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章別会話/傭兵たちの背中
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*傭兵たちの背中 [#zf80b2cf]
#contents
**傭兵たちの背中 [#l974ce97]
***オープニング [#k114e94e]
:[エフラム]|
リオン、俺は思うんだ。▼~
俺たちは、~
この世界に平和をもたらすために~
アスク王国に召喚された。▼~
しかし同時に…自分の新しい可能性を~
試すために、この世界に~
呼ばれたのではないか…ともな。▼~
:[リオン]|
珍しいね、エフラムがそんな哲学的…~
いや、自分の考えを口に出して~
聞かせてくれるなんて。▼~
:[エフラム]|
だから俺は、アスク王国一の~
傭兵になろうと思う。▼~
:[リオン]|
うん…いつものエフラムだね。▼~
自分の可能性を試したい…~
そういう理由で話してるんだろうけど▼~
その結論に至るまで~
いろいろなものを~
飛ばしてしまっていない?▼~
:[エフラム]|
…俺はもともと、ルネス王国の▼~
王子としての肩書きとは関係なく~
槍一本で人生を切り拓きたい…▼~
マギ・ヴァル大陸一の傭兵に~
なりたいと、そう思っていたんだ。▼~
もしかすると、この世界で~
俺の願いは叶うかもしれない。▼~
いやむしろ、俺はそのために~
アスク王国に呼ばれたのでは…?▼~
:[リオン]|
お、落ち着いてエフラム。~
いきなりそんなことを言い出したら~
まわりのみんなも困ってしまうよ。▼~
:[ジスト]|
へぇー、大陸一の傭兵ね。~
エフラム王子には~
そんな野望があったのか。▼~
…おっと、すまないな。~
立ち聞きするつもりはなかったんだが。▼~
:[リオン]|
ジスト団長…!~
その、先ほどの話は内密に…▼~
:[エフラム]|
なぜ内密にする必要がある。~
俺は誰にもはばかることなく~
自分の夢を語りたい。▼~
:[リオン]|
…エイリークが怒るよ。▼~
:[エフラム]|
…………▼~
:[ジスト]|
エフラム王子…~
傭兵に興味があるのなら~
ウチに来ないか?▼~
:[エフラム]|
ジスト傭兵団に?▼~
:[ジスト]|
実はな、俺たちは明日から~
遊撃部隊として城を離れるんだ。▼~
アスク王国を取り巻く状況を~
自分たちの目で確認しておきたくてな。~
アンナ隊長にも許可をもらっている。▼~
:[リオン]|
なるほど。傭兵にとって情報は命…~
アスク王国においても~
独自の情報網を作るつもりですね。▼~
:[ジスト]|
無論、なにかあったら~
すぐに城に戻るという約束でな。▼~
どうだ、エフラム王子。~
俺たちにつきあわないか?▼~
:[エフラム]|
是非頼みたい。▼~
ルネス王国の王子ではなく~
一人の傭兵として…~
俺も同行させてくれ。▼~
:[リオン]|
エ、エフラム!~
そんな簡単に…!▼~
:[ジスト]|
よし、なら決まりだな…!~
おっと、団員たちも来たようだ。▼~
みんな、紹介するぞ。~
今日からジスト傭兵団に~
お試し加入したエフラムだ。▼~
:[ユアン]|
エフラム? ふーん…~
ルネス王国の王子様と同じ名前だね。~
あれ、なんだか顔も似てるような…?▼~
:[テティス]|
私はテティス。よろしくね。~
ふぅん、今回の旅は面白くなりそう。▼~
:[マリカ]|
…よろしく。▼~
:[エフラム]|
足手まといだと思ったら~
いつでも解雇してもらっていい。~
覚悟を持ってついていく所存だ。▼~
:[リオン]|
…君だけじゃ心配だよ。~
僕もついていこう。▼~
:[エフラム]|
いいのか?▼~
:[リオン]|
あとでエイリークに謝るための~
言い訳も探さなくちゃいけないしね。▼~
:[ジスト]|
ま、仲良くやろうぜ。~
それじゃ準備ができ次第出発だ。▼~
:[エフラム]|
試してみるか…~
俺の槍がどこまで通用するかを。▼~
***C [#r86fe0d2]
:[ジスト]|
よし…! 深追いする必要はない。~
あれだけ痛めつけたら~
やつらも数日は手を出せないだろう。▼~
:[テティス]|
ふぅ…お疲れさま。~
辺境の盗賊相手と言っても~
数で押してくるからタチが悪いわね。▼~
:[ユアン]|
エフラム王子、ケガはない?▼~
:[エフラム]|
ああ、大丈夫だ。▼~
あと、王子と呼ぶ必要はない…~
エフラムでいい。~
今の俺は、一介の傭兵だからな。▼~
:[ユアン]|
じゃあ、エフラムって~
呼ばせてもらうね。▼~
でも、本当にルネス王国の~
エフラム王子だったなんて…~
最初から言ってくれればいいのに!▼~
:[テティス]|
あら。ユアンが一人で~
『そっくりさん』だと~
思い込んでいただけじゃないの。▼~
:[ユアン]|
だって…~
王子様が傭兵をやるなんて~
普通思わないよ。▼~
:[ジスト]|
ああ。~
それにしてもエフラム、~
若いのに大した腕だな。▼~
貴族様の上品な武芸じゃない、~
確実に敵を仕留めにかかる戦いぶり…~
まさしく傭兵の槍だ。▼~
:[マリカ]|
今まで私が見た槍使いの中でも~
五本の指に入る。▼~
:[エフラム]|
そうか。足手まといに~
なっていないならなによりだ。▼~
:[ジスト]|
リオンの助言も役に立ったぜ。~
周囲の地形を一目見ただけで~
敵の布陣をすべて言い当てるとは。▼~
軍師向きの見事な才能だ。~
皇帝として玉座に座らせとくのは~
惜しいな。▼~
:[リオン]|
ジスト団長、先ほどの盗賊たちは~
村の収穫期を狙って~
襲ってきたのでしょうか?▼~
:[ジスト]|
そうだな。この時期は~
あいつらにとってかき入れ時だ。▼~
自警団がいない村はこの時期だけ~
俺たちのような傭兵を雇って~
荒くれ者たちの襲撃に備えるのさ。▼~
:[テティス]|
むしろ、戦争にかり出されるよりも~
今日みたいな依頼のほうが多いわね。▼~
:[エフラム]|
……▼~
***B [#a057a3d2]
:[テティス]|
ふぅ…今日もお疲れさま。~
頑張り過ぎて~
すっごく汗かいちゃった。▼~
:[ユアン]|
お姉ちゃん、僕の活躍見てくれた!?~
魔道の腕、すごく上達したでしょ?▼~
:[テティス]|
ちゃんと見てたわよ。~
ユアンも、もうすっかり一人前ね。▼~
:[エフラム]|
……▼~
:[マリカ]|
エフラム…?▼~
:[エフラム]|
…なぜこの村には~
どこの国の兵も~
助けにこないんだ?▼~
:[テティス]|
……▼~
それはね、この村が~
棄てられた村だからよ。▼~
:[リオン]|
棄てられた村?~
それはいったい、どういう…▼~
:[テティス]|
酒場で聞いた話なのだけど…▼~
この村はもともと今よりも~
ずっと豊かで栄えていたの。▼~
でも、この村を挟むふたつの国が~
領有権を巡って代々争い続け、~
村もその戦いに巻き込まれ続けた…▼~
:[エフラム]|
……▼~
:[テティス]|
そのうち、村の土地はやせ細り、~
今はエンブラ…~
その国の領地ではあるけれど、▼~
その国にとって何の価値もない、~
棄てられた村になったのよ。▼~
:[ユアン]|
棄てられた村、か…~
似てるね、僕とお姉ちゃんに。▼~
:[リオン]|
領有権を主張するということは~
税を集めるだけではなく~
領民を保護する必要も生じる…▼~
つまりは、その価値すらないと~
判断された村だと…▼~
:[テティス]|
アスク王国が村を救おうとすれば、~
その領地を治めるエンブラ貴族を~
巻き込んだ戦の火種になる…▼~
助けてあげたい、って気持ちだけで~
国が動けるほど~
単純な情勢じゃないみたいね。▼~
:[ジスト]|
傭兵は権力者の手駒になることだけが~
仕事じゃない。▼~
力を持たぬ者、戦いたくても戦えぬ者、~
そうした弱き者たちの矛になることも~
傭兵として大切な仕事だ。▼~
:[エフラム]|
弱き者たちの矛に…なること…▼~
:[ジスト]|
ここが棄てられた村であろうがなかろうが~
生きるために傭兵を必要とするなら~
俺たちは全力で戦うだけさ。▼~
:[ユアン]|
難しいことはよくわからないけど~
僕は隊長についていくって決めてるんだ。▼~
隊長は困ってる人を絶対に~
見捨てないって知ってるからね。▼~
:[マリカ]|
私も同じ。~
隊長のもとで剣を振るうことが…~
きっと私の剣が一番活きるから。▼~
:[テティス]|
生きていくためには~
確かにお金も必要よ。▼~
でも…私たちジスト傭兵団は~
お金よりも大切なもののために~
戦っているの。きっと…ね。▼~
:[エフラム]|
信念…いや、覚悟か。~
それが、傭兵として生きる上での…▼~
……▼~
***A [#ice377e0]
:[リオン]|
エフラム、もうすぐ城に着くよ。~
今回の仕事…誰もケガすることなく~
完遂できて本当によかった。▼~
村の人たちにも~
喜んでもらえたしね。▼~
:[エフラム]|
……▼~
リオン、どうやら俺にはまだ…~
傭兵になる資格はなかったようだ。▼~
:[リオン]|
どうして…そう思ったの?▼~
:[エフラム]|
傭兵に必要なのは~
武だけではなかった。▼~
傭兵としてどう生きるか…~
その信念と覚悟が、俺にはまだ~
備わっていなかったようだ。▼~
:[リオン]|
確かに君の槍の腕は~
どの世界でもきっと~
抜きん出ていると思うよ。▼~
そして、君ほど強かったら…~
高いお金を出して雇いたい人も~
きっと大勢いるだろうね。▼~
:[エフラム]|
しかし、金のために力を切り売りしても…~
その先に、俺が求める~
未来があるわけではない。▼~
大陸一の傭兵というのは~
ただ腕の立つ兵のことを~
指すのではないだろうな…▼~
弱き者に寄り添い、~
命がけで守ろうとする覚悟…▼~
まず磨くべきは~
槍の腕ではなく、己の心だ。▼~
:[リオン]|
エフラム…~
うん。そうだね、きっと。▼~
:[ジスト]|
よお、エフラムにリオン。~
今回は世話になったな。▼~
お前らみたいな凄腕傭兵が~
世界にあふれちまったら~
