▼~
私はまたいずれ、この地を訪れます。~
より強大な恐怖を伴って…。▼~
:(暗転)|
:[ウルスラ]|
ネルガル様、この振動は!?▼~
:[ネルガル]|
…何者かが【竜の門】を~
閉じようとしているようだな。▼~
:[アンナ]|
この隙に…!~
くっ…けど…拘束が…▼~
:[セイズ]|
──人の子よ。さあ、私の手を…▼~
:[アンナ]|
! セイズ…!▼~
:[ウルスラ]|
な…~
いつの間に…!?▼~
:[ネルガル]|
かまうな。~
態勢を立て直す必要がある。~
ここは退く。▼~
:[ウルスラ]|
はっ! 仰せのままに…。▼~
:(暗転)|
:[アルフォンス]|
門が…消えていく…!▼~
:[シャロン]|
怖いヴェイルさんと~
ルミエル様も撤退したみたいです。▼~
:[アンナ]|
おーい!~
みんな、無事!?▼~
:[アルフォンス]|
アンナ隊長!~
お怪我はありませんか?▼~
:[アンナ]|
大丈夫、見てのとおり~
ピンピンしてるわ。▼~
私をさらった連中も~
この世界から撤退したみたい。▼~
モルフにされかけたけど~
そこはそれ、私の強靭な~
精神力で耐え切ったという話よ▼~
:[シャロン]|
さすがアンナ隊長です!▼~
:[アンナ]|
ま、まあね!~
そのくらいじゃないと~
特務機関の隊長は務まらないわ!▼~
…ずっと心の中で~
「任務とお金に勝るものなし!」って~
唱え続けてたおかげかしらね…▼~
:[ネルトゥス]|
ふふっ、人の子たちが~
一生懸命がんばる姿…~
とってもかわいかったわ。▼~
セイズ、これからも~
人の子たちに力を貸してあげて。~
私も見守っているから…▼~
:[セイズ]|
はい。~
私も人の子たちに寄り添い~
支えていくつもりです。▼~
どのような闇が世界を覆おうとも…~
彼らは希望の光を胸に抱き~
前に進むと信じていますから…▼~
**異形なる竜王 ルミエル [#b65ebqky]
***C [#se53jwmq]
:[ルミエル]|
ここは…どこ……?~
聖地リトス…いえ、ソラネル……?~
違うわ、そう、違う……▼~
ここは、異界…~
エレオス大陸から遠く離れた地…~
アスク…王国。▼~
私がエレオスで命を落とした時、~
神竜としての役目を~
終えたと思っていたのに…▼~
まさか再び蘇り、~
異界に召喚されるだなんて…▼~
もう一度、あの子との時間を~
過ごせるかもしれないだなんて…!▼~
ああ、リュール…~
私の愛しい子。▼~
かつての戦争で深い傷を負い、~
深い眠りについてから千年間…▼~
いつか目覚めてくれることを信じて、~
もう一度親子として過ごせることを願って、~
神竜の力を注ぎ続けたわ。▼~
それなのに。▼~
ついに目覚めたあの子と過ごせたのは、~
ほんの僅かな時間だけ…▼~
…そんなこと、あっていいはずがない。▼~
千年間も待った私が、~
あの子を誰より愛している私が、~
一番傍にいてあげないといけないのに!▼~
けれど…今の私には時間があるわ。~
ソンブル様が与えてくださった、~
途方もない時間が…!▼~
待っていてね、リュール。~
母さんが、今行くからね。▼~
また会えたら、~
ずっとずっと一緒よ。~
誰にも邪魔させはしないわ。▼~
そう、今度こそ、誰にも……!▼~
***B [#ww4tean5]
:[アシュ]|
ヘンリエッテ様、~
街の至るところから火の手が~
上がっている模様でありまして…▼~
:[ヘンリエッテ]|
どうやら例の敵が~
この街にも到着したようね。~
住民の避難は?▼~
:[アシュ]|
すでに完了しています。~
ですが、アルフォンス王子の到着は~
まだ先と見込まれるのではないかと…▼~
:[ヘンリエッテ]|
私たちで時間を稼ぐしかなさそうね。~
力を貸してもらえるかしら?▼~
:[アシュ]|
はい、不肖私、~
これ以上、街に被害が出ぬように~
微力を尽くす所存であります。▼~
:(暗転)|
:[ルミエル]|
リュール、リュール…!~
ああ、間違いない…~
あの子の気配を感じるわ…!▼~
待っていて、リュール。~
母さん、すぐに行くから…!▼~
:[アシュ]|
あの、お待ちください。~
これ以上、街に被害を出すのは~
看過しがたいものがありまして…▼~
:[ヘンリエッテ]|
