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章別会話/瞳の先に映る明日
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*瞳の先に映る明日 [#o84d51ee]
#contents
**瞳の先に映る明日 [#u975362d]
***オープニング [#aaf05ea4]
:[ターナ]|
シレーネ、森の右から回り込んで!▼~
:[シレーネ]|
敵の位置はすべて把握済みです。~
足止めならお任せを!▼~
:[ターナ]|
ヴァネッサはわたしに続いて!~
魔道士たちを無力化するのよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
了解、仕掛けます!▼~
:[アルフォンス]|
よし! この機を逃さず~
僕たちもターナ王女に続こう!▼~
:[ギリアム]|
地上の露払いは私にお任せを。~
賊どもよ、フレリア騎士団の戦いぶりを~
その目に焼き付けるがいい!▼~
:[ターナ]|
いい流れね。でも、気を抜かないで!~
このまま一気に終わらせるわよ!▼~
:[シレーネ]|
…見事な采配です、ターナ様。~
よくぞここまで成長を…▼~
:[ヴァネッサ]|
ご自分以外のことまで~
目が届くようになられて…▼~
:[ギリアム]|
王宮を勝手に~
抜け出された頃とは大違い、~
王族として立派になられた…▼~
&br;''(暗転)''~
:[ヴァネッサ]|
シレーネ隊長!▼~
:[シレーネ]|
あら、ヴァネッサ。~
さっきのケガは大丈夫なの?▼~
:[ヴァネッサ]|
ご心配なく。~
かすり傷のようなものでしたから。▼~
:[シレーネ]|
それならよかったわ。▼~
それに…二人きりのときは~
姉さんと呼んでいいのよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
はい、シレーネ隊長!~
そ、そんなことより、姉さん!~
ターナ様をお見かけしませんでしたか?▼~
戦いのあと~
お姿が見えずに気になって…▼~
:[シレーネ]|
ああ、そのことなら…▼~
:[ターナ]|
あら。シレーネにヴァネッサ。~
二人でなにを話しているの?▼~
:[ヴァネッサ]|
ターナ様!?~
その…実はターナ様のお姿が見えず~
つい心配になって隊長に報告を…。▼~
:[ターナ]|
そのことなら心配いらないわ。~
出かけることは~
シレーネにも伝えてあるしね。▼~
:[シレーネ]|
ですが、ヴァネッサの心配ももっともです…。~
せめて私かヴァネッサを伴ってくださると~
安心なのですが。▼~
:[ターナ]|
大丈夫。王宮を抜け出したときのような~
危ないことは、もうしないから。~
二人とも心配しなくていいわよ。▼~
:[シレーネ]|
は、はい…。承知しました。▼~
***C [#w3bdbeb1]
:[ギリアム]|
むぅ、訓練場にもお姿はないようだ…。▼~
:[シレーネ]|
あら、ギリアム。~
誰を探しているの?▼~
:[ギリアム]|
おお、シレーネとヴァネッサか。~
ちょうどいいところに。▼~
ターナ様を探しているのだが~
今朝からお姿が見当たらなくてな。▼~
:[ヴァネッサ]|
ターナ様なら~
城下町に出掛けられると…▼~
:[ギリアム]|
おまえたちがここにいるということは~
ヒーニアス様か~
ルネスのご兄妹がご一緒か?▼~
:[シレーネ]|
いいえ、それがお一人なのよ。▼~
:[ギリアム]|
なにっ!?~
いくらご立派に成長されたとはいえ~
ターナ様お一人で出歩かせるなど…▼~
お父上である国王陛下が知ったら~
卒倒されてしまうぞ。▼~
:[シレーネ]|
私も何度もお供を申し出たのよ。~
でも、ターナ様は頑なに~
お認めにならなかったの。▼~
:[ヴァネッサ]|
戦いや訓練のない日はお一人で~
たびたび出掛けられているみたいです。▼~
:[ギリアム]|
今日だけの話ではないのか。▼~
:[シレーネ]|
危険はない、と~
ターナ様はおっしゃっているけど~
やっぱり気になるわよね。▼~
:[ヴァネッサ]|
かと言って、あとをつけるのも~
出すぎた真似かもしれませんし…。▼~
:[ギリアム]|
だが、ことが起こってからでは遅いのだぞ。~
なにかしらの手を打ったほうが~
いいのではないか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
そのことだったら~
お力になれるかもしれないわ。▼~
:[ギリアム]|
これは…ヘンリエッテ女王!▼~
:[ヘンリエッテ]|
立ち聞きするつもりはなかったんだけど~
通りかかったところに聞こえちゃって~
ごめんなさいね。▼~
:[シレーネ]|
いえ、そのような…~
ヘンリエッテ女王はターナ様のことを~
なにかご存知なのでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
私が案内しましょうか?~
ターナ王女のところに。▼~
:[ギリアム]|
ターナ様の居場所を~
ご存知なのですか!?▼~
:[ヴァネッサ]|
願ってもないことです。~
お言葉に甘えてもよろしいでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
ええ、存分に甘えてちょうだい。~
じゃあ、フレリア王国の皆様方~
私についてきてくださいね。▼~
***B [#w6079bca]
:[ヘンリエッテ]|
さあ、着きましたよ。~
ここが目的地です。▼^
:[シレーネ]|
集まっているのは難民…ですか?▼~
:[ヴァネッサ]|
城下町のはずれに~
このような場所があったなんて。▼~
:[ヘンリエッテ]|
ここにいるのは~
戦火で住む場所を追われた方々なの~
その数は日々、増える一方だわ。▼~
:[ヴァネッサ]|
お年寄りから~
あんな小さい子どもまで…。▼~
:[ヘンリエッテ]|
ヴァイス・ブレイヴは~
アスク王国の勝利のために~
頑張ってくれているけど。▼~
戦争をする以上は~
こうした現実にも~
目を向かなければならないわ…▼~
:[シレーネ]|
心中、お察しいたします。▼~
:[ヘンリエッテ]|
でも、憂いてばかりじゃ~
なにも変わりませんからね。▼~
私は戦うことは得意じゃないけど~
みんなの力になりたい。~
そう思ってここで炊き出しをしているの。▼~
:[ギリアム]|
ヘンリエッテ女王自らですか!?~
王族なのに、頭が下がります。▼~
:[ヘンリエッテ]|
もちろん一人じゃないわよ。~
英雄にも手伝ってもらってるの。~
ほら、あそこにも。▼~
:[ターナ]|
みんな、ちゃんと並んでね。~
スープはまだまだあるから。▼~
こらそこ、ケンカしない!~
お兄さんは妹に優しくしなきゃね。~
どの世界も、それは同じことなのよ。▼~
:[シレーネ]|
……!? ターナ様!?▼~
:[ターナ]|
あら、シレーネにヴァネッサ!~
ギリアムまで、どうしてここに?▼~
:[ヴァネッサ]|
ど、どうしてというのは~
こちらの台詞で…▼~
:[ヘンリエッテ]|
みなさんが心配してたから~
私が案内したの~。▼~
:[ターナ]|
ヘンリエッテ女王が…~
そういうことだったのね。▼~
:[ギリアム]|
ターナ様、ご説明頂けますか?▼~
:[ターナ]|
内緒にしようと思ったわけじゃないけど…~
協力するアスク王国の現状を~
自分の目で確かめたかったのよ。▼~
それで、あちこちを見て回るうちに~
この場所を知って~
炊き出しを手伝っていたの。▼~
:[シレーネ]|
実にご立派な心掛けです!~
しかし、そうした理由があるのでしたら~
なおさらお供させていただきたかったです。▼~
:[ターナ]|
だってシレーネは姿勢がよすぎるし~
騎士のお手本みたいじゃない?▼~
一緒に歩くと、町の人たちが緊張して~
普段の姿を見せてくれなくなっちゃう。▼~
:[ギリアム]|
隙のなさが仇になったな、シレーネ。▼~
:[ヴァネッサ]|
確かに、騎士としても人間としても~
つねに完璧ですし…▼~
:[シレーネ]|
私、そこまで堅苦しそうに~
見えるのかしら…▼~
***A [#n7911814]
:[ターナ]|
王宮にいた頃のわたしは~
外の世界をまったく知らない~
世間知らずだったわ。▼~
でも、お兄さまやエイリークたちと~
マギ・ヴァルを旅するうちに~
いろいろな人たちと出会ったの。▼~
明日をも知れない暮らしをする人々や~
戦火で過酷な境遇に身を置く人たち…▼~
:[シレーネ]|
王宮にいては~
分からないことばかりですね。▼~
:[ターナ]|
わたしが当たり前だと思っていたことは~
多くの人にとって大変なことだと知ったわ。▼~
そして、感じたの。~
国の強さを誇るだけでは~
豊かには慣れない。▼~
幸せな世界は~
人々の心が互いに寄り添うことで~
作られていくんじゃないかって。▼~
:[ヴァネッサ]|
それが炊き出しを~
手伝われている理由なのですね?▼~
:[シレーネ]|
ターナ様。戦いの腕だけでなく~
お心までご立派に成長なされました。▼~
:[ターナ]|
シレーネにいろいろ教えてもらったおかげよ。~
炊き出しを手伝えるのも~
シレーネに料理を教わったからだし。▼~
わたしにとって、あなたは良き姉。~
導いてくれたことを感謝するわ。▼~
:[シレーネ]|
…もったいないお言葉です。▼~
:[ギリアム]|
ターナ様のお気持ち、しかと受け取りました。~
ならば我らはターナ様をお支えするのみ。▼~
力仕事があればギリアムにお申し付けを。~
腕力だけは自信がありますゆえ。▼~
:[ヴァネッサ]|
姉さん…いえ、隊長!~
私たちもお手伝いしましょう。▼~
:[シレーネ]|
そうね。料理だったら~
私たちも力になれると思うわ。~
ヘンリエッテ女王、よろしいでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
もちろんよ。~
手伝ってもらえるのなら大歓迎!▼~
:[ターナ]|
ヘンリエッテ女王。~
わたしたちは戦うためにこの世界に~
呼ばれたのかもしれないけど…。▼~
アスク王国の人々の力になる方法は~
それだけじゃないと思うんです。▼~
わたしがその道筋を見つけたい。~
アスクの民を幸せにするために。▼~
:[ヘンリエッテ]|
ターナ王女、あなたのその優しさこそ~
あなたを英雄たらしめる理由だと思うわ。▼~
願わくば、アスク王国での体験を~
あなたたちの未来に活かしてくれたら~
それに勝る喜びはないわね。▼~
:[ターナ]|
はい! 王宮のお父さまとお母さまに~
胸を張ってただいまと言えるように~
わたしなりに、頑張ってみます。▼~
長い旅で学んだことすべてを~
フレリア王国の明日へと~
つないでいくためにも!▼~
**秀麗の緑翼 シレーネ [#qd35790a]
***C [#o8b3b3ab]
:[アンナ]|
フレリア大魚?~
聞かない名前の魚ねえ。▼~
:[フィヨルム]|
この前、シレーネさんと~
お話をしたときに伺ったんです。~
故郷フレリア王国で人気だとか…▼~
:[アンナ]|
へえ、大魚というくらいだから~
それなりの大きさなのよね?~
切り身として流通しているのかしら。▼~
:[フィヨルム]|
どうでしょう。でも、シレーネさんの~
得意料理のひとつだそうですから~
きっと身近な食材なんだと思います。▼~
ふふっ。異界の名物料理なんて~
ちょっと気になっちゃいますね。▼~
:[アンナ]|
大きさだけで考えたら~
オオアスクウオを使って~
その料理、再現できそうね…▼~
:[フィヨルム]|
あの、急に真剣な顔をされて~
どうかしたのですか?▼~
:[アンナ]|
フィヨルム王女。メンバーを集めて。~
