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章別会話/無明の闇にさす光
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*無明の闇にさす光 [#sccde773]
#contents
**無明の闇にさす光 [#pa10f71b]
***オープニング [#d1899306]
:[???]|
…んっ…んんっ…▼~
みんな…どこにいるの?~
ここはくらくて…こわいよ…▼~
だ、だめ! 火竜も氷竜も…!~
そっちにはみんなが~
すんでる町が…!▼~
あ、ああっ! ど、どうして~
チキのからだ…~
いうことを…きかないの…!▼~
くぅっ、ううっ! ダメ!~
このまま、けものになったら…~
わたしも…みんなを…!▼~
そんなのイヤ、やめて…~
助けて、おじいちゃま…~
おにいちゃん…!▼~
&br;''(暗転)''~
:[チキ]|
チキ…けものになんて…~
なりたくないよ…!▼~
はぁ、はぁ、はぁっ……~
…もう…朝……~
さ、さっきのは…ゆめ…?▼~
しばらく…みなくなったと~
思ってたのに…▼~
アスク王国にきてから…~
こわいゆめ…~
なんども…みちゃった…▼~
やだよ…ゆめが本当になったら…~
わたし、わたし……▼~
&br;''(暗転)''~
:[ハーディン]|
なるほど。召喚師殿は任務で出払って~
しばらく城を開ける、と。▼~
:[アルフォンス]|
数日後には戻ると思いますが~
エクラに~
急ぎの用でも?▼~
:[ハーディン]|
急ぎと言えばそうかもしれぬな。~
私と時を同じくしてこの地に呼ばれた~
ニーナ姫とエリス王女。▼~
彼女たちのことで~
召喚師殿に相談があるのだ。▼~
:[アルフォンス]|
二人について~
なにか懸念がおありでも?▼~
:[ハーディン]|
アルフォンス王子なら~
理解されていると思うが…▼~
ニーナ姫はアカネイア王家唯一の生き残り。~
エリス王女は勇者アンリの血を引く~
アリティア王家の第一王女。▼~
彼女たちは国の象徴ではあるが~
過酷な戦いに臨める英雄ではない。▼~
:[アルフォンス]|
もしや、エクラに~
相談したい内容というのは…▼~
:[ハーディン]|
ニーナ姫とエリス王女。~
彼女たちを元の世界に~
戻してはもらえないだろうか。▼~
***C [#m32e2815]
:[チキ]|
ニーナさまもエリスさまも~
はやくはやく!~
あの丘をこえたら村が見えるって!▼~
:[エリス]|
チキ、前を見て歩かないと~
危ないですよ?▼~
:[ピアニー]|
ふふっ。そんなに急がなくても~
村は逃げないよ?▼~
:[チキ]|
だって待ちきれないんだもん。~
アスク王国のみんな、とっても優しいから~
はやく村の人たちともお話したいの!▼~
チキ、竜にへんしんして~
おそらを飛んで行こうかな!▼~
:[ニーナ]|
チキ、私たちのお役目は~
村に遊びにいくことではなく~
お薬を届けることなのです。▼~
まずはそのお役目を~
しっかりと果たしましょう。▼~
:[チキ]|
はーい!▼~
&br;''(暗転)''~
:[エリス]|
ニーナ姫、運んできた薬は~
すべて渡し終えたようです。▼~
:[ニーナ]|
ありがとうございます、エリス王女。~
見ましたか? 皆の喜ぶ顔…~
一日かけて歩いた甲斐がありましたね。▼~
:[エリス]|
はい。私にはマルスやマリクのように~
戦う力はありませんが…▼~
アスク王国の人々を支えるために~
労を惜しまぬつもりです。▼~
:[ニーナ]|
私も同じです、エリス王女。~
この世界で、私の肩書きなど~
なんの意味も持ちません。▼~
一人の人間として~
自分になにができるのか…~
そのことを考えていければと。▼~
:[エリス]|
この世界に住む人々は夢でも幻でもなく~
自分たちと同じく平和な明日を望んでいる。▼~
ここがアリティアであろうと~
アスク王国であろうと、~
その想いは守っていきたいと思います。▼~
:[ニーナ]|
平和とは、失われたときに~
その価値が痛いほどにわかります。▼~
アスク王国の人々には…~
アカネイアの民と同じ苦しみを~
味わってほしくありません。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ピアニー]|
ニーナ姫、エリス王女!~
村長さんが宿を用意してくれたって!~
お世話になる?▼~
:[エリス]|
そうですね…~
今から城に引き返しても~
夜もふけてしまいますし。▼~
:[ニーナ]|
では、お言葉に甘えましょうか。~
ピアニーも道案内、ご苦労様でした。▼~
妖精に先導されて歩くのは~
なかなか新鮮な体験でしたよ。▼~
:[ピアニー]|
きゃっ、嬉しい。~
私も楽しかったわ、~
お姫様に囲まれて旅するなんて!▼~
:[エリス]|
お姫様…なるほど。~
チキも神竜族の王の娘。~
れっきとした姫君でしたね。▼~
:[ニーナ]|
そう言えば、先ほどから~
チキの姿が見えませんが?▼~
:[ピアニー]|
えっと、さっきまで~
村の子どもたちと~
楽しそうに遊んで…▼~
:[エリス]|
……!?~
ニーナ姫、ピアニー!~
村の向こうに火の手が!▼~
***B [#k15aed4f]
:[ニーナ]|
あの火はまさか…!▼~
:[ピアニー]|
私、見てくるわ!▼~
:[エリス]|
村の皆さんを避難させないと…▼~
:[チキ]|
ニーナさま、エリスさま!▼~
:[エリス]|
チキ、無事でしたか!▼~
:[チキ]|
あのね、さっき村のひとに聞いたの。~
武器をもったこわいひとたちが~
村のそとにいっぱいいるって!▼~
:[ニーナ]|
やはりあの火は~
意図的につけられたもの…▼~
:[ピアニー]|
たいへん!~
村を囲んでるのは悪そうな人たちよ!~
狙いはニーナ姫とエリス王女…?▼~
:[エリス]|
もしかして、村に来る途中から~
あとをつけられていたのでしょうか?▼~
:[ピアニー]|
ここは私とチキでなんとかするわ、~
ニーナ姫たちは村の人たちと~
一緒に隠れてて!▼~
:[チキ]|
う、うん。チキが竜になれば~
あんなてき、すぐにやっつけ…▼~
やっつけ…ちゃう…~
ぅぅっ…~
う、ううっ…あ、ああっ…。▼~
:[エリス]|
チキ、どうしました?~
顔色が悪いようですが…▼~
:[チキ]|
あかい…~
ほのおが…もえてる…~
みんな…もえて…▼~
火竜があばれてるみたいに…~
ぜんぶ…はいに…~
けものみたい…に…▼~
:[ニーナ]|
チキ、どうしたのですか?~
こんなに震えて…▼~
:[チキ]|
あ、ああっ…やだよ…チキ~
けものになんて…なりたくない…▼~
:[ピアニー]|
けもの?~
チキ、どういうこと?▼~
:[チキ]|
ゆめを…みたの…~
こわいゆめ、くらやみで…ひとり…~
けものになったわたしが、みんなを…▼~
:[エリス]|
怖い夢…もしかして~
そのせいで変身できないのですか?▼~
:[チキ]|
たたかわなきゃ…みんな、死んじゃう…~
でも…たたかったら…わたし…~
けものに…あ、あ、ああっ…▼~
:[ピアニー]|
もしかして…~
夢の国の影響を受けてるのかも?▼~
:[ニーナ]|
夢の…国?▼~
:[ピアニー]|
アスク王国は~
夢の国アルフとも~
つながりの深い場所なの。▼~
そして、夢の国アルフは~
悪夢の国スヴァルトアルフと表裏一体…▼~
:[エリス]|
では、チキは~
その悪い夢の影響を…?▼~
:[ニーナ]|
チキ! 怯えることはありません。▼~
:[チキ]|
ああ…ニーナさま…。~
ぎゅっとされると、あたたかい…▼~
:[ニーナ]|
大丈夫。あなたは~
けものになんてなりません。▼~
あなたのことを思う人々が~
きっとあなたの魂を支えてくれます。▼~
:[エリス]|
その通りです。こわがる必要はありません。~
もうチキは一人ではないのです。▼~
重ねたての温かさを感じてみて。~
それがあなたの心を~
繋ぎ止めてくれるから。▼~
:[チキ]|
エリスさまの手。~
マルスおにいちゃんと…いっしょ…。~
ぽかぽか…あたたかい…。▼~
:[ピアニー]|
チキ、悪い夢に負けちゃダメだよ。~
一緒に幸せな夢を見よう?~
あなたの大切な人の笑顔を思い出して!▼~
:[チキ]|
いっしょに…みんな…~
うん、そうだよ…みんなでいっしょに…▼~
わたし、もう…~
くらい部屋にひとりじゃない…▼~
いまのわたしのまわりには~
たくさんのともだちがいる…~
たいせつな、ひとたちが…▼~
いままで、みんなが…~
チキをまもってくれた。~
くらやみから、連れだしてくれた。▼~
だからこんどは~
チキがみんなを~
守ってみせるよ…!▼~
***A [#h1e9dcd3]
:[チキ]|
うー! たいせつな人たちを~
傷つけるわるいひとは~
チキがゆるさないんだから!▼~
チキが怒ったら~
どんな竜もかなわないんだからね!▼~
:[ニーナ]|
チキが神竜の姿に!▼~
:[エリス]|
私たちの村の人々を~
守ってくれています…▼~
:[ピアニー]|
チキ、私もいっしょに。~
さ、ニーナ姫とエリス王女は~
村の人たちと安全なところに。▼~
:[エリス]|
ええ…! ニーナ姫、こちらに!▼~
:[ニーナ]|
待って、エリス王女!~
裏門のほうからも盗賊が!▼~
:[レギン]|
危ないの!~
みんなに手出しはさせないの!▼~
:[ピアニー]|
レギン王女! どうしてここに!?▼~
:[ハーディン]|
無辜の民に仇なす賊ども…~
この草原の狼が相手になろう!▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿!~
来てくれたのですね!▼~
:[ハーディン]|
無事ですかニーナ姫、エリス王女!~
賊が村に向かったとの知らせがあり~
急ぎ駆けつけた次第。▼~
:[レギン]|
狼騎士団のみんなは~
風みたいに速いから~
私が先導したの!▼~
:[ウルフ]|
ハーディン様に続け!~
賊ごときに遅れをとる~
我ら狼騎士団ではないぞ!▼~
村に入り込んだ賊を蹴散らしつつ~
皆の安全を確保するのだ!▼~
&br;''(暗転)''~
:[ザガロ]|
ハーディン様、賊は一人残らず~
村から叩き出しました。▼~
:[ロシェ]|
村人もすべて無事とのことです!▼~
:[ハーディン]|
よし。だが警戒を怠るな。▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿、助かりました。~
危ないところを救ってくださり…▼~
:[ハーディン]|
ニーナ姫、ご無事でなによりです。▼~
:[エリス]|
あら? そういえばチキはどこに?▼~
:[ピアニー]|
あそこ。ビラクさんに~
おんぶされたまま寝ています。▼~
:[チキ]|
すーすー…▼~
:[エリス]|
ふふっ、寝顔は愛らしい~
幼子にしか見えませんね。▼~
:[ピアニー]|
チキが悪夢に囚われたまま~
竜に変身できなかったら~
大変なことになってたかも。▼~
ニーナ姫とエリス王女が~
チキの心に寄り添ってくれたおかげね、~
きっと!▼~
:[ハーディン]|
ニーナ姫とエリス王女が?▼~
&br;''(暗転)''~
:[ハーディン]|
……~
そうか、なるほどな。~
わかった気がする。▼~
アスク王国を救うためには~
戦う力だけではだめなのだ。▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿?▼~
:[ハーディン]|
実は、ニーナ姫とエリス王女を~
元の世界に戻してもらえぬか~
召喚師殿に直談判するつもりだったのです。▼~
戦う力を持たぬ二人は~
この世界は過酷と考えたがゆえに。▼~
:[エリス]|
……▼~
:[ハーディン]|
ですが、考えを改めました。▼~
戦う力だけではなく、人を想う力。~
それもまたアスク王国を~
救うために必要なのでしょう。▼~
:[ピアニー]|
うんうん、私もそう思うわ。~
だから、二人はアスク王国に~
呼ばれたんじゃないかしら?▼~
:[ニーナ]|
私たちも…アスクの人々の支えに~
力になれるのですね?▼~
:[エリス]|
戦う力と人を想う力…~
その両輪が揃ってこそ~
世界は救われるのかもしれませんね。▼~
:[ハーディン]|
ならば、私のやるべきことはひとつ。▼~
この世界に留まっている間~
あなた方を必ず守り抜きます。~
狼騎士団の誇りにかけて。▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿…~
私たちも微力ながら~
この世界のために力添えをいたします。▼~
:[チキ]|
むにゃ…。~
みんな…いっしょだよ…▼~
もう、こわいゆめは…~
みない…から…▼~
**ゆらめく神竜の血 チキ [#o3a11b65]
***C [#c3fde803]
:[チキ]|
おじいちゃま!~
バヌトゥのおじいちゃま!▼~
:[バヌトゥ]|
おお、チキ。よく来た!~
元気でなによりじゃ。~
どうじゃ、アスク王国は?▼~
:[チキ]|
まだ来たばかりだけど、~
この国のひとたちはみんな~
チキにやさしくしてくれるよ。▼~
:[バヌトゥ]|
おお、それはよかったのぅ。▼~
:[チキ]|
……▼~
:[バヌトゥ]|
ん? どうしたチキ。~
なにか心配事でもあるのかの。▼~
:[チキ]|
アンナたいちょうが言ってたの。▼~
アスク王国で知ってるひとにあっても~
それはチキがいた世界とは~
違う世界のひとかもしれないって。▼~
:[バヌトゥ]|
ふむ。▼~
:[チキ]|
おじいちゃまは~
