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章別会話/信頼という名の絆
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[[章別会話]]
*信頼という名の絆 [#j36f6ea2]
#contents
**信頼という名の絆 [#e171d4b5]
***オープニング [#e42b7c97]
:[ファリナ]|
アルフォンス王子、パント様。~
ただいま戻りました。~
偵察は無事に完了…!▼~
でも、報告よりも賊の数が多いみたい。~
もうっ、全然話が違うじゃない!▼~
:[アルフォンス]|
ご苦労さま、ファリナ。~
エルク、さっき預けた地図を~
見せてもらえるかな。▼~
:[エルク]|
現在地は…~
さきほど野営した盆地から~
少し西に移動したところですね。▼~
:[パント]|
ファリナ、君が見てきた~
賊の一団が展開していたのは…~
川沿いのこのあたりかな?▼~
:[ファリナ]|
はい。ここと、ここと…ああ、~
こっちの森の中にも!~
聞いてた数の3倍はいたかも。▼~
:[ルイーズ]|
このまま進むと…~
私たちは囲まれてしまう~
恐れがありますね。▼~
:[パント]|
……。~
アルフォンス王子~
私に、ひとつ考えがあります。▼~
私とエルクは、魔力を十分に残しています。~
最も効果的な局面で、~
これを用いましょう。▼~
:[エルク]|
……。▼~
:[パント]|
まず、こちらから囮を出して敵を誘導。~
我々は敵の背後に回り込み~
初撃にて致命的な一打を与えます。▼~
ルイーズ、囮の役目を頼めるかい?▼~
:[ルイーズ]|
はい、喜んでお引き受けいたします。▼~
:[ファリナ]|
え?~
囮役なら私のほうが~
向いてるんじゃ?▼~
:[パント]|
天馬で空を翔けるファリナでは~
地上の賊たちは追いつけないよ。▼~
自分たちの武器が届く相手でないと~
敵は必死に追ってこないからね。▼~
:[アルフォンス]|
では、その作戦でいこう。~
ルイーズ、くれぐれも気をつけて。~
無理はしないようにね。▼~
:[ルイーズ]|
はい、お任せください。~
必ずご期待に応えてみせますわ。▼~
:[ファリナ]|
……。▼~
***C [#k53a3cdd]
:[エルク]|
パント先生の作戦を成功させるには~
一瞬で勝負を決める必要がある。▼~
失敗すればルイーズ様にも~
アルフォンス王子にも危険が及ぶ。~
絶対に成功させないと…。▼~
:[ファリナ]|
おっ、何だか気合入ってるじゃない。~
感心感心。▼~
この作戦のキモは~
エルクとパント様なんだから。~
しっかり頼むね。▼~
:[エルク]|
ええ、そのつもりです。▼~
:[ファリナ]|
でもさ…囮役を奥さんに頼むなんて~
パント様はルイーズ様のことが~
心配じゃないわけ?▼~
:[エルク]|
もちろん、心配に決まっていますよ。▼~
でも、パント先生はルイーズ様を~
深く信用されているからこそ~
大事な役目を頼まれたのだと思います。▼~
:[ファリナ]|
ふーん、なるほどねえ。▼~
夫婦って言っても~
元はと言えば血の繋がりがない~
他人同士じゃない?▼~
さっきは、夫婦ってそんなもんなの?~
なーんて思っちゃった。~
でも、違ったんだ。なるほどね。▼~
:[エルク]|
本来なら、~
今回のルイーズ様のお役目は~
僕が担うべきものだった。▼~
だけど、僕はまだ未熟で~
パント先生の期待に応えられる~
力量がない…▼~
だから、囮役を任せるだけの~
信頼を得られなかったのでしょう。▼~
:[ファリナ]|
ふーん…ま、いいか。~
もうすぐ進軍がはじまるから~
首尾のほう、よろしくね!▼~
***B [#f4650e48]
:[アルフォンス]|
よし、ルイーズが~
敵を誘い出してくれた。~
ここから一転、攻勢をかけよう!▼~
:[ファリナ]|
任せて! ここからは~
私たちの出番ね…!▼~
:[エルク]|
あの、パント先生…▼~
:[パント]|
どうしたんだエルク?~
私たちも配置につこう。▼~
:[エルク]|
本当は僕が囮役をやるべきなのに~
ルイーズ様にお役目を~
任せてしまいました。▼~
次は僕が囮役をやれるように~
もっと力をつけてみせます。▼~
:[パント]|
エルクは実力が足りないゆえに~
囮役を任されなかったと~
思っているのかい?▼~
:[エルク]|
そ、そうではないのですか…?~
僕の実力は、まだまだ~
パント先生に信頼されていないのかと。▼~
:[パント]|
エルク、それは違うよ。▼~
ルイーズに囮役を頼んだのは~
彼女は弓兵としての高い技能を持ち、~
優れた視力と観察眼があるからだよ。▼~
今回の囮役を任せるのに~
適任なのがルイーズだった。~
だから、お願いしたんだ。▼~
:[エルク]|
な、なるほど…~
そういう理由があったのですね。▼~
:[パント]|
そしてエルクにも、ルイーズ同様に~
大事な使命がある。▼~
今回の作戦、勝利を収めるためには~
私とエルク、二人の魔道士が~
攻撃を集中させる必要があるんだ。▼~
私一人だけでは難しい。~
エルクの魔道を信用しているからこそ~
今回の作戦を立案したんだ。▼~
:[エルク]|
パント先生…!▼~
:[パント]|
さあ、まもなくルイーズも戻ってくる。~
機を逃さず一気に勝負をかけよう。▼~
:[エルク]|
はい…!~
必ずやご期待に応えてみせます…!▼~
***A [#zf40e547]
:[ファリナ]|
近くに敵の姿はなし。~
賊は総崩れで敗走したみたい…~
私たちの勝利ね!▼~
:[パント]|
うまくいったようだね。~
ルイーズ、危険な任務にも関わらず~
よくやってくれたね。▼~
:[ルイーズ]|
パント様とエルクが敵に大打撃を与え~
アルフォンス王子やファリナが~
素早く動いてくれたおかげです。▼~
今回の勝利はそれぞれの役目を~
しっかりと果たせたから、でしょうね。▼~
:[ファリナ]|
パント様が、ルイーズ様を~
信頼しているのはやっぱり~
夫婦だから…ですか?▼~
:[パント]|
もちろん、~
夫として妻のことは~
とても信頼しているよ。▼~
けれど、それだけではないんだ。~
私は一人の人間としても~
ルイーズに信頼を置いている。▼~
:[ルイーズ]|
パント様…。▼~
:[パント]|
言うまでもなく~
アルフォンス王子やファリナたちにも~
しっかりと信頼を寄せているよ。▼~
英雄でなくとも、王子でなくとも~
傭兵でなくとも…あなたがたは~
一人の人間として信頼に値する。▼~
:[アルフォンス]|
それは、肩書きや立場に左右されず~
人柄、才能そのものを信じる…~
そういう意味なのかな?▼~
:[パント]|
妻だから信じたい。弟子だから信じたい。~
それは願望でもあり、一生をかけて~
築いていきたい繋がりでもある。▼~
しかし、関係にとらわれることなく~
一人の人間として~
互いに信を置き、命を預けあう。▼~
信頼という名の絆を紡いでいくことも~
私は大切だと思っているんだ。▼~
そして今回は、みんなが私の信頼に~
十二分に応えてくれた。これでまた~
一層絆が強まった気がするよ。▼~
:[エルク]|
パント先生…!▼~
僕は、もっと修行を重ねます。~
弟子としてだけではなく~
一人の人間として成長できるように。▼~
パント先生とルイーズ様が~
僕に注いでくれた信頼に…~
必ず応えてみせますから…!▼~
**英知の魔道士 エルク [#m5030b6c]
***C [#qd837a32]
:[クレイン]|
…では、ぼくたちはこれで。▼~
:[クラリーネ]|
よろしくお願いいたしますわね。~
それでは。▼~
:[エルク]|
……。▼~
:[ピアニー]|
? どうしたの?~
ぽかんとした顔して。▼~
:[エルク]|
あ…ああ、すまない。~
あまりの驚きに心がついてこなくて。▼~
あの二人は…~
パント先生とルイーズ様の~
ご子息とご息女らしいじゃないか…!▼~
まさか、あんな立派に成長した~
お姿に出会えるなんて。~
なんとも驚きだよ…。▼~
:[ピアニー]|
未来の人間に出会えるなんて~
アスク王国って夢の国みたいね。▼~
ふふっ、エルクさん、そのうち~
未来のエルクさんと~
出会っちゃったりして。▼~
:[ギネヴィア]|
あの…~
もしや、あなたは~
あのエルク様でしょうか?▼~
:[エルク]|
え…? エルク様?~
ま、まさか僕のことですか?~
僕を知っているのですか?▼~
:[ギネヴィア]|
