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章別会話/宿命を越えて
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[[章別会話]]
*宿命を越えて [#p639802d]
#contents
**宿命を越えて [#e6e625a6]
***オープニング [#ub4ecfea]
:[アンナ]|
『ヴェロニカの身柄を引き渡せ』…▼~
この書状の送り主は、~
例の正体不明の敵軍を~
援護しているわ。▼~
書状の紋章…~
以前、エンブラ帝国の~
侵略を受けた異界のようね。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[セリカ]|
引き渡せって、そんな…!~
ここにいるヴェロニカは、平和のために~
力を貸してくれているのに!▼~
:[アンナ]|
だけど、彼らにしたら同じ顔、同じ容姿の~
ヴェロニカ皇女…別人だと説明しても~
納得させるのは難しいでしょうね。▼~
:[シャロン]|
アンナ隊長、~
砦の外に敵軍が迫ってきてます!▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
あたしがここにいることで~
戦いがおきてしまう…~
それは本意じゃないわ。▼~
:[ヘクトル]|
だからと言って、~
引き渡せるわけねえだろうが!▼~
:[エフラム]|
ヴェロニカ皇女、~
君に咎がない以上、~
罰せられるいわれはない。▼~
君は俺たちと共にここへ呼ばれた…~
俺たちの仲間だ。▼~
:[ヴェロニカ]|
……なかま……▼~
:[セリカ]|
大丈夫よ、ヴェロニカ。~
彼らは誤解しているだけ。~
話せば、きっとわかってくれるわ。▼~
:[アンナ]|
彼らに対しては、~
特務機関が説得工作を行うわ。~
時間はかかりそうだけど…▼~
その間、この砦で~
ヴェロニカ皇女を守り切るわよ!▼~
***C [#wf3727d8]
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[アルフォンス]|
ヴェロニカ皇女…▼~
:[ヴェロニカ]|
この世界にいるもうひとりのあたしは~
血の宿命にしばられて…~
アスク王国を狙っている…▼~
そして、あたし自身も…~
自分自身がここにいることで~
戦いの原因になってる…▼~
もしかしたら、あたしの中にも~
戦乱をひろげる血の宿命が…~
眠っているのかもしれない。▼~
:[ヘクトル]|
そんなものは関係ねえよ。~
運命を決めるのは自分自身だ。▼~
俺はただ生まれた家や血に従って~
今まで生きてきたわけじゃねえ。▼~
自分がどうありたいか、~
どういう未来に進みたいかってのは~
自分で決めるもんだぜ。▼~
:[アルフォンス]|
僕もそう思うよ。~
自分がどのように世界と関わるか…▼~
決めるのは君次第だ、~
ヴェロニカ皇女。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
***B [#o5df282b]
:[アンナ]|
みんな、喜んで!~
説得はうまくいったわ。▼~
私たちの傍にいるヴェロニカ皇女は、~
彼らの世界を侵略した人物とは無関係…~
ちゃんと、事実を理解してもらえたみたい。▼~
:[シャロン]|
良かったです!~
これで敵軍との戦いに~
集中できますね。▼~
:[アンナ]|
それで、ヴェロニカ皇女は?▼~
(場面転換)~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[セリカ]|
ヴェロニカ、少しいいかしら?▼~
:[ヴェロニカ]|
セリカ…~
あたしは、あなたにも~
めいわくをかけたわ…▼~
:[セリカ]|
いいえ、迷惑なんかじゃないわ。~
私は私の意志に従って戦ったの。▼~
実は私もね…この世界に来る前に~
強大な力に操られて…大切な人と~
刃を交えたことがあったの。▼~
私の意志とは別に、大切な人たちを~
傷つけ…悲しませてしまった。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[セリカ]|
その事実は覆せない。でも……~
償うことはできる。だから私はこうして~
今も戦い続けているの。▼~
だけどヴェロニカ…あなたは違うわ。~
この世界のヴェロニカがやったことを~
あなたが償う必要はない。▼~
あなたが気に病む必要はないのよ。~
あなたは、あなたの中の正義を~
信じて戦えばいいと思うの。▼~
:[ヴェロニカ]|
どうしてわかったの…?~
あたしの中に…迷いがあったこと。▼~
:[セリカ]|
ふふっ、わかるわよ。~
だってあなたは大切な仲間だから。▼~
:[ヴェロニカ]|
ありがとう…。~
そうね、あたしはあたしの~
信じられるもののために戦うわ。▼~
信じられるもの…~
大切な、仲間たちのために…▼~
***A [#l7706146]
:[ヴェロニカ]|
…あたしは、あたし。▼~
たとえ姿形は同じでも、~
エンブラ帝国のヴェロニカと、~
あたしはちがう…▼~
あたしは…成すべきことをやるわ、~
あたし自身の意思で。▼~
そして…あたしには仲間がいる。~
それが彼女とあたしの…一番のちがい。▼~
:[セリカ]|
ヴェロニカ…~
そうね、あなたは私たちの~
大切な仲間。いつだって隣にいるわ。▼~
:[ヴェロニカ]|
万が一、自分の中に戦乱をのぞむような~
血が流れていたとしても…~
けっして悲劇はおこさない。▼~
あたしは、あたしの意思で~
