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章別会話/団欒と混沌の学級
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[[章別会話]]
*団欒と混沌の学級 [#gf146dea]
#contents
**団欒と混沌の学級 [#dc8929cb]
***オープニング [#b092b149]
:[アネット]|
ねえベルナデッター!~
軍議、始まっちゃうよー!▼~
:[リシテア]|
まったく…いい加減に観念して、~
出てきたらどうですか。▼~
:[アルフォンス]|
…ん? あれは…▼~
君たち、どうしたんだい?~
何か困ってるようだけど。▼~
:[リシテア]|
あら、こんにちは、アルフォンス王子。~
実はベルナデッタが~
部屋に閉じ籠もって出てこないんです。▼~
:[ベルナデッタ]|
これ以上、ベルに構わないでください!~
ベルは、ベルは引き籠もって、この部屋を~
生涯の友にするって決めたんですうううう!▼~
:[アネット]|
…というわけで、途方に暮れてたんです。~
アルフォンス王子、~
何か良い策はありませんか…?▼~
:[アルフォンス]|
彼女を部屋から連れ出す方法、か。~
付き合いの長い君たちに思いつかないなら、~
僕にも思いつきそうにないけれど…▼~
例えば、士官学校の先生や級長たちなら~
どんな風にこの状況を打開するのか~
考えてみる…というのはどうだろう。▼~
:[フェルディナント]|
級長か…それならば容易な話だな!~
ここは私に任せてくれたまえ!▼~
なぜなら、私はエーデルガルトが何を感じ、~
どう行動するか……常に考えているからね。~
彼女を上回る私の叡智、刮目したまえよ!▼~
:[アネット]|
…えっと、変な方向に~
やる気出ちゃってない?▼~
:[リシテア]|
暴走しそうな予感がしますね。~
…ま、いいんじゃないですか。~
真っ当な手段じゃ駄目みたいですし。▼~
ということでベルナデッタ、~
早めに観念したほうがいいですよ?▼~
:[ベルナデッタ]|
ま、負けるもんですかああ!~
あたしの叡智…はないけど、あたしの聖地、~
守ってやりますもん!!▼~
***C [#gfc26c3c]
:[シャロン]|
…あら?~
必死に逃げるベルナデッタさんと…~
追うフェルディナントさん?▼~
:[フェルディナント]|
…ああ、シャロン王女!~
すまない、そのまま回り込んで~
彼女を捕まえてくれないか!▼~
:[シャロン]|
え? つ、捕まえる?▼~
:[ベルナデッタ]|
ひいいいい!~
許してくださいいぃ!▼~
:[シャロン]|
ベ、ベルナデッタさんが~
すごい速さで走り去ってしまいました!~
ま、待ってくださーい!▼~
&br;''(暗転)''
:[シャロン]|
…………。~
…はあ、はあ。結局、~
お城じゅうを巻き込んだ追いかけっこに…▼~
ベルナデッタさんには~
逃げられてしまいましたけど…~
これは、いったい何だったんですか…?▼~
:[アネット]|
ベルナデッタを部屋から連れ出したくて…~
それぞれの級長ならどうするか、とか~
いろいろ考えて作戦を立てたんです。▼~
:[リシテア]|
で、アネットが作ったお菓子を扉の外に~
置いて誘い出し、彼女が出てきたところを~
わたしが魔法を使って扉を封じたわけです。▼~
:[シャロン]|
よく考えられた作戦ですね…▼~
:[フェルディナント]|
そして彼女の逃げ道を塞ぎ、~
貴族の義務を切々と説いたのだが…▼~
:[シャロン]|
あはは…逃げられちゃったんですね。▼~
:[フェルディナント]|
…くっ、だがこの程度で諦める私ではない。~
エーギル家の名に懸けて、~
必ずや彼女を正道に立ち返らせてみせよう!▼~
:[アネット]|
うんうん、諦めないで頑張ろう!~
あたし、もう少し作戦練ってみるよ。~
次こそ絶対捕まえてみせるんだから!▼~
:[シャロン]|
えっと…~
皆さん、怪我だけはしないでくださいね…?▼~
***B [#iaa2eeb6]
:[フェルディナント]|
…さて、ベルナデッタを部屋から出す~
次なる案は何かないかね。~
私の知恵は…正直、絞り尽くしてしまった。▼~
:[リシテア]|
部屋を煙で燻したらどうですか。~
そうしたら、流石に引き籠もっては~
いられないでしょう?▼~
:[アネット]|
でも、煤で汚れちゃわない?~
臭いもついて…って、この臭い、何だろう?~
ベルナデッタの部屋が焦げ臭く…▼~
:[シャロン]|
ぎゃーっ!~
煙です! まさか火事!?~
ベルナデッタさんが燃えてしまいます!▼~
:[アンナ]|
火の元なんてないはずなのに…~
って、今はそれどころじゃないわね。~
急いで消さないと!▼~
:[フェルディナント]|
ベルナデッタ! 早く出てくるんだ!~
引き籠もっている場合ではない!▼~
:[アネット]|
ベルナデッタ!~
寝てるの!? 死んじゃうよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
ええ!? ベル、死んじゃうんですか!?~
な、な、なぜでしょおおおお!~
まさかみんなの恨みつらみでえええ!?▼~
:[リシテア]|
そうじゃなくて、あんたの部屋から~
煙が出てるんです!~
火事だったら、あんた、燃え…▼~
…?~
ベルナデッタ!?▼~
:[ベルナデッタ]|
はい、ベルです。~
…あたしが何か?▼~
はっ、もしかしてお腹が空いたから部屋で~
お肉をこっそり燻製にしてたのが~
見つかっちゃったんですか!?▼~
:[フェルディナント]|
燻製…だと…!?▼~
:[ベルナデッタ]|
そしたら部屋が煙くなったので~
外で時間を潰してたんですよ?~
あれ? みんな揃ってここで何を?▼~
:[アネット]|
…そっかー、良かったあ。~
火事になって、ベルナデッタが~
逃げ遅れちゃったのかと思ったよー。▼~
:[アンナ]|
人騒がせねー、まったく。~
でも、ベルナデッタが外に出ているから~
結果的には良かったのかしら。▼~
:[ベルナデッタ]|
し、しまった…!?~
今日のところは勘弁してやりますううう!▼~
***A [#neaea1ab]
:[ベルナデッタ]|
ふんふんふふーん♪~
この国にも、見たことないお花が~
いろいろ咲いてるなあ。▼~
…ひえっ!?~
エクラさん!?▼~
え、外にいるのが珍しいって?~
そんなことないですよ。~
用があれば出歩きますし。▼~
知らない人に会わず、~
誰も話しかけてこなければ…~
平気なんですけどね。▼~
:[フェルディナント]|
そこでだ!~
君のために妙案を思いついたぞ、~
ベルナデッタ!▼~
:[ベルナデッタ]|
…はぎゃああ!?~
きき聞いてたんですかああ!~
というか妙案って何いいい!?▼~
:[リシテア]|
発想の転換です。~
あんたが部屋から出られないなら、~
わたしたちがあんたの部屋に入るんです。▼~
:[アネット]|
うんうん、ベルナデッタの部屋で~
軍議をやれば、みんな困らないよね?▼~
:[ベルナデッタ]|
えっ…それって…?▼~
:[シャロン]|
そういうわけで、ベルナデッタさんの~
部屋にこれからお邪魔するんですよ。~
軍議の時間です!▼~
:[ベルナデッタ]|
そ、そんなああああ…▼~
&br;''(暗転)''
:[アンナ]|
みんな、大変よ!~
ベルナデッタが、自室の隣の部屋に~
引き籠もっちゃったわ!▼~
:[アネット]|
あちゃー…。~
ちょっとだけそんな気はしてたけど…。▼~
:[リシテア]|
むしろ、数日耐えられたのが~
奇跡みたいなもんでしょう。▼~
:[フェルディナント]|
くっ…ベルナデッタ!~
だが、私は諦めないぞ。~
次こそ、彼女が部屋から脱せるよう尽力し…▼~
:[リシテア]|
もういいんじゃないですか?~
このところ軍議が全然進んでないですし。~
戦術について意見を聞きたいんですけど。▼~
:[アネット]|
あはは…あたしもリシテアに賛成かなあ。~
そうだ! 焼いてきたお菓子を食べない?~
お腹が満たされれば気分も落ち着くかも。▼~
:[アルフォンス]|
……。 こんな混沌、~
異界の扉が開いて以来はじめてだ…~
収拾はつくんだろうか…?▼~
**貴族の中の貴族 フェルディナント [#w4447094]
***C [#ifbeceb0]
:[フェルディナント]|
エクラか。~
ここはなかなか面白いところだね。~