私はベルン王女ギネヴィアと申します。~
あなたの御高名は、~
ベルンにも届いておりました。▼~
エトルリア魔道軍将にと~
皆に望まれながらも~
それを固辞し…▼~
優れた魔道研究を成し遂げられた~
英知の魔道士エルク様…~
お会いできて光栄です。▼~
:[エルク]|
!?~
…ぼ、僕が…ですか?▼~
***B [#fd66d6ad]
:[エルク]|
ちょ、ちょっと待ってくれませんか。~
あなたは未来の僕のことを~
知っているようですが…。▼~
皆が僕を魔道軍将に~
推薦したというのですか…?~
なぜ?▼~
:[ギネヴィア]|
それはもちろん、エルク様が~
魔道軍将にふさわしい~
お方だからでしょう。▼~
:[エルク]|
!? 魔道軍将といえば~
エトルリアの魔道士の要!~
あのパント先生と同じ地位ですよ!▼~
し、しかもそれを断ったんですか?~
なぜ?~
なぜ僕は断ったりしたんです?▼~
:[ギネヴィア]|
すみません、私は存じません…~
エルク様のお気持ちは~
エルク様ご自身にしか…▼~
:[エルク]|
……。▼~
:[ピアニー]|
きゃっ、良かったね、エルクさん。~
未来のエルクさんはきっと~
すごい魔道士になるんだわ。▼~
:[エルク]|
し、信じられない…。~
未来の僕が、そんな…。▼~
:[ピアニー]|
あ、エルクさんったら、~
またぽかんとした顔してる。▼~
:[エルク]|
驚きの連続で、~
どう反応していいのか…。▼~
***A [#n4505f1d]
:[プリシラ]|
エルク…大丈夫でしたか?▼~
:[セーラ]|
もー、全然ダメ!~
部屋にこもりっきりで~
全然外に出てくる様子ナシ!▼~
部屋にこもってばかりいると~
根暗がもっと根暗になっちゃうわよ!~
…って言っても反応ないし。▼~
んもー! せっかく久々に~
アスク王国で再会できたって言うのに~
いったい何をやっているんだか…!▼~
:[プリシラ]|
エルク…心配ですね。~
無理をしていないといいのですが。▼~
&br;''(暗転)''
:[エルク]|
……。▼~
セーラの言うとおりにするのは~
すこしシャクだけど…~
たまには外で気分転換も必要だな。▼~
でも、今のままでは全然ダメだ。~
もしも本当に魔道軍将にと~
請われるほどの存在になるなら…▼~
僕は、もっともっと成長しないと。▼~
:[ピアニー]|
あら? エルクさん。~
お散歩?▼~
:[エルク]|
あ…。~
やあ、ピアニー。▼~
:[ピアニー]|
わっ! 目の下にすごいクマ!~
ちゃんと眠ってないんじゃない?▼~
:[エルク]|
そうだね…。~
勉強することがありすぎて~
寝る間も惜しいというか…。▼~
:[ピアニー]|
ダメ!~
眠ることはとっても大事なんだから。▼~
勉強だけじゃなく~
よく食べて、よく寝て~
心も身体も成長させないとね!▼~
もしかして、前に聞いた話が~
気になってるの?▼~
:[エルク]|
……。▼~
パント先生の次の魔道軍将に…~
それはもしかしたら、パント先生が~
望んでくださったことなのかもしれない。▼~
そんな恐れ多いこと…今の僕には~
申し訳なさ過ぎて耐えられない。~
だから、僕はもっと自分を…▼~
:[ピアニー]|
なるほどー。だから~
必死になって頑張っていたのね。▼~
でも、今ここにいるエルクさんは、~
エルクさんのままで~
いいんじゃないかな?▼~
:[エルク]|
僕のままで良い…?~
それはどういう…こと?▼~
***S [#a02b080f]
:[エルク]|
僕のままでいいって…~
でも、ギネヴィア王女の話が本当なら…▼~
僕は将来、~
魔道軍将に推されるような~
存在になるべきじゃ…▼~
:[ピアニー]|
だって、今のギネヴィアさんが~
エルクさんと同じ異界の~
ギネヴィアさんとは限らないでしょ?▼~
二人は別々の異界から来ていて…~
今、私の目の前にいるエルクさんは~
別の道を歩むかもしれないんだから。▼~
:[エルク]|
それは…異界ごとに違う自分がいて~
異なる未来が待っている~
可能性があるということかい?▼~
:[ピアニー]|
エクラさんも~
そんなこと言っていた気がするの。~
未来は、異界の数だけあるって。▼~
エルクさんは~
ほんとうにすごい魔道士に~
なるのかもしれないし…▼~
誰かと結婚して、~
二人で幸せに~
暮らすのかもしれない…▼~
要するに、まだ未来は~
決まってないってこと!▼~
:[エルク]|
そうか。そういうことなのか…。▼~
僕は未来が決められたもので~
その通りに生きなければならないと…~
そう、思い込んでいたんだね。▼~
ありがとう、ピアニー。~
この世界には、いろいろな可能性が~
存在しているということを知ったよ。▼~
一人で焦って、セーラやプリシラ様にも~
ご迷惑をかけてしまったな…~
あとで謝っておかないと。▼~
ともあれ、やるべきことは見えたよ。~
僕は僕の歩幅で…これからも~
努力していこうと思う。▼~
:[ピアニー]|
うんうん、それが一番だね。~
良く学んで、よく食べて、よく眠る!▼~
人間たちが未来を夢見てくれる…~
それは、夢の国の妖精たちにとっても~
幸せなことなの。▼~
だからこれからも、~
夢に向かって歩きましょ。~
えいえい、おー!▼~
**金紫の貴婦人 ルイーズ [#g16b1f9e]
***C [#e1b1cc2c]
:[イグレーヌ]|
お久しぶりです…ルイーズ様!▼~
:[ルイーズ]|
まあ、あの小さな~
イグレーヌちゃんが~
こんなに大きくなって!▼~
ホークアイ様…~
お父さんにも見せてあげたいわ。~
きっとお喜びに…▼~
あ、もしかして~
先に召喚されていた異界の私も~
同じことを言っていたかしら。▼~
:[イグレーヌ]|
え、ええ。▼~
:[ルイーズ]|
でも、そうね…イグレーヌちゃんが~
こんなに大きくなったんじゃ~
もうちゃん付けでは呼べないわね。▼~
:[イグレーヌ]|
い、いえ、ルイーズ様の~
お好きなようにお呼びください!▼~
これからもともに戦えること~
うれしく思います。~
では、のちほど訓練場で…!▼~
:[ルイーズ]|
それにしても驚いたわ。~
あの小さかったイグレーヌが~
あんな素敵な女性に…▼~
:[???]|
…今なら話を聞けるんじゃない?▼~
:[???]|
そ、そうね。チャンスかも…。▼~
:[ルイーズ]|
あら…?~
誰かいらっしゃるのですか?▼~
***B [#f8d88a1f]
:[ルイーズ]|
あら? あなたたちは…?▼~
:[ノルン]|
あ、あたしはアリティアの義勇兵~
ノルンと言いますっ!▼~
:[エフィ]|
ラムの村のエフィです。~
今日は、ルイーズさんに~
聞きたいことがあって。▼~
:[ルイーズ]|
私に聞きたいこと?~
なにかしら?▼~
:[ノルン]|
ルイーズさんには~
パントさんという素敵な~
旦那様がいらっしゃいますよね?▼~
どうやって旦那様を射止めたのか~
教えてほしいんです。~
同じ弓使いとして…!▼~
:[エフィ]|
私も…~
参考になればいいなって。▼~
:[ノルン]|
お願いします!~
なにとぞ、なにとぞっ!▼~
:[ルイーズ]|
別に構いませんが…~
何から話せばいいのかしら?▼~
:[ノルン]|
そ、そうですね…お二人が~
お付き合いされるようになった~
馴れ初めとかは…!?▼~
:[エフィ]|
あ、それいいかも…。▼~
:[ルイーズ]|
馴れ初め、ですか。~
参考になるかはわかりませんが…。▼~
そちらの木の陰に隠れている方~
よろしければ、あなたもこちらに。▼~
:[タニア]|
……!? べ、べ、別に~
隠れていたわけじゃないよ!~
たまたま通りかかったっていうか…!▼~
:[エフィ]|
ふーん…たまたまなんだ。▼~
:[ノルン]|
せっかくだから~
たまたま通りかかったタニアも~
お話聞いていこうよ。▼~
:[タニア]|
しょ、しょうがないね。~
ルイーズ様、あたしも~
ご一緒させていただいても…?▼~
:[ルイーズ]|
ええ、もちろんどうぞ。~
私の話が参考になれば良いのですが…。▼~
***A [#qff665d9]
:[ルイーズ]|
パント様は、エトルリアの名門~
リグレ公爵家の嫡男で、若い頃から~
その才を広く知られていました。▼~
私も幼い頃からパント様を存じており~
その人柄や努力を怠らぬ勤勉さを伝え聞き~
尊敬していたのです。▼~
:[ノルン]|
幼馴染みではなかったんですか?▼~
:[ルイーズ]|
はじめてパント様にお会いしたのは~
私が14歳のとき…~
パント様の婚約者を決める席でした。▼~