未来をえらびとる…▼~
:[ヘクトル]|
ああ、その意気だ。▼~
:[エフラム]|
君が正しい道を歩めば、~
きっと多くの希望を呼び寄せる。~
戦乱ではなく、光ある未来をな。▼~
:[セリカ]|
さあ、一緒に行きましょう、~
ヴェロニカ。手を取り合って、ね。▼~
:[ヴェロニカ]|
そうね…あなたたちと一緒なら、~
あたしはさびしくない…▼~
行きましょう…~
戦乱の炎をしずめるために。~
そのために、あたしはここにいるのだから。▼~
**女神の神官戦士 セリカ [#u4de321d]
***C [#u5dfec5f]
:[セリカ]|
あら、エクラ~
見回りかしら?▼~
え? なにを考えていたかって?▼~
今日通った村が幼い頃に~
過ごした場所に似ていて…~
ラムの村って言うのだけれど。▼~
どうしてかしら。過ごした時間は~
決して長くはないのだけれど…~
あのころの記憶は鮮明に覚えているの。▼~
村の見張り台においてあった~
馬止めの形、柵についてた傷…~
些細なことまで全部覚えてる。▼~
あとは…風景だけじゃなく~
一緒に過ごした大切な人たちのこと。~
私に優しくしてくれた村のみんな、~
そして…一緒に遊んでくれたアルムやグレイ、~
クリフ、ロビン、エフィたち…▼~
あのころは…みんなで一緒に~
クタクタになるまで走り回って、~
明日が来るのが待ち遠しかった。▼~
明日はきっと、今日よりも~
楽しい日になる。またみんなで~
笑い合って過ごせるんだって。▼~
そう疑わず、眠りについていた…~
ふふっ、なんだか懐かしいわ。▼~
エクラ、~
あなたにもそういう忘れ難い~
場所はあるのかしら?▼~
今度、時間があるときに~
話を聞けるとうれしいわ。▼~
***B [#s20cb1a2]
:[セリカ]|
私、ときどき考えてしまうの。▼~
今でこそ英雄として~
人々を守るために~
戦場に身をおいているけれど…▼~
もしかしてラムの村でただの村人として~
暮らしていたら、いったいどんな~
人生を歩んでいたのかしらって。▼~
きっと私はみんなと一緒に畑を耕して~
森や山で採集し、豊かな季節とともに~
平穏な人生を送っていたのかもしれない。▼~
ラムの村を出たあとに身を寄せた~
ノーヴァ島の修道院で神官として~
暮らす人生もあったのかもしれない…▼~
戦いとは無縁な穏やかな日々…~
教会の鐘とともに、水平線の向こうに~
暮れゆく夕陽を見守りながら一日を終える。▼~
英雄としての人生とは真逆の生き方、~
もしかするとそんな生き方も~
歩めたのかもしれないわね。▼~
でも、私が剣を取らなかったら~
救えなかった命もたくさんあるし~
出会えなかった人々もいる。▼~
私が普通の村人だったら~
エクラ、あなたにも~
出会えなかったでしょうし。▼~
今の私は、ただの村人でも~
ひとりの神官でもない…英雄として~
課された使命を果たさないと…ね。▼~
***A [#n34f2d12]
:[セリカ]|
エクラ、もしあなたに~
英雄としての道以外の人生が~
用意されていたとしたら…▼~
あなたは、それを選ぶ?▼~
…そう。~
あなたらしい答えね。▼~
私もそう。英雄として誰かの助けに~
なれるなら…大切な人を守れる力が~
あるのなら、私は迷わず剣をとる。▼~
もし、ほかの人生が~
用意されていたとしても…~
私も誰かの役に立つ道を選ぶわ。▼~
エクラ、~
あなたと同じようにね。▼~
それはきっと私たちだけじゃない。~
ヴァイス・ブレイヴに集った英雄たち、~
みんながそういう気持ちだと思うの。▼~
自分のためだけに~
英雄としての力を使うのではなく~
誰かのために力を使いたい…▼~
もしかすると、そういう~
想いが英雄としての自分を~
支えてくれているのかもしれないわ。▼~
***S [#xb99bdf0]
:[セリカ]|
私が英雄としての道を~
歩み始めたのは、最初から~
強い力があったからじゃない…▼~
最初にあったのは想いだった。~
戦乱を鎮めたい…。~
大切な人たちを守りたい…▼~
そういう想いが~
自分に英雄としての力を~
くれたように思うの。▼~
もし私がソフィアの王女として、~
みんなに守られて暮らせたとしても~
私はきっと、その選択肢を選ばない。▼~
今の私には英雄として戦える力がある。~
ならばその力を、人々のために~
活かす義務があるのではないかしらって。▼~
この力は私一人だけのものじゃない。~
もしかすると、みんなの力を~
私が預かっているだけかもしれない。▼~
そう考えると…戦乱があるかぎり~
私は立ち止まるわけにはいかない。~
立ち止まってはいけないと思うの。▼~
すべての戦いが終わり~
世界が平和になったそのときこそ…▼~
改めて、これからの人生を~
考えてみるのも~
いいかもしれないわね。▼~
剣をとって戦う以外の未来が~
きっと来ることを信じて…~
今は英雄として前に進むわ…!▼~
**大いなる皇女 ヴェロニカ [#da92b678]
***C [#v275a0c8]
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
さっき、お城をあるいていたら~
あたしの顔をみた兵士が~
すごくおどろいてた…▼~
まるで、こわいおばけを見たみたいに~
ひきつったかおをして…~
にげてしまったわ…▼~
もしかしてあたしはまだ~
みんなに怖がられているの…?▼~
…そう、ありがとう。~
あなたは…やさしいのね。▼~
ここにいるあたしと…~
エンブラ帝国にいるヴェロニカは~
まったくの別人…▼~
そう頭でわかっていても…~
やっぱり理解できないのかもしれない。▼~