俺たちはたちまち廃業だぜ。▼~
:[リオン]|
いえ…こちらこそ~
お世話になりました。▼~
:[ジスト]|
おっと、忘れるところだった。~
これを取っときな。▼~
:[リオン]|
この革袋は金貨、ですか?▼~
:[ジスト]|
もともとの報酬が少ないから~
分け前もたいしたことねえが…~
お前たちが自分の力で稼いだ金だ。▼~
:[エフラム]|
……~
傭兵として初めて稼いだ金だ。~
大切に取っておこう。▼~
:[リオン]|
そうだね、僕もそうするよ。~
今回のことで~
僕もいろいろ学べたよ。▼~
王は民を守るべきもの…~
でも、違う国の民は…?~
敵国の民は…?▼~
僕が学んできた学問とは違う。~
正解のない、難しい問い…▼~
それを考え続けるのも…~
為政者の務めなんだろうね。▼~
:[エフラム]|
そういえば…ジスト団長。~
どうして俺を傭兵団に~
同行させてくれたんだ?▼~
純粋に、俺の腕を~
買ってくれただけだとは…~
思えないが。▼~
:[ジスト]|
あー、それな…▼~
昔、俺の知り合いにもいたんだよ。~
『世界一の傭兵になる!』って~
息巻いていた奴がな。▼~
:[リオン]|
エフラムと同じだね。~
それで、そのご友人は…▼~
:[ジスト]|
…死んじまったよ。~
夢が叶う前にな。▼~
だからかな…~
あいつに似たエフラムを~
放っておけなかったのさ。▼~
:[エフラム]|
……▼~
:[ジスト]|
アスク王国の戦いにカタがついて~
どこかで再会することがあれば…~
ジスト傭兵団はいつでも歓迎するぜ。▼~
:[ユアン]|
えっ!? なになに、エフラム。~
ジスト傭兵団に入ってくれるの!?▼~
:[テティス]|
あら、大歓迎よ。~
あなたの槍と私の踊りがあれば~
どんな敵にも負けないんじゃないかしら。▼~
:[マリカ]|
歓迎する。~
毎日、手合わせができる…▼~
:[エフラム]|
ありがとう、みんな。▼~
そのときに傭兵として生きていく~
覚悟と信念が出来ていたら…~
改めて話をさせてくれ。▼~
その日が来るまで~
俺は槍の腕だけではなく…~
心も磨いておくとしよう。▼~
:[ジスト]|
ああ、楽しみにしてるぜ…!▼~
**あどけなき魔道 ユアン [#v629543b]
***C [#mb605299]
:[シャロン]|
こんにちは、ユアンさん。~
アスク王国での生活には~
もう慣れましたか…?▼~
:[ユアン]|
こんにちは、シャロン王女!~
ヴァイス・ブレイヴの人たちも親切で~
すっかりここに馴染んじゃった。▼~
ここには、僕たちの国にはない~
変わったものがたくさんあって楽しいよ!▼~
:[シャロン]|
それはよかったです!~
知りたいことや気になることがあれば~
なんでも言ってくださいね。▼~
:[ユアン]|
このお城もすごいね。~
異界から来た、いろんな英雄がいるから~
大広間を歩くだけでも飽きないよ。▼~
僕のお師匠…サレフ様のような~
すごい力を持った魔道士だって~
たくさんいるんだよ!▼~
:[シャロン]|
エクラさんは~
強い英雄さんを呼んできてくださる~
才能がありますからね!▼~
もちろん、ユアンさんの力にも~
すっごく期待していますよ!▼~
:[ユアン]|
えへへ。そう言われると~
僕も頑張っちゃおうって~
気持ちになっちゃうね!▼~
でも…ここにいる英雄って~
親子の人たちも多いよね。▼~
:[シャロン]|
そうですね、言われてみれば、~
確かに多いかもしれません。▼~
:[ユアン]|
親子で一緒に戦えるっていうのは~
きっと心強いかもしれないね…▼~
……▼~
***B [#u8ab65ce]
:[シャロン]|
あの、ユアンさん…~
少しいいですか?▼~
:[ユアン]|
ん? なになに?~
ジスト傭兵団に頼み事?▼~
:[シャロン]|
いえ、先日ユアンさんとお話したとき~
気になったことがありまして。▼~
その…親子で一緒に戦えるのは~
心強いかもしれないって言ったユアンさんが~
どこかその…うまく言えないのですが…▼~
:[ユアン]|
寂しそうに見えた?▼~
僕は小さい頃に親に棄てられたからね。~
顔ももうあまり覚えていないんだ。▼~
もちろん、一緒に過ごした記憶も~
ほとんど残っていないよ。▼~
:[シャロン]|
そうだったんですね…▼~
:[ユアン]|
物心がついたころには~
お姉ちゃんが僕の親代わりになって~
苦労しながら僕を育ててくれた。▼~
だけど僕は、親を恨んではいないよ。▼~
二人だけで生き抜いてきたからこそ~
僕たちは強い絆で結ばれているからね。▼~
:[シャロン]|
ユアンさんは前向きなんですね!~
その考え方、素敵だと思います。▼~
:[ユアン]|
でも…▼~
親子で一緒に戦っている英雄を見ると~
やっぱりうらやましいなーって~
思っちゃう。▼~
思っちゃうけど…別に寂しくはないよ。~
今は、ジスト傭兵団が~
僕の家族みたいなものだしね!▼~
:[シャロン]|
家族…ですか。~
なるほど…▼~
***A [#m272508c]
:[シャロン]|
ユアンさーん!~
こちらにいたんですね!▼~
:[ユアン]|
ちょうど今、訓練が終わったとこだよ。~
って、シャロン王女。~
なんだかすっごくニコニコしてない?▼~
:[シャロン]|
ユアンさんにとって、ジスト傭兵団が~
家族のようなものだって言いましたよね?▼~
:[ユアン]|
う、うん。言ったけど…それが?▼~
:[シャロン]|
ジスト傭兵団だけじゃありませんよ。~
今やヴァイス・ブレイヴの全員が~
ユアンさんの家族みたいなものです!▼~
:[ユアン]|
ヴァイス・ブレイヴ全員って…~
いきなり大家族になっちゃうね。▼~
:[シャロン]|
それでですね。~
テティスさんがユアンさんの~
お母さん代わりと聞きましたので…▼~
今日はユアンさんの~
お父さん候補を連れてきました!~
それではみなさん、どうぞ!▼~
:[バアトル]|
このバアトルを父と呼ぶが良い!~
遠慮はいらん!~
さあ!▼~
:[ドルカス]|
俺もかつては傭兵だった…~
気持ちには寄り添えると思う。▼~
:[ハロルド]|
ユアンくん!~
ヒーローとして君の期待に応えよう!▼~
さあ、パパと呼んで~
私の胸に飛び込んでくるのだ!▼~
:[シャロン]|
どうです? ヴァイス・ブレイヴでも~
指折りのお父さん候補です!▼~
:[ユアン]|
こ、これはまたずいぶんと濃い…~
頼り甲斐のある英雄ばかりだね。▼~
でも、大丈夫だよ。~
みんなの気持ちは伝わったからさ。▼~
:[バアトル]|
遠慮はいらん、~
寂しくなったときは~
いつでも言うが良い!▼~
:[ドルカス]|
必要ならば…~
俺たちはいつでも力を貸す。▼~
:[ハロルド]|
君が望むなら、父親としてではなく~
ヒーローとしてずっと支えよう!▼~
:[ユアン]|
ありがとう、みんな!~
その気持ちだけでも本当に…~
本当にうれしいよ。▼~
***S [#mce8d301]
:[ユアン]|
シャロン王女、この前はありがとう。▼~
:[シャロン]|
あ、ユアンさん!~
実はですね、お父さん候補の第二陣も~
現在鋭意選考中でして…▼~
:[ユアン]|
そ、それはもういいから!▼~
:[シャロン]|
そうですか…~
今回は美形パパをメインに~
選んでみたのですが…▼~
:[ユアン]|
き、気持ちだけ…
気持ちだけ受け取っておくからさ!▼~
……▼~
僕は今まで、自分を育ててくれた~
お姉ちゃんに恩返ししたいと思って~
魔道の修行に打ち込んできたんだ。▼~
だけど…これからは~
新しくできた家族のためにも~
頑張っていこうかなって…▼~
:[シャロン]|
ユアンさん…!▼~
:[ユアン]|
家族のためになにができるか~
なにをするべきか…~
僕なりに考えてみるね。▼~
:[シャロン]|
そうです、たとえ血が繋がっていなくとも~
わたしたちは絆で繋がった家族です!▼~
支え合って助け合って~
前に進んでいきましょうね!▼~
:[ユアン]|
うん…! だからシャロン王女~
これからもよろしくね。▼~
:[シャロン]|
はい!▼~
:[ユアン]|
…お姉ちゃん…~
みなし子だった僕たちに~
こんなにたくさん…▼~
こんなにたくさんたくさん…~
素敵な家族が出来たよ。▼~
ジスト隊長やマリカたち、~
それにヴァイス・ブレイヴのみんなもいる。▼~
生きていれば~
こんな素敵なこともあるんだね…!▼~
今まで僕を育ててくれてありがとう。~
お姉ちゃん…▼~
お姉ちゃんや家族の笑顔を守れるよう~
僕、頑張るよ。~
英雄の…一人として!▼~
**艶美の舞 テティス [#ca18cd1a]
***C [#z25c8c45]
:[テティス]|
はっ…! やっ……!~
ここで…大きく手を広げてターン…▼~
ふぅ、いい感じ。~
やっぱりこのほうが~
踊りも見栄えがするわね…▼~
……▼~
…そこに木の陰にいるのは誰かしら?~
なにか私にご用?▼~
:[フィヨルム]|
……!▼~
あ、あのっ、その…!~
れ、練習の邪魔をしてすみません!▼~
:[テティス]|
あら…?~
あなたはフィヨルム王女…▼~
どうしたの?~
もしかして、アンナ隊長から~
伝令でもあるのかしら?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ…そういうわけでは…!~
な、なんといいますか、その…▼~
:[テティス]|
……?▼~
:[フィヨルム]|
お、お邪魔してしまい~
申し訳ありません!~
失礼します…!▼~
:[テティス]|
あっ、フィヨルム王女!~
行っちゃったわね…▼~
いったい、なんの用だったのかしら。~
恋の相談のようには~
見えなかったし…▼~
まあ、あのくらいの年頃は~
いろいろと複雑だしね。▼~
機会があったら~
探りを入れてみようかしら…▼~
***B [#h11482b4]
:[フィヨルム]|
あ、あの…テティスさん。~
少しよろしいでしょうか…▼~
:[テティス]|
あら、フィヨルム王女。▼~
もちろん大丈夫よ。~
ちょうど踊りの練習も終わったばかり…~