そこには、エトルリア貴族の令嬢二十人が~
集められており、私もその一人でした。▼~
もっとも私の家は、そこまで名門では~
なかったのですけど…▼~
:[タニア]|
でも、二十人もいたら選ぶの大変じゃない?~
どうやって婚約者を決めたんですか?▼~
:[ルイーズ]|
候補者はエトルリア貴族の美姫ばかり。~
どの令嬢も輝くばかりの~
美しさを誇っていました。▼~
その場で美姫たちはそれぞれ~
パント様の前で自分の特技を~
披露することになったのです。▼~
歌や踊り、楽器の演奏、詩の朗読…~
みなが令嬢の嗜む特技を~
次々と披露していきました。▼~
でも、私は…そのどれもが~
得意ではなかったのです。▼~
:[ノルン]|
ええっ!? そ、それじゃあ~
どうしてルイーズさんが~
選ばれたんですか?▼~
:[ルイーズ]|
私は…包み隠さず、自分の本心と~
これまで積み重ねてきた生き方を~
パント様にお伝えしたのです。▼~
「私は弓が一番得意です」~
「パント様をお守りしますので~
どうか、お嫁さんにしてください」と。▼~
:[エフィ]|
わあ、ストレート。▼~
:[ルイーズ]|
私が顔を真っ赤にしながら~
言い終わったとき~
部屋中から笑い声が響きました。▼~
令嬢も、その従者のみなさんも…~
みんな私のことを笑っていました。▼~
そんな中、たった一人笑うことなく~
微笑んでくれている人がいたの。~
それが、パント様だった。▼~
「あなたのように~
素直な女性ははじめてだ」~
そう、私の手を握ってくださったの。▼~
あのときの天に昇るような気持ちと~
パント様の手の温かさ…~
今でもしっかりと覚えています。▼~
:[タニア]|
ぐすっ! あたしは感動したよ!~
いい話じゃない…!▼~
:[ルイーズ]|
パント様はありのままの私を~
見てくれました。▼~
ありのままの自分を見せられるように~
努力すること…それが~
恋を叶える近道かもしれませんね。▼~
***S [#j12a820c]
:[レベッカ]|
ルイーズさん、ルイーズさん!▼~
:[ルイーズ]|
まあ、レベッカ。~
あなたもここへ来ていたのですね。~
お元気そうで何よりです。▼~
:[レベッカ]|
ルイーズさんこそ、お変わりなく…!~
アスク王国の生活には~
もう慣れましたか?▼~
:[ルイーズ]|
ええ。そうだわ…。先日、~
ノルンやエフィ、タニアたちに~
パント様との馴れ初めを話したのです。▼~
以前、あなたにも~
お話したことがありましたね。▼~
:[レベッカ]|
覚えています…!~
あの素敵なお話…。▼~
ああっ、なるほど!~
だからですね!▼~
:[ルイーズ]|
……?~
なにかおかしなことでも~
あったのですか?▼~
:[レベッカ]|
実はここ数日…~
ノルンやエフィ、タニアたちが~
猛烈に弓の訓練をしていたんです。▼~
「恋も戦いもモノをいうのは弓の腕ね!」~
と息巻いていたのは、もしかして…。▼~
:[ルイーズ]|
あらあら。~
私が伝えたかったのは~
そういう意味ではなかったのですが…。▼~
:[レベッカ]|
で、ですよね…。▼~
:[ルイーズ]|
でも、あの子たちはとても素直で~
前向きでした。▼~
きっと…いい恋ができると思います。~
もちろん、レベッカも。▼~
:[レベッカ]|
は、はいっ!~
ルイーズさんにそう言ってもらえると~
励みになります!▼~
わたしも、素敵な殿方と~
運命をともにできるように頑張ります!▼~
:[ルイーズ]|
ふふっ、応援しているわ。▼~
**銀の魔道軍将 パント [#e3cf0f4d]
***C [#k10140f5]
:[フィヨルム]|
つきました。~
ここがアスク王国の~
大図書館です。▼~
:[パント]|
これは素晴らしい…!~
何という数の秘本…~
まさしくここは智の宝庫、宝の山だ!▼~
:[カナス]|
パント様…!~
お久しぶりです!▼~
:[パント]|
君は…カナスじゃないか!~
そうか、君もアスク王国に~
召喚されていたんだね。▼~
:[カナス]|
はい、どういうわけか~
パント様よりも先に~
お世話になっております。▼~
ああ、フィヨルム王女も一緒なのですね。~
この間、お渡しした~
薬草の効果はいかがでした?▼~
:[フィヨルム]|
みなさんから頂いた~
あの薬草、寝る前に煎じて飲むと~
よく眠れるようになった気がします。▼~
私のために尽力していただき…~
感謝の言葉もありません。▼~
:[カナス]|
それはよかった…!~
僕たちはこれからも研究を続けるので~
また成果があれば、お伝えしますね。▼~
それと…パント様~
こちらにおいでください。▼~
パント様が興味を持たれそうな~
自然魔法にまつわる書物を~
こちらに集めておきました。▼~
:[パント]|
これは…幻の秘本?~
なぜこのようなものがアスク王国に…。▼~
こちらは…エトルリアの魔道院から~
消えたはずの断章によく似ている。~
すごいな…よく集めてくれたね!▼~
:[カナス]|
実はアスク王国には~
異界から召喚された、もうひとりの~
パント様がいらっしゃるのです。▼~
:[パント]|
ああ、フィヨルム王女からも伺ったよ。~
なんでも花嫁姿のルイーズも一緒らしいね。▼~
:[カナス]|
そのパント様はお祭りぐらいでしか~
お姿を見せないのですが…▼~
『もし異界から私が来たら~
この本を預けてほしい』と頼まれまして。▼~
:[パント]|
いい判断だ、異界の私…!~
もし出会ったときは~
礼を言わねばならないね。▼~
フィヨルム王女、アスク王国に来て~
早々で申し訳ないが…。▼~
有事のとき以外は~
私はこの図書館に籠もろうと思う。~
アンナ隊長にも、そうお伝え願えればと。▼~
:[フィヨルム]|
は、はい、わかりました。~
ルイーズさんにも伝えておきますね。▼~
***B [#e085ac38]
:[パント]|
これを見てくれカナス。この一文…~
前にカナスに見せてもらった~
ニイメ殿の本にあった一節と似ている。▼~
:[カナス]|
確かに…そのようですね。▼~
:[パント]|
さすが【山の隠者】ニイメ殿だ。~
彼女がとなえた説は、~
異界を超えた事象として証明されている!▼~
:[クリフ]|
……。すごいね…あの人。~
この図書館に来て、あんなに~
喜んでいる英雄ははじめて見たよ。▼~
:[リシテア]|
エトルリアの魔道軍将、~
リグレ公パント殿。▼~
エレブ大陸出身の魔道士の間では~
その名を知らぬ者はいない秀才とか。▼~
あの様子だとこの図書館に~
住み着いてしまうでしょう。▼~
:[クリフ]|
ふーん。~
ま、ぼくの読書の邪魔にならないなら~
なんでもいいけど。▼~
&br;''(暗転)''
:[エルク]|
パント先生、ルイーズ様からの~
差し入れをお持ちしました。▼~
:[パント]|
ありがとう、エルク。~
そこに置いておいてもらえるかな。▼~
:[エルク]|
高く積まれた本の数々。~
これをすべて読まれるおつもりですか?▼~
:[パント]|
ああ、それはもう読破済みだ。~
あとで本棚に戻しにいかないとね。▼~
:[エルク]|
こ、これを全部読まれたのですか?~
さすがパント先生…僕なら数か月~
いや、半年はかかってしまいそうです。▼~
:[パント]|
今の私は~
一介の学徒だよ。▼~
いやあ…実に久しぶりだね、~
こんなに探究心が燃え盛るのは。▼~
:[エルク]|
差し出がましいようですが~
お身体に差し障りがないように~
ご自愛ください、パント先生…。▼~
:[パント]|
ああ、わかってるよ。~
ルイーズにも礼を言っておいてくれ。▼~
しかし、この問題だけは妙に引っかかる。~
アスク王国、この国はいったい…。▼~
***A [#x7bcfca7]
:[フィヨルム]|
おはようございます。~
今日も読書に勤しまれているのですね。▼~
:[パント]|
ああ、これはフィヨルム王女。~
寝る間も惜しいほど良い書物ばかり、~
それに…▼~
今、私が調べている問題は~
時間をかけて考える価値がありそうだ。▼~
:[フィヨルム]|
問題…?~
なにか気になることでも?▼~
:[パント]|
アスク王国…~
どうしてこの国だけが~
幾度も危機に直面するのか?▼~
絶え間なく異界からの~
干渉を受けているのはなぜなのか?▼~
:[フィヨルム]|
た、確かにそういわれてみれば…。▼~
:[パント]|
アスク王国だけにあって~
他の異界にないものは何か…?▼~
異界の扉に関しては~
イーリス大陸や白夜王国、暗夜王国などにも~
