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章別会話/深淵を照らす灯火
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*深淵を照らす灯火 [#r0aa044b]
#contents
**深淵を照らす灯火 [#z9296c9d]
***オープニング [#f291a108]
:[バルタザール]|
逃げるっつったって~
いったい、どこに逃げんだよ!?~
あてもないんだろ!?▼~
:[ユーリス]|
そいつは逃げながら考えるさ。~
ヴァイス・ブレイヴだかなんだか~
知らねえが…▼~
一方的に呼びつけられて~
利用されるってのは~
どうにも気に食わねえ。▼~
:[ハピ]|
ハピはまあ、どっちでも~
よかったんだけど。▼~
:[バルタザール]|
いや、よくねえだろ。~
ハピが城でため息ついてみろ。▼~
魔物が湧き出てきて~
たちまち大混乱だろうが…!▼~
:[コンスタンツェ]|
おーっほっほっほっほっ!~
私としては無駄に明るい場所は~
ご免こうむりますわ!▼~
静寂と薄闇と気品に満ちた場所…~
それこそがこの私、コンスタンツェ=~
フォン=ヌーヴェルに相応しいですの!▼~
:[ユーリス]|
俺たちのいたアビスは~
気品とは縁遠い場所だった~
気がするがね。▼~
:[バルタザール]|
でもよ、このあたりに~
おれたちが隠れられるような~
都合のいい場所はあるのかよ?▼~
人の気配がなくて適度に暗くて~
おれたち4人が隠れられるような~
そんな場所がよ…!▼~
:[???]|
それならぁ…~
アスクの大図書館はどうでしょうかぁ…~
むにゃむにゃ…。▼~
:[ユーリス]|
背中に羽が…魔物か!?~
にしては、敵意も緊張感もねえな。▼~
:[ハピ]|
…なんでみんなハピのほうを見るの。~
別にため息なんてついてないし。▼~
:[ルピナス]|
わたしはルピナス…~
魔物じゃなくて妖精なんですよぅ。▼~
寝ながら飛んでたら~
たまたま、あなたたちの話を~
聞いちゃったので…むにゃむにゃ…▼~
:[コンスタンツェ]|
貴方、先ほど~
アスクの大図書館と仰ってましたわね?~
そこはどういう場所ですの?▼~
:[ルピナス]|
隠れる場所が必要なんですよねぇ?~
人があまりいなくて、くらくて、~
おまけに広い…▼~
それならぁ、アスクの大図書館が~
うってつけですよぉ…ふぁぁぁ…~
じゃあ、わたしはこれで…▼~
:[バルタザール]|
お、おい、寝ながら飛んでったぞ。~
大丈夫なのかアレ。▼~
:[バルタザール]|
アスクの大図書館か…。~
夜が明ける前にそこに潜り込むか。~
先のことは…それから考えるさ!▼~
***C [#c025fa79]
:[コンスタンツェ]|
こ・こ・が・アスク王国の大図書館…!~
とんでもない広さですわ!▼~
:[ハピ]|
何とかうまく潜り込めたけどさ~
これからどうするわけ?~
持ち出した食料もあんまないし。▼~
:[ユーリス]|
まずは俺たちがどうやって~
フォドラに戻るか…そいつを考える。▼~
鍵はおそらく召喚師の~
エクラだ。~
あいつをなんとかしちまえば…▼~
:[バルタザール]|
でもよ、おれたちは~
この世界を救うために呼ばれたんだろ?▼~
そいつをほっぽり出して~
帰っちまってもいいのかね。▼~
:[ユーリス]|
ヴァイス・ブレイヴには~
お歴々の英雄が揃ってるんだろ?▼~
光の当たる世界のことは~
あいつらに任せとくさ。▼~
:[ハピ]|
こっちの階段、降りてみる?~
もっと奥に続いてるみたいだけど…▼~
:[バルタザール]|
うおっ! すげぇなこの図書館!~
ここは本当に地下かよ…!▼~
:[コンスタンツェ]|
アビスもかくやと言わんばかりの~
広さですわね…▼~
蔵書の数も凄まじいですわ。~
あら? こっちには魔道の研究に~
参考になりそうな本も…▼~
:[ユーリス]|
……! 人の気配だ。▼~
おい、そこにいるんだろ?~
俺たちは隠れんぼに付き合うほど~
余裕がないんでね。▼~
:[ロキ]|
ふふ…ねぇ、あなたたち。~
確か、灰狼の学級…~
フォドラから来たんでしょう?▼~
:[ユーリス]|
あんたは…?▼~
:[ロキ]|
私はロキ。~
エクラの~
知り合いみたいなものよ。▼~
:[バルタザール]|
見たところ、お前も魔道士かい?~
こんな時間まで図書館にいるなんて~
ずいぶんと勉強熱心だな。▼~
:[ロキ]|
ちょっとした探し物を…ね。~
それに、私が地上をウロウロしていると~
眉を顰める人も多いの。▼~
:[ハピ]|
……▼~
:[ロキ]|
あなたたちも、なにか事情があって~
ここに入り込んで来たんでしょう?▼~
ここには非常食も蓄えられているから~
籠ろうと思えば~
いつまでも籠ることができるわよ。▼~
:[バルタザール]|
非常食が…?~
そいつはありがてえ。~
酒もあるといいんだがな。▼~
:[ロキ]|
ふふ…縁があれば~
また会うかもしれないわ、ねえ。~
それじゃ…▼~
:[ユーリス]|
……▼~
***B [#i8ecf520]
:[ハピ]|
そろそろ、ハピたちが逃げ出したって~
気づかれたころじゃない?▼~
:[バルタザール]|
ま、4人揃って消えりゃ~
ただ事じゃないってわかるだろうしな。▼~
時間稼ぎのために~
コンスタンツェだけでも~
置いてくればよかったか?▼~
:[コンスタンツェ]|
んなっ!?~
灰狼の学級の柱たる私抜きで~
事が進むわけありませんわ!▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ハピ]|
ユリー、なんか心配事?▼~
:[ユーリス]|
あ、いや…見れば見るほど~
この地下はすげえなって…▼~
でもな、なんか違和感があるな。~
これだけ広い図書館を~
なぜ地下に作ったんだ?▼~
元々ここに空洞があったとしても…~
別に図書館にしなくてもいいだろ。▼~
:[バルタザール]|
非常食も保管されてるってことは~
ここは巨大な待避壕も~
兼ねてるんじゃねえのか?▼~
見ただろ、あの量…~
何百人単位の人間が~
数か月は余裕で暮らせるぜ。▼~
:[コンスタンツェ]|
もしかすると、ここは人の命ではなく~
本そのものを守るために~
築かれたのかもしれませんわ。▼~
それこそ、地上のすべてが~
滅び去っても、この大図書館に~
残された書物さえ残ればいいと…▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ハピ]|
…ん?~
なんだろ、この本。~
うっすらと光ってるような…▼~
:[バルタザール]|
ずいぶんと古ぼけた本だな…って~
表紙が鉄じゃねえかこれ。~
開くのにも一苦労だぜ!▼~
:[コンスタンツェ]|
文字がかすれて~
まともに読めませんわね…。~
『九の…世界…』?▼~
:[ユーリス]|
読めるのか?▼~
:[コンスタンツェ]|
図説があるページはなんとか~
意味がわかりますわ。▼~
『ムスペル…ニフル…~
ヘル…アルフ…』▼~
それ以外のことは~
ちょっとわかりませんわね…▼~
:[ハピ]|
ね、九の世界の中心に~
描いてあるの…これって~
アスク王国の紋章じゃない?▼~
:[コンスタンツェ]|
『すべての戦いは…ここに…』▼~
:[ユーリス]|
なんだそりゃ…?▼~
もしかして、九の世界の戦乱は~
すべてアスクに集まるって~
そう…言いたいのか?▼~
***A [#wf6974f3]
:[バルタザール]|
そこに書いてあることが本当なら~
この世界に住む人々は…▼~
:[コンスタンツェ]|
終わることのない戦いの世界に~
閉じ込められている…~
ということになりますわね。▼~
:[ユーリス]|
なんだよ、そりゃ…~
まるでこの世界が~
巨大なアビスみてえなもんじゃねえか!▼~
:[ハピ]|
アビスならまだいいよ。~
地上に出る、という希望もあったし。▼~
この世界の人たちは…~
どこにも逃げ場がないんだ。▼~
:[コンスタンツェ]|
望むと望まざるに関わらず~
この世界で暮らす人たちは…~
逃れられぬ戦いに巻き込まれていく。▼~
それがこの、アスク王国の宿命…▼~
:[ユーリス]|
そんな馬鹿げた世界の仕組みがあるか。~
すべての人たちに戦いを強いるだと?▼~
みんながみんな、戦うための~
刃をもっているわけじゃねえ。▼~
いろいろな事情を抱えながらも~
日々を精一杯生きている…▼~
俺たちはアビスで~
そんな奴らを守って戦ってきた。▼~
:[バルタザール]|
これが仕組まれたものだと言うんなら…~
それぞれの戦いを引き起こす~
原因があるんじゃねえか?▼~
:[コンスタンツェ]|
待って…! この一文は…~
…戦いの始まり…終わり…~
それはすべて…▼~
:[ハピ]|
……!? コニー、危ないっ!▼~
:[コンスタンツェ]|
きゃぁっ…!?~
な、なんですの!?~
い、いきなり本が燃えて…。▼~
:[ユーリス]|
この気配…てめえ…!▼~
:[ロキ]|
あらん…あなたたちが~
私の探し物を先に~
見つけてしまったのねえ。▼~
でも、そこから先は~
人間が読んじゃダメよ。▼~
:[ユーリス]|
てめえは…何者だ?▼~
今のあんたからは~
深淵よりもっと奥にある~
底知れない闇を感じるぜ。▼~
:[ロキ]|
あなたたちが私の正体を~
知る必要はないわ。~
今はまだ…ね。▼~
面白い駒が多いほど~
盤面の詰みは読みづらくなる…▼~
あなたたちはどんな動きを~
見せてくれるかしら?~
ふふ…ふふふふ…。▼~
:[バルタザール]|
待ちやがれ…!~
って…まあ、そう言って~
待つ奴はいねえよな。▼~
:[バルタザール]|
まるで闇に溶けるように~
消えてしまいましたわ…▼~
:[ユーリス]|
……。~
この異界は…想像以上に~
やべえ場所だぞ。▼~
:[ハピ]|
だね。わかるよ。~
協力するだのしないだの~
四の五の言ってる場合じゃないし。▼~
:[コンスタンツェ]|
ヴァイス・ブレイヴが負ければ…~
即座にこの世界は暗闇に…~
深淵に沈んでしまいますわ。▼~
英雄たちだけではなく~
この世界に息づく~
すべての命を巻き込んで…▼~
:[バルタザール]|
このレスターの格闘王が…~
それを防ぐために呼ばれたってわけか。~
いっちょ、やってやるか。▼~
:[コンスタンツェ]|
ええ。私の高貴なる魔道で~
この世界を救ってさしあげてもよくってよ!▼~
:[ハピ]|
なにかに縛られるのはイヤだけど~
やるべきことをやらないのも~
気持ち悪いし。▼~
:[ユーリス]|
決まりだ。灰狼の学級は~
ヴァイス・ブレイヴに手を貸す。▼~
アビスに戻るのは…~
戦いの後ろで糸を引いてる奴らを~
ぶちのめしてからだ!▼~
**雌伏令嬢 コンスタンツェ [#vf39383d]
***C [#mb320d0e]
:[アンナ]|
え…? あなたと同じような~
境遇の英雄を紹介してほしい?▼~
:[コンスタンツェ]|
いかにもですわ!~
アスク王国にはこれだけの数の~
英雄が揃っておりますもの。▼~
私のように貴族としての生き方を奪われ~
痛ましい状況でも希望を捨てない…~