あなたは…神竜王ルミエル!?~
エレオス大陸を守護していた神竜が~
どうしてこんなことを!?▼~
:[ルミエル]|
邪魔…。▼~
:[アシュ]|
え? 今、なんと……▼~
:[ルミエル]|
邪魔よ、そこをどいて…~
そこを通れないと…~
あの子の元に行けないじゃない…!▼~
:(白く光る)|
:[アシュ]|
!?~
な、なんという力でありましょうか…~
ヘンリエッテ様、お下がりください。▼~
姿形こそルミエル様に似ておられますが、~
その実、まったく異なる存在のように~
お見受け致します。▼~
:[ルミエル]|
ほら、早く道を開けて…?▼~
:[ヘンリエッテ]|
そういうわけにはいかないわ。~
ここから先には行かせません。▼~
:[ルミエル]|
どうして…邪魔をするの…?~
私はあの子に会いたいだけ。~
もう一度、言葉を交わしたいだけなのに。▼~
一緒に話して、お散歩をして、~
ご飯を食べて、~
それから…ああ、それから……!▼~
***A [#mu6589wb]
:[ヘンリエッテ]|
なんて強さなの…~
こうやって攻撃を~
しのぐだけでも精一杯…!▼~
:[アシュ]|
このままではアルフォンス王子たちが~
到着される前に、街は&ruby(かいじん){灰燼};に帰すことを~
免れ得ないものかと…▼~
:[ルミエル]|
早くそこをどいて…~
死にたくなければ立ち去りなさい…~
この先に感じるの…あの子の…▼~
リュールの気配を…!▼~
:[アシュ]|
リュール…?▼~
もしや、リュール様に会うために、~
ルミエル様はこのような破壊を~
行っておいでなのでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
詳しい事情はわからないけど~
それが目的みたいね。▼~
でも、それなら…~
こんな無秩序な破壊を行わずに~
会いに行けばいいのに。▼~
:[ルミエル]|
何故…通してくれないの…?▼~
ああ、わかったわ…~
あなたたちがリュールを隠したのね?▼~
私がリュールに会えないように、~
あの子を閉じ込めたのね…!?▼~
:[アシュ]|
なっ!?~
それは誤解であります。~
我々は、そのようなことは決して…▼~
:[ルミエル]|
そうであれば仕方がないわ…▼~
紋章士の力が使えないのが~
残念だけれど……~
邪魔者は全て、燃やしてしまいましょう…!▼~
:[ヘンリエッテ]|
もうやめなさい!▼~
これ以上の破壊を行えば…~
あなたの子が悲しみます!▼~
:[ルミエル]|
リュールが…悲しむ…?▼~
:[ヘンリエッテ]|
ええ。~
英雄リュールは優しい心の持ち主です。▼~
愛する母親が自分に会うために~
街を燃やしたと知れば…悲しみ、~
自責の念に駆られるのではないですか?▼~
あなたは子の幸せを願っている筈。▼~
我が子を悲しませることは、~
本意ではない筈です。▼~
:[ルミエル]|
リュールを隠しておいて、偉そうに…!~
あの子の家族は、私だけなの。~
傍にいてあげないといけないのに…!▼~
あなたに…~
私とリュールの何がわかるというの!▼~
:[ヘンリエッテ]|
わかります。~
私も母親ですから。▼~
一人の親として…~
子を守りたい気持ちは~
痛いほどわかるつもりです。▼~
:[アシュ]|
ヘンリエッテ様……▼~
:[ヘンリエッテ]|
…神竜王ルミエル。~
私たちは誓って、あなたの子を~
隠したりはしていません。▼~
どうかこれ以上の破壊はおやめください。~
あなたたち親子の、幸せのためにも。▼~
:[ルミエル]|
幸せの…ため…?▼~
違うわ…全部嘘よ、~
同じ母親だからといって…~
あなたと私は違う……!▼~
でも、わ、私は…母親として……~
あの子の幸せを……▼~
う、ううう……!▼~
***S [#tuio7065]
:[ルミエル]|
う、ううっ……!~
私は…何をしているの……▼~
あの子に会いたいだけなのに、~
家族として過ごしたいだけなのに…~
どうして、街を燃やして……▼~
こんなことをすれば、リュールが悲しむ…~
そうね…あなたたちの…~
言う通りだわ……▼~
:[アシュ]|
! ルミエル様…!▼~
:[ヘンリエッテ]|
言葉が届いたのね…!~
さあ、ルミエル様。こちらに…!▼~
