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章別会話/光と闇が紡ぐ未来
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[[章別会話]]
*光と闇が紡ぐ未来 [#r3928b19]
#contents
**光と闇が紡ぐ未来 [#c8189050]
***オープニング [#racfb27f]
:[カリン]|
シャロン王女…やります、私!~
ヴァイス・ブレイヴに入れてください!▼~
戦いの犠牲になる人を…~
一人でも減らしたいんですっ!▼~
:[マリータ]|
私も力添えさせてください。~
この剣で誰かを守れるのなら…~
私は戦場に立つことを、いといません。▼~
:[シャロン]|
ありがとうございます!~
アスク王国はみなさんの~
お力を必要としているんです!!▼~
:[アウグスト]|
私は縁もゆかりもありませんが~
リーフ王子やレヴィン様が~
あなたがたに協力されている様子…▼~
:[シャロン]|
は、はいっ!~
すごく助けていただいてますっ!▼~
:[アウグスト]|
そもそも、我らの本義は~
トラキアでの戦いにあり。▼~
リーフ王子たちのためにも~
アスク王国での戦いを~
早々に終わらせましょう。▼~
案ずるに及ばず。~
このアウグストに不可能はなし、~
万事、お任せを。▼~
:[シャロン]|
頼もしいですねっ!~
よろしくお願いします!▼~
:[ガルザス]|
俺も、アスク王国には~
なんの義理もない身だ。▼~
俺の力が必要なら~
傭兵として俺を雇えばいい。~
それだけだ。▼~
:[シャロン]|
わ、わかりました…!~
アンナ隊長にも相談してみますね!▼~
:[マリータ]|
……▼~
:(暗転)|
:[マリータ]|
あ、あの…お父様。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[マリータ]|
せっかく、こうしてともに~
アスク王国に来たことですし~
ぜひ私に剣の手ほどきを!▼~
:[ガルザス]|
手ほどき、か。▼~
お前が一番必要としているときに~
俺は手を差し伸べることができなかった。▼~
:[マリータ]|
……▼~
:[ガルザス]|
そんな俺がお前に~
なにを教えられるというのだ。▼~
:[マリータ]|
で、ですが…!▼~
:[ガルザス]|
それに、俺の剣は血塗られている。~
お前には、もっとふさわしい~
師がいるはずだ。▼~
:[マリータ]|
あっ! お、お父様っ!▼~
:[アウグスト]|
……▼~
***C [#d489ae26]
:[マリータ]|
はぁ…▼~
:[カリン]|
なにか悩みごと?~
一緒に召喚されたのもなにかの縁だし~
悩みがあるなら話を聞くよ?▼~
:[マリータ]|
ありがとう。~
悩みというか、その…~
お父様のことなの。▼~
:[カリン]|
お父様って…~
ガルザスさんのこと?▼~
レイドリックに雇われていた~
凄腕の剣士がお父さんだなんて!~
…でも、あんまり似てないね?▼~
あ、ごめんなさい!~
雰囲気というか佇まいが~
あまり似てないかなーって思って!▼~
:[マリータ]|
私は…~
実の母親似なのかも。▼~
私には育ての親のエーヴェル母様と~
生みの親、二人の母様がいるの。▼~
小さい頃、奴隷商人にさらわれて~
お父様と離れ離れになったときに~
助けてくれたのがエーヴェル母様。▼~
:[カリン]|
じゃあ、お父さんとは~
ずっと離れ離れだったんだ。▼~
:[マリータ]|
長い間、どこにいるのか~
わからなかったけど…▼~
私が魔剣に支配されたとき~
私のことを偶然知ったお父様は~
命をかけて助けてくれた…▼~
レイドリックとの戦いでも…▼~
お父様は、私を育ててくれた~
エーヴェル母様への恩を返すために~
力添えをしてくれました。▼~
:[カリン]|
今はお父さんと一緒に~
戦えるようになったってことかぁ。~
よかったね、マリータ!▼~
:[マリータ]|
でも、お父様は…~
私を避けているようなのです。▼~
手合わせはおろか~
まだちゃんと話もできてなくて。▼~
:[カリン]|
えーっ! どうして!?~
せっかく再会できた父と娘なのに!▼~
私、納得できない…~
ガルザスさんに話してくるわ。~
エルメス、行くよ!▼~
:[マリータ]|
あっ! カリン、待って…!▼~
さ、さすがに天馬には追いつけない。~
……▼~
:(暗転)|
:[ガルザス]|
ふっ! はっ!▼~
誰だ、俺になにか用か。▼~
:[アウグスト]|
失礼。~
修行の邪魔をしてしまいましたか。▼~
:[ガルザス]|
…リーフ王子の軍師か。▼~
:[アウグスト]|
マリータはあなたに~
剣の教えを乞いたいようだ。▼~
卓抜したその剣技は~
後世に残してしかるべきもの。~
なぜ手ほどきをしないのですか?▼~
:[ガルザス]|
俺の剣は、マリータに~
教えるべき剣ではないからだ。▼~
:[アウグスト]|
それは、父親としての言葉…~
ですかな?▼~
私はあなたに~
立派な父親として接することなど~
求めてはおりません。▼~
手練れであるあなたが教えを授ければ~
彼女の力は増し、~
戦力の底上げとなる。▼~
…ただ、それだけのこと。▼~
:[ガルザス]|
……。~
しかし、俺は…▼~
:[カリン]|
あっ! 見つけました。~
ガルザスさん、お話があります!▼~
***B [#de736a6b]
:[ガルザス]|
シレジアの天馬騎士まで~
押しかけてくるとは、騒々しい日だ。▼~
:[カリン]|
せっかく再会した父と娘が~
同じ場所にいるのに、どうして~
互いに支え合おうとしないのですか!▼~
どちらかが戦場で倒れてしまったら~
もう二度と言葉を交わせないのに!▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[カリン]|
離れ離れになっていた間も~
娘にかけてあげたかった言葉が~
たくさんあったと思うのです。▼~
それを、今伝えなくて~
いつ伝えるのですか…!▼~
:[アウグスト]|
…少々落ち着いた方がよい。~
強い言葉を、そういっぺんに~
浴びせるものでない。▼~
:[カリン]|
す、すみませんっ!~
つい勢いで、出すぎた真似を…▼~
伝えるべき言葉を伝えられずに~
離れ離れになってしまう人を見るのは~
辛いもの…ですから。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
…俺の手は血で汚れすぎている。▼~
マリータと離れ離れになったあと~
俺がどれだけの死体の山を~
築いてきたか…。▼~
この血まみれの手は~
そのことを否応なく思い出させる。~
その手で娘と接しろというのか。▼~
:[アウグスト]|
正義を掲げる者も、~
大義を掲げる者も…▼~
ひとたび戦場に出れば~
その手は血にまみれることとなる。~
それが戦争というものですな。▼~
:[カリン]|
……▼~
:[アウグスト]|
流れた血は元には戻りません。~
その血を価値あるものにするか否か…~
それこそが肝要。▼~
どうかお忘れなきよう。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
***A [#v2ec7d4c]
:[マリータ]|
せいっ! はぁぁっ!▼~
ふぅ。でも、まだまだ…。~
もっと強くもっと速く!▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[マリータ]|
お、お父様…!▼~
:[ガルザス]|
構えろ。▼~
:[マリータ]|
……!?▼~
は、はいっ!~
すうぅ…はぁ…。~
技に…心を乗せる! 行きます!▼~
:[ガルザス]|
来い…▼~
:(暗転)|
:[マリータ]|
はぁっ、はぁっ、はぁっ…~
あ、ありがとうございました。▼~
これが…お父様の剣!▼~
重く、そして鋭い…~
いくつもの死地をくぐり抜けた気迫が~
剣を通じて伝わってきた。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[マリータ]|
あ、あのっ、お父様…!▼~
もう一度、言います。~
私はお父様のことを恨んだことは~
いっさいありません。▼~
だから、だから…私は…▼~
:[ガルザス]|
俺も、ただ願っていた。~
お前が無事でいることを。▼~
血まみれの毎日で…~
それだけが…闇の中の…~
ほのかな光だった。▼~
:[マリータ]|
お父様…。▼~
:[ガルザス]|
俺の剣は血で汚れている。~
しかし、お前にとって~
学びになるものがあるのなら…▼~
闇に残る幾ばくかのの光をすくい上げ~
未来に持っていくがいい。▼~
:[マリータ]|
はい!▼~
お父様に学ばせていただいたものは~
必ず未来に活かします!~
活かしてみせますから!▼~
:(暗転)|
:[カリン]|
よかったですね!~
親子の絆、深まったみたいです!▼~
もしかしてアウグストさん~
最初からこうなることを~
予想していたんですか?▼~
:[アウグスト]|
あの親子の間柄がどうなろうと…~
さして興味などない。~
しかし…▼~
背中を預け合うことで~
兵の力が増すのならば、~
それは喜ばしいことだ。▼~
:[カリン]|
そ、そうですか…。▼~
でも私、アウグストさんが~
「このアウグストに不可能はなし」って~
言ってたの、本当だなって思いました!▼~
こうして、マリータとガルザスさんの~
絆を取り戻しちゃいましたし!▼~
:[アウグスト]|
私の力だけではない。~
そなたの一助もあったからだろう。▼~
さあ、我らも訓練に戻るとしよう。~