って、また見てたんでしょ?▼~
:[フィヨルム]|
重ね重ね…すみません。▼~
:[テティス]|
この前もだけど…~
なにか言いたいことが~
あったんじゃないの?▼~
:[フィヨルム]|
そのことなのですが…▼~
テティスさんの踊りがとても華麗で~
つい見惚れてしまいまして…▼~
:[テティス]|
あら、うれしいわね。~
王女様にお褒めの言葉を~
頂けるなんて、光栄よ。▼~
:[フィヨルム]|
優雅な足の運びと手の動き。▼~
その域に達するには~
持ち合わせた才能ももちろんですが~
相当の努力があったのでしょうね…▼~
:[テティス]|
その予想は…~
半分はあってるけど~
半分は間違っているわね。▼~
:[フィヨルム]|
え…?~
それはどういう…▼~
:[テティス]|
確かに努力は人一倍重ねたわ。~
でも、私には…~
踊りの才能なんてなかったのよ。▼~
:[フィヨルム]|
ですが、そんなに素晴らしい~
踊りを極められていますし~
才能もあったのでは…▼~
:[テティス]|
私が踊りを続けられたのは~
才能があったからじゃあないわ。▼~
私と弟が生きていくためには~
これしか方法がなかったからなの。▼~
:[フィヨルム]|
……!▼~
***A [#m989bdef]
:[テティス]|
弟のユアンがまだ幼かった頃~
私たちは、親に棄てられたの。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[テティス]|
私たちを棄てた親を最初は~
恨みもしたけど、恨むだけでは~
お腹は膨れない。▼~
誰にも頼らずに二人だけで~
生きて行く方法を…~
私は必死に探したわ。▼~
その最中に…出会ったのよ。~
街角で、とある踊り子が~
踊っていたステージにね。▼~
私に踊りの才能はなかったけど~
直感的に感じたわ。▼~
私と弟が生きていくためには~
これしかないってね。▼~
:[フィヨルム]|
それが…テティスさんの~
踊りとの出会いだったのですね。▼~
:[テティス]|
最初は散々だったわ。~
リズム感もなければ~
踊るための靴もない…▼~
ボロ切れのような服を来て~
足の血マメが全部割れるまで~
必死に踊りの練習を続けたわ。▼~
私には才能がないかもしれない…~
すべては無駄に終わるかもしれない…▼~
今思うと、不安と絶望を相手に~
毎日踊っていたようなものね。▼~
:[フィヨルム]|
ですが、それでも…テティスさんは~
踊ることをやめなかったんですよね?▼~
:[テティス]|
そうね。踊りをやめるということは~
私たちの未来を閉ざすということ。▼~
弟を守らなきゃ…~
その決意があったからこそ私は~
踊り続けることができたのよ。▼~
:[フィヨルム]|
私…わかった気がします。~
どうしてテティスさんの踊りに~
これほどまでに惹かれるのか。▼~
テティスさんは、いつだって~
大切なものを守るために~
踊っている…▼~
私は、踊りに込められた~
想いに惹かれたのだと~
そう…思うのです。▼~
***S [#r21ec31b]
:[フィヨルム]|
あの、テティスさん。~
今日はお願いがあって参りました。▼~
:[テティス]|
あら、なにかしら。~
私にできることなら喜んで。▼~
:[フィヨルム]|
これは、テティスさんにしか~
できないことなのですが…▼~
いつかすべての戦いが終わって~
平和な世の中になったら…~
私にも踊りを教えてくれませんか?▼~
:[テティス]|
私の踊りを…?▼~
フィヨルム王女には舞踏会の~
ダンスが似合うんじゃない?▼~
踊りに自信と誇りはあるけど~
私のは我流で大衆向けのものよ。~
王女様が踊るものじゃあないわ。▼~
:[フィヨルム]|
いいえ、テティスさんに~
教えてほしいのです。▼~
私にはテティスさんの踊りが~
なによりも美しく感じたのですから。▼~
:[テティス]|
……▼~
:[フィヨルム]|
その踊りはテティスさん自身が~
生き抜いてきた証と言えるもの。▼~
私が真似できるとは思いませんが~
兄妹を笑顔にすることくらいは~
できるのではないか…と。▼~
すみません、こんな勝手なお願いで…▼~
:[テティス]|
フィヨルム王女…あなたも~
誰かのために踊りたいのね。~
ふふっ、いいわ。教えてあげる。▼~
この世界に平和が訪れて~
戦場で踊る必要がなくなったら…▼~
そのときは、一緒に踊りましょう。~
誰かを笑顔にできる踊りを、ね。▼~
:[フィヨルム]|
はい…!~
私、その日が来るのを~
ずっと楽しみにしていますね!▼~
**砂漠の虎 ジスト [#x5c24111]
***C [#jff39d9d]
:[ジスト]|
しっかし…驚いたぜ。~
まさか異世界に、ジスト傭兵団が~
勢揃いしているなんてな…▼~
:[ユアン]|
僕も驚いたよ。~
でも、隊長やみんなと一緒なら~
怖いものなしだね!▼~
:[テティス]|
マリカは私たちより一足早く~
アスク王国に来てたのよね?▼~
:[マリカ]|
そう。~
だから、みんなよりも~
少しこの世界を知ってる…▼~
:[ジスト]|
そいつは助かるな。~
今はひとつでも多く情報が欲しい。~
頼りにしてるぜ。▼~
:[マリカ]|
隊長、そのこと…だけど。▼~
この城には、いろいろな世界から~
英雄が召喚されている。▼~
傭兵も多い。▼~
:[ジスト]|
同業者がたくさんってわけか。~
道理で知らない場所じゃないような~
気がしたわけだ。▼~
:[テティス]|
私たち傭兵は~
独特の匂いがあるからね。▼~
:[ユアン]|
え? そ、そうなの?~
お姉ちゃんからはいい匂いしか~
しないけどなぁ…▼~
:[ジスト]|
んじゃ…~
歴々のご同輩に挨拶しておくか。▼~
どんな力量をもっているのか~
背中を預けていい人間なのか~
見極めとく必要もあるしな。▼~
:[マリカ]|
それなら…アンナ隊長に~
案内を頼むのがいいと思う。▼~
:[ジスト]|
金は…取られないだろうな?▼~
:[マリカ]|
それくらいなら~
大丈夫だと思う…けど。▼~
:[ジスト]|
んじゃ、ちょっくら行ってくる。~
皆はいつでも出撃できるように~
準備を整えていてくれ。▼~
:[テティス]|
隊長、~
喧嘩売るようなことしちゃダメよ。▼~
:[ジスト]|
しねぇよ!~
ったく、ガキじゃあるまいし…▼~
***B [#v594058e]
:[アンナ]|
そうねぇ…~
確かにヴァイス・ブレイヴには~
傭兵が多いかもしれないわね。▼~
もちろん、王族も多いんだけど~
次いで多いぐらいかも。▼~
えーと…この辺でいつも~
訓練しているはずなんだけど…~
あ、いたいた!▼~
:[オグマ]|
誰かと思えば…アンナ隊長。~
俺になにか用か?▼~
:[アンナ]|
紹介したい人がいるの。~
こちら、ジスト傭兵団を率いる~
ジスト隊長よ。▼~
:[ジスト]|
ジストだ。これからアスク王国に~
世話になることになった。~
よろしく頼む。▼~
:[オグマ]|
話には聞いていた。~
会えて光栄だ。▼~
:[ジスト]|
……▼~
間違っていたらすまないが~
あんた、もしかして剣闘士…~
いや、剣奴の出身じゃないのかい?▼~
:[オグマ]|
なぜ、わかった…?▼~
:[ジスト]|
あんたの身体に残っているその傷…~
真っ当な装備で戦えば~
付くような傷じゃねぇ。▼~
見世物のように無理矢理~
戦うことを強いられねぇと…~
そんな傷はつかねぇよ。▼~
しかも、ろくな手当も行われず~
傷が残ることを免れなかった…となると~
剣奴だったのかと察しがつく。▼~
:[オグマ]|
……なるほど、~
【砂漠の虎】の名前は伊達ではないな。▼~
こちらからもひとつ尋ねるが~
ジスト。お前の顔に残る、その傷は…?▼~
:[ジスト]|
こいつは、若い頃に調子に乗ったツケ。~
自分に対する戒めのようなもんだ。▼~
血気盛んだった俺は~
自分の限界もわきまえずに~
勝てるはずもない敵に挑んじまった。▼~
結果、俺はこんな傷を負わされたが~
相手は命までは取らずに見逃してくれたよ。~
それだけ…俺は哀れだったんだろうな。▼~
:[オグマ]|
…………▼~
:[ジスト]|
それから鏡でこの傷を見るたびに~
慢心しないように戒めている。▼~
仲間に…こんな傷を負わせるわけには~
いかないからな。▼~
:[オグマ]|
ジスト…お前は~
信頼するに値する傭兵のようだ。▼~
アンナ隊長、~
また頼れる仲間が加わったようだな。▼~
:[アンナ]|
ええ、とっても心強いわ!▼~
ジスト隊長は腕前だけじゃなく~
人望もあるみたいだし~
ときどき隊長を代わってくれないかしら。▼~
:[ジスト]|
おいおい、俺は自分のところの~
傭兵団をまとめるだけで手一杯だぜ。~
んじゃ、次に行こうか…!▼~
***A [#m25aabf0]
:[アンナ]|
次は…ええと、~
あとはグレイル傭兵団かしら。▼~
グレイル傭兵団には~
一騎当千の英雄が揃っているのよ。▼~
:[ジスト]|
団長のアイクってのは、まだ若いんだろ?~
それで傭兵団をまとめているってことは~
相当な手練れなんだろうな。▼~
:[ティアマト]|
あら、アンナ隊長…~
グレイル傭兵団になにかご用ですか?▼~
:[アンナ]|
ちょうど良かった!~
これから、あなたたちのところを~
訪ねようとしていたところなの。▼~
:[ティアマト]|
こちらの方は…?▼~
:[ジスト]|
ジスト傭兵団のジストだ。~
この城には同業者が~
たくさんいると聞いてな。▼~
挨拶回りをしているってわけだ。▼~
:[ティアマト]|
なるほど、そういうことだったのね。▼~
私はグレイル傭兵団副長のティアマト。~
どうぞこちらへ。案内するわ。▼~
~
(暗転)
:[ジスト]|
…ってわけだ。妙な世界に来たもんだが~
こうして共に戦えるのも何かの縁だ。~
これからよろしく頼むぜ。▼~
:[アイク]|
ああ、よろしく頼む。▼~
…………▼~
:[ジスト]|
…………▼~
:[アイク]|
…………▼~
:[ティアマト]|
ご、ごめんなさいね。~
アイクは誰に対しても~
いつもこんな感じなの。▼~