シレーネと、釣りに詳しい英雄をすぐに!▼~
:[フィヨルム]|
えっ? いったいなんの話ですか?▼~
:[アンナ]|
ふふふ、わかりきったこと。~
オオアスクウオを釣り上げて~
フレリア王国の名物料理で一儲けよ!▼~
:[フィヨルム]|
ええっ!?▼~
&br;''(暗転)''~
:[シレーネ]|
フレリア大魚の料理…ですか。~
もちろん協力するわ。▼~
アスク王国の皆さんにも~
故郷の味を味わってもらいたいもの。▼~
:[アンナ]|
助かるわ! 本来の任務じゃないけど~
みんなの絆を深めるために~
ぜひとも成功させましょう!▼~
それじゃ、北の森へ出発よ!~
湖にいるオオアスクウオ~
じゃんじゃん釣り上げましょう!▼~
***B [#h8146ba5]
:[アンナ]|
見えてきたわ、あの湖よ!▼~
:[フィヨルム]|
まあ、大きいですね!~
北の森の奥に、こんな湖があったなんて。▼~
:[シレーネ]|
ここにオオアスクウオがいるのね。~
料理を振る舞うだけかと思ったら~
釣り上げるところからはじめるなんて…▼~
:[レオニー]|
へえ、ここからでも~
結構な数の魚がいることがわかるね。▼~
:[ダロス]|
おいらはもともと~
漁船の雑用係だったから…▼~
戦うより、漁のほうが得意だな。▼~
何か力になれることがあれば~
遠慮なく言ってくれよ。▼~
:[アンナ]|
釣りや漁が得意な英雄にも~
協力してもらうし、準備は万全!▼~
もちろん、フィヨルム王女にも~
シレーネにも力を貸してもらうわよ。~
はい、釣竿。▼~
:[フィヨルム]|
わ、私も釣るのですか!?~
釣竿を持つのははじめてです。▼~
ニフル王国の河や湖は凍っていたので~
氷に穴を開けて、魚を釣るんですよね。▼~
:[シレーネ]|
釣り上げるところからやるのは~
はじめてだけど、頑張ってみるわ。▼~
:[アンナ]|
ちなみに、この湖はヌシと呼ばれる~
特大のオオアスクウオがいるそうよ。▼~
:[ダロス]|
おおっ、そいつは楽しみだな。~
腕が鳴るってもんだ!▼~
:[シレーネ]|
大きすぎても料理が大変になるから~
ほどほどの大きさで大丈夫よ。▼~
:[レオニー]|
なに言ってんのさ。やるからには~
大物狙いに決まってるでしょ!▼~
:[ダロス]|
そうだな、食材が余るようなら~
おいらが持ち帰るから~
安心して釣ってくれ!▼~
:[アンナ]|
さっすが頼りになるわね、二人とも。~
それじゃあ、狙いはヌシに決まりね。▼~
さあ、みんなで力を合わせて~
大物を釣り上げるわよ!▼~
***A [#u75fa079]
:[アンナ]|
うーん…~
なかなか釣れないわねえ。▼~
:[シレーネ]|
ふふっ。私はこうして~
みなさんと過ごす時間も楽しいですよ?▼~
:[レオニー]|
大物を狙うなら工夫が必要かも。▼~
たとえば、あの茂みの先のあたり…~
魚たちの影を見ていると~
あそこにだけ寄り付こうとしないんだ。▼~
理由はいろいろ考えられるけど~
ヌシが潜んでいる可能性もありそう。▼~
:[ダロス]|
ああ、あの場所はおいらも~
気になってたんだ。~
ちょっとだけ岸から遠いけど…あらよっと!▼~
:[シレーネ]|
あっ! さっそく水面に~
大きな影が浮かんできたわ。▼~
:[ダロス]|
うおっ! なにか掛かった!~
これは大物の手ごたえありだ!▼~
:[アンナ]|
よーしよしよし!~
そのまま釣り上げるわよ!▼~
:[レオニー]|
水面が渦を巻きはじめた…~
なにかが浮かび上がってくるよ!▼~
:[バアトル]|
ガハハハッ!~
誰だ、わしの斧に釣り針を引っ掛けたやつは!?▼~
:[レオニー]|
なっ、なんだあ!?~
イカついおっさんが釣れたぞ!▼~
:[ダロス]|
だ、誰かと思ったら~
バアトルさんじゃねえか!?▼~
:[フィヨルム]|
バアトルさん…~
こんなところでいったい何を?▼~
:[バアトル]|
湖でやることと言えば、ひとつ!~
水練に励んでおったのだ。▼~
陸の上、水の中で~
戦えてこその斧使いというもの!▼~
よし! 今日の水練はここまで。~
城に帰って飯にするか。~
ガーッハッハッハ!▼~
:[レオニー]|
行っちまった。~
豪快なおっさんだなあ。~
ジェラルト師匠といい勝負だよ。▼~
:[シレーネ]|
……!? みんな、右の岸辺!~
あそこにも大きな影があるわ。▼~
:[アンナ]|
この大きさは人間じゃないわ!~
間違いなく湖のヌシよ!▼~
え…魚の影が消えた?~
もっとよく見て探すのよ!~
って、あれ? あなたは…▼~
:[ンン]|
おや、アンナ隊長なのです。~
みなさんで水浴びに来たのですか?▼^
:[フィヨルム]|
水浴び? もしかして、~
さきほどの巨大な影は~
竜に化身したンンさんですか?▼~
:[ンン]|
ここはあまり人がこないから~
水浴びするのにもってこいなのです。▼~
:[アンナ]|
そ、そう。~
あなたの影だったのね。~
素敵な水場だものね、あはは…▼~
&br;''(暗転)''~
:[シレーネ]|
……▼~
ずいぶんと時間が経つけど、~
ヌシどころか普通のオオアスクウオも~
釣れる気配がないわね。▼~
:[アンナ]|
そうねえ、どうしたものかしら。~
いいかげん日が暮れちゃうわ。▼~
:[フィヨルム]|
ん? お、おや、この手応えは…~
きゃあっ!?▼~
つ、釣竿が強くしなって~
な、なにか大きなものが掛かりました!▼~
私一人の力では~
逆に引っ張られてしまいます!▼~
:[レオニー]|
た、大変だ!~
フィヨルム王女、手を離しちゃダメだよ!▼~
:[シレーネ]|
湖面が大きく波打って…~
これは間違いなく大物ね。~
みんなで協力しましょう!▼~
:[アンナ]|
な、なんて巨大なオオアスクウオ!~
間違いないわ、この湖のヌシよ!▼~
***S [#f29e2286]
:[アンナ]|
ようやく湖のヌシが掛かったわね!~
みんな、ここが勝負どころよ!▼~
:[レオニー]|
うわっ! なんて馬鹿力!?~
めちゃくちゃ暴れまわってるし!▼~
:[シレーネ]|
くっ…じりじりと~
湖に引きずりこまれていくわ!▼~
:[フィヨルム]|
す、すみません、みなさん!~
力をお貸しいただけますか!▼~
:[ダロス]|
ああ、みんなで力を合わせるのが~
ヴァイス・ブレイヴなんだよな!~
よいせ、よいせ!▼~
:[アンナ]|
そ、それにしても大きいわね!~
釣りというよりも~
巨影討滅戦をやってる感じだわ!▼~
:[シレーネ]|
もう一息。~
頭が水面に上がってきたわ!~
:[フィヨルム]|
くっ、ううううっ!~
みなさん、ここで決めます!▼~
:[シレーネ]|
力を…合わせて!~
やぁぁぁっ!▼~
&br;''(暗転)''~
:[アンナ]|
はぁ、はぁっ…~
まさかこんな巨大な魚が~
湖の中を泳いでいたなんて。▼~
:[レオニー]|
これ本当に魚?~
もう半分魔獣だよね?▼~
:[ダロス]|
その気になれば~
人間も丸吞みできそうだぞ?▼~
:[アンナ]|
でも、今回は私たち~
ヴァイス・ブレイヴの勝利よ!▼~
さあ、シレーネ!~
これだけの材料があれば~
お料理もたくさん作れるわよね?▼~
:[シレーネ]|
うーん、そうしたのは山々だけど~
触った感じ鱗が硬すぎるわね。▼~
:[ダロス]|
どれどれ…うおっ、なんだこりゃ。~
鎧みたいな鱗をしてるぞ。▼~
:[シレーネ]|
さばいて持ち帰ろうと思ったけど~
それも難しそうね。▼~
:[フィヨルム]|
包丁どころか、私たちの武器ですら~
弾かれてしまいます。▼~
:[レオニー]|
これって料理以前の問題じゃない?▼~
:[アンナ]|
包丁が通らないってなんなのよそれ!?~
うう、ここまできて残念だけど~
あきらめるしかないってこと?▼~
:[ダロス]|
よし。それじゃあ、こいつは~
湖に戻してやることにするか。▼~
転がしながら押し戻して…~
えっほ、えっほ!~
ほら、元気で暮らせよ!▼~
:[アンナ]|
ああ、湖のヌシが…~
もう。引きずりまわされた~
私たちのほうがボロボロよ。▼~
&br;''(暗転)''~
:[フィヨルム]|
結局、普通のオオアスクウオも~
シレーネさんの料理には~
適していない感じでしたね。▼~
:[シレーネ]|
フレリア大魚に比べて~
身が引き締まりすぎるうえに~
脂も乗っていないというか…▼~
:[フィヨルム]|
シレーネさんのお料理を食べられないのは~
残念ですけど、仕方ないですね。▼~
:[レオニー]|
あーあ、わたしも食べたかったなあ。▼~
:[シレーネ]|
それじゃあ、いつかフレリア王国に~
みんなを招待しなくちゃいけないわね。▼~
故郷に来てくれたら~
存分にフレリア大魚の料理を振る舞うから。▼~
:[ダロス]|
エクラさんに~
頼めば、なんとかなるかもしれないな!▼~
:[フィヨルム]|
アスク王国での戦いが終わったら~
お願いしてみましょう!▼~
:[シレーネ]|
ふふっ、私もその日が来るのを~
楽しみにしているわ。▼~
**未来へ翔ける王女 ターナ [#g3953552]
***C [#p6422bf7]
:[ターナ]|
よーく狙って…~
そこっ!▼~
続いてもう一度!~
集中して…えいっ!▼~
:[エイリーク]|
すごいわ…! 全部命中!~
苦手だった弓を~
こんなに使いこなせるなんて。▼~
:[ターナ]|
でも、まだまだよ。~
お兄さまなんて、三本を同時に射て~
それぞれの的を射抜くし。▼~
上を見ればキリがないと思うけど~
もっと鍛錬を続けるつもりよ。▼~
:[エイリーク]|
ターナ、本当に成長したのね。~
上を目指したいという向上心…~
とても素晴らしいと思うわ。▼~
:[ターナ]|
そう言ってくれると、うれしいな。~
指にたくさんマメをつくった~
甲斐があったわ。▼~
でも、わたしが頑張れたのは~
エイリークやエフラム~
お兄さまたちがいてくれたおかげ。▼~
みんながいなかったら…~
ここまで頑張れなかった。▼~
:[エイリーク]|
ターナ…。▼~
:[ターナ]|
同い年なのに~
エイリークはお姉さんのように~
いつも私を助けてくれて…。▼~
だからわたしも~
エイリークの支えになりたい。▼~
わたしにお城を飛び出す勇気をくれた~
エイリークの力になりたい…。~
そう思って頑張ってきたの。▼~
:[エイリーク]|
そんなふうに考えてくれていたのね。▼~
助けられていたのは、むしろ私のほう。~
あなたは大切な支えになっていたわ。~
どんなときもね。▼~
:[ターナ]|
ありがとう、エイリーク。▼~
それとね…お兄さまから~
足手まといだって言われてたのも~
理由のひとつだったの。▼~
なのに、そのお兄さまが~
わたしにこの弓を渡してくれて…▼~
***B [#x17f1f90]
:[ヒーニアス]|
なるほど…~
この弓は我々フレリアの~
双聖器と酷似している。▼~
【蛇弓ニーズヘッグ】が~
異界の力を宿したもの、か…▼~
:[ターナ]|
……▼~
:[ヒーニアス]|
未来のターナがこの弓を~
持っているということは…~
私の身に何か起きる、ということか?▼~
:[ターナ]|
ち、違うの、お兄さま!~
これは未来のお兄さまが~
私に持つように命じたものなの。▼~
:[ヒーニアス]|
未来の私が?~
…にわかには信じられんな。▼~
そもそも、お前は~
あれだけ弓が苦手だったのに…▼~
:[ターナ]|
そうよ。わたしだってそう言ったのに…~
なのに、お兄さまはすごく頑固だったの。~
わたしが持つのが最善だって…▼~
だから、わたし…一生懸命頑張ったわ。~
この弓が無駄にならないように。~
お兄さまの言葉を信じて。▼~
:[ヒーニアス]|
…………▼~
以前の私なら、~
お前を戦わせるより、~
王宮に戻ってほしいと考えたはずだ。▼~
だが、未来の私が~
お前にそう言ったのなら…~
それが最善だということだ。▼~