その存在を示す記述が残っている…▼~
異界からの侵略を受ける~
アスク王国だけの~
特異な点…▼~
それは、~
召喚師殿の存在…▼~
***S [#edc5c342]
:[フィヨルム]|
そ、そんな…!~
エクラ様の存在が~
異界からの侵略の原因だというのですか?▼~
そんなはずはありません。~
エクラ様は~
この国を、皆様を守ってくださる方です!▼~
:[パント]|
ええ。フィヨルム王女のおっしゃる通り、~
召喚師殿が特異な点だとしても~
それは侵略を受ける理由ではなく…▼~
私たちがまだ知らない敵が存在し…~
その敵に抗するために召喚師殿は~
この世界に呼ばれたのではないか…▼~
:[フィヨルム]|
そ、そういうことですか…~
び、びっくりしました…▼~
その敵が何者かはわかりませんが、~
それを取り除くまで~
私たちの戦いは続くのでしょうね。▼~
:[パント]|
ええ。~
…もしも私の考えが正しければ、~
激しい戦いを心しておかなければ。▼~
まだ見ぬ敵は~
召喚師殿でなければ~
対抗できないほどの強大な存在…▼~
それはまさしく、~
全能の神のような…▼~
**すご腕の天馬騎士 ファリナ [#nd121cbf]
***C [#nbec7811]
:[ジョージ]|
毎度! アンナさんはいるかい?▼~
:[アンナ]|
あら、ジョージ。~
何か名産品でも仕入れてきたの?~
掘り出し物があれば買い取るわよ。▼~
:[ジョージ]|
それが…ちょっと変わった話でね。~
アンナ商会に顔を繋いでくれないかって~
とある英雄から相談されたんだ。▼~
:[ファリナ]|
たのもうっ!~
ここがアンナ商会ね!▼~
:[アンナ]|
正確にはイーリス聖王国アンナ商会~
アスク王国支店だけど…あなたは?▼~
:[ファリナ]|
私はイリア天馬騎士団のファリナ!~
すご腕の傭兵よ!▼~
アンナ商会はさまざまな商品を~
買い取ってくれるって~
ジョージから聞いたの。▼~
で、今回買い取ってもらいたいのは~
ズバリ、私の労働力よ!▼~
:[アンナ]|
労働力?▼~
:[ファリナ]|
戦いや訓練の合間を縫って~
私をアンナ商会で使ってほしいのよ。▼~
要人警護や見回り、商品の輸送など~
なんでもやるわよ!▼~
:[アンナ]|
ははぁ、要するにアンナ商会で~
働き口を世話してくれと。~
そういうことね。▼~
:[ファリナ]|
可憐なペガサスナイトと~
高貴なペガサスが力を貸すのよ?▼~
契約金の自己評価額は…そうね。~
エレブ大陸の時価で2万ゴールドだけど~
1万9千ゴールドで手をうつわ!▼~
:[アンナ]|
さて、来週までに用意する~
弓矢の手配は…と。▼~
:[ジョージ]|
じゃ、俺も仕入れに戻るわ。▼~
:[ファリナ]|
ちょ…! ちょっとちょっとぉ!~
なに自然に通常業務に戻っているわけ!?▼~
純白のペガサスに騎乗する~
可憐な女性騎士が~
力を貸すって言ってるのよ!?▼~
ペガサスに乗れるのは女の子だけ!~
いろいろと使い道があると思わない!?▼~
:[アンナ]|
えーと、うちも人手不足だから~
雇いたいのはやまやまだけど…~
ちょっと契約金が高すぎるって言うか。▼~
それに、アスク王国では~
ペガサスも珍しくないんじゃない?~
男性だって乗ってたりするし。▼~
:[ファリナ]|
な、なんですってぇ!?~
男はペガサスに乗れないはずなのに!~
誰よ、人の商品価値を落とすのは!?▼~
:[ジョージ]|
あ、それなら俺もみたことあるな。~
確か名前は…。▼~
***B [#ta666629]
:[ツバキ]|
よし…今日はこれくらいにしておこうかな。~
我ながら完璧な鍛錬だったよー。▼~
しかし、晴れた日のアスクの空は~
飛びやすいなー。~
どこまでも飛んでいけそうだよ。▼~
ん? あれは…?~
天馬がすごい勢いで~
こっちに飛んでくるけど…。▼~
:[ファリナ]|
……!?~
ど、どういうことよコレ!?~
ほ、本当に男がペガサスに乗ってるぅ!?▼~
髪もサラサラで、服にシワひとつない!~
なんなの、この妙に高貴な感じは!?▼~
:[ツバキ]|
えーと、俺は白夜王国のサクラ様の臣下~
天馬武者のツバキだよー。~
君はいったい…?▼~
:[ファリナ]|
私はイリア天馬騎士団のファリナ!~
2万ゴールドの女として~
その名を轟かせたすご腕の傭兵よ!▼~
:[ツバキ]|
イリア天馬騎士団?~
ああ、もしかしてフィオーラさんや…▼~
:[ファリナ]|
フィオーラは姉貴~
フロリーナは妹よ!▼~
:[ツバキ]|
顔立ちは似てるけど~
雰囲気は全然似てないねー。▼~
:[ファリナ]|
う、うっさいわね!▼~
そんなことはどうでもよくて~
問題はどうして男のアンタが~
ペガサスに乗っているのかってことよ!▼~
そもそもペガサスは乙女しか乗れないの!~
可愛い女の子が空飛ぶ白馬に乗る…~
そういうところに価値があるのよ!▼~
:[ツバキ]|
ああ、ペガサスと天馬は違うんだよー。~
白夜の天馬は男を嫌わないから…▼~
:[ファリナ]|
可憐な乙女! 真っ白なペガサス!~
このふたつが揃っているのが~
ポイントなの!▼~
それなのに、それなのにぃ…!▼~
:[エイル]|
……。▼~
:[ツバキ]|
あれ?~
あちらにいるのはエイル王女だ。~
エイル王女、王女も訓練中ですかー?▼~
***A [#b700cb77]
:[エイル]|
…今日はとても良い風ね。~
穏やかで優しくて、~
まるで生きているような…▼~
:[ツバキ]|
ファリナ、~
こちらはエイル王女だよー。▼~
:[ファリナ]|
は、はじめまして。~
私はイリア天馬騎士団のファリナ…。▼~
え!? ええええっ!?~
ど、どういうこと!?~
ペ、ペガサスが黒い!?▼~
ペガサスは純白のはずなのに~
どうしてエイル王女のペガサスは~
黒毛なのっ!?▼~
:[エイル]|
どうして、と言われても…▼~
:[ファリナ]|
そ、それにエイル王女と~
黒いペガサスの組み合わせも~
なんだかいい雰囲気…!▼~
こ、これは希少価値が半端ないわ!~
いったい何万ゴールドになるというの!?▼~
:[エイル]|
黒いペガサスは、珍しくないそうよ。~
聞くところによるとフォドラにも~
生息しているとか…。▼~
:[ファリナ]|
あわ、あわわわ…。▼~
女の子だけが乗れるという利点も~
ペガサスは白いから素敵という~
アピールポイントまでも…。▼~
まずいっ! このままじゃ~
2万ゴールドの価値がどんどん~
目減りしているような気がするわ!▼~
:[エイル]|
さっきから…ファリナは~
何を言っているのかしら?▼~
:[ツバキ]|
さあ? 俺もよくわかって~
いないんですよねー。▼~
:[ファリナ]|
ちょ、ちょっと待って。~
追い打ちをかけるように~
あっちから飛んでくるあの子は…誰?▼~
:[ツバキ]|
あ、あれはつばさだねー。~
フォルトナエンタテイメントという~
芸能集団に所属しているアイドルで…。▼~
:[ファリナ]|
……………………。▼~
:[エイル]|
…待って。~
ファリナが…~
気を失っているようよ…▼~
:[ファリナ]|
鉄の…ペガサスが…~
空を…飛んで… … …▼~
***S [#l3321a0b]
:[ファリナ]|
はぁぁっ! せいっ! せいっ!~
たあっ!▼~
:[フロリーナ]|
どうしちゃったんだろう~
ファリナお姉ちゃん…。~
最近、ずっと厳しい訓練ばかり。▼~
:[フィオーラ]|
ファリナ、あまり訓練で~
根を詰めすぎると身体に悪いわよ。▼~
そもそもあなた…~
「アンナ商会で雇ってもらって一攫千金!」~
なんて言ってなかった?▼~
:[ファリナ]|
アスク王国は危機に瀕しているんでしょ?~
ならば今はお金を稼ぐよりも~
己を鍛えてこの国を救わないと…!▼~
:[フロリーナ]|
「1ゴールドの妥協が死を招く」とか~
言っていたお姉ちゃんが…。▼~
うう、本当は思いやりにあふれた~
優しい魂の持ち主だったんだね。~
ほろり…。▼~
:[フィオーラ]|
ええ、私にはわかっていたわ。~
ファリナは真面目で優しい子。▼~
こうして三姉妹揃ったんですもの。~
イリア天馬騎士団の誇りにかけて~
アスク王国の力になりましょう…!▼~
:[フロリーナ]|
うんっ! 私も頑張る!▼~
:[ファリナ]|
……。…くぅぅぅっ!~
なんでこの国には~
こんなに商売敵が多いのよ!▼~
見てなさい…もっともっと強くなって~
私だけの価値を高めてみせる…!▼~
強くなったあかつきには~
うんと高値で売りこんでやるんだから!▼~