:[ルミエル]|
くっ…! 違う…違うわ!▼~
うあああああ!▼~
:(白く光る)|
:[ヘンリエッテ]|
!?▼~
:[ルミエル]|
騙そうとしたって無駄よ…~
こうしている間に、リュールをどこか遠くに~
隠してしまうつもりね…?▼~
なら…ここにいる意味はないわ。~
待っていて、リュール…~
母さん、必ずあなたを見つけるから…!▼~
:[アシュ]|
…行ってしまわれました。▼~
一時はヘンリエッテ様の説得に応じ、~
正気を取り戻されそうに見えたのですが~
何故このようなことに…▼~
:[ヘンリエッテ]|
ルミエルを蘇らせた者の力が、~
それ程までに強大だということよ。▼~
安寧の中に戻ることはできず、~
あったはずの純粋な愛情が歪められ…~
全てを破壊するよう仕向けられているわ。▼~
:[アシュ]|
リュール様に会い、本懐を果たせば~
元に戻るという可能性も…▼~
:[ヘンリエッテ]|
そうね、そうであればいいけれど。~
歪められてしまった魂は、死する時まで…~
元の形には戻らないのかもしれない。▼~
:[アシュ]|
そんな……▼~
:[ヘンリエッテ]|
行きましょう。~
ひとまずこの地の脅威は去ったわ。▼~
アルフォンスが到着するまでの間、~
火の手を消して、民たちの救出を。▼~
:[アシュ]|
は、はいっ!~
承知しました。▼~
:[ヘンリエッテ]|
神竜王ルミエル…~
あなたの魂にどうか、~
救いがありますように…▼~
:(暗転)|
:[ルミエル]|
ふふ、ふふふ……~
つまらない寄り道をしてしまったわね…▼~
ああ、リュール…~
大丈夫、きっともうすぐ会えるわ…~
また会うって、ゆびきりしたもの。▼~
真っ白な…綺麗な場所で、~
あの敵地で…あなたと……▼~
…あら?~
これはいつの記憶だったかしら…?~
あなたが目覚めた日…? それとも…▼~
ふふふ…~
次に会ったら教えてね…~
ほら…約束…▼~
かあさんと、ゆびきりしましょ…~
これからも…ずっとそばにいるわ。▼~
いつか、指輪を……~
朝起きたら…おしゃべりを一緒に……▼~
ね、リュール……▼~
**邪竜の後継者 ヴェイル [#xe535jwn]
***C [#vk79eneh]
:[ヴェイル]|
…ここがアスク王国ですか。~
長く戦争を続けていると聞いて~
楽しみにしていたのですが…。▼~
思っていたよりも平和な国ですね。~
正直、期待外れです。▼~
この呑気で退屈な風景は、~
フィレネ王国の風車村と~
似ているでしょうか。▼~
……。▼~
風車村…。▼~
私の中にいる、もう一人のわたしが~
リュールに出会った場所。▼~
幸いにも、もう一人のわたしは~
この地では表に出てこないようですが…。▼~
神竜リュール。~
あの忌々しい存在は、~
思い出しただけで不快です。▼~
偉大なるお父様の血を継ぎながら~
神竜ルミエルに絆された、~
哀れで醜い存在め…。▼~
…そういえば、アスク王国には~
さまざまな異界の英雄が~
召喚されていると聞きました。▼~
もしもリュールが私の前に~
現れるようなことがあれば、~
すぐに殺してしまいましょう。▼~
指輪を持っていたら好都合です。~
リュールの首と、紋章士の指輪…ふふ。~
お父様もお喜びになるでしょうね…!▼~
:[リリス]|
ずいぶんと楽しそうですね?▼~
:[ヴェイル]|
…誰です?▼~
:[リリス]|
私はリリス。~
透魔竜ハイドラ様の娘にして~
その忠実なる、しもべです。▼~
:[ヴェイル]|
透魔竜ハイドラの…~
忠実なるしもべ?~
娘でありながら下僕とは滑稽ですね。▼~
いいでしょう。~
こちらも名乗って差し上げます。▼~
私はヴェイル。~
偉大なる竜、ソンブルの娘にして~
邪竜族の第一王女です。▼~
:[リリス]|
…あなたにひとつ、~
伝えておくことがあります。▼~
命が惜しいのなら~
今すぐアスク王国から~
立ち去りなさい。▼~
:[ヴェイル]|
へえ…?▼~
***B [#dt68t80l]
:[ヴェイル]|
リリス…と言いましたか。~
なぜ、この私がアスク王国から~
立ち去る必要があるのです?▼~
:[リリス]|
アスク王国には既にハイドラ様が~
手をかけておられます。▼~
ハイドラ様の力が満ちさえすれば、~
