[広告]
章別会話/深淵に蠢く絶望
をテンプレートにして作成
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
検索
|
最終更新
|
ヘルプ
]
開始行:
[[章別会話]]
*深淵に蠢く絶望 [#v1b702fd]
#contents
**深淵に蠢く絶望 [#wd51c7ed]
***オープニング [#r0749ba9]
:[アンナ]|
そろそろアスク王国と~
エンブラ帝国の国境のあたりよ。~
あと少しで若草の村に着くわね。▼~
黒い闇に閉ざされた村は~
元に戻ったって聞いたけど~
まだまだ安心はできないわ。▼~
:[アシュ]|
お気をつけてください。このあたりには~
憑竜エンブラの【閉ざす力】の影響が~
少なからず残っておりますので…▼~
:[アルフォンス]|
すべてを閉じ込めてしまう黒い闇。~
今回の調査で、どんな影響があるのか~
しっかりと確認しておきたい。▼~
:[シャロン]|
そうですね。~
うっかり足を踏み入れたら~
大変なことになりそうですし。▼~
あっ、エクラさん。~
その茂み、足元が見えにくいので~
気を付けてくださいね。▼~
:(画面が点滅する)|
:[アルフォンス]|
!?~
エクラ!▼~
:[シャロン]|
わ、わわわっ!~
エクラさんの身体が~
黒い闇に…吸い込まれて!?▼~
:[アシュ]|
召喚師様っ!?~
な、なんということでしょう!~
これは危急の一大事と申しましょうか…▼~
:(暗転)|
:[エルム]|
……▼~
ううっ…頭の中が…~
霞がかかったみたいに…▼~
ここはどこだ?~
僕は神竜アスクの世界に入って~
そこで力を失ったはず…▼~
そ、そうだ、エンブラ様は!?~
エンブラ様はどこに!▼~
……!?~
こいつは、アスク王国の召喚師!~
どうしてここにいるんだ?▼~
死んでいるのか?~
いや、気を失っているだけか…▼~
:(白く光る)|
:[エルム]|
くっ! なんだ!?~
この光は…~
こいつの神器が光ってるのか?▼~
この神器にはたしか~
異界の英雄を召喚できる力が…~
!▼~
:(白く光る)|
:[ハイドラ]|
……▼~
:[クロム]|
……▼~
:[マリア]|
ここは…どこ?~
兄様、姉様…▼~
:[ベレス]|
闇の…中…?~
これは…いったい…▼~
…………。~
ええい、これは尋常ではない!~
わしに代われ!▼~
おい、そこの&ruby(こわっぱ){小童};!~
わしらを闇の中に~
封じたのはおぬしじゃな!▼~
:[エルム]|
な、なにを言ってるんだ?~
僕はなんの関係もない!~
こいつの神器が勝手に…▼~
:[ハイドラ]|
ここは、透魔王国ではないな。▼~
…なるほど、理解したぞ。~
あのときに見えた未来は~
これを指し示していたか。▼~
:[エルム]|
な、なに、訳のわからないことを~
言って…うわっ!▼~
:[クロム]|
イノチハ…カリトル…▼~
:[エルム]|
あ、危ないだろ!~
こいつ、僕を殺す気で~
剣を振り下ろしやがった!▼~
:[マリア]|
あなたの…メディウスさまの…~
じゃまを…するの…?~
じゃまを…するもの…消えて…▼~
:[エルム]|
くっ!~
おいっ、起きろ召喚師!~
こいつらをなんとかしろ!▼~
ちっ、気を失ったまま死ぬ気か!~
この役立たず!▼~
:[アシュ]|
召喚師様―! ご無事でしょうか?~
神竜アスク様の眷属として~
不肖ながら私がお助けできればと…~
:[エルム]|
牛女!?~
:[アシュ]|
もしかして、お取り込み中のご様子?~
ここは逃げるが得策と思われます。~
召喚師様は私が背負いますので…▼~
:[エルム]|
お、おい、牛女!~
僕の話を聞け!~
***C [#lc7f6cb5]
:[アシュ]|
はぁはぁ、とりあえず~
ここまで逃げれば大丈夫かと。▼~
…よいしょっと。召喚師様は~
気を失っておられるだけのようです。~
お命に別状はないご様子でなにより…▼~
:[エルム]|
説明しろ、牛女!~
いったい、ここはどこだ?~
さっきのイカれた連中はなんだ?▼~
そいつが気絶したまま~
召喚したみたいだったぞ!▼~
:[アシュ]|
召喚師様が意識を失ったままに~
ブレイザブリクが発動するとは、~
ただただ驚くばかりであります。▼~
なにぶん、ここは~
閉ざされた闇の中でありますから、~
私にもはっきりした理由までは…▼~
:[エルム]|
閉ざされた闇の中?~
ここはエンブラ様のお力で~
作られた空間なのか?▼~
:[アシュ]|
はい。~
私は闇の中に囚われた召喚師様を~
助けに馳せ参じた次第であります。▼~
:[エルム]|
ドジ踏んだそいつの~
尻拭いに来たってわけか?▼~
って、そんなことはどうでもいい。~
それよりエンブラ様は!?▼~
:[アシュ]|
実は…アスク様も~
憑竜エンブラも…~
去ってしまわれました。▼~
:[エルム]|
なんだって!? うそをつくな!~
あのエンブラ様がアスクなんかに~
後れをとるわけが!▼~
:[アシュ]|
お二人が消滅するとき~
お互いのわだかまりも~
一緒に消えたともうしましょうか。▼~
そのおかげで、~
アスク王国とエンブラ帝国は今や~
手を携えた状態でありまして。▼~
ゆえに、眷属たる私たちもまた、~
もう争う必要はないのであります。▼~
:[エルム]|
……▼~
:[アシュ]|
今、私たちがすべきことは協力して~
ここから出ることではないかと~
そのように思う次第でありまして。▼~
:[エルム]|
黙れ…僕は、僕は信じないぞ。▼~
神竜アスクはともかく~
エンブラ様がいなくなるはずがない。~
あのエンブラ様が!▼~
:[アシュ]|
……!?~
あぶないっ!▼~
:[エルム]|
くっ!? この攻撃はまさか!▼~
:[ベレス]|
出せ…お主ら…~
この闇から、わしらを出せ!▼~
:[アシュ]|
ベレス先生!? いえ、この雰囲気。~
私が知っている御方とは異質な空気を~
感じざるを得ないわけでありまして…▼~
:[クロム]|
イノチヲ…ヨコセ…▼~
:[アシュ]|
クロム王子!?~
ですが、少々顔色が優れないご様子…▼~
いえ、そういう問題でないほど~
姿形が変わってしまわれたといいましょうか。▼~
:[エルム]|
なに、のんきなことを言ってるんだ!~
見りゃわかるだろ、ヤバいやつらだって!▼~
くそっ、さっき目覚めたばかりで~
まだ力が戻ってないか…~
ここは逃げるぞ、牛女!~
:[アシュ]|
し、承知致しました。~
召喚師様は私が背負って、と。~
どちらへ逃げるのが良いでしょうか?▼~
:[エルム]|
知るか! 勝手に逃げろ!▼~
:[ベレス]|
逃がさんぞ、痴れ者どもが!▼~
***B [#c02247ff]
:[エルム]|
はぁはぁ、なんとか撒いたか…▼~
:[アシュ]|
あの殺気たるや尋常ではないご様子、~
少しでも逃げる足を緩めれば、私たちも~
使者の列に加えられていたことは確実で…▼~
:[エルム]|
で、どうしてお前は~
僕と同じ方向に逃げるんだよ!▼~
お前らが囮になれば楽に逃げられたのに。▼~
:[アシュ]|
ですが、先ほど~
「こっちだ!」と仰られたような気が…?▼~
:[エルム]|
あれはつい口をついて出ただけだ!~
くそっ、調子が狂うな。▼~
:[マリア]|
…人は…いつまでも…~
あらそいつづける。▼~
:[アシュ]|
マリア王女!? いえ、その目は~
あのお優しいマリア王女とは違う~
深い絶望をたたえた瞳と申しますか…▼~
:[マリア]|
ミシェイル兄様も…~
ミネルバ姉様も…▼~
にんげんたちが…いきているかぎり~
かなしみは…ひろがっていく…▼~
いっそ…~
みんなみんな…~
いなくなれば…▼~
:[アシュ]|
わわっ!~
マリア王女、あの優しかったお心を今一度~
思い出していただきたいと…はわ-っ!?▼~
:[エルム]|
避けろよ、馬鹿牛!~
見てわかるだろう?~
話が通じるような相手じゃない!▼~
:[ハイドラ]|
…そうだ。~
貴様ら人間と話し合う余地はない。▼~
心を踏みにじり、思いを裏切り…~
真実価値のない人間どもなど~
滅ぼすよりほかはない。▼~
:[エルム]|
な、なんだ、この異様な圧力は!?~
まるでエンブラ様のような…。~
いや、もっと異質な深い闇。▼~
くそっ、召喚師め。~
なんてやつを呼び出したんだ!▼~
:[ハイドラ]|
侮るな…我は~
召喚に応じたわけではない…▼~
先んじて我が眷属を送り込み…~
自らの力でこの世界に乗り込んできた。~
開かれた国である…この地に。▼~
:[アシュ]|
そ、そのような所業は~
もはや神に等しい力…!?▼~
もしや、この英雄の方々が~
同時に召喚されたのもその影響…?▼~
:[ハイドラ]|
ここより通じる、すべての世界を~
人間たちが息づくすべての国を…~
滅ぼしてくれる!▼~
:[エルム]|
まずは手はじめに~
僕たちを消そうというわけか!?~
くっ、思い通りにさせるか!▼~
お前たちのような禍々しい連中を~
エンブラ様が創った国に~
行かせはしないぞ!▼~
:[ベレス]|
出せっ! ここから出せっ!~
終わりのない闇から~
わしらを出せぇっ!▼~
:[クロム]|
スベテノ…イノチヲ…~
ゼツボウニ…▼~
:[アシュ]|
こ、これはまさに~
絵に描いたような絶体絶命!~
早急に打開策を立てねばなりません…!▼~
***A [#nc1a8513]
:[エルム]|
くそっ!~
エンブラ様の眷属として~
ここで終わるわけには…!▼~
:[アシュ]|
あのですね、ひとつ提案がありまして、~
その効果は不確かではありながらも~
可能性としては決して低くはなく…▼~
:[エルム]|
ああもう! 回りくどいんだよ!~
要点を言え!▼~
:[アシュ]|
私が神竜アスク様のお力をお借りすれば、~
この闇を開いて外に出られる~
可能性があるかと存じます。▼~
ですがそれには、~
あなたの力も必要と考えておりまして…~
ご助力願えますでしょうか?▼~
:[エルム]|
僕がお前と力を合わせるだって?~
馬鹿なことを…▼~
:[アシュ]|
あなたが今いるのは、~
あなたの主が、生きてほしいと~
願ったからではないでしょうか?▼~
なら、あなたには眷属として~
生きる使命があると思うのです。~
主の想いを忘れぬために。▼~
:[エルム]|
……▼~
:[アシュ]|
外に出ればアスク王国とエンブラ帝国が~
和解の道を歩んでいることも~
確かめられるはず…わわっ!▼~
:[ベレス]|
なにをごちゃごちゃと!~
早くわしらをここから出さぬか!▼~
:[マリア]|
消えて…すべて…~
…あらそいも…▼~
:[エルム]|
くっ! 牛女!~
お前たちを助けるわけじゃない。~
エンブラ様のご遺志を確かめるためだ!▼~
こいつらを闇の中に閉ざしたまま~
僕たちだけ外に脱出する!▼~
:[クロム]|
オオオオッ!▼~
:[ハイドラ]|
…死ぬがよい。▼~
:[アシュ]|
開神アスクの御名において!▼~
:[エルム]|
閉神エンブラの御名において!▼~
:[アシュ]|
闇を開き~
光さす世界へ―――!▼~
:(暗転)|
:[アシュ]|
う、う-ん…~
はて? ここは…▼~
:[アルフォンス]|
アシュ!~
それに~
エクラも!▼~
:[シャロン]|
よかった!~
無事だったんですねっ!▼~
:[アンナ]|
エクラは~
大丈夫なの? って…~
気を失っただけみたいだね。▼~
:[アシュ]|
私たちは闇の中から~
戻ってこられたのですね…▼~
はっ!?~
彼を見ませんでしたでしょうか?~
憑竜エンブラの眷属の…▼~
:[アンナ]|
私たちが見つけた時は~
エクラと~
アシュの姿しかなかったわよ?▼~
:[アシュ]|
そう…ですか。彼はどこかに~
行ってしまわれたのでしょうか。▼~
これからは、憑竜エンブラが遺した~
エンブラ帝国のために~
力を使ってくれればいいのですが…▼~
いえ、きっとそうしてくださる…~
私、そう思う次第であります…▼~
**屍王 クロム [#y03b161a]
***C [#t15e71d5]
:[フレデリク]|
ここが【竜の祭壇】ですか……~
たしかに禍々しい気配を感じますね。▼~
:[ルフレ]|
ギムレー教団を率いるファウダー。~
奴をここまで追い詰めたんだ。~
一気に叩き潰そう。▼~
:[クロム(通常)]|
だが、いいのか?~
もしかするとファウダーはお前の…▼~
:[ルフレ]|
構わない。~
今、優先すべきものはなんなのか~
しっかりと見えているつもりだよ。▼~
:[クロム(通常)]|
そうか…。ならば~
その決意に甘えさせてもらおう。▼~
お前が俺の隣にいてくれてよかった。~
俺は…お前とならば、どんな苦難でも~
乗り越えられると信じている。▼~
