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章別会話/紅き一族の陰謀
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*紅き一族の陰謀 [#q2be4940]
#contents
**紅き一族の陰謀 [#ocb8155a]
***オープニング [#o10d51a6]
:[アンナ]|
……▼~
:[レイラ]|
……▼~
調査をはじめて1週間…~
今日も目立った動きはなし…か。▼~
:[ニルス]|
あれ…? レイラさん~
こんなところでなにをやってるの?~
もしかして…かくれんぼかなにか?▼~
:[レイラ]|
……!~
しーっ、静かにっ!▼~
今は仕事中…~
そう、諜報活動中なの。▼~
:[ニルス]|
ちょうほう…かつどう?▼~
:[フィオーラ]|
なにか動きはあった?~
こっちはなにも、有用な情報は~
手に入らなかったわ。▼~
:[ラス]|
こちらも同じだ。~
めぼしい手がかりは得られなかった。▼~
ただ、やはりエレブ大陸以外…~
いや、いくつもの異なる世界で~
よく似た人物は目撃されている。▼~
:[レイラ]|
ヘクトル様の言うとおり…か。~
今のところ怪しい動きはないけど…▼~
やはり、なにか裏がありそうな~
予感がするわね…▼~
:[ニルス]|
え、えっと、レイラさん…~
アンナ隊長を見張ってたみたいだけど~
いったいなにを調べているの?▼~
:[レイラ]|
……~
ニルス、ここだけの話よ。▼~
私たちはね、ある筋から依頼されて~
アンナ隊長の…正体を探っているの。▼~
:[ニルス]|
え!?~
アンナ隊長の正体…?~
そ、それって…!?▼~
***C [#k9f2d90c]
:[レイラ]|
アンナ隊長の素性を探る…?~
それはいったい…~
どういう意味でしょうか?▼~
:[ヘクトル]|
俺はアスク王国に来てから~
幾度となくアンナ隊長とともに戦ったし~
その人柄にも信頼を寄せている。▼~
ただ…~
アンナ隊長の素性に関しては~
腑に落ちない点が色々あってな。▼~
:[レイラ]|
腑に落ちない点とは…?▼~
:[ヘクトル]|
俺はこの世界に来る前…~
エレブ大陸の港町で~
彼女にそっくりな人物に会ってる。▼~
もちろん、アンナ隊長じゃない。~
だが、他人の空似というには~
あまりにも似過ぎていた。▼~
:[レイラ]|
それは…奇妙な話ですね。▼~
:[ヘクトル]|
マシューの調査によると~
彼女は、アンナ商会という~
商人ギルドに所属してるそうだ。▼~
アンナ商会は~
多くの異界にも存在し~
活動を続けているらしい…▼~
別の世界が存在する…なんて~
以前の俺たちからすれば、おとぎ話だ。~
少なくとも、【竜の門】を知るまではな。▼~
俺はアンナ商会はどういう存在で~
どんな目的で活動しているのか…~
どうにも気になってな。▼~
:[レイラ]|
なるほど…~
それは確かに気になりますね。▼~
:[ヘクトル]|
仲間を疑うようなことはしたくない。~
しかし同時に、大切な仲間だからこそ~
疑惑は取り除いておきたい。▼~
マシューには城外に調査に出てもらっている。~
レイラはアンナ隊長の近辺を探って~
気付いたことがあれば俺に教えてくれ。▼~
:[レイラ]|
わかりました、調査を開始します。~
ただ、この世界に来て日も浅いので~
協力者の手を借りるかもしれません。▼~
~
(暗転)
:[フィオーラ]|
アンナ隊長の素性を探る…?~
確かに調査任務は~
何度も経験がありますが…▼~
:[レイラ]|
ええ。~
謝礼はこのくらいでどう?▼~
:[フィオーラ]|
わかりました。~
仲間を疑うようで気は進みませんが…~
引き受ける以上は全力を尽くします。▼~
~
(暗転)
:[レイラ]|
…というわけで~
草原の民として鍛えた~
あなたの目と耳を当てにしたいの。▼~
:[ラス]|
…すまないが興味がない。~
ほかを当たってくれ。▼~
:[レイラ]|
ラス、あなたは生まれたときに~
「すべてを暗い赤が焼き尽くすであろう」と~
まじない師に告げられたそうね?▼~
:[ラス]|
…ああ、そうだ。~
俺はその災いを防がねばならない。▼~
:[レイラ]|
そういえば、アンナ隊長の髪って~
燃えるような赤い色よね?▼~
もしもの話だけど、アンナ商会が~
あらゆる異界で、死の商人として~
争いの種を撒いているとしたら?▼~
:[ラス]|
…………▼~
~
(暗転)
:[ニルス]|
なるほど…~
そんなことがあったんだね。▼~
ぼくは人間にいい感情を持ってなかったけど~
レイラさんやヘクトルさまたちは~
いい人だよ…ぼくも力になれるかな?▼~
:[レイラ]|
協力してくれるなら大歓迎よ。~
助かるわ…!▼~
:[ニルス]|
じゃあ、ぼくも力を貸すよ。▼~
アンナ隊長のことも信じているから…~
なにもないのが一番だけどね。▼~
***B [#x44c4c11]
:[レイラ]|
私たちとは~
大きく異なる世界から来た英雄…~
イツキやツバサにも話を聞いてみたわ。▼~
もといた世界で~
アンナ隊長によく似た人を~
見なかったか…って。▼~
そしたら、コンビニ?…という店に~
よく似た人物がいたそうよ。~
髪型も一緒だったらしいわ。▼~
:[ニルス]|
エーデルガルトさんのいた世界でも~
アンナ隊長に似た人物が~
修道院の店番をやってたって。▼~
:[レイラ]|
やっぱり、このふたつの世界でも~
商業活動に関わっているわね…▼~
うん、間違いなくアンナ商会の~
一派だと見ていいんじゃないかしら。▼~
:[フィオーラ]|
これは、イーリス王国出身の方々に~
聞いた話ですが…▼~
「行商人と思っていたら、無数の武器を~
背負って戦いを挑んできた」~
という噂話もあるようですね。▼~
:[ラス]|
白夜王国、暗夜王国の出身者からは~
異界に繋がる門の番人が~
アンナ隊長によく似た人物だったと聞いた。▼~
:[レイラ]|
つまり…~
異界のアンナ隊長がやっているのは~
商業活動だけじゃない、ってこと…?▼~
:[ニルス]|
うーん、なんだか~
情報を集めれば集めるほど~
謎は深まっていくよね。▼~
:[ラス]|
しかし、ここ一週間…~
アンナ隊長を見張っているが~
行動に怪しいところは見受けられない。▼~
:[フィオーラ]|
それどころか商売抜きで~
特務機関に誠心誠意~
尽くしているようにも見えますね。▼~
:[ニルス]|
う、うん…~
ぼくもアンナ隊長たちが~
悪いことを企んでいるようには見えないよ。▼~
:[ラス]|
もう、回りくどいことをせず~
本人に問い質してみるのはどうだ。▼~
:[フィオーラ]|
私も賛成です。~
こそこそと嗅ぎ回るよりも~
正面から当たってみるのがよいかと。▼~
:[ニルス]|
うん、そうだね…~
アンナ隊長に直接聞いてみよう。~
それが真実に迫る近道な気がする。▼~
:[レイラ]|
……▼~
***A [#i8508c9d]
:[アンナ]|
え!? アンナ商会が~
あらゆる異界で戦争を利用して~
富を得ているって…?▼~
そんなことするわけないじゃない!~
私たちは戦争を終わらせるために~
協力しているの!▼~
:[ニルス]|
なんだ、やっぱりそうだったんだ!~
よかった、アンナ隊長が悪い人じゃなくて…▼~
:[アンナ]|
異界にいる私たちは別人だけど~
みんな同じ使命を得るの。▼~
英雄を助け…平和に貢献せよ、ってね。~
アンナ商会はその手段のひとつよ。▼~
:[レイラ]|
なるほど…だからアンナ隊長は~
異界でもさまざまな形で~
英雄たちに関わってきたと…▼~
:[アンナ]|
そう。私もアスク王国の商家に生まれて~
物心ついたころに、アンナ商会の~
一員だって告げられたのよ。▼~
:[ラス]|
では、アンナ隊長が~
事あるごとに蓄財をしようとするのも~
すべて英雄を助けるために…?▼~
:[アンナ]|
も、もも…もちろんよ!▼~
:[フィオーラ]|
アンナ隊長…心なしか~
目が泳いでいるように見えますが?▼~
:[レイラ]|
それと、もうひとつ…~
見た目がそっくりなのは~
なにか理由が…?▼~
:[アンナ]|
それは私も不思議なのよね…▼~
異界によっては何人も~
姉妹がいる場合もあるらしいけど…~
なぜか全員、顔が似ているそうよ。▼~
:[ニルス]|
ともあれ、アンナ商会は~
悪い組織じゃなかったんだ。~