この世界は瞬く間に滅びるでしょう。▼~
あなたが求める英雄たち…~
「紋章士」とやらの力を借りても~
ハイドラ様を止めることは叶いません。▼~
:[ヴェイル]|
随分自信があるようですが、~
質問の答えにはなっていませんね。~
…何が言いたいのです?▼~
:[リリス]|
逃げるなら今のうちだと~
忠告しているのです。▼~
:[ヴェイル]|
あはは!~
そうでしたか、ご親切にどうも。▼~
ですが、逃げも隠れもしませんよ。~
この世界がどうなろうと、~
私の知ったことではありませんので。▼~
私が欲しいのは『紋章士の指輪』…~
阻む者は誰だろうと許さない。▼~
ただ…それだけです!▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
……!?▼~
:[ヴェイル]|
嫌いなんですよねえ…~
私に忠告してくる人。~
消えるのはあなたの方ですよ、リリス。▼~
:[リリス]|
愚かな選択を…。▼~
:[ヴェイル]|
ふふっ。~
この世界でも、私の力は~
十分に使えるようですね。▼~
次は本気を出しますよ。~
命乞いをするなら今のうちです。▼~
:[リリス]|
身の程知らずですね…~
この世界に手を出したこと、~
後悔するといいでしょう。▼~
***A [#fn6o79sn]
:[ヴェイル]|
はあっ!▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
せいっ!▼~
:(白く光る)|
:[ヴェイル]|
中々やりますね。~
この私に楯突くだけのことは~
あるようです。▼~
ですが…~
紋章士の力もなしに、~
私に勝つことなどできません!▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
そのようなもの持たずとも、~
私だけの力で…じゅうぶんです!▼~
:[ヴェイル]|
小賢しい…!~
これでどうです!?▼~
:(白く光る)|
:[リリス]|
当たりませんよ。▼~
:[ヴェイル]|
ちっ…!~
この程度の相手に、私が翻弄されるなど…~
あってはならないのに。▼~
私は…私は…~
邪竜として「欠陥品」ではないと~
証明しなければならないのです。▼~
でなければ…お父様に…▼~
お父様に処分されてしまう…!▼~
:[リリス]|
処分……?▼~
……。▼~
:[ヴェイル]|
……?~
どうしたんです。~
急に抵抗をやめるなんて。▼~
:[リリス]|
あなたは、私と同じです。▼~
:[ヴェイル]|
は?▼~
:[リリス]|
あなたは私に、~
娘でありながら下僕とは滑稽だと、~
そう言いましたね。▼~
ですが、あなたはそうではないと~
言い切れるのですか?▼~
:[ヴェイル]|
何を…。▼~
:[リリス]|
あなたが命を賭けて戦い、~
命を落としたとして…。▼~
あなたのお父様は、~
涙のひとつでも~
流してくれるのですか?▼~
:[ヴェイル]|
…当然です。~
私はお父様の唯一の御子。~
悲しまれるに決まっています。▼~
:[リリス]|
そうですか。~
でも…▼~
その言葉が本当であれば、~
どうして私の目を見ないのです?▼~
:[ヴェイル]|
…………。▼~
***S [#r668o6me]
:[ヴェイル]|
私は…お父様の力を継ぐ、~
たった一人の御子です。~
愛されていないわけがありません。▼~
いえ、たとえ愛されていなかったとしても、~
お父様のために戦います。~
それが…▼~
それが、御子として当然のこと。~
欠陥品たるもう一人のわたしや、~
愚かなリュールとは違う!▼~
お前のような下僕とは違うのです!▼~
:[リリス]|
言いたいことはそれだけですか?▼~
:[ヴェイル]|
…………。▼~
…興が削がれました。▼~
ここで殺そうと思っていましたが、~
見逃してあげます。▼~
:[リリス]|
その台詞、そのままお返しします。▼~
あなたのことを脅威に感じて、~
釘を刺しに来たつもりでしたが…▼~
この程度の力であれば、~
見逃しても問題なさそうですね。▼~
:[ヴェイル]|
この程度?▼~
:[リリス]|
取るに足らない相手、ということです。▼~
己の力を過信し、~