*コメント [#h9b99275]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*信頼という名の絆 [#j36f6ea2]
#contents
**信頼という名の絆 [#e171d4b5]
***オープニング [#e42b7c97]
:[ファリナ]|
アルフォンス王子、パント様。~
ただいま戻りました。~
偵察は無事に完了…!▼~
でも、報告よりも賊の数が多いみたい。~
もうっ、全然話が違うじゃない!▼~
:[アルフォンス]|
ご苦労さま、ファリナ。~
エルク、さっき預けた地図を~
見せてもらえるかな。▼~
:[エルク]|
現在地は…~
さきほど野営した盆地から~
少し西に移動したところですね。▼~
:[パント]|
ファリナ、君が見てきた~
賊の一団が展開していたのは…~
川沿いのこのあたりかな?▼~
:[ファリナ]|
はい。ここと、ここと…ああ、~
こっちの森の中にも!~
聞いてた数の3倍はいたかも。▼~
:[ルイーズ]|
このまま進むと…~
私たちは囲まれてしまう~
恐れがありますね。▼~
:[パント]|
……。~
アルフォンス王子~
私に、ひとつ考えがあります。▼~
私とエルクは、魔力を十分に残しています。~
最も効果的な局面で、~
これを用いましょう。▼~
:[エルク]|
……。▼~
:[パント]|
まず、こちらから囮を出して敵を誘導。~
我々は敵の背後に回り込み~
初撃にて致命的な一打を与えます。▼~
ルイーズ、囮の役目を頼めるかい?▼~
:[ルイーズ]|
はい、喜んでお引き受けいたします。▼~
:[ファリナ]|
え?~
囮役なら私のほうが~
向いてるんじゃ?▼~
:[パント]|
天馬で空を翔けるファリナでは~
地上の賊たちは追いつけないよ。▼~
自分たちの武器が届く相手でないと~
敵は必死に追ってこないからね。▼~
:[アルフォンス]|
では、その作戦でいこう。~
ルイーズ、くれぐれも気をつけて。~
無理はしないようにね。▼~
:[ルイーズ]|
はい、お任せください。~
必ずご期待に応えてみせますわ。▼~
:[ファリナ]|
……。▼~
***C [#k53a3cdd]
:[エルク]|
パント先生の作戦を成功させるには~
一瞬で勝負を決める必要がある。▼~
失敗すればルイーズ様にも~
アルフォンス王子にも危険が及ぶ。~
絶対に成功させないと…。▼~
:[ファリナ]|
おっ、何だか気合入ってるじゃない。~
感心感心。▼~
この作戦のキモは~
エルクとパント様なんだから。~
しっかり頼むね。▼~
:[エルク]|
ええ、そのつもりです。▼~
:[ファリナ]|
でもさ…囮役を奥さんに頼むなんて~
パント様はルイーズ様のことが~
心配じゃないわけ?▼~
:[エルク]|
もちろん、心配に決まっていますよ。▼~
でも、パント先生はルイーズ様を~
深く信用されているからこそ~
大事な役目を頼まれたのだと思います。▼~
:[ファリナ]|
ふーん、なるほどねえ。▼~
夫婦って言っても~
元はと言えば血の繋がりがない~
他人同士じゃない?▼~
さっきは、夫婦ってそんなもんなの?~
なーんて思っちゃった。~
でも、違ったんだ。なるほどね。▼~
:[エルク]|
本来なら、~
今回のルイーズ様のお役目は~
僕が担うべきものだった。▼~
だけど、僕はまだ未熟で~
パント先生の期待に応えられる~
力量がない…▼~
だから、囮役を任せるだけの~
信頼を得られなかったのでしょう。▼~
:[ファリナ]|
ふーん…ま、いいか。~
もうすぐ進軍がはじまるから~
首尾のほう、よろしくね!▼~
***B [#f4650e48]
:[アルフォンス]|
よし、ルイーズが~
敵を誘い出してくれた。~
ここから一転、攻勢をかけよう!▼~
:[ファリナ]|
任せて! ここからは~
私たちの出番ね…!▼~
:[エルク]|
あの、パント先生…▼~
:[パント]|
どうしたんだエルク?~
私たちも配置につこう。▼~
:[エルク]|
本当は僕が囮役をやるべきなのに~
ルイーズ様にお役目を~
任せてしまいました。▼~
次は僕が囮役をやれるように~
もっと力をつけてみせます。▼~
:[パント]|
エルクは実力が足りないゆえに~
囮役を任されなかったと~
思っているのかい?▼~
:[エルク]|
そ、そうではないのですか…?~
僕の実力は、まだまだ~
パント先生に信頼されていないのかと。▼~
:[パント]|
エルク、それは違うよ。▼~
ルイーズに囮役を頼んだのは~
彼女は弓兵としての高い技能を持ち、~
優れた視力と観察眼があるからだよ。▼~
今回の囮役を任せるのに~
適任なのがルイーズだった。~
だから、お願いしたんだ。▼~
:[エルク]|
な、なるほど…~
そういう理由があったのですね。▼~
:[パント]|
そしてエルクにも、ルイーズ同様に~
大事な使命がある。▼~
今回の作戦、勝利を収めるためには~
私とエルク、二人の魔道士が~
攻撃を集中させる必要があるんだ。▼~
私一人だけでは難しい。~
エルクの魔道を信用しているからこそ~
今回の作戦を立案したんだ。▼~
:[エルク]|
パント先生…!▼~
:[パント]|
さあ、まもなくルイーズも戻ってくる。~
機を逃さず一気に勝負をかけよう。▼~
:[エルク]|
はい…!~
必ずやご期待に応えてみせます…!▼~
***A [#zf40e547]
:[ファリナ]|
近くに敵の姿はなし。~
賊は総崩れで敗走したみたい…~
私たちの勝利ね!▼~
:[パント]|
うまくいったようだね。~
ルイーズ、危険な任務にも関わらず~
よくやってくれたね。▼~
:[ルイーズ]|
パント様とエルクが敵に大打撃を与え~
アルフォンス王子やファリナが~
素早く動いてくれたおかげです。▼~
今回の勝利はそれぞれの役目を~
しっかりと果たせたから、でしょうね。▼~
:[ファリナ]|
パント様が、ルイーズ様を~
信頼しているのはやっぱり~
夫婦だから…ですか?▼~
:[パント]|
もちろん、~
夫として妻のことは~
とても信頼しているよ。▼~
けれど、それだけではないんだ。~
私は一人の人間としても~
ルイーズに信頼を置いている。▼~
:[ルイーズ]|
パント様…。▼~
:[パント]|
言うまでもなく~
アルフォンス王子やファリナたちにも~
しっかりと信頼を寄せているよ。▼~
英雄でなくとも、王子でなくとも~
傭兵でなくとも…あなたがたは~
一人の人間として信頼に値する。▼~
:[アルフォンス]|
それは、肩書きや立場に左右されず~
人柄、才能そのものを信じる…~
そういう意味なのかな?▼~
:[パント]|
妻だから信じたい。弟子だから信じたい。~
それは願望でもあり、一生をかけて~
築いていきたい繋がりでもある。▼~
しかし、関係にとらわれることなく~
一人の人間として~
互いに信を置き、命を預けあう。▼~
信頼という名の絆を紡いでいくことも~
私は大切だと思っているんだ。▼~
そして今回は、みんなが私の信頼に~
十二分に応えてくれた。これでまた~
一層絆が強まった気がするよ。▼~
:[エルク]|
パント先生…!▼~
僕は、もっと修行を重ねます。~
弟子としてだけではなく~
一人の人間として成長できるように。▼~
パント先生とルイーズ様が~
僕に注いでくれた信頼に…~
必ず応えてみせますから…!▼~
**英知の魔道士 エルク [#m5030b6c]
***C [#qd837a32]
:[クレイン]|
…では、ぼくたちはこれで。▼~
:[クラリーネ]|
よろしくお願いいたしますわね。~
それでは。▼~
:[エルク]|
……。▼~
:[ピアニー]|
? どうしたの?~
ぽかんとした顔して。▼~
:[エルク]|
あ…ああ、すまない。~
あまりの驚きに心がついてこなくて。▼~
あの二人は…~
パント先生とルイーズ様の~
ご子息とご息女らしいじゃないか…!▼~
まさか、あんな立派に成長した~
お姿に出会えるなんて。~
なんとも驚きだよ…。▼~
:[ピアニー]|
未来の人間に出会えるなんて~
アスク王国って夢の国みたいね。▼~
ふふっ、エルクさん、そのうち~
未来のエルクさんと~
出会っちゃったりして。▼~
:[ギネヴィア]|
あの…~
もしや、あなたは~
あのエルク様でしょうか?▼~
:[エルク]|
え…? エルク様?~
ま、まさか僕のことですか?~
僕を知っているのですか?▼~
:[ギネヴィア]|
私はベルン王女ギネヴィアと申します。~
あなたの御高名は、~
ベルンにも届いておりました。▼~
エトルリア魔道軍将にと~