チキと同じ世界から来た~
おじいちゃまじゃないの?▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃな。~
わしはチキと同じ世界から来た~
バヌトゥではないかもしれんのう。▼~
だが、どの世界のわしだろうと~
チキを大切に思うことに~
変わりはないのじゃよ。▼~
:[チキ]|
それって…~
どんな世界のおじいちゃまも~
チキにやさしいってこと?▼~
:[バヌトゥ]|
ほっほ、そのとおりじゃ。▼~
:[チキ]|
よかったぁ! だったらチキ~
アスク王国でもがんばれそう!▼~
:[バヌトゥ]|
わしと一緒に城下町に行ってみるかの?~
アスク王国がどんな国か~
自分で見てみるのがよかろう。▼~
:[チキ]|
お城の外の町?~
うん、いっしょにいく!▼~
:[バヌトゥ]|
ここには~
チキのような竜人の子もおる、~
皆も誘って出掛けるとするかの。▼~
***B [#f5bf9bba]
:[ノノ]|
ここ! このお店にとっても~
美味しいりんごがあるんだよ。▼~
:[チキ]|
りんご…!~
チキ、りんごだいすき!▼~
:[ノノ]|
じゃあ、お友達になった記念に~
ノノが買ってあげるね!▼~
:[チキ]|
ホント!? やったー!▼~
:[バヌトゥ]|
これこれ、チキや。~
そんなにはしゃいだら~
みんなびっくりしてしまうぞ。▼~
:[チキ]|
えへへ。りんご楽しみー!▼~
:[ミルラ]|
チキとノノ。すっかり~
仲良くなったみたいですね。▼~
:[バヌトゥ]|
チキは自分と似た年頃の子と~
話したことがなかったからの。~
よっぽどうれしいのじゃろう。▼~
:[ミルラ]|
その気持ち、わかります…▼~
:[バヌトゥ]|
チキは氷竜神殿に封印され~
永い間、眠り続けていたのじゃ。▼~
チキの力の暴走を恐れた~
神竜王ナーガ様のご遺志でな。▼~
時折、悪夢でうなされるチキを~
わしはずっと見守っていたのじゃ…▼~
:[ミルラ]|
…辛い時間を過ごされたのですね。▼~
:[バヌトゥ]|
不憫に思ったわしは~
チキを神殿から連れ出した。▼~
じゃが、それがチキの運命を大きく変え~
戦乱に巻き込むことになろうとは…▼~
:[チキ]|
おじいちゃま!~
ノノがりんごをかってくれたよ!▼~
お店のひともおまけしてくれたから~
ミルラもいっしょに食べよ!▼~
:[ミルラ]|
おいしそう…~
ありがとう、チキ。▼~
:[チキ]|
おじいちゃま。~
チキ、アスク王国が好き!▼~
みんなとってもやさしくて~
すてきな国だね!▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃな。ここはいい国じゃ。▼~
:[チキ]|
でも…~
こんなにいい国なのに~
どうして敵とたたかってるの?▼~
***A [#ac681c8d]
:[バヌトゥ]|
ふむ。チキはアスク王国が~
戦いに巻き込まれる理由を~
知りたいのじゃな。▼~
:[チキ]|
うん。こんなにいい国なのに~
どうしてみんな戦ってるの?▼~
:[バヌトゥ]|
では、まずこの国の~
成り立ちからじゃ。▼~
アスク王国はいにしえの時代、~
神竜アスクによって~
生まれた国じゃと言われておる。▼~
:[チキ]|
いにしえ…~
いーっぱいいーっぱい~
昔ってことだね。▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃ。神竜アスクは~
この国をいろいろな異界から人が訪れる~
開かれた国にしたそうじゃ。▼~
:[チキ]|
ひらかれた国?▼~
:[ノノ]|
アスク王国にはね。~
たくさんの異界とつながってる~
異界の扉というのがあるの。▼~
その扉をつかっていろいろな異界を~
行ったり来たりできるんだって。▼~
:[ミルラ]|
だけど、そのせいで~
いろんな敵がやってきてしまう。▼~
私たちヴァイス・ブレイヴは~
さまざまな異界からやってくる敵と~
アスク王国を守るために戦ってるんです。▼~
:[チキ]|
いろんなひとに来てほしくて~
扉をつくったのに~
怖いひとたちが来ちゃったの?▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃな。異界は無数にあり~
アスク王国も終わりのない危機に~
さらされ続けているのじゃ。▼~
:[チキ]|
うーん、チキはおもうんだけど~
その扉はしめられないの?▼~
:[ノノ]|
異界の扉を…?▼~
:[チキ]|
扉をしっかりしめて~
怖いひとが来られないようにするの。▼~
そうすればアスク王国のひとたちは~
もう戦わなくてもいいはずだよ。▼~
:[バヌトゥ]|
……▼~
***S [#p16e71d7]
:[バヌトゥ]|
扉を閉め、世界を閉ざしてしまえば~
敵は来なくなるか…~
チキの言うとおりじゃ。▼~
だが、神竜アスクは~
それを望んでいなかったのじゃよ。▼~
アスク王国の人々が健やかに~
暮らせているのは…▼~
異界の人々を受け入れ~
交流を深めながら~
歴史を重ねてきたからなのじゃ。▼~
:[チキ]|
異界のひとたちと~
仲良くしてきたから~
いい国になったってこと?▼~
:[バヌトゥ]|
チキも氷竜神殿で眠っている間~
怖い敵と戦わずに済んだはずじゃ。▼~
しかし、外の世界に出た後…~
ずっと眠っていればよかったと~
後悔しているわけではなかろう?▼~
:[チキ]|
うん。チキは神殿から出たから~
マルスおにいちゃんやシーダおねえちゃんと~
仲良くなれたんだよ。▼~
:[バヌトゥ]|
神殿の外にはたくさんの危険がある。~
じゃが、外に出たからこそ~
チキは新しい未来を得られたんじゃ。▼~
:[チキ]|
そっか。もしチキがこわがって~
そとに出なかったら…。▼~
こうしてノノたちと~
仲良くなることもなかったんだね。▼~
:[ミルラ]|
外の世界を受け入れることは~
とても勇気がいることです。▼~
でも、その勇気の先には~
得られるものもあると思います。▼~
神竜アスクはそう信じてアスク王国を~
開かれた国にしたのかもしれませんね。▼~
:[チキ]|
おじいちゃま!~
チキにもこの国のために~
できることはあるかな?▼~
アスク王国と異界のひとたちが~
仲良くなれるお手伝いがしたいの!▼~
:[バヌトゥ]|
もちろんじゃ。~
その力があるからこそ~
チキはここに呼ばれたのじゃよ。▼~
:[ノノ]|
怖い敵が来たら、~
ノノたちとみんなで~
やっつければいいんだよ!▼~
:[ミルラ]|
チキが外の世界に出たことで~
私たちは仲間になれました。~
その奇跡を大切にしましょう。▼~
:[チキ]|
うん! アスク王国のひとたちには~
これから先もすてきな出会いを~
してほしいな!▼~
その出会いを守るために~
チキ、がんばるよ!~
みんなといっしょにね!▼~
**ラストプリンセス ニーナ [#x1e1cd1b]
***C [#df60b055]
:[ニーナ]|
あの、アンナ隊長。~
お伺いしたいことがあるのですが…▼~
:[アンナ]|
あら? ニーナ姫。~
私にわかることなら~
なんでも聞いてちょうだい。▼~
:[ニーナ]|
グルニアの黒騎士…~
カミュをご存じありませんか?▼~
神槍グラディウスを携えた~
アカネイア大陸の騎士です。▼~
:[アンナ]|
カミュ? 彼ならもう~
アスク王国に召喚されているわよ。▼~
:[ニーナ]|
……!?▼~
:[アンナ]|
でも、今日は城にいないわね。▼~
ヴァイス・ブレイヴには~
城の外に出て修行を続けてたり~
単独行動を好む英雄も少なくないのよ。▼~
カミュもその一人といったところかしら。~
それに、この世界にいるカミュが~
あなたの知る人物であるとは限らないの。▼~
ニーナ姫と出会うまえに召喚された~
カミュの可能性もあるしね。▼~
:[ニーナ]|
そうですか…~
アンナ隊長、ありがとうございます。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ニーナ]|
……▼~
…私が今、生き長らえているのは…~
カミュが私を匿い、~
オレルアンに逃がしてくれたから…▼~
…でもカミュは祖国アカネイアとの戦いで~
功を挙げたグルニアの騎士…~
私の大切な家族を処刑したグルニアの…▼~
…もしここで再会できたとしても、~
なにを話したらいいのか…▼~
:[ダグ]|
んー? なんかカワイイ~
お姫様がいるじゃん!▼~
:[ニーナ]|
……!?▼~
:[ダグ]|
あたしのこと、デカいと思った?~
んでも、あたしからすれば~
みんなが小さいっていうかー。▼~
:[ニーナ]|
私はアカネイアのニーナと言います。~
あなたもヴァイス・ブレイヴに~
所属されているのですか?▼~
:[ダグ]|
ちょっと違うかなー。あたしはダグ。~
巨人の国ヨトゥンの王女なんだ。▼~
知り合いの様子を見にこっそり~
アスク王国に来たんだけど…▼~
この国じゃ目立ちすぎて~
全然こっそりじゃなかったって話。~
なんかウケるよね!▼~
:[ニーナ]|
た、確かに人目を引くお姿ですね…~
よろしくお願いします、ダグ王女。▼~
:[ダグ]|
いいよいいよ。~
気軽にダグちゃんって呼んで。~
こちらこそヨロシクねー。▼~
***B [#ibbdbc82]
:[ダグ]|
ところでニーナ姫は~
誰かを探してたわけ?▼~
:[ニーナ]|
は、はい。探しているといえば~
探しているような…▼~
アスク王国に来たばかりで~
城の中も外もその…不慣れで。▼
:[ダグ]|
あたしもこの城のことは~
あんまよくわかんないけど~
よかったら手伝おうか?▼~
あたしデカいし目もいいから~
人探しはチョー得意だよ!▼~
:[ニーナ]|
ダグ王女、~
ありがたいお言葉ですが…▼~
:[ダグ]|
ダグちゃん。▼~
:[ニーナ]|
……。~
ダ、ダグちゃんも~
お忙しいのでは…?▼~
:[ダグ]|
あたしのことは大丈夫!▼~
ここで会ったのもなにかの縁だし。▼~
:[ニーナ]|
それでは、お言葉に甘えて…~
グルニアの黒騎士~
カミュという英雄を探していました。▼~
:[ダグ]|
黒騎士っていうくらいだから~
黒づくめの鎧を着ているのかな。▼~
もしかして漆黒の鎧姿で~
いかつい兜をかぶった英雄?▼~
:[ニーナ]|
兜はかぶっていなかったかと…▼~
:[ダグ]|
全身漆黒の鎧を着て~
デカい剣を振り回している英雄なら~
見覚えあるんだけどなー。▼~
ほかになんか特徴ないのー?~
びっくりするほどカッコいいとか~
脚が長いとか声がいいとか。▼~
:[ニーナ]|
よ、容姿は…その…~
それなりに整ったというか~
いえ、かなり整っているかと…▼~
:[ダグ]|
あれー?~
顔真っ赤じゃん。~
ニーナ姫カワイイ!▼~
もしかしてカミュって人は~
ニーナ姫の恋人?▼~
:[ニーナ]|
そ、そのような関係ではありません!~
家族の仇の一人…ではありますが~
私の命の恩人でもあるのです。▼~
:[ダグ]|
……▼~
:[ニーナ]|
今、私が生き長らえているのは~
カミュの言葉があったから…▼~
:[ダグ]|
仇なのに恩人とか~
なんかフクザツみたいだねー。▼~
***A [#qf98f39a]
:[ダグ]|
そっか…~
アカネイアって国の王族は~
もうニーナ姫だけなんだ。▼~
:[ニーナ]|
…一度は家族のあとを追い~
私も命を絶とうとしました。~
そんな私にカミュは言ったのです。▼~
『王族としての責任を~
投げ出すおつもりか』と…▼~
:[ダグ]|
カミュのその言葉で~
ニーナ姫は思いとどまったんだ?▼~
:[ニーナ]|
その日から何度も何度も考えました。~
王族としての責任とはなにか。~
私が生きる意味はなんなのかと。▼~
:[ダグ]|
聞いてもいい?~
その答えって出たわけ?▼~
:[ニーナ]|
いえ、まだはっきりとは。▼~
ですが、私の命が続く限り~
そのすべてを祖国に捧げ、再建に尽力する。~
それが王族の責務ではないかと…▼~
:[ダグ]|
セキムねえ…▼~
でもさ、そんなものに~
縛られて生きるなんて~
なーんか窮屈じゃない?▼~
:[ニーナ]|
えっ?▼~
:[ダグ]|
あたしもさ、流れ的に女王として~
国を預かる身分にはなるんだけど。▼~
だからって身も心も国に捧げるのは~
ちょっと違うかなって思うんだ。▼~
:[ニーナ]|
……。▼~
:[ダグ]|
あたし、難しいことは苦手だけど~
民が苦しんだり悲しむことだけは~
絶対にやりたくないんだ。▼~
そのうえで、あたしは~
あたしらしさを捨てずに~
国を盛り上げていきたい。▼~
それが国の未来を託してくれた~
姉ちゃんの遺志だと思うんだよねー。▼~
:[ニーナ]|
ダグ…ちゃんも戦争で~
ご家族を亡くされたのですか?▼~
:[ダグ]|
そ。あたしをかばってね。~
今、あたしがここにいるのは~
姉ちゃんのおかげだよ。▼~
ニーナ姫がカミュって人の~
言葉のおかげで生き長らえたように…▼~
あたしは、姉ちゃんが~
命を賭けてかばってくれたおかげで~
今も自分の足で歩けてる。▼~
:[ニーナ]|
強いですね、ダグちゃんは。~
悲しみに押し潰されることなく~
前を向いているように感じます。▼~
でも、私は強い人間ではありません。~
自分の命、そのすべてを使わなければ~
祖国の再建は叶わないと思うのです。▼~
:[ダグ]|
……▼~
***S [#a0126b9d]
:[ダグ]|
ニーナ姫、ちょっといい?~
かたぐるまー!▼~
:[ニーナ]|
きゃあぁぁぁっ!~
ダ、ダグちゃん、なにを!?▼~
:[ダグ]|
軽いね、ニーナ姫!~
そこからなにが見える?