愛されているという希望を捨てきれず、~
父の名を耳にしただけで狼狽える。▼~
まるで…▼~
まるで、私自身のようで、弱くて、~
可哀想で、相手になりません。▼~
:[ヴェイル]|
どういう意味ですか。▼~
:[リリス]|
さあ。どう取っていただいても構いません。~
私たちは、意外と気が合うと~
言っているのかも。▼~
:[ヴェイル]|
冗談を…!▼~
:[リリス]|
ふふ…~
これ以上の問答は無意味ですね。▼~
先にこの地に来た先輩として、~
私の方が引いて差し上げましょう。▼~
一足先に戻ります。~
さようなら。~
ソンブル唯一の御子、ヴェイル。▼~
願わくばもう二度と、~
顔を合わせないことを祈りますよ。▼~
:[ヴェイル]|
ふん…。▼~
不愉快な女。~
こちらだって二度と会いたくありません。▼~
…私は、あの者とは違います。▼~
あんな、実の父親に愛されず、~
下僕として扱われていることを~
隠しもしない者などとは。▼~
…………。▼~
お父様…。▼~
お父様も、早くこの世界に来てください。~
こんな心細い思いから、~
私を助けに来てください。▼~
そうして、私の傍で…~
私だけが唯一の御子だと、~
愛していると言ってください。▼~
ねえ、お父様。~
私…ずっと待っていますから…。▼~
ここで、ずうっと……。▼~
**理想郷を捨てし者 ネルガル [#a23247f6]
***C [#bu954g8k]
:[リムステラ]|
ネルガル様…~
よくおいでくださいました。▼~
:[ネルガル]|
リムステラ…~
まずは状況を聞かせよ。▼~
:[リムステラ]|
アスク王国は~
さまざまな異界から英雄を召喚し~
戦力を増強…。▼~
英雄たちは特務機関である~
ヴァイス・ブレイヴに所属し~
そこを拠点に活動しております。▼~
:[ネルガル]|
ヴァイス・ブレイヴ…~
それは【エーギル】収集に~
おあつらえ向きだな。▼~
:[リムステラ]|
はい。英雄が集うのであれば~
良質な【エーギル】の持ち主を~
探す手間も省けるというものです。▼~
:[ネルガル]|
くっくっく…~
さっそく【エーギル】収集に~
取りかかれ。▼~
:[リムステラ]|
御意。▼~
:(暗転)|
:[ネルガル]|
さて、そこのネズミどもは~
いつまで隠れているつもりだ?▼~
:[ニニアン]|
この邪な気配…~
あなただったのですね、~
ネルガル……。▼~
:[ニルス]|
ニニアン!~
不用意に近づいちゃダメだ!~
城に戻ろう!▼~
:[ニニアン]|
いいえ。~
わたしたちがここで~
止めなくては…▼~
:[ネルガル]|
ほう…でも、どうする?▼~
先んじてアスク王国に~
送り込んだ配下たちが~
【エーギル】収集を始めている。▼~
そもそも…~
貴様らごときの力で~
我が闇の魔道にかなうわけもない。▼~
:[ニニアン]|
なぜあなたは…~
平和に暮らす人々から~
【エーギル】を奪い取るのです…。▼~
エレブ大陸と同じように~
このアスク王国でも悲しみを~
広げようというのですか……?▼~
:[ネルガル]|
くだらぬ話よ。~
すべての人間は私に~
【エーギル】を捧げるための存在。▼~
私であれば~
その【エーギル】を使って~
有能なモルフを創り出せるのだ。▼~
:[ニニアン]|
犠牲を積み上げた先に~
なにがあるというのですか…?▼~
:[ネルガル]|
話にならぬな。~
世界は力のあるものが~
支配するが道理。▼~
阻む者はすべて~
我が魔道で消してやる!▼~
光栄に思うがよい。~
おまえたち姉弟の【エーギル】も~
我がモルフの糧となるのだからな。▼~
***B [#xre3457k]
:[ニルス]|
あきらめよう、ニニアン!~
早く逃げるんだ!▼~
:[ニニアン]|
ダメよ、ニルス…。~
わたしたちの背後には~
アスク王国の人々がいる…▼~
彼らは~
異界の英雄のわたしたちを信じ~
運命を託してくれたのよ。▼~
:[ネルガル]|
情に流され命を捨てるか。~
それもよかろう。~
その望み叶えてくれる!▼~
:(白く光る)|
:[ニニアン]|
きゃぁぁっ…!▼~
:[ニルス]|
しっかりして、ニニアン!▼~
:[ニニアン]|
う…だ、大丈夫…▼~
:[ネルガル]|
まだ心は折れてはおらぬか。~