疑ってごめんなさい、アンナ隊長。▼~
:[レイラ]|
いろいろと調べて悪かったわね。~
これからもアンナ隊長と~
アンナ商会を信頼させてもらうわ。▼~
:[アンナ]|
ええ、こちらこそ。~
これからもよろしく頼むわね!▼~
:[レイラ]|
でも…ヘクトル様に聞いた話だと~
港町にいたアンナさんには~
ジェイクという恋人がいたらしいけど…▼~
その人物とアンナ隊長は~
もちろん別人なのよね?▼~
:[アンナ]|
もちろん別人よ!~
わ、私に恋人なんていないわよ…~
むしろ、絶賛募集中なんだから!▼~
**草原の若き狼 ラス [#m34b48c2]
***C [#w60daccf]
:[ラス]|
……▼~
:[アルフォンス]|
おや? あの後ろ姿は…~
こんな時間にラスは~
どこへ行くんだろう…▼~
最近、向こうの森には~
荒ぶった獣が出るそうだし~
念のため、報せておかないと。▼~
~
(暗転)
:[アルフォンス]|
おかしいな…ラスはこっちに~
歩いていったはずだけど。▼~
ん? 湖畔に灯火が。~
あれは…焚き火か。▼~
ああ、やっぱり…~
ここにいたんだね、ラス。▼~
:[ラス]|
アルフォンス王子…▼~
:[アルフォンス]|
聞いてもいいかな?~
君はここでなにを?▼~
:[ラス]|
……▼~
時折、こうして城を出て~
一人で自分と向き合っている。▼~
俺にとっては…必要な時間だ。▼~
:[アルフォンス]|
なるほど…邪魔して悪かったね。~
それでは僕は城に戻るよ。~
おやすみ、ラス。▼~
:[ラス]|
ああ…▼~
***B [#sabc8b59]
:[アルフォンス]|
ラス、先日は~
邪魔をして悪かったね。▼~
:[ラス]|
謝る必要はない…~
別に、邪魔ではなかった。▼~
アルフォンス王子が~
現れたのも空の導きだろう。▼~
:[アルフォンス]|
……~
ラスは時々、城を出て~
一人になると言っていたね。▼~
この城でなにか足りないものや~
不自由していることがあるのかな?~
だったら遠慮せずに言ってほしい。▼~
:[ラス]|
……~
逆だ、アルフォンス王子。▼~
:[アルフォンス]|
逆…というと?▼~
:[ラス]|
この城にはあらゆるものがあり~
すべてが満たされている。▼~
強固な城壁、高い天井~
夜通し照らされる灯り…~
そして、柔らかなベッド。▼~
しかし、満たされているがゆえ~
見えなくなっているものもある。▼~
:[アルフォンス]|
見えなくなっているもの…~
それはどういうことかな?▼~
:[ラス]|
知りたければ、今夜~
あの湖畔に来るがいい。▼~
導きがあれば…~
アルフォンス王子も~
見ることができるはずだ。▼~
:[アルフォンス]|
……~
満たされているがゆえに~
見えないもの…▼~
***A [#q488ae63]
:[アルフォンス]|
ラス、君の言うとおり~
同じ場所に来てみたけれど…~
ここでいったいなにが?▼~
澄んだ湖に、微かな野鳥の声。~
特別変わったものがあるように~
見えないけれど…▼~
:[ラス]|
……~
アルフォンス王子…~
空を見上げてみるんだ。▼~
:[アルフォンス]|
……!~
星が…無数に…~
あんなにたくさん…▼~
:[ラス]|
城は雨風をしのぎ~
敵の攻撃にも備えられる。~
あらゆるものも揃っている。▼~
しかし、煌々と明るい場所では~
頭上にある星の輝きが~
ここまではっきりと見えないだろう。▼~
:[アルフォンス]|
綺麗だ。~
空にはこんなにも~
星々が輝いていたんだね。▼~
ラスが僕に見せたかったのは~
この光景だったのか…▼~
:[ラス]|
俺たちクトラ族は…~
大地に根付き、風とともに生き~
星に感謝を捧げて生きてきた。▼~
その生き方はサカの草原でも~
アスク王国でも、変わりはしない。▼~
:[アルフォンス]|
……▼~
:[ラス]|
アルフォンス王子~
あなたが最後に星空を見上げたのは~
いつだったか、覚えているか?▼~
:[アルフォンス]|
僕が最後に星空を見上げたのは…~
……▼~
***S [#j296100a]
:[アルフォンス]|
ラスがなぜ僕に~
星を見せてくれたのか…~
わかったような気がするよ。▼~
:[ラス]|
……▼~
:[アルフォンス]|
アスク王国には~
絶え間なく危機が押し寄せている。▼~
戦いに次ぐ戦いで~
緊張の日々を生きる僕は▼~
星空を見上げる余裕すら…~
失っていたんだ。▼~
:[ラス]|
今のアスク王国が~
大変な状況にあることは~
わかっている。▼~
特務機関の中心人物たる~
アルフォンス王子の双肩に~
どれほどの負担がかかっているかもな。▼~
:[アルフォンス]|
確かに、目の前の問題をひとつずつ~
解決していくことは大切だ。▼~
でも、それに目を奪われていては~
遠くに輝く大切なものが~
見えなくなってしまう…▼~
:[ラス]|
……▼~
:[アルフォンス]|
ラスに、夜空の星に教えられたよ。~
どんなに大変なときでも~
心に余裕を持つことの大切さをね。▼~
:[ラス]|
たとえ、自分の目の前が~
暗闇で占められていても…~
頭上に光が見えることもある。▼~
自分にとっての輝きを~
見失わなければ…~
人は迷わず歩いていけるものだ。▼~
:[アルフォンス]|
そうだね…僕もそう思うよ。▼~
:[ラス]|
アルフォンス王子…~
あなたは自分に必要なものを~
素直に学び取る才がある。▼~
その前向きさは天が与えた資質だ。~
大切にするといい。▼~
:[アルフォンス]|
ありがとう、ラス。~
これからも学ばせてくれ。▼~
:[ラス]|
アスク王国、そしてアルフォンス王子にも~
母なる大地の恵みがあらんことを。▼~
俺は、光に向かって歩いていく~
あなたを支えよう。~
空と大地に誓って。▼~
**牙の巣に潜む花 レイラ [#n19a6c2c]
***C [#s8c32627]
:[レイラ]|
ひさしぶりね、マシュー。~
元気にしてた?▼~
:[マシュー]|
レイラ…▼~
…ああ、元気も元気さ。~
この世界でも若様が無茶なさるんで~
お付きの役目も楽じゃない。▼~
ここで…~
お前と再会できるとはな。▼~
:[レイラ]|
ふふっ、もっと喜んでいいのよ。▼~
:[マシュー]|
まあ、うれしいのは確かだが…~
喜んでばかりもいられないぜ。▼~
レイラも特務機関の連中から~
聞かされただろ?~
アスク王国の現状を。▼~
:[レイラ]|
ええ。危機また危機の連続…~
よく今まで持ちこたえられたものね。▼~
:[マシュー]|
少しでも気を抜けば~
アスク王国はすぐさま戦火に焼かれて~
灰になっちまうだろう。▼~
:[レイラ]|
そして真っ先に泣くのは~
この地で暮らす罪なき民…ね。▼~
:[マシュー]|
ああ、そういうことだ。~
どうやらこの世界でも、~
おれたち密偵の出番はあるらしい。▼~
本当は…おれたちみたいのが~
いらない世の中が一番だけどな。▼~
:[レイラ]|
そうね。でも…~
呼ばれたからにはキッチリと~
任務はこなしてみせるわ。▼~
一人じゃ大変だったでしょ?~
これからは私もしっかりと支えるから。▼~
:[マシュー]|
ああ、頼らせてもらうさ。~
……▼~
***B [#u25e55be]
:[スズカゼ]|
そう、その調子で慎重に足を降ろして~
音を消しながら先に進む。~
それが…忍び足です。▼~
:[マシュー]|
お、おお!~
確かに足音が消えるな。~
こりゃあいい、任務に使えそうだ!▼~
:[レイラ]|
マシュー、なにをやってるの?~
そちらは…?▼~
:[マシュー]|
ああ、紹介するよ。~
白夜王国の忍び、スズカゼだ。▼~
:[スズカゼ]|
はじめまして、スズカゼと申します。~
オスティア候に仕えるレイラさんですね。~
お話は伺っております。▼~
:[レイラ]|
スズカゼ、はじめまして。~
でも…珍しいわね。▼~
仲間だろうと友人だろうと~
馴れ合うべきじゃないって~
マシューは言ってたじゃない。▼~
その割にはスズカゼと~
ずいぶん親しく見えるけど…▼~
:[マシュー]|
はは、スズカゼたち忍びは~
おれたちが知らない技を~
色々持ってるからな。▼~
仕事に役立つんじゃないかと思って~
教えてもらってたのさ。~
なあ、スズカゼ…って、いない!?▼~
:[スズカゼ]|
そちらはただの木…~
私はここです。~
これは、変わり身の術といいます。▼~
:[レイラ]|
すごいわね…~
ねえ、スズカゼ。私にも~