アスク王国での戦いを終わらせるため~
やるべきことは山ほどある…▼~
**流星開眼 マリータ [#j7f70dfa]
***C [#b518d3ab]
:[マリータ]|
シャナン様!~
あなたもやはり~
アスク王国に来ていらしたのですね!▼~
:[シャナン]|
すまない…。~
貴方と私はどこかで会ったことが?▼~
:[マリータ]|
私です! マリータです!~
シャナン様に~
流星剣を教えていただいた…▼~
:[シャナン]|
……!?~
私がイザーク王家の秘伝を?~
そのような覚えはないが…▼~
:[マリータ]|
ほ、本当ですか?▼~
私はシャナン様がくださった~
「技に心を乗せる」という言葉のおかげで~
流星剣を繰り出せるようになったのです…▼~
:[シャナン]|
そうか…。~
私にその記憶はないが…~
教えたのは異界の私かもしれない。▼~
あるいは未来のユグドラルで~
貴方と出会うことになるのかもしれないな。▼~
:[マリータ]|
そ、そう…なのでしょうか。~
言われてみれば、少し顔立ちや~
雰囲気が違うような…▼~
で、でも、私にとっては~
シャナン様に違いはありません!▼~
流星剣のさわりだけでしたが~
シャナン様に教えていただけたことで~
今の私があるのです!▼~
:[シャナン]|
最後まで教えず、さわりだけ…?~
それだけで流星剣を使えるとは…~
貴方には素質があったのだな。▼~
この先、さらに剣技を高めたいのなら~
アイラという女性を訪ねてみるといい。~
私の叔母だが、私の師でもある。▼~
:[マリータ]|
……!?~
ありがとうございます、シャナン様。~
さっそく会いに行ってみます!▼~
***B [#n42db29d]
:[ラクチェ]|
シャナン様、彼女は…▼~
:[シャナン]|
アスク王国に召喚された~
フィアナ村のマリータだ。▼~
すでにこのアスク王国には~
彼女と同じ魂を持つ英雄が召喚されている。~
ラクチェも知っているだろう?▼~
:[ラクチェ]|
はい。何度か~
すれ違ったことはあります。▼~
彼女は…リボー王家の血を~
引いているとの噂を~
聞いたこともあるのですが…。▼~
:[シャナン]|
ラクチェも知っている通り~
リボー王家は滅んだ。~
手を下したのは…我らイザーク王家だ。▼~
:[ラクチェ]|
それなら、~
彼女はもしかすると~
イザーク王家に対して…▼~
:[シャナン]|
案ずるな。今のマリータから感じたのは~
剣の道に邁進しようという純粋な意思。~
ラクチェは彼女を信じられないか?▼~
:[ラクチェ]|
そ、そんなことはありません!▼~
:[シャナン]|
私は、彼女の剣士としての力を~
引き出してやりたいだけだ。▼~
それでアイラに会いに行くように勧めた。~
今のマリータに必要なものを~
彼女なら示してくれるだろう。▼~
:[ラクチェ]|
アイラ母様…~
そうですね、母様なら。▼~
:(暗転)|
:[アイラ]|
せっ…! はっ…!▼~
:[マリータ]|
あの方がアイラ様。~
訓練とはいえ、すさまじい気迫…。▼~
:[アイラ]|
そこの者…~
用があるなら姿を見せろ。▼~
:[マリータ]|
アイラ様、お願いがあります!~
私はフィアナのエーヴェルの娘、~
マリータ! 私に剣をご指導ください!▼~
***A [#d8d9b212]
:[マリータ]|
アイラ様、私はもっと強く~
もっと早い剣を身につけたいのです!~
どうかご指導を。▼~
:[アイラ]|
頭を下げられても困る。~
私とて、まだ道半ば。~
自分の剣のことで精一杯だ。▼~
:[マリータ]|
無理を言っているのは承知しています。~
それでもどうか…。▼~
:[アイラ]|
人に教えを授けることなら~
私よりもシャナンが優れている。▼~
娘のラクチェも~
シャナンのもとで腕を上げている。~
彼に師事するがいい。▼~
:[マリータ]|
私はそのシャナン様のご指導で~
流星剣を放つことができたのです。▼~
:[アイラ]|
……!?▼~
:[マリータ]|
しかし、私はシャナン様の~
正式な弟子とは言えません。~
助言をいただいただけですから。▼~
このアスク王国でシャナン様と再会し~
己の剣技を高めたいのなら、と~
アイラ様の名を教えてくださったのです。▼~
:[アイラ]|
シャナンの助言だけで流星剣を~
放つことができただと…?▼~
いいだろう。~
お前の流星剣見せてみるがいい。~
ただし、一切の手加減はしない。▼~
:[マリータ]|
ありがとうございます、アイラ様。▼~
技に心を乗せる…。~
行きます…はーっ!▼~
:[アイラ]|
ほう。~
シャナンが認めるだけのことはある。~
だが…。▼~
イザーク王家の秘伝、~
そう簡単に修められては困る…!~
はあっ!▼~
:[マリータ]|
こ…これが…~
アイラ様の…流星剣!▼~
***S [#bc4b4413]
:[マリータ]|
やあっ!▼~
まだまだっ!▼~
:[アイラ]|
確かに…流星剣の形になってはいるが~
その本質は我流に近い。~
極めるのには、まだ遠い!▼~
:[マリータ]|
くぅぅぅっ!~
はあ、はあ…強い。~
なんと鋭く、極まった太刀筋…▼~
:[アイラ]|
私は、なにも極めてはいない。~
言っただろう、まだ道半ばだと。~
剣技の道に終わりはないのだ。▼~
剣技自体も、~
お前と私に大きな差はない。~
差があるとすれば…覚悟だ。▼~
:[マリータ]|
アイラ様…▼~
:[アイラ]|
私はまだ幼かったシャナンを~
守るために戦い続けた。~
それこそ命と引き換えにする覚悟で。▼~
その覚悟が剣に乗ったことで~
使命を果たすことができた…▼~
:[マリータ]|
シャナン様は「技に心を乗せる」と~
私に教えてくださいました。▼~
アイラ様は心だけではなく…~
覚悟をも剣に乗せていたと~
いうことですね…▼~
:[アイラ]|
大切な人を、なんとしても守り抜きたい。~
その気持ちこそが強さに繋がるのだ。▼~
:[マリータ]|
エーヴェル母様…~
今、わかりました。▼~
あのときに見せた、私やナンナ様を~
守り抜きたいという覚悟こそが~
お母様の強さだったのですね…▼~
:[アイラ]|
そのことが理解できるなら、~
もう何も教えることはない。~
この先も精進するといい。▼~
:[マリータ]|
ありがとうございます、アイラ様。~
シャナン様にも感謝を。~
では…!▼~
:[アイラ]|
……。~
ラクチェ、スカサハ…~
そしてマリータ。▼~
血が継がれるように、~
剣は継がれてゆく。~
新しい未来へと…▼~
:(暗転)|
:[マリータ]|
私はまだまだ未熟。~
でもそれは、成長できる~
可能性があるということ。▼~
私はもう迷わない。~
鍛えた心と覚悟を技に乗せる。~
大切なものを守り抜くために!▼~
**時代を読む軍師 アウグスト [#qe893dbe]
***C [#lcc6028b]
:[アウグスト]|
なるほど。~
アスク王国を取り巻く窮状…~
一筋縄では行きませんな。▼~
:[レヴィン]|
だからこそ、異界の英雄たちも~
自らの命をかけて力を貸している。~
無論、リーフ王子もな。▼~
アスク王国でも~
リーフ王子の力になってもらえるか。▼~
:[アウグスト]|
もちろんです。~
リーフ王子は~
いまだ成長の只中…▼~
アスク王国で切磋琢磨して~
成長できるとよいのですが。▼~
:(暗転)|
:[アウグスト]|
異界の扉を閉める力を持つ~
エンブラの皇族…なるほど。▼~
死で魂を隷属させ~
他の異界を侵食する死の国。▼~
アスク王国はつねに過酷な戦いを~
強いられているのだな…。▼~
:[レギン]|
あっ…! 見つけたの!~
あなたがアウグストさん?~
私は…▼~
:[アウグスト]|
失礼、その前に。~
ここは静謐を重んじる場。~
図書館ではお静かに願いましょうか。▼~
:[レギン]|
ご、ごめんなさいなの。▼~
小声で改めまして…~
私はレギン、ニザヴェリルの王女なの。▼~
すごい軍師が召喚されたって聞いて~
会いに来たの。▼~
:[アウグスト]|
なにをもってそう呼ぶかは~
人それぞれでありましょうが…。▼~
このアウグスト、軍師という点では~
相違ありませぬ。▼~
さて、王女はどのような話を~
所望なさるのですか?▼~
***B [#qd5403c0]
:[レギン]|
私、いつかはニザヴェリルを治める~
女王にならなきゃいけないの。▼~
:[アウグスト]|
ニザヴェリル…。~
確か、小人の国と呼ばれる~
文明に秀でた国でしたな。▼~
:[レギン]|
今はヨトゥンのダグ王女に国を~
預かってもらっているけど…▼~
女王にふさわしい力をつけようと~
ヴァイス・ブレイヴに参加しているの。▼~
力だけじゃない。この国で~
うんと勉強もするの!▼~
それで聞きたいんだけど~
国を治める英雄に必要なものって~
なに…かな?▼~
:[アウグスト]|
ふむ。必要なもの、ですか。▼~
:[レギン]|
やっぱり、強いのは当然だし~
頭もよくないとダメだよね?▼~
すごい軍師のアウグストさんなら~
答えを教えてくれるかなと思って。▼~
:[アウグスト]|
レギン王女。あなたのやる気に~
水を差すようで恐縮ですが…。▼~
あなたが武勇や知略に優れているかは~
さしたる問題ではありません。▼~
:[レギン]|
えっ? そ、そうなの?▼~
:[アウグスト]|
民が求めているものは~
幻想としての英雄です。▼~
そこを履き違えては、~
民はついてはきませぬ。▼~
:[レギン]|
……?~
む、難しくてよくわからないの…▼~
:[アウグスト]|
一度に言葉を紡いでも~
心からはこぼれてしまいます。▼~
今日はここまでに~
しておきましょう。▼~
:[レギン]|
あ、あのっ、アウグストさん!~
行っちゃった…。▼~