様々な世界の貴族と顔を合わせられる。▼~
しかも、その誰もが~
英雄の資質を持った貴族だ。~
まさに貴族の中の貴族と言えよう。▼~
なに?~
私も貴族の中の貴族なのでは、と?▼~
…そうだな。~
そうありたいと思っている。▼~
だが、実態が伴わないのだ。~
今の私は、貴族の嫡子に過ぎないし、~
未来の宰相の地位を約されているのみ。▼~
領民も、領地も、あるいは権力も、~
いまだ父が握っている。▼~
私はいまだなにも成し遂げていないし、~
いまだ何に挑める立場にもない。~
ただの士官学校の、いち生徒なのだ。▼~
そうだ!~
君はこの世界で、いろいろな貴族と~
出会い、親交を深めているはずだ。▼~
ならば、私に紹介してくれ!~
私が真に貴族の中の貴族となるための、~
またとない機会であろう?▼~
これは楽しくなってきた。~
頼んだぞ、エクラ!~
はーっはっはっはっは!▼~
***B [#y4b1a0ec]
:[フェルディナント]|
公女…。~
うーむ、公女か…。▼~
おお、エクラ。~
この前は貴族の紹介、感謝するよ。~
なかなかに強烈な…貴族だったな。▼~
…いや、貴族であったのか?~
確かに侯爵家の令嬢だと聞いた。~
そこに嘘はないだろう。▼~
だが、彼女の作法、武術や馬術、~
どれを取っても貴族のものではない。~
そうではないか?▼~
まるで猟師のように弓を扱い、~
遥か東方の草原の民のように馬を駆り、~
恥ずかしげもなく足を晒して剣を振るう。▼~
い、いや、決して見とれていたわけでは…。~
このフェルディナント、貴族同士の~
付き合いに不埒な心は持ち込まないぞ!▼~
ただ…強いて言うのであれば、~
風が舞い踊るような素晴らしい剣技や体技、~
武骨ながらも力強く美しい武具。▼~
そういったものに目を奪われたのは事実だ。~
私は蒐集家として珍しい武具に目がないし、~
異界の武芸にも興味があるのでね。▼~
ふむ…貴族かはいささか疑問ではあるが、~
良き出会いであったのは間違いない。~
鍛錬を共にする約束もできたしな。▼~
思えばエーデルガルトも斧を振り回すが、~
武器の扱いは貴族のそれであったな…。~
彼女のほうが稀有な存在ということか…。▼~
次なる貴族との出会いが楽しみだな。~
はーっはーっはっは!~
頼んだぞ、エクラ。▼~
***A [#y6965399]
:[フェルディナント]|
エクラ…~
あの男は駄目だ。~
いや、彼が悪いのではない。▼~
私が苦手なのだ。~
父にそっくりではないか!~
あれほど似た男が他の異界にいたとは…!▼~
髭は…微妙に違うか。~
髪形は、昔の父と同じだが、今は違う。~
後は…▼~
瓜二つだ! 瓜二つなのだぞ!!~
初め、父も英雄として呼ばれたのかと思って~
あごが外れんばかりに驚いた…。▼~
ううむ、すまない。~
あまりの衝撃に興奮がまだ冷めないな…。▼~
…落ち着いて、ゆっくりと思い出せば、~
趣味は少し違うかもしれん。▼~
我が父は金銀や布の装飾は好きだったが、~
宝石の類には興味がなかった。~
あまり身につけている記憶がない。▼~
それに、言葉遣いも…~
美を誇ることはなかったように思う。~
父が誇ったのは財力と権力だ。▼~
財と権勢を兼ね備えた偉大なる~
この私を呼ぶといい!~
ルートヴィヒ=フォン=エーギルと!▼~
今のは父の真似だが…~
いや、やはり似ているのではないか?~
双子と見紛うばかりなのでは?▼~
…駄目だ。~
今日は眠れそうにない。~
すまないが、私はもう行く。▼~
***S [#e22c1b6d]
:[フェルディナント]|
…おや、エクラか。~
ちょうどいいところに来たな。~
私の話を聞いてくれ!▼~
君のおかげで、私は多くの知己を得た。~
異界の貴族たちから様々な話を聞けたのだ。▼~
中には、領民と領地を失い、~
日々の生活にも困窮しているというのに、~
貴族然として、立派な従者も持つ者。▼~
お喋りが好きだというのに、~
話が少し複雑になると途端に飽きて~
貴族にあるまじき態度を取る者。▼~
闘技場に籠もって斧を振り回す者など、~
フォドラではあまり見かけない~
貴族もいたが…。▼~
ほとんどの貴族は、~
確かに気族であると思えたよ。▼~
その国の、その土地の…~
歴史、文化、環境など…多く違いはあれど、~
そこには変わらぬものがあったのだ。▼~
貴族の心、人の上に立つ者の自負や覚悟、~
力と知恵への探求心、思想を磨く精神、~
民を想う慈悲、国を動かす責任と誇り…▼~
それらはすべて、まさに私の信ずる~
貴族の中の貴族のものだった!▼~
ふふ…さて、忙しくなるぞ。~
貴族としてさらなる成長を遂げるためにも、~
皆から吸収すべき事柄は多い。▼~
そしてそれを成し遂げた暁には…~
エクラ、君は~
真なる貴族の中の貴族を目にするだろう。▼~
このフェルディナント=フォン=エーギルの~
誇り高き姿をな!▼~
**年下の優等生 リシテア [#z34fe823]
***C [#ya7f4a4e]
:[リシテア]|
ふむふむ…なるほど…▼~
:[アルフォンス]|
リシテア、何をしてるんだい?▼~
:[リシテア]|
フォドラにも似たような兵種はあるし…~
うん、これなら実戦で応用できるかも…。▼~
:[アルフォンス]|
リシテア? …リシテア!▼~
:[リシテア]|
ひゃっ! …アルフォンス王子?~
何をしてるんですか?▼~
:[アルフォンス]|
その質問をさっき君にしたんだけど…。~
耳に入らないくらい集中してたようだね。~
…何を読んでいたんだい?▼~
:[リシテア]|
戦術書ですよ。~
アンナ隊長が貸してくれたので、~
パラパラと眺めていたんですけど…▼~
今まで知らなかった面白い戦術が、~
いろいろと載っているのが興味深くて。~
ついつい夢中になってしまいました。▼~
:[アルフォンス]|
そうか。君たちの世界と僕らの世界では~
兵学の成り立ちから違うわけだし、~
見たことのない戦術も多いだろうね。▼~
…それにしても意外だな。~
君のような子供が戦術に興味を持つなんて。▼~
:[リシテア]|
…は? 誰が子供ですって?▼~
:[アルフォンス]|
一緒に士官学校から来た英雄たちより~
リシテアは、だいぶ年下なんだろう?~
本当に感心するよ。▼~
:[リシテア]|
…あんたとはもう話したくありません。~
自室に戻りますので、失礼します。~
はい、そこ邪魔です。どいてどいて。▼~
:[アルフォンス]|
あれ…。~
急に不機嫌になって、どうしたんだろう?~
僕、何か悪いこと言ってしまったかな…。▼~
***B [#zeb6cbb9]
:[リシテア]|
ふわぁああ…。▼~
:[アルフォンス]|
リシテア、おはよう。▼~
:[リシテア]|
あら、アルフォンス王子。~
おはようございます。▼~
:[アルフォンス]|
良かった…。~
まだ怒っているのかと。▼~
:[リシテア]|
この前の事ですか。大丈夫ですよ。~
わたし、引きずらない女なので。~
大人げない態度をとってすみませんでした。▼~
:[アルフォンス]|
大人げ…。あ、いや、こちらこそごめん。~
ところで、何だか眠そうだね。▼~
:[リシテア]|
ええ、例の本を参考に~
新しい戦術を考えていたら、~
つい夜更かしを…。▼~
:[アルフォンス]|
そんなに夢中になるなんて、~
君は本当に兵学が好きなんだね。▼~
:[リシテア]|
別に好きじゃありませんけど。~
この世界にいる限り学校には行けませんし、~
何か学ばないと時間が持ったいないでしょ。▼~
:[アルフォンス]|
もったいない、か…。努力家なんだね。~
だけど、少し頑張り過ぎじゃないかい?~
もっと肩の力を抜いてもいいと思うけれど。▼~
:[リシテア]|
怠けたい人は怠ければいいんです。~
わたしには、そんな余裕はありません。~
残された時間が、他の人より短いので。▼~
:[アルフォンス]|
え、それはどういう…?▼~
:[リシテア]|
あ、えーと…あんたと違って~
いつ元の世界に戻されるか~
わからないでしょ?ってことです。▼~
:[アルフォンス]|
そうか…でも夜はちゃんと寝たほうが~
いいと思うな。成長期の子供にとって~
睡眠はすごく大事な…▼~
:[リシテア]|
…は? これ以上話したくありません。~
ごきげんよう、さようなら。▼~
:[アルフォンス]|
あれ…子供扱いされるのが嫌いなのかな。~
次に話す時は気をつけよう…。▼~
***A [#fc449957]
:[アルフォンス]|
こんにちは、リシテア。▼~