:[ニーナ]|
え?そ、その…~
城の外に広がる町や~
まわりを囲む山々が見えます。▼~
:[ダグ]|
誰かの肩を借りれば~
ずっと遠くまで見渡せる。▼~
それは景色だけじゃなく~
未来も同じだと思うよー。▼~
:[ニーナ]|
未来も…遠くまで見渡せる。▼~
:[ダグ]|
よっと。いきなりごめんね。▼~
でもさ、ニーナ姫も~
一人で背負い込むんじゃなく~
誰かの力を借りたほうが絶対いいって。▼~
自分の命を全部使うとか言わずにさ。~
いろんな人から少しずつ~
助けてもらおーよ。▼~
:[ニーナ]|
……。▼~
ありがとう、ダグちゃん。~
でも、こういう励ましははじめてなので~
ちょっととまどっています…▼~
:[ダグ]|
つーかさ、全部ほっぽり出して~
カミュって人と一緒に~
逃げちゃうのもいいんじゃない?▼~
:[ニーナ]|
えっ!?▼~
:[ダグ]|
王女の生き方はひとつかもしれないけど~
一人の人間としての生き方なら~
いくらでもあるっしょ。▼~
:[ニーナ]|
そ、そのようなことはできません!~
あの方だって応じるわけがありません!▼~
:[ダグ]|
はは、照れたお姫様もカワイイね!~
肩の力も抜けたみたいだし~
もう少しだけ楽に生きてみたら?▼~
:[ニーナ]|
…ダグちゃん、感謝します。~
いろいろと気を遣っていただいて。▼~
王族として果たすべき責任。~
それが自己満足で終わっては~
みなに顔向けできません。▼~
民がなにを望んでいるのか~
アカネイアがどうあるべきかを見据え~
できることを考えてみようと思います。
:[ダグ]|
困ったら誰かの力を借りて、ね?▼~
:[ニーナ]|
…あの方と言葉を交わすのは~
自分が歩むべき道を見定めてからでも~
遅くはないと思います。▼~
:[ダグ]|
じゃ、人探しは一時中止か。~
早く見つかるといいね~
ニーナ姫が歩む道ってやつ。▼~
:[ニーナ]|
はい。私がアスク王国に呼ばれたのは~
その道を見つけるためかもしれません。▼~
…お父様、お母様…~
私の命、アカネイアのために~
必ずや活かしてみせます…▼~
…そして、強くありたいと思います。~
無明の闇でもまっすぐに歩けるように…▼~
**アリティアの王女 エリス [#oe327894]
***C [#bcd44d66]
:[マルス]|
姉上!▼~
:[マリク]|
エリス様…。▼~
:[エリス]|
まあ、マルスにマリク。~
出迎えに来てくれたのですか?▼~
:[マルス]|
エクラから~
話を聞き、驚きました。▼~
:[エリス]|
驚いているのは私もですよ。~
このような異界に足を踏み入れるのは~
はじめてなので、とまどっています。▼~
:[マリク]|
無理もありません。~
この地で異界について学びましたが、~
それでも、今も驚きの連続です。▼~
:[マルス]|
アカネイア大陸の外に広がる世界と~
そこに生きる英雄たち。▼~
ぼくは彼らと交流を重ねるうちに~
さらに成長できた気がします。▼~
:[エリス]|
それはよかった。~
…けれどマルス~
無理はしていないかしら?▼~
あなたは一生懸命になると~
まわりが見えなくなりますから。▼~
:[マルス]|
大丈夫ですよ、姉上。~
この世界には頼れる仲間たちもいます。▼~
:[エリス]|
そう…あなたの隣には~
マリクもいてくれますものね。▼~
:[マリク]|
はい! お任せください、エリス様。~
一命に代えても~
マルス様をお支えします!▼~
:[エリス]|
ふふっ、そう構えなくても~
二人が信頼しあっていることは~
ちゃんと知っていますよ。▼~
マルスこそ、あまり無茶を言って~
マリクを困らせないようにね。▼~
:[マルス]|
こ、心得ていますよ、姉上。▼~
&br;''(暗転)''~
:[フィヨルム]|
マルス王子とエリス王女は~
とても仲がよろしいのですね。~
お互いの思いやりが伝わってきます。▼~
:[シャロン]|
以前、冬祭りのときに~
別の異界からきょうだい揃って~
召喚に応じられましたが…▼~
そのときも二人がとても~
仲良しだったことを覚えています!▼~
でも、伝説の英雄王であっても~
お姉さんの前ではすっかり~
弟さんの顔になっちゃってますね!▼~
:[フィヨルム]|
本当に。エリス王女の愛情が~
そうさせてしまうのでしょうね。▼~
***B [#y8ede8ed]
:[ラファエル]|
もぐっ、むぐっ!~
うん! うめえ!▼~
アスク王国のいいところは~
飯が美味えってところだなぁ!▼~
この肉なんて最高だっ!~
いくらだって食べられるぞお!▼~
:[エリス]|
差し出がましいことを~
申し上げるようですが…▼~
こちらのお野菜も一緒に~
召し上がってはいかがでしょう?▼~
:[ラファエル]|
野菜? まあ野菜も~
美味えことは美味えけど…▼~
オデは肉が食えれば~
それで満足なんだよなあ。▼~
:[エリス]|
万全の体調で戦場に立つためには~
お野菜も大切ですから。▼~
それにお野菜には~
お肉料理の味を引き立てる~
役目もあるのですよ。▼~
:[ラファエル]|
そうなのかあ?~
まあ王女様がそこまで言うのなら~
一緒に食ってみるよ。▼~
はむ、もぐっ…。~
むむむむっ!?▼~
野菜と一緒に食ったら~
肉がますます~
美味くなった気がするぞおお!▼~
:[エリス]|
こちらの根菜もどうぞ。~
それぞれに違った味わいがあり~
栄養も詰まっているそうです。▼~
:[ラファエル]|
もぐっ、むしゃっ!~
うんめえええ!▼~
肉と一緒に食う野菜は~
こんなに美味かったのか!▼~
オデ、今まで損してたぞ。~
王女様に感謝にねえとな!▼~
&br;''(暗転)''~
:[エリス]|
あの…少しお時間を~
よろしいでしょうか?▼~
:[ヘルビンディ]|
あん?~
なんだてめーは?▼~
:[エリス]|
も、申し訳ありません。~
外套の後ろ…穴が空いているようですので~
私でよければ繕いましょうか?▼~
:[ヘルビンディ]|
あ?~
んなクソこまけーこと~
どうだって…▼~
:[エリス]|
いえ、この穴から大切な外套が~
破れてしまうかもしれません。~
お時間は取らせません。▼~
:[ヘルビンディ]|
…てめー、マルス王子の姉貴だろ?~
王女様が裁縫なんて出来んのかよ。▼~
:[エリス]|
はい、終わりましたよ。▼~
:[ヘルビンディ]|
クソはええ!?▼~
:[エリス]|
たまたま生地と似た色の~
縫い糸を持ち合わせておりました。▼~
:[ヘルビンディ]|
お、おう…。~
い、一応礼を言っとくぜ。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ファ]|
すぅ…すぅぅ…。~
むにゃ…。▼~
:[エリス]|
…いい子ですね。~
連日の戦いに疲れたのでしょうね。~
ぐっすり休んでください。▼~
:[ンン]|
す、すごいです…。~
いつも寝付けなくてグズるファが~
一瞬で眠ってしまったのです。▼~
:[ソフィーヤ]|
エリス王女の子守唄…~
とても優しく心に響きました。▼~
:[エリス]|
ふふっ、この子守唄は~
マルスがまだ小さかった頃に~
歌ってあげたこともあるのですよ。▼~
:[ンン]|
なるほど。~
伝説の英雄王はこの子守唄で~
眠りについて…ぐぅ…すぅ…▼~
:[ソフィーヤ]|
ンンもつられて眠ってしまったようです。~
それだけエリス王女の子守唄で~
心が穏やかになったのでしょうね。▼~
***A [#a252f551]
:[アンナ]|
気のせいかなあ…~
気のせいじゃない気もするなあ。▼~
:[アルフォンス]|
どうしました、アンナ隊長。~
なにか気になることでも?▼~
:[アンナ]|
気になるというか~
悪いことじゃないんだけれど。▼~
近頃、ヴァイス・ブレイヴの空気が~
柔らかくなった気がするのよねえ。▼~
:[アルフォンス]|
柔らかく…ですか?▼~
:[アンナ]|
そう。やる気に満ちていながら~
それでいてどこか優しいのよ!~
みんなの雰囲気が!▼~
:[アルフォンス]|
言われてみれば、英雄たちの表情も~
明るくなった感じがしますね。▼~
:[アンナ]|
どうしたのかしら。~
お城の食事がとりわけ~
豪勢になったわけでもないのに。▼~
:[フィヨルム]|
それは…エリス王女が~
召喚されたからかもしれませんよ?▼~
:[シーダ]|
わたしもエリス様の評判を~
いろんな方から耳にしています。▼~
:[アンナ]|
フィヨルム王女にシーダ王女じゃない。~
エリス王女の話、もうちょっと~
詳しく聞かせてくれる?▼~
:[シーダ]|
…アスク王国に来る前から、~
わたしはエリス様に可愛がっていただき~
あの方の優しさと聡明さに憧れていました。▼~
あの方はアスク王国でも、~
ヴァイス・ブレイヴの英雄たちと~
優しさを持って触れ合っているはずです。▼~
:[アルフォンス]|
エリス王女の優しさが~
ヴァイス・ブレイヴのみんなに~
いい影響を与えているということか。▼~
そういえばシャロンも言っていたよ。~
『エリス王女はわたしたちの~
お姉さんみたいな存在ですね!』って。▼~
:[フィヨルム]|
お姉さんみたいな存在…~
その気持ち、わかります。▼~
私もエリス王女を見ていると~
スリーズ姉様を思い出すのです。▼~
きょうだいを優しく包んでくれた~
温かい笑顔…今もスリーズ姉様の笑顔は~
私の支えとなってくれるのです。▼~
:[アンナ]|
エリス王女がみんなの~
士気向上に繋がるなんて~
考えもしなかったわ。▼~
:[アルフォンス]|
もしかすると~
エクラは~
それを見越して…▼~
エリス王女をアスク王国に~
召喚したのかもしれない。▼~
***S [#ke3ee67d]
:[エリス]|
アスク王国に来てみたものの~
私の振る舞いのせいで~
かえって迷惑をかけているのかも…▼~
:[マルス]|
どうなさいました、姉上。~
浮かない表情ですが心配事でも?▼~
:[エリス]|
マルス、それにマリクも。~
心配事ではありませんがちょっと…▼~
:[マリク]|
なにかお悩みがあるのでしたら~
ぼくたちが力になります、エリス様。▼~
:[エリス]|
ヴァイス・ブレイヴのみなさんは~
それぞれ異界に名前を残す~
立派な英雄ばかり。▼~
にもかかわらず~
私は頼まれもしないのに~
つい世話を焼いてしまうのです。▼~
:[マリク]|
世話を焼くこと自体は~
なにも問題はないのでは?▼~
:[エリス]|
いえ、弟のマルスや~
気心の知れたマリクやシーダと~
接するのとはわけが違います。▼~
もしかして、いらぬお節介で~
ご迷惑をおかけしているのではと…▼~
:[マリク]|
そんなことはありませんよ!▼~
:[マルス]|
マリクの言うとおりです。~
姉上はそのままでいいと思います。▼~
:[エリス]|
え…?▼~
:[マルス]|
ぼくは感じるのです。~
いまやヴァイス・ブレイヴのみんなが~
姉上を本当の姉のように思い…▼~
姉上の励ましを胸に~
戦いに臨んでいることを。▼~
:[マリク]|
エリス様の優しさは~
みなの支えになっているはずです。~
迷惑なんて思うはずがありませんよ。▼~
:[エリス]|
二人とも…▼~
:[マリク]|
エリス様。~
それからもみなに寄り添い~
支えてもらえますでしょうか。▼~
ぼくやマルス様の背中を~
押してくださったときのように。▼~
:[エリス]|
ええ。戦う力のない私が~
それで役に立てるのなら喜んで。▼~
:[マルス]|
姉上はそうして~
笑っておられるのが一番です。▼~
:[エリス]|
ふふ、アスク王国に来て~
たくさんの弟や妹ができたみたいで~
本当はうれしかったのです。▼~
この国は素敵な人たちばかり。~
みなさんの背中を支えられるように~
これからもお世話しますね。▼~
**草原の狼 ハーディン [#s83f88f0]
***C [#r2e0bbb1]
:[ウルフ]|
ハーディン様。~
我ら【狼騎士団】~
ここに馳せ参じました。▼~
