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章別会話/未来の礎を築く者
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[[章別会話]]
*未来の礎を築く者 [#b0385b8b]
#contents
**未来の礎を築く者 [#k69e698c]
***オープニング [#sd13fb51]
:[レナック]|
ジャハナの王に即位、ねえ。~
なーんか雰囲気が違うと思ったら~
そういうことだったのか。▼~
:[ネイミー]|
私が知っているのは~
傭兵のヨシュアさんだから…~
お、驚きました。▼~
:[ヨシュア]|
肩書と背負うものは違うが~
人間、そう簡単に変われるわけじゃない。▼~
それに、この国では~
王ではなく一人の英雄だ。~
今までどおり、よろしく頼む。▼~
:[アルフォンス]|
こちらこそ、よろしく。▼~
人間、そう簡単に変わらないと~
仰いましたが…。▼~
以前とは違う、芯の強さを感じます。~
ヨシュア王。▼~
:[ヨシュア]|
アルフォンス王子が知る~
以前の俺と今の俺…~
どちらがいいか悪いかじゃない。▼~
さっきも言ったとおり~
肩書や背負うものが違うだけだ。▼~
もしかすると~
昔の俺のほうが怖いもの知らずゆえに~
剣士としては強いかもしれんな。▼~
:[レナック]|
しかしなぁ…異界に召喚されて~
ようやく王女様たちから~
逃げられたと思ったのによ。▼~
まさかアスク王国まで~
ご巡覧されているとは…。~
これはあんまりじゃないの?▼~
:[シャロン]|
ラーチェル王女が仰いましたよ!~
そのうちレナックさんも絶対に~
追いかけてくるはずだって!▼~
:[レナック]|
エクラも~
空気を読んでほしいねえ。▼~
ラーチェル様とドズラのおっさんがいて~
俺がいないってことは…~
つまり、そういう意味なのよ。▼~
:[ネイミー]|
わ、私もいきなり知らない異界に~
呼ばれて不安になりましたけど…~
コーマが一緒でよかったです。▼~
:[コーマ]|
……。▼~
:[ネイミー]|
あ、あれっ? コーマ。~
ぼーっとして、どうしたの?▼~
:[コーマ]|
あ、いや…なんでもねえよ。▼~
ったく、ネイミーは異界に来てまで~
メソメソするんじゃねえよ。▼~
:[ネイミー]|
べ、別にメソメソなんてしてないよ!~
不安になっただけ!▼~
:[コーマ]|
しゃあねえなあ。~
きっとなんかの縁があるんだろ。▼~
アスク王国の人たちのために~
俺も雇われてやるよ。▼~
:[ヨシュア]|
……▼~
***C [#kce67dca]
:[コーマ]|
……。▼~
:[ネイミー]|
あ、あの、コーマ。~
ちょっといいかな?▼~
:[コーマ]|
なんだ? 寂しいから話相手に~
なってくれってんならお断りだぜ。~
俺は忙しいんだ。▼~
:[ネイミー]|
そ、そんなんじゃないよ!~
っていうか、忙しいとか言いながら~
訓練もサボってぼーっとしてるし。▼~
:[コーマ]|
さぼっているわけじゃねえ。~
眠気と戦う訓練をしてるんだ。▼~
:[ネイミー]|
コーマ、いいわけが雑だよ?▼~
:[コーマ]|
……▼~
ヨシュアの兄貴って~
王子様だったんだな。~
おっと、今は王様か…▼~
:[ネイミー]|
う、うん。私もびっくりしたよ。~
賭け事が好きな傭兵さんって~
思っていたから…▼~
:[コーマ]|
アスク王国の人たちが~
困っているのはわかる。~
だから、俺も力を貸すことにした。▼~
けどさ、もし国を救ったとしても~
難しい歴史の本や伝承に残るのは~
王様や貴族の名前だけなんだよな。▼~
アルフォンス王子やヨシュア王みたいに~
ご立派な英雄の名前だけが~
語り継がれていくんだぜ?▼~
:[ネイミー]|
そ、それはそうかもしれないけど…▼~
:[コーマ]|
別に俺も歴史に名前を~
残したいってわけじゃねえけど…▼~
ヨシュアの兄貴と違って~
盗賊の俺はどこまでいっても~
盗賊なんだなあって。▼~
マギ・ヴァルだけの話じゃない。~
異界に来ても…~
そいつはたぶん変わらねえんだ。▼~
:[ネイミー]|
……▼~
:(暗転)|
:[レナック]|
盗賊はどこまでいっても盗賊、ねえ。~
何を一丁前に悩んでいるんだか。~
若い、若いねぇ…▼~
***B [#r9e0587b]
:[レナック]|
よう。今日もしみったれた~
顔をしているな、貧乏小僧。▼~
:[コーマ]|
あいかわらずムカつくおっさんだな。~
アスク王国に来てまで~
俺を貧乏呼ばわりしやがって!▼~
なんであんたと一緒なんだ。~
エクラは~
ホントに空気が読めねぇな!▼~
:[レナック]|
少年、歴史に名を残したいのか?▼~
:[コーマ]|
……!?~
ちっ、聞いていたのかよ。~
そんなことには興味ねえよ。▼~
:[レナック]|
おおかた、自分たちが必死に戦っても~
おいしいところをもっていくのは~
王様や名のある英雄たち。▼~
そいつが気に食わないって~
考えてるんだろ?▼~
:[コーマ]|
そ、そんなんじゃねえよ!~
そんなんじゃねえ。けどよ…▼~
王様や名のある英雄は~
戦いが終われば活躍を~
褒めてくれる人たちもいるし…▼~
国や家を復興したりして~
未来に希望を持てる。~
だけどよ…▼~
俺とネイミーの村は~
燃えちまって、もうないんだ。~
村の人たちも二度と戻ってこない。▼~
戦争を終わらせても…~
俺たちには帰る場所もないんだ。▼~
:[レナック]|
ふぅ、景気の悪い話を聞いてると~
こっちの気分まで滅入ってくるねえ。▼~
:[コーマ]|
好きで景気が悪いわけじゃねえよ。~
聞いてくれと頼んだわけでもねえ。▼~
:[レナック]|
少年、メシでも食いにいくか。~
ネイミーも呼んでこいよ。▼~
:[コーマ]|
珍しいな、あんたが俺を~
メシに誘うなんて。▼~
:[レナック]|
少年と違って人生に余裕があるからな。~
気まぐれだよ、気まぐれ。~
ほら、行くぞ。▼~
:[コーマ]|
……▼~
***A [#aea361d5]
:[コーマ]|
なんだよ、メシっていうから~
食堂にでも行くのかと思ったら~
どうして川辺なんかに?▼~
:[ヨシュア]|
おっ、ちょうどいいところに来たな。~
うまそうな魚が焼けたぜ。▼~
:[ネイミー]|
ヨシュアさん…!?~
いえっ、ヨシュア王。~
こんなところでなにを…?▼~
:[ヨシュア]|
なにって見てのとおりさ。▼~
釣った魚を焼いて~
これからお前たちと一緒に~
食おうってところだよ。▼~
:[コーマ]|
ヨシュアの兄貴…~
王様になったんだろ?~
こんなところで魚なんて…▼~
:[ヨシュア]|
王様ってのはみんな~
お城で美味い料理を頬張るのが~
当たり前と思うかい?▼~
自分で釣った魚を焼いて食う。~
そんな王様がいてもいいだろ。▼~
:[レナック]|
こっちはもう焼けてるみたいだな。~
遠慮なくいただくよ。▼~
:(暗転)|
:[ヨシュア]|
やっぱり俺は宮廷料理よりも~
こっちのほうが性に合ってるな。▼~
:[ネイミー]|
私たちもこうやって~
外で一緒にご飯を食べてる~
ヨシュア王の印象しかなくて…▼~
:[ヨシュア]|
王になろうが、傭兵として~
マギ・ヴァルを旅していた~
俺がいなくなったわけじゃない。▼~
人々がなにを求めていて~
ジャハナをどう導くべきか。▼~
王族としてじゃなく~
一人の人間として見てきたつもりだ。▼~
:[コーマ]|
……▼~
:[ヨシュア]|
昔も今も、俺は自分が成すべきことを~
成そうとしているだけさ。▼~
歴史に名前を残すとか~
贅沢な暮らしがしたいとか~
そういうものとは関係なく、な。▼~
:[レナック]|
少年、お前さんがやりたいことはなんだ?~
メシの代金だと思って聞かせろよ。▼~
:[コーマ]|
……▼~
俺は弱い者が泣かなくていいような~
世の中にしたい…▼~
:[レナック]|
ネイミーもあるだろ?~
やりたいことがさ。▼~
:[ネイミー]|
わ、私は困っている人を~
助けられる人間になりたいです。▼~
シスターだったお母さんの優しさと~
弓を教えてくれたおじいちゃんの想いを…~
受け継ぎたいんです。▼~
:[レナック]|
なるほどねえ。で、そいつは~
王様や貴族じゃないとできないのか?▼~
:[コーマ]|
……▼~
そうか。うん、そうだよな。~
俺はなにをうじうじしてたんだ。▼~
他人やまわりがどうだろうと関係ない。~
自分が成すべきことをやる。~
それでいいんだよな?▼~
:[レナック]|
ちなみに俺は、じゃんじゃん金が~
稼げればそれでいいのよ。ついでに~
世の中が平和になれば言うことなしだ。▼~
:[ヨシュア]|
戦いが終われば、焼けた村も~
再建されるはずだ。▼~
それでも気に食わなければ~
ネイミーと一緒にジャハナに来い。~
きっとお前たちの居場所はある。▼~
:[ヨシュア]|
ヨシュアの兄貴。~
それにレナックも…▼~
:[レナック]|
おっ、励ましてくれた~
礼を言いたくなったか?▼~
:[コーマ]|
言わねえよ!~
言わねえけど…▼~
この借りは戦いできっちり返すからな!~
行くぞ、ネイミー!▼~
:[ネイミー]|
あっ、コーマ。待ってよ…。~
お、お魚、おいしかったです。~
ごちそうさまでした!▼~
:[レナック]|
やれやれ、素直じゃないねえ。▼~
:[ヨシュア]|
コーマのこと、教えてくれて助かった。~
あの腕前、曇らせておくには~
惜しいからな。▼~
:[レナック]|
他人を気遣える器の大きさ。それも~
王として成長した証ってところかね。▼~
んじゃ、約束どおり~
マギ・ヴァルに戻ったらお礼は~
たんまり弾んでくださいよ。▼~
:[ヨシュア]|
ああ。▼~