あたしは、まちがわれても~
とがめたりはしないわ。~
気にも、しない…▼~
でも、さっきあった兵士みたいに~
みんなはあたしをこわがって、~
ちかづこうとはしない…▼~
…………▼~
みえない、壁。~
あたしとみんなの間には~
それがあるのかも…しれない。▼~
***B [#m4122219]
:[ヴェロニカ]|
どうすれば…もっとみんなと~
したしく…なれるの?▼~
あたしはここにくる前も~
皇女として…ふるまっていた。▼~
あたしがなにもしなくても~
まわりの人たちが~
あたしに声をかけ、したしくしてくれた…▼~
だから、あたしは自分から~
ほかの人にあゆみよったことは…~
ほとんどないの。▼~
でも、この世界では、~
あたしは皇女ではなく~
ひとりの英雄…▼~
いままでのように、みんなが~
かしづいてくれるわけじゃない…▼~
エクラ、~
あたしは…~
どうふるまうべきだと思う…?▼~
え…?~
次にあうときまでに~
考えておいて…くれるの?▼~
ありがとう…やっぱり~
あなたはやさしいのね。▼~
姿も性格もちがうけど…~
あなたはどことなく~
お兄様に似ているわ。▼~
まとっているやさしい空気が…~
そうかんじさせるのかしら…▼~
***A [#c4f71dcc]
:[ヴェロニカ]|
みんなとなかよくするコツは…~
普通にしている…こと?▼~
あたしにとっての普通が~
みんなにとっての普通とは~
かぎらないと…思うけど。▼~
え?~
あいさつをするだけで…~
いいの?▼~
おはよう。~
こんにちは。~
こんばんは…▼~
このみっつのあいさつだけで、~
みんなと仲良く…なれるの?▼~
そう…これが~
エクラにとっての~
普通、なのね…▼~
そういえばあたし…~
お兄様以外に自分から~
あいさつなんてしたこと…なかったかも。▼~
もしかして…お兄様にするように~
みんなと…接すれば…~
なかよくなれるの…?▼~
わかった。あなたをしんじるわ。~
やってみる。ふつうに~
あいさつすることから…▼~
***S [#w7cc8574]
:[ヴェロニカ]|
見て、エクラ。~
きれいでしょ、この花…▼~
さっき、城のろうかですれちがった~
兵士からもらったの。▼~
あなたの…いうとおりだったわ。▼~
あたしからあいさつをするだけで~
みんなが親しく…~
話しかけてくれるようになったの。▼~
お城の兵士たちだけじゃない。~
アルフォンス王子、シャロン王女、~
英雄たちともしたしくなれた気がする…▼~
あいさつってふしぎね。~
みじかい言葉にいろいろなものが~
つまっているとおもうの。▼~
ありがとう、エクラ。~
あなたは、あたしにきっかけをくれた。▼~
いまはもう…~
みんなとの間に~
壁はかんじない。▼~
みんなが…あたしを仲間として~
うけいれてくれていることを~
つよく……かんじるの…▼~
せいいっぱい、力をかすわ。~
あたしをうけいれてくれた~
みんなのためにも…▼~
そして、あたしに~
かわるきっかけをくれた~
エクラのためにも…▼~
**双聖の勇王 エフラム [#k78d0a0c]
***C [#l0aa2b25]
:[エフラム]|
ふっ! はっ…!~
む…エクラ、~
見ていたのか。▼~
これは黒斧ガルム…~
グラド帝国に遺されていた~
双聖器と呼ばれる武器だ。▼~
ゆえあって俺が使わせてもらっているが~
得意な槍と違い、自分の手足のように~
使うには、まだまだ修練が必要だ。▼~
俺のことを【勇王】と~
呼ぶ人間もいるが…~
俺は武に関しては妥協しない。▼~
しかしその呼び名が優れた王と~
同等の意味を持つのかと言えば…~
俺はそうは思わない。▼~
たまたま備わっていたのが~
武の才だった…~
ということなのだろう。▼~
本当に俺が民を統べる王の器に~
ふさわしいかどうか…~
その答えはまだ出ていない。▼~
ふっ…~
そんな不安そうな顔で見るな、~
エクラ。▼~
戦士、そして英雄…王としても~
俺は研鑽を続けていくつもりだ。▼~
エクラが見て、~
王として欠けているものが~
俺にあるなら、遠慮なく言ってくれ。▼~
***B [#c59e79a0]
:[エフラム]|
なぜ俺が~
自分を優れた王でないと思うか、~
理由を知りたいと…?▼~
そうだな、先日も言ったように~
俺は武や戦ならば~
誰にも負けない自信がある。▼~
しかし、内政や経済のような~
国の礎を築くことについては素人同然。~
妹のエイリークのほうが何倍も優秀だ。▼~
生来の学問嫌いもあるが…~
おそらく俺には才がないのだ。~
平時の才というものが…▼~
戦の才はともかく~
民の生活を守る内政に疎いのは~
王としては致命的な欠点だ。▼~
それを埋めてくれる補佐役がいないと~
俺は王として、民たちの暮らしを~
守ることができない。▼~
それが、俺が~
優れた王ではない理由だ。▼~
無論…だからといって~
王の責務を投げ出すことなど~
許されぬことだ。▼~
欠けている資質を埋めるため~
武器を振るう以外の努力も~
必要なことは理解しているが…▼~
机に向かっていると~
やはり俺には不向きな性分だと~
つくづく思い知らされる。▼~
こういうことを言うと~
またエイリークに不安そうな顔を~
させてしまう。精進…せねばな。▼~
***A [#i1ab8787]
:[エフラム]|
エクラ、~
こんな時間まで見回りとは~
精が出るな…▼~
そういう俺も寝付けずに~
訓練をしていたのだがな。▼~
王になる以前は槍一本で身を立てて~
大陸一の傭兵になることが夢だった。▼~
傭兵の世界で問われるのは実力のみ。~
そこでは王族の肩書きなど~
なんの役にも立ちはしない。▼~