:[ジスト]|
いや、別に構わねえぜ。~
ベラベラと舌を回すよりも~
傭兵は行動で示すもんだからな。▼~
:[セネリオ]|
ジスト傭兵団…でしたか。▼~
今回は同じ雇い主…ですが、~
我々は傭兵です。状況次第では~
敵味方に分かれる可能性もある。▼~
:[ジスト]|
…………▼~
:[セネリオ]|
我々は我々。あなた方はあなた方。~
戦場ではそのようにお願いします。~
お互い手の内を晒して得なことはありません。▼~
あなたもよくご存知の通り、~
今日の味方が、明日の敵かもしれない。~
それが傭兵ですから…▼~
:[ティアマト]|
セネリオ、それはそうだけど…▼~
:[ジスト]|
まあ…確かにそうだな。~
その考えは間違っちゃいないさ。▼~
:[アイク]|
……▼~
ジスト団長。もしよければ…~
あんたが傭兵をやっている理由を~
聞かせてくれないか。▼~
:[ジスト]|
……▼~
ああ、いいぜ…▼~
***S [#n401c900]
:[ジスト]|
…俺が傭兵をはじめたきっかけは~
強くなりてえとか、金がほしいとか~
そんな立派なもんじゃねぇ。▼~
傭兵になったダチのことが心配で~
ただそれだけで、この世界に入ったのさ。▼~
ま、それまでの俺は~
人生の目的なんてのもなかったし…~
生き方を変えるにはいい機会だったよ。▼~
:[アイク]|
その友人は…今も同じ傭兵団に?▼~
:[ジスト]|
いや…死んじまったよ。~
俺より先にな。▼~
俺はそいつに死んで欲しくないから~
傭兵を続けていたようなもんだ。▼~
でも…そいつがいなくなったせいで~
最初の目的は見失っちまったな。▼~
:[セネリオ]|
ですが、~
あなたは今も傭兵を続けている。▼~
:[ジスト]|
気がついたらな…~
死んでほしくない新しい仲間が~
まわりに増えてたんだよ。▼~
ダチの命は守れなかったが~
俺にはまだ守るものがあった。▼~
俺はな、俺より先に…~
あいつらに死んでほしくねぇ。~
だから傭兵を続けているのさ。▼~
:[アイク]|
守りたいものがあるから、か…▼~
:[ジスト]|
確かに俺たちは金で雇われ~
雇い主のために剣を振るう存在だ。▼~
しかし、弱者を傷つけたり~
筋が通らねえような依頼…▼~
そしてなにより~
仲間が生きて帰れないような依頼は~
絶対に受けねえ。▼~
それが…ジスト傭兵団だ。▼~
:[アイク]|
……▼~
:[ジスト]|
……▼~
:[アイク]|
……▼~
セネリオ…俺にはわかる。~
ジスト傭兵団が俺たちと敵対することは~
この先、絶対にないだろう。▼~
:[ティアマト]|
私も同じ意見よ。~
だって似ているもの、私たち。▼~
:[セネリオ]|
…話の途中から、~
そんなことになるだろうとは~
思っていましたよ。▼~
グレイル傭兵団の団長はアイクです。~
アイクがそう決めたのなら、~
僕も同じ道を進むだけです。▼~
ジスト隊長…~
先ほどの非礼をお詫びします。▼~
:[ジスト]|
いや…謝る必要はないさ。▼~
あんたのようなしっかりした~
参謀がついているのも~
グレイル傭兵団の強さだと感じたよ。▼~
:[アンナ]|
ほっ、丸く収まってよかった。~
傭兵団同士でケンカなんかはじめたら~
収拾つかなくなっちゃうもの…▼~
:[アイク]|
ジスト団長、俺はあなたを信頼する。~
同じ傭兵として、雇い主…~
アスク王国のために力を貸してほしい。▼~
:[ジスト]|
ああ、そのつもりさ。~
力を合わせて戦い抜こうぜ。~
一人の仲間も欠くことなく…な。▼~
**比翼の王子と皇子 エフラム [#x7c5a9ce]
***C [#k09804cb]
:[リオン]|
エフラム…僕は思うんだ。~
君は決して~
学問が苦手なわけじゃない。▼~
ただ、書物というものが~
ちょっとだけ苦手なだけなんだよ。▼~
:[エフラム]|
そうは言われてもな…▼~
:[アルフォンス]|
おや、エフラム王子にリオン皇子…~
図書館になにかご用だったのですか?▼~
:[リオン]|
ごきげんよう、アルフォンス王子。▼~
実は、アスク王国の書物をお借りして~
二人で歴史を学んでいたのですが…▼~
:[エフラム]|
人には向き、不向きがある…▼~
:[リオン]|
それを努力で克服するのも~
また人のあるべき姿だよ。▼~
:[アルフォンス]|
自分もどちらかというと~
座学は苦手なので~
エフラム王子の気持ちはわかります。▼~
ですが、王族としての務めを果たすため…~
自分なりに日々努力だけは重ねています。▼~
:[リオン]|
聞いた、エフラム?~
アルフォンス王子は国を治める~
資質を大いにお持ちだよ。▼~
僕たちもアルフォンス王子を見習おう。▼~
:[エフラム]|
ああ、尊敬する。~
アルフォンス王子…~
どうか頼みがある。▼~
今日は俺の分まで~
この書を読んでおいてくれないか…▼~
:[リオン]|
それじゃ意味がないよ…!▼~
:[アルフォンス]|
この国の歴史についてでしたら、~
よろしければ僕からお話ししましょうか?▼~
:[エフラム]|
助かる。~
前も、リオンに教えてもらった方が~
書物よりわかりやすかった。▼~
:[アルフォンス]|
では、~
我が国の建国の祖リーヴと~
神竜アスクの伝承から…▼~
***B [#qb46839c]
:[エフラム]|
そこでもう一歩踏み込んで…~
一気に槍を突き出すんだ。~
槍自体の重さを利用するように!▼~
:[リオン]|
こ、こうかな…うわ、わわっ!▼~
い、いたた…~
槍の重さに僕自身が~
振り回されちゃったよ…▼~
エフラム、やっぱり僕には~
戦いは向かないよ…▼~
君みたいに格好良く~
槍を振るうなんてとても…▼~
:[エフラム]|
向き不向きを努力でなんとかするのも~
人として大切…と言ってなかったか?▼~
:[リオン]|
…でも、僕の場合は、努力で~
どうこうなるものじゃない気がするんだ…▼~
エフラムやエイリークのように~
武の才に恵まれているわけではないし…▼~
なにより一番の問題は…~
僕は人と争うのが苦手なんだよ。▼~
:[エフラム]|
確かに、お前は優しいからな…▼~
しかし、リオンのそばに~
俺がいるときなら問題ないが~
いつもそうだとは限らない。▼~
だから、せめて自分で自分の身を~
守れるくらいにはなってもらわないとな。▼~
:[アルフォンス]|
エフラム王子、リオン皇子~
今日は槍の稽古ですか?▼~
:[リオン]|
あ、アルフォンス王子。~
見ての通り…この前とは~
立場がまったく逆だよ。▼~
:[エフラム]|
書を読むよりも~
簡単なことだと思うがな…▼~
:[アルフォンス]|
ふふっ、エフラム王子らしい~
感想ですね…▼~
:[エフラム]|
そういえば…~
妹君のシャロン王女は~
槍の使い手と聞くが。▼~
今度、リオンの稽古に~
付き合ってくれないだろうか。▼~
:[リオン]|
ええっ!?~
ま、まだやるの…?▼~
:[アルフォンス]|
わかりました。~
今度、妹に伝えておきますね。▼~
:[リオン]|
はあ…▼~
***A [#t3e38346]
:[アルフォンス]|
エフラム王子とリオン皇子の関係は~
とても素晴らしいですね。▼~
互いが互いを信頼し、~
支え合っているように見えます。▼~
:[エフラム]|
俺たちは、~
互いの国に行き来し、~
互いの国のこともよく知っている。▼~
それぞれの長所を活かせば~
ルネスとグラドはもっと繁栄する。~
リオンもそう思うだろう?▼~
:[リオン]|
そうだね…▼~
ルネス王国とグラド帝国の民が~
お互いに支え合えば~
きっと豊かな国になるだろうね。▼~
でも、民たちがみんな、僕たちみたいな~
信頼関係を築けるわけじゃない。▼~
さまざまな事情が複雑に絡み合い~
肩を組むことができない人々だって~
いるかもしれない…▼~
:[アルフォンス]|
……▼~
:[リオン]|
でもね、エフラムが~
そう考えてくれていることは~
僕はとってもうれしいよ。▼~
:[エフラム]|
リオン…▼~
俺とお前がいれば~
きっと多くの人々を~
幸せにできるはずだ。▼~
俺はそう…信じている。▼~
:[リオン]|
そうだね、僕も努力してみるよ。~
君の夢を叶えることは~
僕の夢を叶えることと同じだからね。▼~
そのためにも…まずは~
アスク王国を平和にしないとね。~
がんばろう、アルフォンス王子。▼~
:[アルフォンス]|
はい!▼~
***S [#l73977c5]
:[アルフォンス]|
……▼~
:[エフラム]|
どうした、アルフォンス王子。~
なにか悩み事か…?▼~
:[アルフォンス]|
いえ、悩み事というか…▼~
ヴァイス・ブレイヴに~
大切な友がいたんです。▼~
ですが…彼と僕は意に添わぬ形で~
離ればなれになってしまい~
別の道を歩むことになってしまいました。▼~
ずっと、ともに歩いていけると~
思っていた、大切な…親友でした。▼~
:[リオン]|
なにか事情があって~
道を違えてしまったんだね。▼~
…エフラム。~
僕たちも…~
ずっと同じ道を歩けるとは限らない。▼~
もしかしたら…~
二人が予期してもいない~
未来が待ち受けているかも…▼~
:[エフラム]|
大丈夫だ。~
俺とお前は、ともに同じ道を歩いていく。▼~
:[リオン]|
そうだね…~
そうありたいと僕も思うよ。▼~
ねえ…~
この先、なにがあったとしても~
僕はエフラムの選択を信じるから。▼~
だからエフラムも~
君自身の選択を信じてほしい。~
それが、僕の願いだよ。▼~
:[エフラム]|
わかった…約束しよう。▼~
:[リオン]|
アルフォンス王子…~
その親友も、君がどんな選択をしても~
きっと咎めることはないだろう。▼~
たとえ、お互いの立場が変わったとしても~
友として過ごした時間は変わらない。▼~
その間に培われた信頼は~
未来永劫揺らぐことはないのだから。▼~
:[アルフォンス]|
はい…! 僕も彼を信じます。~
彼のためになにができるのかを考え~
希望を捨てずに前に進みます。▼~
いつの日か…友人に戻れる日が~
来ることを信じて。▼~