俺も、王としてどう歩むべきか。~
自分の成すべきことを見極めて~
一歩ずつ前に進むとするか…▼~
**泣き撃ちの狩人 ネイミー [#sbd73264]
***C [#e32b41e1]
:[ネイミー]|
よーく狙って…~
せいっ!▼~
:[レベッカ]|
すごい! また命中!~
これはネイミーさんの勝ちですね!▼~
:[ノルン]|
残念、負けちゃったかぁ。~
今日はあたしのほうが~
調子いいと思ったんだけどなー。▼~
:[ネイミー]|
え、いえ、その…~
た、たまたまです!▼~
:[レベッカ]|
ネイミーさんは~
とっても筋がよさそうですし~
れっきとした実力では?▼~
:[ネイミー]|
うぅ…。~
訓練のときは、的もはっきり見えて~
思い切り弓を引けるのですが…▼~
実戦になると…~
そ、その…▼~
:[ノルン]|
大丈夫だよ、気にしないで!▼~
ネイミーはまだ~
アスク王国に来たばかりだし~
無理せずにがんばろ?▼~
:[ネイミー]|
は、はいっ!▼~
:(暗転)|
:[レオ]|
あの子…。▼~
訓練のときはすっごく冴えてるのに~
実戦じゃ力を出し切れてないみたい。~
残念よねえ。▼~
:[タニア]|
ま、訓練と実戦では~
空気や緊張感も違うからね。▼~
:[レオ]|
助け舟を出してあげたいけど~
あの子、そういうのを~
逆に気にしそうなタイプよねぇ。▼~
:[タニア]|
うーん、アンナ隊長に~
相談してみるかな…▼~
:[スー]|
……▼~
:(暗転)|
:[ネイミー]|
え? 狩り…ですか?▼~
:[レオ]|
そうそう、訓練も兼ねてね。~
城の近くに、狩りをするのに~
もってこいの森があるのさ。▼~
:[ロナン]|
アンナ隊長の許可は取ってあるし~
ネイミーさんさえよければ…▼~
:[ネイミー]|
は、はいっ、私は大丈夫です!~
足手まといにならないように~
頑張りますっ!▼~
:[スー]|
…私もついていっても?▼~
:[タニア]|
スーも来てくれるのかい。~
あんたの目があれば~
狩りも楽になるね!▼~
:[スー]|
よろしく、ネイミー。▼~
:[ネイミー]|
こ、こちらこそ~
よろしくお願いしますっ!▼~
***B [#d06501a8]
:[ロナン]|
ネイミーさん、狩りの経験は?▼~
:[ネイミー]|
猟師のおじいちゃんに~
弓の扱い方と一緒に~
狩りのやり方も習いました。▼~
:[タニア]|
じゃあ、ネイミーの弓の腕は~
おじいちゃん譲りってわけか。▼~
スーもおじいちゃんが~
すごい人だったんだろ?~
えーと、灰色の虎とかいう…▼~
:[スー]|
【灰色の狼】…▼~
:[タニア]|
そうそれ!~
あんたたち~
育ちが似ているのかもね。▼~
:[ネイミー]|
い、いえ…~
私の腕前なんておじいちゃんの~
足元にも全然及ばなくて▼~
おじいちゃん、狩りに出るとき~
矢を一本しか~
持っていかないんです。▼~
:[ロナン]|
矢を…一本だけ?▼~
:[ネイミー]|
生きるために必要な分だけって。~
でも、その一本の矢で~
必ず仕留めていました…▼~
:[ロナン]|
狩人の鑑だ…~
自然とともに生きる術を~
心得ていたんだね。▼~
:[スー]|
…大地の恵みに対する~
敬意を感じるわ。~
そして、並外れた集中力も。▼~
:[ネイミー]|
いずれは私も、一本の矢だけで~
射抜けるようになるといいのですが…▼~
:[タニア]|
……!~
ネイミー、あそこ!~
大きな雄鹿!▼~
:[ネイミー]|
は、はいっ、やってみます!▼~
意識を集中して、呼吸を整えて~
的をしっかりと見る…~
せいっ!▼~
:[スー]|
……!~
命中よ。仕留めたみたいね。▼~
:[ロナン]|
すごいね、ネイミーさん!~
まるでおじいさまと同じじゃないか。▼~
:[タニア]|
……▼~
:[ネイミー]|
や、やれた…みたいです。ほっ。▼~
:[タニア]|
狩りでも、訓練のときと~
同じように実力を発揮できた…▼~
ネイミー、あんたもしかして~
弓を人に向けるのが、苦手なだけかい?▼~
:[ネイミー]|
……!~
そ、その…ご、ごめんなさい。~
得意では…ないです。▼~
:[スー]|
……▼~
***A [#mc609f7a]
:[スー]|
…ネイミー、少しいい?▼~
:[ネイミー]|
あ、スーさん。~
はいっ、なんでしょうか?▼~
:[スー]|
もしかして、あなたの祖父も~
名のある英雄だったのでは?▼~
:[ネイミー]|
え、えと、それは…~
私も…詳しくは知らなくて~
人づてに聞いたんですが…▼~
おじいちゃんは~
【一本矢のゼルヅァ】と~
呼ばれていたらしいです。▼~
「ゼルヅァに二の射ちいらず」と言われて~
最初の一矢ですべてを仕留める~
伝説の名人だったとか…▼~
:[スー]|
……▼~
:[ネイミー]|
この金の刺繡が入った篭手も~
おじいちゃんのものなんです。▼~
弓の教えと一緒に…~
私に授けてくれました。▼~
ちょっとだけ大きかったので~
自分用に小さくしちゃいましたけど…▼~
:[スー]|
……▼~
ネイミー、あなたが人に弓を~
向けられないというのは…~
人として、正しい。▼~
:[ネイミー]|
……▼~
:[スー]|
それでも今、戦わなくては~
守れる命も守れなくなる。▼~
私たちが弓を引かなければ~
アスク王国で暮らす人々に~
敵の矢が降り注ぐことになるから。▼~
:[ネイミー]|
そう…ですよね。~
シャロン王女から聞きました。~
この国が危機にさらされてるって…▼~
:[スー]|
ネイミーには戦う力、守る力がある。~
あなたの祖父がどのような想いで~
弓の技術とその篭手を託したのか。▼~
それを今一度…~
考えてみて。▼~
:[ネイミー]|
……▼~
***S [#v703c85e]
:[ネイミー]|
私は…山賊に村を焼かれて~
コーマと一緒に逃げ出して…▼~
それからは、生きるために~
必死に弓を引き続けました。▼~
:[スー]|
……▼~
:[ネイミー]|
弓を教わってなかったら~
私はとっくの昔に…~
命を落としていたはずなんです。▼~
おじいちゃんはずっと…~
私とコーマを守ってくれてたのかな…~
ぐすっ…▼~
:[スー]|
あなたたちの命だけじゃない。~
あなたの祖父の教えは~
もっと多くの命を守ってきたはずよ。▼~
その教えを…~
守る力に変えたのはネイミー~
あなたの努力の賜物。▼~
:[ネイミー]|
スーさん…▼~
:[スー]|
あなたが教わった~
弓の技術に磨きをかけ…~
それを多くの人に伝えてほしいの。▼~
そうすることで~
もっと救える命があるから。▼~
:[ネイミー]|
もっと多くの…命…▼~
:[スー]|
私もそうだった。~
祖父から父、父から私へ。▼~
そうやって、一族の武は受け継がれ~
多くの命を守ってきたわ。▼~
受け継がれた武は~
自分一人のものではない。▼~
これから先…人々に受け継がれ~
多くの未来を守るはずよ。▼~
:[ネイミー]|
私にも…できるかな?~
おじいちゃんの教えを…~
みんなのために役立てること。▼~
:[スー]|
あなたは奪うためではなく~
守るために弓を引ける人間。▼~
弓を引くことで、守れる命がある。~
その想いは…きっと~
多くの人に伝わると思うわ。▼~
:[ネイミー]|
ありがとう、スーさん!~
私…頑張ってみる。▼~
おじいちゃんが遺してくれた~
想いと一緒に!▼~
**決意の風来王 ヨシュア [#t8d85304]
***C [#we7ca7be]
:[ユアン]|
本当だってば! ヨシュアさんって~
ジャハナの王子様だったんだよ!▼~
:[テティス]|
こら、ユアン。冗談を言うにしても~
お相手に迷惑がかかるような~
冗談はダメって教えたでしょう?▼~
:[ユアン]|
でも、アルフォンス王子や~
エクラが~
話しているのを聞いたんだよ!▼~
:[テティス]|
…らしいわよ、マリカ。~
ヨシュアが本当に~
王子様だったらどうする?▼~
あんな博打好きが王様になったら~
国がすぐに傾いちゃうわよねぇ。▼~
:[マリカ]|
私はどうでもいい…。▼~
傭兵だろうと王子だろうと~
興味があるのは剣の腕だけ。▼~
:[テティス]|
あなたの場合はそうよね。▼~
って、あら?~
ジスト隊長はどこにいったのかしら。~
さっきから姿が見えないけど…。▼~
:(暗転)|
:[ジスト]|
ほう、変われば変わるものだな。▼~
:[ヨシュア]|
あんたの目から見た俺は~
変わったように見えるか?▼~
:[ジスト]|
一本、強い芯が~
通ったように見えるな。▼~
それがジャハナの王として生きる~
決意の証…なのかもしれんな。▼~
:[ヨシュア]|
王として、か。▼~
今の俺があるのは~
傭兵時代の経験があってこそだ。▼~
あんたたちとの交流は~
俺に学ぶ機会を与えてくれた。▼~
:[ジスト]|
……▼~
:[ヨシュア]|
宿命から目を逸らさず~
正々堂々と立ち向かった~
エフラムやエイリーク。▼~
部下たちを束ね、過酷な戦いに~
挑むあんたの責任感。▼~
一介の傭兵として目にしたものが~
俺の財産になっているのさ。▼~
:[ジスト]|
そうか、なるほどな。▼~
アスク王国には別の異界から来た~
昔のお前もいるが…~
なにか伝えたいことはあるか?▼~
:[ヨシュア]|
いや…~
少しばかり先の未来は知っているが~
俺と同じ道を辿るとは限らん。▼~
それに、自分自身で~
得なければ意味がない…~
それがどんな痛みを伴おうとな…▼~
***B [#d1c4f617]
:[ジスト]|
ヨシュア、ひとつ~
聞きたいことがある。▼~
:[ヨシュア]|
俺に答えられることなら。▼~
:[ジスト]|
先のことをむやみに知ろうってのは~
自然の理に反するかもしれんが…。▼~