:[ターナ]|
お兄さま…▼~
:[ヒーニアス]|
かつての大戦でも…~
私はフレリアの双聖器を~
エイリークに託した。▼~
エイリークは、フレリア王族である~
私が持つべきではと言ったが…~
私の考えは違う。▼~
弓がどの国のものであったかなど、些事だ。~
真に重要なのは、~
勝つために最善の選択をすることだ。▼~
ゆえに私は、~
双聖器が最も適した者の手に~
渡ることを望む。▼~
それがお前だと~
私が判断したのなら…~
強くなったのだな、ターナ。▼~
:[ターナ]|
わたしが頑張れたのは~
お兄さまたちのおかげです。▼~
ですが、お兄さまに比べると~
わたしの弓の腕なんてまだまだです…。▼~
練習を重ねるほど~
お兄さまのすごさがわかります。▼~
:[ヒーニアス]|
現状に満足せずに~
成長を志すその心こそ~
強くなるために大切なもの。▼~
どこまで強くなれるのか…~
私も楽しみにさせてもらおう。▼~
***A [#de1aeb42]
:[ターナ]|
狙いつけるとき、お兄さまは~
もっと肩の力を抜いていたはず…▼~
ツルを引きしぼる一瞬だけ~
力を集中させて…えいっ!▼~
:[エフラム]|
ど真ん中に命中、か。~
見事だな。▼~
:[ターナ]|
エフラム!~
あなたも訓練に来たの?▼~
:[エフラム]|
気になって見にきたんだ。~
その指…手袋に~
血が滲んでいるな。▼~
:[ターナ]|
あっ、本当だ…。~
またマメが潰れちゃったのかな。▼~
:[エフラム]|
鍛錬を重ねてきたのだな。~
……。▼~
:[ターナ]|
ど、どうしたの、いきなり?~
なんだか真面目な顔をしちゃって…。~
わたしが弓を使うの、そんなに変?▼~
:[エフラム]|
そうじゃない。▼~
以前、君に言ったことを思い出していた。~
弓兵に狙われたら取り返しがつかない。~
安全な場所にいろ、と。▼~
:[ターナ]|
ええ、憶えているわ。▼~
:[エフラム]|
あのときの俺は~
ターナを戦友ではなく、~
守る対象と思っていたのかもしれない。▼~
:[ターナ]|
……▼~
:[エフラム]|
だが今、目の前にいる君は、~
誰かを守れる強さを手に入れ~
俺たちと肩を並べて戦う仲間だ。▼~
:[ターナ]|
それって…わたしの努力が~
エフラムに認められたってことかな?▼~
:[エフラム]|
君は純粋だからこそ、~
脇目も振らずに~
まっすぐに成長できたのだろうな。▼~
:[ターナ]|
わたしのやってきたことは~
無駄じゃなかったんだね。▼~
でも、まだまだこんなものじゃないわ。~
今度はわたしがエフラムを~
守れるようになるからね。▼~
:[エフラム]|
こちらも負けはしないさ。~
君が強くなるだけで、~
俺も強くなるからな。▼~
:[ターナ]|
わたしから見れば、エフラムの~
そういう負けず嫌いなところのほうが~
よっぽど純粋だと思うわ…▼~
***S [#ba934adf]
:[エフラム]|
向こうも手練れ揃いか。~
だが、ここを突破できれば!▼~
:[エイリーク]|
兄上、私も加勢します!▼~
:[エフラム]|
……!?~
危ない、エイリーク!~
後ろに伏兵が!▼~
:[エイリーク]|
…!?▼~
:[ターナ]|
任せて!~
やらせはしないから!▼~
:[エイリーク]|
ターナ!~
空から援護してくれたのね。~
ありがとう!▼~
:[ターナ]|
目の前の茂み…~
弓兵が隠れるには絶好の場所ね!▼~
聞こえますか、お兄さま!~
おそらく、あの茂みに~
弓兵が潜んでいます!▼~
:[ヒーニアス]|
ああ、私もそう考えていた。~
自分でも弓を使うことで、~
弓兵の考えが読めるようになったな。▼~
:[ターナ]|
エフラム、エイリーク、~
わたしは空から支援を続けるわ。~
このまま前進を!▼~
:[エイリーク]|
わかったわ!~
ターナも気をつけて!▼~
:[エフラム]|
今のターナは~
戦場全体を見渡せている。▼~
:[エイリーク]|
私たちも~
負けていられませんね。▼~
:[エフラム]|
もちろんだ。~
ターナの頑張りに~
俺たちも応えないとな。▼~
:[ターナ]|
…今のわたしは守られるだけじゃない…▼~
エフラムやエイリーク、お兄さま。~
みんなと一緒に~
わたしはもっと強くなれる…▼~
アスク王国の空で~
もっともっと成長するわ!▼~
わたしはわたしの翼で~
もっと高く羽ばたいてみせるから!▼~
**静かなる重壁 ギリアム [#bf0f9dc2]
***C [#i194f54a]
:[ギリアム]|
むぅん! うおおっ!▼~
:[ヘルビンディ]|
どぉぉりゃあ! でぇぇぇいっ!▼~
:[アシュ]|
むむむっ、むむむ…まさに一進一退。~
実力伯仲、甲乙つけがたき~
お二人といえましょう…▼~
長きに渡るこの戦い、~
どちらに軍配が上がるか~
固唾を吞んで見守る次第でありまして…▼~
:[ギリアム]|
せいっ! はぁぁぁぁっ!▼~
:[ヘルビンディ]|
ぐぉぉぉぉっ! おらぁぁっ!▼~
:[アシュ]|
今、砂時計が落ち切りました!~
勝負はここまで。~
引き分け、引き分けと相成りました!▼~
:[ギリアム]|
勝負はつかず、か。▼~
:[ヘルビンディ]|
チッ、俺が腕相撲して~
腕をへし折れなかった人間は~
てめーがはじめてだぜ。▼~
:[アシュ]|
あのー、~
それは本来の腕相撲とは~
少々異なっておりますような…▼~
:[ギリアム]|
いや、少しでも気を緩めたら~
俺の腕も折られたかもしれぬ。~
それくらいの気迫を感じた。▼~
:[ヘルビンディ]|
なかなかに楽しめたぜ。~
次は覚悟しとくんだな。▼~
:[アーダン]|
いいものを見せてもらったな。~
手に汗握る名勝負だった。▼~
:[ドーガ]|
うむ!~
フレリア騎士団の力強さを~
肌で感じることができた。▼~
:[ロス]|
さすがギリアムさん!~
怪力自慢の父ちゃんを~
腕相撲で負かしただけあるなあ!▼~
:[ギリアム]|
なんの、ガルシア殿も強かった。~
彼とはほぼ互角と言っていい。▼~
しかし、腕相撲に関して言えば~
フレリア騎士団には~
敵はいなかったのだが…▼~
ヴァイス・ブレイヴは実に面白い。~
力自慢がこんなに揃っているとは。▼~
:[カスパル]|
ギリアムさん、次は~
オレと勝負してくれよ!▼~
ナリこそは小さいが~
負けるつもりはないぜ。▼~
腕相撲ってのは瞬発力と~
力の乗せ方だ。体格差だけで~
決まるものじゃないからな!▼~
:[ギリアム]|
闘志が宿った、いい目だ。~
無謀な勝負ではなく~
自分なりの勝算があるのも気に入った。▼~
いいだろう、いざ勝負!▼~
***B [#ta0d114e]
:[カスパル]|
たのもう、ギリアムさん!~
今日も勝負を受けてもらうからな!▼
:[ギリアム]|
む、カスパルか。~
勝利を求める不屈の心は~
戦う者にとって不可欠なもの。▼~
しかし、ただ勝負の回数を~
重ねればいいというものではない。~
時期を読むことも大事なことだ。▼~
:[カスパル]|
このオレがあっさり~
負け続けるなんて納得できねえ!▼~
今日は朝から身体のキレもいい!~
今度こそ勝てる気がするんだ!▼~
:[ギリアム]|
よかろう。勝算があるのなら~
かかってくるがいい。▼~
:[アシュ]|
それで、またまた偶然居合わせた私が~
審判を務めるわけでありまして…~
では用意…はじめっ!▼~
:[カスパル]|
うおりゃああああ!▼~
:[ギリアム]|
ふんっ!▼~
:[カスパル]|
どっせい! ぐうぅっ!~
こ、ここからが…勝負!~
おりゃぁぁっ!▼~
:[アシュ]|
おおっ!~
カスパル様大健闘であります!▼~
これはひょっとして~
念願の勝利はすぐそこまで~
迫ってきているのでありましょうか!▼~
:[ギリアム]|
甘い! はぁぁっ!▼~
:[カスパル]|
なっ! なんだっ!?~
この力は…! くぅぅぅっ!▼~
:[ギリアム]|
勝負あり、だな。▼~
:[アシュ]|
気合い一閃!~
勝利の女神はギリアム様に~
微笑んだ模様です!▼~
約束された逆転劇とでも申しましょうか。~
実に見事な試合運び…▼~
:[カスパル]|
はぁ、はぁ…~
だー! くっそー!~
また負けちまった!▼~
自分の言葉を否定するみたいだけどよ。~
やっぱりものを言うのは体格差か?▼~
:[ギリアム]|
……。~
それは違うぞ。~
カスパルが言うとおり、体格は関係ない。▼~
体格のよさがすべてを決めるのなら~
ヴァイス・ブレイヴにいる英雄は~
すべて巨人ばかりになるだろう。▼~
:[カスパル]|
……▼~
:[ギリアム]|
問題は鍛え方だ。~
前に自分で言っただろう。腕相撲は~
瞬発力と力の乗せ方が勝負を決めると。▼~
その考えは多いに賛同する。~
問題は勝つために、身体をどう鍛えるかだ。▼~
それを見誤らなければ、~
おのずと結果は付いてくる。~
次の勝負、楽しみにしているぞ。▼~
:[カスパル]|
身体をどう鍛えるかって~
そりゃどういう意味…。~
ああ、いっちまった。▼~
なあアシュ、ギリアムさんの~
言っていたことの意味、~わかるか?▼~
:[アシュ]|
えー、~
甘いケーキを作るために~
塩を用意してもそれは無駄に終わる…▼~
というような意味でしょうか、~
おそらく、ですが…▼~
:[カスパル]|
オレから聞いといてなんだけど~
ますますわかんねーよ…▼~
***A [#paed7a68]
:[カスパル]|
でぇぇいっ! はぁぁっ!▼~
はぁ、はぁ、はぁっ…~
よしっ、素振りは終わりだ!~
次は腕立て伏せに腹筋!▼~
&br;''(暗転)''~
:[カスパル]|
999、1000!~
はぁ、はぁっ…~
まだまだ、もっといけるっ!▼~
次は城の周りを走り込みだ。~
これだけやれば~
今度こそ勝てるはず!▼~
:[アルフレッド]|
ふふ、世界が変わっても~
鍛錬で流れる汗の輝きは~
素晴らしいものだね。▼~
:[カスパル]|
え? 誰?▼~
:[アルフレッド]|
すまない、邪魔をしたね。~
僕は通りすがりの筋肉愛好家さ。▼~
気にせず鍛錬を続けてくれたまえ。~
じゃあ、僕は失礼するよ。▼~
:[カスパル]|
……。~
おっと、走り込みにいくんだった。~
よし、気合を入れ直して…。▼~
:[ギリアム]|
ずいぶんと鍛錬に~
熱が入っているようだな。▼~
:[カスパル]|
ギリアムさん!~
ああ、気合入ってるぜ!▼~
一から全身を鍛え直して~
次の勝負こそ…。▼~
:[ギリアム]|
鍛錬を重ねること~
それ自体はなんら問題ない。▼~
しかし、前にも言っただろう。~
どこをどう鍛えるか。~
それを見誤ってはならないと▼~
:[カスパル]|
その言葉を聞いたからだぜ。~
オレは基礎に立ち戻って、あらためて~
すべてを鍛え直しているというか…▼~
:[ギリアム]|
目立つ場所ばかり鍛えてもダメなのだ。~
目立たない場所。そのような場所にこそ~
肝となるものがある。▼~
:[カスパル]|
何だって!? オレが、鍛える場所を~
間違えてるっていうのか?▼~
:[ギリアム]|
あらためて省みるがいい。~
手、足、その指の一本一本。~
どこか、おろそかにしてないか?▼~
筋肉とは、全身を繋いでいる~
いわば糸のようなもの~
その糸は等しく鍛えねばならんのだ。▼~
:[カスパル]|
指の一本一本…。~
そこまで意識して鍛えることは~
してなかったような…▼~
:[ギリアム]|
全身の力を無駄なく出し切るためには~
指の筋肉一本すらおろそかにはできん。▼~
ましてや、腕相撲に関しては~
それこそが大いにモノを言う。▼~
:[カスパル]|
そうか。オレは目立つ場所の~
筋肉ばかり鍛えようとしていて…▼~
肝心かなめの場所に~
たどり着いていなかったのか。▼~
:[ギリアム]|
指の筋肉一本すら~
おろそかにせぬこと。▼~
これぞ、我が祖国に伝わる~