だが、次で終わりだ。~
消えよ…!▼~
:[ニニアン]|
……!▼~
:[ニルス]|
ニニアン! 逃げて!▼~
:(白く光る)|
:[ニルス]|
…え?~
ネルガルの魔道が…~
打ち消された?▼~
:[ドーマ]|
……▼~
:[ネルガル]|
貴様、その気配…~
人間のものではないな?▼~
:[ドーマ]|
我が名はドーマ。~
力を司る者…▼~
:[ネルガル]|
ほう、神竜…~
それも邪神か?▼~
:[ニルス]|
ニニアン、肩を貸すよ!~
今のうちに逃げるんだ。▼~
:[ニニアン]|
ありがとう、ニルス…▼~
わたしの力だけでは~
あの人を止められないの……?▼~
***A [#vu594hww]
:[ドーマ]|
この世界に、強大な力が~
流れ込んでくるのを感じた。▼~
我はその力の正体を~
見極めにきただけだ…。▼~
:[ネルガル]|
邪神が人助けとは片腹痛い。~
よほど暇を持て余しているようだな。▼~
:[ドーマ]|
人助けとは、先の姉弟のことか?~
我は人に手を差し伸べぬ。▼~
あやつらは偶然手にした~
機会を利用しただけのこと。▼~
:[ネルガル]|
我が魔道を打ち消しておいて~
よく言えたものだ。▼~
:[ドーマ]|
人に必要なのは救いの手ではない。~
神に頼ったその先にあるのは~
堕落がはびこる世界…。▼~
:[ネルガル]|
……。▼~
:[ドーマ]|
人が成長するには~
自らの力で困難を~
乗り越える必要がある。▼~
神が人に与えるべきものが~
あるとすれば…それは試練だ。▼~
:[ネルガル]|
邪神に堕ちたとしても元は神竜。~
結局は、人の未来を見据えて~
動いているということか。▼~
だが…私が与えるのは~
試練などという~
生ぬるいものではない。▼~
私が人間に与えるのは破滅のみ。~
私はそのために力を求め~
そのために力を振るうのだ。▼~
:[ドーマ]|
己のためだけに力を求める姿勢…~
それもよかろう。▼~
力とたくましさは~
生きるうえで必要なものだ。~
私もそうして、国を作り上げた。▼~
しかしお前は力のみに~
執着しているように見える。~
なにを成さんと力を欲す?▼~
:[ネルガル]|
邪神がよくしゃべるものよ。▼~
力がなくては~
なしえぬ大望があるからこそ~
私はこの地に立っているのだ。▼~
:[ドーマ]|
……。▼~
***S [#t90rn7ie]
:[ネルガル]|
私の望みは強く、芸術的な~
モルフを大量に創り出すこと。▼~
:[ドーマ]|
モルフ…お前に作られた~
偽りの生を持つ者か。▼~
:[ネルガル]|
だが、モルフを創るためには~
【エーギル】を集めなければならぬ。~
優秀なモルフであればなおのことだ。▼~
ゆえに下等な人間たちから~
【エーギル】を奪う。~
理想のモルフを生み続けるために!▼~
:[ドーマ]|
そのモルフで…~
地を埋め尽くしてなんとする?▼~
その先にお前が見ているのは~
どのような光景だ?▼~
:[ネルガル]|
…なんだと?▼~
:[ドーマ]|
お前の望みは力を求めること…~
それ自体が目的のように見える。▼~
望みが叶った先に~
いったいなにがあると言う。▼~
お前がやろうとしていることは~
砂漠に水を吸わせるようなもの。~
いつまで経っても満たされはせぬ。▼~
:[ネルガル]|
知ったような口をきくな。~
その顔、不愉快だ。▼~
:(白く光る)|
:[ドーマ]|
…なるほど、たいした魔道の力だ。~
自惚れるのも無理はない。▼~
だが…最後に~
ひとつ教えておいてやろう。▼~
お前は、このアスク王国で~
身をもって思い知ることになる。▼~
お前が下等と断じた~
人間たちの力とたくましさをな。▼~
:(白く光る)|
:[ネルガル]|
……。~
ふん…消えたか。▼~
人間のたくましさだと?~
くだらぬ。実にくだらぬ。~
邪神の眼力も底が知れるわ。▼~
だが、これは好機よ。~
どうやらアスク王国には~
神々も召喚されているようだな。▼~
ならば神々からも【エーギル】を奪い~
我が糧としてくれよう!▼~
さぞ良質な【エーギル】を~
持っているのであろうな。~
胸が躍るわ、ハハハハハ!▼~
**闇に舞う蒼鴉 ウルスラ [#etu562av]
***C [#r69o0ena]
:[ウルスラ]|
