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章別会話/信念よ力となれ
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*信念よ力となれ [#i55289c7]
#contents
**信念よ力となれ [#sf5fe5b8]
***オープニング [#m979ea3c]
:[ニイメ]|
ふむ、どうやら片付いたようだね。▼~
:[シャロン]|
みなさん、お怪我はありませんか!?▼~
:[イドゥン]|
ええ…大丈夫です。▼~
:[ヒュウ]|
いやー、ばあちゃんの古代魔法。~
久しぶりに見たけどやっぱすげえわ。▼~
もう、ばあちゃん一人で~
アスク王国の危機を~
救えんじゃねえの?▼~
:[ニイメ]|
なにバカなことを言ってるんだい。~
手を抜こうったって、そうはいかないよ。~
あんたも本気でやりな。このアホ孫。▼~
:[ヒュウ]|
ばあちゃん、異界に来てまで~
アホ呼ばわりは勘弁してくれよ。~
実の孫だぜ~。▼~
:[キャス]|
うーん…▼~
:[ヒュウ]|
ん? どうした。~
眉間にシワなんて寄せて。▼~
:[キャス]|
ねえ、ヒュウ。ちょっといい?~
イドゥンのことなんだけど~
なんか変だと思わない?▼~
:[ヒュウ]|
変? 左右の目の色が違って~
綺麗だなーとは思うけどな。▼~
:[キャス]|
そういうことじゃなくってさ!~
噂で聞いていたイドゥンって~
もっとこう、恐怖の化身というか…▼~
たった一人でエレブ大陸を~
滅ぼしちゃいそうというかさ…▼~
よくわかんないけど、あの人~
すごい力を持ってるんでしょ?▼~
おっそろしい竜とかを~
いっぱい生み出せるとか聞いたよ?▼~
:[ヒュウ]|
うーん、言われてみれば~
今のイドゥンは聞いてた噂とは違うな。▼~
ベルンの王様に従っていたときは~
暗闇の巫女と呼ばれていたらしいけど~
全然そんな感じ、しないよな?▼~
:[キャス]|
もしかしてイドゥン…~
本気で戦ってないんじゃないの?▼~
すごい力を持っているはずなのに。~
どうして全力で戦おうとしないんだろ。▼~
:[ヒュウ]|
噂どおりの力を持っているなら~
戦争なんてすぐに~
終わらせられそうなもんだけどな。▼~
:[キャス]|
あたし、理由を聞いてみる!▼~
:[ヒュウ]|
お、おい、キャス…!▼~
:(暗転)|
:[キャス]|
で、あたしは思ったんだ。~
もしかしてイドゥンって~
本気を出してないんじゃないかって。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[キャス]|
たくさんの竜を生み出して~
従えることができるって噂も~
聞いたことあるんだよ。▼~
:[イドゥン]|
ごめんなさい。~
あの力は…もう使えない…▼~
いえ…使わないの。▼~
:[キャス]|
あっ、ちょっと…!▼~
:[ヒュウ]|
行っちまったな…▼~
:[キャス]|
うーん、なんだろう。~
あの悲しそうな顔、気になるなー。▼~
:[ニイメ]|
……▼~
***C [#f9701bdd]
:[キャス]|
やっぱり納得いかない!▼~
イドゥン、やっぱり変だよ。~
力があるのに使わないのはどうして?~
おかしいよね?▼~
:[ヒュウ]|
そうだなあ。~
力の持ち腐れってのは~
どうにももったいない話だ。▼~
:[キャス]|
あたしは、力がないせいで~
大切なものを犠牲にしてきた~
人たちをいっぱい見てきた。▼~
それにあたしも~
炎に包まれる自分の村を見て…▼~
力のない人間は自分たちの生き方も~
選べないのかなって…~
痛感したんだ。▼~
:[ヒュウ]|
イドゥンは古文書にも~
出てくるような強大な力を持つ竜…~
魔竜だったんだろ。▼~
世界を滅ぼせるくらいの~
力を持ってるなら、その力で~
世界を守ればいいとも思うけど。▼~
:[ニイメ]|
力をどう使うかで~
その意味は変わるのさ▼~
:[ヒュウ]|
ばあちゃん、聞いてたのかよ。▼~
:[ニイメ]|
世界を滅ぼす力。~
世界を守る力。~
どちらも強大な力には変わりない。▼~
:[キャス]|
使い方次第だってことでしょ?~
それならためらうことなく~
使えばいいじゃない。▼~
だってアスク王国は大ピンチなんでしょ?~
迷うことないよ!▼~
:[ニイメ]|
力には代償が伴うものじゃ。▼~
古代魔法を使う者が深い闇と~
向き合わねばならないようにね…▼~
:[ヒュウ]|
うまい料理を食うには~
大金が必要となるように、か。▼~
:[ニイメ]|
大事な話をしているときに~
どうでもいい例えをするんじゃないよ。~
このバカ孫!▼~
あの子は…~
イドゥンはね…▼~
魔竜として~
強大な力を与えられた代償に~
心を失ったのさ。▼~
:[キャス]|
……!▼~
:[ニイメ]|
あんたたちは、もう一度それを~
あの子に強いる気かい?▼~
***B [#d12c74cc]
:[ニイメ]|
人竜戦役、名前くらいはアホ孫も~
聞いたことがあるじゃろ。▼~
:[ヒュウ]|
オレだって古代魔法を学んだ身だ。~
それくらいは知っているぜ。▼~
:[キャス]|
あたしも、昔話で聞かされたよ。~
エレブ大陸の支配者の座をかけて~
千年前、人と竜が戦った戦争…だっけ。▼~
:[ニイメ]|
人と竜の戦いは熾烈を極めた。~
けど、数と闘争心に勝る人は~
徐々に竜を圧倒する…▼~
追い詰められた竜が選んだのは~
おそるべき力を持つ~
魔竜を生み出すこと。▼~
そこで犠牲となったのが神竜…~
あのイドゥンさ。▼~
:[キャス]|
…………▼~
:[ニイメ]|
伝え聞いた話だと~
イドゥンが魔竜にされたとき~
その心を抜き取られ…▼~
戦うための竜を生み出すだけの~
存在になってしまったそうだね。▼~
心を失い、ただ、来る日も来る日も。~
人を滅ぼすため、竜を生み出す日々を~
あの子は強いられ続けたのさ。▼~
:[ヒュウ]|
ひでえ…。~
なんだよそれ▼~
:[ニイメ]|
でもね、~
今のイドゥンは魔竜としての~
生き方から解放されている。▼~
アスク王国で話してわかったよ。~
あの子は、人と竜が共存できる~
世界を目指していると。▼~
:[ヒュウ]|
……▼~
:[ニイメ]|
かつて、戦うための竜を生み出し~
人々を恐怖に陥れた力…▼~
その力を要求するということは~
彼女に魔竜に戻れと言うのと~
同じことさ。▼~
やっと、心を~
取り戻しかけているあの子を…▼~
犠牲にして守る平和に~
なんの意味があるっていうんだい?▼~
:[ヒュウ]|
…だよな。心を差し出してまで~
彼女に全力で戦えとか言えないよな。▼~
なにを指して平和な世界っていうのかは~
わからねえけどよ…。▼~
ガキが笑っていられる世界。~
みんなが笑っていられる世界が~
いいに決まってる。▼~
:[キャス]|
あたし、イドゥンに謝ってくる。~
誰かを犠牲にするような戦いなんて~
そんなの、あたしだって嫌だよ。▼~
:[ヒュウ]|
お、おい。待てキャス…!~
オレも一緒にいくぜ。▼~
***A [#z37468cc]
:[キャス]|
ホントにごめん!~
あたし、勝手なこと言っちゃって!▼~
どうして全力出さないのとか~
傷つけちゃうことを言って…~
あーもう、あたしのバカ、バカ!▼~
:[ヒュウ]|
オレも、あんたの事情を知らずに~
無責任なこと言っちまって~
ばあちゃんの言うとおり、オレはアホだ。▼~
:[イドゥン]|
謝らなくても大丈夫よ。▼~
私には、~
あなたたちのような人の心は~
ないけれど…▼~
でも…伝わってくる…~
あなたたちの気持ち。~