雄飛の志を持つ英雄が望みですの!▼~
:[アンナ]|
ちょ、ちょっとコンスタンツェ。~
顔が近いわよ、顔が…!▼~
:[コンスタンツェ]|
失礼、アンナ隊長。~
つい興奮してしまいましたわ。▼~
:[アンナ]|
昼間、あなたを見たときは~
「生まれてきて申し訳ございません」とか~
言ってた気がするけど…▼~
夜のあなたは人が変わったみたいに~
活き活きとしてるわね。▼~
:[コンスタンツェ]|
おーっほっほっほっ!~
これが本来の私ですの!~
陽の下の「私」のことはお忘れになって!▼~
:[アンナ]|
それで、あなたと似たような~
境遇の英雄なんだけど…。▼~
:[コンスタンツェ]|
いらっしゃいますの?~
有益な生き方をしておられるなら~
ぜひとも参考にしたいですわね!▼~
:[アンナ]|
貴族の地位を追われた英雄ね…。~
うーん…~
一応ヴィオールがいるけど…▼~
でも、彼は地位を奪われたんじゃなくて~
諸事情で自ら領土を手放したって~
聞いたような…。▼~
あと、実りある話は聞けそうにないし…。▼~
…そうだ! 彼がいたわ!▼~
詳しくは知らないんだけど~
エレブ大陸から来たレイヴァンが~
似たような境遇だったんじゃないかしら?▼~
:[コンスタンツェ]|
助かりますわ、アンナ隊長!▼~
さっそく、家を再興するために~
どのような努力をしておられるのか~
伺ってまいりますわ!▼~
***B [#u2f53937]
:[レイヴァン]|
……▼~
:[コンスタンツェ]|
見つけましたわ…~
聞き及んでいた風貌どおり。~
あの方がレイヴァン様ですわね。▼~
夜更けに失礼しますわ。~
私はコンスタンツェ=フォン…。▼~
:[レイヴァン]|
…知っている。~
お前たちはフォドラという地から~
来たと聞いた。▼~
:[コンスタンツェ]|
あら? ご存じでしたの?▼~
:[レイヴァン]|
雇われた以上、同じ軍の人間は~
顔だけでも把握しておくものだ。~
こんな寄せ集めの部隊ならなおさらな。▼~
:[コンスタンツェ]|
……!~
こ、この佇まい…~
やはり只者ではございませんわね。▼~
レイヴァン様、ぶしつけですが~
折り入って伺いたいことがございますの。▼~
私の家、ヌーヴェル家は~
アドラステア帝国貴族でも名門…~
と言って差し支えのない家柄でしたの。▼~
それが数年前に起こった戦いが元で~
私は両親と一族を亡くし…。▼~
ヌーヴェル家は爵位を失い~
取り潰しになってしまいましたの。▼~
:[レイヴァン]|
……▼~
:[コンスタンツェ]|
しかし、私は今でも家の再興を~
あきらめてはいませんわ!▼~
レイヴァン様も同様でございましょう?~
どのようにして再興するつもりか~
考えをお聞かせくださいません?▼~
:[レイヴァン]|
もう無いものに~
縛られる必要はない…▼~
:[コンスタンツェ]|
え? 今、なんと…?▼~
:[レイヴァン]|
家を再興したところで…~
失われた命は戻ってこない。▼~
それに、俺が選んだのは~
再興ではなく復讐だった。▼~
お前にとって、実になるような~
話はできないだろう。▼~
:[コンスタンツェ]|
あっ…! レイヴァン様!~
お話が…行ってしまいましたわ。▼~
選んだのは再興ではなく…復讐?~
それはどういう意味ですの…?▼~
***A [#x3859fa9]
:[コンスタンツェ]|
解せませんわ、メルセデスお姉様…!▼~
:[メルセデス]|
あらあら~。~
まだ気が昂っている感じかしら?~
まあ、紅茶でも飲んで落ち着いて~。ね?▼~
:[コンスタンツェ]|
復讐と家の再興、それは~
天秤にかけられるものですの!?▼~
新しい魔法を開発して功績を~
認められるというなら、まだわかりますわ!~
ですが、復讐なんて…。▼~
:[メルセデス]|
まあ、人にはそれぞれ~
事情があるからね~。▼~
:[ルセア]|
あの…失礼いたします。~
少々、お話ししても~
よろしいでしょうか?▼~
:[コンスタンツェ]|
あら? 貴方は…?▼~
:[ルセア]|
わたしは修道士のルセア。~
コンウォル家…~
レイモンドさまの従者をしておりました。▼~
:[コンスタンツェ]|
修道士? 修道女ではなく?▼~
:[ルセア]|
は、はい…。▼~
:[メルセデス]|
コンスタンツェ、ルセアさんは~
間違いなく男性よ~。▼~
:[コンスタンツェ]|
し、失礼しましたわ!▼~
:[メルセデス]|
レイモンドさまと言うのは…~
もしかしてレイヴァンさんのことかしら~?▼~
:[ルセア]|
はい。レイモンドさまは…~
今は偽名を使われていらっしゃるのです。▼~
先日、コンスタンツェさまが~
レイモンドさまに、ご実家のことを~
伺われたとお聞きして…▼~
:[コンスタンツェ]|
確かに伺いましたわ。~
ご実家をどのような方法で~
再興なさるのかを。▼~
ですが…。▼~
:[ルセア]|
……。▼~
レイモンドさまはコンウォル家の滅亡を~
オスティア候ウーゼルさまの~
謀略によるものだと考えられました。▼~
:[メルセデス]|
オスティア侯…? それって~
ヘクトルさんのご実家よね~?▼~
:[ルセア]|
はい。そしてレイモンドさまは~
復讐のためウーゼルさまの実弟である~
ヘクトルさまへと近づかれたのです。▼~
ですが、それは憎しみに囚われ~
噂を鵜吞みにしてしまった~
レイモンドさまの誤解でした…▼~
:[メルセデス]|
つまり…オスティア侯に~
罪はなかったってことなのね~。▼~
:[ルセア]|
しかし…レイモンドさまが~
復讐の道を選んだのは、憎しみに~
囚われたことがすべてではありません。▼~
命を落とされた、大切な人々を~
想ったがゆえの選択だったのです。▼~
:[コンスタンツェ]|
その想いは…家の再興を考えるよりも~
遥かに大きかった、ということですの?▼~
:[ルセア]|
レイモンドさまは…お優しいのです。~
大切な人々の死が~
あまりに深い哀しみだからこそ…▼~
誰かを憎むことでしか~
生きていくことができなかった…~
悲しいことですが…▼~
:[コンスタンツェ]|
……▼~
***S [#w83784b7]
:[コンスタンツェ]|
レイヴァン様…!~
今日もお伺いしたいことがございますの!▼~
:[レイヴァン]|
……。▼~
:[コンスタンツェ]|
結局…貴方の復讐は~
どうなりましたの?▼~
:[レイヴァン]|
…無念を晴らしたところで~
失われた命は帰ってこない。▼~
ヘクトルを殺したところで~
新たな憎しみを生むだけだ…▼~
:[コンスタンツェ]|
でも…貴方は~
復讐という目的を失っても~
戦うことをやめなかったのでしょう?▼~
:[レイヴァン]|
……。~
せめて…残された人間に~
居場所を作ってやりたかった。▼~
それが…~
俺が戦い続けた理由だ。▼~
:[コンスタンツェ]|
残された人間に…~
居場所を…作る…。~
それは…従者のあの方も…?▼~
:[レイヴァン]|
…お前の本当の居場所が~
再興したヌーヴェル家だと思うのなら~
それを目指せばいい。▼~
その居場所は…お前だけでなく~
お前の周囲にいる人間にとっても~
大切な場所になるはずだ。▼~
:[コンスタンツェ]|
なるほど…! なるほどですわ!~
レイヴァン様、力強いご助言のほう~
感謝いたします…!▼~
アビスで生きる私たちの居場所は…~
灰狼の学級だった。▼~
ですが、地上に出たときに~
私たちの居場所となるのは…きっと~
ヌーヴェル家のほかにありませんの!▼~
私は必ず…~
皆の居場所を作って見せますわ。▼~
それこそがヌーヴェル家を~
再興する意味ですの!▼~
どんな困難が押し寄せても~
私は本懐を遂げてみせますわよ。▼~
コンスタンツェ=フォン=ヌーヴェルに~
敗北の二文字はありませんわ!~
ほーっほっほっほっほっ!▼~
**灰色の義侠心 ユーリス [#z42f2f5b]
***C [#l69e0503]
:[ユーリス]|
あんたも変わり者だな。~
どうしてそんなに~
アビスの話を聞きたいんだ?▼~
:[フィヨルム]|
私は今まで陽が注ぐ~
明るい世界でしか~
生きてきませんでした。▼~
でも、世界にはいろいろな事情を抱え~
陽の下では生きられない人々がいる…▼~
私は、世界のそういう側面も~
知っておくべきだと思ったのです。▼~
ニフル王国の王族としてだけでなく~
一人の人間として。▼~
:[ユーリス]|
わかったよ…。話してやるよ。~
けどよ、あまり楽しい話じゃないぜ。▼~
あんたが今まで見てきた~
清く正しく明るい世界が~
濁って見えちまうかもしれねえぞ?▼~
:[フィヨルム]|
はい、覚悟の上です。~
私は、そういう世界から目をそらすことが~
心に濁りを生んでしまうと思うのです。▼~
:[ユーリス]|
そうかい…王女様は変わり者だな。~
ま、悪党の戯言だと思って~
話半分で聞いてくれよ。▼~
:(暗転)|
:[ユーリス]|
…とまあ、こんな感じだ。~
アビスってのは、そんな奴らが集まって~
肩を寄せ合って暮らしている場所だ。▼~
好き好んで、あんな穴ぐらで~
生きているわけじゃねえ。~
でもな、事情がそれを許しちゃくれねえ。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
ありがとうございます、ユーリスさん。~
私はこうして陽の下で生きられるだけでも~
幸せなのですね。▼~
:[ユーリス]|
勘違いしないでくれよ王女様。~
話だけ聞けば同情を誘うかもしれねえが…▼~
アビスにいても~
誇りを捨てずに生きている奴もいる。~
前向きに、未来に向かってな。▼~
:[フィヨルム]|
す、すみません。~
どちらが幸せかなんて~
誰にも決められませんよね。▼~
:[ユーリス]|
かもな。俺も灰狼の学級に身を置いてるが~
元々は青獅子の学級で~
平穏に過ごす予定だった。▼~
:[フィヨルム]|
え? 青獅子の学級というと~
ディミトリ王子が級長を務める…▼~
:[ユーリス]|
あのまま青獅子の学級に身を置いたら~
きっと俺の運命も違うものに~
なってたかもしれねえしな。▼~
果たして、どちらの道が~
俺の未来をより照らしてくれたのか…~
俺自身にも見当がつかねえ。▼~
:[フィヨルム]|
あの、ユーリスさん。~
あなたはそもそも…どうして~
アビスへ行くことになったのですか?▼~
***B [#p9cdfa03]
:[ユーリス]|
アビスに行くことになった理由か。~
あまり人に話せるようなもんでも~
ねえんだけどな。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[ユーリス]|
まだ青獅子の学級に籍を置いていた頃~
教団の人間と揉めちまってな。▼~
それで処刑されそうになったところを~
アルファルドさんに助けられたのさ。~
情状酌量の余地がある、とか言ってな。▼~
:[フィヨルム]|
アルファルドさん…~
この間、ユーリスさんたちと一緒に~
アスク王国にいらした修道士の方ですね。▼~
:[ユーリス]|
アルファルドさんはアビスに~
灰狼の学級を設立した、俺たちの恩人だ。▼~
アルファルドさんがいなかったら~
俺は教団の連中に処刑されてただろうな。▼~
:[フィヨルム]|