:[リズ]|
わたしたちだって一緒なんだからね!?▼
:[ティアモ]|
皆で力を合わせたからこそ~
ここまで来れたのだと信じてるわ。▼~
:[グレゴ]|
ま、そ-いうこったな。▼~
:[ガイア]|
なにを足踏みしている。~
さっさと終わらせるぞ。▼~
:[ヴィオール]|
貴族的に勝利を収め~
優雅に凱旋するとしようじゃないか。▼~
:[ドニ]|
クロム様!~
おらも最後まで頑張りますだ!▼~
:[リベラ]|
無益な争いは~
これで最後にしたいですね。▼~
:[ヘンリー]|
戦いが終わっちゃうのは残念だけど~
みんな、平和が好きなんでしょ?▼~
:[オリヴィエ]|
一生懸命踊ります!~
みんなのためにも…!▼~
:[ベルベット]|
いきましょう。~
命を…未来につなぐために。▼~
:[セルジュ]|
みなさん、この戦いに勝って~
必ず生きて戻りましょうね。▼~
:[ノノ]|
ノノがみんなを守るの!▼~
:[ソワレ]|
頼りになる仲間がこんなにもいるんだ。~
心強いだろう、クロム?▼~
:[クロム(通常)]|
…ああ、そうだな。~
ありがとう、みんな。▼~
今一度、力を貸してくれ。~
ファウダーの野望、ここで打ち砕くぞ!▼~
:(暗転)|
:[クロム(通常)]|
この一撃で、すべてを終わらせる!~
覚悟しろ、ファウダー!!▼~
:[マリアベル]|
今ですわ!~
やっちまってくださいまし!▼~
:[リヒト]|
いっけえええっ、クロムさん!▼~
:[サーリャ]|
これで…終わり…!▼~
:[クロム(通常)]|
はああああああっ!!▼~
:(白く光る)|
:[クロム(通常)]|
はあ、はあ…やったか?~
勝ったのか、俺たちは!~
これでイーリスは…~
世界は…救われる!▼~
***B [#i5ffb271]
:[ソール]|
やった…倒した…。~
僕たちが勝ったんだよね?▼~
:[ミリエル]|
はい、この目で確認しました。~
我々が勝利を収めたことは~
間違いないでしょう。▼~
:[スミア]|
よかった、クロム様。~
皆さん、こんなにボロボロになって~
私、もうダメなんじゃないかって…▼~
:[クロム(通常)]|
勝った…勝ったんだな。~
姉さん…やったぞ…~
俺たちの手でファウダーを倒したんだ!▼~
:[フレデリク]|
おめでとう…ござ…~
クロム…さま…。▼~
:[クロム(通常)]|
ん? どうした、フレデリク?~
姿が…ゆがんで…?▼~
:[リズ]|
おにい…ちゃ…~
これで…もう…▼~
:[クロム(通常)]|
リズ!? どうした!?~
声が…かすれて聞こえない!▼~
:[ティアモ]|
……▼~
:[ヴィオール]|
……▼~
:[クロム(通常)]|
様子が変だ!~
おい、みんなどうした!~
なにがあったんだ!?▼~
無事なのか、リズ!~
フレデリク、返事をしろ!▼~
い、いない…!?~
さっきまで、俺のまわりに~
みんながいたはずなのに!▼~
:[ルフレ]|
クロム…どうかしたのかい?~
そんなに取り乱して…▼~
:[クロム(通常)]|
なにかがおかしい!~
みんなの姿が見当たらないんだ!~
さっきまで、ここにいたはずなのに!▼~
:[ルフレ]|
何を言ってるんだい。~
みんななら、ほら…~
あそこで寝ているじゃないか。▼~
:[クロム(通常)]|
なっ!?~
みんな、どうしたんだ!~
大丈夫か、しっかりしろ!▼~
……!?~
息を…していない…~
どういうことなんだ、これは!▼~
ヴェイク! ソール! ソワレ! ドニ!~
どうして誰も起きないんだ!?▼~
:[ルフレ]|
なにを言っているんだい、クロム。~
驚く必要なんてないだろう?▼~
:(暗転)|
:[ルフレ(邪竜)]|
だって…彼らを殺したのは~
ほかならぬ君なんだよ?▼~
:[クロム(通常)]|
馬鹿な!~
俺が大切な仲間たちを~
手に掛けるはずはない!▼~
俺たちは約束したんだ!~
ファウダーとの戦いに勝って~
みなで生きて帰ると!!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
それは無理だよ。~
だって今の君の顔…~
死者そのものだよ?~
命を持たない屍兵のようにね。▼~
:[クロム]|
な、なんだこれは…~
俺の手が…足が…▼~
***A [#kbbf1121]
:[ルフレ(邪竜)]|
クロム…~
君は勝利したと思っていたようだね。~
だけど、それは勘違いなんだ。▼~
:[クロム]|
ナニ…ヲ…言ッテ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
その証拠に…君の肉体から~
すでに命は失われている。▼~
そして、君の命を奪ったのは…~
本来の魂の形…邪竜ギムレーを宿した~
この僕なのだから。▼~
:[クロム]|
マ…サカ…~
ルフレ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
君が知るルフレは残念ながら~
もう僕の中から消えた。~
敗北したんだよ▼~
あの人格は、もう存在しない。~
二度と会うことは叶わないだろうね。▼~
:[クロム]|
カエ…セ…アイツ…ヲ…~
グゥゥ…オオオ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
さあ、おしゃべりの時間はおしまいだ。~
君を蝕む闇に抗うすべはないよ。~
身を委ねれば、すぐ楽になれるから。▼~
:[クロム]|
オレハ…ミンナ…ヲ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ああ、そうだったね。~
君は仲間たちとの絆を~
とても大切にしているんだね。▼~
だけど、安心していいよ。~
みんなももう、~
君と同じ運命を辿った後だ。▼~
:[クロム]|
……!!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
君は彼らを率いて屍兵の王になるんだ。~
群れることが大好きな君だ。~
これで寂しくはないだろう?▼~
:[クロム]|
マ…サカ…~
コ…ンナ…コト…ガ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
手はじめに、イーリス聖王国から~
落としていくとしよう。▼~
王族である君の手によって~
イーリス聖王国の民の命は奪われるんだ。~
君の活躍に期待しているよ。▼~
:[クロム]|
ソ…ンナ…コトハ…~
グゥゥ…オオオオッ!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ふふ…楽しみだね、クロム。~
一緒に、世界を~
破滅と絶望で満たそう。▼~
:[クロム]|
ス…マナ…イ…姉サン。~
オレ…ハ…▼~
***S [#nc087699]
:[クロム]|
……~
コロス…~
スベテノ…命ヲ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
素晴らしいじゃないか、クロム。~
僕の想像以上だよ。▼~
すべては、滅びるために存在している。~
この調子なら、大陸全土が~
落ちるのも時間の問題だね。▼~
世界は間違いなく~
絶望の未来へと歩みを進めているよ。▼~
:[クロム]|
世界ハ…絶望ニ…満タサレル…~
運命ハ変エラレ…ナイ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ああ、そのとおりだよ。~
運命を変えるなんていう言葉は~
弱者が足掻くための欺瞞だ。▼~
だけど、急いで殺しすぎたかな。~
おかげで、君の仕事はもう~
ほとんど残っていないだろう。▼~
ん…?~
なんだ、この気配は?▼~
異界の門が開いている…?~
いや…これは…呼ばれているのか?~
なるほど、そういうことか……▼~
クロム、君が奪うべき命は~
まだいくらでもあるみたいだよ。~
この世界とは別の異界にね。▼~
:(白く光る)|
:[クロム]|
グゥ…ウオオッ…!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
どうやら君のことを~
召喚したがっている者がいるようだ。~
面白いお誘いじゃないか。▼~
この世界は、すでに絶望に染まった。~
次は異界でその力を…▼~
くっ…!?~
な、なんだ…これは…!▼~
:[ルフレ]|
い、行く…んだ…クロム…~
すでに僕たちの世界は……~
絶望に抗えず…敗北した…▼~
でも、別の異界で生きる僕たちに…~
危険を…知らせることは…できるはず。▼~
:[クロム]|
……!?~
ルフ…レ…俺…ハ…▼~
:[ルフレ]|
僕たちと同じ運命を…~
辿らせないためにも…~
行って…伝えて…くっ!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ふん、余計なことを…~
僕の中にゴミの意識が残っていたのか。▼~
クロム、今の君ができるのは~
殺し尽くすことだけだよ。~
そのためだけに君は異界に旅立つんだ。▼~
:[クロム]|
…世界ハ…絶望ニ…~
…ルフレ…▼~
…運命…ハ…~
……▼~
**復讐を誓いし器 ベレス [#a08c4a5b]
***C [#qfc7cfbd]
:[ベレス(通常)]|
ここにも敵が…!?~
伏せて!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
くっ! 伏兵!?▼~
:[ベレス(通常)]|
はぁぁぁっ!~
よし、退けたか…~
危ないところだったね。▼~
:[エイル]|
ありがとう。助かったわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
気を抜かないで。~
まだ敵が残っている。▼~
:[エイル]|
ええ。~
戦いに…集中しないと。~
……▼~
:[ベレス(通常)]|
ん? どうかした?~
自分の顔に…なにか付いてる?▼~
:[エイル]|
いえ。なんでもないわ。~
……▼~
:(暗転)~
:[エイル]|
あの…少し、いいかしら。▼~
:[ベレス(通常)]|
ん? 君はさっきの~
なにか用?▼~
:[エイル]|
今日は…助かったわ。~
あらためて、お礼を言おうと思って▼~
:[ベレス(通常)]|
礼には及ばない。~
強い仲間を助ければ、自分の助けになる。~
傭兵にとって当たり前のこと。▼~
また戦場で一緒になったとき~
力を合わせて戦いたいものね。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ベレス(通常)]|
……?~
やっぱり顔になにか付いてる?▼~
:[エイル]|
いえ、ごめんなさい。~
なんでもないわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
そう…では、また。▼~
:[エイル]|
なにかしら…~
さっきの奇妙な感じは…▼~
あの人からは、ほかの英雄とは違う~
不思議ななにかを感じる…▼~
:(暗転)~
:[フィヨルム]|
え? ベレスさんの…~
人となりですか?▼~
:[エイル]|
彼女とは、あまり接点がないから。~
知っていることがあれば~
教えて欲しいの…▼~
:[フィヨルム]|
そうですね…▼~
元は傭兵の出身らしいですが~
フォドラでは士官学校の~
先生も務められていたとか。▼~
:[シャロン]|
ヴァイス・ブレイヴにいる~
士官学校の生徒さんたちからは~
ずいぶん慕われているみたいですよ!▼~
でも、ベレス先生の人となりなんて~
なにかあったんですか?▼~
:[エイル]|
先日、戦場で彼女に助けられたの。▼~
:[シャロン]|
なるほど! それでご縁ができて~
気になった…という感じですね?▼~
:[エイル]|
そうね。気になった、という表現は~
間違ってはいないわね。~
……▼~
***B [#t8e88594]
:[ベレス(通常)]|
せいっ! はぁぁっ!▼~
敵の数が予想以上に多い…~
ここはいったん退いて~
態勢を立て直すべきかな?▼~
:[エイル]|
いけない。ベレス!~
そちらの方角は~
大勢の敵兵が隠れているわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
エイル!~
なるほど、敵も馬鹿ではないな。~
すっかり囲まれた…というわけね。▼~
:[エイル]|
ベレス! 後ろ!▼~
:[ベレス(通常)]|
くっ!?~
反応が遅れた!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
ええい、なにをしておるのじゃ。~
まどろっこしい!▼~