忍びの技を教えてもらえる?▼~
:[スズカゼ]|
私の仲間にカゲロウという~
女性の忍び…くの一がおります。▼~
同じ女性同士、彼女から~
習うのがいいかもしれませんね。~
私が伝えておきましょう。▼~
:[レイラ]|
ありがとう、助かるわ…!▼~
いろいろな英雄に教えを乞える…~
アスク王国って強くなるのに~
うってつけの場所ね。▼~
:[マシュー]|
……▼~
:[レイラ]|
マシュー、どうかした?~
なにか考えごと?▼~
:[マシュー]|
あ、いや…別に。▼~
レイラの言うとおりだな。~
英雄同士で技を伝え合えば~
もっと強くなれるかもな、うん。▼~
***A [#j866e43c]
:[レイラ]|
マシュー、この間から…~
なんだか様子が変よ?▼~
:[マシュー]|
おれが変? どこがだよ。~
おれはいつもどおりだぜ。▼~
:[レイラ]|
私の目を…ごまかせると思ってる?▼~
:[マシュー]|
……▼~
:[レイラ]|
当ててあげましょうか?~
大方、「この世界に来てまで~
私に密偵をやらせたくない」とか…▼~
「できれば密偵はやめてほしい」…~
そんなふうに思ってるんでしょ?▼~
私が忍びの技を教えてほしいと言って~
あなたがいい顔をしなかったのも~
きっとそのせい…なんでしょ?▼~
:[マシュー]|
ああ、そのとおりだよ。▼~
密偵はいつも死と隣り合わせ。~
最前線で戦う英雄たちとは~
違う種類の危険がつきまとう。▼~
ましてや、このアスク王国は~
おれたちがいた世界とは~
危険の種類が違いすぎる…▼~
:[レイラ]|
危険なのは…わかるわ。~
だけど…▼~
:[マシュー]|
おれがスズカゼに学んでいたのも~
レイラ、お前を危険な任務に~
送り込みたくないからだ。▼~
危ない仕事はおれがやる。~
だからお前は…ヘクトル様の~
近くについていてくれ。▼~
:[レイラ]|
……!▼~
マシュー、あなた…~
それ本気で言ってるの?▼~
:[マシュー]|
ああ、本気だ。だから…▼~
:[レイラ]|
見損なわないで…!▼~
あなただけを危ない目にあわせて~
私だけ安全なところにいるなんて…▼~
私がそんな…~
そんな卑怯な真似ができると~
あなたは思っているの!?▼~
***S [#ec853aa1]
:[マシュー]|
……▼~
はは、そうだよな…~
レイラならそう言うよな。▼~
:[レイラ]|
え? マシュー…~
あなた、なぜ笑ってるの?▼~
:[マシュー]|
さっきのは冗談だよ。冗談!~
どうだ、おれの芝居も~
ずいぶんうまくなっただろ?▼~
この演技力ならどこに潜入しても~
簡単に身元がバレることはないさ。▼~
:[レイラ]|
じゃ、じゃあ…~
さっきまでのマシューの言葉は~
本当に芝居だったってこと?▼~
:[マシュー]|
密偵はいかにして相手を欺けるか。~
それはレイラだって~
よくわかっているだろ?▼~
:[レイラ]|
もうっ、マシューったら。~
冗談を言うにしても~
時と場所を選びなさいって話よ!▼~
:[マシュー]|
おれは自分の力を~
よくわきまえているからさ…▼~
自分一人で密偵の仕事を~
完璧にこなせるとは思っちゃいない。~
仲間の協力が必要だ。▼~
だから…これからもよろしくな。~
頼りにしてるぜ、レイラ。▼~
:[レイラ]|
ええ。頼ってもらって構わないわ。~
そのために、私はこの世界に~
呼ばれたんですもの。▼~
:[マシュー]|
けどな…お前に危ない目に~
あってほしくないのは本心だ。▼~
:[レイラ]|
それも芝居じゃないでしょうね…?▼~
:[マシュー]|
おっと、若様の用事を思い出した。~
じゃ、おれはこれで…!▼~
:[レイラ]|
あっ、ちょっとマシュー…~
もうっ、演技力だけじゃなく~
逃げ足も成長してるじゃない!▼~
……▼~
危ない目にあってほしくないのは~
私も一緒よ。あなただけを~
危険な目にはあわせないわ。▼~
そのために、私はここにいるの。~
二人で必ず生き残りましょう。~
約束だからね、マシュー…▼~
**晴朗なる笛の音 ニルス [#ef34b72d]
***C [#j152397c]
:[ニルス]|
ニニアン…!~
よかった、元気そうで…!▼~
:[ニニアン]|
ニルス、ふふ…~
少しだけ、大きくなった?▼~
:[ニルス]|
い、いや…ぼくたちは~
永い時間を生きているんだし~
そんなに簡単に外見は変わらないよ。▼~
:[ニニアン]|
見かけの話じゃないの。~
前より頼り甲斐を~
感じるようになったような…▼~
:[シャロン]|
ニニアンさんもニルスさんも~
とっても仲のいい姉弟なんですね!▼~
:[ニルス]|
ぼくと姉さんは~
エレブ大陸の戦いに加わらないよう~
元々は別の世界で暮らしていたんだ。▼~
でも、エレブ大陸では~
姉さんと一緒に芸を見せながら~
ずっと旅をしていたんだよ。▼~
:[シャロン]|
ニニアンさんの踊りは~
そのときに培われたものなのですね。▼~
:[ニニアン]|
はい…▼~
ニルス、ここにいる人たちは~
シャロン王女も特務機関の人たちも~
温かい人たちばかりなの。▼~
:[ニルス]|
うん、ぼくにもわかるよ。~
この国は…とても温かいね。▼~
:[ニニアン]|
この国の人たちのために…~
わたしは力になりたいと思うの。▼~
:[ニルス]|
ニニアンがそう考えるなら~
ぼくも喜んで力を貸すよ…!▼~
:[ニニアン]|
ありがとう、ニルス。~
わたしたちはこれからもずっと一緒ね。▼~
:[ニルス]|
う、うん。~
ずっと…ずっと一緒だよ。▼~
……▼~
***B [#l41832f2]
:[シャロン]|
あっ、ニルスさん。~
今日も訓練、お疲れさまでした!▼~
ニルスさんの音色に~
わたしも癒やされちゃいましたよ~!▼~
:[ニルス]|
あの、シャロン王女…▼~
アスク王国が平和になったら~
ぼくたちは…元の世界に戻るのかな?▼~
:[シャロン]|
えーと…どうなんでしょう?~
確か、お兄様のお話によると…▼~
色んな文献では~
大きく二つの説があって、その一つは~
元の世界に戻るという説だったような…▼~
:[ニルス]|
…元の世界に…▼~
:[シャロン]|
……?~
なにか気がかりなことでも?▼~
:[ニルス]|
い、いや、別に…~
教えてくれてありがとう。▼~
~
(暗転)
:[ニニアン]|
あら、ニルス…どうしたの?~
思い詰めたような顔をして…▼~
:[ニルス]|
ニニアン…~
お願いがあるんだ。▼~
もし、アスク王国が平和になって~
元の世界に戻ったら…▼~
絶対に、人間たちの戦いに~
加わっちゃいけない。▼~
:[ニニアン]|
え…?~
それはどういう意味?▼~
:[ニルス]|
エリウッドさまには悪いけど…~
どこか遠くに逃げて~
静かに暮らしてほしいんだ。▼~
それがニニアンのためなんだ…~
お願い…だから…▼~
:[ニニアン]|
…ニルス…▼~
***A [#x0606bfe]
:[ニニアン]|
戦いに加わってはいけないって~
どうして、そんなことを…?▼~
:[ニルス]|
……▼~
:[ニニアン]|
ニルス…あなたのいた世界では…~
わたしはもう…▼~
:[ニルス]|
ぼくのいた世界じゃ~
間に合わなかったけど…▼~
今、目の前にいるニニアンなら~
まだ間に合うはずなんだ…!▼~
だから、同じような運命を~
辿らせるわけにはいかないよ…!▼~
:[ニニアン]|
……▼~
あなたがわたしとは違う世界の~
ニルスだとしても…~
優しいところは同じなのね。▼~
あなたのような~
優しい弟がいて、嬉しい。▼~
:[ニルス]|
ぼくは、すべての世界のニニアンに~
幸せに、なってもらいたいんだ…~
だから…▼~
:[ニニアン]|
ありがとう、ニルス。~
でもわたしは…エリウッド様のおそばを~
離れることはないでしょう。▼~
:[ニルス]|
どうして…!?~
そうしたら、またニニアンは…!▼~
:[ニニアン]|
ニルスも知っているとおり…~
わたしは自分の身に起こる危険を~
少し前に察知できる…▼~
それでも…わたしが戦いの場に~
身を置いていたということは…~
なにか必ず理由があるはず…▼~
:[ニルス]|
……▼~
:[ニニアン]|
たとえどのような運命を辿ろうとも~
わたしは自分が信じる道を…▼~
ニルス…あなたの世界にいたわたしも~
そう思っていたんじゃないかしら…▼~
:[ニルス]|
……▼~
***S [#dc363054]
:[ニルス]|