皆に望まれながらも~
それを固辞し…▼~
優れた魔道研究を成し遂げられた~
英知の魔道士エルク様…~
お会いできて光栄です。▼~
:[エルク]|
!?~
…ぼ、僕が…ですか?▼~
***B [#fd66d6ad]
:[エルク]|
ちょ、ちょっと待ってくれませんか。~
あなたは未来の僕のことを~
知っているようですが…。▼~
皆が僕を魔道軍将に~
推薦したというのですか…?~
なぜ?▼~
:[ギネヴィア]|
それはもちろん、エルク様が~
魔道軍将にふさわしい~
お方だからでしょう。▼~
:[エルク]|
!? 魔道軍将といえば~
エトルリアの魔道士の要!~
あのパント先生と同じ地位ですよ!▼~
し、しかもそれを断ったんですか?~
なぜ?~
なぜ僕は断ったりしたんです?▼~
:[ギネヴィア]|
すみません、私は存じません…~
エルク様のお気持ちは~
エルク様ご自身にしか…▼~
:[エルク]|
……。▼~
:[ピアニー]|
きゃっ、良かったね、エルクさん。~
未来のエルクさんはきっと~
すごい魔道士になるんだわ。▼~
:[エルク]|
し、信じられない…。~
未来の僕が、そんな…。▼~
:[ピアニー]|
あ、エルクさんったら、~
またぽかんとした顔してる。▼~
:[エルク]|
驚きの連続で、~
どう反応していいのか…。▼~
***A [#n4505f1d]
:[プリシラ]|
エルク…大丈夫でしたか?▼~
:[セーラ]|
もー、全然ダメ!~
部屋にこもりっきりで~
全然外に出てくる様子ナシ!▼~
部屋にこもってばかりいると~
根暗がもっと根暗になっちゃうわよ!~
…って言っても反応ないし。▼~
んもー! せっかく久々に~
アスク王国で再会できたって言うのに~
いったい何をやっているんだか…!▼~
:[プリシラ]|
エルク…心配ですね。~
無理をしていないといいのですが。▼~
&br;''(暗転)''
:[エルク]|
……。▼~
セーラの言うとおりにするのは~
すこしシャクだけど…~
たまには外で気分転換も必要だな。▼~
でも、今のままでは全然ダメだ。~
もしも本当に魔道軍将にと~
請われるほどの存在になるなら…▼~
僕は、もっともっと成長しないと。▼~
:[ピアニー]|
あら? エルクさん。~
お散歩?▼~
:[エルク]|
あ…。~
やあ、ピアニー。▼~
:[ピアニー]|
わっ! 目の下にすごいクマ!~
ちゃんと眠ってないんじゃない?▼~
:[エルク]|
そうだね…。~
勉強することがありすぎて~
寝る間も惜しいというか…。▼~
:[ピアニー]|
ダメ!~
眠ることはとっても大事なんだから。▼~
勉強だけじゃなく~
よく食べて、よく寝て~
心も身体も成長させないとね!▼~
もしかして、前に聞いた話が~
気になってるの?▼~
:[エルク]|
……。▼~
パント先生の次の魔道軍将に…~
それはもしかしたら、パント先生が~
望んでくださったことなのかもしれない。▼~
そんな恐れ多いこと…今の僕には~
申し訳なさ過ぎて耐えられない。~
だから、僕はもっと自分を…▼~
:[ピアニー]|
なるほどー。だから~
必死になって頑張っていたのね。▼~
でも、今ここにいるエルクさんは、~
エルクさんのままで~
いいんじゃないかな?▼~
:[エルク]|
僕のままで良い…?~
それはどういう…こと?▼~
***S [#a02b080f]
:[エルク]|
僕のままでいいって…~
でも、ギネヴィア王女の話が本当なら…▼~
僕は将来、~
魔道軍将に推されるような~
存在になるべきじゃ…▼~
:[ピアニー]|
だって、今のギネヴィアさんが~
エルクさんと同じ異界の~
ギネヴィアさんとは限らないでしょ?▼~
二人は別々の異界から来ていて…~
今、私の目の前にいるエルクさんは~
別の道を歩むかもしれないんだから。▼~
:[エルク]|
それは…異界ごとに違う自分がいて~
異なる未来が待っている~
可能性があるということかい?▼~
:[ピアニー]|
エクラさんも~
そんなこと言っていた気がするの。~
未来は、異界の数だけあるって。▼~
エルクさんは~
ほんとうにすごい魔道士に~
なるのかもしれないし…▼~
誰かと結婚して、~
二人で幸せに~
暮らすのかもしれない…▼~
要するに、まだ未来は~
決まってないってこと!▼~
:[エルク]|
そうか。そういうことなのか…。▼~
僕は未来が決められたもので~
その通りに生きなければならないと…~
そう、思い込んでいたんだね。▼~
ありがとう、ピアニー。~
この世界には、いろいろな可能性が~
存在しているということを知ったよ。▼~
一人で焦って、セーラやプリシラ様にも~
ご迷惑をかけてしまったな…~
あとで謝っておかないと。▼~
ともあれ、やるべきことは見えたよ。~
僕は僕の歩幅で…これからも~
努力していこうと思う。▼~
:[ピアニー]|
うんうん、それが一番だね。~
良く学んで、よく食べて、よく眠る!▼~
人間たちが未来を夢見てくれる…~
それは、夢の国の妖精たちにとっても~
幸せなことなの。▼~
だからこれからも、~
夢に向かって歩きましょ。~
えいえい、おー!▼~
**金紫の貴婦人 ルイーズ [#g16b1f9e]
***C [#e1b1cc2c]
:[イグレーヌ]|
お久しぶりです…ルイーズ様!▼~
:[ルイーズ]|
まあ、あの小さな~
イグレーヌちゃんが~
こんなに大きくなって!▼~
ホークアイ様…~
お父さんにも見せてあげたいわ。~
きっとお喜びに…▼~
あ、もしかして~
先に召喚されていた異界の私も~
同じことを言っていたかしら。▼~
:[イグレーヌ]|
え、ええ。▼~
:[ルイーズ]|
でも、そうね…イグレーヌちゃんが~
こんなに大きくなったんじゃ~
もうちゃん付けでは呼べないわね。▼~
:[イグレーヌ]|
い、いえ、ルイーズ様の~
お好きなようにお呼びください!▼~
これからもともに戦えること~
うれしく思います。~
では、のちほど訓練場で…!▼~
:[ルイーズ]|
それにしても驚いたわ。~
あの小さかったイグレーヌが~
あんな素敵な女性に…▼~
:[???]|
…今なら話を聞けるんじゃない?▼~
:[???]|
そ、そうね。チャンスかも…。▼~
:[ルイーズ]|
あら…?~
誰かいらっしゃるのですか?▼~
***B [#f8d88a1f]
:[ルイーズ]|
あら? あなたたちは…?▼~
:[ノルン]|
あ、あたしはアリティアの義勇兵~
ノルンと言いますっ!▼~
:[エフィ]|
ラムの村のエフィです。~
今日は、ルイーズさんに~
聞きたいことがあって。▼~
:[ルイーズ]|
私に聞きたいこと?~
なにかしら?▼~
:[ノルン]|
ルイーズさんには~
パントさんという素敵な~
旦那様がいらっしゃいますよね?▼~
どうやって旦那様を射止めたのか~
教えてほしいんです。~
同じ弓使いとして…!▼~
:[エフィ]|
私も…~
参考になればいいなって。▼~
:[ノルン]|
お願いします!~
なにとぞ、なにとぞっ!▼~
:[ルイーズ]|
別に構いませんが…~
何から話せばいいのかしら?▼~
:[ノルン]|
そ、そうですね…お二人が~
お付き合いされるようになった~
馴れ初めとかは…!?▼~
:[エフィ]|
あ、それいいかも…。▼~
:[ルイーズ]|
馴れ初め、ですか。~
参考になるかはわかりませんが…。▼~
そちらの木の陰に隠れている方~
よろしければ、あなたもこちらに。▼~
:[タニア]|
……!? べ、べ、別に~
隠れていたわけじゃないよ!~
たまたま通りかかったっていうか…!▼~
:[エフィ]|
ふーん…たまたまなんだ。▼~
:[ノルン]|
せっかくだから~
たまたま通りかかったタニアも~
お話聞いていこうよ。▼~
:[タニア]|
しょ、しょうがないね。~
ルイーズ様、あたしも~
ご一緒させていただいても…?▼~
:[ルイーズ]|
ええ、もちろんどうぞ。~
私の話が参考になれば良いのですが…。▼~
***A [#qff665d9]
:[ルイーズ]|
パント様は、エトルリアの名門~
リグレ公爵家の嫡男で、若い頃から~
その才を広く知られていました。▼~
私も幼い頃からパント様を存じており~
その人柄や努力を怠らぬ勤勉さを伝え聞き~
尊敬していたのです。▼~
:[ノルン]|
幼馴染みではなかったんですか?▼~
:[ルイーズ]|
はじめてパント様にお会いしたのは~
私が14歳のとき…~
パント様の婚約者を決める席でした。▼~
そこには、エトルリア貴族の令嬢二十人が~
集められており、私もその一人でした。▼~
もっとも私の家は、そこまで名門では~