私を案じてくれているのね。▼~
:[キャス]|
イドゥン…▼~
:[イドゥン]|
闇の中にいたときには~
わからなかった。▼~
でも今は感じ取ることができる。~
人の心の温かさを。▼~
:[キャス]|
誰だって大切な宝を~
差し出せと言われたら怒るし~
悲しいよね。▼~
イドゥンが取り戻したその心も~
大切な宝なんだ。~
かけがえのない、宝なんだよね。▼~
:[イドゥン]|
ええ。たくさんの人たちの想いが~
私に温かさを与えてくれた。▼~
今の私には戦うための~
竜を生み出すことはできないけれど…▼~
ですが、今はともに支え合う~
仲間がいる…▼~
誰かの笑顔や明日を守りたい。~
その気持ちが、私の背中を~
強く押してくれる…▼~
:[ニイメ]|
あなたはもう、二度と~
暗闇に戻る必要はないよ。▼~
闇の力、古代魔法の使い手である~
わたしが言うのもなんだがね…▼~
あんたは自分の中で響いている~
温かな声に従って歩いていきな。~
迷わずに、まっすぐにね。▼~
:[イドゥン]|
はい…▼~
私の中に芽生えた何か…~
今も胸の中にある~
この温かさに…▼~
:[ニイメ]|
怒りや憎しみを根源とする力を~
用いれば、いずれ自分の心が~
憎しみや悲しみに飲まれていく。▼~
強い武器や魔道書があれば~
いいってもんじゃない。▼~
前向きな信念こそが~
一番の力になるのさ。~
アホ孫たちもよく覚えておきな。▼~
:[ヒュウ]|
前向きさならオレも自信があるぜ!▼~
:[キャス]|
それならあたしも!▼~
イドゥン、これからも~
一緒に頑張ろうよ!~
みんなの夢、叶えるためにさ。▼~
:[イドゥン]|
ええ…。~
幾千、幾万の昼と夜を越えて~
私は今、ここにいる。▼~
過ぎ去りし想いたちが~
叶えられなかった願いを~
私は追い求めるでしょう。▼~
温もりに満ちた仲間たちとともに。▼~
**世長けた魔道士 ヒュウ [#ydeab2af]
***C [#i8fbb484]
:[ヒュウ]|
自分で言うのもなんだが~
お買い得だと思うぜ?~
きっと役に立ってみせるからさ。▼~
:[アンナ]|
でも、契約金だけで~
10000ゴールドは~
さすがに高いわね。▼~
:[ヒュウ]|
わかった! じゃあ飛んでる~
飛竜の背中から飛び降りる覚悟で~
5000ゴールドでどうだ!?▼~
:[ファリナ]|
…5000ゴールド…▼~
…勝った!▼~
:[ヒュウ]|
ん? 気のせいか?~
妙な視線を感じるんだが…▼~
なあ、頼むよ。~
ヴァイス・ブレイヴから支給される~
支度金だけじゃ、まかなえないんだ。▼~
オレ、金がないとばあちゃんに…▼~
:[アンナ]|
あら? おばあさまは~
ご病気かなにかなの?▼~
:[ヒュウ]|
うっ…まあ、似たようなもんだ。~
そのために金がいるんだ、頼むっ!▼~
:[アンナ]|
でも、確かヒュウのおばあさまって~
一緒にアスク王国に召喚された…▼~
:[ニイメ]|
わたしがどうかしたのかい?▼~
:[ヒュウ]|
げっ! ばあちゃん!?~
なんでここに!?▼~
:[ニイメ]|
なんでもかんでもあるかい。~
この店は古代魔法の研究に使える~
薬草が豊富でね。世話になってんのさ。▼~
:[アンナ]|
ニイメさん、いらっしゃい。~
頼まれていた薬草、揃ってるわよ。▼~
:[ヒュウ]|
じゃ、じゃあ、オレは訓練があるから~
このへんで。コソコソ…▼~
:[ニイメ]|
待ちなバカ孫!~
あんた、アスク王国に来てまで~
人様に迷惑かけてないだろうね?▼~
:[ヒュウ]|
め、めめ、めっそうもない!~
アスク王国の平和に尽力するため~
今日も訓練に励む次第です!▼~
:[ニイメ]|
そうそう、おまえに貸した~
リザイアの魔道書、早く返しな。▼~
:[ヒュウ]|
えーと、そのー、前にも話した通り~
事情があって手元にないというか…~
親切にした子どもに盗まれたというか。▼~
:[ニイメ]|
このアホ孫!~
そんな言い訳が通ると思うかい!~
あれは高価なシロモノなんだよ!▼~
:[アンナ]|
…ははあ、なるほど…~
ヒュウが困っている理由はこれか…▼~
:[ヒュウ]|
そ、そのうち買って返すから!~
あと10年ほど待ってくれ!▼~
:[ニイメ]|
そんなに待てるかい!~
ちっ、逃げ足だけは速いね…▼~
***B [#d04f320f]
:[ニイメ]|
アホ孫。訓練はどうした。~
こんなところで油を売るなんて~
いいご身分だね。▼~
:[ヒュウ]|
油を売ってるわけじゃないさ。~
瞑想して心を落ち着かせているんだ。~
心の乱れは理魔法に影響するからさ。▼~
:[ニイメ]|
やれやれ…おまえときたら~
古代魔法の修行に出したつもりが~
理魔法使いになって帰ってくるとは…▼~
:[ヒュウ]|
だって仕方ないだろ。~
オレも最初は古代魔法の修行をしてたさ。~
でも、才能がなかったんだよ。▼~
なぜか、理魔法の才能は~
あったみたいだけどさ…▼~
:[ニイメ]|
なっちまったもんはしょうがない。~
ならば、理魔法の腕を磨いたらどうだい?▼~
この国には、いろいろな異界の~
英知を収めた大図書館がある。~
おまえも足を運んでみな。▼~
:[ヒュウ]|
アスク王国の大図書館か…~
でもよ、あそこには~
親父がこもってるって聞いたぜ。▼~
なんていうかその…~
気まずいんだよ、親父と会うのがさ。▼~
:[ニイメ]|
……▼~
:[ヒュウ]|
幼い頃に死に別れた親父のこと~
オレはほとんど覚えていないけど…▼~
親父は覚えているかもしれないだろ?~
オレのことをさ。だから、その…▼~
:[ニイメ]|
なにが言いたいんだい。▼~
:[ヒュウ]|
親父…がっかりしないかな。~
オレに古代魔法の才能がなくて~
理魔法に転向したなんて知ったら。▼~
:[ニイメ]|
そんなことを~
気にしてたのかい。▼~
わたしは、息子をそんな~
度量の狭い人間に育てた覚えはないよ。~
とにかく、顔くらい見せてやりな。▼~
:[ヒュウ]|
……▼~
***A [#r9acfec0]
:[ヒュウ]|
ここに足を運ぶつもりは~
なかったんだよなあ。▼~
まあ、オレ様にもあったんだな。~
ちゃんと修業して、ばあちゃんを~
安心させたいっていう気持ちがさ。▼~
:[カナス]|
……▼~
:[ヒュウ]|
あれが親父か…~
なんかオレの記憶より若いな。▼~
:[カナス]|
……▼~
:[ヒュウ]|
あんなに目を輝かせてページをめくって。~
親父は本当に学ぶことが好きなんだな。▼~
:[リュート]|
お前、ここで~
なにをしている?▼~
:[ヒュウ]|
わっ!?▼~
シッ、シーッ! 怪しいモンじゃねえ。~
オレはヒュウ。~
アスク王国に来たばかりの魔道士だ。▼~
:[リュート]|
カナスになにか用なのか?▼~
:[ヒュウ]|
えーと、実はオレ。~
あの人の…息子なんだ。▼~
:[リュート]|
息子?▼~
カナスは結婚などに目もくれず~
研究に励んでいそうだったのに。~
本当に家族がいたとは…▼~
:[ヒュウ]|
あ、あのさ、親父って~
どんなやつ?▼~
:[リュート]|
俺の友達になってくれた。~
いいやつだと思う。▼~
闇魔法の使い手だとは思えないほどに~
朗らかな性格だな。▼~
:[ヒュウ]|
そ、そうか。じゃあ~
もしかしてオレの明るい性格は~
親父譲りなのかな。▼~
:[リュート]|
……。~
そんなに気になるなら~
自分で確かめてはどうだ。▼~
:[ヒュウ]|
……!? お、おいっ!~
背中を押すなって!▼~
:[カナス]|
ん? 誰です?~
そこにいるのは…▼~
***S [#i17c946e]
:[カナス]|
君は…ヒュウ!?~
ヒュウなんだね!▼~