ああ、ソーニャ様…~
このウルスラ、異界の地でも~
お仕えできて光栄です。▼~
:[ソーニャ]|
お前は私のお気に入り…~
このアスク王国でも~
しっかりと働いてもらうわ。▼~
:[ウルスラ]|
はっ、ソーニャ様は~
ネルガル様に選ばれた完璧な人間。▼~
お仕えさせていただくからには~
完璧な活躍をお約束いたします。▼~
:[ソーニャ]|
人間にはふたつの種類があるわ。~
上に立つ者と奉仕するだけのクズ…~
お前はどうすべきか、わかっているわね?▼~
:[ウルスラ]|
無論、心得ております。▼~
:[ソーニャ]|
偉大なるネルガル様は~
人間の【エーギル】を欲しておられるわ。▼~
優れた人間である私たちは~
下等な人間から【エーギル】を~
搾り取らなければならない。▼~
それはエレブ大陸でも~
このアスク王国でも変わりはないわ。▼~
:[ウルスラ]|
おっしゃるとおりです。~
クズどもに、それ以外の~
存在価値はありません。▼~
:[ソーニャ]|
この【エーギル】収集計画は~
ネルガル様の意向…。~
失敗は許されない。▼~
念には念を入れて~
懸念材料を潰す必要があるわ。▼~
:[ウルスラ]|
下等な人間の中に~
分をわきまえぬ者がいると?▼~
:[ソーニャ]|
ええ。私たちと同じく~
エレブ大陸から召喚された人間…▼~
特にリキア同盟の~
エリウッドたちの~
存在は目障りだわ。▼~
私はお前の~
暗殺の腕前を評価しているの。~
やるべきことは…わかるわね?▼~
:[ウルスラ]|
承知しました。~
すぐにアスク王城に向かい~
始末して参ります。▼~
:[ソーニャ]|
私は役立たずが大嫌いよ。~
期待しているわね、ウルスラ。▼~
***B [#njy8trtt]
:[ウルスラ]|
アスク王城…ふふ。~
拍子抜けするほど~
簡単に侵入できたわね。▼~
あとは標的を探し出し~
その寝首をかくだけ…▼~
:[レギン]|
そこまでなの!~
ここから先に入ることは許さないの!▼~
:[フィヨルム]|
ヴァイス・ブレイヴに~
所属する英雄ではありませんね?~
目的は何ですか?▼~
:[ウルスラ]|
あら…~
泳がされていたというわけね。▼~
面倒なことになるまえに~
まとめて相手してあげる。▼~
姿を見られたからには容赦しない。~
すぐに片付けてあげる。▼~
:(白く光る)|
:[フィヨルム]|
っ…なんて強い魔道の力!?~
二人がかりでも押されるなんて!▼~
:[ウルスラ]|
ネルガル様に賜ったこの力…~
存分に味わわせてあげる。▼~
:(白く光る)|
:[レギン]|
は、速い!?~
人間離れした力なの!▼~
:[ウルスラ]|
私にかなうわけがないでしょう?~
理由は簡単よ。▼~
優れた人間の私と~
クズのあなたたちでは~
勝負になるわけがない!▼~
:[フィヨルム]|
くっ…!~
そんなことはありません!▼~
:[レギン]|
どうして私たちがクズなの?▼~
:[ウルスラ]|
氷の国ニフルのフィヨルム王女。~
小人の国ニザヴェリルのレギン王女。~
あなたたちのことはすでに調べている…▼~
たとえクズを相手するにも~
任務のために準備は怠らないの。▼~
:[レギン]|
任務…?~
いったいなにが目的なの!?▼~
:[ウルスラ]|
価値のない人間が~
知ったところで無意味だわ。▼~
クズはおとなしく~
優れた人間の役に立ちなさい。▼~
:[フィヨルム]|
お断りします!~
そのような曲がった考えに~
従う道理はありません!▼~
:[ウルスラ]|
…あなたたちは~
戦争で大切な人間を~
守れなかった負け犬。▼~
負け犬がなんと吠えようが~
虚しく響くだけよ?▼~
:[フィヨルム]|
ど、どうしてそのような~
ひどいことを言えるのですか…!▼~
:[ウルスラ]|
私はただ、事実を~
口にしているだけよ。▼~
価値のない人間に~
存在する意味はないわ。~
消してあげるから感謝しなさい。▼~
***A [#r67j68wx]
:[フィヨルム]|
価値のない人間には~
存在する意味がない…。▼~
だから消えるべきだと~
あなたは仰るのですね?▼~
:[ウルスラ]|
ええ。それこそが~
世のことわりだから。▼~
:[フィヨルム]|
たしかに私は…~
ムスペル王国との争いで~