なかったのですけど…▼~
:[タニア]|
でも、二十人もいたら選ぶの大変じゃない?~
どうやって婚約者を決めたんですか?▼~
:[ルイーズ]|
候補者はエトルリア貴族の美姫ばかり。~
どの令嬢も輝くばかりの~
美しさを誇っていました。▼~
その場で美姫たちはそれぞれ~
パント様の前で自分の特技を~
披露することになったのです。▼~
歌や踊り、楽器の演奏、詩の朗読…~
みなが令嬢の嗜む特技を~
次々と披露していきました。▼~
でも、私は…そのどれもが~
得意ではなかったのです。▼~
:[ノルン]|
ええっ!? そ、それじゃあ~
どうしてルイーズさんが~
選ばれたんですか?▼~
:[ルイーズ]|
私は…包み隠さず、自分の本心と~
これまで積み重ねてきた生き方を~
パント様にお伝えしたのです。▼~
「私は弓が一番得意です」~
「パント様をお守りしますので~
どうか、お嫁さんにしてください」と。▼~
:[エフィ]|
わあ、ストレート。▼~
:[ルイーズ]|
私が顔を真っ赤にしながら~
言い終わったとき~
部屋中から笑い声が響きました。▼~
令嬢も、その従者のみなさんも…~
みんな私のことを笑っていました。▼~
そんな中、たった一人笑うことなく~
微笑んでくれている人がいたの。~
それが、パント様だった。▼~
「あなたのように~
素直な女性ははじめてだ」~
そう、私の手を握ってくださったの。▼~
あのときの天に昇るような気持ちと~
パント様の手の温かさ…~
今でもしっかりと覚えています。▼~
:[タニア]|
ぐすっ! あたしは感動したよ!~
いい話じゃない…!▼~
:[ルイーズ]|
パント様はありのままの私を~
見てくれました。▼~
ありのままの自分を見せられるように~
努力すること…それが~
恋を叶える近道かもしれませんね。▼~
***S [#j12a820c]
:[レベッカ]|
ルイーズさん、ルイーズさん!▼~
:[ルイーズ]|
まあ、レベッカ。~
あなたもここへ来ていたのですね。~
お元気そうで何よりです。▼~
:[レベッカ]|
ルイーズさんこそ、お変わりなく…!~
アスク王国の生活には~
もう慣れましたか?▼~
:[ルイーズ]|
ええ。そうだわ…。先日、~
ノルンやエフィ、タニアたちに~
パント様との馴れ初めを話したのです。▼~
以前、あなたにも~
お話したことがありましたね。▼~
:[レベッカ]|
覚えています…!~
あの素敵なお話…。▼~
ああっ、なるほど!~
だからですね!▼~
:[ルイーズ]|
……?~
なにかおかしなことでも~
あったのですか?▼~
:[レベッカ]|
実はここ数日…~
ノルンやエフィ、タニアたちが~
猛烈に弓の訓練をしていたんです。▼~
「恋も戦いもモノをいうのは弓の腕ね!」~
と息巻いていたのは、もしかして…。▼~
:[ルイーズ]|
あらあら。~
私が伝えたかったのは~
そういう意味ではなかったのですが…。▼~
:[レベッカ]|
で、ですよね…。▼~
:[ルイーズ]|
でも、あの子たちはとても素直で~
前向きでした。▼~
きっと…いい恋ができると思います。~
もちろん、レベッカも。▼~
:[レベッカ]|
は、はいっ!~
ルイーズさんにそう言ってもらえると~
励みになります!▼~
わたしも、素敵な殿方と~
運命をともにできるように頑張ります!▼~
:[ルイーズ]|
ふふっ、応援しているわ。▼~
**銀の魔道軍将 パント [#e3cf0f4d]
***C [#k10140f5]
:[フィヨルム]|
つきました。~
ここがアスク王国の~
大図書館です。▼~
:[パント]|
これは素晴らしい…!~
何という数の秘本…~
まさしくここは智の宝庫、宝の山だ!▼~
:[カナス]|
パント様…!~
お久しぶりです!▼~
:[パント]|
君は…カナスじゃないか!~
そうか、君もアスク王国に~
召喚されていたんだね。▼~
:[カナス]|
はい、どういうわけか~
パント様よりも先に~
お世話になっております。▼~
ああ、フィヨルム王女も一緒なのですね。~
この間、お渡しした~
薬草の効果はいかがでした?▼~
:[フィヨルム]|
みなさんから頂いた~
あの薬草、寝る前に煎じて飲むと~
よく眠れるようになった気がします。▼~
私のために尽力していただき…~
感謝の言葉もありません。▼~
:[カナス]|
それはよかった…!~
僕たちはこれからも研究を続けるので~
また成果があれば、お伝えしますね。▼~
それと…パント様~
こちらにおいでください。▼~
パント様が興味を持たれそうな~
自然魔法にまつわる書物を~
こちらに集めておきました。▼~
:[パント]|
これは…幻の秘本?~
なぜこのようなものがアスク王国に…。▼~
こちらは…エトルリアの魔道院から~
消えたはずの断章によく似ている。~
すごいな…よく集めてくれたね!▼~
:[カナス]|
実はアスク王国には~
異界から召喚された、もうひとりの~
パント様がいらっしゃるのです。▼~
:[パント]|
ああ、フィヨルム王女からも伺ったよ。~
なんでも花嫁姿のルイーズも一緒らしいね。▼~
:[カナス]|
そのパント様はお祭りぐらいでしか~
お姿を見せないのですが…▼~
『もし異界から私が来たら~
この本を預けてほしい』と頼まれまして。▼~
:[パント]|
いい判断だ、異界の私…!~
もし出会ったときは~
礼を言わねばならないね。▼~
フィヨルム王女、アスク王国に来て~
早々で申し訳ないが…。▼~
有事のとき以外は~
私はこの図書館に籠もろうと思う。~
アンナ隊長にも、そうお伝え願えればと。▼~
:[フィヨルム]|
は、はい、わかりました。~
ルイーズさんにも伝えておきますね。▼~
***B [#e085ac38]
:[パント]|
これを見てくれカナス。この一文…~
前にカナスに見せてもらった~
ニイメ殿の本にあった一節と似ている。▼~
:[カナス]|
確かに…そのようですね。▼~
:[パント]|
さすが【山の隠者】ニイメ殿だ。~
彼女がとなえた説は、~
異界を超えた事象として証明されている!▼~
:[クリフ]|
……。すごいね…あの人。~
この図書館に来て、あんなに~
喜んでいる英雄ははじめて見たよ。▼~
:[リシテア]|
エトルリアの魔道軍将、~
リグレ公パント殿。▼~
エレブ大陸出身の魔道士の間では~
その名を知らぬ者はいない秀才とか。▼~
あの様子だとこの図書館に~
住み着いてしまうでしょう。▼~
:[クリフ]|
ふーん。~
ま、ぼくの読書の邪魔にならないなら~
なんでもいいけど。▼~
&br;''(暗転)''
:[エルク]|
パント先生、ルイーズ様からの~
差し入れをお持ちしました。▼~
:[パント]|
ありがとう、エルク。~
そこに置いておいてもらえるかな。▼~
:[エルク]|
高く積まれた本の数々。~
これをすべて読まれるおつもりですか?▼~
:[パント]|
ああ、それはもう読破済みだ。~
あとで本棚に戻しにいかないとね。▼~
:[エルク]|
こ、これを全部読まれたのですか?~
さすがパント先生…僕なら数か月~
いや、半年はかかってしまいそうです。▼~
:[パント]|
今の私は~
一介の学徒だよ。▼~
いやあ…実に久しぶりだね、~
こんなに探究心が燃え盛るのは。▼~
:[エルク]|
差し出がましいようですが~
お身体に差し障りがないように~
ご自愛ください、パント先生…。▼~
:[パント]|
ああ、わかってるよ。~
ルイーズにも礼を言っておいてくれ。▼~
しかし、この問題だけは妙に引っかかる。~
アスク王国、この国はいったい…。▼~
***A [#x7bcfca7]
:[フィヨルム]|
おはようございます。~
今日も読書に勤しまれているのですね。▼~
:[パント]|
ああ、これはフィヨルム王女。~
寝る間も惜しいほど良い書物ばかり、~
それに…▼~
今、私が調べている問題は~
時間をかけて考える価値がありそうだ。▼~
:[フィヨルム]|
問題…?~
なにか気になることでも?▼~
:[パント]|
アスク王国…~
どうしてこの国だけが~
幾度も危機に直面するのか?▼~
絶え間なく異界からの~
干渉を受けているのはなぜなのか?▼~
:[フィヨルム]|
た、確かにそういわれてみれば…。▼~
:[パント]|
アスク王国だけにあって~
他の異界にないものは何か…?▼~
異界の扉に関しては~
イーリス大陸や白夜王国、暗夜王国などにも~
その存在を示す記述が残っている…▼~
異界からの侵略を受ける~
アスク王国だけの~
特異な点…▼~
それは、~
召喚師殿の存在…▼~