ああ、こんなに大きくなって!~
信じられない…▼~
:[ヒュウ]|
え、えーと…ヒュウです。~
ひ、久しぶり? いや、違うな?~
なんつっていいか、その…▼~
:[カナス]|
なにも言わなくていいよ。~
こうして顔を見せてくれただけでも~
僕はうれしいよ。▼~
:[ヒュウ]|
な、なんだ。~
こんなに喜んでくれるのなら~
もっと早く会えばよかった…▼~
…あ、あのさ、親父。~
再会の喜びに水を差すみたいで~
悪いんだけどさ。▼~
オレ、古代魔法…~
闇魔法の使い手じゃなく~
理魔法の使い手になっちまったんだ。▼~
ごめんな。~
ばあちゃんや親父の才能を~
継ぐことができなくてさ。▼~
:[カナス]|
理魔法の使い手…そうか、~
じゃあ、ヒュウ、君の才能は母さん譲りだよ。~
よかった、本当によかった。▼~
:[ヒュウ]|
え? 親父はオレが~
闇魔法を受け継がなくて~
残念じゃないのか?▼~
:[カナス]|
ヒュウが生きていける才能…~
それを残せたことが~
僕たち夫婦の一番の喜びだよ。▼~
君は理魔法の使い手として~
アスク王国に召喚される~
立派な英雄に成長した。▼~
こんなうれしいことはないよ。~
頑張ったね、ヒュウ。▼~
:[ヒュウ]|
へへ。オレ、はじめてかもな。~
理魔法の使い手になって~
誰かに褒められたの。▼~
:[リュート]|
家族とは…いいものだな。▼~
:[ヒュウ]|
親父、これからはアスク王国のために~
ともに戦う仲間として~
ひとつよろしく頼むぜ。▼~
:[カナス]|
はい、僕のほうこそ。▼~
:[ヒュウ]|
で、ものは相談なんだけどさぁ。~
お金貸してくれないかな、親父。~
今、ちょっと入り用で…▼~
:[ニイメ]|
……▼~
:[ヒュウ]|
こ、この気配…げっ!?~
ばあちゃん、いつの間に?▼~
:[ニイメ]|
気になって様子を見に来れば…~
このアホ孫! 性根から鍛え直して~
やったほうがよさそうだね!▼~
:[ヒュウ]|
い、いや、これはそのっ!~
た、助けてくれ、親父っ!▼~
:[カナス]|
母さんに鍛えてもらえば~
魔道の腕も上がるよ。~
よかったね、ヒュウ。▼~
:[ヒュウ]|
よかねえよ!~
ぎゃーっ!▼~
:[リュート]|
……。~
家族とは、いいもの…だな?▼~
**山の隠者 ニイメ [#qc856992]
***C [#r033dbdb]
:[パント]|
お待ちください、ニイメ殿!▼~
:[アゼル]|
あれっ…!?~
い、いない。~
消えてしまった?▼~
:[ラインハルト]|
確かにこちらの角を~
曲がられたはずなのですが…▼~
:[クリフ]|
ニイメとかいうおばあさん。~
みんなで血眼になって探すほど~
そんなにすごいの?▼~
:[パント]|
エレブ大陸の魔道士なら~
その名を知らぬ者はいないほどの~
偉大なお方でね。▼~
【山の隠者】と呼ばれ~
生ける伝説とも言える存在なんだ。▼~
ニイメ殿が記された書物にも~
値段がつかないほどの~
希少価値があるんだよ。▼~
:[クリフ]|
ふーん。でも、そのおばあさんの本は~
アスク王国の図書館にないよね?▼~
:[エルク]|
だから、パント様は予想されていたんだ。~
いずれ、ニイメ様本人がアスク王国に来て~
自ら書をしたためられるのでは…と。▼~
:[ヒューベルト]|
興味がありますな。~
それほどまでに卓越した力を有する賢者…~
主のためにも、ぜひ教えを請いたいもの。▼~
:[クリフ]|
僕もちょっとだけ興味が湧いてきたかも。▼~
:(暗転)|
:[ニイメ]|
ふぅ、まったくやかましいね。~
わたしは【隠者】なんだよ。~
騒々しいのは嫌いさ。▼~
悪いね、フィヨルム王女。~
匿ってもらって。▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ! 人生の先達には~
常に敬意をもって接しなさいと~
母に教わっておりましたから!▼~
:[ニイメ]|
ご母堂は王女にいい財産を~
遺してくれているようだね。▼~
そういやアスク王国の図書館にある~
古文書で読んだんだけどね…▼~
王女の国、ニフルは~
竜が作ったってのは本当かい?▼~
:[フィヨルム]|
はい。氷の神であり~
氷竜としても崇められるニフル様が~
建国に関わっていると聞きました。▼~
で、でも、私もニフル様と~
不思議な場所でお会いしたのですが~
今でもあまり現実感がなくて…▼~
:[ニイメ]|
ん? なにか言ったかい?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ! 独り言のようなものです!▼~
:[ニイメ]|
人間たちの国を興すために手を貸す…~
ふむ、人に友好的な竜と考えるべきかね。▼~
:[フィヨルム]|
え…?▼~
:[ニイメ]|
わたしはね、昔からずっと調べているのさ。~
人間にとって竜とは~
どういう存在なのかってことをね。▼~
***B [#v3b16f3f]
:[ニイメ]|
わたしは古代魔法…~
王女には闇魔法のほうが~
通りがいいかね。▼~
その研究のかたわら~
竜について長年調べていたのさ。▼~
:[フィヨルム]|
ニイメ様は確かエレブ大陸のご出身。~
不思議ですね、どの異界でも~
人と竜が関係しているなんて。▼~
:[ニイメ]|
わたしが生まれる千年ほど前にね。~
エレブ大陸の覇権を巡って~
人と竜は熾烈な戦いを繰り広げたのさ。▼~
:[フィヨルム]|
エレブ大陸の英雄の方々に~
教えてもらいました。たしか…~
人竜戦役という戦い、ですよね?▼~
:[ニイメ]|
王女は勉強熱心だね。~
常日頃、学ぶことを忘れてはならないよ。~
知と武は成長するための両輪だからね。▼~
話を戻そうか。~
人竜戦役以降、エレブ大陸では~
人と竜は相容れぬ関係になった。▼~
人にとって竜は恐怖の対象。~
世界を滅ぼす存在とも~
目されていたんだよ。▼~
:[フィヨルム]|
世界を滅ぼす存在…~
竜の立場や人との関わり方は~
ずいぶん違うんですね…▼~
私が育ったニフル王国だけではなく~
アスク王国も竜によって建国され~
人に託されたと聞きます。▼~
私にとっては竜とは~
人に力を貸してくださる~
大いなる存在に思えるのです。▼~
:[ニイメ]|
……▼~
:[フィヨルム]|
あっ! す、すみません!~
これは私個人の考えといいますか~
そのっ…!▼~
:[ニイメ]|
いいさ。人の数だけ価値観があるんだから~
世界は面白いんだよ。▼~
かくいうわたしもね。~
とある出会いをきっかけに~
考えが変わってきてるのさ。▼~
竜とはいったいなんなのか。~
そいつを、自分なりに~
探している最中さね…▼~
***A [#pf30f1ea]
:[ニイメ]|
竜とは、いったいなんなのか。~
人間に破滅をもたらすものであり~
一方では力を与えるもの。▼~
アスク王国の大図書館には~
おあつらえ向きに~
異界の竜に関する書物もあってね。▼~
わたしの竜に関する知識も~
何倍にも膨れ上がったよ。▼~
:[フィヨルム]|
この国の大図書館には~
いろんな本がありますものね。▼~
:[ニイメ]|
うれしいねえ、この歳になっても~
まだまだ多くのことを~
学べるっていうのはさ。▼~
もっとも、そのせいで~
うるさい連中に追い回される~
はめになっちまったけどね。▼~
:[フィヨルム]|
ふふっ。みなさん、それだけ~
ニイメ様に教えを授けてもらいたいと~
思っているのでしょうね。▼~
:[ニイメ]|
こっちは竜のことを~
調べるので手一杯さね。まったく…▼~
しかし、調べれば調べるほど~
異界ごとに竜のあり方が違って~
実に面白いよ。▼~