:[エイル]|
……!?~
ベレスの髪の色が変わった?~
これは…いったい…▼~
:[ベレス]|
小さきものどもが…~
わしの器に傷をつけようとは…~
呆れた身の程知らずよの。▼~
その不遜、万死に値するわ!~
はぁぁぁぁっ!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
……!?~
敵兵たちが一撃で…~
なんという力!▼~
それに、この…感じ…~
前に感じた、あの違和感の正体は…▼~
:[ベレス]|
せやぁぁぁっ!~
そらそらっ! わしの本当の力は~
こんなものではないぞ!▼~
死にたいものから~
前に出るとよいわ!~
即座に引導を渡してやろう!▼~
:[エイル]|
くっ!? この力…~
本当に…彼女はベレスなの…▼~
***A [#t195d4ce]
:[ベレス]|
はぁぁぁっ! せやぁっ!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
うっとうしい羽虫どもが!~
これで終わりじゃ!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
なんという苛烈な戦い方…▼~
自分に敵意を剥けてくる者を~
容赦なく…叩き潰す…▼~
この力、人間の領域を~
大きく超えている…▼~
私が感じていた違和感は…~
もしかすると…▼~
:[ベレス]|
これで…最後じゃ!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
ふん、身の程知らずどもめが~
思い知ったじゃろう。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ベレス]|
なんじゃ、そこの娘。~
値踏みするような眼をしおって。~
おぬしも、わしの敵か?▼~
:[エイル]|
命は一人にひとつ。~
それが…世の理。▼~
しかし、私は世の理を越え~
この身体にいくつもの命を宿していた。~
だから、わかるの。▼~
:[ベレス]|
……?~
なにを言っておるのじゃ。▼~
:[エイル]|
あなたの中にある魂は、ひとつじゃない。~
そして…命のあり方も~
普通の人間とは違う気がする…▼~
:[ベレス]|
誰がわしを評せと言った?~
気に食わんのう。▼~
:[エイル]|
ベレス…いえ、今のあなたは~
ベレスではないわね。~
あなたは…誰?▼~
ベレスの中にある命に…~
別の存在が溶けあっている。▼~
その別の命が。別の魂が。~
今のベレスの身体を…動かしている。▼~
:[ベレス]|
わしの器の中を見通すとは…~
さてはおぬし、地虫どもの仲間か!?~
ならば生かしてはおけぬ!▼~
:[エイル]|
違うの…私は敵ではないわ。▼~
:[ベレス]|
ええい、問答無用じゃ!~
覚悟せい!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
っ!~
私のことを敵と思い込んでる。~
このままでは▼~
:[ベレス]|
はぁぁぁっ!~
これで終いじゃ!▼~
:(白く光る)|
:[エイル(開花)]|
命の…輝きよ!▼~
:[ベレス]|
なんじゃ!?~
このあふれ出る力は!?~
地虫たちの使った闇か? いや、違う!▼~
:[エイル(開花)]|
ベレス…いえ、ベレスと~
命をともにするものよ。~
その昂ぶりを鎮めて…▼~
***S [#kc91705b]
:[ベレス]|
くっ! なんじゃ、この光は!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
まるで…包み込まれるような~
柔らかな…光じゃと…▼~
:[エイル(開花)]|
これは、私がユーミルから託された~
生命の竜の力。▼~
私の中にも宿っているの。~
もう一つの魂が…~
私と溶け合う、もう一つの命が。▼~
:[ベレス]|
傷が…癒えていく…▼~
ふん、どうやら敵意はないようじゃの。~
ならばよい。この身体は返してやろう。~
……▼~
:(白く光る)|
:[ベレス(通常)]|
う…ん…。ここは…?▼~
:[エイル]|
気がついた…?▼~
:[ベレス(通常)]|
すまない。エイル…~
迷惑をかけてしまったようだね。▼~
:[エイル]|
いえ、あなたが無事でよかった。~
さきほどまでの記憶はあるかしら?▼~
:[ベレス(通常)]|
ぼんやりとだけど…~
さっきみたいなことが~
起こったのは…はじめてだ。▼~
:[エイル]|
あなたの中に…~
あなたではない魂が…~
息づいているのね?▼~
:[ベレス(通常)]|
……。~
「彼女」が何者かは…~
わからないんだ。▼~
彼女はある日、自分の中に現れた。~
そして不思議な力を使って~
守ってくれている。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ベレス(通常)]|
あの通り口は悪いけど~
邪悪な存在ではないはずだ。▼~
:[エイル]|
ええ。強大な力こそ感じたけど…~
そこに禍々しさはなかったわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
今回は激しい戦いだった。~
きっと彼女も必死だったのだろう。▼~
切羽詰まっていたとはいえ…~
誤解からエイルに剣を向けてしまったね。~
すまない。▼~
:[エイル]|
いいのよ。~
強い仲間を助ければ、自分の助けにもなる。~
そう…だったわよね?▼~
:[ベレス(通常)]|
そのとおりよ。~
私たちはともに支え合うことで~
もっと強くなれるわ。▼~
:[エイル]|
私とあなたは…似ている気がする。~
ひとつの命の中に~
二つの魂を宿す存在。▼~
なにか力になれることがあったら~
遠慮なく私に言っていいわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
ありがとう、エイル。▼~
じゃあ、もしまた「彼女」が~
暴れ出したときは…~
君の力を借りようかな。▼~
:[エイル]|
ええ、いいわよ。~
願わくは、あなたが危険にさらされ~
彼女が登場する場面が来ないよう…~
祈っているわ。▼~
**生贄の王女 マリア [#tca76098]
***C [#i21c3ec8]
:[マリア(通常)]|
ふわぁ…あ…。▼~
:[シャロン]|
あら? マリアさん。▼~
お疲れですか? ふふっ。~
おおきなあくび、見ちゃいましたよ。▼~
:[マリア(通常)]|
シャロン王女!?~
こ、これは、その…▼~
:[シャロン]|
もしかして訓練で~
お疲れなのでしょうか?▼~
:[マリア(通常)]|
ううん、違うの。~
そういうわけじゃないんだけど…。▼~
:[シャロン]|
なにか理由がおありですか?~
私でよければお話を伺いますよ!▼~
:[マリア(通常)]|
ありがとう、シャロン王女。~
でも、大したことじゃないの。▼~
あのね、なんだか最近寝つきが悪くって。~
うなされて、すぐに目が覚めちゃうの。▼~
:[シャロン]|
それは大変!~
うなされるということは~
おかしな夢でも見ているのでしょうか。▼~
:[マリア(通常)]|
えっと、はっきりと覚えてはいないんだけど~
良くない夢を見ているみたいで…▼~
:[シャロン]|
よくない夢…~
悪夢、というものでしょうか?▼~
:[マリア(通常)]|
悪夢…うーん、どうなのかな。~
自分でもよくわかってないの。▼~
:[シャロン]|
なにか助けが必要な時は~
いつでも言ってくださいね。~
今日はゆっくり眠れますように!▼~
:[マリア(通常)]|
ありがとう!~
それじゃ、今日はもう部屋へ戻ります。~
おやすみなさい、シャロン王女!▼~
***B [#y93d5220]
:[マリア(通常)]|
……。~
あれ? ここ、どこだろう。~
なんだか嫌な感じがする…▼~
誰もいなくて、とっても寂しい場所。~
ねえ、誰かいないの?~
誰もいないの?▼~
:[マリア]|
ここに…いるわ。▼~
:[マリア(通常)]|
だ、誰…!?▼~
:[マリア]|
わたしはさいしょから…ここにいた。~
あなたが見ようとしなかっただけ…▼~
:[マリア(通常)]|
う、うそっ!?~
これって…わたし?~
ううん、あなたは誰なの!?▼~
:[マリア]|
わたし…?~
わたしはマリアよ。▼~
:[マリア(通常)]|
違うわ、マリアは私だもん。~
デタラメを言わないで!▼~
:[マリア]|
うそじゃないわ…わ。~
わたしはほかのだれでもない…~
あなたじしん。▼~
きのうも…ここで会ったじゃない。~
わすれて…しまったの?▼~
:[マリア(通常)]|
昨日? も、もしかして~
ここは夢の中なの?~
あなたが悪い夢を見せていたの?▼~
:[マリア]|
わるいゆめ…? ちがうわ。~
わたしがつたえたことは~
ぜんぶ…ほんとうのこと。▼~
あなたが…目をそむけてしまった~
わすれてはならない…おもいで。~
それを思い出させてあげているだけよ。▼~
:[マリア(通常)]|
目をそむけた…?~
忘れてはならない、思い出?~
な、なにを言ってるの…▼~
:[マリア]|
おもい…だして…~
あなたがひとじちになって…~
ドルーア帝国にとらわれていた…こと▼~
:[マリア(通常)]|
そ、それがどうしたの?~
つらい思い出だけど~
忘れたことはないわ。▼~
いつ助かるのもわからず~
毎日、悲しい思い出をしていたけど…▼~
マルス様がわたしを助けてくれた。~
そのご恩は、今も忘れてないもの。▼~
:[マリア]|
つらい思い出をしていたのは…~
あなただけではないでしょう?▼~
わたしがひとじちになっているあいだ~
おおきなせんそうで…おおぜいがしんだ…~
そして…マケドニアも…▼~
:[マリア(通常)]|
そ、それは…▼~
:[マリア]|
ミシェイル兄様と、ミネルバ姉様は…~
てきとみかたにわかれて…~
ころしあうことになった…▼~
:[マリア(通常)]|
そ、それは…~
ど、どうしてあのときのことを~
思い出させるの?▼~
:[マリア]|
そうよね…思い出したくないわよね。~
あんなにやさしかった…兄様と姉様が~
たがいに…ころしあったもの。▼~
みんなでいっしょにわらい…~
みんなでいっしょにくらしていた日々。~
そんなまいにちは、もう戻ってこないの…▼~
:[マリア(通常)]|
そ、そんなことはないわ!~
世界が平和になれば、きっと…!▼~
:[マリア]|
せかいが…へいわに…?~
それをじゃましているのは…だれ?▼~
にんげんが…じゃまをしているのよ。~
あらそうことがだいすきで…~
せんそうばかりしている、にんげんが。▼~
***A [#j8a8ba10]
:[マリア]|
にんげんがいるかぎり…~
あらそいはおわらない。~
せんそうは…なくならないの。▼~
よく…かんがえて…~
なぜ…兄様と姉様が~
あらそわなければ…ならなかったのか…▼~
せんそうを生み出しているのは~
だれなのか…▼~
:[マリア(通常)]|
う、ううっ….▼~
:[マリア]|
あなたは…わるくないわ。~
わるいのは…あらそってばかりいる~
にんげんたち…▼~
にんげんがきえれば…~
せんそうも…なくなる…~
あらそいも…きえる。▼~
:[マリア(通常)]|
争いがなくなれば…~
もう誰も悲しまなくてもいいの…?▼~
:[マリア]|
そうよ。~
ずっとえがおでいられるわ…~
あんなにやさしかった…兄様と姉様が。▼~
:[マリア(通常)]|
で、でも、人間がいなくなったら~
笑うこともできなくなるよ。▼~
大好きな人の手を握ることも~
できなくなっちゃう…!▼~
:[マリア]|
じゃあ…あなたはずっとくりかえすの?~
たいせつなひとたちが…~
ころしあうせかいを。▼~
:[マリア(通常)]|
それを繰り返さないために~
わたしやマルス様は~
がんばっていたんだもん!▼~
:[マリア]|
…そう。~
あなたには、なにをいっても~
わかってもらえないみたいね。▼~
もういいわ…このまま…~
消えてちょうだい。▼~
:[マリア(通常)]|
えっ!?~
きゃあっ! くぅぅっ!~
くるし…い!▼~
:(白く光る)|
:[ミシェイル]|
やめろ!▼~
:[マリア]|
!?▼~
:[ミネルバ]|
マリア、大丈夫?~
ごめんなさい、助けにくるのが~
遅くなってしまったわ。▼~
:[マリア(通常)]|
ミシェイル兄様!~
ミネルバ姉様!~
ど、どうして…ここに?▼~
:[マリア]|
兄様、それに姉様まで…~
おふたりでころしあうだけじゃなく…~
わたしのことも…ころしてしまうの…の?▼~
:[ミシェイル]|
なにを馬鹿な…▼~
:[ミネルバ]|
わたしたちはいつだって~