お前がジャハナ王国を継ぐ決意をしたのは、~
イシュメア女王の身に~
何か起きたからか?▼~
:[ヨシュア]|
……。~
すべては、俺の甘さが原因だ。▼~
ジャハナの王宮に駆けつけたとき~
すべては手遅れだった。▼~
王宮は焼け落ち~
母上はひどい傷を負っていた。~
俺の…相棒の手によってな。▼~
:[ジスト]|
……▼~
:[ヨシュア]|
だが、ジャハナの未来は~
まだ潰えてはいない。▼~
俺は母上…先王の遺志を継ぎ~
ジャハナの民をよりよい未来に導きたい。▼~
だがそれは…~
俺一人の力では難しい。▼~
ジスト、改めて頼む。~
アスク王国の戦いが集結し~
マギ・ヴァルに戻れたら…▼~
ジャハナ王国のために働いてくれないか?~
俺に力を貸してほしい。▼~
:[ジスト]|
なるほどな。~
お前の決意、理解はできた。~
だがひとつ、条件がある。▼~
***A [#gc08b7eb]
:[ヨシュア]|
条件…? あんたのことだ。~
金や名誉で動くはずはないが~
話を聞こう。▼~
:[ジスト]|
お前は言っていたな。~
どんなに自分に力があっても~
ツキがなけりゃそれまでだ、と。▼~
たとえ王様だって、ツキがなけりゃ~
国ごと滅びちまうこともある…▼~
:[ヨシュア]|
世の中そんなもんだ…とか~
言ってたかな、昔の俺は。~
でも、あんたは違っただろう。▼~
運の良し悪しはあるだろうが~
結果を決めるのは実力。~
運を言い訳にはしたくないと。▼~
:[ジスト]|
ああ。今も~
その考えは変わっちゃいない。▼~
変わっちゃいないが…~
傭兵にとってツキのあるなしは~
死活問題だ。▼~
ツキのない雇い主についた日には~
部下たちまで危険に晒しちまう。▼~
:[ヨシュア]|
読めたぜ。~
王の俺にツキがあるかどうか~
試したいってことか。▼~
:[ジスト]|
このコインを投げて~
表が出ればお前の勝ちだ。▼~
イカサマはなしだ。~
お前の下で働くかどうかは~
こいつで決める。▼~
:[ヨシュア]|
いいだろう。~
ジャハナの未来を賭けた大勝負だな。~
俺は、自分のツキを信じるぜ。▼~
***S [#keecc782]
:[ジスト]|
そらっ…!~
表か裏かっ!▼~
:[ヨシュア]|
……!▼~
:[ジスト]|
これは…裏だな。~
ヨシュア、お前の負けだ。▼~
:[ヨシュア]|
……▼~
いや、運命は覆らない。~
これも現実だ。~
俺にツキがなかったってことさ。▼~
:[ジスト]|
そうだな。お前にツキはなかった。~
この勝負に勝った俺のほうに~
ツキがあったってことだな。▼~
ってことはだ。~
ツキがある俺が手を貸せば~
あとは実力次第ってわけだな。▼~
:[ヨシュア]|
ジスト、あんた…。▼~
そうだな…~
運任せじゃ、国は造れない。▼~
一番大事なのは~
仲間と手を携えることだ。▼~
今の俺は、そのことが~
骨身に染みてわかっている。▼~
:[ジスト]|
なら、仮契約だ。▼~
たとえ、俺がお前とは別の異界の~
マギ・ヴァルに戻ったとしても~
俺はヨシュア王に手を貸そう。▼~
:[ヨシュア]|
ああ、頼む!▼~
**嘆きの盗賊 レナック [#pef3517e]
***C [#mf60872d]
:[ラーチェル]|
正義と秩序の使者…~
ラーチェル、ここに参上ですわ!▼~
ついにレナックもアスク王国に~
招かれたと聞きましたの!▼~
:[ドズラ]|
ガハハ! レナックよ。~
また共にラーチェル様を~
お支えしようではないか!▼~
:[ラーチェル]|
って、あら?~
レナックの姿が見えませんわね。▼~
:[フィヨルム]|
じ、実はですね。レナックさんは~
「なんだか悪寒がする」と~
どこかへ走り去られまして…▼~
:[ラーチェル]|
悪寒!? まあ!~
アスク王国に来て早々~
風邪を引くなんて!▼~
病は気から! わたくしの気合で~
病魔を退散させてみせますわ!▼~
:[フィヨルム]|
か、風邪を引かれているようには~
見えませんでしたが…▼~
:[ドズラ]|
ふーむ。~
レナックめ、まーた逃げ出したか。~
しょうがない奴じゃのう。▼~
:(暗転)|
:[レナック]|
ふぅ、ここまでくれば大丈夫か。~
あいかわらず騒がしい王女様だ。~
しかし、詰めが甘いね…▼~
甘い、甘いなあ。干した果実を~
砂糖壺でじっくりと寝かして作った~
菓子より甘いよ…▼~
ま、俺はこの世界に来てまで~
王女様のわがままに振り回されるのは~
御免こうむりたいわけよ。▼~
さてと。商売のネタを探しに~
城下町でも見て回るとしますか。▼~
:[リシテア]|
……▼~
干した果実を砂糖壺で~
じっくりと寝かして作った菓子。~
興味ありますね…▼~
***B [#se50afcd]
:[レナック]|
しかし、このヴァイス・ブレイヴってのは~
いろんな人間が集まってるんだな。▼~
商人上がりの英雄はいるわ~
盗賊を生業とする英雄もいるわで…~
くせ者揃いって言葉が一番合うな。▼~
:[リシテア]|
失礼。わたしは金鹿の学級のリシテア。~
少し、話をしてもよろしいですか?▼~
:[レナック]|
金鹿…ああ、ガルグ=マクとかいう~
士官学校の生徒だっけ。~
なんの用だい?▼~
:[リシテア]|
あなたがつぶやいていた~
干した果実を砂糖壺で~
じっくりと寝かして作った菓子…▼~
詳しく聞かせて頂けないでしょうか。▼~
:[レナック]|
あんた、聞いてたのかい?~
あれは確かにすごく甘いぜ。~
マギ・ヴァルで一番甘い菓子だ。▼~
:[リシテア]|
一番の甘さ!?~
ゴクリ…▼~
:[レナック]|
しかしなあ…~
タダで教えるわけにはいかないの。▼~
よーく考えてみなさいよ。~
価値ある情報は金になる。▼~
:[リシテア]|
対価が必要…と?▼~
:[レナック]|
世の中を回すのは金だよ、金。~
味方同士だとしても~
そこははっきりさせとかないとね。▼~
:[ガイア]|
その情報代…~
これで足りるか?▼~
:[レナック]|
ん? あんたは見たところ~
同業者みたいだが…▼~
:[リシテア]|
ガイアさん!?~
その金貨の入った袋は…▼~
:[ガイア]|
俺も菓子に興味がある。▼~
手付金としてまず半額…~
俺達に食べさせてくれれば~
残りの金も払う。▼~
:[リシテア]|
いいんですか、ガイアさん?~
お金を出して頂いて…▼~
:[ガイア]|
俺もあんたも糖分の大切さを~
知る者同士だ。遠慮するな。▼~
:[レナック]|
話がわかるね。金が絡むなら~
こいつはれっきとした仕事だな。▼~
いいぜ、任せときな!~
あんたたちにマギ・ヴァルで一番甘い~
極上の菓子を食べさせてやるよ。▼~
***A [#xf838046]
:[レナック]|
菓子の作り方は頭に入っているが~
肝心の材料をどうするかな。▼~
菓子に使われていた果実…~
ありゃなんだったっけな。▼~
マギ・ヴァルの英雄に聞けば…~
おや、ちょうどいいところに!▼~
:[ネイミー]|
あ、レナックさん。~
なにか、ご用ですか?▼~
:(暗転)|
:[ネイミー]|
そうですね。あのお菓子に~
使われていた果実は~
ミーチュの実だった気がします。▼~
紅くてツヤツヤしてて~
そのまま食べると甘酸っぱい…。▼~
:[レナック]|
ミーチュか、なるほどねえ。▼~
問題はミーチュに似た果実が~
アスク王国にあるかどうかだな。▼~
:[ネイミー]|
アメリアに聞いてみますか?~
彼女は私より先にアスク王国に来て~
この国に詳しいですし。▼~
彼女の鎧の色がミーチュの実に似てる…~
そんな話をしたことがあるので。▼~
:(暗転)|
:[アメリア]|
ミーチュの実! 覚えているよ。~
ネイミーとお話ししたもんね。▼~
:[ネイミー]|
それでね、アスク王国に~
ミーチュの実に似た果実はないかな?▼~
:[レナック]|
ミーチュの実そのものがあれば~
言うことないんだけどな▼~
:[アメリア]|
えーっとね、ミーチュの木は~
アスク王国にはないみたい。▼~
:[ネイミー]|
そっか。そうだよね…。▼~
:[アメリア]|
でもね、ミーチュの実の味に~
そっくりな果実はあるの!▼~
なんて名前かは知らないけど~
勝手に「アスクミーチュ」って呼んで~
ときどき食べてるよ!▼~
:[レナック]|
ほほう、そいつは興味深い。▼~
:[アメリア]|
ちょっと待ってね。~
城の近くに木があったような…▼~
:(暗転)|
:[アメリア]|
はい、これだよ。~
色もそっくりでしょ?▼~
:[ネイミー]|
本当だ。じゃあ、さっそく…。▼~
んん~、甘くて酸っぱい!~
これ、ミーチュの実そのものだよ!▼~
:[レナック]|
確かにこいつはそっくりだ…。~
しかも、マギ・ヴァルで採れる~
ミーチュの実よりも大きいな。▼~
二人とも助かったぜ。~
こいつは礼ね。とっときな。▼~
:[ネイミー]|
え? いいんですか?~
お金なんていりませんよ。▼~
:[レナック]|
俺だって、できればタダで済ませたいさ。~
でもよ、超一流はこんなところで~
ケチっちゃダメなのよ。▼~
あんたたちは俺に有益な情報をくれた。~
その見返りは受け取るべきだ。▼~
逆に俺があんたたちに~
有益な情報を渡すときは~
きっちり金をもらうけどな。▼~
:[アメリア]|
そ、そうなんですか?~
じゃあ、このお金はそのときのために~
とっておかないと…▼~
:[レナック]|
ともあれ、助かったぜ…!~
これで仕事もうまくいくってもんだ。▼~
***S [#p881c67a]
:[レナック]|
さあ、こいつが約束の菓子だ。~
材料はちょいと違うが~
俺が知る味と瓜ふたつさ。▼~
:[リシテア]|
こ、この甘い香り…~
食べる前から唾液が出ますね。▼~
:[ガイア]|
では、一口もらおうか。▼~
もぐ…。▼~
:[リシテア]|