*コメント [#a1e57e07]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*傭兵たちの背中 [#zf80b2cf]
#contents
**傭兵たちの背中 [#l974ce97]
***オープニング [#k114e94e]
:[エフラム]|
リオン、俺は思うんだ。▼~
俺たちは、~
この世界に平和をもたらすために~
アスク王国に召喚された。▼~
しかし同時に…自分の新しい可能性を~
試すために、この世界に~
呼ばれたのではないか…ともな。▼~
:[リオン]|
珍しいね、エフラムがそんな哲学的…~
いや、自分の考えを口に出して~
聞かせてくれるなんて。▼~
:[エフラム]|
だから俺は、アスク王国一の~
傭兵になろうと思う。▼~
:[リオン]|
うん…いつものエフラムだね。▼~
自分の可能性を試したい…~
そういう理由で話してるんだろうけど▼~
その結論に至るまで~
いろいろなものを~
飛ばしてしまっていない?▼~
:[エフラム]|
…俺はもともと、ルネス王国の▼~
王子としての肩書きとは関係なく~
槍一本で人生を切り拓きたい…▼~
マギ・ヴァル大陸一の傭兵に~
なりたいと、そう思っていたんだ。▼~
もしかすると、この世界で~
俺の願いは叶うかもしれない。▼~
いやむしろ、俺はそのために~
アスク王国に呼ばれたのでは…?▼~
:[リオン]|
お、落ち着いてエフラム。~
いきなりそんなことを言い出したら~
まわりのみんなも困ってしまうよ。▼~
:[ジスト]|
へぇー、大陸一の傭兵ね。~
エフラム王子には~
そんな野望があったのか。▼~
…おっと、すまないな。~
立ち聞きするつもりはなかったんだが。▼~
:[リオン]|
ジスト団長…!~
その、先ほどの話は内密に…▼~
:[エフラム]|
なぜ内密にする必要がある。~
俺は誰にもはばかることなく~
自分の夢を語りたい。▼~
:[リオン]|
…エイリークが怒るよ。▼~
:[エフラム]|
…………▼~
:[ジスト]|
エフラム王子…~
傭兵に興味があるのなら~
ウチに来ないか?▼~
:[エフラム]|
ジスト傭兵団に?▼~
:[ジスト]|
実はな、俺たちは明日から~
遊撃部隊として城を離れるんだ。▼~
アスク王国を取り巻く状況を~
自分たちの目で確認しておきたくてな。~
アンナ隊長にも許可をもらっている。▼~
:[リオン]|
なるほど。傭兵にとって情報は命…~
アスク王国においても~
独自の情報網を作るつもりですね。▼~
:[ジスト]|
無論、なにかあったら~
すぐに城に戻るという約束でな。▼~
どうだ、エフラム王子。~
俺たちにつきあわないか?▼~
:[エフラム]|
是非頼みたい。▼~
ルネス王国の王子ではなく~
一人の傭兵として…~
俺も同行させてくれ。▼~
:[リオン]|
エ、エフラム!~
そんな簡単に…!▼~
:[ジスト]|
よし、なら決まりだな…!~
おっと、団員たちも来たようだ。▼~
みんな、紹介するぞ。~
今日からジスト傭兵団に~
お試し加入したエフラムだ。▼~
:[ユアン]|
エフラム? ふーん…~
ルネス王国の王子様と同じ名前だね。~
あれ、なんだか顔も似てるような…?▼~
:[テティス]|
私はテティス。よろしくね。~
ふぅん、今回の旅は面白くなりそう。▼~
:[マリカ]|
…よろしく。▼~
:[エフラム]|
足手まといだと思ったら~
いつでも解雇してもらっていい。~
覚悟を持ってついていく所存だ。▼~
:[リオン]|
…君だけじゃ心配だよ。~
僕もついていこう。▼~
:[エフラム]|
いいのか?▼~
:[リオン]|
あとでエイリークに謝るための~
言い訳も探さなくちゃいけないしね。▼~
:[ジスト]|
ま、仲良くやろうぜ。~
それじゃ準備ができ次第出発だ。▼~
:[エフラム]|
試してみるか…~
俺の槍がどこまで通用するかを。▼~
***C [#r86fe0d2]
:[ジスト]|
よし…! 深追いする必要はない。~
あれだけ痛めつけたら~
やつらも数日は手を出せないだろう。▼~
:[テティス]|
ふぅ…お疲れさま。~
辺境の盗賊相手と言っても~
数で押してくるからタチが悪いわね。▼~
:[ユアン]|
エフラム王子、ケガはない?▼~
:[エフラム]|
ああ、大丈夫だ。▼~
あと、王子と呼ぶ必要はない…~
エフラムでいい。~
今の俺は、一介の傭兵だからな。▼~
:[ユアン]|
じゃあ、エフラムって~
呼ばせてもらうね。▼~
でも、本当にルネス王国の~
エフラム王子だったなんて…~
最初から言ってくれればいいのに!▼~
:[テティス]|
あら。ユアンが一人で~
『そっくりさん』だと~
思い込んでいただけじゃないの。▼~
:[ユアン]|
だって…~
王子様が傭兵をやるなんて~
普通思わないよ。▼~
:[ジスト]|
ああ。~
それにしてもエフラム、~
若いのに大した腕だな。▼~
貴族様の上品な武芸じゃない、~
確実に敵を仕留めにかかる戦いぶり…~
まさしく傭兵の槍だ。▼~
:[マリカ]|
今まで私が見た槍使いの中でも~
五本の指に入る。▼~
:[エフラム]|
そうか。足手まといに~
なっていないならなによりだ。▼~
:[ジスト]|
リオンの助言も役に立ったぜ。~
周囲の地形を一目見ただけで~
敵の布陣をすべて言い当てるとは。▼~
軍師向きの見事な才能だ。~
皇帝として玉座に座らせとくのは~
惜しいな。▼~
:[リオン]|
ジスト団長、先ほどの盗賊たちは~
村の収穫期を狙って~
襲ってきたのでしょうか?▼~
:[ジスト]|
そうだな。この時期は~
あいつらにとってかき入れ時だ。▼~
自警団がいない村はこの時期だけ~
俺たちのような傭兵を雇って~
荒くれ者たちの襲撃に備えるのさ。▼~
:[テティス]|
むしろ、戦争にかり出されるよりも~
今日みたいな依頼のほうが多いわね。▼~
:[エフラム]|
……▼~
***B [#a057a3d2]
:[テティス]|
ふぅ…今日もお疲れさま。~
頑張り過ぎて~
すっごく汗かいちゃった。▼~
:[ユアン]|
お姉ちゃん、僕の活躍見てくれた!?~
魔道の腕、すごく上達したでしょ?▼~
:[テティス]|
ちゃんと見てたわよ。~
ユアンも、もうすっかり一人前ね。▼~
:[エフラム]|
……▼~
:[マリカ]|
エフラム…?▼~
:[エフラム]|
…なぜこの村には~
どこの国の兵も~
助けにこないんだ?▼~
:[テティス]|
……▼~
それはね、この村が~
棄てられた村だからよ。▼~
:[リオン]|
棄てられた村?~
それはいったい、どういう…▼~
:[テティス]|
酒場で聞いた話なのだけど…▼~
この村はもともと今よりも~
ずっと豊かで栄えていたの。▼~
でも、この村を挟むふたつの国が~
領有権を巡って代々争い続け、~
村もその戦いに巻き込まれ続けた…▼~
:[エフラム]|
……▼~
:[テティス]|
そのうち、村の土地はやせ細り、~
今はエンブラ…~
その国の領地ではあるけれど、▼~
その国にとって何の価値もない、~
棄てられた村になったのよ。▼~
:[ユアン]|
棄てられた村、か…~
似てるね、僕とお姉ちゃんに。▼~
:[リオン]|
領有権を主張するということは~
税を集めるだけではなく~
領民を保護する必要も生じる…▼~
つまりは、その価値すらないと~
判断された村だと…▼~
:[テティス]|
アスク王国が村を救おうとすれば、~
その領地を治めるエンブラ貴族を~
巻き込んだ戦の火種になる…▼~
助けてあげたい、って気持ちだけで~
国が動けるほど~
単純な情勢じゃないみたいね。▼~
:[ジスト]|
傭兵は権力者の手駒になることだけが~
仕事じゃない。▼~
力を持たぬ者、戦いたくても戦えぬ者、~
そうした弱き者たちの矛になることも~
傭兵として大切な仕事だ。▼~
:[エフラム]|
弱き者たちの矛に…なること…▼~
:[ジスト]|
ここが棄てられた村であろうがなかろうが~
生きるために傭兵を必要とするなら~
俺たちは全力で戦うだけさ。▼~
:[ユアン]|
難しいことはよくわからないけど~
僕は隊長についていくって決めてるんだ。▼~
隊長は困ってる人を絶対に~
見捨てないって知ってるからね。▼~
:[マリカ]|
私も同じ。~
隊長のもとで剣を振るうことが…~
きっと私の剣が一番活きるから。▼~
:[テティス]|
生きていくためには~
確かにお金も必要よ。▼~
でも…私たちジスト傭兵団は~
お金よりも大切なもののために~
戦っているの。きっと…ね。▼~
:[エフラム]|
信念…いや、覚悟か。~
それが、傭兵として生きる上での…▼~
……▼~
***A [#ice377e0]
:[リオン]|
エフラム、もうすぐ城に着くよ。~
今回の仕事…誰もケガすることなく~
完遂できて本当によかった。▼~
村の人たちにも~
喜んでもらえたしね。▼~
:[エフラム]|
……▼~
リオン、どうやら俺にはまだ…~
傭兵になる資格はなかったようだ。▼~
:[リオン]|
どうして…そう思ったの?▼~
:[エフラム]|
傭兵に必要なのは~
武だけではなかった。▼~
傭兵としてどう生きるか…~
その信念と覚悟が、俺にはまだ~
備わっていなかったようだ。▼~
:[リオン]|
確かに君の槍の腕は~
どの世界でもきっと~
抜きん出ていると思うよ。▼~
そして、君ほど強かったら…~
高いお金を出して雇いたい人も~
きっと大勢いるだろうね。▼~
:[エフラム]|
しかし、金のために力を切り売りしても…~
その先に、俺が求める~
未来があるわけではない。▼~
大陸一の傭兵というのは~
ただ腕の立つ兵のことを~
指すのではないだろうな…▼~
弱き者に寄り添い、~
命がけで守ろうとする覚悟…▼~
まず磨くべきは~
槍の腕ではなく、己の心だ。▼~
:[リオン]|
エフラム…~
うん。そうだね、きっと。▼~
:[ジスト]|
よお、エフラムにリオン。~
今回は世話になったな。▼~
お前らみたいな凄腕傭兵が~
世界にあふれちまったら~
俺たちはたちまち廃業だぜ。▼~
:[リオン]|
いえ…こちらこそ~
お世話になりました。▼~
:[ジスト]|