民が求めているのは幻想?~
それって、どういう意味なのかな…▼~
***A [#c3995267]
:[レギン]|
あのっ! アウグストさんっ!▼~
:[アウグスト]|
レギン王女の声はよく通りますな。~
私を探す声が~
遠方でも聞こえておりました。▼~
:[レギン]|
ホントに? ふふっ。~
元気が私の取り柄なの!▼~
あのあと、考えてみたんだけど~
やっぱりわからないの。▼~
修行して強くなって賢くなれば~
優れた英雄になれるんじゃないの?▼~
英雄王と呼ばれるマルス王子も~
強くて賢いし…▼~
私を助けてくれたときの~
ファフニールお兄ちゃんも~
とっても強かった…▼~
:[アウグスト]|
ふむ…▼~
:[レギン]|
そんな英雄になるために~
私はアスク王国に来たの。~
それじゃ、ダメなのかな?▼~
:[アウグスト]|
ニザヴェリルでの戦いの記録。~
私も目を通させていただきました。▼~
レギン王女、大変な戦いを~
くぐり抜けられたようですな。~
尊い犠牲を…払って。▼~
:[レギン]|
……▼~
:[アウグスト]|
王女は武を磨き、知を高めるために~
アスク王国に来たと~
おっしゃいましたが…▼~
申し上げたとおり~
それはさしたる問題ではございません。▼~
なぜならば民はそれらを~
正しく推し量る術を~
もたないからでございます。▼~
:[レギン]|
……!?~
じゃ、じゃあ、私はどうすれば…。▼~
:[アウグスト]|
重ねて申し上げますが~
民が求めるものは~
幻想としての英雄。▼~
民が武の力や知略の冴えを~
正しく見抜けなくとも…▼~
あなたの英雄としての輝きは~
民の目に、はっきりと映ります。▼~
:[レギン]|
英雄としての輝きって~
どうやったら身につくものなの?~
私も、輝くことはできるのかな?▼~
:[アウグスト]|
英雄とは…~
自らの意思でなるものではなく~
必要に応じて作られるものです。▼~
レギン王女。あなたが今~
活かされているのはなぜなのか。~
そのことを今、自分に問い直すのです…▼~
***S [#sb1644fa]
:[レギン]|
わ、私が今、生きているのは~
ニザヴェリルを良い国に~
しなくちゃいけないから!▼~
ファフニールお兄ちゃんに~
オッテルお兄ちゃん…。▼~
そして、エイトリも~
国のことを考えてたの。▼~
だから、だから私は…▼~
:[アウグスト]|
英雄とは~
自らの意思でなるものではなく~
必要に応じて作られるもの。▼~
そして今こそ、ニザヴェリルは~
必要としているのではないでしょうか。~
民を未来に導いてくれる英雄を。▼~
:[レギン]|
ニザヴェリルが…~
私を必要としている…?▼~
:[アウグスト]|
それが、あなたが生かされている理由。~
ノート王女もあなたに賭けたのですよ。▼~
ニザヴェリルだけでなく~
ヨトゥンにも光をもたらす可能性に。▼~
:[レギン]|
ノート王女も…▼~
:[アウグスト]|
レギン王女。~
ただ強く賢くなっても~
英雄として輝きを放つことはできません。▼~
民がどんな役割を求めているのか。~
民に必要なものはなんなのか。▼~
それがわからねば~
民はあなたを~
英雄とは認めないでしょう。▼~
:[レギン]|
そう、そうなの…。~
なんとなくわかったの。▼~
自分が強く賢くなるだけじゃ~
ダメなんだね。▼~
ニザヴェリルのみんなが~
なにを望んでいるのか考えて…▼~
みんなの心の支えになるような~
女王にならなきゃいけないの!▼~
:[アウグスト]|
ふむ。あなたの強さは~
その素直さにありますな。▼~
人の意見に流されるのでなく~
さまざまな意見を取り込み、~
成長できるところにある…▼~
:[レギン]|
わかったなの!~
お話を聞かせてくれてありがとう~
アウグストさん!▼~
これからもいろいろと~
お話を聞かせてほしいの。~
ニザヴェリルのためにも!▼~
:(暗転)|
:[アウグスト]|
リーフ王子だけでなく~
この世界にはまだまだ発展途上の~
英雄たちがひしめいているようだ。▼~
自分は聞こえのいい正義や人の道を~
説くような軍師ではない。~
しかし…▼~
彼らの一助になるのなら~
このアウグスト…~
努力は惜しむまい。▼~
**オードの黒騎士 ガルザス [#f4676a51]
***C [#q39a7058]
:[ガルザス]|
はっ! ふんっ!▼~
…異界に来ても~
俺のやることは変わらぬ、か。▼~
……。~
誰だ?~
いるのだろう、そこに。▼~
:[ディミトリ]|
…お前か?~
血の匂いの主は…。~
はぁぁぁぁっ!▼~
:[ガルザス]|
……!?▼~
:[ディミトリ]|
受けたか…。~
ならばこれで死ね!▼~
:[ガルザス]|
断る…。せあっ!▼~
エクラに~
ヴァイス・ブレイヴの英雄同士は~
傷つけ合うことはできんと聞いたが…。▼~
:[ディミトリ]|
知ったことか…!~
ぜあぁぁっ!▼~
…くく。英雄同士だと? 笑わせるな。~
俺たちは化け物同士だろう、なあ?▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
:[ディミトリ]|
今まで何人斬った!?~
見えるぞ、お前の後ろに…~
おびただしい死人の山がな。▼~
:[ガルザス]|
俺は命を奪うために…~
剣を振るってきたわけではない。▼~
生きるためだ!▼~
:[ディミトリ]|
血まみれの剣でよくも嘯いたものだ。~
そこに大義があろうが…~
同じ人殺しだ! はぁぁぁっ!▼~
:[ガルザス]|
なんとでも言え。~
だが、俺は…!▼~
:[ディミトリ]|
……!▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
…殺気が…消えた…?▼~
:[ディミトリ]|
全身から漂う血の匂い。~
化け物同士、殺し合えるかと思ったが…~
お前は「こちら側」の人間ではないな。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ディミトリ]|
馴れ合っている時間はない。▼~
一刻も早く、あの女を殺さなければ…▼~
:[ガルザス]|
……。~
異界に来ても~
俺の手は血にまみれたままか。▼~
聖痕が死と戦いを呼び寄せるのか。~
それとも…▼~
:(暗転)|
:[ニュクス]|
……▼~
***B [#ub5bea5d]
:[ガルザス]|
……。▼~
昨日の眼帯の男ではないようだが~
誰だ?▼~
:[ニュクス]|
……。▼~
声をかけようかどうか~
迷っていたの。▼~
私には…なんの関係も~
ないことだから。▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
:[ニュクス]|
ニュクス。呪術師よ。▼~
昨日、貴方を襲った~
彼の言葉を借りるなら~
私も化け物の一人かもしれないわね。▼~
:[ガルザス]|
まじない師が俺になんの用だ。▼~
:[ニュクス]|
貴方の身体から…~
強い呪いを感じるのよ。▼~
身体だけではないわ。~
貴方が振るう、その剣からもね。▼~
:[ガルザス]|
……。~
それがどうした。▼~
俺は…過去も未来も失い~
残っているのは~
血にまみれた、この剣のみ。▼~
それを呪いと言わずに~
なんと言うのだ。▼~
:[ニュクス]|
私は…~
貴方の未来に興味はないわ。▼~
でも、貴方を縛っている~
呪いには興味がある。▼~
:[ガルザス]|
…ニュクスと言ったな。~
中身は…その風貌と~
かけ離れているようだ。▼~
:[ニュクス]|
言ったでしょう。~
私も化け物だと。▼~
聞かせてもらえないかしら…~
貴方が呪いを~
その身に受けるに至った足取りを。▼~
***A [#j3cd9b64]
:[ガルザス]|
俺の過去を知ってどうする?~
今さら過去の境遇を~
嘆いてみせるつもりはない。▼~
:[ニュクス]|
そう。~
では少し、占わせてもらうわ。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
血…。~
受け継がれて来た血。▼~
人々に讃えられ~
未来に受け継がれていくべき血が~
貴方の中に、流れているわね。▼~
:[ガルザス]|
…………。~
剣聖オードの血だ。▼~
:[ニュクス]|
それが…貴方が修羅の道を~
歩むことになった理由かしら。▼~
違うわね…。~
もっと大きなきっかけ。~
後悔のような、大きな波を感じる。▼~
:[ガルザス]|
……。~
俺は、馬鹿な親だった。▼~
:[ニュクス]|
……。▼~
:[ガルザス]|
俺には…たった一人の娘がいた。~
妻と死に別れた俺は、娘を連れ~
ユグドラル大陸を旅していた。▼~
だが、娘はさらわれた。~
奴隷商人にな。▼~
:[ニュクス]|
それが、貴方の中に垣間見えた~
後悔のような、大きな波。▼~
:[ガルザス]|
俺は必死に娘を探した。~
だが、手掛かりすら~
得ることができなかった。▼~
:[ニュクス]|
……▼~
:[ガルザス]|
剣聖オードの聖痕を宿しながら~
俺は大切なものを…~
なにひとつ守れなかった。▼~
いつしか剣聖の血は~
傭兵として戦場で人を斬り~
日々を生きていくだけの力と化した。▼~
そして、戦場で人を斬るたびに~
俺は死をまとい続け…~
それは呪いとなってこの身を蝕んだ。▼~
:[ニュクス]|
……。~
貴方の中に生じた呪いは…~
誰かにかけられたものではないわ。▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
:[ニュクス]|
貴方の呪い…~
貴方自身が、自らに課している~
枷にほかならない…▼~
***S [#n357061f]
:[ガルザス]|