そんなに大変な揉め事だったのですか?▼~
:[ユーリス]|
俺は確かに悪党だが…~
悪党にも悪党として生きて行くうえで~
譲れない矜持ってもんがある。▼~
それをねじ曲げてまで、日の当たる~
場所で生きようとは思わなかった。~
それだけさ。▼~
で、アビスの連中は地上を追われた俺を~
なんの偏見も持たずに受け入れてくれてさ。▼~
だから、俺は決めたんだよ。~
こいつらを守るために~
アビスで戦おう、ってな。▼~
:[フィヨルム]|
…そんなことがあったんですね。▼~
:[ユーリス]|
……。▼~
おい、そこにいるんだろ?~
立ち聞きとか、あんたには~
似合わなさそうな気がするがね。▼~
:[ディミトリ]|
……。▼~
:[フィヨルム]|
ディミトリ王子…!▼~
***A [#b10e0f1b]
:[ディミトリ]|
すまない。~
立ち聞きするつもりは~
なかったのだが…▼~
:[ユーリス]|
偶然、だろ。あんたの人柄は~
聞き及んでいるよ。▼~
:[ディミトリ]|
大修道院の地下で会って以来だな。~
まさかこうしてアスク王国でも~
再会することになるとは。▼~
:[ユーリス]|
あのときは悪かったな。~
アビス暮らしは刺激が少なくてね。▼~
退屈しのぎとはいえ、皇女様や王子様~
諸侯同盟の未来のリーダーに~
剣を向けちまった。▼~
:[ディミトリ]|
いや、俺たちも、まさか~
大修道院の地下にあのような空間が~
広がっているとは思わなくてな…▼~
:[ユーリス]|
まさかそこに人間が住み着いているとか~
想像もできなかったか?~
まあ…無理もないか。▼~
:[ディミトリ]|
……。~
アビスから引き上げたあと…~
先生からいろいろと話を聞いた。▼~
アルファルド殿が~
アビスを管理されていること。▼~
アビスには、行き場を失った人々が~
肩を寄せ合い、生きているという話をな。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ディミトリ]|
青獅子の学級に籍を置きながら~
大修道院を追われた生徒の話は~
以前から噂として聞いていた。▼~
もしかすると…~
お前とともに学んでいた可能性も~
あったのかもしれないな。▼~
:[ユーリス]|
ま、俺の性格じゃ、遅かれ早かれ~
ガルグ=マク大修道院を~
追われていたかもしれないがね。▼~
:[フィヨルム]|
あの…なんのしがらみもない~
アスク王国なら…▼~
今からでもディミトリ王子と~
ユーリスさんが同じ学級で~
学べるかもしれませんね。▼~
:[ディミトリ]|
いや、フィヨルム王女。~
言葉を返すようだが…▼~
俺はユーリスを青獅子の学級に~
迎え入れようとは思わない。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
***S [#yc711c9f]
:[フィヨルム]|
え…?~
ディミトリ王子、~
それはどういう…▼~
:[ディミトリ]|
先生から聞いていたのは~
アビスの人々の暮らしだけではない。▼~
灰狼の学級…お前たちがアビスの民を~
事情を持って追われた民を…~
さまざまな困難から守っていたと聞いた。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ディミトリ]|
アビスもまた、さまざまな経験が~
得られる学びの地。▼~
お前たちはすでに~
灰狼の学級の生徒として~
誇り高く生きている。▼~
地上にある学級と比肩しても~
なんら劣ることはないだろう。~
灰狼の学級は、立派な学級のひとつだ。▼~
:[ユーリス]|
あんたのその言葉…~
他の連中にも伝えておくよ。▼~
そうだな…今さら俺には~
他の学級の看板は必要ねえ。~
灰狼の学級…それが俺たちの居場所だ。▼~
:[ディミトリ]|
もっとも…先生ならお前たちを~
地上の教室にスカウトするとか~
言い出しかねないがな。▼~
:[ユーリス]|
あの先生なら言いそうだ。~
もしかして、そんな未来もあるかもな。▼~
:[フィヨルム]|
地上と地下、場所は違えども~
学ぶ機会はどこにでもある…▼~
大切なのは場所ではなく~
それぞれの環境でなにを~
学ぶかということなのですね。▼~
:[ユーリス]|
おっ、フィヨルム王女、~
うまいことまとめたな。▼~
:[フィヨルム]|
す、すみませんっ…~
差し出がましいことを!▼~
あ、そうだ…ユーリスさんに~
あとひとつ質問なのですが…▼~
そんなに肌がお綺麗なのは~
アビス暮らしが長かったせいですか?▼~
:[ユーリス]|
うーん、これはアビスには~
あんま関係ないと思うぜ。▼~
ま、俺は生まれついての美少年だからな。~
強いて言うならそれが理由だな。▼~
:[ディミトリ]|
美少年…。~
ユーリス、確かお前は俺より年上…。▼~
:[ユーリス]|
さーてと、暇つぶしに~
城下町でもブラついてくるか。~
せっかく陽の下に出られたことだしな!▼~
:[フィヨルム]|
あっ、ユーリスさん!~
行ってしまいましたね…。▼~
:[ディミトリ]|
……。~
青獅子の学級、黒鷲の学級~
金鹿の学級、そして…灰狼の学級。▼~
これで、4つの学級すべてが~
アスク王国にも揃ったというわけですね。▼~
:[フィヨルム]|
頼りになる仲間が増えて~
アルフォンス王子も心強く~
思っていることでしょう。▼~
:[ディミトリ]|
灰狼の学級の面々…~
彼らは私たちとは違う環境で~
多くのことを学んでいます。▼~
私も彼らから学べるものは学び~
切磋琢磨していこうと思います。▼~
:[フィヨルム]|
はい! このような機会は~
そうあるものではないと私も思います。▼~
同じく私も、たくさん~
学ばせてもらおうと思います。~
一日一日を…大切に!▼~
**レスターの格闘王 バルタザール [#d15c46b7]
***C [#w4283d86]
:[バルタザール]|
うぉぉぉ!?また負けた!~
なんで勝てねえんだ!▼~
:[ヨシュア]|
毎度あり。どんなに自分に力があっても~
ツキがなけりゃ、それまでだ。▼~
:[バルタザール]|
もう一回だ! 次こそ勝つ!▼~
:[ヒルダ]|
バル兄、もうやめときなよ。~
ヨシュアさんにどれだけ負けてるの?▼~
:[バルタザール]|
次だ! 次こそは勝てる気がする!~
むしろ勝てる気しかしねえ!▼~
:[ヨシュア]|
お、いいねえ。~
自分のツキを信じるところに~
賭け事の醍醐味があるからな。▼~
:[ヒルダ]|
まぁ…また熱くなってるし。~
兄さんがいれば~
止めてもらうんだけどなぁ。▼~
でもバル兄、アスク王国に来てからも~
フォドラと同じこと繰り返すの?~
このままじゃ、また借金まみれだよ?▼~
:[バルタザール]|
むっ…。▼~
そうだよな…フォドラには~
おれの首を狙った賞金稼ぎも~
借金取りもこねえし…。▼~
心機一転、やり直すには~
絶好の機会ってやつかもしれねえな。▼~
レスターの格闘王と呼ばれたこのおれだ。~
このアスク王国でもおれの強さが通用するか~
いっちょ腕試しで自分を磨いてみるか!▼~
:[ヨシュア]|
なるほどな。そっちに賭けるなら~
そいつもまたよしだ。▼~
けど、負けた分はちゃんと払っていけよ。~
ジストとの負け分も溜まってるんだろ?▼~
:[バルタザール]|
お、おう。わかってるぜ!~
全部ひっくるめて~
いつか取り返してやっからな。▼~
***B [#maf825a4]
:[ヒルダ]|
ところでバル兄、賭け事から~
足を洗うのは大歓迎なんだけど…~
腕試しって、なにするつもり?▼~
:[バルタザール]|
決まってんだろ。~
強そうなヤツを見かけたら~
喧嘩ふっかけんのよ!!▼~
:[ヒルダ]|
は…?~
そ、それってどう考えても~
駄目でしょ!?▼~
:[バルタザール]|
…おっ!~
やたらと厳つい奴が~
歩いてるじゃねえか!▼~
おい! お前、いい身体してんな!~
腕っ節のほうも自信ありそうじゃねえか!▼~
:[ヒルダ]|
ちょ、ちょっと! バル兄…!~
やめなよ…!▼~
:[ヘルビンディ]|
おお…?~
なんだてめーは。~
喧嘩売ってんのか?▼~
:[バルタザール]|
お、いいねいいね、その殺気!~
どうだい、おれと腕比べといかねえか?▼~
:[ヘルビンディ]|
…いいぜ。ちょうど退屈してたとこだ。~
半殺しにしてやるよ。▼~
:[バルタザール]|
そうこなくちゃな!~
いっくぜぇ、おらぁっ!▼~
:[ヘルビンディ]|
後悔させてやるぜクソが! 死ねや!▼~
:[ヒルダ]|
ちょ、ちょっとバル兄!?~
ああっ、ヘルビンディさんまで…!?▼~
:(暗転)|
:[バルタザール]|
はぁ、はぁ、はぁ…。▼~
:[ヘルビンディ]|
ぜはー、ぜはー、ぜはー。▼~
:[バルタザール]|
…やるじゃねえか!~
効いたぜぇ、お前の拳!~
下っ腹までズシンと響いた!▼~
:[ヘルビンディ]|
ちっ…てめーもやるじゃねーか。~
クソ頑丈にできてやがるしよ。▼~
:[バルタザール]|
このまま殴り合っても~
顔がボコボコになるだけで~
決着がつきそうにねえな。▼~
どうだい、真の決着は~
酒の飲み比べでつけるってのは?▼~
:[ヘルビンディ]|
…バカかてめー。~
俺が負けるわけねーだろうが!~
とことん付き合ってやるぜ!▼~
:[バルタザール]|
あっはっはっは! じゃあ行こうぜ。~
この間、いい店を見つけたんだ!▼~
:[ヒルダ]|
か、肩組んで行っちゃったし。~
なんなのよ、もう…。▼~
***A [#vc2de0dc]
:[ヒルダ]|
もーっ! なにやってんのよバル兄!~
喧嘩した挙句、夜通し飲んで~
二日酔いなんて、それでも英雄?▼~
:[バルタザール]|
…歩きながらそんな怒鳴るなよ。~
頭に響くじゃねえか…。▼~
んんん…!? なんだあいつは?~
えらく腕っ節が強そうじゃねえか!?~
酔いも吹っ飛びそうだ…!▼~
:[ヒルダ]|
ちょっと、まだやる気なの!?~
って、待ちなさいよー!▼~
:[ティバーン]|
…なんだ?~
俺になにか用か?▼~
:[バルタザール]|
お前、強そうだな。~
おれと手合わせしちゃあくれねえか?▼~
:[ヒルダ]|
ちょっとバル兄、なんて口を聞くのよ!~
このお方は鷹の民を率いる~
フェニキス王国の王様なの!▼~
す、すみません、ティバーン陛下!~
この不心得者を、すぐに~
連れていきますので!▼~
:[ティバーン]|
俺と喧嘩したい…?~
いいぜ。俺たちラグズは喧嘩も大好物だ。~
かかってきな。▼~
:[バルタザール]|
そうこなくちゃな…! いっくぜぇ!▼~
:[ヒルダ]|
またこの流れー!?▼~
:(暗転)|
:[バルタザール]|
はぁ、はぁ、はぁっ…。▼~
:[ティバーン]|
やるな…~
お前、名は?▼~
:[バルタザール]|
バルタザール=フォン=アダルブレヒト。~
レスターの格闘王だ!▼~
:[ティバーン]|
ほう…お前も王か。▼~
ならば王同士、続きは酒場で~
外交するってのはどうだ?▼~
:[バルタザール]|
願ってもねえ。~
先に仕掛けたのはおれだからな、~
奢るぜ王様!▼~
:[ヒルダ]|
ちょ、ちょっと二人とも~
せめて怪我の手当てをしてから…▼~
行っちゃった…。~