自分の腕だけでどこまで行けるのか~
どこまでやれたのか…そのことが~
今でも胸の内をよぎることがある。▼~
もっとも…人間というものは~
自分が選ばなかった道ほど~
まぶしく見えてしまうこともある。▼~
まったく未練がないとは言えないが…~
今の俺には大陸一の傭兵よりも~
目指さなくてはならないものがある。▼~
王として、~
一人でも多くの民の声に応えたい。~
それが今の…俺の夢だ。▼~
大陸一の傭兵も、民の声に応える王も~
どちらも険しい道のりが~
待っているのは間違いない。▼~
しかし俺は…~
歩みを止めるわけには行かない。▼~
優れた王になるための道は~
俺一人のものではない。俺の後ろには~
多くの民がいるのだからな。▼~
***S [#sbc09c9f]
:[エフラム]|
黒斧ガルム…~
なんとか使いこなすことができそうだ。~
ようやく俺の手にも馴染んできた。▼~
この斧は俺の友だった男の国に~
遺されていた、偉大な双聖器。▼~
この斧を振るうことで友の意志を継ぎ~
ともに戦うことができるのなら…~
それは無上の喜びだ。▼~
俺は学問嫌いだったが~
あいつは穏やかで学があり、王として~
俺よりもふさわしい器を持っていた。▼~
あいつなら、~
きっと良い王になれた…~
そう、そのはずだった…▼~
…すまない。~
もちろん俺も、あいつ以上に~
優れた王になってみせる。▼~
俺には支えてくれる仲間たち、~
エイリーク、そして…~
エクラがいる。▼~
皆のためにも、~
それにあいつのためにも…~
俺は王としての責務を果たす。▼~
これからも俺を支えてくれ、~
エクラ。▼~
そして約束しよう。俺は~
お前の信頼に応えるべく~
勇気を持って戦い続けることを…▼~
**大いなる重騎士 ヘクトル [#m0af3c85]
***C [#z650fba5]
:[ヘクトル]|
999、1000…!~
ふう、今日の素振りは終了っと。▼~
ん、エクラ…~
いつからそこにいたんだ?~
お前は気配を消すのがうまいな。▼~
見ての通り、日課の訓練だ。~
こいつだけはなにがあっても~
欠かせないものだからな。▼~
一日でも休めば身体がなまっちまう。~
それにあいつの背中を追いかけるのは~
性に合わないからな。▼~
エクラには~
話していなかったか…~
ああ、エリウッドのことだ。▼~
あいつとは、二か月に一度、~
互いの訓練の成果を確かめるために、~
真剣勝負をしててな。▼~
戦績は、13勝13敗5分け…~
いや、12勝14敗4分けだったか?~
とにかくまあ互角ってとこだ。▼~
次の試合は負けられねえからな。~
そのためにも欠かせないんだよ、~
この毎日の訓練がな。▼~
よし…今日は身体のキレもいい。~
もう1000回、~
素振りといくか!▼~
***B [#i3a05706]
:[ヘクトル]|
そういやエクラ、~
お前には、絶対負けられねえっていう~
相手はいるのか?▼~
戦場に出て戦うってわけじゃなく、~
お前の場合は軍師としての~
勝負ってところか。▼~
…なんだって?~
闘技場?~
異界の強敵?▼~
なるほどな。~
お前の作戦指揮は~
そうやって磨かれてるってわけか。▼~
で、お前の戦績のほうは~
どうなんだ?▼~
おおっと、全部言わなくてもいい。~
へっ、その顔を見ればだいたい~
予想がつくってもんだ。▼~
軍師のお前が強くなるということは~
ヴァイス・ブレイヴ…そして~
俺たち英雄も強くなるってことだ。▼~
本気で向き合ってくれる~
好敵手には感謝しないとな!▼~
***A [#l3782bd7]
:[ヘクトル]|
よう、今週の調子はどうだったんだ?▼~
…ははっ、そいつはいい。~
エクラらしい~
面白い戦い方をしたもんだな。▼~
俺もエリウッドだけじゃなく~
もっといろいろな強敵たちと~
手合わせをしてみたいもんだ。▼~
だが今は…~
果たさなければならない使命がある。▼~
強くなるのも大切だが~
まずは、人々の期待に~
応えられる人間にならないとな。▼~
そもそも俺は、自分一人では~
ここまで成長することはできなかった。▼~
故郷が戦乱に巻き込まれ~
否応なく成長を迫られたのも一因だが…▼~
俺の後ろには守るべき民がいた。~
彼らの存在も…~
俺を大きく成長させてくれたんだ。▼~
そしてもちろん、~
エリウッドという~
友の存在も…な。▼~
人間にはいろいろな成長の方法があり~
己を磨く道筋がある。▼~
俺が歩んできた道は~
決して平坦とは言えなかったが…▼~
結果として幾多の困難は~
俺を成長させてくれた。~
感謝すべきことかもしれないな!▼~
***S [#kf7afce6]
:[ヘクトル]|
よう、エクラ~
今日の戦いの指揮も見事だったな。▼~
最初にお前に会ったときよりも~
指揮の腕が上がっている気がするぜ。~
日々の成果が出てるんだな、きっと。▼~
人は一人だと、いくら鍛錬を重ねても~
成長の結果が見え辛い。~
成長する気力も失われちまうかもしれない。▼~
だが、好敵手がいれば~
追いつき、追い越そうと~
自分も成長することができる。▼~
俺にとってエリウッドはかけがえのない~
親友であると同時に、俺を成長させる~
とびっきりの試練なのさ。▼~
そして、俺自身もまた…~
あいつを成長させるための~
試練になれればと思っている。▼~
いつも全力で真っ向勝負してくる~
あいつの気迫に恥じないようにな。▼~
お前も異界にいる好敵手たちと~
切磋琢磨を続けているかぎり~
成長は止まらないはずだ。▼~
俺たちは本当に幸運だな。~
とびっきりの好敵手に恵まれて。▼~
俺もお前もまだまだ成長できる。~
たゆまぬ鍛錬を続けて~