フレリア式の筋肉鍛錬術だ。▼~
***S [#c798c494]
:[アシュ]|
ギリアム様、先ほどの戦いは~
お見事でありました。▼~
屈強な守りで前線を維持して頂き、~
感謝の言葉もございません。▼~
:[ギリアム]|
城の警備から国境の警備…~
これまで、守るための戦いに~
何度も身を投じてきた。▼~
その経験がアスク王国でも~
役に立っているというのなら~
自分にとっても望外の喜びというもの。▼~
だが、もう一人いただろう。~
目覚ましい活躍を見せた英雄がな。▼~
:[アシュ]|
ああっ、そうでありました。~
もちろん、彼の活躍も勝利に大きく~
寄与したのは間違いなく…▼~
と、噂をすれば~
なんとやらといいましょうか…▼~
:[カスパル]|
ギリアムさん!▼~
:[ギリアム]|
カスパル、先の戦は~
ずいぶんと活躍したようだな。▼~
:[カスパル]|
へへ、フレリア式鍛錬術のおかげで~
身体のキレがよくなってさ!▼~
:[アシュ]|
フレリア式ということは…~
ギリアム様からなにか教えを~
授かったということですね。▼~
:[ギリアム]|
体格差とか調子の良し悪し…~
そうしたものは~
勝負にとってさほど重要ではない。▼~
勝つための方法を探すこと。~
それこそが勝敗を分けるのだ。▼~
:[カスパル]|
ギリアムさんには~
いろいろと世話になっちまったな。▼~
この恩は腕相撲勝負に勝って~
返すとするぜ!▼~
:[ギリアム]|
我が祖国の鍛錬術が~
異界の英雄を介して広がっていく…。▼~
ともに戦った証は絆として残り~
力となって未来を照らす、か。▼~
よし、フレリア式鍛錬術がどれだけ~
身についているか確かめてやろう。~
かかってくるがいい。▼~
:[アシュ]|
それでは、またまた偶然居合わせた~
このアシュが審判をつとめさせて~
いただくと言う流れで…▼~
:[カスパル]|
おっしゃあ!~
今度こそ負けないぜ!▼~
:[ギリアム]|
フレリア式鍛錬術の真髄…~
今一度見せてやろう。~
さあいくぞ、異界の戦友よ!▼~
**気丈な緑翼 ヴァネッサ [#db541d77]
***C [#v881fc80]
:[ヴァネッサ]|
少し空の散歩をしてみたけど…~
緑の大地に広がる青空。▼~
どうやら、異界も私たちの世界と~
大きな違いはないみたいね。▼~
ティターニアも楽しそうに飛んでたし~
私が心配しすぎなのかしら。▼~
:[ルーテ]|
…む。前方に騎士の姿を確認。~
フレリア王国の天馬騎士の特徴と~
一致しますね。▼~
:[ヴァネッサ]|
あら、ルーテじゃない!~
久しぶり…でいいのかしら?▼~
:[ルーテ]|
はい、お久しぶりです。~
あなたもアスク王国に来たのですね~
ティターニア。▼~
:[ヴァネッサ]|
だから、それは天馬の名前だって~
言ってるでしょ!▼~
念のために言っておくけど~
私の名前はヴァネッサだからね?▼~
:[ルーテ]|
はい。冗談を言ったまでです。▼~
:[ヴァネッサ]|
まったく、あなたは相変わらずね。~
私は見知らぬ土地に~
少し不安なぐらいなのに。▼~
:[ルーテ]|
そうですか。~
でしたら、こちらの世界の疑問に~
私がお答えしましょう。▼~
:[ヴァネッサ]|
それは助かるわ。今後お世話になる~
ヴァイス・ブレイヴについて~
知っておきたかったのよ。▼~
:[ルーテ]|
アスク王国が誇る特務機関…~
王族も直接参加し、前線に赴き~
事件を解決する特殊性を持った部隊。▼~
さまざまな異界から来た~
英雄たちで構成されている点も~
特筆すべき点といえます。▼~
私の優秀さはその中でも輝きを~
失いませんが、見どころのある英雄が~
集まっていることは否定しません。▼~
:[ヴァネッサ]|
さらっと自画自賛された気もするけど~
なかなかに興味深い組織ね。▼~
:[ルーテ]|
いい機会です。~
ヴァイス・ブレイヴには~
魔道を教えることに秀でた者もいます。▼~
ヴァネッサもあらためて~
魔道を学んではどうですか?▼~
:[ヴァネッサ]|
あなた、私が一度だけ口にした~
子どもの頃の話、よく覚えていたわね?▼~
:[ルーテ]|
私、優秀ですから。▼~
:[ヴァネッサ]|
そうね。一度はあきらめた魔道だけど~
せっかくだから、また挑戦してみるのも~
いいかもしれないわね。▼~
:[ルーテ]|
それなら、シャロン王女に~
相談することをおすすめします。▼~
英雄たちを熟知している彼女なら~
適任者を紹介してくれるでしょう。▼~
:[ヴァネッサ]|
ありがとう。~
それにしても、あなたはすごいわね。~
どこにいても自分を見失わない。▼~
おかげで、自分が異界にいることを~
忘れてしまいそうだったわ。▼~
:[ルーテ]|
それは申し訳ありません。▼~
:[ヴァネッサ]|
褒めてるのよ!~
もう、本当に変わらないんだから…▼~
***B [#t93f57c6]
:[マリク]|
君が魔道を学びたいという~
天馬騎士の生徒かな?~
シャロン王女から話は聞いてるよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
はい、ヴァネッサと申します。~
このたびは、急なお願いにもかかわらず~
お時間をいただき感謝いたします。▼~
:[マリク]|
聞いていた以上に真面目そうな人だね。~
そんなにかしこまらなくてもいいよ。▼~
ぼくは、若い魔道士たちを相手に~
普段からここで教室を開いているんだ。▼~
せっかくだから、彼らと一緒に~
授業を受けてもらおうかと思うんだけど~
…どうかな?▼~
:[ヴァネッサ]|
願ってもない話です。~
私も参加させていただけると~
ありがたいです。▼~
ただ、私のような者が~
ご一緒してもよろしいのでしょうか。▼~
:[マリク]|
もちろんだよ。~
なにか気になることでもあるのかい?▼~
:[ヴァネッサ]|
ご承知のとおり、私は天馬騎士です。~
槍の扱いには多少なりとも慣れていますが~
魔道にはまるで無縁の初心者です。▼~
私がいることで、生徒のみなさんの~
迷惑になるのではないでしょうか。▼~
:[マリク]|
ひょっとして、ヴァネッサさんの故郷は~
魔道が盛んではなかったのかな?~
:[ヴァネッサ]|
我がフレリア王国は天馬騎士の育成に~
力を入れていますから…▼~
幼い頃に一度、魔道を志したのですが~
私には才能がまるでなく…~
それで天馬騎士の道を選びました。▼~
:[マリク]|
なるほど、そういう経緯があったんだね。~
だけど、広く世界へ目を向けると~
天馬に乗って活躍する魔道士は多いんだ。▼~
なにしろ、天馬自身も魔道の耐性が高いから~
魔道士との相性が非常にいい。▼~
:[ヴァネッサ]|
天馬と魔道の相性…~
なんだか勇気づけられるお話ですね。▼~
:[マリク]|
才能のことはひとまず置いといて~
魔道を学び直すのは、いいことだと思うよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
ええ、覚悟は決まりました。~
立派な魔道士になれるよう~
精一杯努力させていただきます!▼~
***A [#pc0fc594]
:[ルーテ]|
シャロン王女。▼~
:[シャロン]|
こんにちは! もしかして、~
ルーテさんもヴァネッサさんの~
様子を見に来られたのですか?▼~
:[ルーテ]|
あれから数日が経ちました。~
そろそろ、授業の成果が出る頃合いかと。▼~
:[シャロン]|
ですよね!~
実は、わたしも気になってたんです。▼~
でも…おかしいですね。~
ヴァネッサさんの姿はどこでしょう?▼~
:[ルーテ]|
足もとに。▼~
:[シャロン]|
…わわっ!~
どうされたんですか、ヴァネッサさん!▼~
:[ヴァネッサ]|
はあ…はあ…。~
こ、これはシャロン王女。~
見苦しい姿を…お目にかけてしまい…▼~
:[シャロン]|
だっ、大丈夫ですか!~
なんだか顔色が悪いですよ!?▼~
:[ヴァネッサ]|
は、はい、ご心配をお掛けしました。~
授業のない日も、体力の続く限り~
こうして魔道の練習をしているのですが…▼~
:[ルーテ]|
優秀な私の分析によると~
なかなか結果が伴わないことに~
ヴァネッサは苦しんでいるようですね。▼~
:[シャロン]|
分析以前にヴァネッサさんの~
顔色を見れば想像つきますけど…~
かなりご無理をされているのでは?▼~
:[ヴァネッサ]|
これくらい、どうということはありません。~
フレリアの天馬騎士団の訓練は~
厳しいことで知られておりますし…▼~
そんなことよりも、なんとしても…~
私でも…魔道を…はぁ、はぁっ…~
修めることが…できれば…▼~
:[ルーテ]|
…杖の癒し手を~
誰か呼んでくるべきでしょうか?▼~
:[ヴァネッサ]|
だ、大丈夫です…。~
これしきの…ことで…▼~
私に魔道の力があれば~
ヒーニアス様をより安全にお守りし~
姉さんの役にも立てるというのに…▼~
:[シャロン]|
ヴァネッサさん…▼~
:[ヴァネッサ]|
我ながら、情けない次第です…!▼~
:[ルーテ]|
物事には向き不向きがあります。~
やはりヴァネッサは、天馬騎士の道を~
追及することが最善かもしれません。▼~
:[ヴァネッサ]|
それでは…ダメなのよ。~
天馬騎士の私は力不足だから…。~
別の方法で姉さんたちを支えないと…▼~
:[シレーネ]|
ヴァネッサ!?~
いったいどうしたの…!▼~
:[ヴァネッサ]|
ね、姉さん…▼~
***S [#h7af3da0]
:[ヴァネッサ]|
…どうして姉さんがここに?▼~
:[シレーネ]|
先日から様子が変だったから~
気になっていたのよ。▼~
あなたが魔道を学んでいることは~
耳にしていたけど~
まさかここまで無茶をするなんて。▼~
:[シャロン]|
シレーネさん!~
ヴァネッサさんがこうなったのは~
わたしにも責任の一端が…▼~
:[ヴァネッサ]|
お気遣い、痛み入りますシャロン王女。~
ですがこれは、私が私自身の責任で~
はじめたことですから…▼~
:[シレーネ]|
…ヴァネッサ。~
強くなりたいと思う気持ちは大切だけど~
一人で頑張る必要はないのよ。▼~
あなたは天馬騎士として~
十分役目を果たしているわ。▼~
:[ヴァネッサ]|
私だって槍の道を極めたいと思った…~
でも、姉さんには~
追いつくことができなかった。▼~
だから、違う道だったら姉さんの~
力になれるんじゃないかと思って…▼~
:[シレーネ]|
私たちのためを思ってくれていたのね。~
その気持ちはうれしいわ、ヴァネッサ。▼~
でもね、それぞれがそれぞれに~
強さを求める必要はないのよ。▼~
私たちはこの世に二人だけの姉妹。~
協力して力を合わせることが~
一番大切だと思うの。▼~
:[ヴァネッサ]|
……▼~
:[シレーネ]|
お互いを支え合えば~
それぞれの力は何倍にも~
その力で、主を支えるのよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
私、自分が強くなることばかり考えて~
姉さんと一緒にいる意味を~
見失っていたのかもしれない。▼~
ごめんなさい、姉さん。~
大切なことが見えてなかった。▼~
これからは二人で力を合わせて~
前に進むべきなのね。▼~
:[シレーネ]|
ふふっ。そうと決まれば~
魔道への憧ればひとまず封印ね。▼~
:[ヴァネッサ]|
あっ、憧れだなんてそんなこと…▼~
:[シレーネ]|
なに言ってるのよ。小さい頃から~
魔法を見て、目を輝かせていたくせに。▼~
さあ、槍を構えなさい。~
今から稽古を付けてあげるわ。▼~
:[ヴァネッサ]|
はい、姉さん!▼~
:[シャロン]|
よかった!~
姉妹が力を合わせることで~
お二人は何倍も強くなれますよ、きっと!▼~
:[ルーテ]|
もちろんです。~