あなたの身を案じているわ。▼~
:[マリア]|
うそ…ばっかり。~
兄様と姉様のては…~
血ぬられて…いるじゃない…▼~
もう…かなしいのも…いや。~
さびしいのも…いや。~
みんな…きえればいい…!▼~
:[マリア(通常)]|
ダメ! そんなこと言わないで!~
大切な人たちのこと思い出して!▼~
:[マリア]|
たいせつな…ひと…~
そんなもの…▼~
きゃあっ!?~
な、なに…この…ひかりは…!▼~
:(白く光る)|
:[マルス]|
たしかに人は、争いを繰り返す。~
だけど、きっと希望はある。▼~
その光を信じて~
僕たちは歩いていくんだよ。▼~
:[マリア(通常)]|
マルス様!?▼~
:[マリア]|
やめて…どうしてあなたまで…~
こっちへ…こっちへ来ないで…!▼~
:(白く光る)|
:[マリア(通常)]|
この光はマルス様から?▼~
:(白く光る)|
:[マリア]|
これは…ほのおの…もんしょう…。~
ざんねんだけど…ここまでみたい。▼~
だけど、これで…おわりじゃない。~
わたしとあなたは~
いずれ…かさなることになる。▼~
:[マリア(通常)]|
えっ!? そ、それは…~
どういう意味なの?▼~
:[マリア]|
それまで…しばらくのおわかれね。~
また会いましょう…▼~
***S [#v78c73b7]
:[マリア(通常)]|
ううん…兄様…姉様…~
マルス…様…▼~
ここは…?~
アスク王国の…お城?▼~
:[シャロン]|
よかった…!~
目が覚めたみたいですね、マリアさん!▼~
:[マリア(通常)]|
シャロン王女…?~
わたしはいったい…▼~
:[シャロン]|
心配で、様子を見に来たんです。~
そしたら、ひどくうなされていて…▼~
悪い夢を見ているんじゃないかと思って~
大急ぎでピアニーさんを呼びました!▼~
:[ピアニー]|
マリア王女が幸せな夢を~
見られるようにお願いしたの。~
悪い夢、消えたらならいいんだけど。▼~
:[マリア(通常)]|
幸せな夢…それで~
兄様や姉様、マルス様が▼~
わたしを助けに来てくれたんだ…▼~
ありがとう、二人とも!~
でも、悪い夢の中で~
気づいたこともあったの。▼~
:[シャロン]|
夢の中で…?▼~
:[マリア(通常)]|
今までの私は、辛いことから~
目をそらしていたような…~
逃げてばかりだった…気がするの。▼~
でも、いつまでも逃げてばかりじゃ~
ダメなんだよね。▼~
悲しみを繰り返さないために~
わたしにもできることがきっとある~
それを見つけたいなって。▼~
:[ピアニー]|
それがマリア王女の~
新しい夢ということ?▼~
:[マリア(通常)]|
夢の中で夢を見つけたって…~
お、おかしいかな?▼~
:[ピアニー]|
ううん、とても素敵だと思う▼~
:[マリア(通常)]|
私もミシェイル兄様やミネルバ姉様~
そしてマルス様のように…▼~
誰かを助けられる人間になりたいな。▼~
この先、どんなことがあっても~
あきらめないように頑張るね。~
自分に負けないように!▼~
**狂気の透魔竜 ハイドラ [#x51612dd]
***C [#h0ba0898]
:[リリス]|
うーん、どうしたんでしょう。~
なんだか馬たちの~
元気がないような…?▼~
:[シャロン]|
こんにちは、リリスさん!~
今日も馬のお世話、お疲れさまです!▼~
:[リリス]|
……▼~
:[シャロン]|
って、あれ?~
わたしに気づいていない?▼~
リリスさーん!~
どうかなさったのですかー!▼~
:[リリス]|
あっ! シャロン王女!~
見回りご苦労様です。▼~
:[シャロン]|
よかった。いつものリリスさんですね!~
考え事をされていたようですけど~
どうかされました?▼~
:[リリス]|
実は…その…~
厩舎の馬たちの様子が~
おかしいような気がして…▼~
:[シャロン]|
ふむふむ。~
わたしが見た感じでは~
いつもどおりに見えますけど?▼~
:[リリス]|
ちょっとしたことですが、違うんです。~
まるで、なにかに怯えているような。▼~
:[シャロン]|
なにかに怯えているって~
原因はわかっているんですか?▼~
:[リリス]|
もしかすると原因は…~
私のせいかもしれません。▼~
:[シャロン]|
え!? どういうことですか?▼~
:[リリス]|
馬は繊細な生き物。~
小さな変化にも敏感に反応します。▼~
私が不安に思っていることを~
この子たちは感じ取っているのかも…。▼~
:[シャロン]|
リリスさんの不安?~
なにか心配事でもあるんでしょうか。▼~
:[リリス]|
実は最近、あまりよく眠れなくて。~
言葉にできない不安が~
ずっと頭に残っているんです…▼~
:[シャロン]|
言葉にできない…~
うーん、困りましたね。▼~
:[リリス]|
すいません、シャロン王女。~
自分でもよくわからないんです…▼~
:[リリス(闇)]|
……▼~
わからない? そんなはずないでしょう。~
不安の原因なんて…~
自分でよくわかっているはず。▼~
:[リリス]|
……!?▼~
:[シャロン]|
あっ!~
ちょっと怖いほうのリリスさん!▼~
:[リリス(闇)]|
あなたが感じている不安…~
身に覚えがあるでしょう?▼~
あなたがあなたである限り~
忘れることができない~
偉大なる存在。▼~
:[リリス]|
!?~
まさか、そんなはずは…▼~
:[リリス(闇)]|
あなたにも、いずれわかるわ。~
どんなに不安を押し殺そうとしてもね。▼~
:[シャロン]|
あっ! 怖い方のリリスさん!~
もう少し詳しくお話を…▼~
ああ、言ってしまわれましたね…~
なにか恐ろしいことが~
アスク王国に起きるのでしょうか?▼~
:[リリス]|
……▼~
***B [#e0f545c5]
:[ラズワルド]|
本当だ。ここの馬…~
なんだか、みんな元気ないね。▼~
これじゃ、城下町で知り合った女の子と~
遠乗りにもいけないよ。▼~
:[ルーナ]|
誰かさんが馬に!~
変な呪いでもかけたんじゃない?▼~
:[オーディン]|
なんで俺を見るんだよ!~
俺は誇り高き闇の末裔!~
罪なき獣を呪ったりはしない!▼~
:[ラズワルド]|
はいはい、静かに。~
ちょうどいいところにリリスが来たよ。▼~
やあ、リリス。~
僕らに話したいことってなに?▼~
:[リリス]|
透魔竜ハイドラを知るあなた方に~
聞いてもらいたい話があるのです。▼~
:[ルーナ]|
えっ!?~
透魔竜ハイドラの話?▼~
ちょ、ちょっと待って。~
透魔王国の外で、その話は~
しちゃダメって言われてなかった?▼~
誰かに知られたら~
あたしたちは泡になって消えるって…▼~
:[オーディン]|
問題ないんじゃないか?~
リリスは事情を知ってるし、第一ここは~
あの世界とは全く別の異界だからな。▼~
:[ラズワルド]|
ど、どうなんだろう?~
でも、実際に僕たちは消えてないし~
大丈夫みたいだね。▼~
:[リリス]|
すみません。~
相談できるのは~
あなた方しいなくて。▼~
実は、厩舎の馬たちが怯えているのは~
私の不安が~
影響しているみたいなのです…▼~
:[ルーナ]|
なにそれ?~
リリスの不安に思う気持ちが~
馬たちに伝染してるってこと?▼~
:[リリス]|
日を追うごとに、私の中の不安は~
どんどん大きくなってきて…~
昨晩はとても怖い夢を見ました。▼~
:[ラズワルド]|
怖い夢か…。~
詳しく聞いてもいいかな?▼~
:[リリス]|
……。~
夢に出てきたのは~
透魔竜ハイドラ…▼~
:[オーディン]|
……!?▼~
:[リリス]|
夢の中のハイドラは~
世界のすべてを憎んでいました。▼~
憎しみのあまり、正気を失ったハイドラは~
暗夜、白夜を争わせ~
人間たちを滅ぼそうと…▼~
しかし、ハイドラの憎しみは~
それだけでは収まりませんでした。▼~
自分が住む世界の外側に~
異界が存在することに気づいた~
ハイドラは…。▼~
その憎しみを~
異界に向け始めたのです。▼~
:[オーディン]|
つまり、俺たちが召喚されてきたように~
あいつもアスク王国にやってくるかも~
しれないってことか…▼~
:[ラズワルド]|
もしハイドラが~
アスク王国の存在を知ったら~
きっと狙ってくるよね…▼~
:[オーディン]|
そんなことが起きたら大惨事だ!~
あの強大な力…~
タチの悪い災害みたいなもんだ。▼~
:[ルーナ]|
ちょっとオーディン!~
これ以上、リリスを怖がらせないで!▼~
:[リリス]|
……▼~
***A [#e6b2b49c]
:[オーディン]|
悪かった。~
リリスを怖がらせるつもりは~
なかったんだ。▼~
:[ラズワルド]|
だけど、もし~
エクラが~
ハイドラを召喚するとしても…▼~
召喚する時点で契約を結ぶわけだから~
ハイドラといえども、好き勝手に~
暴れられないんじゃないかな。▼~
:[ルーナ]|
それは楽観的すぎるんじゃないの?~
あれほどの強大な力を持つ竜を~
人間の力で縛られるのかしら?▼~
:[リリス]|
た…たしかに…▼~
:[オーディン]|
おい、ルーナ!~
お前がリリスを不安がらせてどうする?~
馬たちも一緒に怖がっちゃうだろ。▼~
:[ルーナ]|
ご、ごめんなさい…▼~
:[リリス]|
もし召喚の契約でも~
抑えきれないときは…▼~
:[リリス(闇)]|
アスク王国は間違いなく~
滅ぶでしょうね…▼~
:[ラズワルド]|
き、君は…!▼~
:[オーディン]|
出たなっ! 透魔竜の尖兵!~
リリスは俺たちの後ろに!▼~
:[リリス]|
だ、大丈夫…です。~
ひとまず、彼女の話を聞きましょう。▼~
:[リリス(闇)]|
ハイドラ様の憎しみは~
あらゆる世界を覆い尽くし~
生きとし生ける者は滅ぶ。▼~
夢の中でハイドラ様が望んだ未来…~
その結果は現実のものとなる。▼~
:[リリス]|
そんな!?▼~
:[リリス(闇)]|
あなたにもわかるはずよ。~
だって、あなたの中にも~
お父様の血が流れているんでしょう?▼~
人間たちに対するお父様の憎しみが~
どれほどのものか。▼~
憎しみがもたらす破壊の力で~
滅びは避けられないことを…▼~
:[リリス]|
……▼~
***S [#a6c6e401]
:[リリス(闇)]|
お父様がアスクの地に降り立てば~
この世界に破壊の嵐が吹き荒れる。~
それは、逃れられない運命…▼~
:[ラズワルド]|
た、たしかに憎しみに駆られた~
ハイドラが乗り込んでくれば…~
アスク王国もただではすまないかも。▼~
:[オーディン]|
くっ! 本当なら俺たちだけで~
なんとかしなくてはいけないのに。▼~
:[ルーナ]|
…そうよね。善き心のハイドラから~
破滅を食い止めるように頼まれたのは~
あたしたちだもの。でも…▼~
:[リリス(闇)]|
あなた方では無理です。▼~
ですが、ひとつだけ~
この世界が生き延びる~
可能性があるとすれば…▼~
:[リリス]|
可能性?▼~
:[リリス(闇)]|
最初に言っておきますが~
これは私のつまらない~
想像かもしれない。▼~
開かれた王国…~
アスク王国にはさまざまな力が集い~
多くの可能性が存在している。▼~
その幾多の可能性の中には~
私たちが想像もしない未来が…▼~
お父様の苦しみを癒す道が~
存在するかもしれない…▼~
:[リリス]|
……! アスク王国でなら~
お父様は永きにわたる苦しみから~
解放されるかもしれないと?▼~
お父様は人間に裏切られたと思い込み~
理性を失い、狂気に駆られてしまった…▼~
アスク王国でお父様が~
人間に対する信頼を取り戻せば…▼~
:[ラズワルド]|
ハイドラは正気に~
戻るかもしれないってこと?▼~
:[リリス(闇)]|
なにを浮かれているのです…~
言ったでしょう?~
これは私のつまらない想像だと。▼~
:[ルーナ]|
でも、あなただって~
ハイドラが救われるのなら~
そのほうがいいのでしょう?▼~
:[リリス(闇)]|
私はハイドラ様の忠実なるしもべです。~
ハイドラ様が滅びを求めるなら滅びを、~
救いを求めるのなら救いを願うだけです。▼~
:[リリス]|
……。~
お父様…アスク王国で~
あなたに人を信じる心が蘇れば…▼~
破滅へ向かう未来は~
変えられるかもしれません…▼~
どうか…どうか…~
今一度、人間を信じる心を…▼~
:(暗転)|
:[ハイドラ]|
我は忘れられし神。~
裏切られし王。~
埋もれし竜…▼~
かつて~
我に語りかけてきたのは~
誰であったか。▼~
すべては闇に消えてしまった。~
我が心中に残るのは~
裏切りの記憶のみ…▼~
*コメント [#a6af6a76]
- 深淵に蠢く絶望 A 遺した(のこした、後世にのこす。つた...
- 狂気の透魔竜 ハイドラA 出たなっ! 透魔竜の尖兵!(と...