アカネイア大陸やユグドラル大陸では~
人々に力を貸し~
信仰の対象として敬われている。▼~
その一方で、邪竜や暗黒竜として~
人々に破滅をもたらす恐怖の~
対象にもなっている。▼~
:[フィヨルム]|
ふたつの側面を持っている~
ということでしょうか。▼~
:[ニイメ]|
竜は創造と破壊、相反する特性を~
持っていることが多いのも~
面白いところだね。▼~
フォドラの神話では~
竜は世界を成した神祖に従い~
世の発展に尽くしたらしい。▼~
反対に、透魔王国の竜は~
獣の衝動に蝕まれ~
世界に災厄をもたらした…▼~
バレンシア大陸を創造したと言われる~
竜もまた、永き時を生きた果てに~
狂気に支配されたそうな。▼~
:[フィヨルム]|
すごい力を持っているにも関わらず~
自分を保てなくなってしまうなんて…▼~
:[ニイメ]|
人知を超えた力を有していても~
竜は全知全能の存在ではないようだね。▼~
むしろ、精神的に脆い。~
ある意味、人に近い存在と~
言えるかもしれないね。▼~
:[ファ]|
あっ!▼~
:[ニイメ]|
……!▼~
:[ファ]|
ニイメおばーちゃん!~
ニイメおばーちゃんだ!▼~
***S [#f3951a5a]
:[ファ]|
ニイメおばーちゃんも~
アスクにきてくれたんだね!~
わーいわーい!▼~
:[ニイメ]|
ファ。相変わらず元気だね。▼~
:[フィヨルム]|
お二人はお知り合いなんですね。▼~
:[ニイメ]|
ああ、そうだね。~
この子も、わたしにとって~
孫のようなものさ。▼~
:[ファ]|
ニイメおばーちゃん!~
ファね、アスクにきて~
おともだちがいっぱいできたよ!▼~
:[ノノ]|
ノノだよ! ファのおともだち!▼~
:[ンン]|
その方が、ファが前に言っていた~
ニイメおばーちゃんなのですか。▼~
:[ファ]|
そう! おもちゃをくれたりする~
やさしーおばーちゃん!▼~
:[ミルラ]|
ファがこんなに懐くなんて~
きっと、いい人なのでしょうね。▼~
:[ノノ]|
ノノもおもちゃほしいな!~
だめ?▼~
:[ニイメ]|
ダメなんてことはないさ。~
ほら、この球をごらん?~
キラキラ光っていて綺麗だろ?▼~
:[ノノ]|
うわっ! すごーい、なにこれ!?~
ンンも見て見て!▼~
:[ンン]|
お母さん、興奮しすぎですよ。~
どれどれ…。うわっ、綺麗なのです!▼~
:[ミルラ]|
魔力がこめられた球でしょうか。~
見ていて心がやすらぎます。▼~
:[フィヨルム]|
ふふっ、みんな大喜びですね。▼~
:[ニイメ]|
わたしはね。ファに出会うまで~
竜は感情を持ち合わせていない~
人の宿敵だと思ってたよ。▼~
得体の知れない力を持つ~
魔物のような存在だってね。▼~
けどね、ごらんよ。~
この子たちの笑顔をさ。▼~
:[ファ]|
えへへ。ニイメおばーちゃんの~
あたまなでなで、すきー。▼~
:[ニイメ]|
すまないねえ。~
人の世界の平和だの安定だのって話で~
あんたたちを戦いに巻き込んじまって。▼~
:[ンン]|
いいえ、それは人だけの問題では~
ないのです。▼~
:[ミルラ]|
竜も人もみんなが~
笑って過ごせる世界…~
私たちもそれを望んでます…▼~
:[ニイメ]|
みんなが笑える世界…か。~
あのアホ孫も同じようなことを~
言っていたねえ。▼~
フィヨルム王女。~
竜とは「力」なのかもしれないね。~
人知を超えた理を持つ純粋な力。▼~
途方もなく大きな力かもしれないが~
付き合い方さえ間違わなけりゃ~
きっと人と共存していけるはずさ。▼~
:[フィヨルム]|
人と竜の共存ですか。~
はい、私もそう思います。▼~
:[ニイメ]|
力と、どう向き合うか。~
力に飲まれず、支配されず。~
適切な距離を保ち、己の糧とする。▼~
ただ頼るだけではなく~
竜と同じ世界で暮らしていけるように~
わたしらも知恵を出し合わないと。▼~
:[ファ]|
ニイメおばーちゃん!~
おしろをあんないしてあげる!▼~
:[ニイメ]|
おお、ありがとう。~
それじゃ、頼むとするかね。▼~
…この子たちの笑顔が未来に続けば~
きっと人と竜は、ともに手を携えて~
歩いていけるはずだよ…▼~
**怪盗 キャス [#nd18f8f5]
***C [#a8031508]
:[キャス]|
お・た・か・ら・が~
あ・た・し・を呼んでいるっと!▼~
アスク王国っていろんな異界と~
交流があるって聞いたけど…▼~
見たこともないお宝が~
たくさん眠ってそうよね!~
でしょ? 子分その1!▼~
:[チャド]|
あのなあ。なんども言うけど~
あんたの子分になった覚えはない。▼~
:[キャス]|
でね、あたし思ったの。~
ヴァイス・ブレイヴって盗賊を~
なりわいにしている英雄多くない?▼~
:[チャド]|
オレの話は無視かよ…▼~
そうだな。~
オレやお前以外にも~
盗賊の英雄がいて正直驚いた。▼~
どこの世界にもいるんだな。~
盗賊をなりわいにしなきゃ~
生きていけない連中が。▼~
:[キャス]|
でもさ、これって~
チャンスじゃない!?▼~
骨のありそうな盗賊連中に声をかけて~
子分を増やせばキャス怪盗団を~
結成できるじゃない!▼~
:[チャド]|
は? お、おい…~
お前はなにを言っているんだ?▼~
余計なことはするんじゃない!~
ロイ…いやロイ様に~
迷惑がかかるだろ!▼~
:[キャス]|
余計なことじゃないって!~
世直しのために必要なことだよ!▼~
よーし、見込みのありそうな盗賊に~
片っ端から声をかけて~
キャス怪盗団を結成しよう!▼~
アスク王国でも悪党を懲らしめて~
困っている人たちを~
助けちゃうんだから!▼~
:[チャド]|
お、おい! 待て!~
話を聞けって…!▼~
***B [#i900087c]
:[キャス]|
同業者ってのは気配でわかるのよね。~
独特の雰囲気があるっていうか。▼~
:[ゼロ]|
……▼~
:[キャス]|
あっ! あの人もたぶん盗賊だね。~
足音を立てずに歩いてる…~
こりゃタダモノじゃないね!▼~
どうもどうも~、あたしはキャス!~
こないだ、アスク王国に~
召喚されてきた怪盗だよ。▼~
:[ゼロ]|
俺に、ナニか用か?▼~
:[キャス]|
あんた、なかなかスジがよさそうじゃん。~
ね、キャス怪盗団に入らない!?▼~
:[ゼロ]|
スジ…? ふっ、スジときたか。~
ああ、俺のスジは~
いろいろとスゴいぜ…?▼~
:[キャス]|
……?~
えーと、それは腕前に~
自信ありってことでいいのかな?▼~
と、とりあえず、あたしは今~
怪盗団の団員を集めているの!~
世直しのためにね!▼~
どう? 入ってみない?~
あたしたちのやり方で~
肥え太った悪党たちを懲らしめるの!▼~
:[ゼロ]|
懲らしめる…ふふっ、イイね。~
我が世の春を満喫しているヤツらに~
豚のような悲鳴を上げさせるのは最高だ。▼~
:[キャス]|
じゃあ、入ってくれるんだ!~
キャス怪盗団に!▼~
:[ゼロ]|
そんな簡単に…俺をイれちまっても~
いいのかい?▼~
一度、俺をイれちまったら~
もう後戻りはできないぜ?~
ぶっ壊れるまでな…▼~
:[キャス]|
……??~
気のせいか、なーんか~
会話が噛み合ってない気がする。▼~
:[チャド]|
あっ! さっそく勧誘してやがる!~
おい、キャス!▼~
:[キャス]|
げっ、もう追いかけて来た!?~
次行こ、次!▼~
じゃあね! 怪盗団加入のこと~
考えといてね!▼~
***A [#m512b038]
:[キャス]|
自分でもすっかり忘れていたけど~
あたしの得意技といえば~
やっぱり色仕掛けなわけよ。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[キャス]|