:[ハーディン]|
ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。~
まさかお前たちと異界の地において~
くつわを並べて戦えるとはな。▼~
:[ビラク]|
ハーディン様!~
なんという運命の巡り合わせか。▼~
:[ザガロ]|
またハーディン様と~
戦場を駆けることができるとは…▼~
:[ロシェ]|
我ら【狼騎士団】~
アスク王国においても~
主命を胸に戦い抜く所存です!▼~
:[ハーディン]|
皆の忠義、ありがたく受け取ろう。▼~
どのような敵が待ち受けようとも~
私は自らの正義を信じ~
風とともに駆け抜けるのみ。▼~
:[ウルフ]|
はっ、我らの覚悟も~
すでに固まっております。~
この命、ハーディン様とともに!▼~
:[ハーディン]|
アンナ隊長から話は聞いている。▼~
お前たちは、私の時代よりも先…~
未来のオレルアンより~
召喚されたそうだな。▼~
:[ザガロ]|
はい。不思議なものですね。~
異界の召喚術というものは。▼~
:[ハーディン]|
未来のオレルアンはどうなるのか。~
アカネイアの行く末、そして~
ドルーア帝国は…▼~
聞きたいことはいくらでもあるが~
今、私がすべきことは~
未来を知ることではない。▼~
:[ビラク]|
ハーディン様…▼~
:[ハーディン]|
だが、ひとつだけわかったことがある。~
お前たち、良い顔になったな。~
数々の苦難がそうさせたのだろう。▼~
草原の狼と呼ぶにふさわしい精強さを~
ひしひしと感じるぞ。▼~
:[ロシェ]|
ハーディン様!~
もったいなきお言葉…▼~
:[ハーディン]|
戦場でのお前たちの働き~
大いに期待させてもらうぞ。▼~
:[ウルフ]|
はっ! 命に代えましても!▼~
&br;''(暗転)''~
:[ビラク]|
覇気にあふれた瞳。~
自信に満ちた言葉。~
そして…▼~
:[ロシェ]|
ぼくたちを気遣う~
大地のような優しさ。▼~
間違いない。ぼくたちが憧れ~
背中を追い続けたハーディン様だ…▼~
:[ザガロ]|
よかったな、ウルフ。~
またハーディン様とともに~
戦うことができて。▼~
:[ウルフ]|
……▼~
:[ビラク]|
ウルフ、どうかしたのか?▼~
:[ウルフ]|
知ってのとおり、ハーディン様は~
ドルーア帝国との戦いのあと~
アカネイア国王としての道を歩まれる。▼~
それは同時に、ハーディン様が~
闇に囚われる未来でもある…▼~
:[ロシェ]|
…そうだね。~
とても辛い未来だ。▼~
:[ザガロ]|
もしや、ウルフが危惧しているのは?▼~
:[ウルフ]|
そうだ。もしハーディン様が~
ご自身の未来を知ってしまったら…▼~
:[ザガロ]|
お心を乱してしまうかもしれない…~
そう心配しているのか。▼~
:[ロシェ]|
……▼~
***B [#g8d13ce9]
:[ウルフ]|
アスク王国にいれば~
ハーディン様は遅かれ早かれ~
ご自身の運命を知ることになる。▼~
:[ロシェ]|
未来のご自身に会わなくても~
ハーディン様のお耳に入るよね。▼~
:[ビラク]|
それを承知で、どうして~
エクラは~
ハーディン様を召喚されたのだ?▼~
:[ザガロ]|
その真意を~
聞きたいところではあるな。▼~
:[ウルフ]|
……▼~
&br;''(暗転)''~
:[シャロン]|
あ、【狼騎士団】の皆さん。~
これから訓練ですか?▼~
:[ロシェ]|
エクラを~
探しているんだ。~
ちょっと聞きたいことがあって。▼~
:[シャロン]|
エクラさんですか?~
秘宝砦に向かっているはずですよ。▼~
:[ザガロ]|
つまり城にはいないと?▼~
:[シャロン]|
はい。代わりに~
私が答えられることでしたら~
お教えしますけど?▼~
:[ビラク]|
話はハーディン様のことだ。▼~
えくらは~
どうして自らの運命を知らぬ~
ハーディン様を召喚されたのか。▼~
:[ウルフ]|
シャロン王女ならご存じだと思うが~
俺たちは召喚されたハーディン様よりも~
未来のオレルアンからやってきた。▼~
それゆえ、アカネイア国王になった~
ハーディン様が闇の力に囚われ…▼~
お心変わりをされる未来を~
俺たちは知っている。▼~
:[シャロン]|
そ、そのようですね。~
私もアスク王国の大図書館で~
ハーディンさんのことを知りました。▼~
:[ロシェ]|
すでにアスク王国には~
闇の力に囚われてしまった~
ハーディン様も召喚されている。▼~
もし二人のハーディン様が~
出会うことがあれば…▼~
:[ビラク]|
ハーディン様は~
ご自身の望まぬ未来を知ってしまう。▼~
それを承知でなぜ~
エクラは~
ハーディン様を召喚されたのだ!▼~
:[シャロン]|
そ、そうですよね。~
みなさん心配ですよね…▼~
あ、でも、聞いたことがあります。~
召喚される方々はみんな、~
アスク王国を救うために必要な英雄だって。▼~
なので、これもきっと~
意味のあることだと思いますよ。▼~
:[ウルフ]|
……▼~
***A [#y3b37d7a]
:[ロシェ]|
エクラには~
会えなかったけど…▼~
シャロン王女から~
興味深い話を聞けたね。▼~
:[ビラク]|
召喚される英雄は皆、~
アスク王国を救うために必要…▼~
だとすると、未来をご存知ない~
ハーディン様が召喚されたのも…▼~
:[ザガロ]|
アスク王国を守るための戦いに~
必要な存在だということか。▼~
:[ロシェ]|
ぼくは正直、昔のハーディン様と~
一緒に戦えるのがうれしいよ。▼~
ぼくたちが憧れ、ともに歩みたいと願った~
あの頃のハーディン様にまた会えるなんて。▼~
:[ウルフ]|
だが、どの時代のハーディン様であっても~
俺たちが命を捧げる存在に変わりはない。▼~
:[ザガロ]|
聡いハーディン様のことだ。~
いずれ自らの行く末を~
知ってしまわれるのではないか。▼~
:[ビラク]|
いっそ我らから申し上げるべきか。~
いや、それこそ無用な進言だな…▼~
我らがハーディン様の~
お心を乱すべきではない。▼~
:[ハーディン]|
皆、ここにいたのか。▼~
:[ウルフ]|
ハーディン様!?~
本日の訓練は終わりましたが~
なにゆえ馬具を…?▼~
:[ハーディン]|
なに、アスク王国の風を~
感じてみたいと思ってな。▼~
:[ロシェ]|
風…ですか?▼~
:[ハーディン]|
まだこの土地に不慣れでな。~
どのような風が吹いているのか~
肌で感じておきたいのだ。▼~
:[ビラク]|
ハーディン様!▼~
:[ザガロ]|
我らもお供してよろしいでしょうか?▼~
:[ハーディン]|
もちろんだ。この地においては~
お前たちに一日の長がある。~
先導してくれるか?▼~
:[ウルフ]|
はっ、お任せを!~
ザガロ、ビラク、ロシェ~
急ぎ出立の準備だ!▼~
***S [#l10446f7]
:[ハーディン]|
よい風だ…~
オレルアンの草原に吹く~
風と似ているな。▼~
:[ビラク]|
はい、おれもそう思っていました!▼~
:[ハーディン]|
私はまだアスク王国を知り得てはいない。~
だが、このような心地よい風が吹く国が~
邪悪であろうはずがない。▼~
ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。~
お前たちが私を案じてくれていることは~
この身にひしと感じている。▼~
:[ウルフ]|
ハーディン様…▼~
:[ハーディン]|
お前たちと見知らぬ大地を駆ける…~
まるで一夜の夢のようだな。▼~
しかし、この身に感じる風は~
現実だと私の魂に訴えている。▼~
ゆえに案ずるな。~
すべてを受け入れる覚悟は出来ている。▼~
私がこの世界でなにを知ろうとも~
自らの信じる正義の炎は揺るがない。▼~
:[ウルフ]|
……!▼~
:[ハーディン]|
正義の炎が放つ熱。~
それこそが私を動かす力。▼~
私はその熱に従い~
アスク王国でも正しき道を歩むのみ。▼~
:[ウルフ]|
……。~
…ハーディン様はすでに~
ご自身の行く末を…▼~
:[ビラク]|
…それでもなお、~
前に進もうと……▼~
:[ザガロ]|
…その魂の強さ…~
我々が憧れ、命を捧げたお方…▼~
:[ロシェ]|
ぼくたちの目の前にいる~
ハーディン様なら…▼~
:[ハーディン]|
どうした、皆?▼~
:[ウルフ]|
いえ。ハーディン様の魂の強さ…~
感服致しました。▼~
:[ハーディン]|
雑音や幻影には惑わされぬ。~
風に耳を傾け、私は前に進もう。▼~
草原の狼たちよ。~
この私に続くがいい。▼~
我らの道を阻むすべてのものを~
正義の剣で打ち倒して進むのだ。▼~
:[ウルフ]|
仰せのままに!▼~
:[ザガロ]|
この命、ハーディン様とともに。▼~
:[ビラク]|
【狼騎士団】の誇りにかけて!▼~
:[ロシェ]|
ぼくたちを信じてくれる~
民のためにも!▼~
:[ハーディン]|
ゆくぞ。この風の先に~
世界を照らす光があると信じて。▼~
*コメント [#s715f75c]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*無明の闇にさす光 [#sccde773]
#contents
**無明の闇にさす光 [#pa10f71b]
***オープニング [#d1899306]
:[???]|
…んっ…んんっ…▼~
みんな…どこにいるの?~
ここはくらくて…こわいよ…▼~
だ、だめ! 火竜も氷竜も…!~
そっちにはみんなが~
すんでる町が…!▼~
あ、ああっ! ど、どうして~
チキのからだ…~
いうことを…きかないの…!▼~
くぅっ、ううっ! ダメ!~
このまま、けものになったら…~
わたしも…みんなを…!▼~
そんなのイヤ、やめて…~
助けて、おじいちゃま…~
おにいちゃん…!▼~
&br;''(暗転)''~
:[チキ]|
チキ…けものになんて…~
なりたくないよ…!▼~
はぁ、はぁ、はぁっ……~
…もう…朝……~
さ、さっきのは…ゆめ…?▼~
しばらく…みなくなったと~
思ってたのに…▼~
アスク王国にきてから…~
こわいゆめ…~
なんども…みちゃった…▼~
やだよ…ゆめが本当になったら…~
わたし、わたし……▼~
&br;''(暗転)''~
:[ハーディン]|
なるほど。召喚師殿は任務で出払って~
しばらく城を開ける、と。▼~
:[アルフォンス]|
数日後には戻ると思いますが~
エクラに~
急ぎの用でも?▼~
:[ハーディン]|
急ぎと言えばそうかもしれぬな。~
私と時を同じくしてこの地に呼ばれた~
ニーナ姫とエリス王女。▼~
彼女たちのことで~
召喚師殿に相談があるのだ。▼~
:[アルフォンス]|
二人について~
なにか懸念がおありでも?▼~
:[ハーディン]|
アルフォンス王子なら~
理解されていると思うが…▼~
ニーナ姫はアカネイア王家唯一の生き残り。~
エリス王女は勇者アンリの血を引く~
アリティア王家の第一王女。▼~
彼女たちは国の象徴ではあるが~
過酷な戦いに臨める英雄ではない。▼~
:[アルフォンス]|
もしや、エクラに~
相談したい内容というのは…▼~
:[ハーディン]|
ニーナ姫とエリス王女。~
彼女たちを元の世界に~
戻してはもらえないだろうか。▼~
***C [#m32e2815]
:[チキ]|
ニーナさまもエリスさまも~
はやくはやく!~
あの丘をこえたら村が見えるって!▼~
:[エリス]|
チキ、前を見て歩かないと~
危ないですよ?▼~
:[ピアニー]|
ふふっ。そんなに急がなくても~
村は逃げないよ?▼~
:[チキ]|
だって待ちきれないんだもん。~
アスク王国のみんな、とっても優しいから~
はやく村の人たちともお話したいの!▼~
チキ、竜にへんしんして~
おそらを飛んで行こうかな!▼~
:[ニーナ]|
チキ、私たちのお役目は~
村に遊びにいくことではなく~
お薬を届けることなのです。▼~
まずはそのお役目を~
しっかりと果たしましょう。▼~
:[チキ]|
はーい!▼~