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*深淵に蠢く絶望 [#v1b702fd]
#contents
**深淵に蠢く絶望 [#wd51c7ed]
***オープニング [#r0749ba9]
:[アンナ]|
そろそろアスク王国と~
エンブラ帝国の国境のあたりよ。~
あと少しで若草の村に着くわね。▼~
黒い闇に閉ざされた村は~
元に戻ったって聞いたけど~
まだまだ安心はできないわ。▼~
:[アシュ]|
お気をつけてください。このあたりには~
憑竜エンブラの【閉ざす力】の影響が~
少なからず残っておりますので…▼~
:[アルフォンス]|
すべてを閉じ込めてしまう黒い闇。~
今回の調査で、どんな影響があるのか~
しっかりと確認しておきたい。▼~
:[シャロン]|
そうですね。~
うっかり足を踏み入れたら~
大変なことになりそうですし。▼~
あっ、エクラさん。~
その茂み、足元が見えにくいので~
気を付けてくださいね。▼~
:(画面が点滅する)|
:[アルフォンス]|
!?~
エクラ!▼~
:[シャロン]|
わ、わわわっ!~
エクラさんの身体が~
黒い闇に…吸い込まれて!?▼~
:[アシュ]|
召喚師様っ!?~
な、なんということでしょう!~
これは危急の一大事と申しましょうか…▼~
:(暗転)|
:[エルム]|
……▼~
ううっ…頭の中が…~
霞がかかったみたいに…▼~
ここはどこだ?~
僕は神竜アスクの世界に入って~
そこで力を失ったはず…▼~
そ、そうだ、エンブラ様は!?~
エンブラ様はどこに!▼~
……!?~
こいつは、アスク王国の召喚師!~
どうしてここにいるんだ?▼~
死んでいるのか?~
いや、気を失っているだけか…▼~
:(白く光る)|
:[エルム]|
くっ! なんだ!?~
この光は…~
こいつの神器が光ってるのか?▼~
この神器にはたしか~
異界の英雄を召喚できる力が…~
!▼~
:(白く光る)|
:[ハイドラ]|
……▼~
:[クロム]|
……▼~
:[マリア]|
ここは…どこ?~
兄様、姉様…▼~
:[ベレス]|
闇の…中…?~
これは…いったい…▼~
…………。~
ええい、これは尋常ではない!~
わしに代われ!▼~
おい、そこの&ruby(こわっぱ){小童};!~
わしらを闇の中に~
封じたのはおぬしじゃな!▼~
:[エルム]|
な、なにを言ってるんだ?~
僕はなんの関係もない!~
こいつの神器が勝手に…▼~
:[ハイドラ]|
ここは、透魔王国ではないな。▼~
…なるほど、理解したぞ。~
あのときに見えた未来は~
これを指し示していたか。▼~
:[エルム]|
な、なに、訳のわからないことを~
言って…うわっ!▼~
:[クロム]|
イノチハ…カリトル…▼~
:[エルム]|
あ、危ないだろ!~
こいつ、僕を殺す気で~
剣を振り下ろしやがった!▼~
:[マリア]|
あなたの…メディウスさまの…~
じゃまを…するの…?~
じゃまを…するもの…消えて…▼~
:[エルム]|
くっ!~
おいっ、起きろ召喚師!~
こいつらをなんとかしろ!▼~
ちっ、気を失ったまま死ぬ気か!~
この役立たず!▼~
:[アシュ]|
召喚師様―! ご無事でしょうか?~
神竜アスク様の眷属として~
不肖ながら私がお助けできればと…~
:[エルム]|
牛女!?~
:[アシュ]|
もしかして、お取り込み中のご様子?~
ここは逃げるが得策と思われます。~
召喚師様は私が背負いますので…▼~
:[エルム]|
お、おい、牛女!~
僕の話を聞け!~
***C [#lc7f6cb5]
:[アシュ]|
はぁはぁ、とりあえず~
ここまで逃げれば大丈夫かと。▼~
…よいしょっと。召喚師様は~
気を失っておられるだけのようです。~
お命に別状はないご様子でなにより…▼~
:[エルム]|
説明しろ、牛女!~
いったい、ここはどこだ?~
さっきのイカれた連中はなんだ?▼~
そいつが気絶したまま~
召喚したみたいだったぞ!▼~
:[アシュ]|
召喚師様が意識を失ったままに~
ブレイザブリクが発動するとは、~
ただただ驚くばかりであります。▼~
なにぶん、ここは~
閉ざされた闇の中でありますから、~
私にもはっきりした理由までは…▼~
:[エルム]|
閉ざされた闇の中?~
ここはエンブラ様のお力で~
作られた空間なのか?▼~
:[アシュ]|
はい。~
私は闇の中に囚われた召喚師様を~
助けに馳せ参じた次第であります。▼~
:[エルム]|
ドジ踏んだそいつの~
尻拭いに来たってわけか?▼~
って、そんなことはどうでもいい。~
それよりエンブラ様は!?▼~
:[アシュ]|
実は…アスク様も~
憑竜エンブラも…~
去ってしまわれました。▼~
:[エルム]|
なんだって!? うそをつくな!~
あのエンブラ様がアスクなんかに~
後れをとるわけが!▼~
:[アシュ]|
お二人が消滅するとき~
お互いのわだかまりも~
一緒に消えたともうしましょうか。▼~
そのおかげで、~
アスク王国とエンブラ帝国は今や~
手を携えた状態でありまして。▼~
ゆえに、眷属たる私たちもまた、~
もう争う必要はないのであります。▼~
:[エルム]|
……▼~
:[アシュ]|
今、私たちがすべきことは協力して~
ここから出ることではないかと~
そのように思う次第でありまして。▼~
:[エルム]|
黙れ…僕は、僕は信じないぞ。▼~
神竜アスクはともかく~
エンブラ様がいなくなるはずがない。~
あのエンブラ様が!▼~
:[アシュ]|
……!?~
あぶないっ!▼~
:[エルム]|
くっ!? この攻撃はまさか!▼~
:[ベレス]|
出せ…お主ら…~
この闇から、わしらを出せ!▼~
:[アシュ]|
ベレス先生!? いえ、この雰囲気。~
私が知っている御方とは異質な空気を~
感じざるを得ないわけでありまして…▼~
:[クロム]|
イノチヲ…ヨコセ…▼~
:[アシュ]|
クロム王子!?~
ですが、少々顔色が優れないご様子…▼~
いえ、そういう問題でないほど~
姿形が変わってしまわれたといいましょうか。▼~
:[エルム]|
なに、のんきなことを言ってるんだ!~
見りゃわかるだろ、ヤバいやつらだって!▼~
くそっ、さっき目覚めたばかりで~
まだ力が戻ってないか…~
ここは逃げるぞ、牛女!~
:[アシュ]|
し、承知致しました。~
召喚師様は私が背負って、と。~
どちらへ逃げるのが良いでしょうか?▼~
:[エルム]|
知るか! 勝手に逃げろ!▼~
:[ベレス]|
逃がさんぞ、痴れ者どもが!▼~
***B [#c02247ff]
:[エルム]|
はぁはぁ、なんとか撒いたか…▼~
:[アシュ]|
あの殺気たるや尋常ではないご様子、~
少しでも逃げる足を緩めれば、私たちも~
使者の列に加えられていたことは確実で…▼~
:[エルム]|
で、どうしてお前は~
僕と同じ方向に逃げるんだよ!▼~
お前らが囮になれば楽に逃げられたのに。▼~
:[アシュ]|
ですが、先ほど~
「こっちだ!」と仰られたような気が…?▼~
:[エルム]|
あれはつい口をついて出ただけだ!~
くそっ、調子が狂うな。▼~
:[マリア]|
…人は…いつまでも…~
あらそいつづける。▼~
:[アシュ]|
マリア王女!? いえ、その目は~
あのお優しいマリア王女とは違う~
深い絶望をたたえた瞳と申しますか…▼~
:[マリア]|
ミシェイル兄様も…~
ミネルバ姉様も…▼~
にんげんたちが…いきているかぎり~
かなしみは…ひろがっていく…▼~
いっそ…~
みんなみんな…~
いなくなれば…▼~
:[アシュ]|
わわっ!~
マリア王女、あの優しかったお心を今一度~
思い出していただきたいと…はわ-っ!?▼~
:[エルム]|
避けろよ、馬鹿牛!~
見てわかるだろう?~
話が通じるような相手じゃない!▼~
:[ハイドラ]|
…そうだ。~
貴様ら人間と話し合う余地はない。▼~
心を踏みにじり、思いを裏切り…~
真実価値のない人間どもなど~
滅ぼすよりほかはない。▼~
:[エルム]|
な、なんだ、この異様な圧力は!?~
まるでエンブラ様のような…。~
いや、もっと異質な深い闇。▼~
くそっ、召喚師め。~
なんてやつを呼び出したんだ!▼~
:[ハイドラ]|
侮るな…我は~
召喚に応じたわけではない…▼~
先んじて我が眷属を送り込み…~
自らの力でこの世界に乗り込んできた。~
開かれた国である…この地に。▼~
:[アシュ]|
そ、そのような所業は~
もはや神に等しい力…!?▼~
もしや、この英雄の方々が~
同時に召喚されたのもその影響…?▼~
:[ハイドラ]|
ここより通じる、すべての世界を~
人間たちが息づくすべての国を…~
滅ぼしてくれる!▼~
:[エルム]|
まずは手はじめに~
僕たちを消そうというわけか!?~
くっ、思い通りにさせるか!▼~
お前たちのような禍々しい連中を~
エンブラ様が創った国に~
行かせはしないぞ!▼~
:[ベレス]|
出せっ! ここから出せっ!~
終わりのない闇から~
わしらを出せぇっ!▼~
:[クロム]|
スベテノ…イノチヲ…~
ゼツボウニ…▼~
:[アシュ]|
こ、これはまさに~
絵に描いたような絶体絶命!~
早急に打開策を立てねばなりません…!▼~
***A [#nc1a8513]
:[エルム]|
くそっ!~
エンブラ様の眷属として~
ここで終わるわけには…!▼~
:[アシュ]|
あのですね、ひとつ提案がありまして、~
その効果は不確かではありながらも~
可能性としては決して低くはなく…▼~
:[エルム]|
ああもう! 回りくどいんだよ!~
要点を言え!▼~
:[アシュ]|
私が神竜アスク様のお力をお借りすれば、~
この闇を開いて外に出られる~
可能性があるかと存じます。▼~
ですがそれには、~
あなたの力も必要と考えておりまして…~
ご助力願えますでしょうか?▼~
:[エルム]|
僕がお前と力を合わせるだって?~
馬鹿なことを…▼~
:[アシュ]|
あなたが今いるのは、~
あなたの主が、生きてほしいと~
願ったからではないでしょうか?▼~
なら、あなたには眷属として~
生きる使命があると思うのです。~
主の想いを忘れぬために。▼~
:[エルム]|
……▼~
:[アシュ]|
外に出ればアスク王国とエンブラ帝国が~
和解の道を歩んでいることも~
確かめられるはず…わわっ!▼~
:[ベレス]|
なにをごちゃごちゃと!~
早くわしらをここから出さぬか!▼~
:[マリア]|
消えて…すべて…~
…あらそいも…▼~
:[エルム]|
くっ! 牛女!~
お前たちを助けるわけじゃない。~
エンブラ様のご遺志を確かめるためだ!▼~
こいつらを闇の中に閉ざしたまま~
僕たちだけ外に脱出する!▼~
:[クロム]|
オオオオッ!▼~
:[ハイドラ]|
…死ぬがよい。▼~
:[アシュ]|
開神アスクの御名において!▼~
:[エルム]|
閉神エンブラの御名において!▼~
:[アシュ]|
闇を開き~
光さす世界へ―――!▼~
:(暗転)|
:[アシュ]|
う、う-ん…~
はて? ここは…▼~
:[アルフォンス]|
アシュ!~
それに~
エクラも!▼~
:[シャロン]|
よかった!~
無事だったんですねっ!▼~
:[アンナ]|
エクラは~
大丈夫なの? って…~
気を失っただけみたいだね。▼~
:[アシュ]|
私たちは闇の中から~
戻ってこられたのですね…▼~
はっ!?~
彼を見ませんでしたでしょうか?~
憑竜エンブラの眷属の…▼~
:[アンナ]|
私たちが見つけた時は~
エクラと~
アシュの姿しかなかったわよ?▼~
:[アシュ]|
そう…ですか。彼はどこかに~
行ってしまわれたのでしょうか。▼~
これからは、憑竜エンブラが遺した~
エンブラ帝国のために~
力を使ってくれればいいのですが…▼~
いえ、きっとそうしてくださる…~
私、そう思う次第であります…▼~
**屍王 クロム [#y03b161a]
***C [#t15e71d5]
:[フレデリク]|
ここが【竜の祭壇】ですか……~
たしかに禍々しい気配を感じますね。▼~
:[ルフレ]|
ギムレー教団を率いるファウダー。~
奴をここまで追い詰めたんだ。~
一気に叩き潰そう。▼~
:[クロム(通常)]|
だが、いいのか?~
もしかするとファウダーはお前の…▼~
:[ルフレ]|
構わない。~
今、優先すべきものはなんなのか~
しっかりと見えているつもりだよ。▼~
:[クロム(通常)]|
そうか…。ならば~
その決意に甘えさせてもらおう。▼~
お前が俺の隣にいてくれてよかった。~
俺は…お前とならば、どんな苦難でも~
乗り越えられると信じている。▼~
:[リズ]|