***S [#edc5c342]
:[フィヨルム]|
そ、そんな…!~
エクラ様の存在が~
異界からの侵略の原因だというのですか?▼~
そんなはずはありません。~
エクラ様は~
この国を、皆様を守ってくださる方です!▼~
:[パント]|
ええ。フィヨルム王女のおっしゃる通り、~
召喚師殿が特異な点だとしても~
それは侵略を受ける理由ではなく…▼~
私たちがまだ知らない敵が存在し…~
その敵に抗するために召喚師殿は~
この世界に呼ばれたのではないか…▼~
:[フィヨルム]|
そ、そういうことですか…~
び、びっくりしました…▼~
その敵が何者かはわかりませんが、~
それを取り除くまで~
私たちの戦いは続くのでしょうね。▼~
:[パント]|
ええ。~
…もしも私の考えが正しければ、~
激しい戦いを心しておかなければ。▼~
まだ見ぬ敵は~
召喚師殿でなければ~
対抗できないほどの強大な存在…▼~
それはまさしく、~
全能の神のような…▼~
**すご腕の天馬騎士 ファリナ [#nd121cbf]
***C [#nbec7811]
:[ジョージ]|
毎度! アンナさんはいるかい?▼~
:[アンナ]|
あら、ジョージ。~
何か名産品でも仕入れてきたの?~
掘り出し物があれば買い取るわよ。▼~
:[ジョージ]|
それが…ちょっと変わった話でね。~
アンナ商会に顔を繋いでくれないかって~
とある英雄から相談されたんだ。▼~
:[ファリナ]|
たのもうっ!~
ここがアンナ商会ね!▼~
:[アンナ]|
正確にはイーリス聖王国アンナ商会~
アスク王国支店だけど…あなたは?▼~
:[ファリナ]|
私はイリア天馬騎士団のファリナ!~
すご腕の傭兵よ!▼~
アンナ商会はさまざまな商品を~
買い取ってくれるって~
ジョージから聞いたの。▼~
で、今回買い取ってもらいたいのは~
ズバリ、私の労働力よ!▼~
:[アンナ]|
労働力?▼~
:[ファリナ]|
戦いや訓練の合間を縫って~
私をアンナ商会で使ってほしいのよ。▼~
要人警護や見回り、商品の輸送など~
なんでもやるわよ!▼~
:[アンナ]|
ははぁ、要するにアンナ商会で~
働き口を世話してくれと。~
そういうことね。▼~
:[ファリナ]|
可憐なペガサスナイトと~
高貴なペガサスが力を貸すのよ?▼~
契約金の自己評価額は…そうね。~
エレブ大陸の時価で2万ゴールドだけど~
1万9千ゴールドで手をうつわ!▼~
:[アンナ]|
さて、来週までに用意する~
弓矢の手配は…と。▼~
:[ジョージ]|
じゃ、俺も仕入れに戻るわ。▼~
:[ファリナ]|
ちょ…! ちょっとちょっとぉ!~
なに自然に通常業務に戻っているわけ!?▼~
純白のペガサスに騎乗する~
可憐な女性騎士が~
力を貸すって言ってるのよ!?▼~
ペガサスに乗れるのは女の子だけ!~
いろいろと使い道があると思わない!?▼~
:[アンナ]|
えーと、うちも人手不足だから~
雇いたいのはやまやまだけど…~
ちょっと契約金が高すぎるって言うか。▼~
それに、アスク王国では~
ペガサスも珍しくないんじゃない?~
男性だって乗ってたりするし。▼~
:[ファリナ]|
な、なんですってぇ!?~
男はペガサスに乗れないはずなのに!~
誰よ、人の商品価値を落とすのは!?▼~
:[ジョージ]|
あ、それなら俺もみたことあるな。~
確か名前は…。▼~
***B [#ta666629]
:[ツバキ]|
よし…今日はこれくらいにしておこうかな。~
我ながら完璧な鍛錬だったよー。▼~
しかし、晴れた日のアスクの空は~
飛びやすいなー。~
どこまでも飛んでいけそうだよ。▼~
ん? あれは…?~
天馬がすごい勢いで~
こっちに飛んでくるけど…。▼~
:[ファリナ]|
……!?~
ど、どういうことよコレ!?~
ほ、本当に男がペガサスに乗ってるぅ!?▼~
髪もサラサラで、服にシワひとつない!~
なんなの、この妙に高貴な感じは!?▼~
:[ツバキ]|
えーと、俺は白夜王国のサクラ様の臣下~
天馬武者のツバキだよー。~
君はいったい…?▼~
:[ファリナ]|
私はイリア天馬騎士団のファリナ!~
2万ゴールドの女として~
その名を轟かせたすご腕の傭兵よ!▼~
:[ツバキ]|
イリア天馬騎士団?~
ああ、もしかしてフィオーラさんや…▼~
:[ファリナ]|
フィオーラは姉貴~
フロリーナは妹よ!▼~
:[ツバキ]|
顔立ちは似てるけど~
雰囲気は全然似てないねー。▼~
:[ファリナ]|
う、うっさいわね!▼~
そんなことはどうでもよくて~
問題はどうして男のアンタが~
ペガサスに乗っているのかってことよ!▼~
そもそもペガサスは乙女しか乗れないの!~
可愛い女の子が空飛ぶ白馬に乗る…~
そういうところに価値があるのよ!▼~
:[ツバキ]|
ああ、ペガサスと天馬は違うんだよー。~
白夜の天馬は男を嫌わないから…▼~
:[ファリナ]|
可憐な乙女! 真っ白なペガサス!~
このふたつが揃っているのが~
ポイントなの!▼~
それなのに、それなのにぃ…!▼~
:[エイル]|
……。▼~
:[ツバキ]|
あれ?~
あちらにいるのはエイル王女だ。~
エイル王女、王女も訓練中ですかー?▼~
***A [#b700cb77]
:[エイル]|
…今日はとても良い風ね。~
穏やかで優しくて、~
まるで生きているような…▼~
:[ツバキ]|
ファリナ、~
こちらはエイル王女だよー。▼~
:[ファリナ]|
は、はじめまして。~
私はイリア天馬騎士団のファリナ…。▼~
え!? ええええっ!?~
ど、どういうこと!?~
ペ、ペガサスが黒い!?▼~
ペガサスは純白のはずなのに~
どうしてエイル王女のペガサスは~
黒毛なのっ!?▼~
:[エイル]|
どうして、と言われても…▼~
:[ファリナ]|
そ、それにエイル王女と~
黒いペガサスの組み合わせも~
なんだかいい雰囲気…!▼~
こ、これは希少価値が半端ないわ!~
いったい何万ゴールドになるというの!?▼~
:[エイル]|
黒いペガサスは、珍しくないそうよ。~
聞くところによるとフォドラにも~
生息しているとか…。▼~
:[ファリナ]|
あわ、あわわわ…。▼~
女の子だけが乗れるという利点も~
ペガサスは白いから素敵という~
アピールポイントまでも…。▼~
まずいっ! このままじゃ~
2万ゴールドの価値がどんどん~
目減りしているような気がするわ!▼~
:[エイル]|
さっきから…ファリナは~
何を言っているのかしら?▼~
:[ツバキ]|
さあ? 俺もよくわかって~
いないんですよねー。▼~
:[ファリナ]|
ちょ、ちょっと待って。~
追い打ちをかけるように~
あっちから飛んでくるあの子は…誰?▼~
:[ツバキ]|
あ、あれはつばさだねー。~
フォルトナエンタテイメントという~
芸能集団に所属しているアイドルで…。▼~
:[ファリナ]|
……………………。▼~
:[エイル]|
…待って。~
ファリナが…~
気を失っているようよ…▼~
:[ファリナ]|
鉄の…ペガサスが…~
空を…飛んで… … …▼~
***S [#l3321a0b]
:[ファリナ]|
はぁぁっ! せいっ! せいっ!~
たあっ!▼~
:[フロリーナ]|
どうしちゃったんだろう~
ファリナお姉ちゃん…。~
最近、ずっと厳しい訓練ばかり。▼~
:[フィオーラ]|
ファリナ、あまり訓練で~
根を詰めすぎると身体に悪いわよ。▼~
そもそもあなた…~
「アンナ商会で雇ってもらって一攫千金!」~
なんて言ってなかった?▼~
:[ファリナ]|
アスク王国は危機に瀕しているんでしょ?~
ならば今はお金を稼ぐよりも~
己を鍛えてこの国を救わないと…!▼~
:[フロリーナ]|
「1ゴールドの妥協が死を招く」とか~
言っていたお姉ちゃんが…。▼~
うう、本当は思いやりにあふれた~
優しい魂の持ち主だったんだね。~
ほろり…。▼~
:[フィオーラ]|
ええ、私にはわかっていたわ。~
ファリナは真面目で優しい子。▼~
こうして三姉妹揃ったんですもの。~
イリア天馬騎士団の誇りにかけて~
アスク王国の力になりましょう…!▼~
:[フロリーナ]|
うんっ! 私も頑張る!▼~
:[ファリナ]|
……。…くぅぅぅっ!~
なんでこの国には~
こんなに商売敵が多いのよ!▼~
見てなさい…もっともっと強くなって~
私だけの価値を高めてみせる…!▼~
強くなったあかつきには~
うんと高値で売りこんでやるんだから!▼~
*コメント [#h9b99275]
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