それはどういう…こと?▼~
:[ロイ]|
信じるんだ。自分たちが選んだ道を。~
そして、まわりにいる仲間たちを。▼~
そうすればきっと…~
道は拓けると思うから。▼~
:[ニルス]|
……▼~
その目の輝き…~
エリウッドさまにそっくりだね。~
力強くて…真っ直ぐだ。▼~
:[ロイ]|
そ、そうかな?~
もしそうだとすればうれしいな。▼~
:[ニルス]|
わかったよ。~
きみの言葉を信じてみる。~
その目は…嘘を言っていない目だ。▼~
:[シャロン]|
よかったですね、ニルスさん!~
未来にはきっと希望がありますよ!▼~
:[ニルス]|
ありがとう、シャロン王女…▼~
ぼくは…ぼくが信じた道を行ってみるよ。▼~
きっと、ぼくの世界にいたニニアンも…~
そう決めていたはずなんだ。▼~
:[シャロン]|
ニルスさん…!~
元気が出てきたみたいですね!▼~
:[ニルス]|
まずは目の前にある~
成すべきことをやらなきゃね。~
すべてはそれからだ。▼~
:[ロイ]|
そうだね。ともに手を携えて~
一緒に頑張ろう。▼~
:[ニルス]|
ニニアン…ぼくたちが決めた道を~
ぼくは最後まで信じてみるよ…~
立ち止まる…ことなく!▼~
**穢れなき白翼 フィオーラ [#sdea4e69]
***C [#g59d44a9]
:[フィオーラ]|
あの、フィヨルム王女~
少しよろしいですか?▼~
:[フィヨルム]|
ええ、構いませんよ。~
なにかご用でしょうか。▼~
:[フィオーラ]|
その…~
大変申し上げにくいのですが…▼~
フィヨルム王女が召されている~
その服…少々裾が短いのでは~
ないでしょうか?▼~
:[フィヨルム]|
えっ!? そ、そうでしょうか?~
今まで気にしたことは~
なかったのですが…▼~
:[フィオーラ]|
気にし過ぎと~
思われるかもしれませんが~
私、少々不安なのです。▼~
:[フィヨルム]|
ええと、不安…とは?▼~
:[フィオーラ]|
ヴァイス・ブレイヴの…~
その…みなさんの風紀が~
乱れているのではないかと。▼~
:[フィヨルム]|
?▼~
:[フィオーラ]|
踊り子の方々は仕方がないとしても~
なかには際どい装束をお召しになっている~
英雄もお見受けします…▼~
一部の王族の方々などはその…~
少々胸元を見せ過ぎでは?▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[フィオーラ]|
このままでは妹たちに~
悪い影響が出ないかと…~
私は心配しているのです…▼~
あ…すみませんフィヨルム王女~
お忙しいところ呼び止めてしまい…~
それでは、失礼します。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
フィオーラさん…~
真面目な方なんですね。▼~
でも、この服…~
そんなに短いでしょうか?~
うーん…▼~
***B [#xd3392fc]
:[フィオーラ]|
フィヨルム王女~
少しよろしいですか?▼~
:[フィヨルム]|
あ、フィオーラさん…~
きょ、今日はなんでしょうか?▼~
:[フィオーラ]|
フィヨルム王女…~
ヴァイス・ブレイヴの現状を~
どう思われますか?▼~
その、人間関係について…です。▼~
:[フィヨルム]|
そ、そうですね…~
みなさん、お互いに信頼し合って~
関係も良好なのではないでしょうか。▼~
:[フィオーラ]|
確かに…~
英雄同士で信頼関係を~
築くのは良いことです。▼~
しかし…信頼関係の域を越えて~
男女があまりに親しくなりすぎるのは~
考えものではないでしょうか!▼~
:[フィヨルム]|
フィ、フィオーラさん~
顔が近いです…▼~
:[フィオーラ]|
失礼しました…~
つい熱くなってしまい。▼~
もし、色恋に溺れて使命を~
疎かにするようなことがあれば~
それは大きな悲劇を招きます…!▼~
:[フィヨルム]|
そ、そう…かもしれませんね。▼~
:[フィオーラ]|
なかには、女性を見ると~
誰かれ構わずに声をかけるような方も~
見受けられます。▼~
:[フィヨルム]|
な、なるほど…~
そう言われると、たしかに~
何人かお名前が思い浮かびます…▼~
:[フィオーラ]|
ヴァイス・ブレイヴには~
もっと厳しい規律が必要だと思うのです。▼~
部隊内で男女がみだりに~
近付くことを禁止する決まりなどが!▼~
ああ…考えれば考えるほど~
一刻の猶予もない気がしてきました…▼~
私とフィヨルム王女で~
ヴァイス・ブレイヴの風紀を守る活動を~
はじめてはいかがでしょうか…!▼~
:[フィヨルム]|
え? 私も…ですか!?▼~
***A [#p39803a1]
:[フィヨルム]|
あの、フィオーラさん…~
風紀を守る活動といっても~
具体的になにをすれば…▼~
:[フィオーラ]|
簡単なことです。必要以上に~
親しくしている男女を見かけたら~
警笛を吹いて注意を促しましょう!▼~
ほ、ほらっ!~
さっそく発見しましたよ…!▼~
:[シグレ]|
アスク王国にも~
いろいろな美術品があって~
実に興味深いですね…▼~
:[リベラ]|
ええ。イーリス聖王国のものとは~
趣向が違うものばかりで~
勉強になります。▼~
:[フィオーラ]|
白昼堂々、あんなに親しそうに。~
いけません…!▼~
:[???]|
待って! 邪魔をしないで!▼~
:[フィヨルム]|
ええっ!?~
置いてある樽がしゃべった…!?▼~
:[???]|
今、いい感じに尊さが~
満ちあふれているところなの。~
邪魔は許さないわ!▼~
:[フィオーラ]|
ですが、男女が必要以上に~
親しくしては風紀が乱れます。~
見過ごすわけにはいきません!▼~
:[フィヨルム]|
樽の中身を気にされたほうが…▼~
:[???]|
男女の風紀? ナニを言ってるの?~
あれは男同士の友情を~
温めているところなのよ。▼~
:[フィヨルム]|
そ、そうでした!~
シグレさんの隣にいるリベラさんは~
れっきとした男性です!▼~
:[フィオーラ]|
なるほど。~
それなら問題ありませんね。▼~
…って、そういう問題でもありません!~
要は、必要以上に親しくしすぎることが~
問題なのです!▼~
:[フィヨルム]|
フィオーラさん…~
シグレさんたち、行っちゃいましたよ。~
それに樽の人も…▼~
:[フィオーラ]|
これがヴァイス・ブレイヴ…~
なんて無秩序で自由な…▼~
しかし、めげはしません…~
次に行きましょう、フィヨルム王女!▼~
***S [#lc3ef0a5]
:[フィヨルム]|
城の中を見てまわりましたが~
結局、警笛は一度も~
吹けませんでしたね。▼~
:[フィオーラ]|
男女の仲と思って笛を吹こうとしたら~
親子だったり兄妹だったり…▼~
:[フィヨルム]|
そ、そうですね。~
英雄のみなさんはいろいろな世界~
いろいろな時代から来ていますし…▼~
それぞれに関係を~
ひと目で見抜くのは難しいですよね。▼~
:[フィオーラ]|
ですが、このままでは…▼~
:[フィヨルム]|
あ、あの、フィオーラさん~
人が人を好きになるのは~
自然なことだと思いますし…▼~
それを風紀の乱れと~
決めつけなくてもよいのでは…~
ないでしょうか。▼~
:[フィオーラ]|
……▼~
:[フィヨルム]|
人が人を想うことで~
強い力を発揮できることもあります。▼~
そうです…例えば~
パントさんとルイーズさんの~
お二人のように。▼~
:[フィオーラ]|
なるほど、そうですね…。~
そうかもしれませんね。▼~
私は表面的な関係性ばかり気にして~
人と人とのつながり…絆の力を~
軽んじていたのかもしれません。▼~
:[フィヨルム]|
フィオーラさん…!▼~
:[フィオーラ]|
ありがとうございます、フィヨルム王女。~
私は規律を重んじるばかりで~
視野が狭くなっていたようです…▼~
そういえば、フィヨルム王女。~
さきほど想いの力について~
熱弁されていましたが…▼~
それは、ご自分の身に~
照らし合わせていたのでしょうか?▼~
もしかして今、気になる方でも~
いらっしゃる…とか?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ…い、い、一般論です!~
私にはその…そういうのは~
まだ早いといいますか…▼~
と、とにかく、~
これで一件落着ですね、~
これからも一緒にがんばりましょう!▼~