はむ…。▼~
:[レナック]|
どうだい、お味は?▼~
:[リシテア]|
ま、まるで蜜が全身を~
駆け回るような重々しい甘さ!~
夜中に食べると頭が冴えそうですね。▼~
:[ガイア]|
こいつは驚いた…~
口当たりも香りも文句なしだ。▼~
マギ・ヴァルで一番甘い菓子というのは~
どうやら本当らしいな。~
残りの金も受け取ってくれ。▼~
:[レナック]|
毎度。確かに受け取ったぜ。▼~
:[リシテア]|
ううっ、手が止まりませんよこれ。~
病みつきになる甘さです!▼~
:[レナック]|
そんなに気に入ってくれるとはなあ。~
そうだ! この菓子をアスク王国で~
売り出せば一儲けできるんじゃ!?▼~
こいつぁ名案だよなあ。~
俺にも運が向いて来たか!▼~
:[ラーチェル]|
ならば…その運を~
正義と秩序のために活かすべきですわ!▼~
:[レナック]|
ひっ!? こ、この声は…。▼~
:[ラーチェル]|
すっかり風邪も治ったようですわね。~
息災でなによりですわ!▼~
:[ドズラ]|
ようやっと見つけたぞ、レナック。▼~
さあさあ、ラーチェル様と共に~
アスクの民のために頑張ろうではないか!~
ガハハ!▼~
:[レナック]|
じょ、冗談だろ!?~
アスクに来てまでラーチェル様の~
お供は…。▼~
:[ラーチェル]|
ドズラ、正義の名のもとに~
速やかに確保ですわ!▼~
:[ドズラ]|
了解ですじゃ!~
そら、観念するんじゃ。▼~
:[レナック]|
放せっ! いい儲け話があるのに~
みすみすドブに捨てるなんざ…。▼~
:[ドズラ]|
わしらの旅はアスク王国でも続くのじゃ。~
ラーチェル様を支え、~
どこまでも行こうぞ!▼~
:[ラーチェル]|
さあ、皆がわたくしたちを~
待っていますわよ!▼~
麗しの絶世美少女一行の旅は~
異界を超えて続くのですから!▼~
:[レナック]|
つ、続かないでくれぇぇぇ~!▼~
**腕利きの盗賊 コーマ [#h8c05499]
***C [#nc336f5f]
:[コーマ]|
ここがアンナ商会か。~
アンナ隊長にそっくりの~
店主がいるって聞いたけど…▼~
:[アンナ]|
あら、来てくれたのね。~
あなたがコーマ?▼~
:[コーマ]|
驚いたぜ。本当に~
アンナ隊長にそっくりだな。▼~
ってことは~
あんたが俺を呼び出した~
この店の店主ってことか?▼~
:[アンナ]|
ええ。イーリス聖王国アンナ商会~
アスク支店へようこそ。▼~
エクラから~
聞いたわよ。▼~
あなた、情報を集めるのが~
得意なんだってね?▼~
:[コーマ]|
ま、どちらかっていえば~
得意ってことになるかな。▼~
エイリーク王女たちと旅したときも~
耳寄り情報を届けていたもんさ。▼~
:[アンナ]|
なるほど、噂は本当みたいね。▼~
でね、あなたの腕を見込んで~
頼みがあるの。~
もちろん報酬も払うわ。▼~
店の隅…~
兜が並んだ棚の前に男がいるでしょ?~
バレないようにこっそりと見て。▼~
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
なんだか目つきの悪い男だな。~
あのおっさんがどうかしたのか?▼~
:[アンナ]|
少し前からうちの店に~
出入りしている客なんだけど…▼~
城下町の路地裏で~
なんだか怪しげな~
取引をしてるって噂なのよ。▼~
:[コーマ]|
見るからに胡散臭いな…~
で、俺に頼みたいのは~
あいつの正体を探れってことか?▼~
:[アンナ]|
ご明察。あの人が~
どんな相手と取引しているのか~
探ってほしいの。▼~
:[コーマ]|
取引の相手を調べるだけでいいのか?~
そんなの朝飯前だ。▼~
:[アンナ]|
おおっ、それは頼もしいわね!~
起源は1週間。お願いできるかしら。~
報酬は成功時に渡すってことでいい?▼~
:[コーマ]|
まかせときな、1週間もいらねえ。~
3日で十分さ!▼~
***B [#r2871a53]
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
……▼~
まわりに人が増えてきたな。~
今度こそ見失わないように~
気をつけねえと…▼~
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
3日もあれば十分とか~
勢いで言っちまったが~
今日で4日目…▼~
くそっ、あいつは~
いったい何者なんだ。▼~
どんな人混みでもスルスル~
滑るように動きやがる。▼~
まばたきした瞬間~
姿が消えてることもあるし~
絶対ただ者じゃねえ…▼~
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
なんだ?~
ずいぶんとボロい~
建物に入っていったな…▼~
もしかして取引場所か!?~
よし、現場を押さえてやるぜ…!▼~
:(暗転)|
:[コーマ]|
どういうことだ?~
もぬけの殻じゃねえか!▼~
あいつは確かに~
ここに入っていった…~
だけど人の気配がねえ。▼~
建物を見張っていた間に~
誰も出入りしていないはずだし…▼~
くそっ! いったいどこに~
消えちまったんだ!?▼~
***A [#j905d22a]
:[コーマ]|
まさか今日も同じ場所で~
見失っちまうとは…。▼~
約束の日まであと1日。~
ちっ、あのおっさんは~
いったい何者なんだよ!▼~
絶対にあの建物の中に~
入っていったはずなんだ。▼~
このままじゃ約束を守れねえ。~
なにかを守れねえ辛さってのは~
身にしみてわかってるはずなのによ…▼~
:[ネイミー]|
コーマ、なにかあったの?~
城下町によく行ってるみたいだけど…。~
な、なにか危ないこと…してないよね?▼~
:[コーマ]|
別にヤバいことはしてねえよ!▼~
:[ネイミー]|
そ、そんなに怒鳴らなくても…~
う、ううっ……ぐすっ…。▼~
:[コーマ]|
お、おいっ!~
泣くんじゃねえよ…!▼~
いや、これはイラついてた俺が悪いな。~
八つ当たりしてすまねえ。▼~
:[ネイミー]|
ぐすっ…危ないことは…~
してないんだよね?▼~
:[コーマ]|
ああ、してないしてない。~
だから泣くんじゃねえよ。▼~
ネイミーに泣かれると~
お前のじいさんがすっ飛んで来そうで~
今も気が気じゃねえんだよ。▼~
:[ネイミー]|
コーマ、よく私を泣かして~
おじいちゃんに叱られてたもんね…▼~
:[コーマ]|
お前のじいさん、~
ネイミーが泣くと~
どこでも駆けつけるからなあ。▼~
凄腕の猟師なだけあるぜ。~
目が良すぎるって…~
!▼~
:[ネイミー]|
コーマ…? ど、どうしたの?~
いきなり真剣な顔…▼~
:[コーマ]|
そういやネイミーのじいさんに~
教えてもらったことがあったな…▼~
野鳥には、天敵をあざむくために~
わざと巣から離れたところに~
降りる奴もいるって…▼~
:[ネイミー]|
う、うん。巣にいる雛を守るために~
巣とは違う場所に降りたように~
見せかけるんだよね?▼~
:[コーマ]|
それだ! おっさんが~
これ見よがしにあの建物の前で~
姿を消していたってことは…▼~
きっと近くに知られたくない~
取引現場があるってことだ!▼~
ありがとな、ネイミー!~
いい手がかりになったぜ!▼~
:[ネイミー]|
い、意味わかんないよ…~
でもコーマ。く、くれぐれも~
危ないことはしないでね!▼~
***S [#seef668d]
:[コーマ]|
やったぜアンナさん!~
あのおっさんの取引相手~
しっかりと目に焼き付けてきたぜ!▼~
:[アンナ]|
今日で7日目…~
期限には間に合ったみたいね。~
やるじゃない!▼~
:[コーマ]|
あのおっさん、なんか~
やべー奴と取引してたぞ?▼~
凶悪な面構えの大男でさ。~
手に小鳥なんか乗せてたけど~
ありゃきっと非常食だな…▼~
:[アンナ]|
凶悪な面構えの大男…~
あんな感じ?▼~
:[ブノワ]|
……▼~
:[コーマ]|
そうそう、まさにあんな感じ…~
ってオイ! どうして取引相手が~
ここにいるんだよ!?▼~
:[ブノワ]|
この小鳥は…俺の友達だ。~
取って食うなんて酷いことはしない。▼~
:[フォルカ]|
思っていたよりは~
勘がいいようだ。▼~
:[コーマ]|
ええっ…!?~
おっさんまで!~
こりゃどういうことだよ?▼~
:(暗転)|
:[アンナ]|
ごめんね、あなたのことを~
試させてもらってたの。▼~
:[フォルカ]|
使い物になるかどうか~
それを確かめるために~
俺とブノワは雇われてたのさ。▼~
:[コーマ]|
やっぱりあんたの同業者だったのかよ。~
ただ者じゃねえと思ってたけどさ。▼~
で、あんたらから見て~
俺は使い物になりそうかい?▼~
:[アンナ]|
もちろん合格よ!~
ちゃんと成果も出したし。▼~
はい。これは約束の報酬ね!~
試させてもらったお詫びよ。▼~
:[フォルカ]|
観察眼や状況判断、どちらも筋がいい。~
お前なら密偵としても~
アスク王国でも立ち回れるだろう。▼~
:[アンナ]|
実はエイリーク王女からも~
推薦されててね。▼~
コーマは機転が利くから~
いろいろと役に立つはずだって。▼~
:[コーマ]|
エイリーク様が…~
試されたのは気に食わねえけど~
期待されてるっていうなら悪くないな。▼~
:[アンナ]|
アンナ商会は~
ヴァイス・ブレイヴの任務以外にも~
いろいろ仕事と請け負っているの。▼~
これからも頼らせてもらうわよ。~
もちろん、報酬は出すからね。▼~
:[コーマ]|
よっし! 俄然やる気が出たぜ。▼~
頼られているのならしょうがねえ。~
俺のやり方で~
みんなの力になってみせるぜ。▼~
そして…俺ももっと成長して~
今度こそ、大切なものを~