:[リシテア]|
何か用ですか、アルフォンス王子?~
この間のことなら、もういいですよ。~
わたし、根に持たない女なので。▼~
:[アルフォンス]|
ありがとう。~
そういうのを大人の対応と言うんだろうね。▼~
:[リシテア]|
大人の対応…!~
ええ、そうです。そうですとも。▼~
:[アルフォンス]|
これからまた戦術の研究かい?▼~
:[リシテア]|
いえ、天気がいいのでお散歩です。~
この間、あなたに言われたでしょう?~
肩の力を抜けって。▼~
余裕がないように見えているなら~
周りの人にも気を遣わせてしまうだろうし、~
たまにはのんびりしようかな、と。▼~
:[アルフォンス]|
うん、それがいいよ。~
焦らず急がず、休む時は休む。~
そういうのを大人の余裕と言うんだろうね。▼~
:[リシテア]|
大人の余裕…!~
ええ、そうです。そうですとも。▼~
:[アルフォンス]|
ところで、気になっている事があるんだ。~
君のその…時間がないって話。~
この前はなんとなく誤魔化されたけれど。▼~
:[リシテア]|
あ…それは…その…▼~
:[アルフォンス]|
いや、無理に話さなくてもいいんだ。~
だけど、もし力になれることがあれば~
何でも言ってほしい。▼~
特務機関には、~
いろいろな分野に秀でた人がいるし、~
文献だってたくさんある。それから…▼~
:[リシテア]|
ありがとう、アルフォンス王子。~
でもわたしが抱える問題は、わたしの世界の~
歪んだ事情から生じた問題ですから…。▼~
あんたの気持ちだけ、受け取っておきます。~
それじゃ。▼~
:[アルフォンス]|
結局、また行っちゃったか。~
彼女は、子供っぽいところもあるけれど、~
芯の部分は大人びているんだな…。▼~
***S [#q6242a8e]
:[リシテア]|
アルフォンス王子、~
ちょっといいですか。▼~
:[アルフォンス]|
やあ、リシテア。~
君から話しかけてくれるなんて珍しいね。▼~
:[リシテア]|
あら、嫌味かしら。~
…なーんてことは言いません。~
大人の対応?▼~
:[アルフォンス]|
あはは…それで何か僕に用かな。▼~
:[リシテア]|
あんた、わたしの力になってくれるって~
言いましたよね。~
それを思い出して…▼~
:[アルフォンス]|
僕にできることなら喜んで協力するとも。~
で、何だろう?▼~
:[リシテア]|
あの…美味しいお紅茶を飲みたくて。~
ちょっと休憩しようかな、と。~
大人の余裕?▼~
:[アルフォンス]|
紅茶か…それなら広間にいる給仕に頼めば~
すぐに淹れてくれるよ。▼~
:[リシテア]|
あそこで出してくれるお紅茶は、~
その…ちょっと苦くて…。~
わたし、お砂糖たっぷりが好みなので。▼~
:[アルフォンス]|
それなら、砂糖多めで注文すれば~
ちゃんと甘く作ってくれると思うよ。▼~
:[リシテア]|
お砂糖たっぷりで!なんて言ったら、~
お子様っぽいじゃないですか。▼~
:[アルフォンス]|
じゃあ、僕が代わりに頼んであげるよ。~
他に欲しいものはある?~
確か菓子もあったはずだけど…。▼~
:[リシテア]|
お菓子! お菓子もお願いします!~
ついでですし、折角なので、~
どちらでもいいんですけど!▼~
:[アルフォンス]|
わかった、紅茶と一緒にもらって来るよ。~
…この前は大人びてると思ったけど、~
やっぱり子供なんだなあ。▼~
…っと、いけない。~
リシテア、今のは冗談で…▼~
:[リシテア]|
お菓子、お菓子♪~
…ん? どうしたんですか?~
早く行ってきてください。▼~
:[アルフォンス]|
聞こえてなかったか…良かった。▼~
**永遠の引き籠もり ベルナデッタ [#t3d5c395]
***C [#oa9c1dde]
:[ベルナデッタ]|
…だ、誰もいないよね?~
よーし、今のうちに…▼~
:[シャロン]|
あれは…ベルナデッタさん?~
こんな夜更けにどうしたんでしょう。▼~
おーい!~
ベルナデッタさーん!▼~
:[ベルナデッタ]|
ぎゃああああああああ!~
出たあああああああ!!▼~
:[シャロン]|
うわあああ!?~
な、何ですか!?▼~
:[ベルナデッタ]|
ごめんなさいごめんなさい!~
ベルは何も悪事など働いては…~
処刑だけは! 処刑だけはやめてえええ!!▼~
:[シャロン]|
ちょっと、ベルナデッタさん!~
落ち着いて! 落ち着いてくださいー!▼~
:[ベルナデッタ]|
いいいやああああ…あああ…ああ…あれ?~
シャロンさん?▼~
:[シャロン]|
ええ、そうです。~
あなたのシャロンですよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
何だあ、シャロンさんかあ…・。~
えっ、シャロンさん?~
こんな真夜中に何を?▼~
まさかベルをつけ狙って、~
この機会に亡き者にせんとおおお…▼~
:[シャロン]|
何でそうなっちゃうんですか。~
ベルナデッタさんを見かけて、~
何をしているのかと思っただけです。▼~
:[ベルナデッタ]|
本当ですか? 信じますからね?~
それじゃあ言いますけど、~
何をしてたかっていうと…▼~
引き籠もって作業してたせいで、~
ご飯を食べ損ねちゃったんです。~
なので、こっそり厨房に行くつもりで…▼~
:[シャロン]|
なるほど、そういうことだったんですね1~
それならわたしが案内しますよ?▼~
:[ベルナデッタ]|
シャロンさん…! 嬉しいですううう!~
地獄で女神に出会えたみたいですううう!▼~
***B [#ue8e51aa]
:[ベルナデッタ]|
そーっと…そーっと…。~
よし、誰もいな…▼~
:[シャロン]|
ベルナデッタさん!~
またお腹が空いたんですか?▼~
:[ベルナデッタ]|
はんぎゃあああああ!?~
なになにだれだれ何なのおおおおっ!?▼~
:[シャロン]|
わわっ、落ち着いてくださいね、~
ベルナデッタさん。~
またシャロンですよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
シャロンさん?~
もう、何度もやめてくださいよおお…。~
ベルの寿命が半減だよお。▼~
:[シャロン]|
ごめんなさい、驚かすつもりはなくて。~
ただ、今日もご飯を~
食べ損ねていたでしょう?▼~
それで、お腹が空いてるんじゃないかと~
思って持ってきたんです。~
ほら、焼き菓子ですよ。▼~
:[ベルナデッタ]|
え? いいんですか?~
どうしてそんな親切に…はっ、まさかベルに~
何度も借りを背負わせる作戦ですか!?▼~
そうしてベルの心を縛っておいて、~
何か酷いことで借りを返させようと~
するんですねえええ!?▼~
:[シャロン]|
だから、どうしてそうなっちゃうんですか!~
ただの好意ですよ、好意!▼~
:[ベルナデッタ]|
だって、信じられませんもん!~
あたしに優しくしたって、~
何も良いことないですしいいい!▼~
:[シャロン]|
そういうことじゃないのに…~
困ったなあ。▼~
***A [#y97ebed3]
:[シャロン]|
ベルナデッタさん、少しいいですか?▼~
:[ベルナデッタ]|
よくないです!~
あっ? えっと、いや、いいですよ!~
な、何でしょうか?▼~
:[シャロン]|
たいしたことではないんですが…~
いつも部屋で何をしているのかな、と。~
作業がどうとか、言ってませんでした?▼~
:[ベルナデッタ]|
部屋で、ですか?~
えーっと、今日は編み物をしてますよ?▼~
:[シャロン]|
編み物…すごいですね!~
何を編んでいるんです?▼~
:[ベルナデッタ]|
ひ、秘密です。~
秘密でお願いします。▼~
:[シャロン]|
秘密?~
そ、そんな、何か隠すような~
ものなんですか?▼~
:[ベルナデッタ]|
だって、言ったら絶対、笑いますし…~
そんなことベルには耐えられません!~
うえええええん!▼~
:[シャロン]|
落ち着いてくださいー!~
笑いませんから…約束です!▼~
:[ベルナデッタ]|
…じゃ、じゃあ言いますけど。~
帽子です。~
でも、ただの帽子じゃなくて。▼~
こう頭からかぶって、あごまで顔を覆って~
目のところだけ穴が二つ開いてて、~
かぶったままでも目は見えるっていう…▼~
そしたら、知らない人いっぱいのとこ~
出歩いても、そんなに怖くないかなって。▼~
…………。~
…シャロンさん?▼~
:[シャロン]|
…………。~
…ぷぷっ、いや、その光景を…うぷぷっ、~