もう、なんなのよーっ!▼~
***S [#xc00ec4b]
:[バルタザール]|
な、なぜだ。~
ヴァイス・ブレイヴからもらった~
支度金が底をついてるだと…?▼~
:[ヒルダ]|
そりゃあ、あんだけいい気分になって~
奢りまくったら、お金なんてすぐに~
なくなるに決まってんでしょー!▼~
:[バルタザール]|
やはり…異界でも先立つ物は~
必要だな…。▼~
ヒルダ、折り入って相談があるんだが~
ちいとばかし、金を貸してくれ!▼~
今度、デカい賭場が開かれるって~
ヨシュアから聞いてるんだ。~
頼むよ、なっ? 倍にして返すからさ!▼~
:[ヒルダ]|
…わかった。▼~
:[バルタザール]|
おっ、わかってくれたか!~
長い付き合いだもんな!▼~
:[ヒルダ]|
あたし、召喚師さんに頼んでくる。~
兄さんを、この世界に~
召喚してくれないかって。▼~
:[バルタザール]|
な、なにぃ!?~
ちょ…ちょっと待てヒルダ!~
ホルストを呼ぶってのか!?▼~
:[ヒルダ]|
あたしが言っても聞かないなら~
兄さんに言ってもらったほうが~
一番かなーって。▼~
:[バルタザール]|
ま、待て、待て待て待て!▼~
ヒルダに金を無心したなんて~
あいつに知られたら…~
い、命がいくつあっても足りねえ!▼~
:[ヒルダ]|
レスターの格闘王なんでしょ?~
そんなに怯える必要はないんじゃなーい?▼~
:[バルタザール]|
それとこれとは話は別だ!~
か、勘弁してくれ!~
今度こそ心を入れ替えるから!▼~
:[ヒルダ]|
あっ、バル兄!~
逃げられたか…。▼~
あーあ、今度こそ心を入れ替えて~
もらえるといいんだけどなー。▼~
:[ジスト]|
……。▼~
:[ヨシュア]|
どうだ、あいつが心を入れ替えるか~
賭けてみるか?▼~
:[ジスト]|
面白い、と言いたいところだが…~
おそらく賭けにならんとは思うぜ?▼~
:[ヨシュア]|
はは、違いねえ。~
ともあれ、うまい酒が飲めそうな~
仲間が増えたことは歓迎だ。▼~
:[ジスト]|
だな。これからも世話になるぜ。~
レスターの格闘王。▼~
**魔物を呼ぶため息 ハピ [#kebdc130]
***C [#t93c97c6]
:[ボーイ]|
シャロン王女、伺いたいことが~
あるんですが…。▼~
:[シャロン]|
なんでしょう、ボーイさん?~
あれ…? なんだか浮かない顔ですね。▼~
:[ボーイ]|
先日、フォドラから召喚されてきた~
英雄の中に、その…。▼~
ため息をつくと魔物を呼んでしまう~
英雄がいると聞いたのですが…。▼~
:[シャロン]|
ああ、ハピさんのことですねっ!~
わたしもその話を聞きましたけど~
びっくりしました…!▼~
:[ボーイ]|
え…やっぱり噂は~
本当だったのか…?▼~
:[シャロン]|
でも、あくまで噂じゃないですかね?~
わたしはユーリスさんが冗談っぽく~
言ってたのを聞いただけなのですが…。▼~
そうだ! どうせなら~
ご本人に聞きに行きましょう~
そうしましょう! ボーイさんもぜひ!▼~
:[ボーイ]|
……。▼~
:(暗転)|
:[ハピ]|
…それ、ホントだし。▼~
どういう理屈かはハピも知らないけど~
ハピがため息をつくと魔物が現れるの。▼~
:[ボーイ]|
あーあ…~
なんてこった…▼~
:[ハピ]|
なんなのこの人?~
いきなり頭を抱えて…。▼~
:[ボーイ]|
頼む!~
ここでは…アスク王国では~
ため息をつかないでくれ!▼~
:[ハピ]|
もちろん普段から気を付けてるけど、~
絶対にっていう約束はできないし。▼~
:[ボーイ]|
俺、魔物だけはダメなんだよ…~
うう…▼~
:[シャロン]|
大丈夫ですよ、ボーイさん。~
アスク王国には魔物らしい~
魔物は出たことはないんです。▼~
:[ボーイ]|
本当か…?~
でも、この国じゃ~
なにが起こるかわからないしな…。▼~
ハピ、一方的で悪いけど頼んだぜ。▼~
:[ハピ]|
……やば。~
今ちょっとため息つきそうになったし。▼~
***B [#v3a57343]
:[シャロン]|
というわけで、遠くからこっそりと~
ハピさんを見張ることにした~
わたしたちです!▼~
:[ボーイ]|
別にシャロン王女は~
俺に付き合わなくても…。▼~
:[シャロン]|
いやいや、気になるじゃないですか!~
本当に魔物が現れるのかなーって。▼~
でももし、本当に魔物が出ちゃったら~
どうするんですか?▼~
:[ボーイ]|
うっ…! そ、それはだな…。▼~
:[ルーテ]|
魔物のことでお困りのようですね。▼~
:[シャロン]|
あっ、ルーテさん! お困りというか~
これから困るかもしれない可能性が~
あるというか…。▼~
:(暗転)|
:[ルーテ]|
話は完璧に理解しました。▼~
あなたがたの不安は四種二十八項目に~
分類できますが…今のところ~
その多くは杞憂に終わるでしょう。▼~
:[ボーイ]|
杞憂に終わるなら~
それでいいんだけどよ…。▼~
:[ルーテ]|
しかし、ため息をつくと魔物を~
呼んでしまうというその現象…▼~
魔物を召喚するとなると~
これは闇魔法の系譜に属する~
大がかりな魔道…▼~
莫大な魔力を必要とするため~
おいそれと行えるものではありませんね。▼~
:[ボーイ]|
じゃあ、世界のどこかにいる~
魔物を「呼ぶ」という性質を持った~
特殊な技能なのか?▼~
:[ルーテ]|
そう考えるのが妥当です。▼~
:[シャロン]|
前にも言いましたけど、アスク王国で~
魔物が目撃された例はないらしいですよ。▼~
すくなくとも、ここ50年は。~
ですから、大丈夫な気も…▼~
:[ルーテ]|
50年間、目撃例がないとしても…~
51年目で現れる可能性も~
ゼロではありません。▼~
はぐれ飛竜や人間に戻れなくなった~
マムクート…そのような魔物が~
領内に潜んでいる可能性もありますね。▼~
:[ボーイ]|
じゃ、じゃあ…ハピがため息をつくと~
アスク王国のどこかにいるかもしれない~
そういう魔物を呼び寄せちまうのか?▼~
:[ルーテ]|
しかし、先ほども言った通り~
もし魔物が出たとしても~
心配する必要はありません。▼~
魔物を狩るのは慣れています。~
私、優秀ですから。▼~
:[ボーイ]|
魔物が出なけりゃそれで~
すべてが丸く収まるからな。~
何事も起こらないことを祈るぜ…▼~
***A [#kd07882c]
:[ハピ]|
……。▼~
:[ボーイ]|
よし、今のところ~
ため息をつく気配はないな。~
これなら大丈夫か…▼~
:[シャロン]|
そもそも、ため息ってどんなときに~
つくものなのでしょう?▼~
:[ボーイ]|
それは…がっかりしたときとか~
落ちこんだときとか~
呆れたときなんかじゃないですか。▼~
:[ルーテ]|
ハピを先ほどボーイが挙げた~
精神状態に陥らせなければ、~
ため息を未然に防げるかもしれません。▼~
:[シャロン]|
それでは、その兆候が現れたら~
先に私たちが行動して防ぎましょう!▼~
:(暗転)|
:[クリス]|
さて、今日も腕によりをかけて作るか…▼~
:[シャロン]|
はっ! あれを見てください!~
今日の料理当番は~
クリスさんじゃないですか!▼~
:[ボーイ]|
クリスの料理がハピの口に入ったら~
ため息一つじゃ済まない…~
俺が代わってきます!▼~
:[ハピ]|
……▼~
:[ベルナデッタ]|
うう…早く帰りたい、あたしの部屋…。▼~
:[シャロン]|
あっ! ハピさんの~
進行方向にベルナデッタさんが!▼~
:[ボーイ]|
ヤバイな、ベルナデッタの空気に~
釣られて、ハピも一緒に~
落ちこんでしまうかも…▼~
:[ルーテ]|
ボーイ、なにか面白いことを言って~
ベルナデッタの気分を~
盛り上げてきてください。▼~
:[ボーイ]|
そんなこと言われても~
急に面白いことなんか~
言えるわけないだろ…!▼~
:[ベルナデッタ]|
あ…図書室に本、忘れちゃった…▼~
:[シャロン]|
ベルナデッタさん、来た道を~
戻っていきます。これでハピさんと~
鉢合わせずに済みますよ!▼~
:[オフェリア]|
感じる…この国に迫る大いなる危機…~
暗紅のオフェリアが無数の魔物へと~
勇躍していく未来が見える!▼~
:[オーディン]|
まさかオフェリア…お前の~
ロイヤルブラッディ・マークが…!▼~
:[ルーテ]|
これはまた何かをこじらせた~
二人がきましたね。▼~
:[ボーイ]|
まずいぞ…! あいつらの世界観は~
独特過ぎる…あの空気に触れたら~
ため息が出てもおかしくない!▼~
:[ハピ]|
あのさー、いい加減にしてくんない?▼~
:[ボーイ]|
げっ…! き、気づかれた!?▼~
:[ハピ]|
ハピを見張って、なんかいろいろと~
小細工しようとしてたみたいだけど…▼~
ハピ、イライラしたときも~
ため息が出ちゃうんだよね。▼~
:[シャロン]|
えっ…? ええーっ!?▼~
***S [#vbb792bf]
:[ハピ]|
……。▼~
:[ボーイ]|
ま、待てハピ!~
落ち着け、気を鎮めてくれ…!▼~
:[シャロン]|
そ、そうですよ、ハピさん!~
なにか楽しいことを考えて…!▼~
:[ハピ]|
……▼~
どうして異界まで来て~
こんなことになってるのかなぁ。▼~
……。~
はあ…。▼~
:[ボーイ]|
う、うわぁぁぁっ!~
とうとうついた…ため息を!▼~
ど、どうなる…!?~
出るのか、魔物が!▼~
:[ローロー]|
……▼~
:[ボーイ]|
うわあああぁぁ…!~
でっ、出たぁぁぁ…!▼~
:[ローロー]|
あい?▼~
:[ボーイ]|
って、ローローじゃないか。~
てっきり魔物かと思ったぜ…▼~
:[ルーテ]|
見たところあなたは新鮮です。~
マミーでも屍兵でもなさそうですね。▼~
:[ローロー]|
オレ、魔物ちがう。~
オレ、これから斧のタンレン。~
ウキキ。▼~
:[シャロン]|
ふぅ…どうやら魔物は~
現れなかったみたいですね。▼~
:[ハピ]|
じゃあ、本当にアスク王国には~
魔物がいないんだ。~
ここではハピもため息つき放題ってこと?▼~
:[ルーテ]|
どうやら、あなたの特異体質は~
アスク王国では意味を成さないようです。▼~
:[ボーイ]|
まったく、どうなることかと思ったぜ。▼~
:(暗転)|
:[門番]|
驚きました…アスク王国にも~
あんな怖そうな魔物が出るんですね。▼~
:[アルフォンス]|
僕もはじめて見たよ。~
なんとか倒せたからいいものの…▼~
もしかすると、未知の異界から~
侵略を受けているのかもしれない。~
今後はより一層警戒しよう。▼~
:[門番]|
りょ、了解であります…!▼~
:(暗転)|
:[ハピ]|
よかった…魔物が出ないのなら~
アスク王国では~
ハピはため息つき放題だし。▼~
:[ボーイ]|
疑って悪かったな、ハピ。~
これからは好きなときに~
ため息ついてくれよ。▼~
:[シャロン]|
よかったですね!~
今日もアスク王国は平和です!~
ふふふふ!▼~
:[ボーイ]|
一件落着だな! ははははっ!▼~
:[ルーテ]|
私が優秀すぎるためでしょうか…~
非常によろしくない何かを感じるのですが…~
まあ、気にする必要はないでしょう。▼~