おっと、忘れるところだった。~
これを取っときな。▼~
:[リオン]|
この革袋は金貨、ですか?▼~
:[ジスト]|
もともとの報酬が少ないから~
分け前もたいしたことねえが…~
お前たちが自分の力で稼いだ金だ。▼~
:[エフラム]|
……~
傭兵として初めて稼いだ金だ。~
大切に取っておこう。▼~
:[リオン]|
そうだね、僕もそうするよ。~
今回のことで~
僕もいろいろ学べたよ。▼~
王は民を守るべきもの…~
でも、違う国の民は…?~
敵国の民は…?▼~
僕が学んできた学問とは違う。~
正解のない、難しい問い…▼~
それを考え続けるのも…~
為政者の務めなんだろうね。▼~
:[エフラム]|
そういえば…ジスト団長。~
どうして俺を傭兵団に~
同行させてくれたんだ?▼~
純粋に、俺の腕を~
買ってくれただけだとは…~
思えないが。▼~
:[ジスト]|
あー、それな…▼~
昔、俺の知り合いにもいたんだよ。~
『世界一の傭兵になる!』って~
息巻いていた奴がな。▼~
:[リオン]|
エフラムと同じだね。~
それで、そのご友人は…▼~
:[ジスト]|
…死んじまったよ。~
夢が叶う前にな。▼~
だからかな…~
あいつに似たエフラムを~
放っておけなかったのさ。▼~
:[エフラム]|
……▼~
:[ジスト]|
アスク王国の戦いにカタがついて~
どこかで再会することがあれば…~
ジスト傭兵団はいつでも歓迎するぜ。▼~
:[ユアン]|
えっ!? なになに、エフラム。~
ジスト傭兵団に入ってくれるの!?▼~
:[テティス]|
あら、大歓迎よ。~
あなたの槍と私の踊りがあれば~
どんな敵にも負けないんじゃないかしら。▼~
:[マリカ]|
歓迎する。~
毎日、手合わせができる…▼~
:[エフラム]|
ありがとう、みんな。▼~
そのときに傭兵として生きていく~
覚悟と信念が出来ていたら…~
改めて話をさせてくれ。▼~
その日が来るまで~
俺は槍の腕だけではなく…~
心も磨いておくとしよう。▼~
:[ジスト]|
ああ、楽しみにしてるぜ…!▼~
**あどけなき魔道 ユアン [#v629543b]
***C [#mb605299]
:[シャロン]|
こんにちは、ユアンさん。~
アスク王国での生活には~
もう慣れましたか…?▼~
:[ユアン]|
こんにちは、シャロン王女!~
ヴァイス・ブレイヴの人たちも親切で~
すっかりここに馴染んじゃった。▼~
ここには、僕たちの国にはない~
変わったものがたくさんあって楽しいよ!▼~
:[シャロン]|
それはよかったです!~
知りたいことや気になることがあれば~
なんでも言ってくださいね。▼~
:[ユアン]|
このお城もすごいね。~
異界から来た、いろんな英雄がいるから~
大広間を歩くだけでも飽きないよ。▼~
僕のお師匠…サレフ様のような~
すごい力を持った魔道士だって~
たくさんいるんだよ!▼~
:[シャロン]|
エクラさんは~
強い英雄さんを呼んできてくださる~
才能がありますからね!▼~
もちろん、ユアンさんの力にも~
すっごく期待していますよ!▼~
:[ユアン]|
えへへ。そう言われると~
僕も頑張っちゃおうって~
気持ちになっちゃうね!▼~
でも…ここにいる英雄って~
親子の人たちも多いよね。▼~
:[シャロン]|
そうですね、言われてみれば、~
確かに多いかもしれません。▼~
:[ユアン]|
親子で一緒に戦えるっていうのは~
きっと心強いかもしれないね…▼~
……▼~
***B [#u8ab65ce]
:[シャロン]|
あの、ユアンさん…~
少しいいですか?▼~
:[ユアン]|
ん? なになに?~
ジスト傭兵団に頼み事?▼~
:[シャロン]|
いえ、先日ユアンさんとお話したとき~
気になったことがありまして。▼~
その…親子で一緒に戦えるのは~
心強いかもしれないって言ったユアンさんが~
どこかその…うまく言えないのですが…▼~
:[ユアン]|
寂しそうに見えた?▼~
僕は小さい頃に親に棄てられたからね。~
顔ももうあまり覚えていないんだ。▼~
もちろん、一緒に過ごした記憶も~
ほとんど残っていないよ。▼~
:[シャロン]|
そうだったんですね…▼~
:[ユアン]|
物心がついたころには~
お姉ちゃんが僕の親代わりになって~
苦労しながら僕を育ててくれた。▼~
だけど僕は、親を恨んではいないよ。▼~
二人だけで生き抜いてきたからこそ~
僕たちは強い絆で結ばれているからね。▼~
:[シャロン]|
ユアンさんは前向きなんですね!~
その考え方、素敵だと思います。▼~
:[ユアン]|
でも…▼~
親子で一緒に戦っている英雄を見ると~
やっぱりうらやましいなーって~
思っちゃう。▼~
思っちゃうけど…別に寂しくはないよ。~
今は、ジスト傭兵団が~
僕の家族みたいなものだしね!▼~
:[シャロン]|
家族…ですか。~
なるほど…▼~
***A [#m272508c]
:[シャロン]|
ユアンさーん!~
こちらにいたんですね!▼~
:[ユアン]|
ちょうど今、訓練が終わったとこだよ。~
って、シャロン王女。~
なんだかすっごくニコニコしてない?▼~
:[シャロン]|
ユアンさんにとって、ジスト傭兵団が~
家族のようなものだって言いましたよね?▼~
:[ユアン]|
う、うん。言ったけど…それが?▼~
:[シャロン]|
ジスト傭兵団だけじゃありませんよ。~
今やヴァイス・ブレイヴの全員が~
ユアンさんの家族みたいなものです!▼~
:[ユアン]|
ヴァイス・ブレイヴ全員って…~
いきなり大家族になっちゃうね。▼~
:[シャロン]|
それでですね。~
テティスさんがユアンさんの~
お母さん代わりと聞きましたので…▼~
今日はユアンさんの~
お父さん候補を連れてきました!~
それではみなさん、どうぞ!▼~
:[バアトル]|
このバアトルを父と呼ぶが良い!~
遠慮はいらん!~
さあ!▼~
:[ドルカス]|
俺もかつては傭兵だった…~
気持ちには寄り添えると思う。▼~
:[ハロルド]|
ユアンくん!~
ヒーローとして君の期待に応えよう!▼~
さあ、パパと呼んで~
私の胸に飛び込んでくるのだ!▼~
:[シャロン]|
どうです? ヴァイス・ブレイヴでも~
指折りのお父さん候補です!▼~
:[ユアン]|
こ、これはまたずいぶんと濃い…~
頼り甲斐のある英雄ばかりだね。▼~
でも、大丈夫だよ。~
みんなの気持ちは伝わったからさ。▼~
:[バアトル]|
遠慮はいらん、~
寂しくなったときは~
いつでも言うが良い!▼~
:[ドルカス]|
必要ならば…~
俺たちはいつでも力を貸す。▼~
:[ハロルド]|
君が望むなら、父親としてではなく~
ヒーローとしてずっと支えよう!▼~
:[ユアン]|
ありがとう、みんな!~
その気持ちだけでも本当に…~
本当にうれしいよ。▼~
***S [#mce8d301]
:[ユアン]|
シャロン王女、この前はありがとう。▼~
:[シャロン]|
あ、ユアンさん!~
実はですね、お父さん候補の第二陣も~
現在鋭意選考中でして…▼~
:[ユアン]|
そ、それはもういいから!▼~
:[シャロン]|
そうですか…~
今回は美形パパをメインに~
選んでみたのですが…▼~
:[ユアン]|
き、気持ちだけ…
気持ちだけ受け取っておくからさ!▼~
……▼~
僕は今まで、自分を育ててくれた~
お姉ちゃんに恩返ししたいと思って~
魔道の修行に打ち込んできたんだ。▼~
だけど…これからは~
新しくできた家族のためにも~
頑張っていこうかなって…▼~
:[シャロン]|
ユアンさん…!▼~
:[ユアン]|
家族のためになにができるか~
なにをするべきか…~
僕なりに考えてみるね。▼~
:[シャロン]|
そうです、たとえ血が繋がっていなくとも~
わたしたちは絆で繋がった家族です!▼~
支え合って助け合って~
前に進んでいきましょうね!▼~
:[ユアン]|
うん…! だからシャロン王女~
これからもよろしくね。▼~
:[シャロン]|
はい!▼~
:[ユアン]|
…お姉ちゃん…~
みなし子だった僕たちに~
こんなにたくさん…▼~
こんなにたくさんたくさん…~
素敵な家族が出来たよ。▼~
ジスト隊長やマリカたち、~
それにヴァイス・ブレイヴのみんなもいる。▼~
生きていれば~
こんな素敵なこともあるんだね…!▼~
今まで僕を育ててくれてありがとう。~
お姉ちゃん…▼~
お姉ちゃんや家族の笑顔を守れるよう~
僕、頑張るよ。~
英雄の…一人として!▼~
**艶美の舞 テティス [#ca18cd1a]
***C [#z25c8c45]
:[テティス]|
はっ…! やっ……!~
ここで…大きく手を広げてターン…▼~
ふぅ、いい感じ。~
やっぱりこのほうが~
踊りも見栄えがするわね…▼~
……▼~
…そこに木の陰にいるのは誰かしら?~
なにか私にご用?▼~
:[フィヨルム]|
……!▼~
あ、あのっ、その…!~
れ、練習の邪魔をしてすみません!▼~
:[テティス]|
あら…?~
あなたはフィヨルム王女…▼~
どうしたの?~
もしかして、アンナ隊長から~
伝令でもあるのかしら?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ…そういうわけでは…!~
な、なんといいますか、その…▼~
:[テティス]|
……?▼~
:[フィヨルム]|
お、お邪魔してしまい~
申し訳ありません!~
失礼します…!▼~
:[テティス]|
あっ、フィヨルム王女!~
行っちゃったわね…▼~
いったい、なんの用だったのかしら。~
恋の相談のようには~
見えなかったし…▼~
まあ、あのくらいの年頃は~
いろいろと複雑だしね。▼~
機会があったら~
探りを入れてみようかしら…▼~
***B [#h11482b4]
:[フィヨルム]|
あ、あの…テティスさん。~
少しよろしいでしょうか…▼~
:[テティス]|
あら、フィヨルム王女。▼~
もちろん大丈夫よ。~
ちょうど踊りの練習も終わったばかり…~
って、また見てたんでしょ?▼~
:[フィヨルム]|
重ね重ね…すみません。▼~
:[テティス]|
この前もだけど…~