*コメント [#f3ff2e86]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*紅き一族の陰謀 [#q2be4940]
#contents
**紅き一族の陰謀 [#ocb8155a]
***オープニング [#o10d51a6]
:[アンナ]|
……▼~
:[レイラ]|
……▼~
調査をはじめて1週間…~
今日も目立った動きはなし…か。▼~
:[ニルス]|
あれ…? レイラさん~
こんなところでなにをやってるの?~
もしかして…かくれんぼかなにか?▼~
:[レイラ]|
……!~
しーっ、静かにっ!▼~
今は仕事中…~
そう、諜報活動中なの。▼~
:[ニルス]|
ちょうほう…かつどう?▼~
:[フィオーラ]|
なにか動きはあった?~
こっちはなにも、有用な情報は~
手に入らなかったわ。▼~
:[ラス]|
こちらも同じだ。~
めぼしい手がかりは得られなかった。▼~
ただ、やはりエレブ大陸以外…~
いや、いくつもの異なる世界で~
よく似た人物は目撃されている。▼~
:[レイラ]|
ヘクトル様の言うとおり…か。~
今のところ怪しい動きはないけど…▼~
やはり、なにか裏がありそうな~
予感がするわね…▼~
:[ニルス]|
え、えっと、レイラさん…~
アンナ隊長を見張ってたみたいだけど~
いったいなにを調べているの?▼~
:[レイラ]|
……~
ニルス、ここだけの話よ。▼~
私たちはね、ある筋から依頼されて~
アンナ隊長の…正体を探っているの。▼~
:[ニルス]|
え!?~
アンナ隊長の正体…?~
そ、それって…!?▼~
***C [#k9f2d90c]
:[レイラ]|
アンナ隊長の素性を探る…?~
それはいったい…~
どういう意味でしょうか?▼~
:[ヘクトル]|
俺はアスク王国に来てから~
幾度となくアンナ隊長とともに戦ったし~
その人柄にも信頼を寄せている。▼~
ただ…~
アンナ隊長の素性に関しては~
腑に落ちない点が色々あってな。▼~
:[レイラ]|
腑に落ちない点とは…?▼~
:[ヘクトル]|
俺はこの世界に来る前…~
エレブ大陸の港町で~
彼女にそっくりな人物に会ってる。▼~
もちろん、アンナ隊長じゃない。~
だが、他人の空似というには~
あまりにも似過ぎていた。▼~
:[レイラ]|
それは…奇妙な話ですね。▼~
:[ヘクトル]|
マシューの調査によると~
彼女は、アンナ商会という~
商人ギルドに所属してるそうだ。▼~
アンナ商会は~
多くの異界にも存在し~
活動を続けているらしい…▼~
別の世界が存在する…なんて~
以前の俺たちからすれば、おとぎ話だ。~
少なくとも、【竜の門】を知るまではな。▼~
俺はアンナ商会はどういう存在で~
どんな目的で活動しているのか…~
どうにも気になってな。▼~
:[レイラ]|
なるほど…~
それは確かに気になりますね。▼~
:[ヘクトル]|
仲間を疑うようなことはしたくない。~
しかし同時に、大切な仲間だからこそ~
疑惑は取り除いておきたい。▼~
マシューには城外に調査に出てもらっている。~
レイラはアンナ隊長の近辺を探って~
気付いたことがあれば俺に教えてくれ。▼~
:[レイラ]|
わかりました、調査を開始します。~
ただ、この世界に来て日も浅いので~
協力者の手を借りるかもしれません。▼~
~
(暗転)
:[フィオーラ]|
アンナ隊長の素性を探る…?~
確かに調査任務は~
何度も経験がありますが…▼~
:[レイラ]|
ええ。~
謝礼はこのくらいでどう?▼~
:[フィオーラ]|
わかりました。~
仲間を疑うようで気は進みませんが…~
引き受ける以上は全力を尽くします。▼~
~
(暗転)
:[レイラ]|
…というわけで~
草原の民として鍛えた~
あなたの目と耳を当てにしたいの。▼~
:[ラス]|
…すまないが興味がない。~
ほかを当たってくれ。▼~
:[レイラ]|
ラス、あなたは生まれたときに~
「すべてを暗い赤が焼き尽くすであろう」と~
まじない師に告げられたそうね?▼~
:[ラス]|
…ああ、そうだ。~
俺はその災いを防がねばならない。▼~
:[レイラ]|
そういえば、アンナ隊長の髪って~
燃えるような赤い色よね?▼~
もしもの話だけど、アンナ商会が~
あらゆる異界で、死の商人として~
争いの種を撒いているとしたら?▼~
:[ラス]|
…………▼~
~
(暗転)
:[ニルス]|
なるほど…~
そんなことがあったんだね。▼~
ぼくは人間にいい感情を持ってなかったけど~
レイラさんやヘクトルさまたちは~
いい人だよ…ぼくも力になれるかな?▼~
:[レイラ]|
協力してくれるなら大歓迎よ。~
助かるわ…!▼~
:[ニルス]|
じゃあ、ぼくも力を貸すよ。▼~
アンナ隊長のことも信じているから…~
なにもないのが一番だけどね。▼~
***B [#x44c4c11]
:[レイラ]|
私たちとは~
大きく異なる世界から来た英雄…~
イツキやツバサにも話を聞いてみたわ。▼~
もといた世界で~
アンナ隊長によく似た人を~
見なかったか…って。▼~
そしたら、コンビニ?…という店に~
よく似た人物がいたそうよ。~
髪型も一緒だったらしいわ。▼~
:[ニルス]|
エーデルガルトさんのいた世界でも~
アンナ隊長に似た人物が~
修道院の店番をやってたって。▼~
:[レイラ]|
やっぱり、このふたつの世界でも~
商業活動に関わっているわね…▼~
うん、間違いなくアンナ商会の~
一派だと見ていいんじゃないかしら。▼~
:[フィオーラ]|
これは、イーリス王国出身の方々に~
聞いた話ですが…▼~
「行商人と思っていたら、無数の武器を~
背負って戦いを挑んできた」~
という噂話もあるようですね。▼~
:[ラス]|
白夜王国、暗夜王国の出身者からは~
異界に繋がる門の番人が~
アンナ隊長によく似た人物だったと聞いた。▼~
:[レイラ]|
つまり…~
異界のアンナ隊長がやっているのは~
商業活動だけじゃない、ってこと…?▼~
:[ニルス]|
うーん、なんだか~
情報を集めれば集めるほど~
謎は深まっていくよね。▼~
:[ラス]|
しかし、ここ一週間…~
アンナ隊長を見張っているが~
行動に怪しいところは見受けられない。▼~
:[フィオーラ]|
それどころか商売抜きで~
特務機関に誠心誠意~
尽くしているようにも見えますね。▼~
:[ニルス]|
う、うん…~
ぼくもアンナ隊長たちが~
悪いことを企んでいるようには見えないよ。▼~
:[ラス]|
もう、回りくどいことをせず~
本人に問い質してみるのはどうだ。▼~
:[フィオーラ]|
私も賛成です。~
こそこそと嗅ぎ回るよりも~
正面から当たってみるのがよいかと。▼~
:[ニルス]|
うん、そうだね…~
アンナ隊長に直接聞いてみよう。~
それが真実に迫る近道な気がする。▼~
:[レイラ]|
……▼~
***A [#i8508c9d]
:[アンナ]|
え!? アンナ商会が~
あらゆる異界で戦争を利用して~
富を得ているって…?▼~
そんなことするわけないじゃない!~
私たちは戦争を終わらせるために~
協力しているの!▼~
:[ニルス]|
なんだ、やっぱりそうだったんだ!~
よかった、アンナ隊長が悪い人じゃなくて…▼~
:[アンナ]|
異界にいる私たちは別人だけど~
みんな同じ使命を得るの。▼~
英雄を助け…平和に貢献せよ、ってね。~
アンナ商会はその手段のひとつよ。▼~
:[レイラ]|
なるほど…だからアンナ隊長は~
異界でもさまざまな形で~
英雄たちに関わってきたと…▼~
:[アンナ]|
そう。私もアスク王国の商家に生まれて~
物心ついたころに、アンナ商会の~
一員だって告げられたのよ。▼~
:[ラス]|
では、アンナ隊長が~
事あるごとに蓄財をしようとするのも~
すべて英雄を助けるために…?▼~
:[アンナ]|
も、もも…もちろんよ!▼~
:[フィオーラ]|
アンナ隊長…心なしか~
目が泳いでいるように見えますが?▼~
:[レイラ]|
それと、もうひとつ…~
見た目がそっくりなのは~
なにか理由が…?▼~
:[アンナ]|
それは私も不思議なのよね…▼~
異界によっては何人も~
姉妹がいる場合もあるらしいけど…~
なぜか全員、顔が似ているそうよ。▼~
:[ニルス]|
ともあれ、アンナ商会は~
悪い組織じゃなかったんだ。~
疑ってごめんなさい、アンナ隊長。▼~
:[レイラ]|
いろいろと調べて悪かったわね。~
これからもアンナ隊長と~