想像したら、笑いが…ふふふふ…!▼~
:[ベルナデッタ]|
やっぱり笑うじゃないですかあああああ!~
もう引き籠もってやるうううう!!▼~
:[シャロン]|
ベ、ベルナデッタさん!~
ごめんなさーい!▼~
***S [#v7bf6bf2]
:[シャロン]|
うう…この前はごめんなさい。~
絶対に笑わない自信があったんですが…。▼~
:[ベルナデッタ]|
いいんです。~
だからあたしは引き籠もってるんですから。~
笑われたって平気ですもん!▼~
:[シャロン]|
すごいです、ベルナデッタさん!~
でも、笑ってしまったことは~
申し訳ないですし…▼~
何かお詫び、できませんか?~
欲しいものとか、してほしいこととか…。▼~
:[ベルナデッタ]|
えっ、いいんですか?~
…う、うーん。~
えーと、じゃあ、お願いがあるんですけど。▼~
:[シャロン]|
はい、何でしょう!~
何でも言ってくださいね!▼~
:[ベルナデッタ]|
ベルと、お友達になってほしいかなって。~
い、いや、やっぱ迷惑ですよね!~
やめます!▼~
:[シャロン]|
迷惑なんかじゃありません!~
嬉しいです! やったー!~
わたしたちはこれから、お友達ですよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
ほ、ほ、ホントですか!?~
シャロンさあああああん!~
ベルも感激だよおおおおお!▼~
…えっと、それじゃ、~
これからよろしくね。▼~
:[シャロン]|
はい、よろしくお願いします!▼~
:[ベルナデッタ]|
あ、でも、ベルのお部屋に入るのは~
もう少し仲良くなってからじゃなきゃ~
ダメですからね?▼~
:[シャロン]|
は、はい?~
わかりましたけど…▼~
:[ベルナデッタ]|
あとあと、一緒にご飯…~
…はギリギリ大丈夫かな。~
お散歩するときは、距離をこんくらい…▼~
:[シャロン]|
ベ、ベルナデッタさん!?~
お友達になると、そんなにいろいろ~
約束があるんですかーーっ!?▼~
**頑張り中毒 アネット [#v4168cd2]
***C [#vbc7683e]
:[アネット]|
はあ…あたしって、~
どうしていつもこうなんだろう…▼~
:[アンナ]|
あら、そんなに暗い顔をしていたら~
折角の食事も美味しくなくなっちゃうわよ。~
いったい何があったの、アネット?▼~
:[アネット]|
えっと…実はですね。~
お料理の時に、ちょっと失敗しちゃって。▼~
:[アンナ]|
料理の時に…?~
そういえば、今日の料理は~
あなたが作ったものだったわね。▼~
十分美味しいし、特に何か~
失敗しているようには見えないけれど…?▼~
:[アネット]|
あ、あはは…~
褒めてもらえるのは嬉しいんですけど…▼~
あたし、最初はこういうお料理じゃなくて~
食後のお菓子を作るつもりだったんです…。▼~
:[アンナ]|
…えっと?~
それは…どういうこと?▼~
:[アネット]|
お菓子を作ろうと思って、~
果物を煮込んでたんですけど…気づいたら~
果物で風味をつけた煮込み料理に…▼~
:[アンナ]|
…ちょっと待ってちょうだい。~
何がどうして、果物のお菓子が~
煮込み料理になっちゃったのかしら…?▼~
:[アネット]|
フォドラでは見たこともないような食材が~
市場にたくさん並んでるのを見て、~
美味しそうだなあって思って…▼~
つい、あれもこれもって~
お鍋に入れるうちに…▼~
:[アンナ]|
…と、とにかくっ、失敗したって、~
出来上がったお料理が美味しいなら~
何も問題ないじゃない。▼~
:[アネット]|
そ、そうですよねっ。~
はああ…よしっ、切り替えようっと!▼~
***B [#x35c1f6b]
:[アンナ]|
それにしても、~
アネットは料理が上手よねえ。~
掃除や洗濯も、かなり手馴れているし。▼~
貴族の家の出身だって聞いていたから、~
ちょっと意外な感じだわ。▼~
:[アネット]|
あはは、貴族って言っても、~
いろんな人がいますからね。~
あたしみたいなのも珍しくはないですよ。▼~
確かにあたしの伯父さんは、~
お城で暮らしてる貴族なんですけど…▼~
あたしはそこで育ったわけじゃなくて、~
元々は父さんや母さんと一緒に~
王都の小さいお屋敷で暮らしてたんです。▼~
お手伝いの人を雇うほどでもないし、って~
家の中のことは自分たちでやってましたから~
料理や洗濯にも、抵抗がないというか。▼~
:[アンナ]|
なるほど。だからアネットは、~
そんなにしっかりしてるのね。▼~
:[アネット]|
うーん…しっかりして、ますかね?~
いつも、誰にもわかってもらえないような~
変な失敗してばっかりですよ、あたし。▼~
ついさっきも、~
お鍋を火にかけてたら、~
いきなり底が抜けちゃって…▼~
:[アンナ]|
底が、抜ける…!?~
なかなか斬新な失敗ね…?~
いったい何の料理を作っていたの?▼~
:[アネット]|
あ、お料理をしていたわけじゃなくて~
使った布巾を煮洗いしてたんです。~
食べ物が無駄にならなかったのが救いかな…▼~
:[アンナ]|
う、うーん…?~
布巾を煮洗いしているだけなのに~
何がどうして底が抜けるのかしら…▼~
でもま、そういうこともあるわよね。~
あんまり気に病まないでいきましょ!▼~
:[アネット]|
アンナ隊長…!~
…はいっ! あたし、もっと頑張ります!▼~
***A [#w407426b]
:[アンナ]|
あら?~
厨房からいい匂いが…▼~
:[アネット]|
…あっ、アンナ隊長、こんにちは!~
今、お料理の最中だったんですよ。▼~
:[アンナ]|
へえ、料理の…~
そうだ、よかったら手伝うわよ。~
ちょうど仕事も片付いたところだったし。▼~
:[アネット]|
わあっ、助かります!~
それじゃ、ちょっとだけ~
お願いしてもいいですか?▼~
:[アンナ]|
ええ、任せてちょうだい!~
これでも料理には自信があるのよね。~
存分に腕前を披露してあげるわよ!▼~
って、ちょっと待ってアネット。~
今、鍋に何を入れようとしているの?▼~
:[アネット]|
えっ? 蜂蜜ですけど…~
ほら、食材との相性も良さそうですし、~
隠し味にはちょうどいいかなって。▼~
:[アンナ]|
隠し味にしては、~
入れる量が多すぎないかしら…?~
今度は、お料理がお菓子になっちゃうわよ。▼~
:[アネット]|
あっ…。た、確かに…。~
助かります、アンナ隊長。~
前と同じ失敗を繰り返すところでした。▼~
:[アンナ]|
ふふっ、この私が厨房に入ったからには~
もうアネットに失敗なんてさせないわ!▼~
さ、二人で~
とびきり美味しい料理を作っちゃいましょ!▼~
:[アネット]|
はい! アンナ隊長と一緒なら、~
なんだか変な失敗をしなくても~
済みそうな気がします!▼~
***S [#wa43f291]
:[アネット]|
アンナ隊長、~
この間はありがとうございました。~
お料理、みんなに大好評でしたね!▼~
:[アンナ]|
私たちが力を合わせたんだもの、~
あれくらい当然よ。▼~
:[アネット]|
…そのですね、あたし、気づいたんです。~
ちょっと肩に力が入り過ぎてたかなって。▼~
お料理でもお掃除でも、戦いでも…~
何でも一人で頑張らなきゃって思って~
ずっと空回ってたっていうか。▼~
だからこそ、いつも変な失敗ばかりして…~
ほら、アンナ隊長と一緒に料理した時は、~
いつもの失敗をせずに済んだでしょう?▼~
:[アンナ]|
何だって、一人で頑張るより、みんなで~
協力したほうが、良い結果に繋がるものよ。~
誰にだって得手不得手があるんだもの。▼~
だからこれからも、何かあったら~
遠慮なく私たちをあてにしてちょうだい。~
私たちは、特務機関の仲間なんだから。▼~
:[アネット]|
仲間…▼~
:[アンナ]|
あなたが何か失敗した時には、~
私たちが手助けするし…▼~
別の誰かが苦労している時には、~
あなたにも手を貸してもらえると嬉しいわ。▼~
:[アネット]|
…はいっ! もちろんですっ。~
それが仲間、ですもんね!▼~
:[アンナ]|
うんうん、よろしい。~
…で、さっそくアネットに、~
手伝ってもらいたいことがあるんだけど。▼~
…実は、帳簿の計算が合わないのよー!~
機関の財政を預かる者として失格だわ…!~
お願いアネット、力を貸してちょうだい!▼~
:[アネット]|
帳簿の計算…~
…はい、任せてください!~