*コメント [#d2e0573b]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*深淵を照らす灯火 [#r0aa044b]
#contents
**深淵を照らす灯火 [#z9296c9d]
***オープニング [#f291a108]
:[バルタザール]|
逃げるっつったって~
いったい、どこに逃げんだよ!?~
あてもないんだろ!?▼~
:[ユーリス]|
そいつは逃げながら考えるさ。~
ヴァイス・ブレイヴだかなんだか~
知らねえが…▼~
一方的に呼びつけられて~
利用されるってのは~
どうにも気に食わねえ。▼~
:[ハピ]|
ハピはまあ、どっちでも~
よかったんだけど。▼~
:[バルタザール]|
いや、よくねえだろ。~
ハピが城でため息ついてみろ。▼~
魔物が湧き出てきて~
たちまち大混乱だろうが…!▼~
:[コンスタンツェ]|
おーっほっほっほっほっ!~
私としては無駄に明るい場所は~
ご免こうむりますわ!▼~
静寂と薄闇と気品に満ちた場所…~
それこそがこの私、コンスタンツェ=~
フォン=ヌーヴェルに相応しいですの!▼~
:[ユーリス]|
俺たちのいたアビスは~
気品とは縁遠い場所だった~
気がするがね。▼~
:[バルタザール]|
でもよ、このあたりに~
おれたちが隠れられるような~
都合のいい場所はあるのかよ?▼~
人の気配がなくて適度に暗くて~
おれたち4人が隠れられるような~
そんな場所がよ…!▼~
:[???]|
それならぁ…~
アスクの大図書館はどうでしょうかぁ…~
むにゃむにゃ…。▼~
:[ユーリス]|
背中に羽が…魔物か!?~
にしては、敵意も緊張感もねえな。▼~
:[ハピ]|
…なんでみんなハピのほうを見るの。~
別にため息なんてついてないし。▼~
:[ルピナス]|
わたしはルピナス…~
魔物じゃなくて妖精なんですよぅ。▼~
寝ながら飛んでたら~
たまたま、あなたたちの話を~
聞いちゃったので…むにゃむにゃ…▼~
:[コンスタンツェ]|
貴方、先ほど~
アスクの大図書館と仰ってましたわね?~
そこはどういう場所ですの?▼~
:[ルピナス]|
隠れる場所が必要なんですよねぇ?~
人があまりいなくて、くらくて、~
おまけに広い…▼~
それならぁ、アスクの大図書館が~
うってつけですよぉ…ふぁぁぁ…~
じゃあ、わたしはこれで…▼~
:[バルタザール]|
お、おい、寝ながら飛んでったぞ。~
大丈夫なのかアレ。▼~
:[バルタザール]|
アスクの大図書館か…。~
夜が明ける前にそこに潜り込むか。~
先のことは…それから考えるさ!▼~
***C [#c025fa79]
:[コンスタンツェ]|
こ・こ・が・アスク王国の大図書館…!~
とんでもない広さですわ!▼~
:[ハピ]|
何とかうまく潜り込めたけどさ~
これからどうするわけ?~
持ち出した食料もあんまないし。▼~
:[ユーリス]|
まずは俺たちがどうやって~
フォドラに戻るか…そいつを考える。▼~
鍵はおそらく召喚師の~
エクラだ。~
あいつをなんとかしちまえば…▼~
:[バルタザール]|
でもよ、おれたちは~
この世界を救うために呼ばれたんだろ?▼~
そいつをほっぽり出して~
帰っちまってもいいのかね。▼~
:[ユーリス]|
ヴァイス・ブレイヴには~
お歴々の英雄が揃ってるんだろ?▼~
光の当たる世界のことは~
あいつらに任せとくさ。▼~
:[ハピ]|
こっちの階段、降りてみる?~
もっと奥に続いてるみたいだけど…▼~
:[バルタザール]|
うおっ! すげぇなこの図書館!~
ここは本当に地下かよ…!▼~
:[コンスタンツェ]|
アビスもかくやと言わんばかりの~
広さですわね…▼~
蔵書の数も凄まじいですわ。~
あら? こっちには魔道の研究に~
参考になりそうな本も…▼~
:[ユーリス]|
……! 人の気配だ。▼~
おい、そこにいるんだろ?~
俺たちは隠れんぼに付き合うほど~
余裕がないんでね。▼~
:[ロキ]|
ふふ…ねぇ、あなたたち。~
確か、灰狼の学級…~
フォドラから来たんでしょう?▼~
:[ユーリス]|
あんたは…?▼~
:[ロキ]|
私はロキ。~
エクラの~
知り合いみたいなものよ。▼~
:[バルタザール]|
見たところ、お前も魔道士かい?~
こんな時間まで図書館にいるなんて~
ずいぶんと勉強熱心だな。▼~
:[ロキ]|
ちょっとした探し物を…ね。~
それに、私が地上をウロウロしていると~
眉を顰める人も多いの。▼~
:[ハピ]|
……▼~
:[ロキ]|
あなたたちも、なにか事情があって~
ここに入り込んで来たんでしょう?▼~
ここには非常食も蓄えられているから~
籠ろうと思えば~
いつまでも籠ることができるわよ。▼~
:[バルタザール]|
非常食が…?~
そいつはありがてえ。~
酒もあるといいんだがな。▼~
:[ロキ]|
ふふ…縁があれば~
また会うかもしれないわ、ねえ。~
それじゃ…▼~
:[ユーリス]|
……▼~
***B [#i8ecf520]
:[ハピ]|
そろそろ、ハピたちが逃げ出したって~
気づかれたころじゃない?▼~
:[バルタザール]|
ま、4人揃って消えりゃ~
ただ事じゃないってわかるだろうしな。▼~
時間稼ぎのために~
コンスタンツェだけでも~
置いてくればよかったか?▼~
:[コンスタンツェ]|
んなっ!?~
灰狼の学級の柱たる私抜きで~
事が進むわけありませんわ!▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ハピ]|
ユリー、なんか心配事?▼~
:[ユーリス]|
あ、いや…見れば見るほど~
この地下はすげえなって…▼~
でもな、なんか違和感があるな。~
これだけ広い図書館を~
なぜ地下に作ったんだ?▼~
元々ここに空洞があったとしても…~
別に図書館にしなくてもいいだろ。▼~
:[バルタザール]|
非常食も保管されてるってことは~
ここは巨大な待避壕も~
兼ねてるんじゃねえのか?▼~
見ただろ、あの量…~
何百人単位の人間が~
数か月は余裕で暮らせるぜ。▼~
:[コンスタンツェ]|
もしかすると、ここは人の命ではなく~
本そのものを守るために~
築かれたのかもしれませんわ。▼~
それこそ、地上のすべてが~
滅び去っても、この大図書館に~
残された書物さえ残ればいいと…▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ハピ]|
…ん?~
なんだろ、この本。~
うっすらと光ってるような…▼~
:[バルタザール]|
ずいぶんと古ぼけた本だな…って~
表紙が鉄じゃねえかこれ。~
開くのにも一苦労だぜ!▼~
:[コンスタンツェ]|
文字がかすれて~
まともに読めませんわね…。~
『九の…世界…』?▼~
:[ユーリス]|
読めるのか?▼~
:[コンスタンツェ]|
図説があるページはなんとか~
意味がわかりますわ。▼~
『ムスペル…ニフル…~
ヘル…アルフ…』▼~
それ以外のことは~
ちょっとわかりませんわね…▼~
:[ハピ]|
ね、九の世界の中心に~
描いてあるの…これって~
アスク王国の紋章じゃない?▼~
:[コンスタンツェ]|
『すべての戦いは…ここに…』▼~
:[ユーリス]|
なんだそりゃ…?▼~
もしかして、九の世界の戦乱は~
すべてアスクに集まるって~
そう…言いたいのか?▼~
***A [#wf6974f3]
:[バルタザール]|
そこに書いてあることが本当なら~
この世界に住む人々は…▼~
:[コンスタンツェ]|
終わることのない戦いの世界に~
閉じ込められている…~
ということになりますわね。▼~
:[ユーリス]|
なんだよ、そりゃ…~
まるでこの世界が~
巨大なアビスみてえなもんじゃねえか!▼~
:[ハピ]|
アビスならまだいいよ。~
地上に出る、という希望もあったし。▼~
この世界の人たちは…~
どこにも逃げ場がないんだ。▼~
:[コンスタンツェ]|
望むと望まざるに関わらず~
この世界で暮らす人たちは…~
逃れられぬ戦いに巻き込まれていく。▼~
それがこの、アスク王国の宿命…▼~
:[ユーリス]|
そんな馬鹿げた世界の仕組みがあるか。~
すべての人たちに戦いを強いるだと?▼~
みんながみんな、戦うための~
刃をもっているわけじゃねえ。▼~
いろいろな事情を抱えながらも~
日々を精一杯生きている…▼~
俺たちはアビスで~
そんな奴らを守って戦ってきた。▼~
:[バルタザール]|
これが仕組まれたものだと言うんなら…~
それぞれの戦いを引き起こす~
原因があるんじゃねえか?▼~
:[コンスタンツェ]|
待って…! この一文は…~
…戦いの始まり…終わり…~
それはすべて…▼~
:[ハピ]|
……!? コニー、危ないっ!▼~
:[コンスタンツェ]|
きゃぁっ…!?~
な、なんですの!?~
い、いきなり本が燃えて…。▼~
:[ユーリス]|
この気配…てめえ…!▼~
:[ロキ]|
あらん…あなたたちが~
私の探し物を先に~
見つけてしまったのねえ。▼~
でも、そこから先は~
人間が読んじゃダメよ。▼~
:[ユーリス]|
てめえは…何者だ?▼~
今のあんたからは~
深淵よりもっと奥にある~
底知れない闇を感じるぜ。▼~
:[ロキ]|
あなたたちが私の正体を~
知る必要はないわ。~
今はまだ…ね。▼~
面白い駒が多いほど~
盤面の詰みは読みづらくなる…▼~
あなたたちはどんな動きを~
見せてくれるかしら?~
ふふ…ふふふふ…。▼~
:[バルタザール]|
待ちやがれ…!~
って…まあ、そう言って~
待つ奴はいねえよな。▼~
:[バルタザール]|
まるで闇に溶けるように~
消えてしまいましたわ…▼~
:[ユーリス]|
……。~
この異界は…想像以上に~
やべえ場所だぞ。▼~
:[ハピ]|
だね。わかるよ。~
協力するだのしないだの~
四の五の言ってる場合じゃないし。▼~
:[コンスタンツェ]|
ヴァイス・ブレイヴが負ければ…~
即座にこの世界は暗闇に…~
深淵に沈んでしまいますわ。▼~
英雄たちだけではなく~
この世界に息づく~
すべての命を巻き込んで…▼~
:[バルタザール]|
このレスターの格闘王が…~
それを防ぐために呼ばれたってわけか。~
いっちょ、やってやるか。▼~
:[コンスタンツェ]|
ええ。私の高貴なる魔道で~
この世界を救ってさしあげてもよくってよ!▼~
:[ハピ]|
なにかに縛られるのはイヤだけど~
やるべきことをやらないのも~
気持ち悪いし。▼~
:[ユーリス]|
決まりだ。灰狼の学級は~
ヴァイス・ブレイヴに手を貸す。▼~
アビスに戻るのは…~
戦いの後ろで糸を引いてる奴らを~
ぶちのめしてからだ!▼~
**雌伏令嬢 コンスタンツェ [#vf39383d]
***C [#mb320d0e]
:[アンナ]|
え…? あなたと同じような~
境遇の英雄を紹介してほしい?▼~
:[コンスタンツェ]|
いかにもですわ!~
アスク王国にはこれだけの数の~
英雄が揃っておりますもの。▼~
私のように貴族としての生き方を奪われ~
痛ましい状況でも希望を捨てない…~
雄飛の志を持つ英雄が望みですの!▼~
:[アンナ]|
ちょ、ちょっとコンスタンツェ。~
顔が近いわよ、顔が…!▼~
:[コンスタンツェ]|