守れるようにならなきゃな!▼~
*コメント [#aa448b11]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*未来の礎を築く者 [#b0385b8b]
#contents
**未来の礎を築く者 [#k69e698c]
***オープニング [#sd13fb51]
:[レナック]|
ジャハナの王に即位、ねえ。~
なーんか雰囲気が違うと思ったら~
そういうことだったのか。▼~
:[ネイミー]|
私が知っているのは~
傭兵のヨシュアさんだから…~
お、驚きました。▼~
:[ヨシュア]|
肩書と背負うものは違うが~
人間、そう簡単に変われるわけじゃない。▼~
それに、この国では~
王ではなく一人の英雄だ。~
今までどおり、よろしく頼む。▼~
:[アルフォンス]|
こちらこそ、よろしく。▼~
人間、そう簡単に変わらないと~
仰いましたが…。▼~
以前とは違う、芯の強さを感じます。~
ヨシュア王。▼~
:[ヨシュア]|
アルフォンス王子が知る~
以前の俺と今の俺…~
どちらがいいか悪いかじゃない。▼~
さっきも言ったとおり~
肩書や背負うものが違うだけだ。▼~
もしかすると~
昔の俺のほうが怖いもの知らずゆえに~
剣士としては強いかもしれんな。▼~
:[レナック]|
しかしなぁ…異界に召喚されて~
ようやく王女様たちから~
逃げられたと思ったのによ。▼~
まさかアスク王国まで~
ご巡覧されているとは…。~
これはあんまりじゃないの?▼~
:[シャロン]|
ラーチェル王女が仰いましたよ!~
そのうちレナックさんも絶対に~
追いかけてくるはずだって!▼~
:[レナック]|
エクラも~
空気を読んでほしいねえ。▼~
ラーチェル様とドズラのおっさんがいて~
俺がいないってことは…~
つまり、そういう意味なのよ。▼~
:[ネイミー]|
わ、私もいきなり知らない異界に~
呼ばれて不安になりましたけど…~
コーマが一緒でよかったです。▼~
:[コーマ]|
……。▼~
:[ネイミー]|
あ、あれっ? コーマ。~
ぼーっとして、どうしたの?▼~
:[コーマ]|
あ、いや…なんでもねえよ。▼~
ったく、ネイミーは異界に来てまで~
メソメソするんじゃねえよ。▼~
:[ネイミー]|
べ、別にメソメソなんてしてないよ!~
不安になっただけ!▼~
:[コーマ]|
しゃあねえなあ。~
きっとなんかの縁があるんだろ。▼~
アスク王国の人たちのために~
俺も雇われてやるよ。▼~
:[ヨシュア]|
……▼~
***C [#kce67dca]
:[コーマ]|
……。▼~
:[ネイミー]|
あ、あの、コーマ。~
ちょっといいかな?▼~
:[コーマ]|
なんだ? 寂しいから話相手に~
なってくれってんならお断りだぜ。~
俺は忙しいんだ。▼~
:[ネイミー]|
そ、そんなんじゃないよ!~
っていうか、忙しいとか言いながら~
訓練もサボってぼーっとしてるし。▼~
:[コーマ]|
さぼっているわけじゃねえ。~
眠気と戦う訓練をしてるんだ。▼~
:[ネイミー]|
コーマ、いいわけが雑だよ?▼~
:[コーマ]|
……▼~
ヨシュアの兄貴って~
王子様だったんだな。~
おっと、今は王様か…▼~
:[ネイミー]|
う、うん。私もびっくりしたよ。~
賭け事が好きな傭兵さんって~
思っていたから…▼~
:[コーマ]|
アスク王国の人たちが~
困っているのはわかる。~
だから、俺も力を貸すことにした。▼~
けどさ、もし国を救ったとしても~
難しい歴史の本や伝承に残るのは~
王様や貴族の名前だけなんだよな。▼~
アルフォンス王子やヨシュア王みたいに~
ご立派な英雄の名前だけが~
語り継がれていくんだぜ?▼~
:[ネイミー]|
そ、それはそうかもしれないけど…▼~
:[コーマ]|
別に俺も歴史に名前を~
残したいってわけじゃねえけど…▼~
ヨシュアの兄貴と違って~
盗賊の俺はどこまでいっても~
盗賊なんだなあって。▼~
マギ・ヴァルだけの話じゃない。~
異界に来ても…~
そいつはたぶん変わらねえんだ。▼~
:[ネイミー]|
……▼~
:(暗転)|
:[レナック]|
盗賊はどこまでいっても盗賊、ねえ。~
何を一丁前に悩んでいるんだか。~
若い、若いねぇ…▼~
***B [#r9e0587b]
:[レナック]|
よう。今日もしみったれた~
顔をしているな、貧乏小僧。▼~
:[コーマ]|
あいかわらずムカつくおっさんだな。~
アスク王国に来てまで~
俺を貧乏呼ばわりしやがって!▼~
なんであんたと一緒なんだ。~
エクラは~
ホントに空気が読めねぇな!▼~
:[レナック]|
少年、歴史に名を残したいのか?▼~
:[コーマ]|
……!?~
ちっ、聞いていたのかよ。~
そんなことには興味ねえよ。▼~
:[レナック]|
おおかた、自分たちが必死に戦っても~
おいしいところをもっていくのは~
王様や名のある英雄たち。▼~
そいつが気に食わないって~
考えてるんだろ?▼~
:[コーマ]|
そ、そんなんじゃねえよ!~
そんなんじゃねえ。けどよ…▼~
王様や名のある英雄は~
戦いが終われば活躍を~
褒めてくれる人たちもいるし…▼~
国や家を復興したりして~
未来に希望を持てる。~
だけどよ…▼~
俺とネイミーの村は~
燃えちまって、もうないんだ。~
村の人たちも二度と戻ってこない。▼~
戦争を終わらせても…~
俺たちには帰る場所もないんだ。▼~
:[レナック]|
ふぅ、景気の悪い話を聞いてると~
こっちの気分まで滅入ってくるねえ。▼~
:[コーマ]|
好きで景気が悪いわけじゃねえよ。~
聞いてくれと頼んだわけでもねえ。▼~
:[レナック]|
少年、メシでも食いにいくか。~
ネイミーも呼んでこいよ。▼~
:[コーマ]|
珍しいな、あんたが俺を~
メシに誘うなんて。▼~
:[レナック]|
少年と違って人生に余裕があるからな。~
気まぐれだよ、気まぐれ。~
ほら、行くぞ。▼~
:[コーマ]|
……▼~
***A [#aea361d5]
:[コーマ]|
なんだよ、メシっていうから~
食堂にでも行くのかと思ったら~
どうして川辺なんかに?▼~
:[ヨシュア]|
おっ、ちょうどいいところに来たな。~
うまそうな魚が焼けたぜ。▼~
:[ネイミー]|
ヨシュアさん…!?~
いえっ、ヨシュア王。~
こんなところでなにを…?▼~
:[ヨシュア]|
なにって見てのとおりさ。▼~
釣った魚を焼いて~
これからお前たちと一緒に~
食おうってところだよ。▼~
:[コーマ]|
ヨシュアの兄貴…~
王様になったんだろ?~
こんなところで魚なんて…▼~
:[ヨシュア]|
王様ってのはみんな~
お城で美味い料理を頬張るのが~
当たり前と思うかい?▼~
自分で釣った魚を焼いて食う。~
そんな王様がいてもいいだろ。▼~
:[レナック]|
こっちはもう焼けてるみたいだな。~
遠慮なくいただくよ。▼~
:(暗転)|
:[ヨシュア]|
やっぱり俺は宮廷料理よりも~
こっちのほうが性に合ってるな。▼~
:[ネイミー]|
私たちもこうやって~
外で一緒にご飯を食べてる~
ヨシュア王の印象しかなくて…▼~
:[ヨシュア]|
王になろうが、傭兵として~
マギ・ヴァルを旅していた~
俺がいなくなったわけじゃない。▼~
人々がなにを求めていて~
ジャハナをどう導くべきか。▼~
王族としてじゃなく~
一人の人間として見てきたつもりだ。▼~
:[コーマ]|
……▼~
:[ヨシュア]|
昔も今も、俺は自分が成すべきことを~
成そうとしているだけさ。▼~
歴史に名前を残すとか~
贅沢な暮らしがしたいとか~
そういうものとは関係なく、な。▼~
:[レナック]|
少年、お前さんがやりたいことはなんだ?~
メシの代金だと思って聞かせろよ。▼~
:[コーマ]|
……▼~
俺は弱い者が泣かなくていいような~
世の中にしたい…▼~
:[レナック]|
ネイミーもあるだろ?~
やりたいことがさ。▼~
:[ネイミー]|
わ、私は困っている人を~
助けられる人間になりたいです。▼~
シスターだったお母さんの優しさと~
弓を教えてくれたおじいちゃんの想いを…~
受け継ぎたいんです。▼~
:[レナック]|
なるほどねえ。で、そいつは~
王様や貴族じゃないとできないのか?▼~
:[コーマ]|
……▼~
そうか。うん、そうだよな。~
俺はなにをうじうじしてたんだ。▼~
他人やまわりがどうだろうと関係ない。~
自分が成すべきことをやる。~
それでいいんだよな?▼~
:[レナック]|
ちなみに俺は、じゃんじゃん金が~
稼げればそれでいいのよ。ついでに~
世の中が平和になれば言うことなしだ。▼~
:[ヨシュア]|
戦いが終われば、焼けた村も~
再建されるはずだ。▼~
それでも気に食わなければ~
ネイミーと一緒にジャハナに来い。~
きっとお前たちの居場所はある。▼~
:[ヨシュア]|
ヨシュアの兄貴。~
それにレナックも…▼~
:[レナック]|
おっ、励ましてくれた~
礼を言いたくなったか?▼~
:[コーマ]|
言わねえよ!~
言わねえけど…▼~
この借りは戦いできっちり返すからな!~
行くぞ、ネイミー!▼~
:[ネイミー]|
あっ、コーマ。待ってよ…。~
お、お魚、おいしかったです。~
ごちそうさまでした!▼~
:[レナック]|
やれやれ、素直じゃないねえ。▼~
:[ヨシュア]|
コーマのこと、教えてくれて助かった。~
あの腕前、曇らせておくには~
惜しいからな。▼~
:[レナック]|
他人を気遣える器の大きさ。それも~
王として成長した証ってところかね。▼~
んじゃ、約束どおり~
マギ・ヴァルに戻ったらお礼は~
たんまり弾んでくださいよ。▼~
:[ヨシュア]|
ああ。▼~
俺も、王としてどう歩むべきか。~
自分の成すべきことを見極めて~
一歩ずつ前に進むとするか…▼~