算術なら、大の得意ですからね!▼~
*コメント [#je2a68fa]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*団欒と混沌の学級 [#gf146dea]
#contents
**団欒と混沌の学級 [#dc8929cb]
***オープニング [#b092b149]
:[アネット]|
ねえベルナデッター!~
軍議、始まっちゃうよー!▼~
:[リシテア]|
まったく…いい加減に観念して、~
出てきたらどうですか。▼~
:[アルフォンス]|
…ん? あれは…▼~
君たち、どうしたんだい?~
何か困ってるようだけど。▼~
:[リシテア]|
あら、こんにちは、アルフォンス王子。~
実はベルナデッタが~
部屋に閉じ籠もって出てこないんです。▼~
:[ベルナデッタ]|
これ以上、ベルに構わないでください!~
ベルは、ベルは引き籠もって、この部屋を~
生涯の友にするって決めたんですうううう!▼~
:[アネット]|
…というわけで、途方に暮れてたんです。~
アルフォンス王子、~
何か良い策はありませんか…?▼~
:[アルフォンス]|
彼女を部屋から連れ出す方法、か。~
付き合いの長い君たちに思いつかないなら、~
僕にも思いつきそうにないけれど…▼~
例えば、士官学校の先生や級長たちなら~
どんな風にこの状況を打開するのか~
考えてみる…というのはどうだろう。▼~
:[フェルディナント]|
級長か…それならば容易な話だな!~
ここは私に任せてくれたまえ!▼~
なぜなら、私はエーデルガルトが何を感じ、~
どう行動するか……常に考えているからね。~
彼女を上回る私の叡智、刮目したまえよ!▼~
:[アネット]|
…えっと、変な方向に~
やる気出ちゃってない?▼~
:[リシテア]|
暴走しそうな予感がしますね。~
…ま、いいんじゃないですか。~
真っ当な手段じゃ駄目みたいですし。▼~
ということでベルナデッタ、~
早めに観念したほうがいいですよ?▼~
:[ベルナデッタ]|
ま、負けるもんですかああ!~
あたしの叡智…はないけど、あたしの聖地、~
守ってやりますもん!!▼~
***C [#gfc26c3c]
:[シャロン]|
…あら?~
必死に逃げるベルナデッタさんと…~
追うフェルディナントさん?▼~
:[フェルディナント]|
…ああ、シャロン王女!~
すまない、そのまま回り込んで~
彼女を捕まえてくれないか!▼~
:[シャロン]|
え? つ、捕まえる?▼~
:[ベルナデッタ]|
ひいいいい!~
許してくださいいぃ!▼~
:[シャロン]|
ベ、ベルナデッタさんが~
すごい速さで走り去ってしまいました!~
ま、待ってくださーい!▼~
&br;''(暗転)''
:[シャロン]|
…………。~
…はあ、はあ。結局、~
お城じゅうを巻き込んだ追いかけっこに…▼~
ベルナデッタさんには~
逃げられてしまいましたけど…~
これは、いったい何だったんですか…?▼~
:[アネット]|
ベルナデッタを部屋から連れ出したくて…~
それぞれの級長ならどうするか、とか~
いろいろ考えて作戦を立てたんです。▼~
:[リシテア]|
で、アネットが作ったお菓子を扉の外に~
置いて誘い出し、彼女が出てきたところを~
わたしが魔法を使って扉を封じたわけです。▼~
:[シャロン]|
よく考えられた作戦ですね…▼~
:[フェルディナント]|
そして彼女の逃げ道を塞ぎ、~
貴族の義務を切々と説いたのだが…▼~
:[シャロン]|
あはは…逃げられちゃったんですね。▼~
:[フェルディナント]|
…くっ、だがこの程度で諦める私ではない。~
エーギル家の名に懸けて、~
必ずや彼女を正道に立ち返らせてみせよう!▼~
:[アネット]|
うんうん、諦めないで頑張ろう!~
あたし、もう少し作戦練ってみるよ。~
次こそ絶対捕まえてみせるんだから!▼~
:[シャロン]|
えっと…~
皆さん、怪我だけはしないでくださいね…?▼~
***B [#iaa2eeb6]
:[フェルディナント]|
…さて、ベルナデッタを部屋から出す~
次なる案は何かないかね。~
私の知恵は…正直、絞り尽くしてしまった。▼~
:[リシテア]|
部屋を煙で燻したらどうですか。~
そうしたら、流石に引き籠もっては~
いられないでしょう?▼~
:[アネット]|
でも、煤で汚れちゃわない?~
臭いもついて…って、この臭い、何だろう?~
ベルナデッタの部屋が焦げ臭く…▼~
:[シャロン]|
ぎゃーっ!~
煙です! まさか火事!?~
ベルナデッタさんが燃えてしまいます!▼~
:[アンナ]|
火の元なんてないはずなのに…~
って、今はそれどころじゃないわね。~
急いで消さないと!▼~
:[フェルディナント]|
ベルナデッタ! 早く出てくるんだ!~
引き籠もっている場合ではない!▼~
:[アネット]|
ベルナデッタ!~
寝てるの!? 死んじゃうよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
ええ!? ベル、死んじゃうんですか!?~
な、な、なぜでしょおおおお!~
まさかみんなの恨みつらみでえええ!?▼~
:[リシテア]|
そうじゃなくて、あんたの部屋から~
煙が出てるんです!~
火事だったら、あんた、燃え…▼~
…?~
ベルナデッタ!?▼~
:[ベルナデッタ]|
はい、ベルです。~
…あたしが何か?▼~
はっ、もしかしてお腹が空いたから部屋で~
お肉をこっそり燻製にしてたのが~
見つかっちゃったんですか!?▼~
:[フェルディナント]|
燻製…だと…!?▼~
:[ベルナデッタ]|
そしたら部屋が煙くなったので~
外で時間を潰してたんですよ?~
あれ? みんな揃ってここで何を?▼~
:[アネット]|
…そっかー、良かったあ。~
火事になって、ベルナデッタが~
逃げ遅れちゃったのかと思ったよー。▼~
:[アンナ]|
人騒がせねー、まったく。~
でも、ベルナデッタが外に出ているから~
結果的には良かったのかしら。▼~
:[ベルナデッタ]|
し、しまった…!?~
今日のところは勘弁してやりますううう!▼~
***A [#neaea1ab]
:[ベルナデッタ]|
ふんふんふふーん♪~
この国にも、見たことないお花が~
いろいろ咲いてるなあ。▼~
…ひえっ!?~
エクラさん!?▼~
え、外にいるのが珍しいって?~
そんなことないですよ。~
用があれば出歩きますし。▼~
知らない人に会わず、~
誰も話しかけてこなければ…~
平気なんですけどね。▼~
:[フェルディナント]|
そこでだ!~
君のために妙案を思いついたぞ、~
ベルナデッタ!▼~
:[ベルナデッタ]|
…はぎゃああ!?~
きき聞いてたんですかああ!~
というか妙案って何いいい!?▼~
:[リシテア]|
発想の転換です。~
あんたが部屋から出られないなら、~
わたしたちがあんたの部屋に入るんです。▼~
:[アネット]|
うんうん、ベルナデッタの部屋で~
軍議をやれば、みんな困らないよね?▼~
:[ベルナデッタ]|
えっ…それって…?▼~
:[シャロン]|
そういうわけで、ベルナデッタさんの~
部屋にこれからお邪魔するんですよ。~
軍議の時間です!▼~
:[ベルナデッタ]|
そ、そんなああああ…▼~
&br;''(暗転)''
:[アンナ]|
みんな、大変よ!~
ベルナデッタが、自室の隣の部屋に~
引き籠もっちゃったわ!▼~
:[アネット]|
あちゃー…。~
ちょっとだけそんな気はしてたけど…。▼~
:[リシテア]|
むしろ、数日耐えられたのが~
奇跡みたいなもんでしょう。▼~
:[フェルディナント]|
くっ…ベルナデッタ!~
だが、私は諦めないぞ。~
次こそ、彼女が部屋から脱せるよう尽力し…▼~
:[リシテア]|
もういいんじゃないですか?~
このところ軍議が全然進んでないですし。~
戦術について意見を聞きたいんですけど。▼~
:[アネット]|
あはは…あたしもリシテアに賛成かなあ。~
そうだ! 焼いてきたお菓子を食べない?~
お腹が満たされれば気分も落ち着くかも。▼~
:[アルフォンス]|
……。 こんな混沌、~
異界の扉が開いて以来はじめてだ…~
収拾はつくんだろうか…?▼~
**貴族の中の貴族 フェルディナント [#w4447094]
***C [#ifbeceb0]
:[フェルディナント]|
エクラか。~
ここはなかなか面白いところだね。~
様々な世界の貴族と顔を合わせられる。▼~
しかも、その誰もが~
英雄の資質を持った貴族だ。~