お互いに頑張ろうぜ!▼~
*コメント [#n72bd0ea]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*宿命を越えて [#p639802d]
#contents
**宿命を越えて [#e6e625a6]
***オープニング [#ub4ecfea]
:[アンナ]|
『ヴェロニカの身柄を引き渡せ』…▼~
この書状の送り主は、~
例の正体不明の敵軍を~
援護しているわ。▼~
書状の紋章…~
以前、エンブラ帝国の~
侵略を受けた異界のようね。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[セリカ]|
引き渡せって、そんな…!~
ここにいるヴェロニカは、平和のために~
力を貸してくれているのに!▼~
:[アンナ]|
だけど、彼らにしたら同じ顔、同じ容姿の~
ヴェロニカ皇女…別人だと説明しても~
納得させるのは難しいでしょうね。▼~
:[シャロン]|
アンナ隊長、~
砦の外に敵軍が迫ってきてます!▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
あたしがここにいることで~
戦いがおきてしまう…~
それは本意じゃないわ。▼~
:[ヘクトル]|
だからと言って、~
引き渡せるわけねえだろうが!▼~
:[エフラム]|
ヴェロニカ皇女、~
君に咎がない以上、~
罰せられるいわれはない。▼~
君は俺たちと共にここへ呼ばれた…~
俺たちの仲間だ。▼~
:[ヴェロニカ]|
……なかま……▼~
:[セリカ]|
大丈夫よ、ヴェロニカ。~
彼らは誤解しているだけ。~
話せば、きっとわかってくれるわ。▼~
:[アンナ]|
彼らに対しては、~
特務機関が説得工作を行うわ。~
時間はかかりそうだけど…▼~
その間、この砦で~
ヴェロニカ皇女を守り切るわよ!▼~
***C [#wf3727d8]
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[アルフォンス]|
ヴェロニカ皇女…▼~
:[ヴェロニカ]|
この世界にいるもうひとりのあたしは~
血の宿命にしばられて…~
アスク王国を狙っている…▼~
そして、あたし自身も…~
自分自身がここにいることで~
戦いの原因になってる…▼~
もしかしたら、あたしの中にも~
戦乱をひろげる血の宿命が…~
眠っているのかもしれない。▼~
:[ヘクトル]|
そんなものは関係ねえよ。~
運命を決めるのは自分自身だ。▼~
俺はただ生まれた家や血に従って~
今まで生きてきたわけじゃねえ。▼~
自分がどうありたいか、~
どういう未来に進みたいかってのは~
自分で決めるもんだぜ。▼~
:[アルフォンス]|
僕もそう思うよ。~
自分がどのように世界と関わるか…▼~
決めるのは君次第だ、~
ヴェロニカ皇女。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
***B [#o5df282b]
:[アンナ]|
みんな、喜んで!~
説得はうまくいったわ。▼~
私たちの傍にいるヴェロニカ皇女は、~
彼らの世界を侵略した人物とは無関係…~
ちゃんと、事実を理解してもらえたみたい。▼~
:[シャロン]|
良かったです!~
これで敵軍との戦いに~
集中できますね。▼~
:[アンナ]|
それで、ヴェロニカ皇女は?▼~
(場面転換)~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[セリカ]|
ヴェロニカ、少しいいかしら?▼~
:[ヴェロニカ]|
セリカ…~
あたしは、あなたにも~
めいわくをかけたわ…▼~
:[セリカ]|
いいえ、迷惑なんかじゃないわ。~
私は私の意志に従って戦ったの。▼~
実は私もね…この世界に来る前に~
強大な力に操られて…大切な人と~
刃を交えたことがあったの。▼~
私の意志とは別に、大切な人たちを~
傷つけ…悲しませてしまった。▼~
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
:[セリカ]|
その事実は覆せない。でも……~
償うことはできる。だから私はこうして~
今も戦い続けているの。▼~
だけどヴェロニカ…あなたは違うわ。~
この世界のヴェロニカがやったことを~
あなたが償う必要はない。▼~
あなたが気に病む必要はないのよ。~
あなたは、あなたの中の正義を~
信じて戦えばいいと思うの。▼~
:[ヴェロニカ]|
どうしてわかったの…?~
あたしの中に…迷いがあったこと。▼~
:[セリカ]|
ふふっ、わかるわよ。~
だってあなたは大切な仲間だから。▼~
:[ヴェロニカ]|
ありがとう…。~
そうね、あたしはあたしの~
信じられるもののために戦うわ。▼~
信じられるもの…~
大切な、仲間たちのために…▼~
***A [#l7706146]
:[ヴェロニカ]|
…あたしは、あたし。▼~
たとえ姿形は同じでも、~
エンブラ帝国のヴェロニカと、~
あたしはちがう…▼~
あたしは…成すべきことをやるわ、~
あたし自身の意思で。▼~
そして…あたしには仲間がいる。~
それが彼女とあたしの…一番のちがい。▼~
:[セリカ]|
ヴェロニカ…~
そうね、あなたは私たちの~
大切な仲間。いつだって隣にいるわ。▼~
:[ヴェロニカ]|
万が一、自分の中に戦乱をのぞむような~
血が流れていたとしても…~
けっして悲劇はおこさない。▼~
あたしは、あたしの意思で~
未来をえらびとる…▼~
:[ヘクトル]|
ああ、その意気だ。▼~
:[エフラム]|