わたしたちだって一緒なんだからね!?▼
:[ティアモ]|
皆で力を合わせたからこそ~
ここまで来れたのだと信じてるわ。▼~
:[グレゴ]|
ま、そ-いうこったな。▼~
:[ガイア]|
なにを足踏みしている。~
さっさと終わらせるぞ。▼~
:[ヴィオール]|
貴族的に勝利を収め~
優雅に凱旋するとしようじゃないか。▼~
:[ドニ]|
クロム様!~
おらも最後まで頑張りますだ!▼~
:[リベラ]|
無益な争いは~
これで最後にしたいですね。▼~
:[ヘンリー]|
戦いが終わっちゃうのは残念だけど~
みんな、平和が好きなんでしょ?▼~
:[オリヴィエ]|
一生懸命踊ります!~
みんなのためにも…!▼~
:[ベルベット]|
いきましょう。~
命を…未来につなぐために。▼~
:[セルジュ]|
みなさん、この戦いに勝って~
必ず生きて戻りましょうね。▼~
:[ノノ]|
ノノがみんなを守るの!▼~
:[ソワレ]|
頼りになる仲間がこんなにもいるんだ。~
心強いだろう、クロム?▼~
:[クロム(通常)]|
…ああ、そうだな。~
ありがとう、みんな。▼~
今一度、力を貸してくれ。~
ファウダーの野望、ここで打ち砕くぞ!▼~
:(暗転)|
:[クロム(通常)]|
この一撃で、すべてを終わらせる!~
覚悟しろ、ファウダー!!▼~
:[マリアベル]|
今ですわ!~
やっちまってくださいまし!▼~
:[リヒト]|
いっけえええっ、クロムさん!▼~
:[サーリャ]|
これで…終わり…!▼~
:[クロム(通常)]|
はああああああっ!!▼~
:(白く光る)|
:[クロム(通常)]|
はあ、はあ…やったか?~
勝ったのか、俺たちは!~
これでイーリスは…~
世界は…救われる!▼~
***B [#i5ffb271]
:[ソール]|
やった…倒した…。~
僕たちが勝ったんだよね?▼~
:[ミリエル]|
はい、この目で確認しました。~
我々が勝利を収めたことは~
間違いないでしょう。▼~
:[スミア]|
よかった、クロム様。~
皆さん、こんなにボロボロになって~
私、もうダメなんじゃないかって…▼~
:[クロム(通常)]|
勝った…勝ったんだな。~
姉さん…やったぞ…~
俺たちの手でファウダーを倒したんだ!▼~
:[フレデリク]|
おめでとう…ござ…~
クロム…さま…。▼~
:[クロム(通常)]|
ん? どうした、フレデリク?~
姿が…ゆがんで…?▼~
:[リズ]|
おにい…ちゃ…~
これで…もう…▼~
:[クロム(通常)]|
リズ!? どうした!?~
声が…かすれて聞こえない!▼~
:[ティアモ]|
……▼~
:[ヴィオール]|
……▼~
:[クロム(通常)]|
様子が変だ!~
おい、みんなどうした!~
なにがあったんだ!?▼~
無事なのか、リズ!~
フレデリク、返事をしろ!▼~
い、いない…!?~
さっきまで、俺のまわりに~
みんながいたはずなのに!▼~
:[ルフレ]|
クロム…どうかしたのかい?~
そんなに取り乱して…▼~
:[クロム(通常)]|
なにかがおかしい!~
みんなの姿が見当たらないんだ!~
さっきまで、ここにいたはずなのに!▼~
:[ルフレ]|
何を言ってるんだい。~
みんななら、ほら…~
あそこで寝ているじゃないか。▼~
:[クロム(通常)]|
なっ!?~
みんな、どうしたんだ!~
大丈夫か、しっかりしろ!▼~
……!?~
息を…していない…~
どういうことなんだ、これは!▼~
ヴェイク! ソール! ソワレ! ドニ!~
どうして誰も起きないんだ!?▼~
:[ルフレ]|
なにを言っているんだい、クロム。~
驚く必要なんてないだろう?▼~
:(暗転)|
:[ルフレ(邪竜)]|
だって…彼らを殺したのは~
ほかならぬ君なんだよ?▼~
:[クロム(通常)]|
馬鹿な!~
俺が大切な仲間たちを~
手に掛けるはずはない!▼~
俺たちは約束したんだ!~
ファウダーとの戦いに勝って~
みなで生きて帰ると!!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
それは無理だよ。~
だって今の君の顔…~
死者そのものだよ?~
命を持たない屍兵のようにね。▼~
:[クロム]|
な、なんだこれは…~
俺の手が…足が…▼~
***A [#kbbf1121]
:[ルフレ(邪竜)]|
クロム…~
君は勝利したと思っていたようだね。~
だけど、それは勘違いなんだ。▼~
:[クロム]|
ナニ…ヲ…言ッテ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
その証拠に…君の肉体から~
すでに命は失われている。▼~
そして、君の命を奪ったのは…~
本来の魂の形…邪竜ギムレーを宿した~
この僕なのだから。▼~
:[クロム]|
マ…サカ…~
ルフレ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
君が知るルフレは残念ながら~
もう僕の中から消えた。~
敗北したんだよ▼~
あの人格は、もう存在しない。~
二度と会うことは叶わないだろうね。▼~
:[クロム]|
カエ…セ…アイツ…ヲ…~
グゥゥ…オオオ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
さあ、おしゃべりの時間はおしまいだ。~
君を蝕む闇に抗うすべはないよ。~
身を委ねれば、すぐ楽になれるから。▼~
:[クロム]|
オレハ…ミンナ…ヲ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ああ、そうだったね。~
君は仲間たちとの絆を~
とても大切にしているんだね。▼~
だけど、安心していいよ。~
みんなももう、~
君と同じ運命を辿った後だ。▼~
:[クロム]|
……!!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
君は彼らを率いて屍兵の王になるんだ。~
群れることが大好きな君だ。~
これで寂しくはないだろう?▼~
:[クロム]|
マ…サカ…~
コ…ンナ…コト…ガ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
手はじめに、イーリス聖王国から~
落としていくとしよう。▼~
王族である君の手によって~
イーリス聖王国の民の命は奪われるんだ。~
君の活躍に期待しているよ。▼~
:[クロム]|
ソ…ンナ…コトハ…~
グゥゥ…オオオオッ!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ふふ…楽しみだね、クロム。~
一緒に、世界を~
破滅と絶望で満たそう。▼~
:[クロム]|
ス…マナ…イ…姉サン。~
オレ…ハ…▼~
***S [#nc087699]
:[クロム]|
……~
コロス…~
スベテノ…命ヲ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
素晴らしいじゃないか、クロム。~
僕の想像以上だよ。▼~
すべては、滅びるために存在している。~
この調子なら、大陸全土が~
落ちるのも時間の問題だね。▼~
世界は間違いなく~
絶望の未来へと歩みを進めているよ。▼~
:[クロム]|
世界ハ…絶望ニ…満タサレル…~
運命ハ変エラレ…ナイ…▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ああ、そのとおりだよ。~
運命を変えるなんていう言葉は~
弱者が足掻くための欺瞞だ。▼~
だけど、急いで殺しすぎたかな。~
おかげで、君の仕事はもう~
ほとんど残っていないだろう。▼~
ん…?~
なんだ、この気配は?▼~
異界の門が開いている…?~
いや…これは…呼ばれているのか?~
なるほど、そういうことか……▼~
クロム、君が奪うべき命は~
まだいくらでもあるみたいだよ。~
この世界とは別の異界にね。▼~
:(白く光る)|
:[クロム]|
グゥ…ウオオッ…!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
どうやら君のことを~
召喚したがっている者がいるようだ。~
面白いお誘いじゃないか。▼~
この世界は、すでに絶望に染まった。~
次は異界でその力を…▼~
くっ…!?~
な、なんだ…これは…!▼~
:[ルフレ]|
い、行く…んだ…クロム…~
すでに僕たちの世界は……~
絶望に抗えず…敗北した…▼~
でも、別の異界で生きる僕たちに…~
危険を…知らせることは…できるはず。▼~
:[クロム]|
……!?~
ルフ…レ…俺…ハ…▼~
:[ルフレ]|
僕たちと同じ運命を…~
辿らせないためにも…~
行って…伝えて…くっ!▼~
:[ルフレ(邪竜)]|
ふん、余計なことを…~
僕の中にゴミの意識が残っていたのか。▼~
クロム、今の君ができるのは~
殺し尽くすことだけだよ。~
そのためだけに君は異界に旅立つんだ。▼~
:[クロム]|
…世界ハ…絶望ニ…~
…ルフレ…▼~
…運命…ハ…~
……▼~
**復讐を誓いし器 ベレス [#a08c4a5b]
***C [#qfc7cfbd]
:[ベレス(通常)]|
ここにも敵が…!?~
伏せて!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
くっ! 伏兵!?▼~
:[ベレス(通常)]|
はぁぁぁっ!~
よし、退けたか…~
危ないところだったね。▼~
:[エイル]|
ありがとう。助かったわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
気を抜かないで。~
まだ敵が残っている。▼~
:[エイル]|
ええ。~
戦いに…集中しないと。~
……▼~
:[ベレス(通常)]|
ん? どうかした?~
自分の顔に…なにか付いてる?▼~
:[エイル]|
いえ。なんでもないわ。~
……▼~
:(暗転)~
:[エイル]|
あの…少し、いいかしら。▼~
:[ベレス(通常)]|
ん? 君はさっきの~
なにか用?▼~
:[エイル]|
今日は…助かったわ。~
あらためて、お礼を言おうと思って▼~
:[ベレス(通常)]|
礼には及ばない。~
強い仲間を助ければ、自分の助けになる。~
傭兵にとって当たり前のこと。▼~
また戦場で一緒になったとき~
力を合わせて戦いたいものね。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ベレス(通常)]|
……?~
やっぱり顔になにか付いてる?▼~
:[エイル]|
いえ、ごめんなさい。~
なんでもないわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
そう…では、また。▼~
:[エイル]|
なにかしら…~
さっきの奇妙な感じは…▼~
あの人からは、ほかの英雄とは違う~
不思議ななにかを感じる…▼~
:(暗転)~
:[フィヨルム]|
え? ベレスさんの…~
人となりですか?▼~
:[エイル]|
彼女とは、あまり接点がないから。~
知っていることがあれば~
教えて欲しいの…▼~
:[フィヨルム]|
そうですね…▼~
元は傭兵の出身らしいですが~
フォドラでは士官学校の~
先生も務められていたとか。▼~
:[シャロン]|
ヴァイス・ブレイヴにいる~
士官学校の生徒さんたちからは~
ずいぶん慕われているみたいですよ!▼~
でも、ベレス先生の人となりなんて~
なにかあったんですか?▼~
:[エイル]|
先日、戦場で彼女に助けられたの。▼~
:[シャロン]|
なるほど! それでご縁ができて~
気になった…という感じですね?▼~
:[エイル]|
そうね。気になった、という表現は~
間違ってはいないわね。~
……▼~
***B [#t8e88594]
:[ベレス(通常)]|
せいっ! はぁぁっ!▼~
敵の数が予想以上に多い…~
ここはいったん退いて~
態勢を立て直すべきかな?▼~
:[エイル]|
いけない。ベレス!~
そちらの方角は~
大勢の敵兵が隠れているわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
エイル!~
なるほど、敵も馬鹿ではないな。~
すっかり囲まれた…というわけね。▼~
:[エイル]|
ベレス! 後ろ!▼~
:[ベレス(通常)]|
くっ!?~
反応が遅れた!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
ええい、なにをしておるのじゃ。~
まどろっこしい!▼~