**泣き撃ちの狩人 ネイミー [#sbd73264]
***C [#e32b41e1]
:[ネイミー]|
よーく狙って…~
せいっ!▼~
:[レベッカ]|
すごい! また命中!~
これはネイミーさんの勝ちですね!▼~
:[ノルン]|
残念、負けちゃったかぁ。~
今日はあたしのほうが~
調子いいと思ったんだけどなー。▼~
:[ネイミー]|
え、いえ、その…~
た、たまたまです!▼~
:[レベッカ]|
ネイミーさんは~
とっても筋がよさそうですし~
れっきとした実力では?▼~
:[ネイミー]|
うぅ…。~
訓練のときは、的もはっきり見えて~
思い切り弓を引けるのですが…▼~
実戦になると…~
そ、その…▼~
:[ノルン]|
大丈夫だよ、気にしないで!▼~
ネイミーはまだ~
アスク王国に来たばかりだし~
無理せずにがんばろ?▼~
:[ネイミー]|
は、はいっ!▼~
:(暗転)|
:[レオ]|
あの子…。▼~
訓練のときはすっごく冴えてるのに~
実戦じゃ力を出し切れてないみたい。~
残念よねえ。▼~
:[タニア]|
ま、訓練と実戦では~
空気や緊張感も違うからね。▼~
:[レオ]|
助け舟を出してあげたいけど~
あの子、そういうのを~
逆に気にしそうなタイプよねぇ。▼~
:[タニア]|
うーん、アンナ隊長に~
相談してみるかな…▼~
:[スー]|
……▼~
:(暗転)|
:[ネイミー]|
え? 狩り…ですか?▼~
:[レオ]|
そうそう、訓練も兼ねてね。~
城の近くに、狩りをするのに~
もってこいの森があるのさ。▼~
:[ロナン]|
アンナ隊長の許可は取ってあるし~
ネイミーさんさえよければ…▼~
:[ネイミー]|
は、はいっ、私は大丈夫です!~
足手まといにならないように~
頑張りますっ!▼~
:[スー]|
…私もついていっても?▼~
:[タニア]|
スーも来てくれるのかい。~
あんたの目があれば~
狩りも楽になるね!▼~
:[スー]|
よろしく、ネイミー。▼~
:[ネイミー]|
こ、こちらこそ~
よろしくお願いしますっ!▼~
***B [#d06501a8]
:[ロナン]|
ネイミーさん、狩りの経験は?▼~
:[ネイミー]|
猟師のおじいちゃんに~
弓の扱い方と一緒に~
狩りのやり方も習いました。▼~
:[タニア]|
じゃあ、ネイミーの弓の腕は~
おじいちゃん譲りってわけか。▼~
スーもおじいちゃんが~
すごい人だったんだろ?~
えーと、灰色の虎とかいう…▼~
:[スー]|
【灰色の狼】…▼~
:[タニア]|
そうそれ!~
あんたたち~
育ちが似ているのかもね。▼~
:[ネイミー]|
い、いえ…~
私の腕前なんておじいちゃんの~
足元にも全然及ばなくて▼~
おじいちゃん、狩りに出るとき~
矢を一本しか~
持っていかないんです。▼~
:[ロナン]|
矢を…一本だけ?▼~
:[ネイミー]|
生きるために必要な分だけって。~
でも、その一本の矢で~
必ず仕留めていました…▼~
:[ロナン]|
狩人の鑑だ…~
自然とともに生きる術を~
心得ていたんだね。▼~
:[スー]|
…大地の恵みに対する~
敬意を感じるわ。~
そして、並外れた集中力も。▼~
:[ネイミー]|
いずれは私も、一本の矢だけで~
射抜けるようになるといいのですが…▼~
:[タニア]|
……!~
ネイミー、あそこ!~
大きな雄鹿!▼~
:[ネイミー]|
は、はいっ、やってみます!▼~
意識を集中して、呼吸を整えて~
的をしっかりと見る…~
せいっ!▼~
:[スー]|
……!~
命中よ。仕留めたみたいね。▼~
:[ロナン]|
すごいね、ネイミーさん!~
まるでおじいさまと同じじゃないか。▼~
:[タニア]|
……▼~
:[ネイミー]|
や、やれた…みたいです。ほっ。▼~
:[タニア]|
狩りでも、訓練のときと~
同じように実力を発揮できた…▼~
ネイミー、あんたもしかして~
弓を人に向けるのが、苦手なだけかい?▼~
:[ネイミー]|
……!~
そ、その…ご、ごめんなさい。~
得意では…ないです。▼~
:[スー]|
……▼~
***A [#mc609f7a]
:[スー]|
…ネイミー、少しいい?▼~
:[ネイミー]|
あ、スーさん。~
はいっ、なんでしょうか?▼~
:[スー]|
もしかして、あなたの祖父も~
名のある英雄だったのでは?▼~
:[ネイミー]|
え、えと、それは…~
私も…詳しくは知らなくて~
人づてに聞いたんですが…▼~
おじいちゃんは~
【一本矢のゼルヅァ】と~
呼ばれていたらしいです。▼~
「ゼルヅァに二の射ちいらず」と言われて~
最初の一矢ですべてを仕留める~
伝説の名人だったとか…▼~
:[スー]|
……▼~
:[ネイミー]|
この金の刺繡が入った篭手も~
おじいちゃんのものなんです。▼~
弓の教えと一緒に…~
私に授けてくれました。▼~
ちょっとだけ大きかったので~
自分用に小さくしちゃいましたけど…▼~
:[スー]|
……▼~
ネイミー、あなたが人に弓を~
向けられないというのは…~
人として、正しい。▼~
:[ネイミー]|
……▼~
:[スー]|
それでも今、戦わなくては~
守れる命も守れなくなる。▼~
私たちが弓を引かなければ~
アスク王国で暮らす人々に~
敵の矢が降り注ぐことになるから。▼~
:[ネイミー]|
そう…ですよね。~
シャロン王女から聞きました。~
この国が危機にさらされてるって…▼~
:[スー]|
ネイミーには戦う力、守る力がある。~
あなたの祖父がどのような想いで~
弓の技術とその篭手を託したのか。▼~
それを今一度…~
考えてみて。▼~
:[ネイミー]|
……▼~
***S [#v703c85e]
:[ネイミー]|
私は…山賊に村を焼かれて~
コーマと一緒に逃げ出して…▼~
それからは、生きるために~
必死に弓を引き続けました。▼~
:[スー]|
……▼~
:[ネイミー]|
弓を教わってなかったら~
私はとっくの昔に…~
命を落としていたはずなんです。▼~
おじいちゃんはずっと…~
私とコーマを守ってくれてたのかな…~
ぐすっ…▼~
:[スー]|
あなたたちの命だけじゃない。~
あなたの祖父の教えは~
もっと多くの命を守ってきたはずよ。▼~
その教えを…~
守る力に変えたのはネイミー~
あなたの努力の賜物。▼~
:[ネイミー]|
スーさん…▼~
:[スー]|
あなたが教わった~
弓の技術に磨きをかけ…~
それを多くの人に伝えてほしいの。▼~
そうすることで~
もっと救える命があるから。▼~
:[ネイミー]|
もっと多くの…命…▼~
:[スー]|
私もそうだった。~
祖父から父、父から私へ。▼~
そうやって、一族の武は受け継がれ~
多くの命を守ってきたわ。▼~
受け継がれた武は~
自分一人のものではない。▼~
これから先…人々に受け継がれ~
多くの未来を守るはずよ。▼~
:[ネイミー]|
私にも…できるかな?~
おじいちゃんの教えを…~
みんなのために役立てること。▼~
:[スー]|
あなたは奪うためではなく~
守るために弓を引ける人間。▼~
弓を引くことで、守れる命がある。~
その想いは…きっと~
多くの人に伝わると思うわ。▼~
:[ネイミー]|
ありがとう、スーさん!~
私…頑張ってみる。▼~
おじいちゃんが遺してくれた~
想いと一緒に!▼~
**決意の風来王 ヨシュア [#t8d85304]
***C [#we7ca7be]
:[ユアン]|
本当だってば! ヨシュアさんって~
ジャハナの王子様だったんだよ!▼~
:[テティス]|
こら、ユアン。冗談を言うにしても~
お相手に迷惑がかかるような~
冗談はダメって教えたでしょう?▼~
:[ユアン]|
でも、アルフォンス王子や~
エクラが~
話しているのを聞いたんだよ!▼~
:[テティス]|
…らしいわよ、マリカ。~
ヨシュアが本当に~
王子様だったらどうする?▼~
あんな博打好きが王様になったら~
国がすぐに傾いちゃうわよねぇ。▼~
:[マリカ]|
私はどうでもいい…。▼~
傭兵だろうと王子だろうと~
興味があるのは剣の腕だけ。▼~
:[テティス]|
あなたの場合はそうよね。▼~
って、あら?~
ジスト隊長はどこにいったのかしら。~
さっきから姿が見えないけど…。▼~
:(暗転)|
:[ジスト]|
ほう、変われば変わるものだな。▼~
:[ヨシュア]|
あんたの目から見た俺は~
変わったように見えるか?▼~
:[ジスト]|
一本、強い芯が~
通ったように見えるな。▼~
それがジャハナの王として生きる~
決意の証…なのかもしれんな。▼~
:[ヨシュア]|
王として、か。▼~
今の俺があるのは~
傭兵時代の経験があってこそだ。▼~
あんたたちとの交流は~
俺に学ぶ機会を与えてくれた。▼~
:[ジスト]|
……▼~
:[ヨシュア]|
宿命から目を逸らさず~
正々堂々と立ち向かった~
エフラムやエイリーク。▼~
部下たちを束ね、過酷な戦いに~
挑むあんたの責任感。▼~
一介の傭兵として目にしたものが~
俺の財産になっているのさ。▼~
:[ジスト]|
そうか、なるほどな。▼~
アスク王国には別の異界から来た~
昔のお前もいるが…~
なにか伝えたいことはあるか?▼~
:[ヨシュア]|
いや…~
少しばかり先の未来は知っているが~
俺と同じ道を辿るとは限らん。▼~
それに、自分自身で~
得なければ意味がない…~
それがどんな痛みを伴おうとな…▼~
***B [#d1c4f617]
:[ジスト]|
ヨシュア、ひとつ~
聞きたいことがある。▼~
:[ヨシュア]|
俺に答えられることなら。▼~
:[ジスト]|
先のことをむやみに知ろうってのは~
自然の理に反するかもしれんが…。▼~
お前がジャハナ王国を継ぐ決意をしたのは、~
イシュメア女王の身に~
何か起きたからか?▼~
:[ヨシュア]|
……。~