&br;''(暗転)''~
:[エリス]|
ニーナ姫、運んできた薬は~
すべて渡し終えたようです。▼~
:[ニーナ]|
ありがとうございます、エリス王女。~
見ましたか? 皆の喜ぶ顔…~
一日かけて歩いた甲斐がありましたね。▼~
:[エリス]|
はい。私にはマルスやマリクのように~
戦う力はありませんが…▼~
アスク王国の人々を支えるために~
労を惜しまぬつもりです。▼~
:[ニーナ]|
私も同じです、エリス王女。~
この世界で、私の肩書きなど~
なんの意味も持ちません。▼~
一人の人間として~
自分になにができるのか…~
そのことを考えていければと。▼~
:[エリス]|
この世界に住む人々は夢でも幻でもなく~
自分たちと同じく平和な明日を望んでいる。▼~
ここがアリティアであろうと~
アスク王国であろうと、~
その想いは守っていきたいと思います。▼~
:[ニーナ]|
平和とは、失われたときに~
その価値が痛いほどにわかります。▼~
アスク王国の人々には…~
アカネイアの民と同じ苦しみを~
味わってほしくありません。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ピアニー]|
ニーナ姫、エリス王女!~
村長さんが宿を用意してくれたって!~
お世話になる?▼~
:[エリス]|
そうですね…~
今から城に引き返しても~
夜もふけてしまいますし。▼~
:[ニーナ]|
では、お言葉に甘えましょうか。~
ピアニーも道案内、ご苦労様でした。▼~
妖精に先導されて歩くのは~
なかなか新鮮な体験でしたよ。▼~
:[ピアニー]|
きゃっ、嬉しい。~
私も楽しかったわ、~
お姫様に囲まれて旅するなんて!▼~
:[エリス]|
お姫様…なるほど。~
チキも神竜族の王の娘。~
れっきとした姫君でしたね。▼~
:[ニーナ]|
そう言えば、先ほどから~
チキの姿が見えませんが?▼~
:[ピアニー]|
えっと、さっきまで~
村の子どもたちと~
楽しそうに遊んで…▼~
:[エリス]|
……!?~
ニーナ姫、ピアニー!~
村の向こうに火の手が!▼~
***B [#k15aed4f]
:[ニーナ]|
あの火はまさか…!▼~
:[ピアニー]|
私、見てくるわ!▼~
:[エリス]|
村の皆さんを避難させないと…▼~
:[チキ]|
ニーナさま、エリスさま!▼~
:[エリス]|
チキ、無事でしたか!▼~
:[チキ]|
あのね、さっき村のひとに聞いたの。~
武器をもったこわいひとたちが~
村のそとにいっぱいいるって!▼~
:[ニーナ]|
やはりあの火は~
意図的につけられたもの…▼~
:[ピアニー]|
たいへん!~
村を囲んでるのは悪そうな人たちよ!~
狙いはニーナ姫とエリス王女…?▼~
:[エリス]|
もしかして、村に来る途中から~
あとをつけられていたのでしょうか?▼~
:[ピアニー]|
ここは私とチキでなんとかするわ、~
ニーナ姫たちは村の人たちと~
一緒に隠れてて!▼~
:[チキ]|
う、うん。チキが竜になれば~
あんなてき、すぐにやっつけ…▼~
やっつけ…ちゃう…~
ぅぅっ…~
う、ううっ…あ、ああっ…。▼~
:[エリス]|
チキ、どうしました?~
顔色が悪いようですが…▼~
:[チキ]|
あかい…~
ほのおが…もえてる…~
みんな…もえて…▼~
火竜があばれてるみたいに…~
ぜんぶ…はいに…~
けものみたい…に…▼~
:[ニーナ]|
チキ、どうしたのですか?~
こんなに震えて…▼~
:[チキ]|
あ、ああっ…やだよ…チキ~
けものになんて…なりたくない…▼~
:[ピアニー]|
けもの?~
チキ、どういうこと?▼~
:[チキ]|
ゆめを…みたの…~
こわいゆめ、くらやみで…ひとり…~
けものになったわたしが、みんなを…▼~
:[エリス]|
怖い夢…もしかして~
そのせいで変身できないのですか?▼~
:[チキ]|
たたかわなきゃ…みんな、死んじゃう…~
でも…たたかったら…わたし…~
けものに…あ、あ、ああっ…▼~
:[ピアニー]|
もしかして…~
夢の国の影響を受けてるのかも?▼~
:[ニーナ]|
夢の…国?▼~
:[ピアニー]|
アスク王国は~
夢の国アルフとも~
つながりの深い場所なの。▼~
そして、夢の国アルフは~
悪夢の国スヴァルトアルフと表裏一体…▼~
:[エリス]|
では、チキは~
その悪い夢の影響を…?▼~
:[ニーナ]|
チキ! 怯えることはありません。▼~
:[チキ]|
ああ…ニーナさま…。~
ぎゅっとされると、あたたかい…▼~
:[ニーナ]|
大丈夫。あなたは~
けものになんてなりません。▼~
あなたのことを思う人々が~
きっとあなたの魂を支えてくれます。▼~
:[エリス]|
その通りです。こわがる必要はありません。~
もうチキは一人ではないのです。▼~
重ねたての温かさを感じてみて。~
それがあなたの心を~
繋ぎ止めてくれるから。▼~
:[チキ]|
エリスさまの手。~
マルスおにいちゃんと…いっしょ…。~
ぽかぽか…あたたかい…。▼~
:[ピアニー]|
チキ、悪い夢に負けちゃダメだよ。~
一緒に幸せな夢を見よう?~
あなたの大切な人の笑顔を思い出して!▼~
:[チキ]|
いっしょに…みんな…~
うん、そうだよ…みんなでいっしょに…▼~
わたし、もう…~
くらい部屋にひとりじゃない…▼~
いまのわたしのまわりには~
たくさんのともだちがいる…~
たいせつな、ひとたちが…▼~
いままで、みんなが…~
チキをまもってくれた。~
くらやみから、連れだしてくれた。▼~
だからこんどは~
チキがみんなを~
守ってみせるよ…!▼~
***A [#h1e9dcd3]
:[チキ]|
うー! たいせつな人たちを~
傷つけるわるいひとは~
チキがゆるさないんだから!▼~
チキが怒ったら~
どんな竜もかなわないんだからね!▼~
:[ニーナ]|
チキが神竜の姿に!▼~
:[エリス]|
私たちの村の人々を~
守ってくれています…▼~
:[ピアニー]|
チキ、私もいっしょに。~
さ、ニーナ姫とエリス王女は~
村の人たちと安全なところに。▼~
:[エリス]|
ええ…! ニーナ姫、こちらに!▼~
:[ニーナ]|
待って、エリス王女!~
裏門のほうからも盗賊が!▼~
:[レギン]|
危ないの!~
みんなに手出しはさせないの!▼~
:[ピアニー]|
レギン王女! どうしてここに!?▼~
:[ハーディン]|
無辜の民に仇なす賊ども…~
この草原の狼が相手になろう!▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿!~
来てくれたのですね!▼~
:[ハーディン]|
無事ですかニーナ姫、エリス王女!~
賊が村に向かったとの知らせがあり~
急ぎ駆けつけた次第。▼~
:[レギン]|
狼騎士団のみんなは~
風みたいに速いから~
私が先導したの!▼~
:[ウルフ]|
ハーディン様に続け!~
賊ごときに遅れをとる~
我ら狼騎士団ではないぞ!▼~
村に入り込んだ賊を蹴散らしつつ~
皆の安全を確保するのだ!▼~
&br;''(暗転)''~
:[ザガロ]|
ハーディン様、賊は一人残らず~
村から叩き出しました。▼~
:[ロシェ]|
村人もすべて無事とのことです!▼~
:[ハーディン]|
よし。だが警戒を怠るな。▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿、助かりました。~
危ないところを救ってくださり…▼~
:[ハーディン]|
ニーナ姫、ご無事でなによりです。▼~
:[エリス]|
あら? そういえばチキはどこに?▼~
:[ピアニー]|
あそこ。ビラクさんに~
おんぶされたまま寝ています。▼~
:[チキ]|
すーすー…▼~
:[エリス]|
ふふっ、寝顔は愛らしい~
幼子にしか見えませんね。▼~
:[ピアニー]|
チキが悪夢に囚われたまま~
竜に変身できなかったら~
大変なことになってたかも。▼~
ニーナ姫とエリス王女が~
チキの心に寄り添ってくれたおかげね、~
きっと!▼~
:[ハーディン]|
ニーナ姫とエリス王女が?▼~
&br;''(暗転)''~
:[ハーディン]|
……~
そうか、なるほどな。~
わかった気がする。▼~
アスク王国を救うためには~
戦う力だけではだめなのだ。▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿?▼~
:[ハーディン]|
実は、ニーナ姫とエリス王女を~
元の世界に戻してもらえぬか~
召喚師殿に直談判するつもりだったのです。▼~
戦う力を持たぬ二人は~
この世界は過酷と考えたがゆえに。▼~
:[エリス]|
……▼~
:[ハーディン]|
ですが、考えを改めました。▼~
戦う力だけではなく、人を想う力。~
それもまたアスク王国を~
救うために必要なのでしょう。▼~
:[ピアニー]|
うんうん、私もそう思うわ。~
だから、二人はアスク王国に~
呼ばれたんじゃないかしら?▼~
:[ニーナ]|
私たちも…アスクの人々の支えに~
力になれるのですね?▼~
:[エリス]|
戦う力と人を想う力…~
その両輪が揃ってこそ~
世界は救われるのかもしれませんね。▼~
:[ハーディン]|
ならば、私のやるべきことはひとつ。▼~
この世界に留まっている間~
あなた方を必ず守り抜きます。~
狼騎士団の誇りにかけて。▼~
:[ニーナ]|
ハーディン殿…~
私たちも微力ながら~
この世界のために力添えをいたします。▼~
:[チキ]|
むにゃ…。~
みんな…いっしょだよ…▼~
もう、こわいゆめは…~
みない…から…▼~
**ゆらめく神竜の血 チキ [#o3a11b65]
***C [#c3fde803]
:[チキ]|
おじいちゃま!~
バヌトゥのおじいちゃま!▼~
:[バヌトゥ]|
おお、チキ。よく来た!~
元気でなによりじゃ。~
どうじゃ、アスク王国は?▼~
:[チキ]|
まだ来たばかりだけど、~
この国のひとたちはみんな~
チキにやさしくしてくれるよ。▼~
:[バヌトゥ]|
おお、それはよかったのぅ。▼~
:[チキ]|
……▼~
:[バヌトゥ]|
ん? どうしたチキ。~
なにか心配事でもあるのかの。▼~
:[チキ]|
アンナたいちょうが言ってたの。▼~
アスク王国で知ってるひとにあっても~
それはチキがいた世界とは~
違う世界のひとかもしれないって。▼~
:[バヌトゥ]|
ふむ。▼~
:[チキ]|
おじいちゃまは~
チキと同じ世界から来た~
おじいちゃまじゃないの?▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃな。~
わしはチキと同じ世界から来た~
バヌトゥではないかもしれんのう。▼~
だが、どの世界のわしだろうと~
チキを大切に思うことに~
変わりはないのじゃよ。▼~
:[チキ]|
それって…~
どんな世界のおじいちゃまも~
チキにやさしいってこと?▼~
:[バヌトゥ]|
ほっほ、そのとおりじゃ。▼~
:[チキ]|
よかったぁ! だったらチキ~
アスク王国でもがんばれそう!▼~
:[バヌトゥ]|
わしと一緒に城下町に行ってみるかの?~
アスク王国がどんな国か~
自分で見てみるのがよかろう。▼~
:[チキ]|
お城の外の町?~
うん、いっしょにいく!▼~
:[バヌトゥ]|
ここには~
チキのような竜人の子もおる、~
皆も誘って出掛けるとするかの。▼~
***B [#f5bf9bba]
:[ノノ]|
ここ! このお店にとっても~
美味しいりんごがあるんだよ。▼~
:[チキ]|
りんご…!~
チキ、りんごだいすき!▼~
:[ノノ]|
じゃあ、お友達になった記念に~
ノノが買ってあげるね!▼~
:[チキ]|
ホント!? やったー!▼~
:[バヌトゥ]|
これこれ、チキや。~
そんなにはしゃいだら~
みんなびっくりしてしまうぞ。▼~
:[チキ]|
えへへ。りんご楽しみー!▼~
:[ミルラ]|
チキとノノ。すっかり~
仲良くなったみたいですね。▼~
:[バヌトゥ]|