まあ、こうなることは予測できていました。~
わたし、優秀ですから。▼~
*コメント [#qfe52b07]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*瞳の先に映る明日 [#o84d51ee]
#contents
**瞳の先に映る明日 [#u975362d]
***オープニング [#aaf05ea4]
:[ターナ]|
シレーネ、森の右から回り込んで!▼~
:[シレーネ]|
敵の位置はすべて把握済みです。~
足止めならお任せを!▼~
:[ターナ]|
ヴァネッサはわたしに続いて!~
魔道士たちを無力化するのよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
了解、仕掛けます!▼~
:[アルフォンス]|
よし! この機を逃さず~
僕たちもターナ王女に続こう!▼~
:[ギリアム]|
地上の露払いは私にお任せを。~
賊どもよ、フレリア騎士団の戦いぶりを~
その目に焼き付けるがいい!▼~
:[ターナ]|
いい流れね。でも、気を抜かないで!~
このまま一気に終わらせるわよ!▼~
:[シレーネ]|
…見事な采配です、ターナ様。~
よくぞここまで成長を…▼~
:[ヴァネッサ]|
ご自分以外のことまで~
目が届くようになられて…▼~
:[ギリアム]|
王宮を勝手に~
抜け出された頃とは大違い、~
王族として立派になられた…▼~
&br;''(暗転)''~
:[ヴァネッサ]|
シレーネ隊長!▼~
:[シレーネ]|
あら、ヴァネッサ。~
さっきのケガは大丈夫なの?▼~
:[ヴァネッサ]|
ご心配なく。~
かすり傷のようなものでしたから。▼~
:[シレーネ]|
それならよかったわ。▼~
それに…二人きりのときは~
姉さんと呼んでいいのよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
はい、シレーネ隊長!~
そ、そんなことより、姉さん!~
ターナ様をお見かけしませんでしたか?▼~
戦いのあと~
お姿が見えずに気になって…▼~
:[シレーネ]|
ああ、そのことなら…▼~
:[ターナ]|
あら。シレーネにヴァネッサ。~
二人でなにを話しているの?▼~
:[ヴァネッサ]|
ターナ様!?~
その…実はターナ様のお姿が見えず~
つい心配になって隊長に報告を…。▼~
:[ターナ]|
そのことなら心配いらないわ。~
出かけることは~
シレーネにも伝えてあるしね。▼~
:[シレーネ]|
ですが、ヴァネッサの心配ももっともです…。~
せめて私かヴァネッサを伴ってくださると~
安心なのですが。▼~
:[ターナ]|
大丈夫。王宮を抜け出したときのような~
危ないことは、もうしないから。~
二人とも心配しなくていいわよ。▼~
:[シレーネ]|
は、はい…。承知しました。▼~
***C [#w3bdbeb1]
:[ギリアム]|
むぅ、訓練場にもお姿はないようだ…。▼~
:[シレーネ]|
あら、ギリアム。~
誰を探しているの?▼~
:[ギリアム]|
おお、シレーネとヴァネッサか。~
ちょうどいいところに。▼~
ターナ様を探しているのだが~
今朝からお姿が見当たらなくてな。▼~
:[ヴァネッサ]|
ターナ様なら~
城下町に出掛けられると…▼~
:[ギリアム]|
おまえたちがここにいるということは~
ヒーニアス様か~
ルネスのご兄妹がご一緒か?▼~
:[シレーネ]|
いいえ、それがお一人なのよ。▼~
:[ギリアム]|
なにっ!?~
いくらご立派に成長されたとはいえ~
ターナ様お一人で出歩かせるなど…▼~
お父上である国王陛下が知ったら~
卒倒されてしまうぞ。▼~
:[シレーネ]|
私も何度もお供を申し出たのよ。~
でも、ターナ様は頑なに~
お認めにならなかったの。▼~
:[ヴァネッサ]|
戦いや訓練のない日はお一人で~
たびたび出掛けられているみたいです。▼~
:[ギリアム]|
今日だけの話ではないのか。▼~
:[シレーネ]|
危険はない、と~
ターナ様はおっしゃっているけど~
やっぱり気になるわよね。▼~
:[ヴァネッサ]|
かと言って、あとをつけるのも~
出すぎた真似かもしれませんし…。▼~
:[ギリアム]|
だが、ことが起こってからでは遅いのだぞ。~
なにかしらの手を打ったほうが~
いいのではないか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
そのことだったら~
お力になれるかもしれないわ。▼~
:[ギリアム]|
これは…ヘンリエッテ女王!▼~
:[ヘンリエッテ]|
立ち聞きするつもりはなかったんだけど~
通りかかったところに聞こえちゃって~
ごめんなさいね。▼~
:[シレーネ]|
いえ、そのような…~
ヘンリエッテ女王はターナ様のことを~
なにかご存知なのでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
私が案内しましょうか?~
ターナ王女のところに。▼~
:[ギリアム]|
ターナ様の居場所を~
ご存知なのですか!?▼~
:[ヴァネッサ]|
願ってもないことです。~
お言葉に甘えてもよろしいでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
ええ、存分に甘えてちょうだい。~
じゃあ、フレリア王国の皆様方~
私についてきてくださいね。▼~
***B [#w6079bca]
:[ヘンリエッテ]|
さあ、着きましたよ。~
ここが目的地です。▼^
:[シレーネ]|
集まっているのは難民…ですか?▼~
:[ヴァネッサ]|
城下町のはずれに~
このような場所があったなんて。▼~
:[ヘンリエッテ]|
ここにいるのは~
戦火で住む場所を追われた方々なの~
その数は日々、増える一方だわ。▼~
:[ヴァネッサ]|
お年寄りから~
あんな小さい子どもまで…。▼~
:[ヘンリエッテ]|
ヴァイス・ブレイヴは~
アスク王国の勝利のために~
頑張ってくれているけど。▼~
戦争をする以上は~
こうした現実にも~
目を向かなければならないわ…▼~
:[シレーネ]|
心中、お察しいたします。▼~
:[ヘンリエッテ]|
でも、憂いてばかりじゃ~
なにも変わりませんからね。▼~
私は戦うことは得意じゃないけど~
みんなの力になりたい。~
そう思ってここで炊き出しをしているの。▼~
:[ギリアム]|
ヘンリエッテ女王自らですか!?~
王族なのに、頭が下がります。▼~
:[ヘンリエッテ]|
もちろん一人じゃないわよ。~
英雄にも手伝ってもらってるの。~
ほら、あそこにも。▼~
:[ターナ]|
みんな、ちゃんと並んでね。~
スープはまだまだあるから。▼~
こらそこ、ケンカしない!~
お兄さんは妹に優しくしなきゃね。~
どの世界も、それは同じことなのよ。▼~
:[シレーネ]|
……!? ターナ様!?▼~
:[ターナ]|
あら、シレーネにヴァネッサ!~
ギリアムまで、どうしてここに?▼~
:[ヴァネッサ]|
ど、どうしてというのは~
こちらの台詞で…▼~
:[ヘンリエッテ]|
みなさんが心配してたから~
私が案内したの~。▼~
:[ターナ]|
ヘンリエッテ女王が…~
そういうことだったのね。▼~
:[ギリアム]|
ターナ様、ご説明頂けますか?▼~
:[ターナ]|
内緒にしようと思ったわけじゃないけど…~
協力するアスク王国の現状を~
自分の目で確かめたかったのよ。▼~
それで、あちこちを見て回るうちに~
この場所を知って~
炊き出しを手伝っていたの。▼~
:[シレーネ]|
実にご立派な心掛けです!~
しかし、そうした理由があるのでしたら~
なおさらお供させていただきたかったです。▼~
:[ターナ]|
だってシレーネは姿勢がよすぎるし~
騎士のお手本みたいじゃない?▼~
一緒に歩くと、町の人たちが緊張して~
普段の姿を見せてくれなくなっちゃう。▼~
:[ギリアム]|
隙のなさが仇になったな、シレーネ。▼~
:[ヴァネッサ]|
確かに、騎士としても人間としても~
つねに完璧ですし…▼~
:[シレーネ]|
私、そこまで堅苦しそうに~
見えるのかしら…▼~
***A [#n7911814]
:[ターナ]|
王宮にいた頃のわたしは~
外の世界をまったく知らない~
世間知らずだったわ。▼~
でも、お兄さまやエイリークたちと~
マギ・ヴァルを旅するうちに~
いろいろな人たちと出会ったの。▼~
明日をも知れない暮らしをする人々や~
戦火で過酷な境遇に身を置く人たち…▼~
:[シレーネ]|
王宮にいては~
分からないことばかりですね。▼~
:[ターナ]|
わたしが当たり前だと思っていたことは~
多くの人にとって大変なことだと知ったわ。▼~
そして、感じたの。~
国の強さを誇るだけでは~
豊かには慣れない。▼~
幸せな世界は~
人々の心が互いに寄り添うことで~
作られていくんじゃないかって。▼~
:[ヴァネッサ]|
それが炊き出しを~
手伝われている理由なのですね?▼~
:[シレーネ]|
ターナ様。戦いの腕だけでなく~
お心までご立派に成長なされました。▼~
:[ターナ]|
シレーネにいろいろ教えてもらったおかげよ。~
炊き出しを手伝えるのも~
シレーネに料理を教わったからだし。▼~
わたしにとって、あなたは良き姉。~
導いてくれたことを感謝するわ。▼~
:[シレーネ]|
…もったいないお言葉です。▼~
:[ギリアム]|
ターナ様のお気持ち、しかと受け取りました。~
ならば我らはターナ様をお支えするのみ。▼~
力仕事があればギリアムにお申し付けを。~
腕力だけは自信がありますゆえ。▼~
:[ヴァネッサ]|
姉さん…いえ、隊長!~
私たちもお手伝いしましょう。▼~
:[シレーネ]|
そうね。料理だったら~
私たちも力になれると思うわ。~
ヘンリエッテ女王、よろしいでしょうか?▼~
:[ヘンリエッテ]|
もちろんよ。~
手伝ってもらえるのなら大歓迎!▼~
:[ターナ]|
ヘンリエッテ女王。~
わたしたちは戦うためにこの世界に~
呼ばれたのかもしれないけど…。▼~
アスク王国の人々の力になる方法は~
それだけじゃないと思うんです。▼~
わたしがその道筋を見つけたい。~
アスクの民を幸せにするために。▼~
:[ヘンリエッテ]|
ターナ王女、あなたのその優しさこそ~
あなたを英雄たらしめる理由だと思うわ。▼~
願わくば、アスク王国での体験を~
あなたたちの未来に活かしてくれたら~
それに勝る喜びはないわね。▼~
:[ターナ]|
はい! 王宮のお父さまとお母さまに~
胸を張ってただいまと言えるように~
わたしなりに、頑張ってみます。▼~
長い旅で学んだことすべてを~
フレリア王国の明日へと~
つないでいくためにも!▼~
**秀麗の緑翼 シレーネ [#qd35790a]
***C [#o8b3b3ab]
:[アンナ]|
フレリア大魚?~
聞かない名前の魚ねえ。▼~
:[フィヨルム]|
この前、シレーネさんと~
お話をしたときに伺ったんです。~
故郷フレリア王国で人気だとか…▼~
:[アンナ]|
へえ、大魚というくらいだから~
それなりの大きさなのよね?~
切り身として流通しているのかしら。▼~
:[フィヨルム]|
どうでしょう。でも、シレーネさんの~
得意料理のひとつだそうですから~
きっと身近な食材なんだと思います。▼~
ふふっ。異界の名物料理なんて~
ちょっと気になっちゃいますね。▼~
:[アンナ]|
大きさだけで考えたら~
オオアスクウオを使って~
その料理、再現できそうね…▼~
:[フィヨルム]|
あの、急に真剣な顔をされて~
どうかしたのですか?▼~
:[アンナ]|
フィヨルム王女。メンバーを集めて。~
シレーネと、釣りに詳しい英雄をすぐに!▼~
:[フィヨルム]|
えっ? いったいなんの話ですか?▼~
:[アンナ]|
ふふふ、わかりきったこと。~