俺の呪い…~
俺が自ら課している枷だと?▼~
:[ニュクス]|
その身に宿した血が~
貴方に過酷な人生を~
強いたのは間違いない。▼~
でも、貴方の人生に~
楔を打ち込んだ決定的なものは~
娘と離れ離れになってしまったこと。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
娘を守ることができず~
その悔恨は呪いとなって~
貴方を蝕み続けた。▼~
貴方は自分で自分を~
許すことができなかったのよ。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
さっき貴方は過去も未来も~
失ったと言っていたわね。▼~
:[ガルザス]|
ああ…▼~
:[ニュクス]|
だけどまだ、貴方は~
希望を失ってはいなかった。~
違うかしら?▼~
過去も未来も失った人間の目に~
そんな強い光は宿らないわ。▼~
:[ガルザス]|
…俺の中に残ろ小さな灯火を~
希望と呼ぶのなら…▼~
娘が生きているかもしれない…~
生きていてほしいという、願い。▼~
終わらない地獄で~
俺はただひたすら…~
そのことだけを願ってきた。▼~
そうか。~
この手が血まみれになろうとも~
剣を振ることをやめなかったのは…▼~
小さな灯火が…俺を…~
俺の命をつなぎとめていたからか。▼~
:[ニュクス]|
その希望があったからこそ…~
貴方の魂は闇の中に~
沈みきってはいなかった。▼~
貴方は化け物ではないわ。~
決してね。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
私も身に覚えがあるわ。~
貴方が呪いと感じていた~
自らを縛る枷にね…。▼~
この世界で…貴方が~
未来を得られることを願っているわ。▼~
:[ガルザス]|
……。~
気配が…消えた。▼~
呪いの正体は…~
自分が自分を縛る枷、か。▼~
…空白だった時間は戻ってはこない…▼~
…しかし、この血まみれの手でも~
娘のためにできることがあるのなら…▼~
…俺は呪いの先にある未来に~
触れることができるのかも…しれんな…。▼~
**天馬を駆る少女 カリン [#e13eb974]
***C [#afac8d3a]
:[フュリー]|
ちょ、ちょっと整理させてね。~
私が…シレジアの王妃?~
本当に?▼~
:[カリン]|
はい!~
王妃様は聡明で誰にでも優しく~
みんなの憧れでした!▼~
:[フュリー]|
セティがシレジアの王子で~
私が彼の母親というのが本当なら~
辻褄は合うけど…▼~
ああ、ダメっ!~
やっぱり頭が混乱しちゃう!▼~
:[カリン]|
あ、あの…どうかなさいました?~
王妃様?▼~
:[フュリー]|
あのね、カリン。~
今の私は王妃でもなんでもなく~
ただの天馬騎士なの。▼~
だから普通にフュリーと~
呼んでもらえるとうれしいかな…。▼~
:[カリン]|
そ、そそ、そんなっ!?~
お名前で呼ぶなんて恐れ多い!▼~
:[フュリー]|
いや、その…。~
王妃と呼ばれるたびに~
どこからか鋭い視線を感じるのよ。▼~
:[シルヴィア]|
……。▼~
:[カリン]|
それじゃあ、せめて~
フュリー様と呼ばせてください!▼~
:[フュリー]|
そ、そうね…。~
その呼び方ならなんとか…。▼~
:[カリン]|
それにしても! こうして~
天馬騎士として活躍されている~
フュリー様にお会いできるなんて。▼~
凛々しく気高く麗しい。~
まさに天馬騎士の手本のような~
立ち居振る舞いです。▼~
:[フュリー]|
そんな大げさな…。~
カリンだってシレジアを支える~
天馬騎士の一人なのでしょう?▼~
:[カリン]|
え、えっと…そ、それがその…~
なんと申しましょうか…。▼~
:[フュリー]|
ど、どうしたの?~
なんだか目が泳いでいるけど。▼~
:[カリン]|
私、ペガサスに乗ってますけど~
まだ正式な天馬騎士ではないんです…。▼~
***B [#ica02c42]
:[カリン]|
ここがヴァイス・ブレイヴの~
みなさんがしのぎを削る訓練場。~
よーしっ、私もここで…▼~
フュリー様のご期待を~
裏切るわけにはいきません。▼~
フィー様も見ていてください。~
私、必ず成長してみせますから!▼~
:(暗転)|
:[タニス]|
どうした? その程度でへばるとは~
ベグニオン天馬騎士団の一員か!▼~
:[マーシャ]|
す、すみません。まだやれます!~
はぁぁぁっ!▼~
:[フィオーラ]|
ファリナ、フロリーナ。~
速度を落とさず両側について!▼~
:[ファリナ]|
はいよ! 任せて!▼~
:[フロリーナ]|
い、行くよ、ヒューイ。~
遅れないでね!▼~
:[カリン]|
わあ、天馬騎士がこんなに!~
厳しい訓練、見事な編隊飛行。~
これは刺激になりますね!▼~
私も負けてられません!~
ねっ、エルメス!▼~
:[エルメス]|
ブルルル…▼~
:[スミア]|
ふふ、エルメスと言うのですね。~
気立ての良さそうな天馬。▼~
:[カリン]|
……! は、はじめまして!~
私はシレジアの天馬騎士…~
見習いのカリンと申します!▼~
:[スミア]|
私はクロム自警団のスミアです。~
よろしくお願いしますね。▼~
:[カリン]|
こちらこそ!~
早く正式な騎士になって~
みなさんの力になりたいんです!▼~
:[スミア]|
あ、あの、私でよければ~
少し…手合わせに~
お付き合いしましょうか?▼~
:[カリン]|
本当ですか?~
ぜひ胸をお借りしたいです!▼~
:(暗転)|
:[カリン]|
はぁはぁ、はぁぁっ…~
ありがとうございました。▼~
:[スミア]|
こちらこそ。~
少しでもお役に立てたなら~
うれしいです。▼~
:[カリン]|
ついていくのがやっとでした。~
一人前の天馬騎士の道は~
まだまだ険しいです。▼~
:[スミア]|
私が天馬騎士を目指したときは~
天馬すら、そばにいませんでした…。▼~
すでに天馬と心を通わせている~
カリンさんは、天馬騎士の才が~
十分にあると思います。▼~
:[カリン]|
えっ? 天馬騎士の才、ですか。~
私にそれがあるといいのですが…▼~
***A [#eb9e36d8]
:[カリン]|
お疲れさま、エルメス。~
今日の訓練も頑張ったね。▼~
:[エルメス]|
ブルルル…▼~
:[カリン]|
ヴァイス・ブレイヴに加わって~
まだまだ力不足を感じるなぁ。▼~
スミアさんは私に才能があると~
言ってくれたけれど…▼~
天馬騎士のお歴々を見ていると~
自信がなくなっちゃう。▼~
本当に私、叙勲を受けて~
正式な天馬騎士になれるのかな。▼~
:[エルメス]|
ブルゥゥ…▼~
:[カリン]|
シレジアでは、私が未熟だったから~
病に伏したフュリー様の~
お力になることができなかった。▼~
せめてアスク王国では…~
フュリー様のお役に立ちたいの。▼~
でも、私が頑張るしかないんだよね。~
これは私の問題なんだから。▼~
:[エルメス]|
ブルゥゥゥッ! ブルル!▼~
:[カリン]|
きゃっ! エルメス!?~
お、落ち着いて…!~
どう! どうどうっ!▼~
:[リリス]|
その子…あなたに~
怒っているみたいです。▼~
:[カリン]|
エルメスが…怒ってる?~
ど、どうしてそのことが…▼~
:[リリス]|
私は昔から…~
動物の言葉が理解できるのです。▼~
***S [#k373ac81]
:[リリス]|
申し遅れました。~
ヴァイス・ブレイヴの厩舎係を~
仰せつかっているリリスと言います。▼~
あなたは、シレジアのカリンさんですね?~
マーニャさんやフュリーさんと同郷の…▼~
:[カリン]|
は、はい。~
天馬騎士見習いの~
カリンと申します。▼~
:[エルメス]|
ブルッ! ブルルルゥ!▼~
:[カリン]|
ダメよ、エルメス。~
本当にこの子、怒っているみたい…~
やっぱり私が頼りない主人だからかな?▼~
:[リリス]|
その逆ですよ。~
あなたを信頼しているからこそ~
怒っているようですね。▼~
どうどう…いい子ね。~
そう、いい子いい子。▼~
:[エルメス]|
ブルッ…ブルルル…▼~
:[カリン]|
ほっ。ようやく落ち着いてくれた。~
ありがとう、リリスさん。▼~
この子、男の人に触られると~
不機嫌になったりするんですが~
普段はおとなしい子なんです。▼~
:[リリス]|
エルメスは言っています。~
自分もカリンさんと~
一緒に頑張りたいって。▼~
:[カリン]|
え? エルメスが…?▼~
:[リリス]|
カリンさんは自分の問題だから~
自分が頑張るしかないと~
おっしゃっていたようですが…▼~
一人じゃないんです。~
エルメスもカリンさんと一緒に~
成長したいと言っています。▼~
:[カリン]|
エルメス…。~
そうか、そうだよね。▼~
天馬騎士は人馬一体。~
私は、エルメスと一緒に~
強くならなきゃいけないんだ。▼~
:[エルメス]|
ブルッ、ブルル…▼~
:[カリン]|
私、自分のことばかり考えて~
エルメスの気持ちを汲み取ることを~
忘れてたみたい。▼~
ごめんね、エルメス。~
一緒にアスク王国に来た意味を~
考えなきゃいけなかったんだね。▼~
:[エルメス]|
ブルルゥ…▼~
:[リリス]|
カリンさんとエルメスの絆。~
それこそが天馬騎士にとって~
一番大切なものだと私も思います。▼~
:[カリン]|
リリスさん、ありがとうございます!~
私、一番大切なことを~
忘れていたみたいです。▼~
:[リリス]|
そう言ってくれて~
エルメスもうれしそうですよ。▼~
頑張ってくださいね、カリンさん。~
私も応援していますから。▼~
:[カリン]|
エルメス。ごめんね。~
これから一緒に強くなろうね!▼~