まさに貴族の中の貴族と言えよう。▼~
なに?~
私も貴族の中の貴族なのでは、と?▼~
…そうだな。~
そうありたいと思っている。▼~
だが、実態が伴わないのだ。~
今の私は、貴族の嫡子に過ぎないし、~
未来の宰相の地位を約されているのみ。▼~
領民も、領地も、あるいは権力も、~
いまだ父が握っている。▼~
私はいまだなにも成し遂げていないし、~
いまだ何に挑める立場にもない。~
ただの士官学校の、いち生徒なのだ。▼~
そうだ!~
君はこの世界で、いろいろな貴族と~
出会い、親交を深めているはずだ。▼~
ならば、私に紹介してくれ!~
私が真に貴族の中の貴族となるための、~
またとない機会であろう?▼~
これは楽しくなってきた。~
頼んだぞ、エクラ!~
はーっはっはっはっは!▼~
***B [#y4b1a0ec]
:[フェルディナント]|
公女…。~
うーむ、公女か…。▼~
おお、エクラ。~
この前は貴族の紹介、感謝するよ。~
なかなかに強烈な…貴族だったな。▼~
…いや、貴族であったのか?~
確かに侯爵家の令嬢だと聞いた。~
そこに嘘はないだろう。▼~
だが、彼女の作法、武術や馬術、~
どれを取っても貴族のものではない。~
そうではないか?▼~
まるで猟師のように弓を扱い、~
遥か東方の草原の民のように馬を駆り、~
恥ずかしげもなく足を晒して剣を振るう。▼~
い、いや、決して見とれていたわけでは…。~
このフェルディナント、貴族同士の~
付き合いに不埒な心は持ち込まないぞ!▼~
ただ…強いて言うのであれば、~
風が舞い踊るような素晴らしい剣技や体技、~
武骨ながらも力強く美しい武具。▼~
そういったものに目を奪われたのは事実だ。~
私は蒐集家として珍しい武具に目がないし、~
異界の武芸にも興味があるのでね。▼~
ふむ…貴族かはいささか疑問ではあるが、~
良き出会いであったのは間違いない。~
鍛錬を共にする約束もできたしな。▼~
思えばエーデルガルトも斧を振り回すが、~
武器の扱いは貴族のそれであったな…。~
彼女のほうが稀有な存在ということか…。▼~
次なる貴族との出会いが楽しみだな。~
はーっはーっはっは!~
頼んだぞ、エクラ。▼~
***A [#y6965399]
:[フェルディナント]|
エクラ…~
あの男は駄目だ。~
いや、彼が悪いのではない。▼~
私が苦手なのだ。~
父にそっくりではないか!~
あれほど似た男が他の異界にいたとは…!▼~
髭は…微妙に違うか。~
髪形は、昔の父と同じだが、今は違う。~
後は…▼~
瓜二つだ! 瓜二つなのだぞ!!~
初め、父も英雄として呼ばれたのかと思って~
あごが外れんばかりに驚いた…。▼~
ううむ、すまない。~
あまりの衝撃に興奮がまだ冷めないな…。▼~
…落ち着いて、ゆっくりと思い出せば、~
趣味は少し違うかもしれん。▼~
我が父は金銀や布の装飾は好きだったが、~
宝石の類には興味がなかった。~
あまり身につけている記憶がない。▼~
それに、言葉遣いも…~
美を誇ることはなかったように思う。~
父が誇ったのは財力と権力だ。▼~
財と権勢を兼ね備えた偉大なる~
この私を呼ぶといい!~
ルートヴィヒ=フォン=エーギルと!▼~
今のは父の真似だが…~
いや、やはり似ているのではないか?~
双子と見紛うばかりなのでは?▼~
…駄目だ。~
今日は眠れそうにない。~
すまないが、私はもう行く。▼~
***S [#e22c1b6d]
:[フェルディナント]|
…おや、エクラか。~
ちょうどいいところに来たな。~
私の話を聞いてくれ!▼~
君のおかげで、私は多くの知己を得た。~
異界の貴族たちから様々な話を聞けたのだ。▼~
中には、領民と領地を失い、~
日々の生活にも困窮しているというのに、~
貴族然として、立派な従者も持つ者。▼~
お喋りが好きだというのに、~
話が少し複雑になると途端に飽きて~
貴族にあるまじき態度を取る者。▼~
闘技場に籠もって斧を振り回す者など、~
フォドラではあまり見かけない~
貴族もいたが…。▼~
ほとんどの貴族は、~
確かに気族であると思えたよ。▼~
その国の、その土地の…~
歴史、文化、環境など…多く違いはあれど、~
そこには変わらぬものがあったのだ。▼~
貴族の心、人の上に立つ者の自負や覚悟、~
力と知恵への探求心、思想を磨く精神、~
民を想う慈悲、国を動かす責任と誇り…▼~
それらはすべて、まさに私の信ずる~
貴族の中の貴族のものだった!▼~
ふふ…さて、忙しくなるぞ。~
貴族としてさらなる成長を遂げるためにも、~
皆から吸収すべき事柄は多い。▼~
そしてそれを成し遂げた暁には…~
エクラ、君は~
真なる貴族の中の貴族を目にするだろう。▼~
このフェルディナント=フォン=エーギルの~
誇り高き姿をな!▼~
**年下の優等生 リシテア [#z34fe823]
***C [#ya7f4a4e]
:[リシテア]|
ふむふむ…なるほど…▼~
:[アルフォンス]|
リシテア、何をしてるんだい?▼~
:[リシテア]|
フォドラにも似たような兵種はあるし…~
うん、これなら実戦で応用できるかも…。▼~
:[アルフォンス]|
リシテア? …リシテア!▼~
:[リシテア]|
ひゃっ! …アルフォンス王子?~
何をしてるんですか?▼~
:[アルフォンス]|
その質問をさっき君にしたんだけど…。~
耳に入らないくらい集中してたようだね。~
…何を読んでいたんだい?▼~
:[リシテア]|
戦術書ですよ。~
アンナ隊長が貸してくれたので、~
パラパラと眺めていたんですけど…▼~
今まで知らなかった面白い戦術が、~
いろいろと載っているのが興味深くて。~
ついつい夢中になってしまいました。▼~
:[アルフォンス]|
そうか。君たちの世界と僕らの世界では~
兵学の成り立ちから違うわけだし、~
見たことのない戦術も多いだろうね。▼~
…それにしても意外だな。~
君のような子供が戦術に興味を持つなんて。▼~
:[リシテア]|
…は? 誰が子供ですって?▼~
:[アルフォンス]|
一緒に士官学校から来た英雄たちより~
リシテアは、だいぶ年下なんだろう?~
本当に感心するよ。▼~
:[リシテア]|
…あんたとはもう話したくありません。~
自室に戻りますので、失礼します。~
はい、そこ邪魔です。どいてどいて。▼~
:[アルフォンス]|
あれ…。~
急に不機嫌になって、どうしたんだろう?~
僕、何か悪いこと言ってしまったかな…。▼~
***B [#zeb6cbb9]
:[リシテア]|
ふわぁああ…。▼~
:[アルフォンス]|
リシテア、おはよう。▼~
:[リシテア]|
あら、アルフォンス王子。~
おはようございます。▼~
:[アルフォンス]|
良かった…。~
まだ怒っているのかと。▼~
:[リシテア]|
この前の事ですか。大丈夫ですよ。~
わたし、引きずらない女なので。~
大人げない態度をとってすみませんでした。▼~
:[アルフォンス]|
大人げ…。あ、いや、こちらこそごめん。~
ところで、何だか眠そうだね。▼~
:[リシテア]|
ええ、例の本を参考に~
新しい戦術を考えていたら、~
つい夜更かしを…。▼~
:[アルフォンス]|
そんなに夢中になるなんて、~
君は本当に兵学が好きなんだね。▼~
:[リシテア]|
別に好きじゃありませんけど。~
この世界にいる限り学校には行けませんし、~
何か学ばないと時間が持ったいないでしょ。▼~
:[アルフォンス]|
もったいない、か…。努力家なんだね。~
だけど、少し頑張り過ぎじゃないかい?~
もっと肩の力を抜いてもいいと思うけれど。▼~
:[リシテア]|
怠けたい人は怠ければいいんです。~
わたしには、そんな余裕はありません。~
残された時間が、他の人より短いので。▼~
:[アルフォンス]|
え、それはどういう…?▼~
:[リシテア]|
あ、えーと…あんたと違って~
いつ元の世界に戻されるか~
わからないでしょ?ってことです。▼~
:[アルフォンス]|
そうか…でも夜はちゃんと寝たほうが~
いいと思うな。成長期の子供にとって~
睡眠はすごく大事な…▼~
:[リシテア]|
…は? これ以上話したくありません。~
ごきげんよう、さようなら。▼~
:[アルフォンス]|
あれ…子供扱いされるのが嫌いなのかな。~
次に話す時は気をつけよう…。▼~
***A [#fc449957]
:[アルフォンス]|
こんにちは、リシテア。▼~
:[リシテア]|
何か用ですか、アルフォンス王子?~
この間のことなら、もういいですよ。~