アンナ商会を信頼させてもらうわ。▼~
:[アンナ]|
ええ、こちらこそ。~
これからもよろしく頼むわね!▼~
:[レイラ]|
でも…ヘクトル様に聞いた話だと~
港町にいたアンナさんには~
ジェイクという恋人がいたらしいけど…▼~
その人物とアンナ隊長は~
もちろん別人なのよね?▼~
:[アンナ]|
もちろん別人よ!~
わ、私に恋人なんていないわよ…~
むしろ、絶賛募集中なんだから!▼~
**草原の若き狼 ラス [#m34b48c2]
***C [#w60daccf]
:[ラス]|
……▼~
:[アルフォンス]|
おや? あの後ろ姿は…~
こんな時間にラスは~
どこへ行くんだろう…▼~
最近、向こうの森には~
荒ぶった獣が出るそうだし~
念のため、報せておかないと。▼~
~
(暗転)
:[アルフォンス]|
おかしいな…ラスはこっちに~
歩いていったはずだけど。▼~
ん? 湖畔に灯火が。~
あれは…焚き火か。▼~
ああ、やっぱり…~
ここにいたんだね、ラス。▼~
:[ラス]|
アルフォンス王子…▼~
:[アルフォンス]|
聞いてもいいかな?~
君はここでなにを?▼~
:[ラス]|
……▼~
時折、こうして城を出て~
一人で自分と向き合っている。▼~
俺にとっては…必要な時間だ。▼~
:[アルフォンス]|
なるほど…邪魔して悪かったね。~
それでは僕は城に戻るよ。~
おやすみ、ラス。▼~
:[ラス]|
ああ…▼~
***B [#sabc8b59]
:[アルフォンス]|
ラス、先日は~
邪魔をして悪かったね。▼~
:[ラス]|
謝る必要はない…~
別に、邪魔ではなかった。▼~
アルフォンス王子が~
現れたのも空の導きだろう。▼~
:[アルフォンス]|
……~
ラスは時々、城を出て~
一人になると言っていたね。▼~
この城でなにか足りないものや~
不自由していることがあるのかな?~
だったら遠慮せずに言ってほしい。▼~
:[ラス]|
……~
逆だ、アルフォンス王子。▼~
:[アルフォンス]|
逆…というと?▼~
:[ラス]|
この城にはあらゆるものがあり~
すべてが満たされている。▼~
強固な城壁、高い天井~
夜通し照らされる灯り…~
そして、柔らかなベッド。▼~
しかし、満たされているがゆえ~
見えなくなっているものもある。▼~
:[アルフォンス]|
見えなくなっているもの…~
それはどういうことかな?▼~
:[ラス]|
知りたければ、今夜~
あの湖畔に来るがいい。▼~
導きがあれば…~
アルフォンス王子も~
見ることができるはずだ。▼~
:[アルフォンス]|
……~
満たされているがゆえに~
見えないもの…▼~
***A [#q488ae63]
:[アルフォンス]|
ラス、君の言うとおり~
同じ場所に来てみたけれど…~
ここでいったいなにが?▼~
澄んだ湖に、微かな野鳥の声。~
特別変わったものがあるように~
見えないけれど…▼~
:[ラス]|
……~
アルフォンス王子…~
空を見上げてみるんだ。▼~
:[アルフォンス]|
……!~
星が…無数に…~
あんなにたくさん…▼~
:[ラス]|
城は雨風をしのぎ~
敵の攻撃にも備えられる。~
あらゆるものも揃っている。▼~
しかし、煌々と明るい場所では~
頭上にある星の輝きが~
ここまではっきりと見えないだろう。▼~
:[アルフォンス]|
綺麗だ。~
空にはこんなにも~
星々が輝いていたんだね。▼~
ラスが僕に見せたかったのは~
この光景だったのか…▼~
:[ラス]|
俺たちクトラ族は…~
大地に根付き、風とともに生き~
星に感謝を捧げて生きてきた。▼~
その生き方はサカの草原でも~
アスク王国でも、変わりはしない。▼~
:[アルフォンス]|
……▼~
:[ラス]|
アルフォンス王子~
あなたが最後に星空を見上げたのは~
いつだったか、覚えているか?▼~
:[アルフォンス]|
僕が最後に星空を見上げたのは…~
……▼~
***S [#j296100a]
:[アルフォンス]|
ラスがなぜ僕に~
星を見せてくれたのか…~
わかったような気がするよ。▼~
:[ラス]|
……▼~
:[アルフォンス]|
アスク王国には~
絶え間なく危機が押し寄せている。▼~
戦いに次ぐ戦いで~
緊張の日々を生きる僕は▼~
星空を見上げる余裕すら…~
失っていたんだ。▼~
:[ラス]|
今のアスク王国が~
大変な状況にあることは~
わかっている。▼~
特務機関の中心人物たる~
アルフォンス王子の双肩に~
どれほどの負担がかかっているかもな。▼~
:[アルフォンス]|
確かに、目の前の問題をひとつずつ~
解決していくことは大切だ。▼~
でも、それに目を奪われていては~
遠くに輝く大切なものが~
見えなくなってしまう…▼~
:[ラス]|
……▼~
:[アルフォンス]|
ラスに、夜空の星に教えられたよ。~
どんなに大変なときでも~
心に余裕を持つことの大切さをね。▼~
:[ラス]|
たとえ、自分の目の前が~
暗闇で占められていても…~
頭上に光が見えることもある。▼~
自分にとっての輝きを~
見失わなければ…~
人は迷わず歩いていけるものだ。▼~
:[アルフォンス]|
そうだね…僕もそう思うよ。▼~
:[ラス]|
アルフォンス王子…~
あなたは自分に必要なものを~
素直に学び取る才がある。▼~
その前向きさは天が与えた資質だ。~
大切にするといい。▼~
:[アルフォンス]|
ありがとう、ラス。~
これからも学ばせてくれ。▼~
:[ラス]|
アスク王国、そしてアルフォンス王子にも~
母なる大地の恵みがあらんことを。▼~
俺は、光に向かって歩いていく~
あなたを支えよう。~
空と大地に誓って。▼~
**牙の巣に潜む花 レイラ [#n19a6c2c]
***C [#s8c32627]
:[レイラ]|
ひさしぶりね、マシュー。~
元気にしてた?▼~
:[マシュー]|
レイラ…▼~
…ああ、元気も元気さ。~
この世界でも若様が無茶なさるんで~
お付きの役目も楽じゃない。▼~
ここで…~
お前と再会できるとはな。▼~
:[レイラ]|
ふふっ、もっと喜んでいいのよ。▼~
:[マシュー]|
まあ、うれしいのは確かだが…~
喜んでばかりもいられないぜ。▼~
レイラも特務機関の連中から~
聞かされただろ?~
アスク王国の現状を。▼~
:[レイラ]|
ええ。危機また危機の連続…~
よく今まで持ちこたえられたものね。▼~
:[マシュー]|
少しでも気を抜けば~
アスク王国はすぐさま戦火に焼かれて~
灰になっちまうだろう。▼~
:[レイラ]|
そして真っ先に泣くのは~
この地で暮らす罪なき民…ね。▼~
:[マシュー]|
ああ、そういうことだ。~
どうやらこの世界でも、~
おれたち密偵の出番はあるらしい。▼~
本当は…おれたちみたいのが~
いらない世の中が一番だけどな。▼~
:[レイラ]|
そうね。でも…~
呼ばれたからにはキッチリと~
任務はこなしてみせるわ。▼~
一人じゃ大変だったでしょ?~
これからは私もしっかりと支えるから。▼~
:[マシュー]|
ああ、頼らせてもらうさ。~
……▼~
***B [#u25e55be]
:[スズカゼ]|
そう、その調子で慎重に足を降ろして~
音を消しながら先に進む。~
それが…忍び足です。▼~
:[マシュー]|
お、おお!~
確かに足音が消えるな。~
こりゃあいい、任務に使えそうだ!▼~
:[レイラ]|
マシュー、なにをやってるの?~
そちらは…?▼~
:[マシュー]|
ああ、紹介するよ。~
白夜王国の忍び、スズカゼだ。▼~
:[スズカゼ]|
はじめまして、スズカゼと申します。~
オスティア候に仕えるレイラさんですね。~
お話は伺っております。▼~
:[レイラ]|
スズカゼ、はじめまして。~
でも…珍しいわね。▼~
仲間だろうと友人だろうと~
馴れ合うべきじゃないって~
マシューは言ってたじゃない。▼~
その割にはスズカゼと~
ずいぶん親しく見えるけど…▼~
:[マシュー]|
はは、スズカゼたち忍びは~
おれたちが知らない技を~
色々持ってるからな。▼~
仕事に役立つんじゃないかと思って~
教えてもらってたのさ。~
なあ、スズカゼ…って、いない!?▼~
:[スズカゼ]|
そちらはただの木…~
私はここです。~
これは、変わり身の術といいます。▼~
:[レイラ]|
すごいわね…~
ねえ、スズカゼ。私にも~
忍びの技を教えてもらえる?▼~
:[スズカゼ]|
私の仲間にカゲロウという~
女性の忍び…くの一がおります。▼~
同じ女性同士、彼女から~