立派な天馬騎士になって~
大切な人たちを~
守っていけるように。▼~
*コメント [#gbe42a6e]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*光と闇が紡ぐ未来 [#r3928b19]
#contents
**光と闇が紡ぐ未来 [#c8189050]
***オープニング [#racfb27f]
:[カリン]|
シャロン王女…やります、私!~
ヴァイス・ブレイヴに入れてください!▼~
戦いの犠牲になる人を…~
一人でも減らしたいんですっ!▼~
:[マリータ]|
私も力添えさせてください。~
この剣で誰かを守れるのなら…~
私は戦場に立つことを、いといません。▼~
:[シャロン]|
ありがとうございます!~
アスク王国はみなさんの~
お力を必要としているんです!!▼~
:[アウグスト]|
私は縁もゆかりもありませんが~
リーフ王子やレヴィン様が~
あなたがたに協力されている様子…▼~
:[シャロン]|
は、はいっ!~
すごく助けていただいてますっ!▼~
:[アウグスト]|
そもそも、我らの本義は~
トラキアでの戦いにあり。▼~
リーフ王子たちのためにも~
アスク王国での戦いを~
早々に終わらせましょう。▼~
案ずるに及ばず。~
このアウグストに不可能はなし、~
万事、お任せを。▼~
:[シャロン]|
頼もしいですねっ!~
よろしくお願いします!▼~
:[ガルザス]|
俺も、アスク王国には~
なんの義理もない身だ。▼~
俺の力が必要なら~
傭兵として俺を雇えばいい。~
それだけだ。▼~
:[シャロン]|
わ、わかりました…!~
アンナ隊長にも相談してみますね!▼~
:[マリータ]|
……▼~
:(暗転)|
:[マリータ]|
あ、あの…お父様。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[マリータ]|
せっかく、こうしてともに~
アスク王国に来たことですし~
ぜひ私に剣の手ほどきを!▼~
:[ガルザス]|
手ほどき、か。▼~
お前が一番必要としているときに~
俺は手を差し伸べることができなかった。▼~
:[マリータ]|
……▼~
:[ガルザス]|
そんな俺がお前に~
なにを教えられるというのだ。▼~
:[マリータ]|
で、ですが…!▼~
:[ガルザス]|
それに、俺の剣は血塗られている。~
お前には、もっとふさわしい~
師がいるはずだ。▼~
:[マリータ]|
あっ! お、お父様っ!▼~
:[アウグスト]|
……▼~
***C [#d489ae26]
:[マリータ]|
はぁ…▼~
:[カリン]|
なにか悩みごと?~
一緒に召喚されたのもなにかの縁だし~
悩みがあるなら話を聞くよ?▼~
:[マリータ]|
ありがとう。~
悩みというか、その…~
お父様のことなの。▼~
:[カリン]|
お父様って…~
ガルザスさんのこと?▼~
レイドリックに雇われていた~
凄腕の剣士がお父さんだなんて!~
…でも、あんまり似てないね?▼~
あ、ごめんなさい!~
雰囲気というか佇まいが~
あまり似てないかなーって思って!▼~
:[マリータ]|
私は…~
実の母親似なのかも。▼~
私には育ての親のエーヴェル母様と~
生みの親、二人の母様がいるの。▼~
小さい頃、奴隷商人にさらわれて~
お父様と離れ離れになったときに~
助けてくれたのがエーヴェル母様。▼~
:[カリン]|
じゃあ、お父さんとは~
ずっと離れ離れだったんだ。▼~
:[マリータ]|
長い間、どこにいるのか~
わからなかったけど…▼~
私が魔剣に支配されたとき~
私のことを偶然知ったお父様は~
命をかけて助けてくれた…▼~
レイドリックとの戦いでも…▼~
お父様は、私を育ててくれた~
エーヴェル母様への恩を返すために~
力添えをしてくれました。▼~
:[カリン]|
今はお父さんと一緒に~
戦えるようになったってことかぁ。~
よかったね、マリータ!▼~
:[マリータ]|
でも、お父様は…~
私を避けているようなのです。▼~
手合わせはおろか~
まだちゃんと話もできてなくて。▼~
:[カリン]|
えーっ! どうして!?~
せっかく再会できた父と娘なのに!▼~
私、納得できない…~
ガルザスさんに話してくるわ。~
エルメス、行くよ!▼~
:[マリータ]|
あっ! カリン、待って…!▼~
さ、さすがに天馬には追いつけない。~
……▼~
:(暗転)|
:[ガルザス]|
ふっ! はっ!▼~
誰だ、俺になにか用か。▼~
:[アウグスト]|
失礼。~
修行の邪魔をしてしまいましたか。▼~
:[ガルザス]|
…リーフ王子の軍師か。▼~
:[アウグスト]|
マリータはあなたに~
剣の教えを乞いたいようだ。▼~
卓抜したその剣技は~
後世に残してしかるべきもの。~
なぜ手ほどきをしないのですか?▼~
:[ガルザス]|
俺の剣は、マリータに~
教えるべき剣ではないからだ。▼~
:[アウグスト]|
それは、父親としての言葉…~
ですかな?▼~
私はあなたに~
立派な父親として接することなど~
求めてはおりません。▼~
手練れであるあなたが教えを授ければ~
彼女の力は増し、~
戦力の底上げとなる。▼~
…ただ、それだけのこと。▼~
:[ガルザス]|
……。~
しかし、俺は…▼~
:[カリン]|
あっ! 見つけました。~
ガルザスさん、お話があります!▼~
***B [#de736a6b]
:[ガルザス]|
シレジアの天馬騎士まで~
押しかけてくるとは、騒々しい日だ。▼~
:[カリン]|
せっかく再会した父と娘が~
同じ場所にいるのに、どうして~
互いに支え合おうとしないのですか!▼~
どちらかが戦場で倒れてしまったら~
もう二度と言葉を交わせないのに!▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[カリン]|
離れ離れになっていた間も~
娘にかけてあげたかった言葉が~
たくさんあったと思うのです。▼~
それを、今伝えなくて~
いつ伝えるのですか…!▼~
:[アウグスト]|
…少々落ち着いた方がよい。~
強い言葉を、そういっぺんに~
浴びせるものでない。▼~
:[カリン]|
す、すみませんっ!~
つい勢いで、出すぎた真似を…▼~
伝えるべき言葉を伝えられずに~
離れ離れになってしまう人を見るのは~
辛いもの…ですから。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
…俺の手は血で汚れすぎている。▼~
マリータと離れ離れになったあと~
俺がどれだけの死体の山を~
築いてきたか…。▼~
この血まみれの手は~
そのことを否応なく思い出させる。~
その手で娘と接しろというのか。▼~
:[アウグスト]|
正義を掲げる者も、~
大義を掲げる者も…▼~
ひとたび戦場に出れば~
その手は血にまみれることとなる。~
それが戦争というものですな。▼~
:[カリン]|
……▼~
:[アウグスト]|
流れた血は元には戻りません。~
その血を価値あるものにするか否か…~
それこそが肝要。▼~
どうかお忘れなきよう。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
***A [#v2ec7d4c]
:[マリータ]|
せいっ! はぁぁっ!▼~
ふぅ。でも、まだまだ…。~
もっと強くもっと速く!▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[マリータ]|
お、お父様…!▼~
:[ガルザス]|
構えろ。▼~
:[マリータ]|
……!?▼~
は、はいっ!~
すうぅ…はぁ…。~
技に…心を乗せる! 行きます!▼~
:[ガルザス]|
来い…▼~
:(暗転)|
:[マリータ]|
はぁっ、はぁっ、はぁっ…~
あ、ありがとうございました。▼~
これが…お父様の剣!▼~
重く、そして鋭い…~
いくつもの死地をくぐり抜けた気迫が~
剣を通じて伝わってきた。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[マリータ]|
あ、あのっ、お父様…!▼~
もう一度、言います。~
私はお父様のことを恨んだことは~
いっさいありません。▼~
だから、だから…私は…▼~
:[ガルザス]|
俺も、ただ願っていた。~
お前が無事でいることを。▼~
血まみれの毎日で…~
それだけが…闇の中の…~
ほのかな光だった。▼~
:[マリータ]|
お父様…。▼~
:[ガルザス]|
俺の剣は血で汚れている。~
しかし、お前にとって~
学びになるものがあるのなら…▼~
闇に残る幾ばくかのの光をすくい上げ~
未来に持っていくがいい。▼~
:[マリータ]|
はい!▼~
お父様に学ばせていただいたものは~
必ず未来に活かします!~
活かしてみせますから!▼~
:(暗転)|
:[カリン]|
よかったですね!~
親子の絆、深まったみたいです!▼~
もしかしてアウグストさん~
最初からこうなることを~
予想していたんですか?▼~
:[アウグスト]|
あの親子の間柄がどうなろうと…~
さして興味などない。~
しかし…▼~
背中を預け合うことで~
兵の力が増すのならば、~
それは喜ばしいことだ。▼~
:[カリン]|
そ、そうですか…。▼~
でも私、アウグストさんが~
「このアウグストに不可能はなし」って~
言ってたの、本当だなって思いました!▼~
こうして、マリータとガルザスさんの~
絆を取り戻しちゃいましたし!▼~
:[アウグスト]|
私の力だけではない。~
そなたの一助もあったからだろう。▼~
さあ、我らも訓練に戻るとしよう。~
アスク王国での戦いを終わらせるため~
やるべきことは山ほどある…▼~