オオアスクウオを釣り上げて~
フレリア王国の名物料理で一儲けよ!▼~
:[フィヨルム]|
ええっ!?▼~
&br;''(暗転)''~
:[シレーネ]|
フレリア大魚の料理…ですか。~
もちろん協力するわ。▼~
アスク王国の皆さんにも~
故郷の味を味わってもらいたいもの。▼~
:[アンナ]|
助かるわ! 本来の任務じゃないけど~
みんなの絆を深めるために~
ぜひとも成功させましょう!▼~
それじゃ、北の森へ出発よ!~
湖にいるオオアスクウオ~
じゃんじゃん釣り上げましょう!▼~
***B [#h8146ba5]
:[アンナ]|
見えてきたわ、あの湖よ!▼~
:[フィヨルム]|
まあ、大きいですね!~
北の森の奥に、こんな湖があったなんて。▼~
:[シレーネ]|
ここにオオアスクウオがいるのね。~
料理を振る舞うだけかと思ったら~
釣り上げるところからはじめるなんて…▼~
:[レオニー]|
へえ、ここからでも~
結構な数の魚がいることがわかるね。▼~
:[ダロス]|
おいらはもともと~
漁船の雑用係だったから…▼~
戦うより、漁のほうが得意だな。▼~
何か力になれることがあれば~
遠慮なく言ってくれよ。▼~
:[アンナ]|
釣りや漁が得意な英雄にも~
協力してもらうし、準備は万全!▼~
もちろん、フィヨルム王女にも~
シレーネにも力を貸してもらうわよ。~
はい、釣竿。▼~
:[フィヨルム]|
わ、私も釣るのですか!?~
釣竿を持つのははじめてです。▼~
ニフル王国の河や湖は凍っていたので~
氷に穴を開けて、魚を釣るんですよね。▼~
:[シレーネ]|
釣り上げるところからやるのは~
はじめてだけど、頑張ってみるわ。▼~
:[アンナ]|
ちなみに、この湖はヌシと呼ばれる~
特大のオオアスクウオがいるそうよ。▼~
:[ダロス]|
おおっ、そいつは楽しみだな。~
腕が鳴るってもんだ!▼~
:[シレーネ]|
大きすぎても料理が大変になるから~
ほどほどの大きさで大丈夫よ。▼~
:[レオニー]|
なに言ってんのさ。やるからには~
大物狙いに決まってるでしょ!▼~
:[ダロス]|
そうだな、食材が余るようなら~
おいらが持ち帰るから~
安心して釣ってくれ!▼~
:[アンナ]|
さっすが頼りになるわね、二人とも。~
それじゃあ、狙いはヌシに決まりね。▼~
さあ、みんなで力を合わせて~
大物を釣り上げるわよ!▼~
***A [#u75fa079]
:[アンナ]|
うーん…~
なかなか釣れないわねえ。▼~
:[シレーネ]|
ふふっ。私はこうして~
みなさんと過ごす時間も楽しいですよ?▼~
:[レオニー]|
大物を狙うなら工夫が必要かも。▼~
たとえば、あの茂みの先のあたり…~
魚たちの影を見ていると~
あそこにだけ寄り付こうとしないんだ。▼~
理由はいろいろ考えられるけど~
ヌシが潜んでいる可能性もありそう。▼~
:[ダロス]|
ああ、あの場所はおいらも~
気になってたんだ。~
ちょっとだけ岸から遠いけど…あらよっと!▼~
:[シレーネ]|
あっ! さっそく水面に~
大きな影が浮かんできたわ。▼~
:[ダロス]|
うおっ! なにか掛かった!~
これは大物の手ごたえありだ!▼~
:[アンナ]|
よーしよしよし!~
そのまま釣り上げるわよ!▼~
:[レオニー]|
水面が渦を巻きはじめた…~
なにかが浮かび上がってくるよ!▼~
:[バアトル]|
ガハハハッ!~
誰だ、わしの斧に釣り針を引っ掛けたやつは!?▼~
:[レオニー]|
なっ、なんだあ!?~
イカついおっさんが釣れたぞ!▼~
:[ダロス]|
だ、誰かと思ったら~
バアトルさんじゃねえか!?▼~
:[フィヨルム]|
バアトルさん…~
こんなところでいったい何を?▼~
:[バアトル]|
湖でやることと言えば、ひとつ!~
水練に励んでおったのだ。▼~
陸の上、水の中で~
戦えてこその斧使いというもの!▼~
よし! 今日の水練はここまで。~
城に帰って飯にするか。~
ガーッハッハッハ!▼~
:[レオニー]|
行っちまった。~
豪快なおっさんだなあ。~
ジェラルト師匠といい勝負だよ。▼~
:[シレーネ]|
……!? みんな、右の岸辺!~
あそこにも大きな影があるわ。▼~
:[アンナ]|
この大きさは人間じゃないわ!~
間違いなく湖のヌシよ!▼~
え…魚の影が消えた?~
もっとよく見て探すのよ!~
って、あれ? あなたは…▼~
:[ンン]|
おや、アンナ隊長なのです。~
みなさんで水浴びに来たのですか?▼^
:[フィヨルム]|
水浴び? もしかして、~
さきほどの巨大な影は~
竜に化身したンンさんですか?▼~
:[ンン]|
ここはあまり人がこないから~
水浴びするのにもってこいなのです。▼~
:[アンナ]|
そ、そう。~
あなたの影だったのね。~
素敵な水場だものね、あはは…▼~
&br;''(暗転)''~
:[シレーネ]|
……▼~
ずいぶんと時間が経つけど、~
ヌシどころか普通のオオアスクウオも~
釣れる気配がないわね。▼~
:[アンナ]|
そうねえ、どうしたものかしら。~
いいかげん日が暮れちゃうわ。▼~
:[フィヨルム]|
ん? お、おや、この手応えは…~
きゃあっ!?▼~
つ、釣竿が強くしなって~
な、なにか大きなものが掛かりました!▼~
私一人の力では~
逆に引っ張られてしまいます!▼~
:[レオニー]|
た、大変だ!~
フィヨルム王女、手を離しちゃダメだよ!▼~
:[シレーネ]|
湖面が大きく波打って…~
これは間違いなく大物ね。~
みんなで協力しましょう!▼~
:[アンナ]|
な、なんて巨大なオオアスクウオ!~
間違いないわ、この湖のヌシよ!▼~
***S [#f29e2286]
:[アンナ]|
ようやく湖のヌシが掛かったわね!~
みんな、ここが勝負どころよ!▼~
:[レオニー]|
うわっ! なんて馬鹿力!?~
めちゃくちゃ暴れまわってるし!▼~
:[シレーネ]|
くっ…じりじりと~
湖に引きずりこまれていくわ!▼~
:[フィヨルム]|
す、すみません、みなさん!~
力をお貸しいただけますか!▼~
:[ダロス]|
ああ、みんなで力を合わせるのが~
ヴァイス・ブレイヴなんだよな!~
よいせ、よいせ!▼~
:[アンナ]|
そ、それにしても大きいわね!~
釣りというよりも~
巨影討滅戦をやってる感じだわ!▼~
:[シレーネ]|
もう一息。~
頭が水面に上がってきたわ!~
:[フィヨルム]|
くっ、ううううっ!~
みなさん、ここで決めます!▼~
:[シレーネ]|
力を…合わせて!~
やぁぁぁっ!▼~
&br;''(暗転)''~
:[アンナ]|
はぁ、はぁっ…~
まさかこんな巨大な魚が~
湖の中を泳いでいたなんて。▼~
:[レオニー]|
これ本当に魚?~
もう半分魔獣だよね?▼~
:[ダロス]|
その気になれば~
人間も丸吞みできそうだぞ?▼~
:[アンナ]|
でも、今回は私たち~
ヴァイス・ブレイヴの勝利よ!▼~
さあ、シレーネ!~
これだけの材料があれば~
お料理もたくさん作れるわよね?▼~
:[シレーネ]|
うーん、そうしたのは山々だけど~
触った感じ鱗が硬すぎるわね。▼~
:[ダロス]|
どれどれ…うおっ、なんだこりゃ。~
鎧みたいな鱗をしてるぞ。▼~
:[シレーネ]|
さばいて持ち帰ろうと思ったけど~
それも難しそうね。▼~
:[フィヨルム]|
包丁どころか、私たちの武器ですら~
弾かれてしまいます。▼~
:[レオニー]|
これって料理以前の問題じゃない?▼~
:[アンナ]|
包丁が通らないってなんなのよそれ!?~
うう、ここまできて残念だけど~
あきらめるしかないってこと?▼~
:[ダロス]|
よし。それじゃあ、こいつは~
湖に戻してやることにするか。▼~
転がしながら押し戻して…~
えっほ、えっほ!~
ほら、元気で暮らせよ!▼~
:[アンナ]|
ああ、湖のヌシが…~
もう。引きずりまわされた~
私たちのほうがボロボロよ。▼~
&br;''(暗転)''~
:[フィヨルム]|
結局、普通のオオアスクウオも~
シレーネさんの料理には~
適していない感じでしたね。▼~
:[シレーネ]|
フレリア大魚に比べて~
身が引き締まりすぎるうえに~
脂も乗っていないというか…▼~
:[フィヨルム]|
シレーネさんのお料理を食べられないのは~
残念ですけど、仕方ないですね。▼~
:[レオニー]|
あーあ、わたしも食べたかったなあ。▼~
:[シレーネ]|
それじゃあ、いつかフレリア王国に~
みんなを招待しなくちゃいけないわね。▼~
故郷に来てくれたら~
存分にフレリア大魚の料理を振る舞うから。▼~
:[ダロス]|
エクラさんに~
頼めば、なんとかなるかもしれないな!▼~
:[フィヨルム]|
アスク王国での戦いが終わったら~
お願いしてみましょう!▼~
:[シレーネ]|
ふふっ、私もその日が来るのを~
楽しみにしているわ。▼~
**未来へ翔ける王女 ターナ [#g3953552]
***C [#p6422bf7]
:[ターナ]|
よーく狙って…~
そこっ!▼~
続いてもう一度!~
集中して…えいっ!▼~
:[エイリーク]|
すごいわ…! 全部命中!~
苦手だった弓を~
こんなに使いこなせるなんて。▼~
:[ターナ]|
でも、まだまだよ。~
お兄さまなんて、三本を同時に射て~
それぞれの的を射抜くし。▼~
上を見ればキリがないと思うけど~
もっと鍛錬を続けるつもりよ。▼~
:[エイリーク]|
ターナ、本当に成長したのね。~
上を目指したいという向上心…~
とても素晴らしいと思うわ。▼~
:[ターナ]|
そう言ってくれると、うれしいな。~
指にたくさんマメをつくった~
甲斐があったわ。▼~
でも、わたしが頑張れたのは~
エイリークやエフラム~
お兄さまたちがいてくれたおかげ。▼~
みんながいなかったら…~
ここまで頑張れなかった。▼~
:[エイリーク]|
ターナ…。▼~
:[ターナ]|
同い年なのに~
エイリークはお姉さんのように~
いつも私を助けてくれて…。▼~
だからわたしも~
エイリークの支えになりたい。▼~
わたしにお城を飛び出す勇気をくれた~
エイリークの力になりたい…。~
そう思って頑張ってきたの。▼~
:[エイリーク]|
そんなふうに考えてくれていたのね。▼~
助けられていたのは、むしろ私のほう。~
あなたは大切な支えになっていたわ。~
どんなときもね。▼~
:[ターナ]|
ありがとう、エイリーク。▼~
それとね…お兄さまから~
足手まといだって言われてたのも~
理由のひとつだったの。▼~
なのに、そのお兄さまが~
わたしにこの弓を渡してくれて…▼~
***B [#x17f1f90]
:[ヒーニアス]|
なるほど…~
この弓は我々フレリアの~
双聖器と酷似している。▼~
【蛇弓ニーズヘッグ】が~
異界の力を宿したもの、か…▼~
:[ターナ]|
……▼~
:[ヒーニアス]|
未来のターナがこの弓を~
持っているということは…~
私の身に何か起きる、ということか?▼~
:[ターナ]|
ち、違うの、お兄さま!~
これは未来のお兄さまが~
私に持つように命じたものなの。▼~
:[ヒーニアス]|
未来の私が?~
…にわかには信じられんな。▼~
そもそも、お前は~
あれだけ弓が苦手だったのに…▼~
:[ターナ]|
そうよ。わたしだってそう言ったのに…~
なのに、お兄さまはすごく頑固だったの。~
わたしが持つのが最善だって…▼~
だから、わたし…一生懸命頑張ったわ。~
この弓が無駄にならないように。~
お兄さまの言葉を信じて。▼~
:[ヒーニアス]|
…………▼~
以前の私なら、~
お前を戦わせるより、~
王宮に戻ってほしいと考えたはずだ。▼~
だが、未来の私が~
お前にそう言ったのなら…~
それが最善だということだ。▼~
:[ターナ]|
お兄さま…▼~
:[ヒーニアス]|
かつての大戦でも…~
私はフレリアの双聖器を~
エイリークに託した。▼~