わたし、根に持たない女なので。▼~
:[アルフォンス]|
ありがとう。~
そういうのを大人の対応と言うんだろうね。▼~
:[リシテア]|
大人の対応…!~
ええ、そうです。そうですとも。▼~
:[アルフォンス]|
これからまた戦術の研究かい?▼~
:[リシテア]|
いえ、天気がいいのでお散歩です。~
この間、あなたに言われたでしょう?~
肩の力を抜けって。▼~
余裕がないように見えているなら~
周りの人にも気を遣わせてしまうだろうし、~
たまにはのんびりしようかな、と。▼~
:[アルフォンス]|
うん、それがいいよ。~
焦らず急がず、休む時は休む。~
そういうのを大人の余裕と言うんだろうね。▼~
:[リシテア]|
大人の余裕…!~
ええ、そうです。そうですとも。▼~
:[アルフォンス]|
ところで、気になっている事があるんだ。~
君のその…時間がないって話。~
この前はなんとなく誤魔化されたけれど。▼~
:[リシテア]|
あ…それは…その…▼~
:[アルフォンス]|
いや、無理に話さなくてもいいんだ。~
だけど、もし力になれることがあれば~
何でも言ってほしい。▼~
特務機関には、~
いろいろな分野に秀でた人がいるし、~
文献だってたくさんある。それから…▼~
:[リシテア]|
ありがとう、アルフォンス王子。~
でもわたしが抱える問題は、わたしの世界の~
歪んだ事情から生じた問題ですから…。▼~
あんたの気持ちだけ、受け取っておきます。~
それじゃ。▼~
:[アルフォンス]|
結局、また行っちゃったか。~
彼女は、子供っぽいところもあるけれど、~
芯の部分は大人びているんだな…。▼~
***S [#q6242a8e]
:[リシテア]|
アルフォンス王子、~
ちょっといいですか。▼~
:[アルフォンス]|
やあ、リシテア。~
君から話しかけてくれるなんて珍しいね。▼~
:[リシテア]|
あら、嫌味かしら。~
…なーんてことは言いません。~
大人の対応?▼~
:[アルフォンス]|
あはは…それで何か僕に用かな。▼~
:[リシテア]|
あんた、わたしの力になってくれるって~
言いましたよね。~
それを思い出して…▼~
:[アルフォンス]|
僕にできることなら喜んで協力するとも。~
で、何だろう?▼~
:[リシテア]|
あの…美味しいお紅茶を飲みたくて。~
ちょっと休憩しようかな、と。~
大人の余裕?▼~
:[アルフォンス]|
紅茶か…それなら広間にいる給仕に頼めば~
すぐに淹れてくれるよ。▼~
:[リシテア]|
あそこで出してくれるお紅茶は、~
その…ちょっと苦くて…。~
わたし、お砂糖たっぷりが好みなので。▼~
:[アルフォンス]|
それなら、砂糖多めで注文すれば~
ちゃんと甘く作ってくれると思うよ。▼~
:[リシテア]|
お砂糖たっぷりで!なんて言ったら、~
お子様っぽいじゃないですか。▼~
:[アルフォンス]|
じゃあ、僕が代わりに頼んであげるよ。~
他に欲しいものはある?~
確か菓子もあったはずだけど…。▼~
:[リシテア]|
お菓子! お菓子もお願いします!~
ついでですし、折角なので、~
どちらでもいいんですけど!▼~
:[アルフォンス]|
わかった、紅茶と一緒にもらって来るよ。~
…この前は大人びてると思ったけど、~
やっぱり子供なんだなあ。▼~
…っと、いけない。~
リシテア、今のは冗談で…▼~
:[リシテア]|
お菓子、お菓子♪~
…ん? どうしたんですか?~
早く行ってきてください。▼~
:[アルフォンス]|
聞こえてなかったか…良かった。▼~
**永遠の引き籠もり ベルナデッタ [#t3d5c395]
***C [#oa9c1dde]
:[ベルナデッタ]|
…だ、誰もいないよね?~
よーし、今のうちに…▼~
:[シャロン]|
あれは…ベルナデッタさん?~
こんな夜更けにどうしたんでしょう。▼~
おーい!~
ベルナデッタさーん!▼~
:[ベルナデッタ]|
ぎゃああああああああ!~
出たあああああああ!!▼~
:[シャロン]|
うわあああ!?~
な、何ですか!?▼~
:[ベルナデッタ]|
ごめんなさいごめんなさい!~
ベルは何も悪事など働いては…~
処刑だけは! 処刑だけはやめてえええ!!▼~
:[シャロン]|
ちょっと、ベルナデッタさん!~
落ち着いて! 落ち着いてくださいー!▼~
:[ベルナデッタ]|
いいいやああああ…あああ…ああ…あれ?~
シャロンさん?▼~
:[シャロン]|
ええ、そうです。~
あなたのシャロンですよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
何だあ、シャロンさんかあ…・。~
えっ、シャロンさん?~
こんな真夜中に何を?▼~
まさかベルをつけ狙って、~
この機会に亡き者にせんとおおお…▼~
:[シャロン]|
何でそうなっちゃうんですか。~
ベルナデッタさんを見かけて、~
何をしているのかと思っただけです。▼~
:[ベルナデッタ]|
本当ですか? 信じますからね?~
それじゃあ言いますけど、~
何をしてたかっていうと…▼~
引き籠もって作業してたせいで、~
ご飯を食べ損ねちゃったんです。~
なので、こっそり厨房に行くつもりで…▼~
:[シャロン]|
なるほど、そういうことだったんですね1~
それならわたしが案内しますよ?▼~
:[ベルナデッタ]|
シャロンさん…! 嬉しいですううう!~
地獄で女神に出会えたみたいですううう!▼~
***B [#ue8e51aa]
:[ベルナデッタ]|
そーっと…そーっと…。~
よし、誰もいな…▼~
:[シャロン]|
ベルナデッタさん!~
またお腹が空いたんですか?▼~
:[ベルナデッタ]|
はんぎゃあああああ!?~
なになにだれだれ何なのおおおおっ!?▼~
:[シャロン]|
わわっ、落ち着いてくださいね、~
ベルナデッタさん。~
またシャロンですよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
シャロンさん?~
もう、何度もやめてくださいよおお…。~
ベルの寿命が半減だよお。▼~
:[シャロン]|
ごめんなさい、驚かすつもりはなくて。~
ただ、今日もご飯を~
食べ損ねていたでしょう?▼~
それで、お腹が空いてるんじゃないかと~
思って持ってきたんです。~
ほら、焼き菓子ですよ。▼~
:[ベルナデッタ]|
え? いいんですか?~
どうしてそんな親切に…はっ、まさかベルに~
何度も借りを背負わせる作戦ですか!?▼~
そうしてベルの心を縛っておいて、~
何か酷いことで借りを返させようと~
するんですねえええ!?▼~
:[シャロン]|
だから、どうしてそうなっちゃうんですか!~
ただの好意ですよ、好意!▼~
:[ベルナデッタ]|
だって、信じられませんもん!~
あたしに優しくしたって、~
何も良いことないですしいいい!▼~
:[シャロン]|
そういうことじゃないのに…~
困ったなあ。▼~
***A [#y97ebed3]
:[シャロン]|
ベルナデッタさん、少しいいですか?▼~
:[ベルナデッタ]|
よくないです!~
あっ? えっと、いや、いいですよ!~
な、何でしょうか?▼~
:[シャロン]|
たいしたことではないんですが…~
いつも部屋で何をしているのかな、と。~
作業がどうとか、言ってませんでした?▼~
:[ベルナデッタ]|
部屋で、ですか?~
えーっと、今日は編み物をしてますよ?▼~
:[シャロン]|
編み物…すごいですね!~
何を編んでいるんです?▼~
:[ベルナデッタ]|
ひ、秘密です。~
秘密でお願いします。▼~
:[シャロン]|
秘密?~
そ、そんな、何か隠すような~
ものなんですか?▼~
:[ベルナデッタ]|
だって、言ったら絶対、笑いますし…~
そんなことベルには耐えられません!~
うえええええん!▼~
:[シャロン]|
落ち着いてくださいー!~
笑いませんから…約束です!▼~
:[ベルナデッタ]|
…じゃ、じゃあ言いますけど。~
帽子です。~
でも、ただの帽子じゃなくて。▼~
こう頭からかぶって、あごまで顔を覆って~
目のところだけ穴が二つ開いてて、~
かぶったままでも目は見えるっていう…▼~
そしたら、知らない人いっぱいのとこ~
出歩いても、そんなに怖くないかなって。▼~
…………。~
…シャロンさん?▼~
:[シャロン]|
…………。~
…ぷぷっ、いや、その光景を…うぷぷっ、~
想像したら、笑いが…ふふふふ…!▼~
:[ベルナデッタ]|