チキは自分と似た年頃の子と~
話したことがなかったからの。~
よっぽどうれしいのじゃろう。▼~
:[ミルラ]|
その気持ち、わかります…▼~
:[バヌトゥ]|
チキは氷竜神殿に封印され~
永い間、眠り続けていたのじゃ。▼~
チキの力の暴走を恐れた~
神竜王ナーガ様のご遺志でな。▼~
時折、悪夢でうなされるチキを~
わしはずっと見守っていたのじゃ…▼~
:[ミルラ]|
…辛い時間を過ごされたのですね。▼~
:[バヌトゥ]|
不憫に思ったわしは~
チキを神殿から連れ出した。▼~
じゃが、それがチキの運命を大きく変え~
戦乱に巻き込むことになろうとは…▼~
:[チキ]|
おじいちゃま!~
ノノがりんごをかってくれたよ!▼~
お店のひともおまけしてくれたから~
ミルラもいっしょに食べよ!▼~
:[ミルラ]|
おいしそう…~
ありがとう、チキ。▼~
:[チキ]|
おじいちゃま。~
チキ、アスク王国が好き!▼~
みんなとってもやさしくて~
すてきな国だね!▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃな。ここはいい国じゃ。▼~
:[チキ]|
でも…~
こんなにいい国なのに~
どうして敵とたたかってるの?▼~
***A [#ac681c8d]
:[バヌトゥ]|
ふむ。チキはアスク王国が~
戦いに巻き込まれる理由を~
知りたいのじゃな。▼~
:[チキ]|
うん。こんなにいい国なのに~
どうしてみんな戦ってるの?▼~
:[バヌトゥ]|
では、まずこの国の~
成り立ちからじゃ。▼~
アスク王国はいにしえの時代、~
神竜アスクによって~
生まれた国じゃと言われておる。▼~
:[チキ]|
いにしえ…~
いーっぱいいーっぱい~
昔ってことだね。▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃ。神竜アスクは~
この国をいろいろな異界から人が訪れる~
開かれた国にしたそうじゃ。▼~
:[チキ]|
ひらかれた国?▼~
:[ノノ]|
アスク王国にはね。~
たくさんの異界とつながってる~
異界の扉というのがあるの。▼~
その扉をつかっていろいろな異界を~
行ったり来たりできるんだって。▼~
:[ミルラ]|
だけど、そのせいで~
いろんな敵がやってきてしまう。▼~
私たちヴァイス・ブレイヴは~
さまざまな異界からやってくる敵と~
アスク王国を守るために戦ってるんです。▼~
:[チキ]|
いろんなひとに来てほしくて~
扉をつくったのに~
怖いひとたちが来ちゃったの?▼~
:[バヌトゥ]|
そうじゃな。異界は無数にあり~
アスク王国も終わりのない危機に~
さらされ続けているのじゃ。▼~
:[チキ]|
うーん、チキはおもうんだけど~
その扉はしめられないの?▼~
:[ノノ]|
異界の扉を…?▼~
:[チキ]|
扉をしっかりしめて~
怖いひとが来られないようにするの。▼~
そうすればアスク王国のひとたちは~
もう戦わなくてもいいはずだよ。▼~
:[バヌトゥ]|
……▼~
***S [#p16e71d7]
:[バヌトゥ]|
扉を閉め、世界を閉ざしてしまえば~
敵は来なくなるか…~
チキの言うとおりじゃ。▼~
だが、神竜アスクは~
それを望んでいなかったのじゃよ。▼~
アスク王国の人々が健やかに~
暮らせているのは…▼~
異界の人々を受け入れ~
交流を深めながら~
歴史を重ねてきたからなのじゃ。▼~
:[チキ]|
異界のひとたちと~
仲良くしてきたから~
いい国になったってこと?▼~
:[バヌトゥ]|
チキも氷竜神殿で眠っている間~
怖い敵と戦わずに済んだはずじゃ。▼~
しかし、外の世界に出た後…~
ずっと眠っていればよかったと~
後悔しているわけではなかろう?▼~
:[チキ]|
うん。チキは神殿から出たから~
マルスおにいちゃんやシーダおねえちゃんと~
仲良くなれたんだよ。▼~
:[バヌトゥ]|
神殿の外にはたくさんの危険がある。~
じゃが、外に出たからこそ~
チキは新しい未来を得られたんじゃ。▼~
:[チキ]|
そっか。もしチキがこわがって~
そとに出なかったら…。▼~
こうしてノノたちと~
仲良くなることもなかったんだね。▼~
:[ミルラ]|
外の世界を受け入れることは~
とても勇気がいることです。▼~
でも、その勇気の先には~
得られるものもあると思います。▼~
神竜アスクはそう信じてアスク王国を~
開かれた国にしたのかもしれませんね。▼~
:[チキ]|
おじいちゃま!~
チキにもこの国のために~
できることはあるかな?▼~
アスク王国と異界のひとたちが~
仲良くなれるお手伝いがしたいの!▼~
:[バヌトゥ]|
もちろんじゃ。~
その力があるからこそ~
チキはここに呼ばれたのじゃよ。▼~
:[ノノ]|
怖い敵が来たら、~
ノノたちとみんなで~
やっつければいいんだよ!▼~
:[ミルラ]|
チキが外の世界に出たことで~
私たちは仲間になれました。~
その奇跡を大切にしましょう。▼~
:[チキ]|
うん! アスク王国のひとたちには~
これから先もすてきな出会いを~
してほしいな!▼~
その出会いを守るために~
チキ、がんばるよ!~
みんなといっしょにね!▼~
**ラストプリンセス ニーナ [#x1e1cd1b]
***C [#df60b055]
:[ニーナ]|
あの、アンナ隊長。~
お伺いしたいことがあるのですが…▼~
:[アンナ]|
あら? ニーナ姫。~
私にわかることなら~
なんでも聞いてちょうだい。▼~
:[ニーナ]|
グルニアの黒騎士…~
カミュをご存じありませんか?▼~
神槍グラディウスを携えた~
アカネイア大陸の騎士です。▼~
:[アンナ]|
カミュ? 彼ならもう~
アスク王国に召喚されているわよ。▼~
:[ニーナ]|
……!?▼~
:[アンナ]|
でも、今日は城にいないわね。▼~
ヴァイス・ブレイヴには~
城の外に出て修行を続けてたり~
単独行動を好む英雄も少なくないのよ。▼~
カミュもその一人といったところかしら。~
それに、この世界にいるカミュが~
あなたの知る人物であるとは限らないの。▼~
ニーナ姫と出会うまえに召喚された~
カミュの可能性もあるしね。▼~
:[ニーナ]|
そうですか…~
アンナ隊長、ありがとうございます。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ニーナ]|
……▼~
…私が今、生き長らえているのは…~
カミュが私を匿い、~
オレルアンに逃がしてくれたから…▼~
…でもカミュは祖国アカネイアとの戦いで~
功を挙げたグルニアの騎士…~
私の大切な家族を処刑したグルニアの…▼~
…もしここで再会できたとしても、~
なにを話したらいいのか…▼~
:[ダグ]|
んー? なんかカワイイ~
お姫様がいるじゃん!▼~
:[ニーナ]|
……!?▼~
:[ダグ]|
あたしのこと、デカいと思った?~
んでも、あたしからすれば~
みんなが小さいっていうかー。▼~
:[ニーナ]|
私はアカネイアのニーナと言います。~
あなたもヴァイス・ブレイヴに~
所属されているのですか?▼~
:[ダグ]|
ちょっと違うかなー。あたしはダグ。~
巨人の国ヨトゥンの王女なんだ。▼~
知り合いの様子を見にこっそり~
アスク王国に来たんだけど…▼~
この国じゃ目立ちすぎて~
全然こっそりじゃなかったって話。~
なんかウケるよね!▼~
:[ニーナ]|
た、確かに人目を引くお姿ですね…~
よろしくお願いします、ダグ王女。▼~
:[ダグ]|
いいよいいよ。~
気軽にダグちゃんって呼んで。~
こちらこそヨロシクねー。▼~
***B [#ibbdbc82]
:[ダグ]|
ところでニーナ姫は~
誰かを探してたわけ?▼~
:[ニーナ]|
は、はい。探しているといえば~
探しているような…▼~
アスク王国に来たばかりで~
城の中も外もその…不慣れで。▼
:[ダグ]|
あたしもこの城のことは~
あんまよくわかんないけど~
よかったら手伝おうか?▼~
あたしデカいし目もいいから~
人探しはチョー得意だよ!▼~
:[ニーナ]|
ダグ王女、~
ありがたいお言葉ですが…▼~
:[ダグ]|
ダグちゃん。▼~
:[ニーナ]|
……。~
ダ、ダグちゃんも~
お忙しいのでは…?▼~
:[ダグ]|
あたしのことは大丈夫!▼~
ここで会ったのもなにかの縁だし。▼~
:[ニーナ]|
それでは、お言葉に甘えて…~
グルニアの黒騎士~
カミュという英雄を探していました。▼~
:[ダグ]|
黒騎士っていうくらいだから~
黒づくめの鎧を着ているのかな。▼~
もしかして漆黒の鎧姿で~
いかつい兜をかぶった英雄?▼~
:[ニーナ]|
兜はかぶっていなかったかと…▼~
:[ダグ]|
全身漆黒の鎧を着て~
デカい剣を振り回している英雄なら~
見覚えあるんだけどなー。▼~
ほかになんか特徴ないのー?~
びっくりするほどカッコいいとか~
脚が長いとか声がいいとか。▼~
:[ニーナ]|
よ、容姿は…その…~
それなりに整ったというか~
いえ、かなり整っているかと…▼~
:[ダグ]|
あれー?~
顔真っ赤じゃん。~
ニーナ姫カワイイ!▼~
もしかしてカミュって人は~
ニーナ姫の恋人?▼~
:[ニーナ]|
そ、そのような関係ではありません!~
家族の仇の一人…ではありますが~
私の命の恩人でもあるのです。▼~
:[ダグ]|
……▼~
:[ニーナ]|
今、私が生き長らえているのは~
カミュの言葉があったから…▼~
:[ダグ]|
仇なのに恩人とか~
なんかフクザツみたいだねー。▼~
***A [#qf98f39a]
:[ダグ]|
そっか…~
アカネイアって国の王族は~
もうニーナ姫だけなんだ。▼~
:[ニーナ]|
…一度は家族のあとを追い~
私も命を絶とうとしました。~
そんな私にカミュは言ったのです。▼~
『王族としての責任を~
投げ出すおつもりか』と…▼~
:[ダグ]|
カミュのその言葉で~
ニーナ姫は思いとどまったんだ?▼~
:[ニーナ]|
その日から何度も何度も考えました。~
王族としての責任とはなにか。~
私が生きる意味はなんなのかと。▼~
:[ダグ]|
聞いてもいい?~
その答えって出たわけ?▼~
:[ニーナ]|
いえ、まだはっきりとは。▼~
ですが、私の命が続く限り~
そのすべてを祖国に捧げ、再建に尽力する。~
それが王族の責務ではないかと…▼~
:[ダグ]|
セキムねえ…▼~
でもさ、そんなものに~
縛られて生きるなんて~
なーんか窮屈じゃない?▼~
:[ニーナ]|
えっ?▼~
:[ダグ]|
あたしもさ、流れ的に女王として~
国を預かる身分にはなるんだけど。▼~
だからって身も心も国に捧げるのは~
ちょっと違うかなって思うんだ。▼~
:[ニーナ]|
……。▼~
:[ダグ]|
あたし、難しいことは苦手だけど~
民が苦しんだり悲しむことだけは~
絶対にやりたくないんだ。▼~
そのうえで、あたしは~
あたしらしさを捨てずに~
国を盛り上げていきたい。▼~
それが国の未来を託してくれた~
姉ちゃんの遺志だと思うんだよねー。▼~
:[ニーナ]|
ダグ…ちゃんも戦争で~
ご家族を亡くされたのですか?▼~
:[ダグ]|
そ。あたしをかばってね。~
今、あたしがここにいるのは~
姉ちゃんのおかげだよ。▼~
ニーナ姫がカミュって人の~
言葉のおかげで生き長らえたように…▼~
あたしは、姉ちゃんが~
命を賭けてかばってくれたおかげで~
今も自分の足で歩けてる。▼~
:[ニーナ]|
強いですね、ダグちゃんは。~
悲しみに押し潰されることなく~
前を向いているように感じます。▼~
でも、私は強い人間ではありません。~
自分の命、そのすべてを使わなければ~
祖国の再建は叶わないと思うのです。▼~
:[ダグ]|
……▼~
***S [#a0126b9d]
:[ダグ]|
ニーナ姫、ちょっといい?~
かたぐるまー!▼~
:[ニーナ]|
きゃあぁぁぁっ!~
ダ、ダグちゃん、なにを!?▼~
:[ダグ]|
軽いね、ニーナ姫!~
そこからなにが見える?