:[エイル]|
……!?~
ベレスの髪の色が変わった?~
これは…いったい…▼~
:[ベレス]|
小さきものどもが…~
わしの器に傷をつけようとは…~
呆れた身の程知らずよの。▼~
その不遜、万死に値するわ!~
はぁぁぁぁっ!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
……!?~
敵兵たちが一撃で…~
なんという力!▼~
それに、この…感じ…~
前に感じた、あの違和感の正体は…▼~
:[ベレス]|
せやぁぁぁっ!~
そらそらっ! わしの本当の力は~
こんなものではないぞ!▼~
死にたいものから~
前に出るとよいわ!~
即座に引導を渡してやろう!▼~
:[エイル]|
くっ!? この力…~
本当に…彼女はベレスなの…▼~
***A [#t195d4ce]
:[ベレス]|
はぁぁぁっ! せやぁっ!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
うっとうしい羽虫どもが!~
これで終わりじゃ!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
なんという苛烈な戦い方…▼~
自分に敵意を剥けてくる者を~
容赦なく…叩き潰す…▼~
この力、人間の領域を~
大きく超えている…▼~
私が感じていた違和感は…~
もしかすると…▼~
:[ベレス]|
これで…最後じゃ!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
ふん、身の程知らずどもめが~
思い知ったじゃろう。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ベレス]|
なんじゃ、そこの娘。~
値踏みするような眼をしおって。~
おぬしも、わしの敵か?▼~
:[エイル]|
命は一人にひとつ。~
それが…世の理。▼~
しかし、私は世の理を越え~
この身体にいくつもの命を宿していた。~
だから、わかるの。▼~
:[ベレス]|
……?~
なにを言っておるのじゃ。▼~
:[エイル]|
あなたの中にある魂は、ひとつじゃない。~
そして…命のあり方も~
普通の人間とは違う気がする…▼~
:[ベレス]|
誰がわしを評せと言った?~
気に食わんのう。▼~
:[エイル]|
ベレス…いえ、今のあなたは~
ベレスではないわね。~
あなたは…誰?▼~
ベレスの中にある命に…~
別の存在が溶けあっている。▼~
その別の命が。別の魂が。~
今のベレスの身体を…動かしている。▼~
:[ベレス]|
わしの器の中を見通すとは…~
さてはおぬし、地虫どもの仲間か!?~
ならば生かしてはおけぬ!▼~
:[エイル]|
違うの…私は敵ではないわ。▼~
:[ベレス]|
ええい、問答無用じゃ!~
覚悟せい!▼~
:(白く光る)|
:[エイル]|
っ!~
私のことを敵と思い込んでる。~
このままでは▼~
:[ベレス]|
はぁぁぁっ!~
これで終いじゃ!▼~
:(白く光る)|
:[エイル(開花)]|
命の…輝きよ!▼~
:[ベレス]|
なんじゃ!?~
このあふれ出る力は!?~
地虫たちの使った闇か? いや、違う!▼~
:[エイル(開花)]|
ベレス…いえ、ベレスと~
命をともにするものよ。~
その昂ぶりを鎮めて…▼~
***S [#kc91705b]
:[ベレス]|
くっ! なんじゃ、この光は!▼~
:(白く光る)|
:[ベレス]|
まるで…包み込まれるような~
柔らかな…光じゃと…▼~
:[エイル(開花)]|
これは、私がユーミルから託された~
生命の竜の力。▼~
私の中にも宿っているの。~
もう一つの魂が…~
私と溶け合う、もう一つの命が。▼~
:[ベレス]|
傷が…癒えていく…▼~
ふん、どうやら敵意はないようじゃの。~
ならばよい。この身体は返してやろう。~
……▼~
:(白く光る)|
:[ベレス(通常)]|
う…ん…。ここは…?▼~
:[エイル]|
気がついた…?▼~
:[ベレス(通常)]|
すまない。エイル…~
迷惑をかけてしまったようだね。▼~
:[エイル]|
いえ、あなたが無事でよかった。~
さきほどまでの記憶はあるかしら?▼~
:[ベレス(通常)]|
ぼんやりとだけど…~
さっきみたいなことが~
起こったのは…はじめてだ。▼~
:[エイル]|
あなたの中に…~
あなたではない魂が…~
息づいているのね?▼~
:[ベレス(通常)]|
……。~
「彼女」が何者かは…~
わからないんだ。▼~
彼女はある日、自分の中に現れた。~
そして不思議な力を使って~
守ってくれている。▼~
:[エイル]|
……▼~
:[ベレス(通常)]|
あの通り口は悪いけど~
邪悪な存在ではないはずだ。▼~
:[エイル]|
ええ。強大な力こそ感じたけど…~
そこに禍々しさはなかったわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
今回は激しい戦いだった。~
きっと彼女も必死だったのだろう。▼~
切羽詰まっていたとはいえ…~
誤解からエイルに剣を向けてしまったね。~
すまない。▼~
:[エイル]|
いいのよ。~
強い仲間を助ければ、自分の助けにもなる。~
そう…だったわよね?▼~
:[ベレス(通常)]|
そのとおりよ。~
私たちはともに支え合うことで~
もっと強くなれるわ。▼~
:[エイル]|
私とあなたは…似ている気がする。~
ひとつの命の中に~
二つの魂を宿す存在。▼~
なにか力になれることがあったら~
遠慮なく私に言っていいわ。▼~
:[ベレス(通常)]|
ありがとう、エイル。▼~
じゃあ、もしまた「彼女」が~
暴れ出したときは…~
君の力を借りようかな。▼~
:[エイル]|
ええ、いいわよ。~
願わくは、あなたが危険にさらされ~
彼女が登場する場面が来ないよう…~
祈っているわ。▼~
**生贄の王女 マリア [#tca76098]
***C [#i21c3ec8]
:[マリア(通常)]|
ふわぁ…あ…。▼~
:[シャロン]|
あら? マリアさん。▼~
お疲れですか? ふふっ。~
おおきなあくび、見ちゃいましたよ。▼~
:[マリア(通常)]|
シャロン王女!?~
こ、これは、その…▼~
:[シャロン]|
もしかして訓練で~
お疲れなのでしょうか?▼~
:[マリア(通常)]|
ううん、違うの。~
そういうわけじゃないんだけど…。▼~
:[シャロン]|
なにか理由がおありですか?~
私でよければお話を伺いますよ!▼~
:[マリア(通常)]|
ありがとう、シャロン王女。~
でも、大したことじゃないの。▼~
あのね、なんだか最近寝つきが悪くって。~
うなされて、すぐに目が覚めちゃうの。▼~
:[シャロン]|
それは大変!~
うなされるということは~
おかしな夢でも見ているのでしょうか。▼~
:[マリア(通常)]|
えっと、はっきりと覚えてはいないんだけど~
良くない夢を見ているみたいで…▼~
:[シャロン]|
よくない夢…~
悪夢、というものでしょうか?▼~
:[マリア(通常)]|
悪夢…うーん、どうなのかな。~
自分でもよくわかってないの。▼~
:[シャロン]|
なにか助けが必要な時は~
いつでも言ってくださいね。~
今日はゆっくり眠れますように!▼~
:[マリア(通常)]|
ありがとう!~
それじゃ、今日はもう部屋へ戻ります。~
おやすみなさい、シャロン王女!▼~
***B [#y93d5220]
:[マリア(通常)]|
……。~
あれ? ここ、どこだろう。~
なんだか嫌な感じがする…▼~
誰もいなくて、とっても寂しい場所。~
ねえ、誰かいないの?~
誰もいないの?▼~
:[マリア]|
ここに…いるわ。▼~
:[マリア(通常)]|
だ、誰…!?▼~
:[マリア]|
わたしはさいしょから…ここにいた。~
あなたが見ようとしなかっただけ…▼~
:[マリア(通常)]|
う、うそっ!?~
これって…わたし?~
ううん、あなたは誰なの!?▼~
:[マリア]|
わたし…?~
わたしはマリアよ。▼~
:[マリア(通常)]|
違うわ、マリアは私だもん。~
デタラメを言わないで!▼~
:[マリア]|
うそじゃないわ…わ。~
わたしはほかのだれでもない…~
あなたじしん。▼~
きのうも…ここで会ったじゃない。~
わすれて…しまったの?▼~
:[マリア(通常)]|
昨日? も、もしかして~
ここは夢の中なの?~
あなたが悪い夢を見せていたの?▼~
:[マリア]|
わるいゆめ…? ちがうわ。~
わたしがつたえたことは~
ぜんぶ…ほんとうのこと。▼~
あなたが…目をそむけてしまった~
わすれてはならない…おもいで。~
それを思い出させてあげているだけよ。▼~
:[マリア(通常)]|
目をそむけた…?~
忘れてはならない、思い出?~
な、なにを言ってるの…▼~
:[マリア]|
おもい…だして…~
あなたがひとじちになって…~
ドルーア帝国にとらわれていた…こと▼~
:[マリア(通常)]|
そ、それがどうしたの?~
つらい思い出だけど~
忘れたことはないわ。▼~
いつ助かるのもわからず~
毎日、悲しい思い出をしていたけど…▼~
マルス様がわたしを助けてくれた。~
そのご恩は、今も忘れてないもの。▼~
:[マリア]|
つらい思い出をしていたのは…~
あなただけではないでしょう?▼~
わたしがひとじちになっているあいだ~
おおきなせんそうで…おおぜいがしんだ…~
そして…マケドニアも…▼~
:[マリア(通常)]|
そ、それは…▼~
:[マリア]|
ミシェイル兄様と、ミネルバ姉様は…~
てきとみかたにわかれて…~
ころしあうことになった…▼~
:[マリア(通常)]|
そ、それは…~
ど、どうしてあのときのことを~
思い出させるの?▼~
:[マリア]|
そうよね…思い出したくないわよね。~
あんなにやさしかった…兄様と姉様が~
たがいに…ころしあったもの。▼~
みんなでいっしょにわらい…~
みんなでいっしょにくらしていた日々。~
そんなまいにちは、もう戻ってこないの…▼~
:[マリア(通常)]|
そ、そんなことはないわ!~
世界が平和になれば、きっと…!▼~
:[マリア]|
せかいが…へいわに…?~
それをじゃましているのは…だれ?▼~
にんげんが…じゃまをしているのよ。~
あらそうことがだいすきで…~
せんそうばかりしている、にんげんが。▼~
***A [#j8a8ba10]
:[マリア]|
にんげんがいるかぎり…~
あらそいはおわらない。~
せんそうは…なくならないの。▼~
よく…かんがえて…~
なぜ…兄様と姉様が~
あらそわなければ…ならなかったのか…▼~
せんそうを生み出しているのは~
だれなのか…▼~
:[マリア(通常)]|
う、ううっ….▼~
:[マリア]|
あなたは…わるくないわ。~
わるいのは…あらそってばかりいる~
にんげんたち…▼~
にんげんがきえれば…~
せんそうも…なくなる…~
あらそいも…きえる。▼~
:[マリア(通常)]|
争いがなくなれば…~
もう誰も悲しまなくてもいいの…?▼~
:[マリア]|
そうよ。~
ずっとえがおでいられるわ…~
あんなにやさしかった…兄様と姉様が。▼~
:[マリア(通常)]|
で、でも、人間がいなくなったら~
笑うこともできなくなるよ。▼~
大好きな人の手を握ることも~
できなくなっちゃう…!▼~
:[マリア]|
じゃあ…あなたはずっとくりかえすの?~
たいせつなひとたちが…~
ころしあうせかいを。▼~
:[マリア(通常)]|
それを繰り返さないために~
わたしやマルス様は~
がんばっていたんだもん!▼~
:[マリア]|
…そう。~
あなたには、なにをいっても~
わかってもらえないみたいね。▼~
もういいわ…このまま…~
消えてちょうだい。▼~
:[マリア(通常)]|
えっ!?~
きゃあっ! くぅぅっ!~
くるし…い!▼~
:(白く光る)|
:[ミシェイル]|
やめろ!▼~
:[マリア]|
!?▼~
:[ミネルバ]|
マリア、大丈夫?~
ごめんなさい、助けにくるのが~
遅くなってしまったわ。▼~
:[マリア(通常)]|
ミシェイル兄様!~
ミネルバ姉様!~
ど、どうして…ここに?▼~
:[マリア]|
兄様、それに姉様まで…~
おふたりでころしあうだけじゃなく…~
わたしのことも…ころしてしまうの…の?▼~
:[ミシェイル]|
なにを馬鹿な…▼~
:[ミネルバ]|
わたしたちはいつだって~
あなたの身を案じているわ。▼~
:[マリア]|
うそ…ばっかり。~
兄様と姉様のては…~
血ぬられて…いるじゃない…▼~
もう…かなしいのも…いや。~
さびしいのも…いや。~