エイリークは、フレリア王族である~
私が持つべきではと言ったが…~
私の考えは違う。▼~
弓がどの国のものであったかなど、些事だ。~
真に重要なのは、~
勝つために最善の選択をすることだ。▼~
ゆえに私は、~
双聖器が最も適した者の手に~
渡ることを望む。▼~
それがお前だと~
私が判断したのなら…~
強くなったのだな、ターナ。▼~
:[ターナ]|
わたしが頑張れたのは~
お兄さまたちのおかげです。▼~
ですが、お兄さまに比べると~
わたしの弓の腕なんてまだまだです…。▼~
練習を重ねるほど~
お兄さまのすごさがわかります。▼~
:[ヒーニアス]|
現状に満足せずに~
成長を志すその心こそ~
強くなるために大切なもの。▼~
どこまで強くなれるのか…~
私も楽しみにさせてもらおう。▼~
***A [#de1aeb42]
:[ターナ]|
狙いつけるとき、お兄さまは~
もっと肩の力を抜いていたはず…▼~
ツルを引きしぼる一瞬だけ~
力を集中させて…えいっ!▼~
:[エフラム]|
ど真ん中に命中、か。~
見事だな。▼~
:[ターナ]|
エフラム!~
あなたも訓練に来たの?▼~
:[エフラム]|
気になって見にきたんだ。~
その指…手袋に~
血が滲んでいるな。▼~
:[ターナ]|
あっ、本当だ…。~
またマメが潰れちゃったのかな。▼~
:[エフラム]|
鍛錬を重ねてきたのだな。~
……。▼~
:[ターナ]|
ど、どうしたの、いきなり?~
なんだか真面目な顔をしちゃって…。~
わたしが弓を使うの、そんなに変?▼~
:[エフラム]|
そうじゃない。▼~
以前、君に言ったことを思い出していた。~
弓兵に狙われたら取り返しがつかない。~
安全な場所にいろ、と。▼~
:[ターナ]|
ええ、憶えているわ。▼~
:[エフラム]|
あのときの俺は~
ターナを戦友ではなく、~
守る対象と思っていたのかもしれない。▼~
:[ターナ]|
……▼~
:[エフラム]|
だが今、目の前にいる君は、~
誰かを守れる強さを手に入れ~
俺たちと肩を並べて戦う仲間だ。▼~
:[ターナ]|
それって…わたしの努力が~
エフラムに認められたってことかな?▼~
:[エフラム]|
君は純粋だからこそ、~
脇目も振らずに~
まっすぐに成長できたのだろうな。▼~
:[ターナ]|
わたしのやってきたことは~
無駄じゃなかったんだね。▼~
でも、まだまだこんなものじゃないわ。~
今度はわたしがエフラムを~
守れるようになるからね。▼~
:[エフラム]|
こちらも負けはしないさ。~
君が強くなるだけで、~
俺も強くなるからな。▼~
:[ターナ]|
わたしから見れば、エフラムの~
そういう負けず嫌いなところのほうが~
よっぽど純粋だと思うわ…▼~
***S [#ba934adf]
:[エフラム]|
向こうも手練れ揃いか。~
だが、ここを突破できれば!▼~
:[エイリーク]|
兄上、私も加勢します!▼~
:[エフラム]|
……!?~
危ない、エイリーク!~
後ろに伏兵が!▼~
:[エイリーク]|
…!?▼~
:[ターナ]|
任せて!~
やらせはしないから!▼~
:[エイリーク]|
ターナ!~
空から援護してくれたのね。~
ありがとう!▼~
:[ターナ]|
目の前の茂み…~
弓兵が隠れるには絶好の場所ね!▼~
聞こえますか、お兄さま!~
おそらく、あの茂みに~
弓兵が潜んでいます!▼~
:[ヒーニアス]|
ああ、私もそう考えていた。~
自分でも弓を使うことで、~
弓兵の考えが読めるようになったな。▼~
:[ターナ]|
エフラム、エイリーク、~
わたしは空から支援を続けるわ。~
このまま前進を!▼~
:[エイリーク]|
わかったわ!~
ターナも気をつけて!▼~
:[エフラム]|
今のターナは~
戦場全体を見渡せている。▼~
:[エイリーク]|
私たちも~
負けていられませんね。▼~
:[エフラム]|
もちろんだ。~
ターナの頑張りに~
俺たちも応えないとな。▼~
:[ターナ]|
…今のわたしは守られるだけじゃない…▼~
エフラムやエイリーク、お兄さま。~
みんなと一緒に~
わたしはもっと強くなれる…▼~
アスク王国の空で~
もっともっと成長するわ!▼~
わたしはわたしの翼で~
もっと高く羽ばたいてみせるから!▼~
**静かなる重壁 ギリアム [#bf0f9dc2]
***C [#i194f54a]
:[ギリアム]|
むぅん! うおおっ!▼~
:[ヘルビンディ]|
どぉぉりゃあ! でぇぇぇいっ!▼~
:[アシュ]|
むむむっ、むむむ…まさに一進一退。~
実力伯仲、甲乙つけがたき~
お二人といえましょう…▼~
長きに渡るこの戦い、~
どちらに軍配が上がるか~
固唾を吞んで見守る次第でありまして…▼~
:[ギリアム]|
せいっ! はぁぁぁぁっ!▼~
:[ヘルビンディ]|
ぐぉぉぉぉっ! おらぁぁっ!▼~
:[アシュ]|
今、砂時計が落ち切りました!~
勝負はここまで。~
引き分け、引き分けと相成りました!▼~
:[ギリアム]|
勝負はつかず、か。▼~
:[ヘルビンディ]|
チッ、俺が腕相撲して~
腕をへし折れなかった人間は~
てめーがはじめてだぜ。▼~
:[アシュ]|
あのー、~
それは本来の腕相撲とは~
少々異なっておりますような…▼~
:[ギリアム]|
いや、少しでも気を緩めたら~
俺の腕も折られたかもしれぬ。~
それくらいの気迫を感じた。▼~
:[ヘルビンディ]|
なかなかに楽しめたぜ。~
次は覚悟しとくんだな。▼~
:[アーダン]|
いいものを見せてもらったな。~
手に汗握る名勝負だった。▼~
:[ドーガ]|
うむ!~
フレリア騎士団の力強さを~
肌で感じることができた。▼~
:[ロス]|
さすがギリアムさん!~
怪力自慢の父ちゃんを~
腕相撲で負かしただけあるなあ!▼~
:[ギリアム]|
なんの、ガルシア殿も強かった。~
彼とはほぼ互角と言っていい。▼~
しかし、腕相撲に関して言えば~
フレリア騎士団には~
敵はいなかったのだが…▼~
ヴァイス・ブレイヴは実に面白い。~
力自慢がこんなに揃っているとは。▼~
:[カスパル]|
ギリアムさん、次は~
オレと勝負してくれよ!▼~
ナリこそは小さいが~
負けるつもりはないぜ。▼~
腕相撲ってのは瞬発力と~
力の乗せ方だ。体格差だけで~
決まるものじゃないからな!▼~
:[ギリアム]|
闘志が宿った、いい目だ。~
無謀な勝負ではなく~
自分なりの勝算があるのも気に入った。▼~
いいだろう、いざ勝負!▼~
***B [#ta0d114e]
:[カスパル]|
たのもう、ギリアムさん!~
今日も勝負を受けてもらうからな!▼
:[ギリアム]|
む、カスパルか。~
勝利を求める不屈の心は~
戦う者にとって不可欠なもの。▼~
しかし、ただ勝負の回数を~
重ねればいいというものではない。~
時期を読むことも大事なことだ。▼~
:[カスパル]|
このオレがあっさり~
負け続けるなんて納得できねえ!▼~
今日は朝から身体のキレもいい!~
今度こそ勝てる気がするんだ!▼~
:[ギリアム]|
よかろう。勝算があるのなら~
かかってくるがいい。▼~
:[アシュ]|
それで、またまた偶然居合わせた私が~
審判を務めるわけでありまして…~
では用意…はじめっ!▼~
:[カスパル]|
うおりゃああああ!▼~
:[ギリアム]|
ふんっ!▼~
:[カスパル]|
どっせい! ぐうぅっ!~
こ、ここからが…勝負!~
おりゃぁぁっ!▼~
:[アシュ]|
おおっ!~
カスパル様大健闘であります!▼~
これはひょっとして~
念願の勝利はすぐそこまで~
迫ってきているのでありましょうか!▼~
:[ギリアム]|
甘い! はぁぁっ!▼~
:[カスパル]|
なっ! なんだっ!?~
この力は…! くぅぅぅっ!▼~
:[ギリアム]|
勝負あり、だな。▼~
:[アシュ]|
気合い一閃!~
勝利の女神はギリアム様に~
微笑んだ模様です!▼~
約束された逆転劇とでも申しましょうか。~
実に見事な試合運び…▼~
:[カスパル]|
はぁ、はぁ…~
だー! くっそー!~
また負けちまった!▼~
自分の言葉を否定するみたいだけどよ。~
やっぱりものを言うのは体格差か?▼~
:[ギリアム]|
……。~
それは違うぞ。~
カスパルが言うとおり、体格は関係ない。▼~
体格のよさがすべてを決めるのなら~
ヴァイス・ブレイヴにいる英雄は~
すべて巨人ばかりになるだろう。▼~
:[カスパル]|
……▼~
:[ギリアム]|
問題は鍛え方だ。~
前に自分で言っただろう。腕相撲は~
瞬発力と力の乗せ方が勝負を決めると。▼~
その考えは多いに賛同する。~
問題は勝つために、身体をどう鍛えるかだ。▼~
それを見誤らなければ、~
おのずと結果は付いてくる。~
次の勝負、楽しみにしているぞ。▼~
:[カスパル]|
身体をどう鍛えるかって~
そりゃどういう意味…。~
ああ、いっちまった。▼~
なあアシュ、ギリアムさんの~
言っていたことの意味、~わかるか?▼~
:[アシュ]|
えー、~
甘いケーキを作るために~
塩を用意してもそれは無駄に終わる…▼~
というような意味でしょうか、~
おそらく、ですが…▼~
:[カスパル]|
オレから聞いといてなんだけど~
ますますわかんねーよ…▼~
***A [#paed7a68]
:[カスパル]|
でぇぇいっ! はぁぁっ!▼~
はぁ、はぁ、はぁっ…~
よしっ、素振りは終わりだ!~
次は腕立て伏せに腹筋!▼~
&br;''(暗転)''~
:[カスパル]|
999、1000!~
はぁ、はぁっ…~
まだまだ、もっといけるっ!▼~
次は城の周りを走り込みだ。~
これだけやれば~
今度こそ勝てるはず!▼~
:[アルフレッド]|
ふふ、世界が変わっても~
鍛錬で流れる汗の輝きは~
素晴らしいものだね。▼~
:[カスパル]|
え? 誰?▼~
:[アルフレッド]|
すまない、邪魔をしたね。~
僕は通りすがりの筋肉愛好家さ。▼~
気にせず鍛錬を続けてくれたまえ。~
じゃあ、僕は失礼するよ。▼~
:[カスパル]|
……。~
おっと、走り込みにいくんだった。~
よし、気合を入れ直して…。▼~
:[ギリアム]|
ずいぶんと鍛錬に~
熱が入っているようだな。▼~
:[カスパル]|
ギリアムさん!~
ああ、気合入ってるぜ!▼~
一から全身を鍛え直して~
次の勝負こそ…。▼~
:[ギリアム]|
鍛錬を重ねること~
それ自体はなんら問題ない。▼~
しかし、前にも言っただろう。~
どこをどう鍛えるか。~
それを見誤ってはならないと▼~
:[カスパル]|
その言葉を聞いたからだぜ。~
オレは基礎に立ち戻って、あらためて~
すべてを鍛え直しているというか…▼~
:[ギリアム]|
目立つ場所ばかり鍛えてもダメなのだ。~
目立たない場所。そのような場所にこそ~
肝となるものがある。▼~
:[カスパル]|
何だって!? オレが、鍛える場所を~
間違えてるっていうのか?▼~
:[ギリアム]|
あらためて省みるがいい。~
手、足、その指の一本一本。~
どこか、おろそかにしてないか?▼~
筋肉とは、全身を繋いでいる~
いわば糸のようなもの~
その糸は等しく鍛えねばならんのだ。▼~
:[カスパル]|
指の一本一本…。~
そこまで意識して鍛えることは~
してなかったような…▼~
:[ギリアム]|
全身の力を無駄なく出し切るためには~
指の筋肉一本すらおろそかにはできん。▼~
ましてや、腕相撲に関しては~
それこそが大いにモノを言う。▼~
:[カスパル]|
そうか。オレは目立つ場所の~
筋肉ばかり鍛えようとしていて…▼~
肝心かなめの場所に~
たどり着いていなかったのか。▼~
:[ギリアム]|
指の筋肉一本すら~
おろそかにせぬこと。▼~
これぞ、我が祖国に伝わる~
フレリア式の筋肉鍛錬術だ。▼~
***S [#c798c494]
:[アシュ]|
ギリアム様、先ほどの戦いは~