**流星開眼 マリータ [#j7f70dfa]
***C [#b518d3ab]
:[マリータ]|
シャナン様!~
あなたもやはり~
アスク王国に来ていらしたのですね!▼~
:[シャナン]|
すまない…。~
貴方と私はどこかで会ったことが?▼~
:[マリータ]|
私です! マリータです!~
シャナン様に~
流星剣を教えていただいた…▼~
:[シャナン]|
……!?~
私がイザーク王家の秘伝を?~
そのような覚えはないが…▼~
:[マリータ]|
ほ、本当ですか?▼~
私はシャナン様がくださった~
「技に心を乗せる」という言葉のおかげで~
流星剣を繰り出せるようになったのです…▼~
:[シャナン]|
そうか…。~
私にその記憶はないが…~
教えたのは異界の私かもしれない。▼~
あるいは未来のユグドラルで~
貴方と出会うことになるのかもしれないな。▼~
:[マリータ]|
そ、そう…なのでしょうか。~
言われてみれば、少し顔立ちや~
雰囲気が違うような…▼~
で、でも、私にとっては~
シャナン様に違いはありません!▼~
流星剣のさわりだけでしたが~
シャナン様に教えていただけたことで~
今の私があるのです!▼~
:[シャナン]|
最後まで教えず、さわりだけ…?~
それだけで流星剣を使えるとは…~
貴方には素質があったのだな。▼~
この先、さらに剣技を高めたいのなら~
アイラという女性を訪ねてみるといい。~
私の叔母だが、私の師でもある。▼~
:[マリータ]|
……!?~
ありがとうございます、シャナン様。~
さっそく会いに行ってみます!▼~
***B [#n42db29d]
:[ラクチェ]|
シャナン様、彼女は…▼~
:[シャナン]|
アスク王国に召喚された~
フィアナ村のマリータだ。▼~
すでにこのアスク王国には~
彼女と同じ魂を持つ英雄が召喚されている。~
ラクチェも知っているだろう?▼~
:[ラクチェ]|
はい。何度か~
すれ違ったことはあります。▼~
彼女は…リボー王家の血を~
引いているとの噂を~
聞いたこともあるのですが…。▼~
:[シャナン]|
ラクチェも知っている通り~
リボー王家は滅んだ。~
手を下したのは…我らイザーク王家だ。▼~
:[ラクチェ]|
それなら、~
彼女はもしかすると~
イザーク王家に対して…▼~
:[シャナン]|
案ずるな。今のマリータから感じたのは~
剣の道に邁進しようという純粋な意思。~
ラクチェは彼女を信じられないか?▼~
:[ラクチェ]|
そ、そんなことはありません!▼~
:[シャナン]|
私は、彼女の剣士としての力を~
引き出してやりたいだけだ。▼~
それでアイラに会いに行くように勧めた。~
今のマリータに必要なものを~
彼女なら示してくれるだろう。▼~
:[ラクチェ]|
アイラ母様…~
そうですね、母様なら。▼~
:(暗転)|
:[アイラ]|
せっ…! はっ…!▼~
:[マリータ]|
あの方がアイラ様。~
訓練とはいえ、すさまじい気迫…。▼~
:[アイラ]|
そこの者…~
用があるなら姿を見せろ。▼~
:[マリータ]|
アイラ様、お願いがあります!~
私はフィアナのエーヴェルの娘、~
マリータ! 私に剣をご指導ください!▼~
***A [#d8d9b212]
:[マリータ]|
アイラ様、私はもっと強く~
もっと早い剣を身につけたいのです!~
どうかご指導を。▼~
:[アイラ]|
頭を下げられても困る。~
私とて、まだ道半ば。~
自分の剣のことで精一杯だ。▼~
:[マリータ]|
無理を言っているのは承知しています。~
それでもどうか…。▼~
:[アイラ]|
人に教えを授けることなら~
私よりもシャナンが優れている。▼~
娘のラクチェも~
シャナンのもとで腕を上げている。~
彼に師事するがいい。▼~
:[マリータ]|
私はそのシャナン様のご指導で~
流星剣を放つことができたのです。▼~
:[アイラ]|
……!?▼~
:[マリータ]|
しかし、私はシャナン様の~
正式な弟子とは言えません。~
助言をいただいただけですから。▼~
このアスク王国でシャナン様と再会し~
己の剣技を高めたいのなら、と~
アイラ様の名を教えてくださったのです。▼~
:[アイラ]|
シャナンの助言だけで流星剣を~
放つことができただと…?▼~
いいだろう。~
お前の流星剣見せてみるがいい。~
ただし、一切の手加減はしない。▼~
:[マリータ]|
ありがとうございます、アイラ様。▼~
技に心を乗せる…。~
行きます…はーっ!▼~
:[アイラ]|
ほう。~
シャナンが認めるだけのことはある。~
だが…。▼~
イザーク王家の秘伝、~
そう簡単に修められては困る…!~
はあっ!▼~
:[マリータ]|
こ…これが…~
アイラ様の…流星剣!▼~
***S [#bc4b4413]
:[マリータ]|
やあっ!▼~
まだまだっ!▼~
:[アイラ]|
確かに…流星剣の形になってはいるが~
その本質は我流に近い。~
極めるのには、まだ遠い!▼~
:[マリータ]|
くぅぅぅっ!~
はあ、はあ…強い。~
なんと鋭く、極まった太刀筋…▼~
:[アイラ]|
私は、なにも極めてはいない。~
言っただろう、まだ道半ばだと。~
剣技の道に終わりはないのだ。▼~
剣技自体も、~
お前と私に大きな差はない。~
差があるとすれば…覚悟だ。▼~
:[マリータ]|
アイラ様…▼~
:[アイラ]|
私はまだ幼かったシャナンを~
守るために戦い続けた。~
それこそ命と引き換えにする覚悟で。▼~
その覚悟が剣に乗ったことで~
使命を果たすことができた…▼~
:[マリータ]|
シャナン様は「技に心を乗せる」と~
私に教えてくださいました。▼~
アイラ様は心だけではなく…~
覚悟をも剣に乗せていたと~
いうことですね…▼~
:[アイラ]|
大切な人を、なんとしても守り抜きたい。~
その気持ちこそが強さに繋がるのだ。▼~
:[マリータ]|
エーヴェル母様…~
今、わかりました。▼~
あのときに見せた、私やナンナ様を~
守り抜きたいという覚悟こそが~
お母様の強さだったのですね…▼~
:[アイラ]|
そのことが理解できるなら、~
もう何も教えることはない。~
この先も精進するといい。▼~
:[マリータ]|
ありがとうございます、アイラ様。~
シャナン様にも感謝を。~
では…!▼~
:[アイラ]|
……。~
ラクチェ、スカサハ…~
そしてマリータ。▼~
血が継がれるように、~
剣は継がれてゆく。~
新しい未来へと…▼~
:(暗転)|
:[マリータ]|
私はまだまだ未熟。~
でもそれは、成長できる~
可能性があるということ。▼~
私はもう迷わない。~
鍛えた心と覚悟を技に乗せる。~
大切なものを守り抜くために!▼~
**時代を読む軍師 アウグスト [#qe893dbe]
***C [#lcc6028b]
:[アウグスト]|
なるほど。~
アスク王国を取り巻く窮状…~
一筋縄では行きませんな。▼~
:[レヴィン]|
だからこそ、異界の英雄たちも~
自らの命をかけて力を貸している。~
無論、リーフ王子もな。▼~
アスク王国でも~
リーフ王子の力になってもらえるか。▼~
:[アウグスト]|
もちろんです。~
リーフ王子は~
いまだ成長の只中…▼~
アスク王国で切磋琢磨して~
成長できるとよいのですが。▼~
:(暗転)|
:[アウグスト]|
異界の扉を閉める力を持つ~
エンブラの皇族…なるほど。▼~
死で魂を隷属させ~
他の異界を侵食する死の国。▼~
アスク王国はつねに過酷な戦いを~
強いられているのだな…。▼~
:[レギン]|
あっ…! 見つけたの!~
あなたがアウグストさん?~
私は…▼~
:[アウグスト]|
失礼、その前に。~
ここは静謐を重んじる場。~
図書館ではお静かに願いましょうか。▼~
:[レギン]|
ご、ごめんなさいなの。▼~
小声で改めまして…~
私はレギン、ニザヴェリルの王女なの。▼~
すごい軍師が召喚されたって聞いて~
会いに来たの。▼~
:[アウグスト]|
なにをもってそう呼ぶかは~
人それぞれでありましょうが…。▼~
このアウグスト、軍師という点では~
相違ありませぬ。▼~
さて、王女はどのような話を~
所望なさるのですか?▼~
***B [#qd5403c0]
:[レギン]|
私、いつかはニザヴェリルを治める~
女王にならなきゃいけないの。▼~
:[アウグスト]|
ニザヴェリル…。~
確か、小人の国と呼ばれる~
文明に秀でた国でしたな。▼~
:[レギン]|
今はヨトゥンのダグ王女に国を~
預かってもらっているけど…▼~
女王にふさわしい力をつけようと~
ヴァイス・ブレイヴに参加しているの。▼~
力だけじゃない。この国で~
うんと勉強もするの!▼~
それで聞きたいんだけど~
国を治める英雄に必要なものって~
なに…かな?▼~
:[アウグスト]|
ふむ。必要なもの、ですか。▼~
:[レギン]|
やっぱり、強いのは当然だし~
頭もよくないとダメだよね?▼~
すごい軍師のアウグストさんなら~
答えを教えてくれるかなと思って。▼~
:[アウグスト]|
レギン王女。あなたのやる気に~
水を差すようで恐縮ですが…。▼~
あなたが武勇や知略に優れているかは~
さしたる問題ではありません。▼~
:[レギン]|
えっ? そ、そうなの?▼~
:[アウグスト]|
民が求めているものは~
幻想としての英雄です。▼~
そこを履き違えては、~
民はついてはきませぬ。▼~
:[レギン]|
……?~
む、難しくてよくわからないの…▼~
:[アウグスト]|
一度に言葉を紡いでも~
心からはこぼれてしまいます。▼~
今日はここまでに~
しておきましょう。▼~
:[レギン]|
あ、あのっ、アウグストさん!~
行っちゃった…。▼~
民が求めているのは幻想?~