失礼、アンナ隊長。~
つい興奮してしまいましたわ。▼~
:[アンナ]|
昼間、あなたを見たときは~
「生まれてきて申し訳ございません」とか~
言ってた気がするけど…▼~
夜のあなたは人が変わったみたいに~
活き活きとしてるわね。▼~
:[コンスタンツェ]|
おーっほっほっほっ!~
これが本来の私ですの!~
陽の下の「私」のことはお忘れになって!▼~
:[アンナ]|
それで、あなたと似たような~
境遇の英雄なんだけど…。▼~
:[コンスタンツェ]|
いらっしゃいますの?~
有益な生き方をしておられるなら~
ぜひとも参考にしたいですわね!▼~
:[アンナ]|
貴族の地位を追われた英雄ね…。~
うーん…~
一応ヴィオールがいるけど…▼~
でも、彼は地位を奪われたんじゃなくて~
諸事情で自ら領土を手放したって~
聞いたような…。▼~
あと、実りある話は聞けそうにないし…。▼~
…そうだ! 彼がいたわ!▼~
詳しくは知らないんだけど~
エレブ大陸から来たレイヴァンが~
似たような境遇だったんじゃないかしら?▼~
:[コンスタンツェ]|
助かりますわ、アンナ隊長!▼~
さっそく、家を再興するために~
どのような努力をしておられるのか~
伺ってまいりますわ!▼~
***B [#u2f53937]
:[レイヴァン]|
……▼~
:[コンスタンツェ]|
見つけましたわ…~
聞き及んでいた風貌どおり。~
あの方がレイヴァン様ですわね。▼~
夜更けに失礼しますわ。~
私はコンスタンツェ=フォン…。▼~
:[レイヴァン]|
…知っている。~
お前たちはフォドラという地から~
来たと聞いた。▼~
:[コンスタンツェ]|
あら? ご存じでしたの?▼~
:[レイヴァン]|
雇われた以上、同じ軍の人間は~
顔だけでも把握しておくものだ。~
こんな寄せ集めの部隊ならなおさらな。▼~
:[コンスタンツェ]|
……!~
こ、この佇まい…~
やはり只者ではございませんわね。▼~
レイヴァン様、ぶしつけですが~
折り入って伺いたいことがございますの。▼~
私の家、ヌーヴェル家は~
アドラステア帝国貴族でも名門…~
と言って差し支えのない家柄でしたの。▼~
それが数年前に起こった戦いが元で~
私は両親と一族を亡くし…。▼~
ヌーヴェル家は爵位を失い~
取り潰しになってしまいましたの。▼~
:[レイヴァン]|
……▼~
:[コンスタンツェ]|
しかし、私は今でも家の再興を~
あきらめてはいませんわ!▼~
レイヴァン様も同様でございましょう?~
どのようにして再興するつもりか~
考えをお聞かせくださいません?▼~
:[レイヴァン]|
もう無いものに~
縛られる必要はない…▼~
:[コンスタンツェ]|
え? 今、なんと…?▼~
:[レイヴァン]|
家を再興したところで…~
失われた命は戻ってこない。▼~
それに、俺が選んだのは~
再興ではなく復讐だった。▼~
お前にとって、実になるような~
話はできないだろう。▼~
:[コンスタンツェ]|
あっ…! レイヴァン様!~
お話が…行ってしまいましたわ。▼~
選んだのは再興ではなく…復讐?~
それはどういう意味ですの…?▼~
***A [#x3859fa9]
:[コンスタンツェ]|
解せませんわ、メルセデスお姉様…!▼~
:[メルセデス]|
あらあら~。~
まだ気が昂っている感じかしら?~
まあ、紅茶でも飲んで落ち着いて~。ね?▼~
:[コンスタンツェ]|
復讐と家の再興、それは~
天秤にかけられるものですの!?▼~
新しい魔法を開発して功績を~
認められるというなら、まだわかりますわ!~
ですが、復讐なんて…。▼~
:[メルセデス]|
まあ、人にはそれぞれ~
事情があるからね~。▼~
:[ルセア]|
あの…失礼いたします。~
少々、お話ししても~
よろしいでしょうか?▼~
:[コンスタンツェ]|
あら? 貴方は…?▼~
:[ルセア]|
わたしは修道士のルセア。~
コンウォル家…~
レイモンドさまの従者をしておりました。▼~
:[コンスタンツェ]|
修道士? 修道女ではなく?▼~
:[ルセア]|
は、はい…。▼~
:[メルセデス]|
コンスタンツェ、ルセアさんは~
間違いなく男性よ~。▼~
:[コンスタンツェ]|
し、失礼しましたわ!▼~
:[メルセデス]|
レイモンドさまと言うのは…~
もしかしてレイヴァンさんのことかしら~?▼~
:[ルセア]|
はい。レイモンドさまは…~
今は偽名を使われていらっしゃるのです。▼~
先日、コンスタンツェさまが~
レイモンドさまに、ご実家のことを~
伺われたとお聞きして…▼~
:[コンスタンツェ]|
確かに伺いましたわ。~
ご実家をどのような方法で~
再興なさるのかを。▼~
ですが…。▼~
:[ルセア]|
……。▼~
レイモンドさまはコンウォル家の滅亡を~
オスティア候ウーゼルさまの~
謀略によるものだと考えられました。▼~
:[メルセデス]|
オスティア侯…? それって~
ヘクトルさんのご実家よね~?▼~
:[ルセア]|
はい。そしてレイモンドさまは~
復讐のためウーゼルさまの実弟である~
ヘクトルさまへと近づかれたのです。▼~
ですが、それは憎しみに囚われ~
噂を鵜吞みにしてしまった~
レイモンドさまの誤解でした…▼~
:[メルセデス]|
つまり…オスティア侯に~
罪はなかったってことなのね~。▼~
:[ルセア]|
しかし…レイモンドさまが~
復讐の道を選んだのは、憎しみに~
囚われたことがすべてではありません。▼~
命を落とされた、大切な人々を~
想ったがゆえの選択だったのです。▼~
:[コンスタンツェ]|
その想いは…家の再興を考えるよりも~
遥かに大きかった、ということですの?▼~
:[ルセア]|
レイモンドさまは…お優しいのです。~
大切な人々の死が~
あまりに深い哀しみだからこそ…▼~
誰かを憎むことでしか~
生きていくことができなかった…~
悲しいことですが…▼~
:[コンスタンツェ]|
……▼~
***S [#w83784b7]
:[コンスタンツェ]|
レイヴァン様…!~
今日もお伺いしたいことがございますの!▼~
:[レイヴァン]|
……。▼~
:[コンスタンツェ]|
結局…貴方の復讐は~
どうなりましたの?▼~
:[レイヴァン]|
…無念を晴らしたところで~
失われた命は帰ってこない。▼~
ヘクトルを殺したところで~
新たな憎しみを生むだけだ…▼~
:[コンスタンツェ]|
でも…貴方は~
復讐という目的を失っても~
戦うことをやめなかったのでしょう?▼~
:[レイヴァン]|
……。~
せめて…残された人間に~
居場所を作ってやりたかった。▼~
それが…~
俺が戦い続けた理由だ。▼~
:[コンスタンツェ]|
残された人間に…~
居場所を…作る…。~
それは…従者のあの方も…?▼~
:[レイヴァン]|
…お前の本当の居場所が~
再興したヌーヴェル家だと思うのなら~
それを目指せばいい。▼~
その居場所は…お前だけでなく~
お前の周囲にいる人間にとっても~
大切な場所になるはずだ。▼~
:[コンスタンツェ]|
なるほど…! なるほどですわ!~
レイヴァン様、力強いご助言のほう~
感謝いたします…!▼~
アビスで生きる私たちの居場所は…~
灰狼の学級だった。▼~
ですが、地上に出たときに~
私たちの居場所となるのは…きっと~
ヌーヴェル家のほかにありませんの!▼~
私は必ず…~
皆の居場所を作って見せますわ。▼~
それこそがヌーヴェル家を~
再興する意味ですの!▼~
どんな困難が押し寄せても~
私は本懐を遂げてみせますわよ。▼~
コンスタンツェ=フォン=ヌーヴェルに~
敗北の二文字はありませんわ!~
ほーっほっほっほっほっ!▼~
**灰色の義侠心 ユーリス [#z42f2f5b]
***C [#l69e0503]
:[ユーリス]|
あんたも変わり者だな。~
どうしてそんなに~
アビスの話を聞きたいんだ?▼~
:[フィヨルム]|
私は今まで陽が注ぐ~
明るい世界でしか~
生きてきませんでした。▼~
でも、世界にはいろいろな事情を抱え~
陽の下では生きられない人々がいる…▼~
私は、世界のそういう側面も~
知っておくべきだと思ったのです。▼~
ニフル王国の王族としてだけでなく~
一人の人間として。▼~
:[ユーリス]|
わかったよ…。話してやるよ。~
けどよ、あまり楽しい話じゃないぜ。▼~
あんたが今まで見てきた~
清く正しく明るい世界が~
濁って見えちまうかもしれねえぞ?▼~
:[フィヨルム]|
はい、覚悟の上です。~
私は、そういう世界から目をそらすことが~
心に濁りを生んでしまうと思うのです。▼~
:[ユーリス]|
そうかい…王女様は変わり者だな。~
ま、悪党の戯言だと思って~
話半分で聞いてくれよ。▼~
:(暗転)|
:[ユーリス]|
…とまあ、こんな感じだ。~
アビスってのは、そんな奴らが集まって~
肩を寄せ合って暮らしている場所だ。▼~
好き好んで、あんな穴ぐらで~
生きているわけじゃねえ。~
でもな、事情がそれを許しちゃくれねえ。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
ありがとうございます、ユーリスさん。~
私はこうして陽の下で生きられるだけでも~
幸せなのですね。▼~
:[ユーリス]|
勘違いしないでくれよ王女様。~
話だけ聞けば同情を誘うかもしれねえが…▼~
アビスにいても~
誇りを捨てずに生きている奴もいる。~
前向きに、未来に向かってな。▼~
:[フィヨルム]|
す、すみません。~
どちらが幸せかなんて~
誰にも決められませんよね。▼~
:[ユーリス]|
かもな。俺も灰狼の学級に身を置いてるが~
元々は青獅子の学級で~
平穏に過ごす予定だった。▼~
:[フィヨルム]|
え? 青獅子の学級というと~
ディミトリ王子が級長を務める…▼~
:[ユーリス]|
あのまま青獅子の学級に身を置いたら~
きっと俺の運命も違うものに~
なってたかもしれねえしな。▼~
果たして、どちらの道が~
俺の未来をより照らしてくれたのか…~
俺自身にも見当がつかねえ。▼~
:[フィヨルム]|
あの、ユーリスさん。~
あなたはそもそも…どうして~
アビスへ行くことになったのですか?▼~
***B [#p9cdfa03]
:[ユーリス]|
アビスに行くことになった理由か。~
あまり人に話せるようなもんでも~
ねえんだけどな。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[ユーリス]|
まだ青獅子の学級に籍を置いていた頃~
教団の人間と揉めちまってな。▼~
それで処刑されそうになったところを~
アルファルドさんに助けられたのさ。~
情状酌量の余地がある、とか言ってな。▼~
:[フィヨルム]|
アルファルドさん…~
この間、ユーリスさんたちと一緒に~
アスク王国にいらした修道士の方ですね。▼~
:[ユーリス]|
アルファルドさんはアビスに~
灰狼の学級を設立した、俺たちの恩人だ。▼~
アルファルドさんがいなかったら~
俺は教団の連中に処刑されてただろうな。▼~
:[フィヨルム]|
そんなに大変な揉め事だったのですか?▼~
:[ユーリス]|
俺は確かに悪党だが…~
悪党にも悪党として生きて行くうえで~