習うのがいいかもしれませんね。~
私が伝えておきましょう。▼~
:[レイラ]|
ありがとう、助かるわ…!▼~
いろいろな英雄に教えを乞える…~
アスク王国って強くなるのに~
うってつけの場所ね。▼~
:[マシュー]|
……▼~
:[レイラ]|
マシュー、どうかした?~
なにか考えごと?▼~
:[マシュー]|
あ、いや…別に。▼~
レイラの言うとおりだな。~
英雄同士で技を伝え合えば~
もっと強くなれるかもな、うん。▼~
***A [#j866e43c]
:[レイラ]|
マシュー、この間から…~
なんだか様子が変よ?▼~
:[マシュー]|
おれが変? どこがだよ。~
おれはいつもどおりだぜ。▼~
:[レイラ]|
私の目を…ごまかせると思ってる?▼~
:[マシュー]|
……▼~
:[レイラ]|
当ててあげましょうか?~
大方、「この世界に来てまで~
私に密偵をやらせたくない」とか…▼~
「できれば密偵はやめてほしい」…~
そんなふうに思ってるんでしょ?▼~
私が忍びの技を教えてほしいと言って~
あなたがいい顔をしなかったのも~
きっとそのせい…なんでしょ?▼~
:[マシュー]|
ああ、そのとおりだよ。▼~
密偵はいつも死と隣り合わせ。~
最前線で戦う英雄たちとは~
違う種類の危険がつきまとう。▼~
ましてや、このアスク王国は~
おれたちがいた世界とは~
危険の種類が違いすぎる…▼~
:[レイラ]|
危険なのは…わかるわ。~
だけど…▼~
:[マシュー]|
おれがスズカゼに学んでいたのも~
レイラ、お前を危険な任務に~
送り込みたくないからだ。▼~
危ない仕事はおれがやる。~
だからお前は…ヘクトル様の~
近くについていてくれ。▼~
:[レイラ]|
……!▼~
マシュー、あなた…~
それ本気で言ってるの?▼~
:[マシュー]|
ああ、本気だ。だから…▼~
:[レイラ]|
見損なわないで…!▼~
あなただけを危ない目にあわせて~
私だけ安全なところにいるなんて…▼~
私がそんな…~
そんな卑怯な真似ができると~
あなたは思っているの!?▼~
***S [#ec853aa1]
:[マシュー]|
……▼~
はは、そうだよな…~
レイラならそう言うよな。▼~
:[レイラ]|
え? マシュー…~
あなた、なぜ笑ってるの?▼~
:[マシュー]|
さっきのは冗談だよ。冗談!~
どうだ、おれの芝居も~
ずいぶんうまくなっただろ?▼~
この演技力ならどこに潜入しても~
簡単に身元がバレることはないさ。▼~
:[レイラ]|
じゃ、じゃあ…~
さっきまでのマシューの言葉は~
本当に芝居だったってこと?▼~
:[マシュー]|
密偵はいかにして相手を欺けるか。~
それはレイラだって~
よくわかっているだろ?▼~
:[レイラ]|
もうっ、マシューったら。~
冗談を言うにしても~
時と場所を選びなさいって話よ!▼~
:[マシュー]|
おれは自分の力を~
よくわきまえているからさ…▼~
自分一人で密偵の仕事を~
完璧にこなせるとは思っちゃいない。~
仲間の協力が必要だ。▼~
だから…これからもよろしくな。~
頼りにしてるぜ、レイラ。▼~
:[レイラ]|
ええ。頼ってもらって構わないわ。~
そのために、私はこの世界に~
呼ばれたんですもの。▼~
:[マシュー]|
けどな…お前に危ない目に~
あってほしくないのは本心だ。▼~
:[レイラ]|
それも芝居じゃないでしょうね…?▼~
:[マシュー]|
おっと、若様の用事を思い出した。~
じゃ、おれはこれで…!▼~
:[レイラ]|
あっ、ちょっとマシュー…~
もうっ、演技力だけじゃなく~
逃げ足も成長してるじゃない!▼~
……▼~
危ない目にあってほしくないのは~
私も一緒よ。あなただけを~
危険な目にはあわせないわ。▼~
そのために、私はここにいるの。~
二人で必ず生き残りましょう。~
約束だからね、マシュー…▼~
**晴朗なる笛の音 ニルス [#ef34b72d]
***C [#j152397c]
:[ニルス]|
ニニアン…!~
よかった、元気そうで…!▼~
:[ニニアン]|
ニルス、ふふ…~
少しだけ、大きくなった?▼~
:[ニルス]|
い、いや…ぼくたちは~
永い時間を生きているんだし~
そんなに簡単に外見は変わらないよ。▼~
:[ニニアン]|
見かけの話じゃないの。~
前より頼り甲斐を~
感じるようになったような…▼~
:[シャロン]|
ニニアンさんもニルスさんも~
とっても仲のいい姉弟なんですね!▼~
:[ニルス]|
ぼくと姉さんは~
エレブ大陸の戦いに加わらないよう~
元々は別の世界で暮らしていたんだ。▼~
でも、エレブ大陸では~
姉さんと一緒に芸を見せながら~
ずっと旅をしていたんだよ。▼~
:[シャロン]|
ニニアンさんの踊りは~
そのときに培われたものなのですね。▼~
:[ニニアン]|
はい…▼~
ニルス、ここにいる人たちは~
シャロン王女も特務機関の人たちも~
温かい人たちばかりなの。▼~
:[ニルス]|
うん、ぼくにもわかるよ。~
この国は…とても温かいね。▼~
:[ニニアン]|
この国の人たちのために…~
わたしは力になりたいと思うの。▼~
:[ニルス]|
ニニアンがそう考えるなら~
ぼくも喜んで力を貸すよ…!▼~
:[ニニアン]|
ありがとう、ニルス。~
わたしたちはこれからもずっと一緒ね。▼~
:[ニルス]|
う、うん。~
ずっと…ずっと一緒だよ。▼~
……▼~
***B [#l41832f2]
:[シャロン]|
あっ、ニルスさん。~
今日も訓練、お疲れさまでした!▼~
ニルスさんの音色に~
わたしも癒やされちゃいましたよ~!▼~
:[ニルス]|
あの、シャロン王女…▼~
アスク王国が平和になったら~
ぼくたちは…元の世界に戻るのかな?▼~
:[シャロン]|
えーと…どうなんでしょう?~
確か、お兄様のお話によると…▼~
色んな文献では~
大きく二つの説があって、その一つは~
元の世界に戻るという説だったような…▼~
:[ニルス]|
…元の世界に…▼~
:[シャロン]|
……?~
なにか気がかりなことでも?▼~
:[ニルス]|
い、いや、別に…~
教えてくれてありがとう。▼~
~
(暗転)
:[ニニアン]|
あら、ニルス…どうしたの?~
思い詰めたような顔をして…▼~
:[ニルス]|
ニニアン…~
お願いがあるんだ。▼~
もし、アスク王国が平和になって~
元の世界に戻ったら…▼~
絶対に、人間たちの戦いに~
加わっちゃいけない。▼~
:[ニニアン]|
え…?~
それはどういう意味?▼~
:[ニルス]|
エリウッドさまには悪いけど…~
どこか遠くに逃げて~
静かに暮らしてほしいんだ。▼~
それがニニアンのためなんだ…~
お願い…だから…▼~
:[ニニアン]|
…ニルス…▼~
***A [#x0606bfe]
:[ニニアン]|
戦いに加わってはいけないって~
どうして、そんなことを…?▼~
:[ニルス]|
……▼~
:[ニニアン]|
ニルス…あなたのいた世界では…~
わたしはもう…▼~
:[ニルス]|
ぼくのいた世界じゃ~
間に合わなかったけど…▼~
今、目の前にいるニニアンなら~
まだ間に合うはずなんだ…!▼~
だから、同じような運命を~
辿らせるわけにはいかないよ…!▼~
:[ニニアン]|
……▼~
あなたがわたしとは違う世界の~
ニルスだとしても…~
優しいところは同じなのね。▼~
あなたのような~
優しい弟がいて、嬉しい。▼~
:[ニルス]|
ぼくは、すべての世界のニニアンに~
幸せに、なってもらいたいんだ…~
だから…▼~
:[ニニアン]|
ありがとう、ニルス。~
でもわたしは…エリウッド様のおそばを~
離れることはないでしょう。▼~
:[ニルス]|
どうして…!?~
そうしたら、またニニアンは…!▼~
:[ニニアン]|
ニルスも知っているとおり…~
わたしは自分の身に起こる危険を~
少し前に察知できる…▼~
それでも…わたしが戦いの場に~
身を置いていたということは…~
なにか必ず理由があるはず…▼~
:[ニルス]|
……▼~
:[ニニアン]|
たとえどのような運命を辿ろうとも~
わたしは自分が信じる道を…▼~
ニルス…あなたの世界にいたわたしも~
そう思っていたんじゃないかしら…▼~
:[ニルス]|
……▼~
***S [#dc363054]
:[ニルス]|
それはどういう…こと?▼~
:[ロイ]|
信じるんだ。自分たちが選んだ道を。~
そして、まわりにいる仲間たちを。▼~