君が正しい道を歩めば、~
きっと多くの希望を呼び寄せる。~
戦乱ではなく、光ある未来をな。▼~
:[セリカ]|
さあ、一緒に行きましょう、~
ヴェロニカ。手を取り合って、ね。▼~
:[ヴェロニカ]|
そうね…あなたたちと一緒なら、~
あたしはさびしくない…▼~
行きましょう…~
戦乱の炎をしずめるために。~
そのために、あたしはここにいるのだから。▼~
**女神の神官戦士 セリカ [#u4de321d]
***C [#u5dfec5f]
:[セリカ]|
あら、エクラ~
見回りかしら?▼~
え? なにを考えていたかって?▼~
今日通った村が幼い頃に~
過ごした場所に似ていて…~
ラムの村って言うのだけれど。▼~
どうしてかしら。過ごした時間は~
決して長くはないのだけれど…~
あのころの記憶は鮮明に覚えているの。▼~
村の見張り台においてあった~
馬止めの形、柵についてた傷…~
些細なことまで全部覚えてる。▼~
あとは…風景だけじゃなく~
一緒に過ごした大切な人たちのこと。~
私に優しくしてくれた村のみんな、~
そして…一緒に遊んでくれたアルムやグレイ、~
クリフ、ロビン、エフィたち…▼~
あのころは…みんなで一緒に~
クタクタになるまで走り回って、~
明日が来るのが待ち遠しかった。▼~
明日はきっと、今日よりも~
楽しい日になる。またみんなで~
笑い合って過ごせるんだって。▼~
そう疑わず、眠りについていた…~
ふふっ、なんだか懐かしいわ。▼~
エクラ、~
あなたにもそういう忘れ難い~
場所はあるのかしら?▼~
今度、時間があるときに~
話を聞けるとうれしいわ。▼~
***B [#s20cb1a2]
:[セリカ]|
私、ときどき考えてしまうの。▼~
今でこそ英雄として~
人々を守るために~
戦場に身をおいているけれど…▼~
もしかしてラムの村でただの村人として~
暮らしていたら、いったいどんな~
人生を歩んでいたのかしらって。▼~
きっと私はみんなと一緒に畑を耕して~
森や山で採集し、豊かな季節とともに~
平穏な人生を送っていたのかもしれない。▼~
ラムの村を出たあとに身を寄せた~
ノーヴァ島の修道院で神官として~
暮らす人生もあったのかもしれない…▼~
戦いとは無縁な穏やかな日々…~
教会の鐘とともに、水平線の向こうに~
暮れゆく夕陽を見守りながら一日を終える。▼~
英雄としての人生とは真逆の生き方、~
もしかするとそんな生き方も~
歩めたのかもしれないわね。▼~
でも、私が剣を取らなかったら~
救えなかった命もたくさんあるし~
出会えなかった人々もいる。▼~
私が普通の村人だったら~
エクラ、あなたにも~
出会えなかったでしょうし。▼~
今の私は、ただの村人でも~
ひとりの神官でもない…英雄として~
課された使命を果たさないと…ね。▼~
***A [#n34f2d12]
:[セリカ]|
エクラ、もしあなたに~
英雄としての道以外の人生が~
用意されていたとしたら…▼~
あなたは、それを選ぶ?▼~
…そう。~
あなたらしい答えね。▼~
私もそう。英雄として誰かの助けに~
なれるなら…大切な人を守れる力が~
あるのなら、私は迷わず剣をとる。▼~
もし、ほかの人生が~
用意されていたとしても…~
私も誰かの役に立つ道を選ぶわ。▼~
エクラ、~
あなたと同じようにね。▼~
それはきっと私たちだけじゃない。~
ヴァイス・ブレイヴに集った英雄たち、~
みんながそういう気持ちだと思うの。▼~
自分のためだけに~
英雄としての力を使うのではなく~
誰かのために力を使いたい…▼~
もしかすると、そういう~
想いが英雄としての自分を~
支えてくれているのかもしれないわ。▼~
***S [#xb99bdf0]
:[セリカ]|
私が英雄としての道を~
歩み始めたのは、最初から~
強い力があったからじゃない…▼~
最初にあったのは想いだった。~
戦乱を鎮めたい…。~
大切な人たちを守りたい…▼~
そういう想いが~
自分に英雄としての力を~
くれたように思うの。▼~
もし私がソフィアの王女として、~
みんなに守られて暮らせたとしても~
私はきっと、その選択肢を選ばない。▼~
今の私には英雄として戦える力がある。~
ならばその力を、人々のために~
活かす義務があるのではないかしらって。▼~
この力は私一人だけのものじゃない。~
もしかすると、みんなの力を~
私が預かっているだけかもしれない。▼~
そう考えると…戦乱があるかぎり~
私は立ち止まるわけにはいかない。~
立ち止まってはいけないと思うの。▼~
すべての戦いが終わり~
世界が平和になったそのときこそ…▼~
改めて、これからの人生を~
考えてみるのも~
いいかもしれないわね。▼~
剣をとって戦う以外の未来が~
きっと来ることを信じて…~
今は英雄として前に進むわ…!▼~
**大いなる皇女 ヴェロニカ [#da92b678]
***C [#v275a0c8]
:[ヴェロニカ]|
…………▼~
さっき、お城をあるいていたら~
あたしの顔をみた兵士が~
すごくおどろいてた…▼~
まるで、こわいおばけを見たみたいに~
ひきつったかおをして…~
にげてしまったわ…▼~
もしかしてあたしはまだ~
みんなに怖がられているの…?▼~
…そう、ありがとう。~
あなたは…やさしいのね。▼~
ここにいるあたしと…~
エンブラ帝国にいるヴェロニカは~
まったくの別人…▼~
そう頭でわかっていても…~
やっぱり理解できないのかもしれない。▼~
あたしは、まちがわれても~
とがめたりはしないわ。~
気にも、しない…▼~
でも、さっきあった兵士みたいに~
みんなはあたしをこわがって、~
ちかづこうとはしない…▼~