それって、どういう意味なのかな…▼~
***A [#c3995267]
:[レギン]|
あのっ! アウグストさんっ!▼~
:[アウグスト]|
レギン王女の声はよく通りますな。~
私を探す声が~
遠方でも聞こえておりました。▼~
:[レギン]|
ホントに? ふふっ。~
元気が私の取り柄なの!▼~
あのあと、考えてみたんだけど~
やっぱりわからないの。▼~
修行して強くなって賢くなれば~
優れた英雄になれるんじゃないの?▼~
英雄王と呼ばれるマルス王子も~
強くて賢いし…▼~
私を助けてくれたときの~
ファフニールお兄ちゃんも~
とっても強かった…▼~
:[アウグスト]|
ふむ…▼~
:[レギン]|
そんな英雄になるために~
私はアスク王国に来たの。~
それじゃ、ダメなのかな?▼~
:[アウグスト]|
ニザヴェリルでの戦いの記録。~
私も目を通させていただきました。▼~
レギン王女、大変な戦いを~
くぐり抜けられたようですな。~
尊い犠牲を…払って。▼~
:[レギン]|
……▼~
:[アウグスト]|
王女は武を磨き、知を高めるために~
アスク王国に来たと~
おっしゃいましたが…▼~
申し上げたとおり~
それはさしたる問題ではございません。▼~
なぜならば民はそれらを~
正しく推し量る術を~
もたないからでございます。▼~
:[レギン]|
……!?~
じゃ、じゃあ、私はどうすれば…。▼~
:[アウグスト]|
重ねて申し上げますが~
民が求めるものは~
幻想としての英雄。▼~
民が武の力や知略の冴えを~
正しく見抜けなくとも…▼~
あなたの英雄としての輝きは~
民の目に、はっきりと映ります。▼~
:[レギン]|
英雄としての輝きって~
どうやったら身につくものなの?~
私も、輝くことはできるのかな?▼~
:[アウグスト]|
英雄とは…~
自らの意思でなるものではなく~
必要に応じて作られるものです。▼~
レギン王女。あなたが今~
活かされているのはなぜなのか。~
そのことを今、自分に問い直すのです…▼~
***S [#sb1644fa]
:[レギン]|
わ、私が今、生きているのは~
ニザヴェリルを良い国に~
しなくちゃいけないから!▼~
ファフニールお兄ちゃんに~
オッテルお兄ちゃん…。▼~
そして、エイトリも~
国のことを考えてたの。▼~
だから、だから私は…▼~
:[アウグスト]|
英雄とは~
自らの意思でなるものではなく~
必要に応じて作られるもの。▼~
そして今こそ、ニザヴェリルは~
必要としているのではないでしょうか。~
民を未来に導いてくれる英雄を。▼~
:[レギン]|
ニザヴェリルが…~
私を必要としている…?▼~
:[アウグスト]|
それが、あなたが生かされている理由。~
ノート王女もあなたに賭けたのですよ。▼~
ニザヴェリルだけでなく~
ヨトゥンにも光をもたらす可能性に。▼~
:[レギン]|
ノート王女も…▼~
:[アウグスト]|
レギン王女。~
ただ強く賢くなっても~
英雄として輝きを放つことはできません。▼~
民がどんな役割を求めているのか。~
民に必要なものはなんなのか。▼~
それがわからねば~
民はあなたを~
英雄とは認めないでしょう。▼~
:[レギン]|
そう、そうなの…。~
なんとなくわかったの。▼~
自分が強く賢くなるだけじゃ~
ダメなんだね。▼~
ニザヴェリルのみんなが~
なにを望んでいるのか考えて…▼~
みんなの心の支えになるような~
女王にならなきゃいけないの!▼~
:[アウグスト]|
ふむ。あなたの強さは~
その素直さにありますな。▼~
人の意見に流されるのでなく~
さまざまな意見を取り込み、~
成長できるところにある…▼~
:[レギン]|
わかったなの!~
お話を聞かせてくれてありがとう~
アウグストさん!▼~
これからもいろいろと~
お話を聞かせてほしいの。~
ニザヴェリルのためにも!▼~
:(暗転)|
:[アウグスト]|
リーフ王子だけでなく~
この世界にはまだまだ発展途上の~
英雄たちがひしめいているようだ。▼~
自分は聞こえのいい正義や人の道を~
説くような軍師ではない。~
しかし…▼~
彼らの一助になるのなら~
このアウグスト…~
努力は惜しむまい。▼~
**オードの黒騎士 ガルザス [#f4676a51]
***C [#q39a7058]
:[ガルザス]|
はっ! ふんっ!▼~
…異界に来ても~
俺のやることは変わらぬ、か。▼~
……。~
誰だ?~
いるのだろう、そこに。▼~
:[ディミトリ]|
…お前か?~
血の匂いの主は…。~
はぁぁぁぁっ!▼~
:[ガルザス]|
……!?▼~
:[ディミトリ]|
受けたか…。~
ならばこれで死ね!▼~
:[ガルザス]|
断る…。せあっ!▼~
エクラに~
ヴァイス・ブレイヴの英雄同士は~
傷つけ合うことはできんと聞いたが…。▼~
:[ディミトリ]|
知ったことか…!~
ぜあぁぁっ!▼~
…くく。英雄同士だと? 笑わせるな。~
俺たちは化け物同士だろう、なあ?▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
:[ディミトリ]|
今まで何人斬った!?~
見えるぞ、お前の後ろに…~
おびただしい死人の山がな。▼~
:[ガルザス]|
俺は命を奪うために…~
剣を振るってきたわけではない。▼~
生きるためだ!▼~
:[ディミトリ]|
血まみれの剣でよくも嘯いたものだ。~
そこに大義があろうが…~
同じ人殺しだ! はぁぁぁっ!▼~
:[ガルザス]|
なんとでも言え。~
だが、俺は…!▼~
:[ディミトリ]|
……!▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
…殺気が…消えた…?▼~
:[ディミトリ]|
全身から漂う血の匂い。~
化け物同士、殺し合えるかと思ったが…~
お前は「こちら側」の人間ではないな。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ディミトリ]|
馴れ合っている時間はない。▼~
一刻も早く、あの女を殺さなければ…▼~
:[ガルザス]|
……。~
異界に来ても~
俺の手は血にまみれたままか。▼~
聖痕が死と戦いを呼び寄せるのか。~
それとも…▼~
:(暗転)|
:[ニュクス]|
……▼~
***B [#ub5bea5d]
:[ガルザス]|
……。▼~
昨日の眼帯の男ではないようだが~
誰だ?▼~
:[ニュクス]|
……。▼~
声をかけようかどうか~
迷っていたの。▼~
私には…なんの関係も~
ないことだから。▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
:[ニュクス]|
ニュクス。呪術師よ。▼~
昨日、貴方を襲った~
彼の言葉を借りるなら~
私も化け物の一人かもしれないわね。▼~
:[ガルザス]|
まじない師が俺になんの用だ。▼~
:[ニュクス]|
貴方の身体から…~
強い呪いを感じるのよ。▼~
身体だけではないわ。~
貴方が振るう、その剣からもね。▼~
:[ガルザス]|
……。~
それがどうした。▼~
俺は…過去も未来も失い~
残っているのは~
血にまみれた、この剣のみ。▼~
それを呪いと言わずに~
なんと言うのだ。▼~
:[ニュクス]|
私は…~
貴方の未来に興味はないわ。▼~
でも、貴方を縛っている~
呪いには興味がある。▼~
:[ガルザス]|
…ニュクスと言ったな。~
中身は…その風貌と~
かけ離れているようだ。▼~
:[ニュクス]|
言ったでしょう。~
私も化け物だと。▼~
聞かせてもらえないかしら…~
貴方が呪いを~
その身に受けるに至った足取りを。▼~
***A [#j3cd9b64]
:[ガルザス]|
俺の過去を知ってどうする?~
今さら過去の境遇を~
嘆いてみせるつもりはない。▼~
:[ニュクス]|
そう。~
では少し、占わせてもらうわ。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
血…。~
受け継がれて来た血。▼~
人々に讃えられ~
未来に受け継がれていくべき血が~
貴方の中に、流れているわね。▼~
:[ガルザス]|
…………。~
剣聖オードの血だ。▼~
:[ニュクス]|
それが…貴方が修羅の道を~
歩むことになった理由かしら。▼~
違うわね…。~
もっと大きなきっかけ。~
後悔のような、大きな波を感じる。▼~
:[ガルザス]|
……。~
俺は、馬鹿な親だった。▼~
:[ニュクス]|
……。▼~
:[ガルザス]|
俺には…たった一人の娘がいた。~
妻と死に別れた俺は、娘を連れ~
ユグドラル大陸を旅していた。▼~
だが、娘はさらわれた。~
奴隷商人にな。▼~
:[ニュクス]|
それが、貴方の中に垣間見えた~
後悔のような、大きな波。▼~
:[ガルザス]|
俺は必死に娘を探した。~
だが、手掛かりすら~
得ることができなかった。▼~
:[ニュクス]|
……▼~
:[ガルザス]|
剣聖オードの聖痕を宿しながら~
俺は大切なものを…~
なにひとつ守れなかった。▼~
いつしか剣聖の血は~
傭兵として戦場で人を斬り~
日々を生きていくだけの力と化した。▼~
そして、戦場で人を斬るたびに~
俺は死をまとい続け…~
それは呪いとなってこの身を蝕んだ。▼~
:[ニュクス]|
……。~
貴方の中に生じた呪いは…~
誰かにかけられたものではないわ。▼~
:[ガルザス]|
……。▼~
:[ニュクス]|
貴方の呪い…~
貴方自身が、自らに課している~
枷にほかならない…▼~
***S [#n357061f]
:[ガルザス]|
俺の呪い…~
俺が自ら課している枷だと?▼~
:[ニュクス]|
その身に宿した血が~
貴方に過酷な人生を~