譲れない矜持ってもんがある。▼~
それをねじ曲げてまで、日の当たる~
場所で生きようとは思わなかった。~
それだけさ。▼~
で、アビスの連中は地上を追われた俺を~
なんの偏見も持たずに受け入れてくれてさ。▼~
だから、俺は決めたんだよ。~
こいつらを守るために~
アビスで戦おう、ってな。▼~
:[フィヨルム]|
…そんなことがあったんですね。▼~
:[ユーリス]|
……。▼~
おい、そこにいるんだろ?~
立ち聞きとか、あんたには~
似合わなさそうな気がするがね。▼~
:[ディミトリ]|
……。▼~
:[フィヨルム]|
ディミトリ王子…!▼~
***A [#b10e0f1b]
:[ディミトリ]|
すまない。~
立ち聞きするつもりは~
なかったのだが…▼~
:[ユーリス]|
偶然、だろ。あんたの人柄は~
聞き及んでいるよ。▼~
:[ディミトリ]|
大修道院の地下で会って以来だな。~
まさかこうしてアスク王国でも~
再会することになるとは。▼~
:[ユーリス]|
あのときは悪かったな。~
アビス暮らしは刺激が少なくてね。▼~
退屈しのぎとはいえ、皇女様や王子様~
諸侯同盟の未来のリーダーに~
剣を向けちまった。▼~
:[ディミトリ]|
いや、俺たちも、まさか~
大修道院の地下にあのような空間が~
広がっているとは思わなくてな…▼~
:[ユーリス]|
まさかそこに人間が住み着いているとか~
想像もできなかったか?~
まあ…無理もないか。▼~
:[ディミトリ]|
……。~
アビスから引き上げたあと…~
先生からいろいろと話を聞いた。▼~
アルファルド殿が~
アビスを管理されていること。▼~
アビスには、行き場を失った人々が~
肩を寄せ合い、生きているという話をな。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ディミトリ]|
青獅子の学級に籍を置きながら~
大修道院を追われた生徒の話は~
以前から噂として聞いていた。▼~
もしかすると…~
お前とともに学んでいた可能性も~
あったのかもしれないな。▼~
:[ユーリス]|
ま、俺の性格じゃ、遅かれ早かれ~
ガルグ=マク大修道院を~
追われていたかもしれないがね。▼~
:[フィヨルム]|
あの…なんのしがらみもない~
アスク王国なら…▼~
今からでもディミトリ王子と~
ユーリスさんが同じ学級で~
学べるかもしれませんね。▼~
:[ディミトリ]|
いや、フィヨルム王女。~
言葉を返すようだが…▼~
俺はユーリスを青獅子の学級に~
迎え入れようとは思わない。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
***S [#yc711c9f]
:[フィヨルム]|
え…?~
ディミトリ王子、~
それはどういう…▼~
:[ディミトリ]|
先生から聞いていたのは~
アビスの人々の暮らしだけではない。▼~
灰狼の学級…お前たちがアビスの民を~
事情を持って追われた民を…~
さまざまな困難から守っていたと聞いた。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[ディミトリ]|
アビスもまた、さまざまな経験が~
得られる学びの地。▼~
お前たちはすでに~
灰狼の学級の生徒として~
誇り高く生きている。▼~
地上にある学級と比肩しても~
なんら劣ることはないだろう。~
灰狼の学級は、立派な学級のひとつだ。▼~
:[ユーリス]|
あんたのその言葉…~
他の連中にも伝えておくよ。▼~
そうだな…今さら俺には~
他の学級の看板は必要ねえ。~
灰狼の学級…それが俺たちの居場所だ。▼~
:[ディミトリ]|
もっとも…先生ならお前たちを~
地上の教室にスカウトするとか~
言い出しかねないがな。▼~
:[ユーリス]|
あの先生なら言いそうだ。~
もしかして、そんな未来もあるかもな。▼~
:[フィヨルム]|
地上と地下、場所は違えども~
学ぶ機会はどこにでもある…▼~
大切なのは場所ではなく~
それぞれの環境でなにを~
学ぶかということなのですね。▼~
:[ユーリス]|
おっ、フィヨルム王女、~
うまいことまとめたな。▼~
:[フィヨルム]|
す、すみませんっ…~
差し出がましいことを!▼~
あ、そうだ…ユーリスさんに~
あとひとつ質問なのですが…▼~
そんなに肌がお綺麗なのは~
アビス暮らしが長かったせいですか?▼~
:[ユーリス]|
うーん、これはアビスには~
あんま関係ないと思うぜ。▼~
ま、俺は生まれついての美少年だからな。~
強いて言うならそれが理由だな。▼~
:[ディミトリ]|
美少年…。~
ユーリス、確かお前は俺より年上…。▼~
:[ユーリス]|
さーてと、暇つぶしに~
城下町でもブラついてくるか。~
せっかく陽の下に出られたことだしな!▼~
:[フィヨルム]|
あっ、ユーリスさん!~
行ってしまいましたね…。▼~
:[ディミトリ]|
……。~
青獅子の学級、黒鷲の学級~
金鹿の学級、そして…灰狼の学級。▼~
これで、4つの学級すべてが~
アスク王国にも揃ったというわけですね。▼~
:[フィヨルム]|
頼りになる仲間が増えて~
アルフォンス王子も心強く~
思っていることでしょう。▼~
:[ディミトリ]|
灰狼の学級の面々…~
彼らは私たちとは違う環境で~
多くのことを学んでいます。▼~
私も彼らから学べるものは学び~
切磋琢磨していこうと思います。▼~
:[フィヨルム]|
はい! このような機会は~
そうあるものではないと私も思います。▼~
同じく私も、たくさん~
学ばせてもらおうと思います。~
一日一日を…大切に!▼~
**レスターの格闘王 バルタザール [#d15c46b7]
***C [#w4283d86]
:[バルタザール]|
うぉぉぉ!?また負けた!~
なんで勝てねえんだ!▼~
:[ヨシュア]|
毎度あり。どんなに自分に力があっても~
ツキがなけりゃ、それまでだ。▼~
:[バルタザール]|
もう一回だ! 次こそ勝つ!▼~
:[ヒルダ]|
バル兄、もうやめときなよ。~
ヨシュアさんにどれだけ負けてるの?▼~
:[バルタザール]|
次だ! 次こそは勝てる気がする!~
むしろ勝てる気しかしねえ!▼~
:[ヨシュア]|
お、いいねえ。~
自分のツキを信じるところに~
賭け事の醍醐味があるからな。▼~
:[ヒルダ]|
まぁ…また熱くなってるし。~
兄さんがいれば~
止めてもらうんだけどなぁ。▼~
でもバル兄、アスク王国に来てからも~
フォドラと同じこと繰り返すの?~
このままじゃ、また借金まみれだよ?▼~
:[バルタザール]|
むっ…。▼~
そうだよな…フォドラには~
おれの首を狙った賞金稼ぎも~
借金取りもこねえし…。▼~
心機一転、やり直すには~
絶好の機会ってやつかもしれねえな。▼~
レスターの格闘王と呼ばれたこのおれだ。~
このアスク王国でもおれの強さが通用するか~
いっちょ腕試しで自分を磨いてみるか!▼~
:[ヨシュア]|
なるほどな。そっちに賭けるなら~
そいつもまたよしだ。▼~
けど、負けた分はちゃんと払っていけよ。~
ジストとの負け分も溜まってるんだろ?▼~
:[バルタザール]|
お、おう。わかってるぜ!~
全部ひっくるめて~
いつか取り返してやっからな。▼~
***B [#maf825a4]
:[ヒルダ]|
ところでバル兄、賭け事から~
足を洗うのは大歓迎なんだけど…~
腕試しって、なにするつもり?▼~
:[バルタザール]|
決まってんだろ。~
強そうなヤツを見かけたら~
喧嘩ふっかけんのよ!!▼~
:[ヒルダ]|
は…?~
そ、それってどう考えても~
駄目でしょ!?▼~
:[バルタザール]|
…おっ!~
やたらと厳つい奴が~
歩いてるじゃねえか!▼~
おい! お前、いい身体してんな!~
腕っ節のほうも自信ありそうじゃねえか!▼~
:[ヒルダ]|
ちょ、ちょっと! バル兄…!~
やめなよ…!▼~
:[ヘルビンディ]|
おお…?~
なんだてめーは。~
喧嘩売ってんのか?▼~
:[バルタザール]|
お、いいねいいね、その殺気!~
どうだい、おれと腕比べといかねえか?▼~
:[ヘルビンディ]|
…いいぜ。ちょうど退屈してたとこだ。~
半殺しにしてやるよ。▼~
:[バルタザール]|
そうこなくちゃな!~
いっくぜぇ、おらぁっ!▼~
:[ヘルビンディ]|
後悔させてやるぜクソが! 死ねや!▼~
:[ヒルダ]|
ちょ、ちょっとバル兄!?~
ああっ、ヘルビンディさんまで…!?▼~
:(暗転)|
:[バルタザール]|
はぁ、はぁ、はぁ…。▼~
:[ヘルビンディ]|
ぜはー、ぜはー、ぜはー。▼~
:[バルタザール]|
…やるじゃねえか!~
効いたぜぇ、お前の拳!~
下っ腹までズシンと響いた!▼~
:[ヘルビンディ]|
ちっ…てめーもやるじゃねーか。~
クソ頑丈にできてやがるしよ。▼~
:[バルタザール]|
このまま殴り合っても~
顔がボコボコになるだけで~
決着がつきそうにねえな。▼~
どうだい、真の決着は~
酒の飲み比べでつけるってのは?▼~
:[ヘルビンディ]|
…バカかてめー。~
俺が負けるわけねーだろうが!~
とことん付き合ってやるぜ!▼~
:[バルタザール]|
あっはっはっは! じゃあ行こうぜ。~
この間、いい店を見つけたんだ!▼~
:[ヒルダ]|
か、肩組んで行っちゃったし。~
なんなのよ、もう…。▼~
***A [#vc2de0dc]
:[ヒルダ]|
もーっ! なにやってんのよバル兄!~
喧嘩した挙句、夜通し飲んで~
二日酔いなんて、それでも英雄?▼~
:[バルタザール]|
…歩きながらそんな怒鳴るなよ。~
頭に響くじゃねえか…。▼~
んんん…!? なんだあいつは?~
えらく腕っ節が強そうじゃねえか!?~
酔いも吹っ飛びそうだ…!▼~
:[ヒルダ]|
ちょっと、まだやる気なの!?~
って、待ちなさいよー!▼~
:[ティバーン]|
…なんだ?~
俺になにか用か?▼~
:[バルタザール]|
お前、強そうだな。~
おれと手合わせしちゃあくれねえか?▼~
:[ヒルダ]|
ちょっとバル兄、なんて口を聞くのよ!~
このお方は鷹の民を率いる~
フェニキス王国の王様なの!▼~
す、すみません、ティバーン陛下!~
この不心得者を、すぐに~
連れていきますので!▼~
:[ティバーン]|
俺と喧嘩したい…?~
いいぜ。俺たちラグズは喧嘩も大好物だ。~
かかってきな。▼~
:[バルタザール]|
そうこなくちゃな…! いっくぜぇ!▼~
:[ヒルダ]|
またこの流れー!?▼~
:(暗転)|
:[バルタザール]|
はぁ、はぁ、はぁっ…。▼~
:[ティバーン]|
やるな…~
お前、名は?▼~
:[バルタザール]|
バルタザール=フォン=アダルブレヒト。~
レスターの格闘王だ!▼~
:[ティバーン]|
ほう…お前も王か。▼~
ならば王同士、続きは酒場で~
外交するってのはどうだ?▼~
:[バルタザール]|
願ってもねえ。~
先に仕掛けたのはおれだからな、~
奢るぜ王様!▼~
:[ヒルダ]|
ちょ、ちょっと二人とも~
せめて怪我の手当てをしてから…▼~
行っちゃった…。~
もう、なんなのよーっ!▼~
***S [#xc00ec4b]
:[バルタザール]|
な、なぜだ。~