なにか言いたいことが~
あったんじゃないの?▼~
:[フィヨルム]|
そのことなのですが…▼~
テティスさんの踊りがとても華麗で~
つい見惚れてしまいまして…▼~
:[テティス]|
あら、うれしいわね。~
王女様にお褒めの言葉を~
頂けるなんて、光栄よ。▼~
:[フィヨルム]|
優雅な足の運びと手の動き。▼~
その域に達するには~
持ち合わせた才能ももちろんですが~
相当の努力があったのでしょうね…▼~
:[テティス]|
その予想は…~
半分はあってるけど~
半分は間違っているわね。▼~
:[フィヨルム]|
え…?~
それはどういう…▼~
:[テティス]|
確かに努力は人一倍重ねたわ。~
でも、私には…~
踊りの才能なんてなかったのよ。▼~
:[フィヨルム]|
ですが、そんなに素晴らしい~
踊りを極められていますし~
才能もあったのでは…▼~
:[テティス]|
私が踊りを続けられたのは~
才能があったからじゃあないわ。▼~
私と弟が生きていくためには~
これしか方法がなかったからなの。▼~
:[フィヨルム]|
……!▼~
***A [#m989bdef]
:[テティス]|
弟のユアンがまだ幼かった頃~
私たちは、親に棄てられたの。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[テティス]|
私たちを棄てた親を最初は~
恨みもしたけど、恨むだけでは~
お腹は膨れない。▼~
誰にも頼らずに二人だけで~
生きて行く方法を…~
私は必死に探したわ。▼~
その最中に…出会ったのよ。~
街角で、とある踊り子が~
踊っていたステージにね。▼~
私に踊りの才能はなかったけど~
直感的に感じたわ。▼~
私と弟が生きていくためには~
これしかないってね。▼~
:[フィヨルム]|
それが…テティスさんの~
踊りとの出会いだったのですね。▼~
:[テティス]|
最初は散々だったわ。~
リズム感もなければ~
踊るための靴もない…▼~
ボロ切れのような服を来て~
足の血マメが全部割れるまで~
必死に踊りの練習を続けたわ。▼~
私には才能がないかもしれない…~
すべては無駄に終わるかもしれない…▼~
今思うと、不安と絶望を相手に~
毎日踊っていたようなものね。▼~
:[フィヨルム]|
ですが、それでも…テティスさんは~
踊ることをやめなかったんですよね?▼~
:[テティス]|
そうね。踊りをやめるということは~
私たちの未来を閉ざすということ。▼~
弟を守らなきゃ…~
その決意があったからこそ私は~
踊り続けることができたのよ。▼~
:[フィヨルム]|
私…わかった気がします。~
どうしてテティスさんの踊りに~
これほどまでに惹かれるのか。▼~
テティスさんは、いつだって~
大切なものを守るために~
踊っている…▼~
私は、踊りに込められた~
想いに惹かれたのだと~
そう…思うのです。▼~
***S [#r21ec31b]
:[フィヨルム]|
あの、テティスさん。~
今日はお願いがあって参りました。▼~
:[テティス]|
あら、なにかしら。~
私にできることなら喜んで。▼~
:[フィヨルム]|
これは、テティスさんにしか~
できないことなのですが…▼~
いつかすべての戦いが終わって~
平和な世の中になったら…~
私にも踊りを教えてくれませんか?▼~
:[テティス]|
私の踊りを…?▼~
フィヨルム王女には舞踏会の~
ダンスが似合うんじゃない?▼~
踊りに自信と誇りはあるけど~
私のは我流で大衆向けのものよ。~
王女様が踊るものじゃあないわ。▼~
:[フィヨルム]|
いいえ、テティスさんに~
教えてほしいのです。▼~
私にはテティスさんの踊りが~
なによりも美しく感じたのですから。▼~
:[テティス]|
……▼~
:[フィヨルム]|
その踊りはテティスさん自身が~
生き抜いてきた証と言えるもの。▼~
私が真似できるとは思いませんが~
兄妹を笑顔にすることくらいは~
できるのではないか…と。▼~
すみません、こんな勝手なお願いで…▼~
:[テティス]|
フィヨルム王女…あなたも~
誰かのために踊りたいのね。~
ふふっ、いいわ。教えてあげる。▼~
この世界に平和が訪れて~
戦場で踊る必要がなくなったら…▼~
そのときは、一緒に踊りましょう。~
誰かを笑顔にできる踊りを、ね。▼~
:[フィヨルム]|
はい…!~
私、その日が来るのを~
ずっと楽しみにしていますね!▼~
**砂漠の虎 ジスト [#x5c24111]
***C [#jff39d9d]
:[ジスト]|
しっかし…驚いたぜ。~
まさか異世界に、ジスト傭兵団が~
勢揃いしているなんてな…▼~
:[ユアン]|
僕も驚いたよ。~
でも、隊長やみんなと一緒なら~
怖いものなしだね!▼~
:[テティス]|
マリカは私たちより一足早く~
アスク王国に来てたのよね?▼~
:[マリカ]|
そう。~
だから、みんなよりも~
少しこの世界を知ってる…▼~
:[ジスト]|
そいつは助かるな。~
今はひとつでも多く情報が欲しい。~
頼りにしてるぜ。▼~
:[マリカ]|
隊長、そのこと…だけど。▼~
この城には、いろいろな世界から~
英雄が召喚されている。▼~
傭兵も多い。▼~
:[ジスト]|
同業者がたくさんってわけか。~
道理で知らない場所じゃないような~
気がしたわけだ。▼~
:[テティス]|
私たち傭兵は~
独特の匂いがあるからね。▼~
:[ユアン]|
え? そ、そうなの?~
お姉ちゃんからはいい匂いしか~
しないけどなぁ…▼~
:[ジスト]|
んじゃ…~
歴々のご同輩に挨拶しておくか。▼~
どんな力量をもっているのか~
背中を預けていい人間なのか~
見極めとく必要もあるしな。▼~
:[マリカ]|
それなら…アンナ隊長に~
案内を頼むのがいいと思う。▼~
:[ジスト]|
金は…取られないだろうな?▼~
:[マリカ]|
それくらいなら~
大丈夫だと思う…けど。▼~
:[ジスト]|
んじゃ、ちょっくら行ってくる。~
皆はいつでも出撃できるように~
準備を整えていてくれ。▼~
:[テティス]|
隊長、~
喧嘩売るようなことしちゃダメよ。▼~
:[ジスト]|
しねぇよ!~
ったく、ガキじゃあるまいし…▼~
***B [#v594058e]
:[アンナ]|
そうねぇ…~
確かにヴァイス・ブレイヴには~
傭兵が多いかもしれないわね。▼~
もちろん、王族も多いんだけど~
次いで多いぐらいかも。▼~
えーと…この辺でいつも~
訓練しているはずなんだけど…~
あ、いたいた!▼~
:[オグマ]|
誰かと思えば…アンナ隊長。~
俺になにか用か?▼~
:[アンナ]|
紹介したい人がいるの。~
こちら、ジスト傭兵団を率いる~
ジスト隊長よ。▼~
:[ジスト]|
ジストだ。これからアスク王国に~
世話になることになった。~
よろしく頼む。▼~
:[オグマ]|
話には聞いていた。~
会えて光栄だ。▼~
:[ジスト]|
……▼~
間違っていたらすまないが~
あんた、もしかして剣闘士…~
いや、剣奴の出身じゃないのかい?▼~
:[オグマ]|
なぜ、わかった…?▼~
:[ジスト]|
あんたの身体に残っているその傷…~
真っ当な装備で戦えば~
付くような傷じゃねぇ。▼~
見世物のように無理矢理~
戦うことを強いられねぇと…~
そんな傷はつかねぇよ。▼~
しかも、ろくな手当も行われず~
傷が残ることを免れなかった…となると~
剣奴だったのかと察しがつく。▼~
:[オグマ]|
……なるほど、~
【砂漠の虎】の名前は伊達ではないな。▼~
こちらからもひとつ尋ねるが~
ジスト。お前の顔に残る、その傷は…?▼~
:[ジスト]|
こいつは、若い頃に調子に乗ったツケ。~
自分に対する戒めのようなもんだ。▼~
血気盛んだった俺は~
自分の限界もわきまえずに~
勝てるはずもない敵に挑んじまった。▼~
結果、俺はこんな傷を負わされたが~
相手は命までは取らずに見逃してくれたよ。~
それだけ…俺は哀れだったんだろうな。▼~
:[オグマ]|
…………▼~
:[ジスト]|
それから鏡でこの傷を見るたびに~
慢心しないように戒めている。▼~
仲間に…こんな傷を負わせるわけには~
いかないからな。▼~
:[オグマ]|
ジスト…お前は~
信頼するに値する傭兵のようだ。▼~
アンナ隊長、~
また頼れる仲間が加わったようだな。▼~
:[アンナ]|
ええ、とっても心強いわ!▼~
ジスト隊長は腕前だけじゃなく~
人望もあるみたいだし~
ときどき隊長を代わってくれないかしら。▼~
:[ジスト]|
おいおい、俺は自分のところの~
傭兵団をまとめるだけで手一杯だぜ。~
んじゃ、次に行こうか…!▼~
***A [#m25aabf0]
:[アンナ]|
次は…ええと、~
あとはグレイル傭兵団かしら。▼~
グレイル傭兵団には~
一騎当千の英雄が揃っているのよ。▼~
:[ジスト]|
団長のアイクってのは、まだ若いんだろ?~
それで傭兵団をまとめているってことは~
相当な手練れなんだろうな。▼~
:[ティアマト]|
あら、アンナ隊長…~
グレイル傭兵団になにかご用ですか?▼~
:[アンナ]|
ちょうど良かった!~
これから、あなたたちのところを~
訪ねようとしていたところなの。▼~
:[ティアマト]|
こちらの方は…?▼~
:[ジスト]|
ジスト傭兵団のジストだ。~
この城には同業者が~
たくさんいると聞いてな。▼~
挨拶回りをしているってわけだ。▼~
:[ティアマト]|
なるほど、そういうことだったのね。▼~
私はグレイル傭兵団副長のティアマト。~
どうぞこちらへ。案内するわ。▼~
~
(暗転)
:[ジスト]|
…ってわけだ。妙な世界に来たもんだが~
こうして共に戦えるのも何かの縁だ。~
これからよろしく頼むぜ。▼~
:[アイク]|
ああ、よろしく頼む。▼~
…………▼~
:[ジスト]|
…………▼~
:[アイク]|
…………▼~
:[ティアマト]|
ご、ごめんなさいね。~
アイクは誰に対しても~
いつもこんな感じなの。▼~
:[ジスト]|
いや、別に構わねえぜ。~
ベラベラと舌を回すよりも~
傭兵は行動で示すもんだからな。▼~