すべては、俺の甘さが原因だ。▼~
ジャハナの王宮に駆けつけたとき~
すべては手遅れだった。▼~
王宮は焼け落ち~
母上はひどい傷を負っていた。~
俺の…相棒の手によってな。▼~
:[ジスト]|
……▼~
:[ヨシュア]|
だが、ジャハナの未来は~
まだ潰えてはいない。▼~
俺は母上…先王の遺志を継ぎ~
ジャハナの民をよりよい未来に導きたい。▼~
だがそれは…~
俺一人の力では難しい。▼~
ジスト、改めて頼む。~
アスク王国の戦いが集結し~
マギ・ヴァルに戻れたら…▼~
ジャハナ王国のために働いてくれないか?~
俺に力を貸してほしい。▼~
:[ジスト]|
なるほどな。~
お前の決意、理解はできた。~
だがひとつ、条件がある。▼~
***A [#gc08b7eb]
:[ヨシュア]|
条件…? あんたのことだ。~
金や名誉で動くはずはないが~
話を聞こう。▼~
:[ジスト]|
お前は言っていたな。~
どんなに自分に力があっても~
ツキがなけりゃそれまでだ、と。▼~
たとえ王様だって、ツキがなけりゃ~
国ごと滅びちまうこともある…▼~
:[ヨシュア]|
世の中そんなもんだ…とか~
言ってたかな、昔の俺は。~
でも、あんたは違っただろう。▼~
運の良し悪しはあるだろうが~
結果を決めるのは実力。~
運を言い訳にはしたくないと。▼~
:[ジスト]|
ああ。今も~
その考えは変わっちゃいない。▼~
変わっちゃいないが…~
傭兵にとってツキのあるなしは~
死活問題だ。▼~
ツキのない雇い主についた日には~
部下たちまで危険に晒しちまう。▼~
:[ヨシュア]|
読めたぜ。~
王の俺にツキがあるかどうか~
試したいってことか。▼~
:[ジスト]|
このコインを投げて~
表が出ればお前の勝ちだ。▼~
イカサマはなしだ。~
お前の下で働くかどうかは~
こいつで決める。▼~
:[ヨシュア]|
いいだろう。~
ジャハナの未来を賭けた大勝負だな。~
俺は、自分のツキを信じるぜ。▼~
***S [#keecc782]
:[ジスト]|
そらっ…!~
表か裏かっ!▼~
:[ヨシュア]|
……!▼~
:[ジスト]|
これは…裏だな。~
ヨシュア、お前の負けだ。▼~
:[ヨシュア]|
……▼~
いや、運命は覆らない。~
これも現実だ。~
俺にツキがなかったってことさ。▼~
:[ジスト]|
そうだな。お前にツキはなかった。~
この勝負に勝った俺のほうに~
ツキがあったってことだな。▼~
ってことはだ。~
ツキがある俺が手を貸せば~
あとは実力次第ってわけだな。▼~
:[ヨシュア]|
ジスト、あんた…。▼~
そうだな…~
運任せじゃ、国は造れない。▼~
一番大事なのは~
仲間と手を携えることだ。▼~
今の俺は、そのことが~
骨身に染みてわかっている。▼~
:[ジスト]|
なら、仮契約だ。▼~
たとえ、俺がお前とは別の異界の~
マギ・ヴァルに戻ったとしても~
俺はヨシュア王に手を貸そう。▼~
:[ヨシュア]|
ああ、頼む!▼~
**嘆きの盗賊 レナック [#pef3517e]
***C [#mf60872d]
:[ラーチェル]|
正義と秩序の使者…~
ラーチェル、ここに参上ですわ!▼~
ついにレナックもアスク王国に~
招かれたと聞きましたの!▼~
:[ドズラ]|
ガハハ! レナックよ。~
また共にラーチェル様を~
お支えしようではないか!▼~
:[ラーチェル]|
って、あら?~
レナックの姿が見えませんわね。▼~
:[フィヨルム]|
じ、実はですね。レナックさんは~
「なんだか悪寒がする」と~
どこかへ走り去られまして…▼~
:[ラーチェル]|
悪寒!? まあ!~
アスク王国に来て早々~
風邪を引くなんて!▼~
病は気から! わたくしの気合で~
病魔を退散させてみせますわ!▼~
:[フィヨルム]|
か、風邪を引かれているようには~
見えませんでしたが…▼~
:[ドズラ]|
ふーむ。~
レナックめ、まーた逃げ出したか。~
しょうがない奴じゃのう。▼~
:(暗転)|
:[レナック]|
ふぅ、ここまでくれば大丈夫か。~
あいかわらず騒がしい王女様だ。~
しかし、詰めが甘いね…▼~
甘い、甘いなあ。干した果実を~
砂糖壺でじっくりと寝かして作った~
菓子より甘いよ…▼~
ま、俺はこの世界に来てまで~
王女様のわがままに振り回されるのは~
御免こうむりたいわけよ。▼~
さてと。商売のネタを探しに~
城下町でも見て回るとしますか。▼~
:[リシテア]|
……▼~
干した果実を砂糖壺で~
じっくりと寝かして作った菓子。~
興味ありますね…▼~
***B [#se50afcd]
:[レナック]|
しかし、このヴァイス・ブレイヴってのは~
いろんな人間が集まってるんだな。▼~
商人上がりの英雄はいるわ~
盗賊を生業とする英雄もいるわで…~
くせ者揃いって言葉が一番合うな。▼~
:[リシテア]|
失礼。わたしは金鹿の学級のリシテア。~
少し、話をしてもよろしいですか?▼~
:[レナック]|
金鹿…ああ、ガルグ=マクとかいう~
士官学校の生徒だっけ。~
なんの用だい?▼~
:[リシテア]|
あなたがつぶやいていた~
干した果実を砂糖壺で~
じっくりと寝かして作った菓子…▼~
詳しく聞かせて頂けないでしょうか。▼~
:[レナック]|
あんた、聞いてたのかい?~
あれは確かにすごく甘いぜ。~
マギ・ヴァルで一番甘い菓子だ。▼~
:[リシテア]|
一番の甘さ!?~
ゴクリ…▼~
:[レナック]|
しかしなあ…~
タダで教えるわけにはいかないの。▼~
よーく考えてみなさいよ。~
価値ある情報は金になる。▼~
:[リシテア]|
対価が必要…と?▼~
:[レナック]|
世の中を回すのは金だよ、金。~
味方同士だとしても~
そこははっきりさせとかないとね。▼~
:[ガイア]|
その情報代…~
これで足りるか?▼~
:[レナック]|
ん? あんたは見たところ~
同業者みたいだが…▼~
:[リシテア]|
ガイアさん!?~
その金貨の入った袋は…▼~
:[ガイア]|
俺も菓子に興味がある。▼~
手付金としてまず半額…~
俺達に食べさせてくれれば~
残りの金も払う。▼~
:[リシテア]|
いいんですか、ガイアさん?~
お金を出して頂いて…▼~
:[ガイア]|
俺もあんたも糖分の大切さを~
知る者同士だ。遠慮するな。▼~
:[レナック]|
話がわかるね。金が絡むなら~
こいつはれっきとした仕事だな。▼~
いいぜ、任せときな!~
あんたたちにマギ・ヴァルで一番甘い~
極上の菓子を食べさせてやるよ。▼~
***A [#xf838046]
:[レナック]|
菓子の作り方は頭に入っているが~
肝心の材料をどうするかな。▼~
菓子に使われていた果実…~
ありゃなんだったっけな。▼~
マギ・ヴァルの英雄に聞けば…~
おや、ちょうどいいところに!▼~
:[ネイミー]|
あ、レナックさん。~
なにか、ご用ですか?▼~
:(暗転)|
:[ネイミー]|
そうですね。あのお菓子に~
使われていた果実は~
ミーチュの実だった気がします。▼~
紅くてツヤツヤしてて~
そのまま食べると甘酸っぱい…。▼~
:[レナック]|
ミーチュか、なるほどねえ。▼~
問題はミーチュに似た果実が~
アスク王国にあるかどうかだな。▼~
:[ネイミー]|
アメリアに聞いてみますか?~
彼女は私より先にアスク王国に来て~
この国に詳しいですし。▼~
彼女の鎧の色がミーチュの実に似てる…~
そんな話をしたことがあるので。▼~
:(暗転)|
:[アメリア]|
ミーチュの実! 覚えているよ。~
ネイミーとお話ししたもんね。▼~
:[ネイミー]|
それでね、アスク王国に~
ミーチュの実に似た果実はないかな?▼~
:[レナック]|
ミーチュの実そのものがあれば~
言うことないんだけどな▼~
:[アメリア]|
えーっとね、ミーチュの木は~
アスク王国にはないみたい。▼~
:[ネイミー]|
そっか。そうだよね…。▼~
:[アメリア]|
でもね、ミーチュの実の味に~
そっくりな果実はあるの!▼~
なんて名前かは知らないけど~
勝手に「アスクミーチュ」って呼んで~
ときどき食べてるよ!▼~
:[レナック]|
ほほう、そいつは興味深い。▼~
:[アメリア]|
ちょっと待ってね。~
城の近くに木があったような…▼~
:(暗転)|
:[アメリア]|
はい、これだよ。~
色もそっくりでしょ?▼~
:[ネイミー]|
本当だ。じゃあ、さっそく…。▼~
んん~、甘くて酸っぱい!~
これ、ミーチュの実そのものだよ!▼~
:[レナック]|
確かにこいつはそっくりだ…。~
しかも、マギ・ヴァルで採れる~
ミーチュの実よりも大きいな。▼~
二人とも助かったぜ。~
こいつは礼ね。とっときな。▼~
:[ネイミー]|
え? いいんですか?~
お金なんていりませんよ。▼~
:[レナック]|
俺だって、できればタダで済ませたいさ。~
でもよ、超一流はこんなところで~
ケチっちゃダメなのよ。▼~
あんたたちは俺に有益な情報をくれた。~
その見返りは受け取るべきだ。▼~
逆に俺があんたたちに~
有益な情報を渡すときは~
きっちり金をもらうけどな。▼~
:[アメリア]|
そ、そうなんですか?~
じゃあ、このお金はそのときのために~
とっておかないと…▼~
:[レナック]|
ともあれ、助かったぜ…!~
これで仕事もうまくいくってもんだ。▼~
***S [#p881c67a]
:[レナック]|
さあ、こいつが約束の菓子だ。~
材料はちょいと違うが~
俺が知る味と瓜ふたつさ。▼~
:[リシテア]|
こ、この甘い香り…~
食べる前から唾液が出ますね。▼~
:[ガイア]|
では、一口もらおうか。▼~
もぐ…。▼~
:[リシテア]|
はむ…。▼~
:[レナック]|
どうだい、お味は?▼~
:[リシテア]|
ま、まるで蜜が全身を~