ヴァイス・ブレイヴからもらった~
支度金が底をついてるだと…?▼~
:[ヒルダ]|
そりゃあ、あんだけいい気分になって~
奢りまくったら、お金なんてすぐに~
なくなるに決まってんでしょー!▼~
:[バルタザール]|
やはり…異界でも先立つ物は~
必要だな…。▼~
ヒルダ、折り入って相談があるんだが~
ちいとばかし、金を貸してくれ!▼~
今度、デカい賭場が開かれるって~
ヨシュアから聞いてるんだ。~
頼むよ、なっ? 倍にして返すからさ!▼~
:[ヒルダ]|
…わかった。▼~
:[バルタザール]|
おっ、わかってくれたか!~
長い付き合いだもんな!▼~
:[ヒルダ]|
あたし、召喚師さんに頼んでくる。~
兄さんを、この世界に~
召喚してくれないかって。▼~
:[バルタザール]|
な、なにぃ!?~
ちょ…ちょっと待てヒルダ!~
ホルストを呼ぶってのか!?▼~
:[ヒルダ]|
あたしが言っても聞かないなら~
兄さんに言ってもらったほうが~
一番かなーって。▼~
:[バルタザール]|
ま、待て、待て待て待て!▼~
ヒルダに金を無心したなんて~
あいつに知られたら…~
い、命がいくつあっても足りねえ!▼~
:[ヒルダ]|
レスターの格闘王なんでしょ?~
そんなに怯える必要はないんじゃなーい?▼~
:[バルタザール]|
それとこれとは話は別だ!~
か、勘弁してくれ!~
今度こそ心を入れ替えるから!▼~
:[ヒルダ]|
あっ、バル兄!~
逃げられたか…。▼~
あーあ、今度こそ心を入れ替えて~
もらえるといいんだけどなー。▼~
:[ジスト]|
……。▼~
:[ヨシュア]|
どうだ、あいつが心を入れ替えるか~
賭けてみるか?▼~
:[ジスト]|
面白い、と言いたいところだが…~
おそらく賭けにならんとは思うぜ?▼~
:[ヨシュア]|
はは、違いねえ。~
ともあれ、うまい酒が飲めそうな~
仲間が増えたことは歓迎だ。▼~
:[ジスト]|
だな。これからも世話になるぜ。~
レスターの格闘王。▼~
**魔物を呼ぶため息 ハピ [#kebdc130]
***C [#t93c97c6]
:[ボーイ]|
シャロン王女、伺いたいことが~
あるんですが…。▼~
:[シャロン]|
なんでしょう、ボーイさん?~
あれ…? なんだか浮かない顔ですね。▼~
:[ボーイ]|
先日、フォドラから召喚されてきた~
英雄の中に、その…。▼~
ため息をつくと魔物を呼んでしまう~
英雄がいると聞いたのですが…。▼~
:[シャロン]|
ああ、ハピさんのことですねっ!~
わたしもその話を聞きましたけど~
びっくりしました…!▼~
:[ボーイ]|
え…やっぱり噂は~
本当だったのか…?▼~
:[シャロン]|
でも、あくまで噂じゃないですかね?~
わたしはユーリスさんが冗談っぽく~
言ってたのを聞いただけなのですが…。▼~
そうだ! どうせなら~
ご本人に聞きに行きましょう~
そうしましょう! ボーイさんもぜひ!▼~
:[ボーイ]|
……。▼~
:(暗転)|
:[ハピ]|
…それ、ホントだし。▼~
どういう理屈かはハピも知らないけど~
ハピがため息をつくと魔物が現れるの。▼~
:[ボーイ]|
あーあ…~
なんてこった…▼~
:[ハピ]|
なんなのこの人?~
いきなり頭を抱えて…。▼~
:[ボーイ]|
頼む!~
ここでは…アスク王国では~
ため息をつかないでくれ!▼~
:[ハピ]|
もちろん普段から気を付けてるけど、~
絶対にっていう約束はできないし。▼~
:[ボーイ]|
俺、魔物だけはダメなんだよ…~
うう…▼~
:[シャロン]|
大丈夫ですよ、ボーイさん。~
アスク王国には魔物らしい~
魔物は出たことはないんです。▼~
:[ボーイ]|
本当か…?~
でも、この国じゃ~
なにが起こるかわからないしな…。▼~
ハピ、一方的で悪いけど頼んだぜ。▼~
:[ハピ]|
……やば。~
今ちょっとため息つきそうになったし。▼~
***B [#v3a57343]
:[シャロン]|
というわけで、遠くからこっそりと~
ハピさんを見張ることにした~
わたしたちです!▼~
:[ボーイ]|
別にシャロン王女は~
俺に付き合わなくても…。▼~
:[シャロン]|
いやいや、気になるじゃないですか!~
本当に魔物が現れるのかなーって。▼~
でももし、本当に魔物が出ちゃったら~
どうするんですか?▼~
:[ボーイ]|
うっ…! そ、それはだな…。▼~
:[ルーテ]|
魔物のことでお困りのようですね。▼~
:[シャロン]|
あっ、ルーテさん! お困りというか~
これから困るかもしれない可能性が~
あるというか…。▼~
:(暗転)|
:[ルーテ]|
話は完璧に理解しました。▼~
あなたがたの不安は四種二十八項目に~
分類できますが…今のところ~
その多くは杞憂に終わるでしょう。▼~
:[ボーイ]|
杞憂に終わるなら~
それでいいんだけどよ…。▼~
:[ルーテ]|
しかし、ため息をつくと魔物を~
呼んでしまうというその現象…▼~
魔物を召喚するとなると~
これは闇魔法の系譜に属する~
大がかりな魔道…▼~
莫大な魔力を必要とするため~
おいそれと行えるものではありませんね。▼~
:[ボーイ]|
じゃあ、世界のどこかにいる~
魔物を「呼ぶ」という性質を持った~
特殊な技能なのか?▼~
:[ルーテ]|
そう考えるのが妥当です。▼~
:[シャロン]|
前にも言いましたけど、アスク王国で~
魔物が目撃された例はないらしいですよ。▼~
すくなくとも、ここ50年は。~
ですから、大丈夫な気も…▼~
:[ルーテ]|
50年間、目撃例がないとしても…~
51年目で現れる可能性も~
ゼロではありません。▼~
はぐれ飛竜や人間に戻れなくなった~
マムクート…そのような魔物が~
領内に潜んでいる可能性もありますね。▼~
:[ボーイ]|
じゃ、じゃあ…ハピがため息をつくと~
アスク王国のどこかにいるかもしれない~
そういう魔物を呼び寄せちまうのか?▼~
:[ルーテ]|
しかし、先ほども言った通り~
もし魔物が出たとしても~
心配する必要はありません。▼~
魔物を狩るのは慣れています。~
私、優秀ですから。▼~
:[ボーイ]|
魔物が出なけりゃそれで~
すべてが丸く収まるからな。~
何事も起こらないことを祈るぜ…▼~
***A [#kd07882c]
:[ハピ]|
……。▼~
:[ボーイ]|
よし、今のところ~
ため息をつく気配はないな。~
これなら大丈夫か…▼~
:[シャロン]|
そもそも、ため息ってどんなときに~
つくものなのでしょう?▼~
:[ボーイ]|
それは…がっかりしたときとか~
落ちこんだときとか~
呆れたときなんかじゃないですか。▼~
:[ルーテ]|
ハピを先ほどボーイが挙げた~
精神状態に陥らせなければ、~
ため息を未然に防げるかもしれません。▼~
:[シャロン]|
それでは、その兆候が現れたら~
先に私たちが行動して防ぎましょう!▼~
:(暗転)|
:[クリス]|
さて、今日も腕によりをかけて作るか…▼~
:[シャロン]|
はっ! あれを見てください!~
今日の料理当番は~
クリスさんじゃないですか!▼~
:[ボーイ]|
クリスの料理がハピの口に入ったら~
ため息一つじゃ済まない…~
俺が代わってきます!▼~
:[ハピ]|
……▼~
:[ベルナデッタ]|
うう…早く帰りたい、あたしの部屋…。▼~
:[シャロン]|
あっ! ハピさんの~
進行方向にベルナデッタさんが!▼~
:[ボーイ]|
ヤバイな、ベルナデッタの空気に~
釣られて、ハピも一緒に~
落ちこんでしまうかも…▼~
:[ルーテ]|
ボーイ、なにか面白いことを言って~
ベルナデッタの気分を~
盛り上げてきてください。▼~
:[ボーイ]|
そんなこと言われても~
急に面白いことなんか~
言えるわけないだろ…!▼~
:[ベルナデッタ]|
あ…図書室に本、忘れちゃった…▼~
:[シャロン]|
ベルナデッタさん、来た道を~
戻っていきます。これでハピさんと~
鉢合わせずに済みますよ!▼~
:[オフェリア]|
感じる…この国に迫る大いなる危機…~
暗紅のオフェリアが無数の魔物へと~
勇躍していく未来が見える!▼~
:[オーディン]|
まさかオフェリア…お前の~
ロイヤルブラッディ・マークが…!▼~
:[ルーテ]|
これはまた何かをこじらせた~
二人がきましたね。▼~
:[ボーイ]|
まずいぞ…! あいつらの世界観は~
独特過ぎる…あの空気に触れたら~
ため息が出てもおかしくない!▼~
:[ハピ]|
あのさー、いい加減にしてくんない?▼~
:[ボーイ]|
げっ…! き、気づかれた!?▼~
:[ハピ]|
ハピを見張って、なんかいろいろと~
小細工しようとしてたみたいだけど…▼~
ハピ、イライラしたときも~
ため息が出ちゃうんだよね。▼~
:[シャロン]|
えっ…? ええーっ!?▼~
***S [#vbb792bf]
:[ハピ]|
……。▼~
:[ボーイ]|
ま、待てハピ!~
落ち着け、気を鎮めてくれ…!▼~
:[シャロン]|
そ、そうですよ、ハピさん!~
なにか楽しいことを考えて…!▼~
:[ハピ]|
……▼~
どうして異界まで来て~
こんなことになってるのかなぁ。▼~
……。~
はあ…。▼~
:[ボーイ]|
う、うわぁぁぁっ!~
とうとうついた…ため息を!▼~
ど、どうなる…!?~
出るのか、魔物が!▼~
:[ローロー]|
……▼~
:[ボーイ]|
うわあああぁぁ…!~
でっ、出たぁぁぁ…!▼~
:[ローロー]|
あい?▼~
:[ボーイ]|
って、ローローじゃないか。~
てっきり魔物かと思ったぜ…▼~
:[ルーテ]|
見たところあなたは新鮮です。~
マミーでも屍兵でもなさそうですね。▼~
:[ローロー]|
オレ、魔物ちがう。~
オレ、これから斧のタンレン。~
ウキキ。▼~
:[シャロン]|
ふぅ…どうやら魔物は~
現れなかったみたいですね。▼~
:[ハピ]|
じゃあ、本当にアスク王国には~
魔物がいないんだ。~
ここではハピもため息つき放題ってこと?▼~
:[ルーテ]|
どうやら、あなたの特異体質は~
アスク王国では意味を成さないようです。▼~
:[ボーイ]|
まったく、どうなることかと思ったぜ。▼~
:(暗転)|
:[門番]|
驚きました…アスク王国にも~
あんな怖そうな魔物が出るんですね。▼~
:[アルフォンス]|
僕もはじめて見たよ。~
なんとか倒せたからいいものの…▼~
もしかすると、未知の異界から~
侵略を受けているのかもしれない。~
今後はより一層警戒しよう。▼~
:[門番]|
りょ、了解であります…!▼~
:(暗転)|
:[ハピ]|
よかった…魔物が出ないのなら~
アスク王国では~
ハピはため息つき放題だし。▼~
:[ボーイ]|
疑って悪かったな、ハピ。~
これからは好きなときに~
ため息ついてくれよ。▼~
:[シャロン]|
よかったですね!~
今日もアスク王国は平和です!~
ふふふふ!▼~
:[ボーイ]|
一件落着だな! ははははっ!▼~
:[ルーテ]|
私が優秀すぎるためでしょうか…~
非常によろしくない何かを感じるのですが…~
まあ、気にする必要はないでしょう。▼~
*コメント [#d2e0573b]
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