:[セネリオ]|
ジスト傭兵団…でしたか。▼~
今回は同じ雇い主…ですが、~
我々は傭兵です。状況次第では~
敵味方に分かれる可能性もある。▼~
:[ジスト]|
…………▼~
:[セネリオ]|
我々は我々。あなた方はあなた方。~
戦場ではそのようにお願いします。~
お互い手の内を晒して得なことはありません。▼~
あなたもよくご存知の通り、~
今日の味方が、明日の敵かもしれない。~
それが傭兵ですから…▼~
:[ティアマト]|
セネリオ、それはそうだけど…▼~
:[ジスト]|
まあ…確かにそうだな。~
その考えは間違っちゃいないさ。▼~
:[アイク]|
……▼~
ジスト団長。もしよければ…~
あんたが傭兵をやっている理由を~
聞かせてくれないか。▼~
:[ジスト]|
……▼~
ああ、いいぜ…▼~
***S [#n401c900]
:[ジスト]|
…俺が傭兵をはじめたきっかけは~
強くなりてえとか、金がほしいとか~
そんな立派なもんじゃねぇ。▼~
傭兵になったダチのことが心配で~
ただそれだけで、この世界に入ったのさ。▼~
ま、それまでの俺は~
人生の目的なんてのもなかったし…~
生き方を変えるにはいい機会だったよ。▼~
:[アイク]|
その友人は…今も同じ傭兵団に?▼~
:[ジスト]|
いや…死んじまったよ。~
俺より先にな。▼~
俺はそいつに死んで欲しくないから~
傭兵を続けていたようなもんだ。▼~
でも…そいつがいなくなったせいで~
最初の目的は見失っちまったな。▼~
:[セネリオ]|
ですが、~
あなたは今も傭兵を続けている。▼~
:[ジスト]|
気がついたらな…~
死んでほしくない新しい仲間が~
まわりに増えてたんだよ。▼~
ダチの命は守れなかったが~
俺にはまだ守るものがあった。▼~
俺はな、俺より先に…~
あいつらに死んでほしくねぇ。~
だから傭兵を続けているのさ。▼~
:[アイク]|
守りたいものがあるから、か…▼~
:[ジスト]|
確かに俺たちは金で雇われ~
雇い主のために剣を振るう存在だ。▼~
しかし、弱者を傷つけたり~
筋が通らねえような依頼…▼~
そしてなにより~
仲間が生きて帰れないような依頼は~
絶対に受けねえ。▼~
それが…ジスト傭兵団だ。▼~
:[アイク]|
……▼~
:[ジスト]|
……▼~
:[アイク]|
……▼~
セネリオ…俺にはわかる。~
ジスト傭兵団が俺たちと敵対することは~
この先、絶対にないだろう。▼~
:[ティアマト]|
私も同じ意見よ。~
だって似ているもの、私たち。▼~
:[セネリオ]|
…話の途中から、~
そんなことになるだろうとは~
思っていましたよ。▼~
グレイル傭兵団の団長はアイクです。~
アイクがそう決めたのなら、~
僕も同じ道を進むだけです。▼~
ジスト隊長…~
先ほどの非礼をお詫びします。▼~
:[ジスト]|
いや…謝る必要はないさ。▼~
あんたのようなしっかりした~
参謀がついているのも~
グレイル傭兵団の強さだと感じたよ。▼~
:[アンナ]|
ほっ、丸く収まってよかった。~
傭兵団同士でケンカなんかはじめたら~
収拾つかなくなっちゃうもの…▼~
:[アイク]|
ジスト団長、俺はあなたを信頼する。~
同じ傭兵として、雇い主…~
アスク王国のために力を貸してほしい。▼~
:[ジスト]|
ああ、そのつもりさ。~
力を合わせて戦い抜こうぜ。~
一人の仲間も欠くことなく…な。▼~
**比翼の王子と皇子 エフラム [#x7c5a9ce]
***C [#k09804cb]
:[リオン]|
エフラム…僕は思うんだ。~
君は決して~
学問が苦手なわけじゃない。▼~
ただ、書物というものが~
ちょっとだけ苦手なだけなんだよ。▼~
:[エフラム]|
そうは言われてもな…▼~
:[アルフォンス]|
おや、エフラム王子にリオン皇子…~
図書館になにかご用だったのですか?▼~
:[リオン]|
ごきげんよう、アルフォンス王子。▼~
実は、アスク王国の書物をお借りして~
二人で歴史を学んでいたのですが…▼~
:[エフラム]|
人には向き、不向きがある…▼~
:[リオン]|
それを努力で克服するのも~
また人のあるべき姿だよ。▼~
:[アルフォンス]|
自分もどちらかというと~
座学は苦手なので~
エフラム王子の気持ちはわかります。▼~
ですが、王族としての務めを果たすため…~
自分なりに日々努力だけは重ねています。▼~
:[リオン]|
聞いた、エフラム?~
アルフォンス王子は国を治める~
資質を大いにお持ちだよ。▼~
僕たちもアルフォンス王子を見習おう。▼~
:[エフラム]|
ああ、尊敬する。~
アルフォンス王子…~
どうか頼みがある。▼~
今日は俺の分まで~
この書を読んでおいてくれないか…▼~
:[リオン]|
それじゃ意味がないよ…!▼~
:[アルフォンス]|
この国の歴史についてでしたら、~
よろしければ僕からお話ししましょうか?▼~
:[エフラム]|
助かる。~
前も、リオンに教えてもらった方が~
書物よりわかりやすかった。▼~
:[アルフォンス]|
では、~
我が国の建国の祖リーヴと~
神竜アスクの伝承から…▼~
***B [#qb46839c]
:[エフラム]|
そこでもう一歩踏み込んで…~
一気に槍を突き出すんだ。~
槍自体の重さを利用するように!▼~
:[リオン]|
こ、こうかな…うわ、わわっ!▼~
い、いたた…~
槍の重さに僕自身が~
振り回されちゃったよ…▼~
エフラム、やっぱり僕には~
戦いは向かないよ…▼~
君みたいに格好良く~
槍を振るうなんてとても…▼~
:[エフラム]|
向き不向きを努力でなんとかするのも~
人として大切…と言ってなかったか?▼~
:[リオン]|
…でも、僕の場合は、努力で~
どうこうなるものじゃない気がするんだ…▼~
エフラムやエイリークのように~
武の才に恵まれているわけではないし…▼~
なにより一番の問題は…~
僕は人と争うのが苦手なんだよ。▼~
:[エフラム]|
確かに、お前は優しいからな…▼~
しかし、リオンのそばに~
俺がいるときなら問題ないが~
いつもそうだとは限らない。▼~
だから、せめて自分で自分の身を~
守れるくらいにはなってもらわないとな。▼~
:[アルフォンス]|
エフラム王子、リオン皇子~
今日は槍の稽古ですか?▼~
:[リオン]|
あ、アルフォンス王子。~
見ての通り…この前とは~
立場がまったく逆だよ。▼~
:[エフラム]|
書を読むよりも~
簡単なことだと思うがな…▼~
:[アルフォンス]|
ふふっ、エフラム王子らしい~
感想ですね…▼~
:[エフラム]|
そういえば…~
妹君のシャロン王女は~
槍の使い手と聞くが。▼~
今度、リオンの稽古に~
付き合ってくれないだろうか。▼~
:[リオン]|
ええっ!?~
ま、まだやるの…?▼~
:[アルフォンス]|
わかりました。~
今度、妹に伝えておきますね。▼~
:[リオン]|
はあ…▼~
***A [#t3e38346]
:[アルフォンス]|
エフラム王子とリオン皇子の関係は~
とても素晴らしいですね。▼~
互いが互いを信頼し、~
支え合っているように見えます。▼~
:[エフラム]|
俺たちは、~
互いの国に行き来し、~
互いの国のこともよく知っている。▼~
それぞれの長所を活かせば~
ルネスとグラドはもっと繁栄する。~
リオンもそう思うだろう?▼~
:[リオン]|
そうだね…▼~
ルネス王国とグラド帝国の民が~
お互いに支え合えば~
きっと豊かな国になるだろうね。▼~
でも、民たちがみんな、僕たちみたいな~
信頼関係を築けるわけじゃない。▼~
さまざまな事情が複雑に絡み合い~
肩を組むことができない人々だって~
いるかもしれない…▼~
:[アルフォンス]|
……▼~
:[リオン]|
でもね、エフラムが~
そう考えてくれていることは~
僕はとってもうれしいよ。▼~
:[エフラム]|
リオン…▼~
俺とお前がいれば~
きっと多くの人々を~
幸せにできるはずだ。▼~
俺はそう…信じている。▼~
:[リオン]|
そうだね、僕も努力してみるよ。~
君の夢を叶えることは~
僕の夢を叶えることと同じだからね。▼~
そのためにも…まずは~
アスク王国を平和にしないとね。~
がんばろう、アルフォンス王子。▼~
:[アルフォンス]|
はい!▼~
***S [#l73977c5]
:[アルフォンス]|
……▼~
:[エフラム]|
どうした、アルフォンス王子。~
なにか悩み事か…?▼~
:[アルフォンス]|
いえ、悩み事というか…▼~
ヴァイス・ブレイヴに~
大切な友がいたんです。▼~
ですが…彼と僕は意に添わぬ形で~
離ればなれになってしまい~
別の道を歩むことになってしまいました。▼~
ずっと、ともに歩いていけると~
思っていた、大切な…親友でした。▼~
:[リオン]|
なにか事情があって~
道を違えてしまったんだね。▼~
…エフラム。~
僕たちも…~
ずっと同じ道を歩けるとは限らない。▼~
もしかしたら…~
二人が予期してもいない~
未来が待ち受けているかも…▼~
:[エフラム]|
大丈夫だ。~
俺とお前は、ともに同じ道を歩いていく。▼~
:[リオン]|
そうだね…~
そうありたいと僕も思うよ。▼~
ねえ…~
この先、なにがあったとしても~
僕はエフラムの選択を信じるから。▼~
だからエフラムも~
君自身の選択を信じてほしい。~
それが、僕の願いだよ。▼~
:[エフラム]|
わかった…約束しよう。▼~
:[リオン]|
アルフォンス王子…~
その親友も、君がどんな選択をしても~
きっと咎めることはないだろう。▼~
たとえ、お互いの立場が変わったとしても~
友として過ごした時間は変わらない。▼~
その間に培われた信頼は~
未来永劫揺らぐことはないのだから。▼~
:[アルフォンス]|
はい…! 僕も彼を信じます。~
彼のためになにができるのかを考え~
希望を捨てずに前に進みます。▼~
いつの日か…友人に戻れる日が~
来ることを信じて。▼~
*コメント [#a1e57e07]
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