スリーズ姉様を失いました。▼~
:[レギン]|
私もニザヴェリルの内乱で~
お兄ちゃんたちを亡くした。~
それは動かせない事実なの。▼~
:[ウルスラ]|
そうね。あなたたちが~
無能な負け犬である事実は~
歴史に刻まれているわ。▼~
:[レギン]|
私は大切な人を守れなかった。~
それはたしかなの!▼~
だけど今は…大切な人たちが~
託してくれたものを守るために~
私は生きてるの!▼~
それを負け犬呼ばわりするなんて~
許せないの!▼~
:[ウルスラ]|
馬鹿馬鹿しい…。~
あなたたちが価値のない~
クズであることは事実なのに。▼~
:[フィヨルム]|
価値があるかどうかを決めるのは~
あなたではありません。▼~
そしてそれは……~
私たちでもない。▼~
私たちができるのは、~
亡くなった人たちの分まで~
精一杯生きること。▼~
大切な人たちが守ろうとした世界を~
後世に繋いでいくことは~
決して無駄ではないのですから。▼~
:[ウルスラ]|
耳障りな詭弁ね。~
おしゃべりの時間はおしまい。~
私の魔道で消えてなくなりなさい。▼~
はぁっ…!▼~
:[???]|
そこまでよっ!▼~
:(白く光る)|
:[ウルスラ]|
くっ!?~
この矢はいったいどこから…。▼~
:[リン]|
ちょっと距離はあったけど~
牽制には十分だったみたいね!▼~
:[ヘクトル]|
やるじゃねえか、リン。▼~
どうやら見知った顔が~
この世界でも悪さしているようだな。~
俺も暴れさせてもらうぜ!▼~
:[エリウッド]|
フィヨルム王女、レギン王女!~
お二人ともご無事ですか?~
我々も加勢いたします!▼~
:[フィヨルム]|
皆さん…!~
助かりました! 感謝します!▼~
:[ウルスラ]|
標的が首を揃えて~
出てきてくれるとはね…。▼~
けど、これでは分が悪い。~
またの機会に仕留めるわ。▼~
:[レギン]|
ああっ、待ちなさいなの!▼~
…あっという間に~
暗がりに消えちゃったの。▼~
:[リン]|
あいつら【黒い牙】は闇に紛れるのよ。~
まんまと逃げられちゃったわね。▼~
:[ヘクトル]|
ちっ。あいつら~
この世界でも迷惑かける気かよ。▼~
:[エリウッド]|
みんなが無事でよかった。~
アンナ隊長に、城の警備を~
固めるように言っておこうか。▼~
:[フィヨルム]|
価値があるかないか…~
そんな基準でしか~
人を見られないなんて…。▼~
彼女も可哀想な人なのかも~
しれません…。▼~
***S [#r68k8w3q]
:[ソーニャ]|
暗殺に失敗した、ですって?~
手ぶらでよく戻ったものね。▼~
:[ウルスラ]|
申し訳ございません、ソーニャ様。~
次こそは必ず仕留めて参ります。▼~
:[ソーニャ]|
次…? そんな機会が~
与えられるとでも思っているの?▼~
私は自分のまわりに~
役立たずを置きたくないわ。▼~
:[ウルスラ]|
……。▼~
:[ソーニャ]|
けれど…~
特別にもう一度だけ、~
あなたに機会をあげてもいい。▼~
次こそは~
任務を果たせるわよね?▼~
:[ウルスラ]|
もちろんです。~
ソーニャ様のために…▼~
そして、私が価値のある~
人間だと証明するために…▼~
:[ソーニャ]|
そう…。私は部屋に戻るわ。~
よい報告だけを持ってきなさい。▼~
:[ウルスラ]|
ああ、お優しいソーニャ様…。~
ソーニャ様は私を必要としてくれている。~
なんとしてもお役に立たなければ…▼~
完璧であるソーニャ様に仕える私が~
負け犬であってはならないのだから…。▼~
:(暗転)|
:[ソーニャ]|
ウルスラ…~
モルフになればもう少し~
使えるかと思っていたのに…▼~
あれは失敗作みたいね。~
役立たずは視界に入れたくないわ。▼~
使えないなら捨ててしまえばいい。~
負け犬になんの価値もないのだから…。▼~
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- こいつら(闇ルミエル、闇ヴェイル)、人の心とかないんか --...
- あと、モルフウルスラ(キャラ崩壊)とネルガルとソーニャと...
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