駆け回るような重々しい甘さ!~
夜中に食べると頭が冴えそうですね。▼~
:[ガイア]|
こいつは驚いた…~
口当たりも香りも文句なしだ。▼~
マギ・ヴァルで一番甘い菓子というのは~
どうやら本当らしいな。~
残りの金も受け取ってくれ。▼~
:[レナック]|
毎度。確かに受け取ったぜ。▼~
:[リシテア]|
ううっ、手が止まりませんよこれ。~
病みつきになる甘さです!▼~
:[レナック]|
そんなに気に入ってくれるとはなあ。~
そうだ! この菓子をアスク王国で~
売り出せば一儲けできるんじゃ!?▼~
こいつぁ名案だよなあ。~
俺にも運が向いて来たか!▼~
:[ラーチェル]|
ならば…その運を~
正義と秩序のために活かすべきですわ!▼~
:[レナック]|
ひっ!? こ、この声は…。▼~
:[ラーチェル]|
すっかり風邪も治ったようですわね。~
息災でなによりですわ!▼~
:[ドズラ]|
ようやっと見つけたぞ、レナック。▼~
さあさあ、ラーチェル様と共に~
アスクの民のために頑張ろうではないか!~
ガハハ!▼~
:[レナック]|
じょ、冗談だろ!?~
アスクに来てまでラーチェル様の~
お供は…。▼~
:[ラーチェル]|
ドズラ、正義の名のもとに~
速やかに確保ですわ!▼~
:[ドズラ]|
了解ですじゃ!~
そら、観念するんじゃ。▼~
:[レナック]|
放せっ! いい儲け話があるのに~
みすみすドブに捨てるなんざ…。▼~
:[ドズラ]|
わしらの旅はアスク王国でも続くのじゃ。~
ラーチェル様を支え、~
どこまでも行こうぞ!▼~
:[ラーチェル]|
さあ、皆がわたくしたちを~
待っていますわよ!▼~
麗しの絶世美少女一行の旅は~
異界を超えて続くのですから!▼~
:[レナック]|
つ、続かないでくれぇぇぇ~!▼~
**腕利きの盗賊 コーマ [#h8c05499]
***C [#nc336f5f]
:[コーマ]|
ここがアンナ商会か。~
アンナ隊長にそっくりの~
店主がいるって聞いたけど…▼~
:[アンナ]|
あら、来てくれたのね。~
あなたがコーマ?▼~
:[コーマ]|
驚いたぜ。本当に~
アンナ隊長にそっくりだな。▼~
ってことは~
あんたが俺を呼び出した~
この店の店主ってことか?▼~
:[アンナ]|
ええ。イーリス聖王国アンナ商会~
アスク支店へようこそ。▼~
エクラから~
聞いたわよ。▼~
あなた、情報を集めるのが~
得意なんだってね?▼~
:[コーマ]|
ま、どちらかっていえば~
得意ってことになるかな。▼~
エイリーク王女たちと旅したときも~
耳寄り情報を届けていたもんさ。▼~
:[アンナ]|
なるほど、噂は本当みたいね。▼~
でね、あなたの腕を見込んで~
頼みがあるの。~
もちろん報酬も払うわ。▼~
店の隅…~
兜が並んだ棚の前に男がいるでしょ?~
バレないようにこっそりと見て。▼~
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
なんだか目つきの悪い男だな。~
あのおっさんがどうかしたのか?▼~
:[アンナ]|
少し前からうちの店に~
出入りしている客なんだけど…▼~
城下町の路地裏で~
なんだか怪しげな~
取引をしてるって噂なのよ。▼~
:[コーマ]|
見るからに胡散臭いな…~
で、俺に頼みたいのは~
あいつの正体を探れってことか?▼~
:[アンナ]|
ご明察。あの人が~
どんな相手と取引しているのか~
探ってほしいの。▼~
:[コーマ]|
取引の相手を調べるだけでいいのか?~
そんなの朝飯前だ。▼~
:[アンナ]|
おおっ、それは頼もしいわね!~
起源は1週間。お願いできるかしら。~
報酬は成功時に渡すってことでいい?▼~
:[コーマ]|
まかせときな、1週間もいらねえ。~
3日で十分さ!▼~
***B [#r2871a53]
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
……▼~
まわりに人が増えてきたな。~
今度こそ見失わないように~
気をつけねえと…▼~
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
3日もあれば十分とか~
勢いで言っちまったが~
今日で4日目…▼~
くそっ、あいつは~
いったい何者なんだ。▼~
どんな人混みでもスルスル~
滑るように動きやがる。▼~
まばたきした瞬間~
姿が消えてることもあるし~
絶対ただ者じゃねえ…▼~
:[フォルカ]|
……▼~
:[コーマ]|
なんだ?~
ずいぶんとボロい~
建物に入っていったな…▼~
もしかして取引場所か!?~
よし、現場を押さえてやるぜ…!▼~
:(暗転)|
:[コーマ]|
どういうことだ?~
もぬけの殻じゃねえか!▼~
あいつは確かに~
ここに入っていった…~
だけど人の気配がねえ。▼~
建物を見張っていた間に~
誰も出入りしていないはずだし…▼~
くそっ! いったいどこに~
消えちまったんだ!?▼~
***A [#j905d22a]
:[コーマ]|
まさか今日も同じ場所で~
見失っちまうとは…。▼~
約束の日まであと1日。~
ちっ、あのおっさんは~
いったい何者なんだよ!▼~
絶対にあの建物の中に~
入っていったはずなんだ。▼~
このままじゃ約束を守れねえ。~
なにかを守れねえ辛さってのは~
身にしみてわかってるはずなのによ…▼~
:[ネイミー]|
コーマ、なにかあったの?~
城下町によく行ってるみたいだけど…。~
な、なにか危ないこと…してないよね?▼~
:[コーマ]|
別にヤバいことはしてねえよ!▼~
:[ネイミー]|
そ、そんなに怒鳴らなくても…~
う、ううっ……ぐすっ…。▼~
:[コーマ]|
お、おいっ!~
泣くんじゃねえよ…!▼~
いや、これはイラついてた俺が悪いな。~
八つ当たりしてすまねえ。▼~
:[ネイミー]|
ぐすっ…危ないことは…~
してないんだよね?▼~
:[コーマ]|
ああ、してないしてない。~
だから泣くんじゃねえよ。▼~
ネイミーに泣かれると~
お前のじいさんがすっ飛んで来そうで~
今も気が気じゃねえんだよ。▼~
:[ネイミー]|
コーマ、よく私を泣かして~
おじいちゃんに叱られてたもんね…▼~
:[コーマ]|
お前のじいさん、~
ネイミーが泣くと~
どこでも駆けつけるからなあ。▼~
凄腕の猟師なだけあるぜ。~
目が良すぎるって…~
!▼~
:[ネイミー]|
コーマ…? ど、どうしたの?~
いきなり真剣な顔…▼~
:[コーマ]|
そういやネイミーのじいさんに~
教えてもらったことがあったな…▼~
野鳥には、天敵をあざむくために~
わざと巣から離れたところに~
降りる奴もいるって…▼~
:[ネイミー]|
う、うん。巣にいる雛を守るために~
巣とは違う場所に降りたように~
見せかけるんだよね?▼~
:[コーマ]|
それだ! おっさんが~
これ見よがしにあの建物の前で~
姿を消していたってことは…▼~
きっと近くに知られたくない~
取引現場があるってことだ!▼~
ありがとな、ネイミー!~
いい手がかりになったぜ!▼~
:[ネイミー]|
い、意味わかんないよ…~
でもコーマ。く、くれぐれも~
危ないことはしないでね!▼~
***S [#seef668d]
:[コーマ]|
やったぜアンナさん!~
あのおっさんの取引相手~
しっかりと目に焼き付けてきたぜ!▼~
:[アンナ]|
今日で7日目…~
期限には間に合ったみたいね。~
やるじゃない!▼~
:[コーマ]|
あのおっさん、なんか~
やべー奴と取引してたぞ?▼~
凶悪な面構えの大男でさ。~
手に小鳥なんか乗せてたけど~
ありゃきっと非常食だな…▼~
:[アンナ]|
凶悪な面構えの大男…~
あんな感じ?▼~
:[ブノワ]|
……▼~
:[コーマ]|
そうそう、まさにあんな感じ…~
ってオイ! どうして取引相手が~
ここにいるんだよ!?▼~
:[ブノワ]|
この小鳥は…俺の友達だ。~
取って食うなんて酷いことはしない。▼~
:[フォルカ]|
思っていたよりは~
勘がいいようだ。▼~
:[コーマ]|
ええっ…!?~
おっさんまで!~
こりゃどういうことだよ?▼~
:(暗転)|
:[アンナ]|
ごめんね、あなたのことを~
試させてもらってたの。▼~
:[フォルカ]|
使い物になるかどうか~
それを確かめるために~
俺とブノワは雇われてたのさ。▼~
:[コーマ]|
やっぱりあんたの同業者だったのかよ。~
ただ者じゃねえと思ってたけどさ。▼~
で、あんたらから見て~
俺は使い物になりそうかい?▼~
:[アンナ]|
もちろん合格よ!~
ちゃんと成果も出したし。▼~
はい。これは約束の報酬ね!~
試させてもらったお詫びよ。▼~
:[フォルカ]|
観察眼や状況判断、どちらも筋がいい。~
お前なら密偵としても~
アスク王国でも立ち回れるだろう。▼~
:[アンナ]|
実はエイリーク王女からも~
推薦されててね。▼~
コーマは機転が利くから~
いろいろと役に立つはずだって。▼~
:[コーマ]|
エイリーク様が…~
試されたのは気に食わねえけど~
期待されてるっていうなら悪くないな。▼~
:[アンナ]|
アンナ商会は~
ヴァイス・ブレイヴの任務以外にも~
いろいろ仕事と請け負っているの。▼~
これからも頼らせてもらうわよ。~
もちろん、報酬は出すからね。▼~
:[コーマ]|
よっし! 俄然やる気が出たぜ。▼~
頼られているのならしょうがねえ。~
俺のやり方で~
みんなの力になってみせるぜ。▼~
そして…俺ももっと成長して~
今度こそ、大切なものを~
守れるようにならなきゃな!▼~
*コメント [#aa448b11]
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