:[ニーナ]|
え?そ、その…~
城の外に広がる町や~
まわりを囲む山々が見えます。▼~
:[ダグ]|
誰かの肩を借りれば~
ずっと遠くまで見渡せる。▼~
それは景色だけじゃなく~
未来も同じだと思うよー。▼~
:[ニーナ]|
未来も…遠くまで見渡せる。▼~
:[ダグ]|
よっと。いきなりごめんね。▼~
でもさ、ニーナ姫も~
一人で背負い込むんじゃなく~
誰かの力を借りたほうが絶対いいって。▼~
自分の命を全部使うとか言わずにさ。~
いろんな人から少しずつ~
助けてもらおーよ。▼~
:[ニーナ]|
……。▼~
ありがとう、ダグちゃん。~
でも、こういう励ましははじめてなので~
ちょっととまどっています…▼~
:[ダグ]|
つーかさ、全部ほっぽり出して~
カミュって人と一緒に~
逃げちゃうのもいいんじゃない?▼~
:[ニーナ]|
えっ!?▼~
:[ダグ]|
王女の生き方はひとつかもしれないけど~
一人の人間としての生き方なら~
いくらでもあるっしょ。▼~
:[ニーナ]|
そ、そのようなことはできません!~
あの方だって応じるわけがありません!▼~
:[ダグ]|
はは、照れたお姫様もカワイイね!~
肩の力も抜けたみたいだし~
もう少しだけ楽に生きてみたら?▼~
:[ニーナ]|
…ダグちゃん、感謝します。~
いろいろと気を遣っていただいて。▼~
王族として果たすべき責任。~
それが自己満足で終わっては~
みなに顔向けできません。▼~
民がなにを望んでいるのか~
アカネイアがどうあるべきかを見据え~
できることを考えてみようと思います。
:[ダグ]|
困ったら誰かの力を借りて、ね?▼~
:[ニーナ]|
…あの方と言葉を交わすのは~
自分が歩むべき道を見定めてからでも~
遅くはないと思います。▼~
:[ダグ]|
じゃ、人探しは一時中止か。~
早く見つかるといいね~
ニーナ姫が歩む道ってやつ。▼~
:[ニーナ]|
はい。私がアスク王国に呼ばれたのは~
その道を見つけるためかもしれません。▼~
…お父様、お母様…~
私の命、アカネイアのために~
必ずや活かしてみせます…▼~
…そして、強くありたいと思います。~
無明の闇でもまっすぐに歩けるように…▼~
**アリティアの王女 エリス [#oe327894]
***C [#bcd44d66]
:[マルス]|
姉上!▼~
:[マリク]|
エリス様…。▼~
:[エリス]|
まあ、マルスにマリク。~
出迎えに来てくれたのですか?▼~
:[マルス]|
エクラから~
話を聞き、驚きました。▼~
:[エリス]|
驚いているのは私もですよ。~
このような異界に足を踏み入れるのは~
はじめてなので、とまどっています。▼~
:[マリク]|
無理もありません。~
この地で異界について学びましたが、~
それでも、今も驚きの連続です。▼~
:[マルス]|
アカネイア大陸の外に広がる世界と~
そこに生きる英雄たち。▼~
ぼくは彼らと交流を重ねるうちに~
さらに成長できた気がします。▼~
:[エリス]|
それはよかった。~
…けれどマルス~
無理はしていないかしら?▼~
あなたは一生懸命になると~
まわりが見えなくなりますから。▼~
:[マルス]|
大丈夫ですよ、姉上。~
この世界には頼れる仲間たちもいます。▼~
:[エリス]|
そう…あなたの隣には~
マリクもいてくれますものね。▼~
:[マリク]|
はい! お任せください、エリス様。~
一命に代えても~
マルス様をお支えします!▼~
:[エリス]|
ふふっ、そう構えなくても~
二人が信頼しあっていることは~
ちゃんと知っていますよ。▼~
マルスこそ、あまり無茶を言って~
マリクを困らせないようにね。▼~
:[マルス]|
こ、心得ていますよ、姉上。▼~
&br;''(暗転)''~
:[フィヨルム]|
マルス王子とエリス王女は~
とても仲がよろしいのですね。~
お互いの思いやりが伝わってきます。▼~
:[シャロン]|
以前、冬祭りのときに~
別の異界からきょうだい揃って~
召喚に応じられましたが…▼~
そのときも二人がとても~
仲良しだったことを覚えています!▼~
でも、伝説の英雄王であっても~
お姉さんの前ではすっかり~
弟さんの顔になっちゃってますね!▼~
:[フィヨルム]|
本当に。エリス王女の愛情が~
そうさせてしまうのでしょうね。▼~
***B [#y8ede8ed]
:[ラファエル]|
もぐっ、むぐっ!~
うん! うめえ!▼~
アスク王国のいいところは~
飯が美味えってところだなぁ!▼~
この肉なんて最高だっ!~
いくらだって食べられるぞお!▼~
:[エリス]|
差し出がましいことを~
申し上げるようですが…▼~
こちらのお野菜も一緒に~
召し上がってはいかがでしょう?▼~
:[ラファエル]|
野菜? まあ野菜も~
美味えことは美味えけど…▼~
オデは肉が食えれば~
それで満足なんだよなあ。▼~
:[エリス]|
万全の体調で戦場に立つためには~
お野菜も大切ですから。▼~
それにお野菜には~
お肉料理の味を引き立てる~
役目もあるのですよ。▼~
:[ラファエル]|
そうなのかあ?~
まあ王女様がそこまで言うのなら~
一緒に食ってみるよ。▼~
はむ、もぐっ…。~
むむむむっ!?▼~
野菜と一緒に食ったら~
肉がますます~
美味くなった気がするぞおお!▼~
:[エリス]|
こちらの根菜もどうぞ。~
それぞれに違った味わいがあり~
栄養も詰まっているそうです。▼~
:[ラファエル]|
もぐっ、むしゃっ!~
うんめえええ!▼~
肉と一緒に食う野菜は~
こんなに美味かったのか!▼~
オデ、今まで損してたぞ。~
王女様に感謝にねえとな!▼~
&br;''(暗転)''~
:[エリス]|
あの…少しお時間を~
よろしいでしょうか?▼~
:[ヘルビンディ]|
あん?~
なんだてめーは?▼~
:[エリス]|
も、申し訳ありません。~
外套の後ろ…穴が空いているようですので~
私でよければ繕いましょうか?▼~
:[ヘルビンディ]|
あ?~
んなクソこまけーこと~
どうだって…▼~
:[エリス]|
いえ、この穴から大切な外套が~
破れてしまうかもしれません。~
お時間は取らせません。▼~
:[ヘルビンディ]|
…てめー、マルス王子の姉貴だろ?~
王女様が裁縫なんて出来んのかよ。▼~
:[エリス]|
はい、終わりましたよ。▼~
:[ヘルビンディ]|
クソはええ!?▼~
:[エリス]|
たまたま生地と似た色の~
縫い糸を持ち合わせておりました。▼~
:[ヘルビンディ]|
お、おう…。~
い、一応礼を言っとくぜ。▼~
&br;''(暗転)''~
:[ファ]|
すぅ…すぅぅ…。~
むにゃ…。▼~
:[エリス]|
…いい子ですね。~
連日の戦いに疲れたのでしょうね。~
ぐっすり休んでください。▼~
:[ンン]|
す、すごいです…。~
いつも寝付けなくてグズるファが~
一瞬で眠ってしまったのです。▼~
:[ソフィーヤ]|
エリス王女の子守唄…~
とても優しく心に響きました。▼~
:[エリス]|
ふふっ、この子守唄は~
マルスがまだ小さかった頃に~
歌ってあげたこともあるのですよ。▼~
:[ンン]|
なるほど。~
伝説の英雄王はこの子守唄で~
眠りについて…ぐぅ…すぅ…▼~
:[ソフィーヤ]|
ンンもつられて眠ってしまったようです。~
それだけエリス王女の子守唄で~
心が穏やかになったのでしょうね。▼~
***A [#a252f551]
:[アンナ]|
気のせいかなあ…~
気のせいじゃない気もするなあ。▼~
:[アルフォンス]|
どうしました、アンナ隊長。~
なにか気になることでも?▼~
:[アンナ]|
気になるというか~
悪いことじゃないんだけれど。▼~
近頃、ヴァイス・ブレイヴの空気が~
柔らかくなった気がするのよねえ。▼~
:[アルフォンス]|
柔らかく…ですか?▼~
:[アンナ]|
そう。やる気に満ちていながら~
それでいてどこか優しいのよ!~
みんなの雰囲気が!▼~
:[アルフォンス]|
言われてみれば、英雄たちの表情も~
明るくなった感じがしますね。▼~
:[アンナ]|
どうしたのかしら。~
お城の食事がとりわけ~
豪勢になったわけでもないのに。▼~
:[フィヨルム]|
それは…エリス王女が~
召喚されたからかもしれませんよ?▼~
:[シーダ]|
わたしもエリス様の評判を~
いろんな方から耳にしています。▼~
:[アンナ]|
フィヨルム王女にシーダ王女じゃない。~
エリス王女の話、もうちょっと~
詳しく聞かせてくれる?▼~
:[シーダ]|
…アスク王国に来る前から、~
わたしはエリス様に可愛がっていただき~
あの方の優しさと聡明さに憧れていました。▼~
あの方はアスク王国でも、~
ヴァイス・ブレイヴの英雄たちと~
優しさを持って触れ合っているはずです。▼~
:[アルフォンス]|
エリス王女の優しさが~
ヴァイス・ブレイヴのみんなに~
いい影響を与えているということか。▼~
そういえばシャロンも言っていたよ。~
『エリス王女はわたしたちの~
お姉さんみたいな存在ですね!』って。▼~
:[フィヨルム]|
お姉さんみたいな存在…~
その気持ち、わかります。▼~
私もエリス王女を見ていると~
スリーズ姉様を思い出すのです。▼~
きょうだいを優しく包んでくれた~
温かい笑顔…今もスリーズ姉様の笑顔は~
私の支えとなってくれるのです。▼~
:[アンナ]|
エリス王女がみんなの~
士気向上に繋がるなんて~
考えもしなかったわ。▼~
:[アルフォンス]|
もしかすると~
エクラは~
それを見越して…▼~
エリス王女をアスク王国に~
召喚したのかもしれない。▼~
***S [#ke3ee67d]
:[エリス]|
アスク王国に来てみたものの~
私の振る舞いのせいで~
かえって迷惑をかけているのかも…▼~
:[マルス]|
どうなさいました、姉上。~
浮かない表情ですが心配事でも?▼~
:[エリス]|
マルス、それにマリクも。~
心配事ではありませんがちょっと…▼~
:[マリク]|
なにかお悩みがあるのでしたら~
ぼくたちが力になります、エリス様。▼~
:[エリス]|
ヴァイス・ブレイヴのみなさんは~
それぞれ異界に名前を残す~
立派な英雄ばかり。▼~
にもかかわらず~
私は頼まれもしないのに~
つい世話を焼いてしまうのです。▼~
:[マリク]|
世話を焼くこと自体は~
なにも問題はないのでは?▼~
:[エリス]|
いえ、弟のマルスや~
気心の知れたマリクやシーダと~
接するのとはわけが違います。▼~
もしかして、いらぬお節介で~