お見事でありました。▼~
屈強な守りで前線を維持して頂き、~
感謝の言葉もございません。▼~
:[ギリアム]|
城の警備から国境の警備…~
これまで、守るための戦いに~
何度も身を投じてきた。▼~
その経験がアスク王国でも~
役に立っているというのなら~
自分にとっても望外の喜びというもの。▼~
だが、もう一人いただろう。~
目覚ましい活躍を見せた英雄がな。▼~
:[アシュ]|
ああっ、そうでありました。~
もちろん、彼の活躍も勝利に大きく~
寄与したのは間違いなく…▼~
と、噂をすれば~
なんとやらといいましょうか…▼~
:[カスパル]|
ギリアムさん!▼~
:[ギリアム]|
カスパル、先の戦は~
ずいぶんと活躍したようだな。▼~
:[カスパル]|
へへ、フレリア式鍛錬術のおかげで~
身体のキレがよくなってさ!▼~
:[アシュ]|
フレリア式ということは…~
ギリアム様からなにか教えを~
授かったということですね。▼~
:[ギリアム]|
体格差とか調子の良し悪し…~
そうしたものは~
勝負にとってさほど重要ではない。▼~
勝つための方法を探すこと。~
それこそが勝敗を分けるのだ。▼~
:[カスパル]|
ギリアムさんには~
いろいろと世話になっちまったな。▼~
この恩は腕相撲勝負に勝って~
返すとするぜ!▼~
:[ギリアム]|
我が祖国の鍛錬術が~
異界の英雄を介して広がっていく…。▼~
ともに戦った証は絆として残り~
力となって未来を照らす、か。▼~
よし、フレリア式鍛錬術がどれだけ~
身についているか確かめてやろう。~
かかってくるがいい。▼~
:[アシュ]|
それでは、またまた偶然居合わせた~
このアシュが審判をつとめさせて~
いただくと言う流れで…▼~
:[カスパル]|
おっしゃあ!~
今度こそ負けないぜ!▼~
:[ギリアム]|
フレリア式鍛錬術の真髄…~
今一度見せてやろう。~
さあいくぞ、異界の戦友よ!▼~
**気丈な緑翼 ヴァネッサ [#db541d77]
***C [#v881fc80]
:[ヴァネッサ]|
少し空の散歩をしてみたけど…~
緑の大地に広がる青空。▼~
どうやら、異界も私たちの世界と~
大きな違いはないみたいね。▼~
ティターニアも楽しそうに飛んでたし~
私が心配しすぎなのかしら。▼~
:[ルーテ]|
…む。前方に騎士の姿を確認。~
フレリア王国の天馬騎士の特徴と~
一致しますね。▼~
:[ヴァネッサ]|
あら、ルーテじゃない!~
久しぶり…でいいのかしら?▼~
:[ルーテ]|
はい、お久しぶりです。~
あなたもアスク王国に来たのですね~
ティターニア。▼~
:[ヴァネッサ]|
だから、それは天馬の名前だって~
言ってるでしょ!▼~
念のために言っておくけど~
私の名前はヴァネッサだからね?▼~
:[ルーテ]|
はい。冗談を言ったまでです。▼~
:[ヴァネッサ]|
まったく、あなたは相変わらずね。~
私は見知らぬ土地に~
少し不安なぐらいなのに。▼~
:[ルーテ]|
そうですか。~
でしたら、こちらの世界の疑問に~
私がお答えしましょう。▼~
:[ヴァネッサ]|
それは助かるわ。今後お世話になる~
ヴァイス・ブレイヴについて~
知っておきたかったのよ。▼~
:[ルーテ]|
アスク王国が誇る特務機関…~
王族も直接参加し、前線に赴き~
事件を解決する特殊性を持った部隊。▼~
さまざまな異界から来た~
英雄たちで構成されている点も~
特筆すべき点といえます。▼~
私の優秀さはその中でも輝きを~
失いませんが、見どころのある英雄が~
集まっていることは否定しません。▼~
:[ヴァネッサ]|
さらっと自画自賛された気もするけど~
なかなかに興味深い組織ね。▼~
:[ルーテ]|
いい機会です。~
ヴァイス・ブレイヴには~
魔道を教えることに秀でた者もいます。▼~
ヴァネッサもあらためて~
魔道を学んではどうですか?▼~
:[ヴァネッサ]|
あなた、私が一度だけ口にした~
子どもの頃の話、よく覚えていたわね?▼~
:[ルーテ]|
私、優秀ですから。▼~
:[ヴァネッサ]|
そうね。一度はあきらめた魔道だけど~
せっかくだから、また挑戦してみるのも~
いいかもしれないわね。▼~
:[ルーテ]|
それなら、シャロン王女に~
相談することをおすすめします。▼~
英雄たちを熟知している彼女なら~
適任者を紹介してくれるでしょう。▼~
:[ヴァネッサ]|
ありがとう。~
それにしても、あなたはすごいわね。~
どこにいても自分を見失わない。▼~
おかげで、自分が異界にいることを~
忘れてしまいそうだったわ。▼~
:[ルーテ]|
それは申し訳ありません。▼~
:[ヴァネッサ]|
褒めてるのよ!~
もう、本当に変わらないんだから…▼~
***B [#t93f57c6]
:[マリク]|
君が魔道を学びたいという~
天馬騎士の生徒かな?~
シャロン王女から話は聞いてるよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
はい、ヴァネッサと申します。~
このたびは、急なお願いにもかかわらず~
お時間をいただき感謝いたします。▼~
:[マリク]|
聞いていた以上に真面目そうな人だね。~
そんなにかしこまらなくてもいいよ。▼~
ぼくは、若い魔道士たちを相手に~
普段からここで教室を開いているんだ。▼~
せっかくだから、彼らと一緒に~
授業を受けてもらおうかと思うんだけど~
…どうかな?▼~
:[ヴァネッサ]|
願ってもない話です。~
私も参加させていただけると~
ありがたいです。▼~
ただ、私のような者が~
ご一緒してもよろしいのでしょうか。▼~
:[マリク]|
もちろんだよ。~
なにか気になることでもあるのかい?▼~
:[ヴァネッサ]|
ご承知のとおり、私は天馬騎士です。~
槍の扱いには多少なりとも慣れていますが~
魔道にはまるで無縁の初心者です。▼~
私がいることで、生徒のみなさんの~
迷惑になるのではないでしょうか。▼~
:[マリク]|
ひょっとして、ヴァネッサさんの故郷は~
魔道が盛んではなかったのかな?~
:[ヴァネッサ]|
我がフレリア王国は天馬騎士の育成に~
力を入れていますから…▼~
幼い頃に一度、魔道を志したのですが~
私には才能がまるでなく…~
それで天馬騎士の道を選びました。▼~
:[マリク]|
なるほど、そういう経緯があったんだね。~
だけど、広く世界へ目を向けると~
天馬に乗って活躍する魔道士は多いんだ。▼~
なにしろ、天馬自身も魔道の耐性が高いから~
魔道士との相性が非常にいい。▼~
:[ヴァネッサ]|
天馬と魔道の相性…~
なんだか勇気づけられるお話ですね。▼~
:[マリク]|
才能のことはひとまず置いといて~
魔道を学び直すのは、いいことだと思うよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
ええ、覚悟は決まりました。~
立派な魔道士になれるよう~
精一杯努力させていただきます!▼~
***A [#pc0fc594]
:[ルーテ]|
シャロン王女。▼~
:[シャロン]|
こんにちは! もしかして、~
ルーテさんもヴァネッサさんの~
様子を見に来られたのですか?▼~
:[ルーテ]|
あれから数日が経ちました。~
そろそろ、授業の成果が出る頃合いかと。▼~
:[シャロン]|
ですよね!~
実は、わたしも気になってたんです。▼~
でも…おかしいですね。~
ヴァネッサさんの姿はどこでしょう?▼~
:[ルーテ]|
足もとに。▼~
:[シャロン]|
…わわっ!~
どうされたんですか、ヴァネッサさん!▼~
:[ヴァネッサ]|
はあ…はあ…。~
こ、これはシャロン王女。~
見苦しい姿を…お目にかけてしまい…▼~
:[シャロン]|
だっ、大丈夫ですか!~
なんだか顔色が悪いですよ!?▼~
:[ヴァネッサ]|
は、はい、ご心配をお掛けしました。~
授業のない日も、体力の続く限り~
こうして魔道の練習をしているのですが…▼~
:[ルーテ]|
優秀な私の分析によると~
なかなか結果が伴わないことに~
ヴァネッサは苦しんでいるようですね。▼~
:[シャロン]|
分析以前にヴァネッサさんの~
顔色を見れば想像つきますけど…~
かなりご無理をされているのでは?▼~
:[ヴァネッサ]|
これくらい、どうということはありません。~
フレリアの天馬騎士団の訓練は~
厳しいことで知られておりますし…▼~
そんなことよりも、なんとしても…~
私でも…魔道を…はぁ、はぁっ…~
修めることが…できれば…▼~
:[ルーテ]|
…杖の癒し手を~
誰か呼んでくるべきでしょうか?▼~
:[ヴァネッサ]|
だ、大丈夫です…。~
これしきの…ことで…▼~
私に魔道の力があれば~
ヒーニアス様をより安全にお守りし~
姉さんの役にも立てるというのに…▼~
:[シャロン]|
ヴァネッサさん…▼~
:[ヴァネッサ]|
我ながら、情けない次第です…!▼~
:[ルーテ]|
物事には向き不向きがあります。~
やはりヴァネッサは、天馬騎士の道を~
追及することが最善かもしれません。▼~
:[ヴァネッサ]|
それでは…ダメなのよ。~
天馬騎士の私は力不足だから…。~
別の方法で姉さんたちを支えないと…▼~
:[シレーネ]|
ヴァネッサ!?~
いったいどうしたの…!▼~
:[ヴァネッサ]|
ね、姉さん…▼~
***S [#h7af3da0]
:[ヴァネッサ]|
…どうして姉さんがここに?▼~
:[シレーネ]|
先日から様子が変だったから~
気になっていたのよ。▼~
あなたが魔道を学んでいることは~
耳にしていたけど~
まさかここまで無茶をするなんて。▼~
:[シャロン]|
シレーネさん!~
ヴァネッサさんがこうなったのは~
わたしにも責任の一端が…▼~
:[ヴァネッサ]|
お気遣い、痛み入りますシャロン王女。~
ですがこれは、私が私自身の責任で~
はじめたことですから…▼~
:[シレーネ]|
…ヴァネッサ。~
強くなりたいと思う気持ちは大切だけど~
一人で頑張る必要はないのよ。▼~
あなたは天馬騎士として~
十分役目を果たしているわ。▼~
:[ヴァネッサ]|
私だって槍の道を極めたいと思った…~
でも、姉さんには~
追いつくことができなかった。▼~
だから、違う道だったら姉さんの~
力になれるんじゃないかと思って…▼~
:[シレーネ]|
私たちのためを思ってくれていたのね。~
その気持ちはうれしいわ、ヴァネッサ。▼~
でもね、それぞれがそれぞれに~
強さを求める必要はないのよ。▼~
私たちはこの世に二人だけの姉妹。~
協力して力を合わせることが~
一番大切だと思うの。▼~
:[ヴァネッサ]|
……▼~
:[シレーネ]|
お互いを支え合えば~
それぞれの力は何倍にも~
その力で、主を支えるのよ。▼~
:[ヴァネッサ]|
私、自分が強くなることばかり考えて~
姉さんと一緒にいる意味を~
見失っていたのかもしれない。▼~
ごめんなさい、姉さん。~
大切なことが見えてなかった。▼~
これからは二人で力を合わせて~
前に進むべきなのね。▼~
:[シレーネ]|
ふふっ。そうと決まれば~
魔道への憧ればひとまず封印ね。▼~
:[ヴァネッサ]|
あっ、憧れだなんてそんなこと…▼~
:[シレーネ]|
なに言ってるのよ。小さい頃から~
魔法を見て、目を輝かせていたくせに。▼~
さあ、槍を構えなさい。~
今から稽古を付けてあげるわ。▼~
:[ヴァネッサ]|
はい、姉さん!▼~
:[シャロン]|
よかった!~
姉妹が力を合わせることで~
お二人は何倍も強くなれますよ、きっと!▼~
:[ルーテ]|
もちろんです。~
まあ、こうなることは予測できていました。~
わたし、優秀ですから。▼~
*コメント [#qfe52b07]
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