あの身のこなし。~
素人じゃ気づかないでしょうけど~
あたしにはわかる!▼~
ありゃあ、かなりの修羅場を~
くぐって来た同業者ね。▼~
今度こそ、あたしの得意技で~
勧誘を成功させる。▼~
ねぇ~話があるの。~
ちょっと聞いてくれな~い?▼~
:[ユーリス]|
ん? しがない美少年の俺に~
なにか用か?▼~
:[キャス]|
ぎゃーっ! ヤ、ヤバイ!~
なにこいつ!?~
正面から見たらすごい目力!▼~
し、しかもなんて美肌なの!?~
輝いてキラキラしてるし!▼~
:[ユーリス]|
どうした? 声をかけてきて~
勝手に腰を抜かすとは面白いやつだな。▼~
:[キャス]|
美肌がまぶしすぎる…!~
こ、これは色仕掛けどころじゃない。▼~
ひ、人違いでした、なんでもないです!~
失礼しまーす!▼~
:(暗転)|
:[キャス]|
あらゆる異界から~
英雄が集まっているだけあって~
ヴァイス・ブレイヴは曲者揃いね…▼~
はぁ、こんな調子じゃ~
キャス怪盗団の結成は~
いつになることやら。▼~
いや、あたしはあきらめない!~
必ずアスクで大怪盗団を結成して…▼~
:(画面が点滅する)|
:[キャス]|
きゃっ!~
あーごめん! 考えごとしてたら~
ぶつかっちゃ…って……▼~
:[???(イラスト:キャス)]|
…▼~
:[キャス]|
えっ!? う、うそっ!~
あたしがもう一人!?▼~
も、もしかして、ほかの異界から来た~
もう一人のあたしなの!?▼~
***S [#ef89b27c]
:[???(イラスト:キャス)]|
キャス…お願い、私の話を聞いて!~
怪盗団を結成するなんて~
無茶なことはやめようよ?▼~
:[キャス]|
……▼~
ちょっとビックリしたけど~
あんた、偽物ね。~
誰? 正体見せなさいよ!▼~
:[???(イラスト:キャス)]|
……▼~
:(画面が白く光る)|
:[チェイニー]|
なんだ、もうバレちゃったのか。~
なかなか勘が鋭いな。▼~
:[キャス]|
う、うわっ!? 変身した?~
あんたがあたしに化けていたの!▼~
:[チェイニー]|
ああ、そうさ。~
俺は他人に変身する力を~
持ってるんだ。▼~
:[キャス]|
す、すごい…~
他人に変身できるなんて~
怪盗団向きじゃない!▼~
どう? あんたも~
キャス怪盗団に入らない!?▼~
:[チャド]|
無駄な勧誘はそこまでだ。~
やっと捕まえたぜ…▼~
:[キャス]|
子分その1…!?~
いつの間に。▼~
:[チャド]|
ったく、なんて逃げ足の速さだ。~
お前を仲間に誘ったときの~
ロイ様も苦労したんだろうな…▼~
:[チェイニー]|
実はチャドに頼まれたのさ。~
お前を捕まえるために~
協力してくれってな。▼~
ま、イタズラとしても面白そうだったし~
暇つぶしに協力したってわけだ。▼~
:[キャス]|
なによ。子分その1の差し金だったの?~
あたしはスカウトで忙しいのに。▼~
:[チャド]|
だから、それが無駄だってんだよ。~
オレたちがなんのためにアスク王国に~
呼ばれたのか、よく考えろよ。▼~
:[キャス]|
そっちこそ、よく考えなよ!~
私腹を肥やす悪徳商人や腐れ貴族を~
懲らしめなきゃいけないでしょ!▼~
:[チャド]|
だから…いないんだよ、この国には。~
そんな悪党連中はさ。▼~
:[キャス]|
へ…?~
そ、それ、どういうこと?▼~
:[チェイニー]|
この国の民は勤勉で~
お互いを支え合い、助け合い…~
王家を信頼して生きてる。▼~
:[キャス]|
それじゃあキャス怪盗団は?~
義賊なんて必要ないじゃん!▼~
:[チャド]|
だから、そう説明しようとしたら~
お前が暴走したんだろ?▼~
けど、ヴァイス・ブレイヴには~
オレたち盗賊の仕事はごまんとある。▼~
偵察や陽動、破壊工作や伝令など~
人手はいくらでも足りないくらいだ。▼~
:[キャス]|
はぁ、なーんだ。~
あたしが先走ったってわけか。▼~
悪い奴がいないんじゃ~
しょうがないわね。▼~
なら、アスク王国を狙う~
悪い連中を成敗しよっかな。▼~
よーし! あたし、がんばって~
ヴァイス・ブレイヴで~
一旗上げることにするわ!▼~
これからもよろしくね~
子分その1とその2!▼~
:[チェイニー]|
ん? 子分その2とかいうのは~
もしかして俺のことか?▼~
:[キャス]|
あ、ごめん、子分その2は~
エクラだったわ。▼~
頑張ろうね。~
子分その1とその3!▼~
:[チャド]|
だ~か~ら~!~
オレも子分その1になった覚えはねえよ!▼~
**神と魔の間で イドゥン [#edef239f]
***C [#cc242eb3]
:[イドゥン]|
こうしてあなたに~
礼を言える日が来るとは~
思っていませんでした。▼~
私の命をつないでくれて…~
ありがとう。▼~
:[ロイ]|
戦いのあと、あなたは~
ナバタの隠れ里で穏やかに~
暮らしていると聞いていたんだ。▼~
よかった。元気そうで。~
こうしてアスク王国で再会できたのも~
なにかの縁だろうね。▼~
:[イドゥン]|
私は今、夢から覚めたような…~
そんな日々を送っています。▼~
吹く風の心地よさ。~
咲き誇る花の美しさ。▼~
どれもみな知らなかった…~
いえ、忘れていただけかもしれません。▼~
:[ロイ]|
だけど、ぼくたちはまたあなたを~
戦いの渦中に連れ出そうとしている。▼~
アスク王国の明日を守るためには~
あなたの力が必要なんだ。~
心苦しいけど…▼~
:[イドゥン]|
案じてくれて…ありがとう。~
ファから聞いていた通り~
あなたは強く、優しい人ですね。▼~
しかしこれは、生き残った私が~
歩まなくてはいけない道。▼~
私も、私にできることを~
やってみようと思います。~
この国の…人たちのために。▼~
:[ロイ]|
ありがとう。~
あなたの決意は必ず多くの~
未来をつないでくれると思うよ。▼~
:[イドゥン]|
私がこの国にやって来たのは~
おそらく、運命の導き…▼~
私が再び歩き出す前に~
会わなくてはいけない人がいるのです。~
この…アスク王国に。▼~
:[ロイ]|
なにか困ったことがあれば~
いつでも言ってほしい。▼~
先ほどあなたは~
アスクの民に手を貸すことが~
自らの歩む道だと言ったけど…▼~
その道は一人で歩むものではないよ。~
どうか、ぼくたちとともに手を携え~
ともに未来へ歩んでほしい。▼~
:[イドゥン]|
ありがとう…▼~
***B [#pe728dec]
:[イドゥン]|
ギネヴィア…王女ですね。~
私は…。▼~
:[ギネヴィア]|
……!~
その瞳、あなたは…~
暗闇の巫女…イドゥン!?▼~
ですが、その雰囲気…~
それではまるで…▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
そうなのですね。あなたは…~
私が知るエレブ大陸より~
未来からやってきた。▼~
:[イドゥン]|
はい。▼~
:[ギネヴィア]|
あなたは…救われたのですね。~
もう暗闇の巫女ではない…~
今のあなたからは闇を感じません。▼~
:[イドゥン]|
エレブ大陸における戦いは~
終わりました。▼~
ロイが振るった…いえ~
ロイとその仲間たちが振るった~
封印の剣によって。▼~
:[ギネヴィア]|
封印の剣が…▼~
私がベルン王家から持ち出した~
ファイアーエムブレムは…~
正しくその力を発揮したのですね。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
私は…アスク王国にあなたがいると知り~
会うべきかどうか悩みました。▼~