ご迷惑をおかけしているのではと…▼~
:[マリク]|
そんなことはありませんよ!▼~
:[マルス]|
マリクの言うとおりです。~
姉上はそのままでいいと思います。▼~
:[エリス]|
え…?▼~
:[マルス]|
ぼくは感じるのです。~
いまやヴァイス・ブレイヴのみんなが~
姉上を本当の姉のように思い…▼~
姉上の励ましを胸に~
戦いに臨んでいることを。▼~
:[マリク]|
エリス様の優しさは~
みなの支えになっているはずです。~
迷惑なんて思うはずがありませんよ。▼~
:[エリス]|
二人とも…▼~
:[マリク]|
エリス様。~
それからもみなに寄り添い~
支えてもらえますでしょうか。▼~
ぼくやマルス様の背中を~
押してくださったときのように。▼~
:[エリス]|
ええ。戦う力のない私が~
それで役に立てるのなら喜んで。▼~
:[マルス]|
姉上はそうして~
笑っておられるのが一番です。▼~
:[エリス]|
ふふ、アスク王国に来て~
たくさんの弟や妹ができたみたいで~
本当はうれしかったのです。▼~
この国は素敵な人たちばかり。~
みなさんの背中を支えられるように~
これからもお世話しますね。▼~
**草原の狼 ハーディン [#s83f88f0]
***C [#r2e0bbb1]
:[ウルフ]|
ハーディン様。~
我ら【狼騎士団】~
ここに馳せ参じました。▼~
:[ハーディン]|
ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。~
まさかお前たちと異界の地において~
くつわを並べて戦えるとはな。▼~
:[ビラク]|
ハーディン様!~
なんという運命の巡り合わせか。▼~
:[ザガロ]|
またハーディン様と~
戦場を駆けることができるとは…▼~
:[ロシェ]|
我ら【狼騎士団】~
アスク王国においても~
主命を胸に戦い抜く所存です!▼~
:[ハーディン]|
皆の忠義、ありがたく受け取ろう。▼~
どのような敵が待ち受けようとも~
私は自らの正義を信じ~
風とともに駆け抜けるのみ。▼~
:[ウルフ]|
はっ、我らの覚悟も~
すでに固まっております。~
この命、ハーディン様とともに!▼~
:[ハーディン]|
アンナ隊長から話は聞いている。▼~
お前たちは、私の時代よりも先…~
未来のオレルアンより~
召喚されたそうだな。▼~
:[ザガロ]|
はい。不思議なものですね。~
異界の召喚術というものは。▼~
:[ハーディン]|
未来のオレルアンはどうなるのか。~
アカネイアの行く末、そして~
ドルーア帝国は…▼~
聞きたいことはいくらでもあるが~
今、私がすべきことは~
未来を知ることではない。▼~
:[ビラク]|
ハーディン様…▼~
:[ハーディン]|
だが、ひとつだけわかったことがある。~
お前たち、良い顔になったな。~
数々の苦難がそうさせたのだろう。▼~
草原の狼と呼ぶにふさわしい精強さを~
ひしひしと感じるぞ。▼~
:[ロシェ]|
ハーディン様!~
もったいなきお言葉…▼~
:[ハーディン]|
戦場でのお前たちの働き~
大いに期待させてもらうぞ。▼~
:[ウルフ]|
はっ! 命に代えましても!▼~
&br;''(暗転)''~
:[ビラク]|
覇気にあふれた瞳。~
自信に満ちた言葉。~
そして…▼~
:[ロシェ]|
ぼくたちを気遣う~
大地のような優しさ。▼~
間違いない。ぼくたちが憧れ~
背中を追い続けたハーディン様だ…▼~
:[ザガロ]|
よかったな、ウルフ。~
またハーディン様とともに~
戦うことができて。▼~
:[ウルフ]|
……▼~
:[ビラク]|
ウルフ、どうかしたのか?▼~
:[ウルフ]|
知ってのとおり、ハーディン様は~
ドルーア帝国との戦いのあと~
アカネイア国王としての道を歩まれる。▼~
それは同時に、ハーディン様が~
闇に囚われる未来でもある…▼~
:[ロシェ]|
…そうだね。~
とても辛い未来だ。▼~
:[ザガロ]|
もしや、ウルフが危惧しているのは?▼~
:[ウルフ]|
そうだ。もしハーディン様が~
ご自身の未来を知ってしまったら…▼~
:[ザガロ]|
お心を乱してしまうかもしれない…~
そう心配しているのか。▼~
:[ロシェ]|
……▼~
***B [#g8d13ce9]
:[ウルフ]|
アスク王国にいれば~
ハーディン様は遅かれ早かれ~
ご自身の運命を知ることになる。▼~
:[ロシェ]|
未来のご自身に会わなくても~
ハーディン様のお耳に入るよね。▼~
:[ビラク]|
それを承知で、どうして~
エクラは~
ハーディン様を召喚されたのだ?▼~
:[ザガロ]|
その真意を~
聞きたいところではあるな。▼~
:[ウルフ]|
……▼~
&br;''(暗転)''~
:[シャロン]|
あ、【狼騎士団】の皆さん。~
これから訓練ですか?▼~
:[ロシェ]|
エクラを~
探しているんだ。~
ちょっと聞きたいことがあって。▼~
:[シャロン]|
エクラさんですか?~
秘宝砦に向かっているはずですよ。▼~
:[ザガロ]|
つまり城にはいないと?▼~
:[シャロン]|
はい。代わりに~
私が答えられることでしたら~
お教えしますけど?▼~
:[ビラク]|
話はハーディン様のことだ。▼~
えくらは~
どうして自らの運命を知らぬ~
ハーディン様を召喚されたのか。▼~
:[ウルフ]|
シャロン王女ならご存じだと思うが~
俺たちは召喚されたハーディン様よりも~
未来のオレルアンからやってきた。▼~
それゆえ、アカネイア国王になった~
ハーディン様が闇の力に囚われ…▼~
お心変わりをされる未来を~
俺たちは知っている。▼~
:[シャロン]|
そ、そのようですね。~
私もアスク王国の大図書館で~
ハーディンさんのことを知りました。▼~
:[ロシェ]|
すでにアスク王国には~
闇の力に囚われてしまった~
ハーディン様も召喚されている。▼~
もし二人のハーディン様が~
出会うことがあれば…▼~
:[ビラク]|
ハーディン様は~
ご自身の望まぬ未来を知ってしまう。▼~
それを承知でなぜ~
エクラは~
ハーディン様を召喚されたのだ!▼~
:[シャロン]|
そ、そうですよね。~
みなさん心配ですよね…▼~
あ、でも、聞いたことがあります。~
召喚される方々はみんな、~
アスク王国を救うために必要な英雄だって。▼~
なので、これもきっと~
意味のあることだと思いますよ。▼~
:[ウルフ]|
……▼~
***A [#y3b37d7a]
:[ロシェ]|
エクラには~
会えなかったけど…▼~
シャロン王女から~
興味深い話を聞けたね。▼~
:[ビラク]|
召喚される英雄は皆、~
アスク王国を救うために必要…▼~
だとすると、未来をご存知ない~
ハーディン様が召喚されたのも…▼~
:[ザガロ]|
アスク王国を守るための戦いに~
必要な存在だということか。▼~
:[ロシェ]|
ぼくは正直、昔のハーディン様と~
一緒に戦えるのがうれしいよ。▼~
ぼくたちが憧れ、ともに歩みたいと願った~
あの頃のハーディン様にまた会えるなんて。▼~
:[ウルフ]|
だが、どの時代のハーディン様であっても~
俺たちが命を捧げる存在に変わりはない。▼~
:[ザガロ]|
聡いハーディン様のことだ。~
いずれ自らの行く末を~
知ってしまわれるのではないか。▼~
:[ビラク]|
いっそ我らから申し上げるべきか。~
いや、それこそ無用な進言だな…▼~
我らがハーディン様の~
お心を乱すべきではない。▼~
:[ハーディン]|
皆、ここにいたのか。▼~
:[ウルフ]|
ハーディン様!?~
本日の訓練は終わりましたが~
なにゆえ馬具を…?▼~
:[ハーディン]|
なに、アスク王国の風を~
感じてみたいと思ってな。▼~
:[ロシェ]|
風…ですか?▼~
:[ハーディン]|
まだこの土地に不慣れでな。~
どのような風が吹いているのか~
肌で感じておきたいのだ。▼~
:[ビラク]|
ハーディン様!▼~
:[ザガロ]|
我らもお供してよろしいでしょうか?▼~
:[ハーディン]|
もちろんだ。この地においては~
お前たちに一日の長がある。~
先導してくれるか?▼~
:[ウルフ]|
はっ、お任せを!~
ザガロ、ビラク、ロシェ~
急ぎ出立の準備だ!▼~
***S [#l10446f7]
:[ハーディン]|
よい風だ…~
オレルアンの草原に吹く~
風と似ているな。▼~
:[ビラク]|
はい、おれもそう思っていました!▼~
:[ハーディン]|
私はまだアスク王国を知り得てはいない。~
だが、このような心地よい風が吹く国が~
邪悪であろうはずがない。▼~
ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。~
お前たちが私を案じてくれていることは~
この身にひしと感じている。▼~
:[ウルフ]|
ハーディン様…▼~
:[ハーディン]|
お前たちと見知らぬ大地を駆ける…~
まるで一夜の夢のようだな。▼~
しかし、この身に感じる風は~
現実だと私の魂に訴えている。▼~
ゆえに案ずるな。~
すべてを受け入れる覚悟は出来ている。▼~
私がこの世界でなにを知ろうとも~
自らの信じる正義の炎は揺るがない。▼~
:[ウルフ]|
……!▼~
:[ハーディン]|
正義の炎が放つ熱。~
それこそが私を動かす力。▼~
私はその熱に従い~
アスク王国でも正しき道を歩むのみ。▼~
:[ウルフ]|
……。~
…ハーディン様はすでに~
ご自身の行く末を…▼~
:[ビラク]|
…それでもなお、~
前に進もうと……▼~
:[ザガロ]|
…その魂の強さ…~
我々が憧れ、命を捧げたお方…▼~
:[ロシェ]|
ぼくたちの目の前にいる~
ハーディン様なら…▼~
:[ハーディン]|
どうした、皆?▼~
:[ウルフ]|
いえ。ハーディン様の魂の強さ…~
感服致しました。▼~
:[ハーディン]|
雑音や幻影には惑わされぬ。~
風に耳を傾け、私は前に進もう。▼~
草原の狼たちよ。~
この私に続くがいい。▼~
我らの道を阻むすべてのものを~
正義の剣で打ち倒して進むのだ。▼~
:[ウルフ]|
仰せのままに!▼~
:[ザガロ]|
この命、ハーディン様とともに。▼~
:[ビラク]|
【狼騎士団】の誇りにかけて!▼~
:[ロシェ]|
ぼくたちを信じてくれる~
民のためにも!▼~
:[ハーディン]|
ゆくぞ。この風の先に~
世界を照らす光があると信じて。▼~
*コメント [#s715f75c]
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