そうすればきっと…~
道は拓けると思うから。▼~
:[ニルス]|
……▼~
その目の輝き…~
エリウッドさまにそっくりだね。~
力強くて…真っ直ぐだ。▼~
:[ロイ]|
そ、そうかな?~
もしそうだとすればうれしいな。▼~
:[ニルス]|
わかったよ。~
きみの言葉を信じてみる。~
その目は…嘘を言っていない目だ。▼~
:[シャロン]|
よかったですね、ニルスさん!~
未来にはきっと希望がありますよ!▼~
:[ニルス]|
ありがとう、シャロン王女…▼~
ぼくは…ぼくが信じた道を行ってみるよ。▼~
きっと、ぼくの世界にいたニニアンも…~
そう決めていたはずなんだ。▼~
:[シャロン]|
ニルスさん…!~
元気が出てきたみたいですね!▼~
:[ニルス]|
まずは目の前にある~
成すべきことをやらなきゃね。~
すべてはそれからだ。▼~
:[ロイ]|
そうだね。ともに手を携えて~
一緒に頑張ろう。▼~
:[ニルス]|
ニニアン…ぼくたちが決めた道を~
ぼくは最後まで信じてみるよ…~
立ち止まる…ことなく!▼~
**穢れなき白翼 フィオーラ [#sdea4e69]
***C [#g59d44a9]
:[フィオーラ]|
あの、フィヨルム王女~
少しよろしいですか?▼~
:[フィヨルム]|
ええ、構いませんよ。~
なにかご用でしょうか。▼~
:[フィオーラ]|
その…~
大変申し上げにくいのですが…▼~
フィヨルム王女が召されている~
その服…少々裾が短いのでは~
ないでしょうか?▼~
:[フィヨルム]|
えっ!? そ、そうでしょうか?~
今まで気にしたことは~
なかったのですが…▼~
:[フィオーラ]|
気にし過ぎと~
思われるかもしれませんが~
私、少々不安なのです。▼~
:[フィヨルム]|
ええと、不安…とは?▼~
:[フィオーラ]|
ヴァイス・ブレイヴの…~
その…みなさんの風紀が~
乱れているのではないかと。▼~
:[フィヨルム]|
?▼~
:[フィオーラ]|
踊り子の方々は仕方がないとしても~
なかには際どい装束をお召しになっている~
英雄もお見受けします…▼~
一部の王族の方々などはその…~
少々胸元を見せ過ぎでは?▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[フィオーラ]|
このままでは妹たちに~
悪い影響が出ないかと…~
私は心配しているのです…▼~
あ…すみませんフィヨルム王女~
お忙しいところ呼び止めてしまい…~
それでは、失礼します。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
フィオーラさん…~
真面目な方なんですね。▼~
でも、この服…~
そんなに短いでしょうか?~
うーん…▼~
***B [#xd3392fc]
:[フィオーラ]|
フィヨルム王女~
少しよろしいですか?▼~
:[フィヨルム]|
あ、フィオーラさん…~
きょ、今日はなんでしょうか?▼~
:[フィオーラ]|
フィヨルム王女…~
ヴァイス・ブレイヴの現状を~
どう思われますか?▼~
その、人間関係について…です。▼~
:[フィヨルム]|
そ、そうですね…~
みなさん、お互いに信頼し合って~
関係も良好なのではないでしょうか。▼~
:[フィオーラ]|
確かに…~
英雄同士で信頼関係を~
築くのは良いことです。▼~
しかし…信頼関係の域を越えて~
男女があまりに親しくなりすぎるのは~
考えものではないでしょうか!▼~
:[フィヨルム]|
フィ、フィオーラさん~
顔が近いです…▼~
:[フィオーラ]|
失礼しました…~
つい熱くなってしまい。▼~
もし、色恋に溺れて使命を~
疎かにするようなことがあれば~
それは大きな悲劇を招きます…!▼~
:[フィヨルム]|
そ、そう…かもしれませんね。▼~
:[フィオーラ]|
なかには、女性を見ると~
誰かれ構わずに声をかけるような方も~
見受けられます。▼~
:[フィヨルム]|
な、なるほど…~
そう言われると、たしかに~
何人かお名前が思い浮かびます…▼~
:[フィオーラ]|
ヴァイス・ブレイヴには~
もっと厳しい規律が必要だと思うのです。▼~
部隊内で男女がみだりに~
近付くことを禁止する決まりなどが!▼~
ああ…考えれば考えるほど~
一刻の猶予もない気がしてきました…▼~
私とフィヨルム王女で~
ヴァイス・ブレイヴの風紀を守る活動を~
はじめてはいかがでしょうか…!▼~
:[フィヨルム]|
え? 私も…ですか!?▼~
***A [#p39803a1]
:[フィヨルム]|
あの、フィオーラさん…~
風紀を守る活動といっても~
具体的になにをすれば…▼~
:[フィオーラ]|
簡単なことです。必要以上に~
親しくしている男女を見かけたら~
警笛を吹いて注意を促しましょう!▼~
ほ、ほらっ!~
さっそく発見しましたよ…!▼~
:[シグレ]|
アスク王国にも~
いろいろな美術品があって~
実に興味深いですね…▼~
:[リベラ]|
ええ。イーリス聖王国のものとは~
趣向が違うものばかりで~
勉強になります。▼~
:[フィオーラ]|
白昼堂々、あんなに親しそうに。~
いけません…!▼~
:[???]|
待って! 邪魔をしないで!▼~
:[フィヨルム]|
ええっ!?~
置いてある樽がしゃべった…!?▼~
:[???]|
今、いい感じに尊さが~
満ちあふれているところなの。~
邪魔は許さないわ!▼~
:[フィオーラ]|
ですが、男女が必要以上に~
親しくしては風紀が乱れます。~
見過ごすわけにはいきません!▼~
:[フィヨルム]|
樽の中身を気にされたほうが…▼~
:[???]|
男女の風紀? ナニを言ってるの?~
あれは男同士の友情を~
温めているところなのよ。▼~
:[フィヨルム]|
そ、そうでした!~
シグレさんの隣にいるリベラさんは~
れっきとした男性です!▼~
:[フィオーラ]|
なるほど。~
それなら問題ありませんね。▼~
…って、そういう問題でもありません!~
要は、必要以上に親しくしすぎることが~
問題なのです!▼~
:[フィヨルム]|
フィオーラさん…~
シグレさんたち、行っちゃいましたよ。~
それに樽の人も…▼~
:[フィオーラ]|
これがヴァイス・ブレイヴ…~
なんて無秩序で自由な…▼~
しかし、めげはしません…~
次に行きましょう、フィヨルム王女!▼~
***S [#lc3ef0a5]
:[フィヨルム]|
城の中を見てまわりましたが~
結局、警笛は一度も~
吹けませんでしたね。▼~
:[フィオーラ]|
男女の仲と思って笛を吹こうとしたら~
親子だったり兄妹だったり…▼~
:[フィヨルム]|
そ、そうですね。~
英雄のみなさんはいろいろな世界~
いろいろな時代から来ていますし…▼~
それぞれに関係を~
ひと目で見抜くのは難しいですよね。▼~
:[フィオーラ]|
ですが、このままでは…▼~
:[フィヨルム]|
あ、あの、フィオーラさん~
人が人を好きになるのは~
自然なことだと思いますし…▼~
それを風紀の乱れと~
決めつけなくてもよいのでは…~
ないでしょうか。▼~
:[フィオーラ]|
……▼~
:[フィヨルム]|
人が人を想うことで~
強い力を発揮できることもあります。▼~
そうです…例えば~
パントさんとルイーズさんの~
お二人のように。▼~
:[フィオーラ]|
なるほど、そうですね…。~
そうかもしれませんね。▼~
私は表面的な関係性ばかり気にして~
人と人とのつながり…絆の力を~
軽んじていたのかもしれません。▼~
:[フィヨルム]|
フィオーラさん…!▼~
:[フィオーラ]|
ありがとうございます、フィヨルム王女。~
私は規律を重んじるばかりで~
視野が狭くなっていたようです…▼~
そういえば、フィヨルム王女。~
さきほど想いの力について~
熱弁されていましたが…▼~
それは、ご自分の身に~
照らし合わせていたのでしょうか?▼~
もしかして今、気になる方でも~
いらっしゃる…とか?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ…い、い、一般論です!~
私にはその…そういうのは~
まだ早いといいますか…▼~
と、とにかく、~
これで一件落着ですね、~
これからも一緒にがんばりましょう!▼~
*コメント [#f3ff2e86]
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