それは、あなたに望まぬ未来を~
伝えてしまうことに~
なるかもしれない…から。▼~
:[ギネヴィア]|
……▼~
:[イドゥン]|
陛下をお救いすることができず~
ごめんなさい…▼~
***A [#n396f5b4]
:[イドゥン]|
私は多くの過ちを犯してしまった。▼~
終末の冬を…引き起こし~
封印から目覚めたあとも~
多くの未来ある命を奪ってしまった。▼~
そして、陛下の命も…▼~
:[ギネヴィア]|
……▼~
戦乱を広げてしまったのは~
兄と和解に至れなかった~
私も同じです。▼~
血が流れぬ道にたどり着くことが~
できなかったのは~
私に力が足りなかったから…▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
国を裏切り、ベルンの至宝~
ファイアーエムブレムを持ち出し…▼~
ロイ様に託すことで~
戦争を終わらせようとしたのです。▼~
本当なら~
ベルンの王族である私自身が~
決着をつけねばならなかったのに。▼~
:[イドゥン]|
あなたも…苦しんでいたのですね。~
悩み続け、自分の心を責め続け~
辛い日々を送っていた。▼~
今の私には聞こえます。~
あなたの心の音…▼~
:[ギネヴィア]|
イドゥン、あなたはもう~
魔竜ではないのですね。▼~
他者の痛みがわかるということは~
自らの心を重ねられるということ。▼~
あなたはおそらく最後まで~
兄に寄り添っていてくれたのですね。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
ベルンの王女としてではなく~
兄の…たった一人の妹として~
あなたに伝えます。▼~
最後まで兄のそばにいてくれて~
ありがとう。▼~
***S [#w8fc15ae]
:[イドゥン]|
私を…責めないのですか?~
陛下を救えなかった私を。▼~
:[ギネヴィア]|
あなたの責任ではありません。~
それぞれの正義が不幸な形でぶつかり~
血が流れてしまった。▼~
戦争というものは~
関わってしまったすべての人間が~
加害者であり被害者なのかもしれません。▼~
:[イドゥン]|
……。~
陛下が歩もうとされた道は~
正しい道ではなかったのかもしれない。▼~
だけど、その出発点は…▼~
世界を悲しみの連鎖から~
解き放とうとした~
優しい心だったように思えます。▼~
:[ギネヴィア]|
兄は…優しすぎたのです。▼~
それゆえに、自分の目に映る~
世界の歪みを許容することができずに~
力で歪みを正そうとしてしまった。▼~
イドゥン、あなたたち竜族は~
永遠に近い時を生きると聞きます。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
私たち、人間の一生など~
あなたたちにとっては~
一瞬なのかもしれませんが…▼~
どうか、兄の中にあった優しさも~
未来に連れていってあげてください。▼~
:[イドゥン]|
ええ。約束…します。▼~
:[ギネヴィア]|
戦争というものは~
関わるすべての人間が~
加害者であり被害者と言いました。▼~
ですが、そこには~
一方的に虐げられる人間も~
存在するのです。▼~
命をひとつでも多く守り抜き~
犠牲者をなくすこと…~
それが私たちの使命だと思います。▼~
:[イドゥン]|
きっと私はそのために…~
今、この地にいるのでしょう。▼~
命は、いつか終わります。~
それは私たち、竜族も例外ではない。▼~
ですが、想いは永遠。▼~
私を暗闇から連れ出そうとしてくれた~
あの優しい灯火を…▼~
心の中で、いつまでも~
灯し続けようと思います。▼~
この手に残る~
ぬくもりとともに…▼~
*コメント [#t3c498da]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*信念よ力となれ [#i55289c7]
#contents
**信念よ力となれ [#sf5fe5b8]
***オープニング [#m979ea3c]
:[ニイメ]|
ふむ、どうやら片付いたようだね。▼~
:[シャロン]|
みなさん、お怪我はありませんか!?▼~
:[イドゥン]|
ええ…大丈夫です。▼~
:[ヒュウ]|
いやー、ばあちゃんの古代魔法。~
久しぶりに見たけどやっぱすげえわ。▼~
もう、ばあちゃん一人で~
アスク王国の危機を~
救えんじゃねえの?▼~
:[ニイメ]|
なにバカなことを言ってるんだい。~
手を抜こうったって、そうはいかないよ。~
あんたも本気でやりな。このアホ孫。▼~
:[ヒュウ]|
ばあちゃん、異界に来てまで~
アホ呼ばわりは勘弁してくれよ。~
実の孫だぜ~。▼~
:[キャス]|
うーん…▼~
:[ヒュウ]|
ん? どうした。~
眉間にシワなんて寄せて。▼~
:[キャス]|
ねえ、ヒュウ。ちょっといい?~
イドゥンのことなんだけど~
なんか変だと思わない?▼~
:[ヒュウ]|
変? 左右の目の色が違って~
綺麗だなーとは思うけどな。▼~
:[キャス]|
そういうことじゃなくってさ!~
噂で聞いていたイドゥンって~
もっとこう、恐怖の化身というか…▼~
たった一人でエレブ大陸を~
滅ぼしちゃいそうというかさ…▼~
よくわかんないけど、あの人~
すごい力を持ってるんでしょ?▼~
おっそろしい竜とかを~
いっぱい生み出せるとか聞いたよ?▼~
:[ヒュウ]|
うーん、言われてみれば~
今のイドゥンは聞いてた噂とは違うな。▼~
ベルンの王様に従っていたときは~
暗闇の巫女と呼ばれていたらしいけど~
全然そんな感じ、しないよな?▼~
:[キャス]|
もしかしてイドゥン…~
本気で戦ってないんじゃないの?▼~
すごい力を持っているはずなのに。~
どうして全力で戦おうとしないんだろ。▼~
:[ヒュウ]|
噂どおりの力を持っているなら~
戦争なんてすぐに~
終わらせられそうなもんだけどな。▼~
:[キャス]|
あたし、理由を聞いてみる!▼~
:[ヒュウ]|
お、おい、キャス…!▼~
:(暗転)|
:[キャス]|
で、あたしは思ったんだ。~
もしかしてイドゥンって~
本気を出してないんじゃないかって。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[キャス]|
たくさんの竜を生み出して~
従えることができるって噂も~
聞いたことあるんだよ。▼~
:[イドゥン]|
ごめんなさい。~
あの力は…もう使えない…▼~
いえ…使わないの。▼~
:[キャス]|
あっ、ちょっと…!▼~
:[ヒュウ]|
行っちまったな…▼~
:[キャス]|
うーん、なんだろう。~
あの悲しそうな顔、気になるなー。▼~
:[ニイメ]|
……▼~
***C [#f9701bdd]
:[キャス]|
やっぱり納得いかない!▼~
イドゥン、やっぱり変だよ。~
力があるのに使わないのはどうして?~
おかしいよね?▼~
:[ヒュウ]|
そうだなあ。~
力の持ち腐れってのは~
どうにももったいない話だ。▼~
:[キャス]|
あたしは、力がないせいで~
大切なものを犠牲にしてきた~
人たちをいっぱい見てきた。▼~
それにあたしも~
炎に包まれる自分の村を見て…▼~
力のない人間は自分たちの生き方も~
選べないのかなって…~
痛感したんだ。▼~
:[ヒュウ]|
イドゥンは古文書にも~
出てくるような強大な力を持つ竜…~
魔竜だったんだろ。▼~
世界を滅ぼせるくらいの~
力を持ってるなら、その力で~
世界を守ればいいとも思うけど。▼~
:[ニイメ]|
力をどう使うかで~
その意味は変わるのさ▼~
:[ヒュウ]|