強いたのは間違いない。▼~
でも、貴方の人生に~
楔を打ち込んだ決定的なものは~
娘と離れ離れになってしまったこと。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
娘を守ることができず~
その悔恨は呪いとなって~
貴方を蝕み続けた。▼~
貴方は自分で自分を~
許すことができなかったのよ。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
さっき貴方は過去も未来も~
失ったと言っていたわね。▼~
:[ガルザス]|
ああ…▼~
:[ニュクス]|
だけどまだ、貴方は~
希望を失ってはいなかった。~
違うかしら?▼~
過去も未来も失った人間の目に~
そんな強い光は宿らないわ。▼~
:[ガルザス]|
…俺の中に残ろ小さな灯火を~
希望と呼ぶのなら…▼~
娘が生きているかもしれない…~
生きていてほしいという、願い。▼~
終わらない地獄で~
俺はただひたすら…~
そのことだけを願ってきた。▼~
そうか。~
この手が血まみれになろうとも~
剣を振ることをやめなかったのは…▼~
小さな灯火が…俺を…~
俺の命をつなぎとめていたからか。▼~
:[ニュクス]|
その希望があったからこそ…~
貴方の魂は闇の中に~
沈みきってはいなかった。▼~
貴方は化け物ではないわ。~
決してね。▼~
:[ガルザス]|
……▼~
:[ニュクス]|
私も身に覚えがあるわ。~
貴方が呪いと感じていた~
自らを縛る枷にね…。▼~
この世界で…貴方が~
未来を得られることを願っているわ。▼~
:[ガルザス]|
……。~
気配が…消えた。▼~
呪いの正体は…~
自分が自分を縛る枷、か。▼~
…空白だった時間は戻ってはこない…▼~
…しかし、この血まみれの手でも~
娘のためにできることがあるのなら…▼~
…俺は呪いの先にある未来に~
触れることができるのかも…しれんな…。▼~
**天馬を駆る少女 カリン [#e13eb974]
***C [#afac8d3a]
:[フュリー]|
ちょ、ちょっと整理させてね。~
私が…シレジアの王妃?~
本当に?▼~
:[カリン]|
はい!~
王妃様は聡明で誰にでも優しく~
みんなの憧れでした!▼~
:[フュリー]|
セティがシレジアの王子で~
私が彼の母親というのが本当なら~
辻褄は合うけど…▼~
ああ、ダメっ!~
やっぱり頭が混乱しちゃう!▼~
:[カリン]|
あ、あの…どうかなさいました?~
王妃様?▼~
:[フュリー]|
あのね、カリン。~
今の私は王妃でもなんでもなく~
ただの天馬騎士なの。▼~
だから普通にフュリーと~
呼んでもらえるとうれしいかな…。▼~
:[カリン]|
そ、そそ、そんなっ!?~
お名前で呼ぶなんて恐れ多い!▼~
:[フュリー]|
いや、その…。~
王妃と呼ばれるたびに~
どこからか鋭い視線を感じるのよ。▼~
:[シルヴィア]|
……。▼~
:[カリン]|
それじゃあ、せめて~
フュリー様と呼ばせてください!▼~
:[フュリー]|
そ、そうね…。~
その呼び方ならなんとか…。▼~
:[カリン]|
それにしても! こうして~
天馬騎士として活躍されている~
フュリー様にお会いできるなんて。▼~
凛々しく気高く麗しい。~
まさに天馬騎士の手本のような~
立ち居振る舞いです。▼~
:[フュリー]|
そんな大げさな…。~
カリンだってシレジアを支える~
天馬騎士の一人なのでしょう?▼~
:[カリン]|
え、えっと…そ、それがその…~
なんと申しましょうか…。▼~
:[フュリー]|
ど、どうしたの?~
なんだか目が泳いでいるけど。▼~
:[カリン]|
私、ペガサスに乗ってますけど~
まだ正式な天馬騎士ではないんです…。▼~
***B [#ica02c42]
:[カリン]|
ここがヴァイス・ブレイヴの~
みなさんがしのぎを削る訓練場。~
よーしっ、私もここで…▼~
フュリー様のご期待を~
裏切るわけにはいきません。▼~
フィー様も見ていてください。~
私、必ず成長してみせますから!▼~
:(暗転)|
:[タニス]|
どうした? その程度でへばるとは~
ベグニオン天馬騎士団の一員か!▼~
:[マーシャ]|
す、すみません。まだやれます!~
はぁぁぁっ!▼~
:[フィオーラ]|
ファリナ、フロリーナ。~
速度を落とさず両側について!▼~
:[ファリナ]|
はいよ! 任せて!▼~
:[フロリーナ]|
い、行くよ、ヒューイ。~
遅れないでね!▼~
:[カリン]|
わあ、天馬騎士がこんなに!~
厳しい訓練、見事な編隊飛行。~
これは刺激になりますね!▼~
私も負けてられません!~
ねっ、エルメス!▼~
:[エルメス]|
ブルルル…▼~
:[スミア]|
ふふ、エルメスと言うのですね。~
気立ての良さそうな天馬。▼~
:[カリン]|
……! は、はじめまして!~
私はシレジアの天馬騎士…~
見習いのカリンと申します!▼~
:[スミア]|
私はクロム自警団のスミアです。~
よろしくお願いしますね。▼~
:[カリン]|
こちらこそ!~
早く正式な騎士になって~
みなさんの力になりたいんです!▼~
:[スミア]|
あ、あの、私でよければ~
少し…手合わせに~
お付き合いしましょうか?▼~
:[カリン]|
本当ですか?~
ぜひ胸をお借りしたいです!▼~
:(暗転)|
:[カリン]|
はぁはぁ、はぁぁっ…~
ありがとうございました。▼~
:[スミア]|
こちらこそ。~
少しでもお役に立てたなら~
うれしいです。▼~
:[カリン]|
ついていくのがやっとでした。~
一人前の天馬騎士の道は~
まだまだ険しいです。▼~
:[スミア]|
私が天馬騎士を目指したときは~
天馬すら、そばにいませんでした…。▼~
すでに天馬と心を通わせている~
カリンさんは、天馬騎士の才が~
十分にあると思います。▼~
:[カリン]|
えっ? 天馬騎士の才、ですか。~
私にそれがあるといいのですが…▼~
***A [#eb9e36d8]
:[カリン]|
お疲れさま、エルメス。~
今日の訓練も頑張ったね。▼~
:[エルメス]|
ブルルル…▼~
:[カリン]|
ヴァイス・ブレイヴに加わって~
まだまだ力不足を感じるなぁ。▼~
スミアさんは私に才能があると~
言ってくれたけれど…▼~
天馬騎士のお歴々を見ていると~
自信がなくなっちゃう。▼~
本当に私、叙勲を受けて~
正式な天馬騎士になれるのかな。▼~
:[エルメス]|
ブルゥゥ…▼~
:[カリン]|
シレジアでは、私が未熟だったから~
病に伏したフュリー様の~
お力になることができなかった。▼~
せめてアスク王国では…~
フュリー様のお役に立ちたいの。▼~
でも、私が頑張るしかないんだよね。~
これは私の問題なんだから。▼~
:[エルメス]|
ブルゥゥゥッ! ブルル!▼~
:[カリン]|
きゃっ! エルメス!?~
お、落ち着いて…!~
どう! どうどうっ!▼~
:[リリス]|
その子…あなたに~
怒っているみたいです。▼~
:[カリン]|
エルメスが…怒ってる?~
ど、どうしてそのことが…▼~
:[リリス]|
私は昔から…~
動物の言葉が理解できるのです。▼~
***S [#k373ac81]
:[リリス]|
申し遅れました。~
ヴァイス・ブレイヴの厩舎係を~
仰せつかっているリリスと言います。▼~
あなたは、シレジアのカリンさんですね?~
マーニャさんやフュリーさんと同郷の…▼~
:[カリン]|
は、はい。~
天馬騎士見習いの~
カリンと申します。▼~
:[エルメス]|
ブルッ! ブルルルゥ!▼~
:[カリン]|
ダメよ、エルメス。~
本当にこの子、怒っているみたい…~
やっぱり私が頼りない主人だからかな?▼~
:[リリス]|
その逆ですよ。~
あなたを信頼しているからこそ~
怒っているようですね。▼~
どうどう…いい子ね。~
そう、いい子いい子。▼~
:[エルメス]|
ブルッ…ブルルル…▼~
:[カリン]|
ほっ。ようやく落ち着いてくれた。~
ありがとう、リリスさん。▼~
この子、男の人に触られると~
不機嫌になったりするんですが~
普段はおとなしい子なんです。▼~
:[リリス]|
エルメスは言っています。~
自分もカリンさんと~
一緒に頑張りたいって。▼~
:[カリン]|
え? エルメスが…?▼~
:[リリス]|
カリンさんは自分の問題だから~
自分が頑張るしかないと~
おっしゃっていたようですが…▼~
一人じゃないんです。~
エルメスもカリンさんと一緒に~
成長したいと言っています。▼~
:[カリン]|
エルメス…。~
そうか、そうだよね。▼~
天馬騎士は人馬一体。~
私は、エルメスと一緒に~
強くならなきゃいけないんだ。▼~
:[エルメス]|
ブルッ、ブルル…▼~
:[カリン]|
私、自分のことばかり考えて~
エルメスの気持ちを汲み取ることを~
忘れてたみたい。▼~
ごめんね、エルメス。~
一緒にアスク王国に来た意味を~
考えなきゃいけなかったんだね。▼~
:[エルメス]|
ブルルゥ…▼~
:[リリス]|
カリンさんとエルメスの絆。~
それこそが天馬騎士にとって~
一番大切なものだと私も思います。▼~
:[カリン]|
リリスさん、ありがとうございます!~
私、一番大切なことを~
忘れていたみたいです。▼~
:[リリス]|
そう言ってくれて~
エルメスもうれしそうですよ。▼~
頑張ってくださいね、カリンさん。~
私も応援していますから。▼~
:[カリン]|
エルメス。ごめんね。~
これから一緒に強くなろうね!▼~
立派な天馬騎士になって~
大切な人たちを~
守っていけるように。▼~
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