…………▼~
みえない、壁。~
あたしとみんなの間には~
それがあるのかも…しれない。▼~
***B [#m4122219]
:[ヴェロニカ]|
どうすれば…もっとみんなと~
したしく…なれるの?▼~
あたしはここにくる前も~
皇女として…ふるまっていた。▼~
あたしがなにもしなくても~
まわりの人たちが~
あたしに声をかけ、したしくしてくれた…▼~
だから、あたしは自分から~
ほかの人にあゆみよったことは…~
ほとんどないの。▼~
でも、この世界では、~
あたしは皇女ではなく~
ひとりの英雄…▼~
いままでのように、みんなが~
かしづいてくれるわけじゃない…▼~
エクラ、~
あたしは…~
どうふるまうべきだと思う…?▼~
え…?~
次にあうときまでに~
考えておいて…くれるの?▼~
ありがとう…やっぱり~
あなたはやさしいのね。▼~
姿も性格もちがうけど…~
あなたはどことなく~
お兄様に似ているわ。▼~
まとっているやさしい空気が…~
そうかんじさせるのかしら…▼~
***A [#c4f71dcc]
:[ヴェロニカ]|
みんなとなかよくするコツは…~
普通にしている…こと?▼~
あたしにとっての普通が~
みんなにとっての普通とは~
かぎらないと…思うけど。▼~
え?~
あいさつをするだけで…~
いいの?▼~
おはよう。~
こんにちは。~
こんばんは…▼~
このみっつのあいさつだけで、~
みんなと仲良く…なれるの?▼~
そう…これが~
エクラにとっての~
普通、なのね…▼~
そういえばあたし…~
お兄様以外に自分から~
あいさつなんてしたこと…なかったかも。▼~
もしかして…お兄様にするように~
みんなと…接すれば…~
なかよくなれるの…?▼~
わかった。あなたをしんじるわ。~
やってみる。ふつうに~
あいさつすることから…▼~
***S [#w7cc8574]
:[ヴェロニカ]|
見て、エクラ。~
きれいでしょ、この花…▼~
さっき、城のろうかですれちがった~
兵士からもらったの。▼~
あなたの…いうとおりだったわ。▼~
あたしからあいさつをするだけで~
みんなが親しく…~
話しかけてくれるようになったの。▼~
お城の兵士たちだけじゃない。~
アルフォンス王子、シャロン王女、~
英雄たちともしたしくなれた気がする…▼~
あいさつってふしぎね。~
みじかい言葉にいろいろなものが~
つまっているとおもうの。▼~
ありがとう、エクラ。~
あなたは、あたしにきっかけをくれた。▼~
いまはもう…~
みんなとの間に~
壁はかんじない。▼~
みんなが…あたしを仲間として~
うけいれてくれていることを~
つよく……かんじるの…▼~
せいいっぱい、力をかすわ。~
あたしをうけいれてくれた~
みんなのためにも…▼~
そして、あたしに~
かわるきっかけをくれた~
エクラのためにも…▼~
**双聖の勇王 エフラム [#k78d0a0c]
***C [#l0aa2b25]
:[エフラム]|
ふっ! はっ…!~
む…エクラ、~
見ていたのか。▼~
これは黒斧ガルム…~
グラド帝国に遺されていた~
双聖器と呼ばれる武器だ。▼~
ゆえあって俺が使わせてもらっているが~
得意な槍と違い、自分の手足のように~
使うには、まだまだ修練が必要だ。▼~
俺のことを【勇王】と~
呼ぶ人間もいるが…~
俺は武に関しては妥協しない。▼~
しかしその呼び名が優れた王と~
同等の意味を持つのかと言えば…~
俺はそうは思わない。▼~
たまたま備わっていたのが~
武の才だった…~
ということなのだろう。▼~
本当に俺が民を統べる王の器に~
ふさわしいかどうか…~
その答えはまだ出ていない。▼~
ふっ…~
そんな不安そうな顔で見るな、~
エクラ。▼~
戦士、そして英雄…王としても~
俺は研鑽を続けていくつもりだ。▼~
エクラが見て、~
王として欠けているものが~
俺にあるなら、遠慮なく言ってくれ。▼~
***B [#c59e79a0]
:[エフラム]|
なぜ俺が~
自分を優れた王でないと思うか、~
理由を知りたいと…?▼~
そうだな、先日も言ったように~
俺は武や戦ならば~
誰にも負けない自信がある。▼~
しかし、内政や経済のような~
国の礎を築くことについては素人同然。~
妹のエイリークのほうが何倍も優秀だ。▼~
生来の学問嫌いもあるが…~
おそらく俺には才がないのだ。~
平時の才というものが…▼~
戦の才はともかく~
民の生活を守る内政に疎いのは~
王としては致命的な欠点だ。▼~
それを埋めてくれる補佐役がいないと~
俺は王として、民たちの暮らしを~
守ることができない。▼~
それが、俺が~
優れた王ではない理由だ。▼~
無論…だからといって~
王の責務を投げ出すことなど~
許されぬことだ。▼~
欠けている資質を埋めるため~
武器を振るう以外の努力も~
必要なことは理解しているが…▼~
机に向かっていると~
やはり俺には不向きな性分だと~
つくづく思い知らされる。▼~
こういうことを言うと~
またエイリークに不安そうな顔を~
させてしまう。精進…せねばな。▼~
***A [#i1ab8787]
:[エフラム]|
エクラ、~
こんな時間まで見回りとは~
精が出るな…▼~
そういう俺も寝付けずに~
訓練をしていたのだがな。▼~
王になる以前は槍一本で身を立てて~
大陸一の傭兵になることが夢だった。▼~
傭兵の世界で問われるのは実力のみ。~
そこでは王族の肩書きなど~
なんの役にも立ちはしない。▼~
自分の腕だけでどこまで行けるのか~
どこまでやれたのか…そのことが~
今でも胸の内をよぎることがある。▼~
もっとも…人間というものは~
自分が選ばなかった道ほど~