やっぱり笑うじゃないですかあああああ!~
もう引き籠もってやるうううう!!▼~
:[シャロン]|
ベ、ベルナデッタさん!~
ごめんなさーい!▼~
***S [#v7bf6bf2]
:[シャロン]|
うう…この前はごめんなさい。~
絶対に笑わない自信があったんですが…。▼~
:[ベルナデッタ]|
いいんです。~
だからあたしは引き籠もってるんですから。~
笑われたって平気ですもん!▼~
:[シャロン]|
すごいです、ベルナデッタさん!~
でも、笑ってしまったことは~
申し訳ないですし…▼~
何かお詫び、できませんか?~
欲しいものとか、してほしいこととか…。▼~
:[ベルナデッタ]|
えっ、いいんですか?~
…う、うーん。~
えーと、じゃあ、お願いがあるんですけど。▼~
:[シャロン]|
はい、何でしょう!~
何でも言ってくださいね!▼~
:[ベルナデッタ]|
ベルと、お友達になってほしいかなって。~
い、いや、やっぱ迷惑ですよね!~
やめます!▼~
:[シャロン]|
迷惑なんかじゃありません!~
嬉しいです! やったー!~
わたしたちはこれから、お友達ですよ!▼~
:[ベルナデッタ]|
ほ、ほ、ホントですか!?~
シャロンさあああああん!~
ベルも感激だよおおおおお!▼~
…えっと、それじゃ、~
これからよろしくね。▼~
:[シャロン]|
はい、よろしくお願いします!▼~
:[ベルナデッタ]|
あ、でも、ベルのお部屋に入るのは~
もう少し仲良くなってからじゃなきゃ~
ダメですからね?▼~
:[シャロン]|
は、はい?~
わかりましたけど…▼~
:[ベルナデッタ]|
あとあと、一緒にご飯…~
…はギリギリ大丈夫かな。~
お散歩するときは、距離をこんくらい…▼~
:[シャロン]|
ベ、ベルナデッタさん!?~
お友達になると、そんなにいろいろ~
約束があるんですかーーっ!?▼~
**頑張り中毒 アネット [#v4168cd2]
***C [#vbc7683e]
:[アネット]|
はあ…あたしって、~
どうしていつもこうなんだろう…▼~
:[アンナ]|
あら、そんなに暗い顔をしていたら~
折角の食事も美味しくなくなっちゃうわよ。~
いったい何があったの、アネット?▼~
:[アネット]|
えっと…実はですね。~
お料理の時に、ちょっと失敗しちゃって。▼~
:[アンナ]|
料理の時に…?~
そういえば、今日の料理は~
あなたが作ったものだったわね。▼~
十分美味しいし、特に何か~
失敗しているようには見えないけれど…?▼~
:[アネット]|
あ、あはは…~
褒めてもらえるのは嬉しいんですけど…▼~
あたし、最初はこういうお料理じゃなくて~
食後のお菓子を作るつもりだったんです…。▼~
:[アンナ]|
…えっと?~
それは…どういうこと?▼~
:[アネット]|
お菓子を作ろうと思って、~
果物を煮込んでたんですけど…気づいたら~
果物で風味をつけた煮込み料理に…▼~
:[アンナ]|
…ちょっと待ってちょうだい。~
何がどうして、果物のお菓子が~
煮込み料理になっちゃったのかしら…?▼~
:[アネット]|
フォドラでは見たこともないような食材が~
市場にたくさん並んでるのを見て、~
美味しそうだなあって思って…▼~
つい、あれもこれもって~
お鍋に入れるうちに…▼~
:[アンナ]|
…と、とにかくっ、失敗したって、~
出来上がったお料理が美味しいなら~
何も問題ないじゃない。▼~
:[アネット]|
そ、そうですよねっ。~
はああ…よしっ、切り替えようっと!▼~
***B [#x35c1f6b]
:[アンナ]|
それにしても、~
アネットは料理が上手よねえ。~
掃除や洗濯も、かなり手馴れているし。▼~
貴族の家の出身だって聞いていたから、~
ちょっと意外な感じだわ。▼~
:[アネット]|
あはは、貴族って言っても、~
いろんな人がいますからね。~
あたしみたいなのも珍しくはないですよ。▼~
確かにあたしの伯父さんは、~
お城で暮らしてる貴族なんですけど…▼~
あたしはそこで育ったわけじゃなくて、~
元々は父さんや母さんと一緒に~
王都の小さいお屋敷で暮らしてたんです。▼~
お手伝いの人を雇うほどでもないし、って~
家の中のことは自分たちでやってましたから~
料理や洗濯にも、抵抗がないというか。▼~
:[アンナ]|
なるほど。だからアネットは、~
そんなにしっかりしてるのね。▼~
:[アネット]|
うーん…しっかりして、ますかね?~
いつも、誰にもわかってもらえないような~
変な失敗してばっかりですよ、あたし。▼~
ついさっきも、~
お鍋を火にかけてたら、~
いきなり底が抜けちゃって…▼~
:[アンナ]|
底が、抜ける…!?~
なかなか斬新な失敗ね…?~
いったい何の料理を作っていたの?▼~
:[アネット]|
あ、お料理をしていたわけじゃなくて~
使った布巾を煮洗いしてたんです。~
食べ物が無駄にならなかったのが救いかな…▼~
:[アンナ]|
う、うーん…?~
布巾を煮洗いしているだけなのに~
何がどうして底が抜けるのかしら…▼~
でもま、そういうこともあるわよね。~
あんまり気に病まないでいきましょ!▼~
:[アネット]|
アンナ隊長…!~
…はいっ! あたし、もっと頑張ります!▼~
***A [#w407426b]
:[アンナ]|
あら?~
厨房からいい匂いが…▼~
:[アネット]|
…あっ、アンナ隊長、こんにちは!~
今、お料理の最中だったんですよ。▼~
:[アンナ]|
へえ、料理の…~
そうだ、よかったら手伝うわよ。~
ちょうど仕事も片付いたところだったし。▼~
:[アネット]|
わあっ、助かります!~
それじゃ、ちょっとだけ~
お願いしてもいいですか?▼~
:[アンナ]|
ええ、任せてちょうだい!~
これでも料理には自信があるのよね。~
存分に腕前を披露してあげるわよ!▼~
って、ちょっと待ってアネット。~
今、鍋に何を入れようとしているの?▼~
:[アネット]|
えっ? 蜂蜜ですけど…~
ほら、食材との相性も良さそうですし、~
隠し味にはちょうどいいかなって。▼~
:[アンナ]|
隠し味にしては、~
入れる量が多すぎないかしら…?~
今度は、お料理がお菓子になっちゃうわよ。▼~
:[アネット]|
あっ…。た、確かに…。~
助かります、アンナ隊長。~
前と同じ失敗を繰り返すところでした。▼~
:[アンナ]|
ふふっ、この私が厨房に入ったからには~
もうアネットに失敗なんてさせないわ!▼~
さ、二人で~
とびきり美味しい料理を作っちゃいましょ!▼~
:[アネット]|
はい! アンナ隊長と一緒なら、~
なんだか変な失敗をしなくても~
済みそうな気がします!▼~
***S [#wa43f291]
:[アネット]|
アンナ隊長、~
この間はありがとうございました。~
お料理、みんなに大好評でしたね!▼~
:[アンナ]|
私たちが力を合わせたんだもの、~
あれくらい当然よ。▼~
:[アネット]|
…そのですね、あたし、気づいたんです。~
ちょっと肩に力が入り過ぎてたかなって。▼~
お料理でもお掃除でも、戦いでも…~
何でも一人で頑張らなきゃって思って~
ずっと空回ってたっていうか。▼~
だからこそ、いつも変な失敗ばかりして…~
ほら、アンナ隊長と一緒に料理した時は、~
いつもの失敗をせずに済んだでしょう?▼~
:[アンナ]|
何だって、一人で頑張るより、みんなで~
協力したほうが、良い結果に繋がるものよ。~
誰にだって得手不得手があるんだもの。▼~
だからこれからも、何かあったら~
遠慮なく私たちをあてにしてちょうだい。~
私たちは、特務機関の仲間なんだから。▼~
:[アネット]|
仲間…▼~
:[アンナ]|
あなたが何か失敗した時には、~
私たちが手助けするし…▼~
別の誰かが苦労している時には、~
あなたにも手を貸してもらえると嬉しいわ。▼~
:[アネット]|
…はいっ! もちろんですっ。~
それが仲間、ですもんね!▼~
:[アンナ]|
うんうん、よろしい。~
…で、さっそくアネットに、~
手伝ってもらいたいことがあるんだけど。▼~
…実は、帳簿の計算が合わないのよー!~
機関の財政を預かる者として失格だわ…!~
お願いアネット、力を貸してちょうだい!▼~
:[アネット]|
帳簿の計算…~
…はい、任せてください!~
算術なら、大の得意ですからね!▼~
*コメント [#je2a68fa]
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