みんな…きえればいい…!▼~
:[マリア(通常)]|
ダメ! そんなこと言わないで!~
大切な人たちのこと思い出して!▼~
:[マリア]|
たいせつな…ひと…~
そんなもの…▼~
きゃあっ!?~
な、なに…この…ひかりは…!▼~
:(白く光る)|
:[マルス]|
たしかに人は、争いを繰り返す。~
だけど、きっと希望はある。▼~
その光を信じて~
僕たちは歩いていくんだよ。▼~
:[マリア(通常)]|
マルス様!?▼~
:[マリア]|
やめて…どうしてあなたまで…~
こっちへ…こっちへ来ないで…!▼~
:(白く光る)|
:[マリア(通常)]|
この光はマルス様から?▼~
:(白く光る)|
:[マリア]|
これは…ほのおの…もんしょう…。~
ざんねんだけど…ここまでみたい。▼~
だけど、これで…おわりじゃない。~
わたしとあなたは~
いずれ…かさなることになる。▼~
:[マリア(通常)]|
えっ!? そ、それは…~
どういう意味なの?▼~
:[マリア]|
それまで…しばらくのおわかれね。~
また会いましょう…▼~
***S [#v78c73b7]
:[マリア(通常)]|
ううん…兄様…姉様…~
マルス…様…▼~
ここは…?~
アスク王国の…お城?▼~
:[シャロン]|
よかった…!~
目が覚めたみたいですね、マリアさん!▼~
:[マリア(通常)]|
シャロン王女…?~
わたしはいったい…▼~
:[シャロン]|
心配で、様子を見に来たんです。~
そしたら、ひどくうなされていて…▼~
悪い夢を見ているんじゃないかと思って~
大急ぎでピアニーさんを呼びました!▼~
:[ピアニー]|
マリア王女が幸せな夢を~
見られるようにお願いしたの。~
悪い夢、消えたらならいいんだけど。▼~
:[マリア(通常)]|
幸せな夢…それで~
兄様や姉様、マルス様が▼~
わたしを助けに来てくれたんだ…▼~
ありがとう、二人とも!~
でも、悪い夢の中で~
気づいたこともあったの。▼~
:[シャロン]|
夢の中で…?▼~
:[マリア(通常)]|
今までの私は、辛いことから~
目をそらしていたような…~
逃げてばかりだった…気がするの。▼~
でも、いつまでも逃げてばかりじゃ~
ダメなんだよね。▼~
悲しみを繰り返さないために~
わたしにもできることがきっとある~
それを見つけたいなって。▼~
:[ピアニー]|
それがマリア王女の~
新しい夢ということ?▼~
:[マリア(通常)]|
夢の中で夢を見つけたって…~
お、おかしいかな?▼~
:[ピアニー]|
ううん、とても素敵だと思う▼~
:[マリア(通常)]|
私もミシェイル兄様やミネルバ姉様~
そしてマルス様のように…▼~
誰かを助けられる人間になりたいな。▼~
この先、どんなことがあっても~
あきらめないように頑張るね。~
自分に負けないように!▼~
**狂気の透魔竜 ハイドラ [#x51612dd]
***C [#h0ba0898]
:[リリス]|
うーん、どうしたんでしょう。~
なんだか馬たちの~
元気がないような…?▼~
:[シャロン]|
こんにちは、リリスさん!~
今日も馬のお世話、お疲れさまです!▼~
:[リリス]|
……▼~
:[シャロン]|
って、あれ?~
わたしに気づいていない?▼~
リリスさーん!~
どうかなさったのですかー!▼~
:[リリス]|
あっ! シャロン王女!~
見回りご苦労様です。▼~
:[シャロン]|
よかった。いつものリリスさんですね!~
考え事をされていたようですけど~
どうかされました?▼~
:[リリス]|
実は…その…~
厩舎の馬たちの様子が~
おかしいような気がして…▼~
:[シャロン]|
ふむふむ。~
わたしが見た感じでは~
いつもどおりに見えますけど?▼~
:[リリス]|
ちょっとしたことですが、違うんです。~
まるで、なにかに怯えているような。▼~
:[シャロン]|
なにかに怯えているって~
原因はわかっているんですか?▼~
:[リリス]|
もしかすると原因は…~
私のせいかもしれません。▼~
:[シャロン]|
え!? どういうことですか?▼~
:[リリス]|
馬は繊細な生き物。~
小さな変化にも敏感に反応します。▼~
私が不安に思っていることを~
この子たちは感じ取っているのかも…。▼~
:[シャロン]|
リリスさんの不安?~
なにか心配事でもあるんでしょうか。▼~
:[リリス]|
実は最近、あまりよく眠れなくて。~
言葉にできない不安が~
ずっと頭に残っているんです…▼~
:[シャロン]|
言葉にできない…~
うーん、困りましたね。▼~
:[リリス]|
すいません、シャロン王女。~
自分でもよくわからないんです…▼~
:[リリス(闇)]|
……▼~
わからない? そんなはずないでしょう。~
不安の原因なんて…~
自分でよくわかっているはず。▼~
:[リリス]|
……!?▼~
:[シャロン]|
あっ!~
ちょっと怖いほうのリリスさん!▼~
:[リリス(闇)]|
あなたが感じている不安…~
身に覚えがあるでしょう?▼~
あなたがあなたである限り~
忘れることができない~
偉大なる存在。▼~
:[リリス]|
!?~
まさか、そんなはずは…▼~
:[リリス(闇)]|
あなたにも、いずれわかるわ。~
どんなに不安を押し殺そうとしてもね。▼~
:[シャロン]|
あっ! 怖い方のリリスさん!~
もう少し詳しくお話を…▼~
ああ、言ってしまわれましたね…~
なにか恐ろしいことが~
アスク王国に起きるのでしょうか?▼~
:[リリス]|
……▼~
***B [#e0f545c5]
:[ラズワルド]|
本当だ。ここの馬…~
なんだか、みんな元気ないね。▼~
これじゃ、城下町で知り合った女の子と~
遠乗りにもいけないよ。▼~
:[ルーナ]|
誰かさんが馬に!~
変な呪いでもかけたんじゃない?▼~
:[オーディン]|
なんで俺を見るんだよ!~
俺は誇り高き闇の末裔!~
罪なき獣を呪ったりはしない!▼~
:[ラズワルド]|
はいはい、静かに。~
ちょうどいいところにリリスが来たよ。▼~
やあ、リリス。~
僕らに話したいことってなに?▼~
:[リリス]|
透魔竜ハイドラを知るあなた方に~
聞いてもらいたい話があるのです。▼~
:[ルーナ]|
えっ!?~
透魔竜ハイドラの話?▼~
ちょ、ちょっと待って。~
透魔王国の外で、その話は~
しちゃダメって言われてなかった?▼~
誰かに知られたら~
あたしたちは泡になって消えるって…▼~
:[オーディン]|
問題ないんじゃないか?~
リリスは事情を知ってるし、第一ここは~
あの世界とは全く別の異界だからな。▼~
:[ラズワルド]|
ど、どうなんだろう?~
でも、実際に僕たちは消えてないし~
大丈夫みたいだね。▼~
:[リリス]|
すみません。~
相談できるのは~
あなた方しいなくて。▼~
実は、厩舎の馬たちが怯えているのは~
私の不安が~
影響しているみたいなのです…▼~
:[ルーナ]|
なにそれ?~
リリスの不安に思う気持ちが~
馬たちに伝染してるってこと?▼~
:[リリス]|
日を追うごとに、私の中の不安は~
どんどん大きくなってきて…~
昨晩はとても怖い夢を見ました。▼~
:[ラズワルド]|
怖い夢か…。~
詳しく聞いてもいいかな?▼~
:[リリス]|
……。~
夢に出てきたのは~
透魔竜ハイドラ…▼~
:[オーディン]|
……!?▼~
:[リリス]|
夢の中のハイドラは~
世界のすべてを憎んでいました。▼~
憎しみのあまり、正気を失ったハイドラは~
暗夜、白夜を争わせ~
人間たちを滅ぼそうと…▼~
しかし、ハイドラの憎しみは~
それだけでは収まりませんでした。▼~
自分が住む世界の外側に~
異界が存在することに気づいた~
ハイドラは…。▼~
その憎しみを~
異界に向け始めたのです。▼~
:[オーディン]|
つまり、俺たちが召喚されてきたように~
あいつもアスク王国にやってくるかも~
しれないってことか…▼~
:[ラズワルド]|
もしハイドラが~
アスク王国の存在を知ったら~
きっと狙ってくるよね…▼~
:[オーディン]|
そんなことが起きたら大惨事だ!~
あの強大な力…~
タチの悪い災害みたいなもんだ。▼~
:[ルーナ]|
ちょっとオーディン!~
これ以上、リリスを怖がらせないで!▼~
:[リリス]|
……▼~
***A [#e6b2b49c]
:[オーディン]|
悪かった。~
リリスを怖がらせるつもりは~
なかったんだ。▼~
:[ラズワルド]|
だけど、もし~
エクラが~
ハイドラを召喚するとしても…▼~
召喚する時点で契約を結ぶわけだから~
ハイドラといえども、好き勝手に~
暴れられないんじゃないかな。▼~
:[ルーナ]|
それは楽観的すぎるんじゃないの?~
あれほどの強大な力を持つ竜を~
人間の力で縛られるのかしら?▼~
:[リリス]|
た…たしかに…▼~
:[オーディン]|
おい、ルーナ!~
お前がリリスを不安がらせてどうする?~
馬たちも一緒に怖がっちゃうだろ。▼~
:[ルーナ]|
ご、ごめんなさい…▼~
:[リリス]|
もし召喚の契約でも~
抑えきれないときは…▼~
:[リリス(闇)]|
アスク王国は間違いなく~
滅ぶでしょうね…▼~
:[ラズワルド]|
き、君は…!▼~
:[オーディン]|
出たなっ! 透魔竜の尖兵!~
リリスは俺たちの後ろに!▼~
:[リリス]|
だ、大丈夫…です。~
ひとまず、彼女の話を聞きましょう。▼~
:[リリス(闇)]|
ハイドラ様の憎しみは~
あらゆる世界を覆い尽くし~
生きとし生ける者は滅ぶ。▼~
夢の中でハイドラ様が望んだ未来…~
その結果は現実のものとなる。▼~
:[リリス]|
そんな!?▼~
:[リリス(闇)]|
あなたにもわかるはずよ。~
だって、あなたの中にも~
お父様の血が流れているんでしょう?▼~
人間たちに対するお父様の憎しみが~
どれほどのものか。▼~
憎しみがもたらす破壊の力で~
滅びは避けられないことを…▼~
:[リリス]|
……▼~
***S [#a6c6e401]
:[リリス(闇)]|
お父様がアスクの地に降り立てば~
この世界に破壊の嵐が吹き荒れる。~
それは、逃れられない運命…▼~
:[ラズワルド]|
た、たしかに憎しみに駆られた~
ハイドラが乗り込んでくれば…~
アスク王国もただではすまないかも。▼~
:[オーディン]|
くっ! 本当なら俺たちだけで~
なんとかしなくてはいけないのに。▼~
:[ルーナ]|
…そうよね。善き心のハイドラから~
破滅を食い止めるように頼まれたのは~
あたしたちだもの。でも…▼~
:[リリス(闇)]|
あなた方では無理です。▼~
ですが、ひとつだけ~
この世界が生き延びる~
可能性があるとすれば…▼~
:[リリス]|
可能性?▼~
:[リリス(闇)]|
最初に言っておきますが~
これは私のつまらない~
想像かもしれない。▼~
開かれた王国…~
アスク王国にはさまざまな力が集い~
多くの可能性が存在している。▼~
その幾多の可能性の中には~
私たちが想像もしない未来が…▼~
お父様の苦しみを癒す道が~
存在するかもしれない…▼~
:[リリス]|
……! アスク王国でなら~
お父様は永きにわたる苦しみから~
解放されるかもしれないと?▼~
お父様は人間に裏切られたと思い込み~
理性を失い、狂気に駆られてしまった…▼~
アスク王国でお父様が~
人間に対する信頼を取り戻せば…▼~
:[ラズワルド]|
ハイドラは正気に~
戻るかもしれないってこと?▼~
:[リリス(闇)]|
なにを浮かれているのです…~
言ったでしょう?~
これは私のつまらない想像だと。▼~
:[ルーナ]|
でも、あなただって~
ハイドラが救われるのなら~
そのほうがいいのでしょう?▼~
:[リリス(闇)]|
私はハイドラ様の忠実なるしもべです。~
ハイドラ様が滅びを求めるなら滅びを、~
救いを求めるのなら救いを願うだけです。▼~
:[リリス]|
……。~
お父様…アスク王国で~
あなたに人を信じる心が蘇れば…▼~
破滅へ向かう未来は~
変えられるかもしれません…▼~
どうか…どうか…~
今一度、人間を信じる心を…▼~
:(暗転)|
:[ハイドラ]|
我は忘れられし神。~
裏切られし王。~
埋もれし竜…▼~
かつて~
我に語りかけてきたのは~
誰であったか。▼~
すべては闇に消えてしまった。~
我が心中に残るのは~
裏切りの記憶のみ…▼~
*コメント [#a6af6a76]
- 深淵に蠢く絶望 A 遺した(のこした、後世にのこす。つた...
- 狂気の透魔竜 ハイドラA 出たなっ! 透魔竜の尖兵!(と...
#comment
ページ名:
[広告]
Amazon.co.jp