まぶしく見えてしまうこともある。▼~
まったく未練がないとは言えないが…~
今の俺には大陸一の傭兵よりも~
目指さなくてはならないものがある。▼~
王として、~
一人でも多くの民の声に応えたい。~
それが今の…俺の夢だ。▼~
大陸一の傭兵も、民の声に応える王も~
どちらも険しい道のりが~
待っているのは間違いない。▼~
しかし俺は…~
歩みを止めるわけには行かない。▼~
優れた王になるための道は~
俺一人のものではない。俺の後ろには~
多くの民がいるのだからな。▼~
***S [#sbc09c9f]
:[エフラム]|
黒斧ガルム…~
なんとか使いこなすことができそうだ。~
ようやく俺の手にも馴染んできた。▼~
この斧は俺の友だった男の国に~
遺されていた、偉大な双聖器。▼~
この斧を振るうことで友の意志を継ぎ~
ともに戦うことができるのなら…~
それは無上の喜びだ。▼~
俺は学問嫌いだったが~
あいつは穏やかで学があり、王として~
俺よりもふさわしい器を持っていた。▼~
あいつなら、~
きっと良い王になれた…~
そう、そのはずだった…▼~
…すまない。~
もちろん俺も、あいつ以上に~
優れた王になってみせる。▼~
俺には支えてくれる仲間たち、~
エイリーク、そして…~
エクラがいる。▼~
皆のためにも、~
それにあいつのためにも…~
俺は王としての責務を果たす。▼~
これからも俺を支えてくれ、~
エクラ。▼~
そして約束しよう。俺は~
お前の信頼に応えるべく~
勇気を持って戦い続けることを…▼~
**大いなる重騎士 ヘクトル [#m0af3c85]
***C [#z650fba5]
:[ヘクトル]|
999、1000…!~
ふう、今日の素振りは終了っと。▼~
ん、エクラ…~
いつからそこにいたんだ?~
お前は気配を消すのがうまいな。▼~
見ての通り、日課の訓練だ。~
こいつだけはなにがあっても~
欠かせないものだからな。▼~
一日でも休めば身体がなまっちまう。~
それにあいつの背中を追いかけるのは~
性に合わないからな。▼~
エクラには~
話していなかったか…~
ああ、エリウッドのことだ。▼~
あいつとは、二か月に一度、~
互いの訓練の成果を確かめるために、~
真剣勝負をしててな。▼~
戦績は、13勝13敗5分け…~
いや、12勝14敗4分けだったか?~
とにかくまあ互角ってとこだ。▼~
次の試合は負けられねえからな。~
そのためにも欠かせないんだよ、~
この毎日の訓練がな。▼~
よし…今日は身体のキレもいい。~
もう1000回、~
素振りといくか!▼~
***B [#i3a05706]
:[ヘクトル]|
そういやエクラ、~
お前には、絶対負けられねえっていう~
相手はいるのか?▼~
戦場に出て戦うってわけじゃなく、~
お前の場合は軍師としての~
勝負ってところか。▼~
…なんだって?~
闘技場?~
異界の強敵?▼~
なるほどな。~
お前の作戦指揮は~
そうやって磨かれてるってわけか。▼~
で、お前の戦績のほうは~
どうなんだ?▼~
おおっと、全部言わなくてもいい。~
へっ、その顔を見ればだいたい~
予想がつくってもんだ。▼~
軍師のお前が強くなるということは~
ヴァイス・ブレイヴ…そして~
俺たち英雄も強くなるってことだ。▼~
本気で向き合ってくれる~
好敵手には感謝しないとな!▼~
***A [#l3782bd7]
:[ヘクトル]|
よう、今週の調子はどうだったんだ?▼~
…ははっ、そいつはいい。~
エクラらしい~
面白い戦い方をしたもんだな。▼~
俺もエリウッドだけじゃなく~
もっといろいろな強敵たちと~
手合わせをしてみたいもんだ。▼~
だが今は…~
果たさなければならない使命がある。▼~
強くなるのも大切だが~
まずは、人々の期待に~
応えられる人間にならないとな。▼~
そもそも俺は、自分一人では~
ここまで成長することはできなかった。▼~
故郷が戦乱に巻き込まれ~
否応なく成長を迫られたのも一因だが…▼~
俺の後ろには守るべき民がいた。~
彼らの存在も…~
俺を大きく成長させてくれたんだ。▼~
そしてもちろん、~
エリウッドという~
友の存在も…な。▼~
人間にはいろいろな成長の方法があり~
己を磨く道筋がある。▼~
俺が歩んできた道は~
決して平坦とは言えなかったが…▼~
結果として幾多の困難は~
俺を成長させてくれた。~
感謝すべきことかもしれないな!▼~
***S [#kf7afce6]
:[ヘクトル]|
よう、エクラ~
今日の戦いの指揮も見事だったな。▼~
最初にお前に会ったときよりも~
指揮の腕が上がっている気がするぜ。~
日々の成果が出てるんだな、きっと。▼~
人は一人だと、いくら鍛錬を重ねても~
成長の結果が見え辛い。~
成長する気力も失われちまうかもしれない。▼~
だが、好敵手がいれば~
追いつき、追い越そうと~
自分も成長することができる。▼~
俺にとってエリウッドはかけがえのない~
親友であると同時に、俺を成長させる~
とびっきりの試練なのさ。▼~
そして、俺自身もまた…~
あいつを成長させるための~
試練になれればと思っている。▼~
いつも全力で真っ向勝負してくる~
あいつの気迫に恥じないようにな。▼~
お前も異界にいる好敵手たちと~
切磋琢磨を続けているかぎり~
成長は止まらないはずだ。▼~
俺たちは本当に幸運だな。~
とびっきりの好敵手に恵まれて。▼~
俺もお前もまだまだ成長できる。~
たゆまぬ鍛錬を続けて~
お互いに頑張ろうぜ!▼~
*コメント [#n72bd0ea]
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