ばあちゃん、聞いてたのかよ。▼~
:[ニイメ]|
世界を滅ぼす力。~
世界を守る力。~
どちらも強大な力には変わりない。▼~
:[キャス]|
使い方次第だってことでしょ?~
それならためらうことなく~
使えばいいじゃない。▼~
だってアスク王国は大ピンチなんでしょ?~
迷うことないよ!▼~
:[ニイメ]|
力には代償が伴うものじゃ。▼~
古代魔法を使う者が深い闇と~
向き合わねばならないようにね…▼~
:[ヒュウ]|
うまい料理を食うには~
大金が必要となるように、か。▼~
:[ニイメ]|
大事な話をしているときに~
どうでもいい例えをするんじゃないよ。~
このバカ孫!▼~
あの子は…~
イドゥンはね…▼~
魔竜として~
強大な力を与えられた代償に~
心を失ったのさ。▼~
:[キャス]|
……!▼~
:[ニイメ]|
あんたたちは、もう一度それを~
あの子に強いる気かい?▼~
***B [#d12c74cc]
:[ニイメ]|
人竜戦役、名前くらいはアホ孫も~
聞いたことがあるじゃろ。▼~
:[ヒュウ]|
オレだって古代魔法を学んだ身だ。~
それくらいは知っているぜ。▼~
:[キャス]|
あたしも、昔話で聞かされたよ。~
エレブ大陸の支配者の座をかけて~
千年前、人と竜が戦った戦争…だっけ。▼~
:[ニイメ]|
人と竜の戦いは熾烈を極めた。~
けど、数と闘争心に勝る人は~
徐々に竜を圧倒する…▼~
追い詰められた竜が選んだのは~
おそるべき力を持つ~
魔竜を生み出すこと。▼~
そこで犠牲となったのが神竜…~
あのイドゥンさ。▼~
:[キャス]|
…………▼~
:[ニイメ]|
伝え聞いた話だと~
イドゥンが魔竜にされたとき~
その心を抜き取られ…▼~
戦うための竜を生み出すだけの~
存在になってしまったそうだね。▼~
心を失い、ただ、来る日も来る日も。~
人を滅ぼすため、竜を生み出す日々を~
あの子は強いられ続けたのさ。▼~
:[ヒュウ]|
ひでえ…。~
なんだよそれ▼~
:[ニイメ]|
でもね、~
今のイドゥンは魔竜としての~
生き方から解放されている。▼~
アスク王国で話してわかったよ。~
あの子は、人と竜が共存できる~
世界を目指していると。▼~
:[ヒュウ]|
……▼~
:[ニイメ]|
かつて、戦うための竜を生み出し~
人々を恐怖に陥れた力…▼~
その力を要求するということは~
彼女に魔竜に戻れと言うのと~
同じことさ。▼~
やっと、心を~
取り戻しかけているあの子を…▼~
犠牲にして守る平和に~
なんの意味があるっていうんだい?▼~
:[ヒュウ]|
…だよな。心を差し出してまで~
彼女に全力で戦えとか言えないよな。▼~
なにを指して平和な世界っていうのかは~
わからねえけどよ…。▼~
ガキが笑っていられる世界。~
みんなが笑っていられる世界が~
いいに決まってる。▼~
:[キャス]|
あたし、イドゥンに謝ってくる。~
誰かを犠牲にするような戦いなんて~
そんなの、あたしだって嫌だよ。▼~
:[ヒュウ]|
お、おい。待てキャス…!~
オレも一緒にいくぜ。▼~
***A [#z37468cc]
:[キャス]|
ホントにごめん!~
あたし、勝手なこと言っちゃって!▼~
どうして全力出さないのとか~
傷つけちゃうことを言って…~
あーもう、あたしのバカ、バカ!▼~
:[ヒュウ]|
オレも、あんたの事情を知らずに~
無責任なこと言っちまって~
ばあちゃんの言うとおり、オレはアホだ。▼~
:[イドゥン]|
謝らなくても大丈夫よ。▼~
私には、~
あなたたちのような人の心は~
ないけれど…▼~
でも…伝わってくる…~
あなたたちの気持ち。~
私を案じてくれているのね。▼~
:[キャス]|
イドゥン…▼~
:[イドゥン]|
闇の中にいたときには~
わからなかった。▼~
でも今は感じ取ることができる。~
人の心の温かさを。▼~
:[キャス]|
誰だって大切な宝を~
差し出せと言われたら怒るし~
悲しいよね。▼~
イドゥンが取り戻したその心も~
大切な宝なんだ。~
かけがえのない、宝なんだよね。▼~
:[イドゥン]|
ええ。たくさんの人たちの想いが~
私に温かさを与えてくれた。▼~
今の私には戦うための~
竜を生み出すことはできないけれど…▼~
ですが、今はともに支え合う~
仲間がいる…▼~
誰かの笑顔や明日を守りたい。~
その気持ちが、私の背中を~
強く押してくれる…▼~
:[ニイメ]|
あなたはもう、二度と~
暗闇に戻る必要はないよ。▼~
闇の力、古代魔法の使い手である~
わたしが言うのもなんだがね…▼~
あんたは自分の中で響いている~
温かな声に従って歩いていきな。~
迷わずに、まっすぐにね。▼~
:[イドゥン]|
はい…▼~
私の中に芽生えた何か…~
今も胸の中にある~
この温かさに…▼~
:[ニイメ]|
怒りや憎しみを根源とする力を~
用いれば、いずれ自分の心が~
憎しみや悲しみに飲まれていく。▼~
強い武器や魔道書があれば~
いいってもんじゃない。▼~
前向きな信念こそが~
一番の力になるのさ。~
アホ孫たちもよく覚えておきな。▼~
:[ヒュウ]|
前向きさならオレも自信があるぜ!▼~
:[キャス]|
それならあたしも!▼~
イドゥン、これからも~
一緒に頑張ろうよ!~
みんなの夢、叶えるためにさ。▼~
:[イドゥン]|
ええ…。~
幾千、幾万の昼と夜を越えて~
私は今、ここにいる。▼~
過ぎ去りし想いたちが~
叶えられなかった願いを~
私は追い求めるでしょう。▼~
温もりに満ちた仲間たちとともに。▼~
**世長けた魔道士 ヒュウ [#ydeab2af]
***C [#i8fbb484]
:[ヒュウ]|
自分で言うのもなんだが~
お買い得だと思うぜ?~
きっと役に立ってみせるからさ。▼~
:[アンナ]|
でも、契約金だけで~
10000ゴールドは~
さすがに高いわね。▼~
:[ヒュウ]|
わかった! じゃあ飛んでる~
飛竜の背中から飛び降りる覚悟で~
5000ゴールドでどうだ!?▼~
:[ファリナ]|
…5000ゴールド…▼~
…勝った!▼~
:[ヒュウ]|
ん? 気のせいか?~
妙な視線を感じるんだが…▼~
なあ、頼むよ。~
ヴァイス・ブレイヴから支給される~
支度金だけじゃ、まかなえないんだ。▼~
オレ、金がないとばあちゃんに…▼~
:[アンナ]|
あら? おばあさまは~
ご病気かなにかなの?▼~
:[ヒュウ]|
うっ…まあ、似たようなもんだ。~
そのために金がいるんだ、頼むっ!▼~
:[アンナ]|
でも、確かヒュウのおばあさまって~
一緒にアスク王国に召喚された…▼~
:[ニイメ]|
わたしがどうかしたのかい?▼~
:[ヒュウ]|
げっ! ばあちゃん!?~
なんでここに!?▼~
:[ニイメ]|
なんでもかんでもあるかい。~
この店は古代魔法の研究に使える~
薬草が豊富でね。世話になってんのさ。▼~
:[アンナ]|
ニイメさん、いらっしゃい。~
頼まれていた薬草、揃ってるわよ。▼~
:[ヒュウ]|
じゃ、じゃあ、オレは訓練があるから~
このへんで。コソコソ…▼~
:[ニイメ]|
待ちなバカ孫!~
あんた、アスク王国に来てまで~
人様に迷惑かけてないだろうね?▼~
:[ヒュウ]|
め、めめ、めっそうもない!~
アスク王国の平和に尽力するため~
今日も訓練に励む次第です!▼~
:[ニイメ]|
そうそう、おまえに貸した~
リザイアの魔道書、早く返しな。▼~
:[ヒュウ]|
えーと、そのー、前にも話した通り~
事情があって手元にないというか…~
親切にした子どもに盗まれたというか。▼~
:[ニイメ]|
このアホ孫!~
そんな言い訳が通ると思うかい!~
あれは高価なシロモノなんだよ!▼~
:[アンナ]|
…ははあ、なるほど…~
ヒュウが困っている理由はこれか…▼~
:[ヒュウ]|
そ、そのうち買って返すから!~
あと10年ほど待ってくれ!▼~
:[ニイメ]|
そんなに待てるかい!~
ちっ、逃げ足だけは速いね…▼~
***B [#d04f320f]
:[ニイメ]|
アホ孫。訓練はどうした。~
こんなところで油を売るなんて~
いいご身分だね。▼~
:[ヒュウ]|
油を売ってるわけじゃないさ。~
瞑想して心を落ち着かせているんだ。~
心の乱れは理魔法に影響するからさ。▼~
:[ニイメ]|
やれやれ…おまえときたら~
古代魔法の修行に出したつもりが~
理魔法使いになって帰ってくるとは…▼~
:[ヒュウ]|
だって仕方ないだろ。~
オレも最初は古代魔法の修行をしてたさ。~
でも、才能がなかったんだよ。▼~
なぜか、理魔法の才能は~
あったみたいだけどさ…▼~
:[ニイメ]|
なっちまったもんはしょうがない。~
ならば、理魔法の腕を磨いたらどうだい?▼~
この国には、いろいろな異界の~
英知を収めた大図書館がある。~
おまえも足を運んでみな。▼~
:[ヒュウ]|
アスク王国の大図書館か…~
でもよ、あそこには~
親父がこもってるって聞いたぜ。▼~
なんていうかその…~
気まずいんだよ、親父と会うのがさ。▼~
:[ニイメ]|
……▼~
:[ヒュウ]|
幼い頃に死に別れた親父のこと~
オレはほとんど覚えていないけど…▼~
親父は覚えているかもしれないだろ?~
オレのことをさ。だから、その…▼~
:[ニイメ]|
なにが言いたいんだい。▼~
:[ヒュウ]|
親父…がっかりしないかな。~
オレに古代魔法の才能がなくて~
理魔法に転向したなんて知ったら。▼~
:[ニイメ]|
そんなことを~
気にしてたのかい。▼~
わたしは、息子をそんな~
度量の狭い人間に育てた覚えはないよ。~
とにかく、顔くらい見せてやりな。▼~
:[ヒュウ]|
……▼~
***A [#r9acfec0]
:[ヒュウ]|
ここに足を運ぶつもりは~
なかったんだよなあ。▼~
まあ、オレ様にもあったんだな。~
ちゃんと修業して、ばあちゃんを~
安心させたいっていう気持ちがさ。▼~
:[カナス]|
……▼~
:[ヒュウ]|
あれが親父か…~
なんかオレの記憶より若いな。▼~
:[カナス]|
……▼~
:[ヒュウ]|
あんなに目を輝かせてページをめくって。~
親父は本当に学ぶことが好きなんだな。▼~
:[リュート]|
お前、ここで~
なにをしている?▼~
:[ヒュウ]|
わっ!?▼~
シッ、シーッ! 怪しいモンじゃねえ。~
オレはヒュウ。~
アスク王国に来たばかりの魔道士だ。▼~
:[リュート]|
カナスになにか用なのか?▼~
:[ヒュウ]|
えーと、実はオレ。~
あの人の…息子なんだ。▼~
:[リュート]|
息子?▼~
カナスは結婚などに目もくれず~
研究に励んでいそうだったのに。~
本当に家族がいたとは…▼~
:[ヒュウ]|
あ、あのさ、親父って~
どんなやつ?▼~
:[リュート]|
俺の友達になってくれた。~
いいやつだと思う。▼~
闇魔法の使い手だとは思えないほどに~
朗らかな性格だな。▼~
:[ヒュウ]|
そ、そうか。じゃあ~
もしかしてオレの明るい性格は~
親父譲りなのかな。▼~
:[リュート]|
……。~
そんなに気になるなら~
自分で確かめてはどうだ。▼~
:[ヒュウ]|
……!? お、おいっ!~
背中を押すなって!▼~
:[カナス]|
ん? 誰です?~
そこにいるのは…▼~
***S [#i17c946e]
:[カナス]|
君は…ヒュウ!?~
ヒュウなんだね!▼~
ああ、こんなに大きくなって!~
信じられない…▼~
:[ヒュウ]|
え、えーと…ヒュウです。~
ひ、久しぶり? いや、違うな?~
なんつっていいか、その…▼~
:[カナス]|
なにも言わなくていいよ。~
こうして顔を見せてくれただけでも~
僕はうれしいよ。▼~
:[ヒュウ]|
な、なんだ。~
こんなに喜んでくれるのなら~
もっと早く会えばよかった…▼~
…あ、あのさ、親父。~
再会の喜びに水を差すみたいで~
悪いんだけどさ。▼~
オレ、古代魔法…~
闇魔法の使い手じゃなく~
理魔法の使い手になっちまったんだ。▼~
ごめんな。~
ばあちゃんや親父の才能を~
継ぐことができなくてさ。▼~
:[カナス]|
理魔法の使い手…そうか、~
じゃあ、ヒュウ、君の才能は母さん譲りだよ。~
よかった、本当によかった。▼~
:[ヒュウ]|
え? 親父はオレが~
闇魔法を受け継がなくて~
残念じゃないのか?▼~
:[カナス]|
ヒュウが生きていける才能…~
それを残せたことが~
僕たち夫婦の一番の喜びだよ。▼~
君は理魔法の使い手として~
アスク王国に召喚される~
立派な英雄に成長した。▼~
こんなうれしいことはないよ。~
頑張ったね、ヒュウ。▼~
:[ヒュウ]|
へへ。オレ、はじめてかもな。~
理魔法の使い手になって~
誰かに褒められたの。▼~
:[リュート]|
家族とは…いいものだな。▼~
:[ヒュウ]|
親父、これからはアスク王国のために~
ともに戦う仲間として~
ひとつよろしく頼むぜ。▼~
:[カナス]|
はい、僕のほうこそ。▼~
:[ヒュウ]|
で、ものは相談なんだけどさぁ。~
お金貸してくれないかな、親父。~
今、ちょっと入り用で…▼~
:[ニイメ]|
……▼~
:[ヒュウ]|
こ、この気配…げっ!?~
ばあちゃん、いつの間に?▼~
:[ニイメ]|
気になって様子を見に来れば…~
このアホ孫! 性根から鍛え直して~
やったほうがよさそうだね!▼~
:[ヒュウ]|
い、いや、これはそのっ!~
た、助けてくれ、親父っ!▼~
:[カナス]|
母さんに鍛えてもらえば~
魔道の腕も上がるよ。~
よかったね、ヒュウ。▼~
:[ヒュウ]|
よかねえよ!~
ぎゃーっ!▼~
:[リュート]|
……。~
家族とは、いいもの…だな?▼~
**山の隠者 ニイメ [#qc856992]
***C [#r033dbdb]
:[パント]|
お待ちください、ニイメ殿!▼~
:[アゼル]|
あれっ…!?~
い、いない。~
消えてしまった?▼~
:[ラインハルト]|
確かにこちらの角を~
曲がられたはずなのですが…▼~
:[クリフ]|
ニイメとかいうおばあさん。~
みんなで血眼になって探すほど~
そんなにすごいの?▼~
:[パント]|
エレブ大陸の魔道士なら~
その名を知らぬ者はいないほどの~
偉大なお方でね。▼~
【山の隠者】と呼ばれ~
生ける伝説とも言える存在なんだ。▼~
ニイメ殿が記された書物にも~
値段がつかないほどの~
希少価値があるんだよ。▼~
:[クリフ]|
ふーん。でも、そのおばあさんの本は~
アスク王国の図書館にないよね?▼~
:[エルク]|
だから、パント様は予想されていたんだ。~
いずれ、ニイメ様本人がアスク王国に来て~
自ら書をしたためられるのでは…と。▼~
:[ヒューベルト]|
興味がありますな。~
それほどまでに卓越した力を有する賢者…~
主のためにも、ぜひ教えを請いたいもの。▼~
:[クリフ]|
僕もちょっとだけ興味が湧いてきたかも。▼~
:(暗転)|
:[ニイメ]|
ふぅ、まったくやかましいね。~
わたしは【隠者】なんだよ。~
騒々しいのは嫌いさ。▼~
悪いね、フィヨルム王女。~
匿ってもらって。▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ! 人生の先達には~
常に敬意をもって接しなさいと~
母に教わっておりましたから!▼~
:[ニイメ]|
ご母堂は王女にいい財産を~
遺してくれているようだね。▼~
そういやアスク王国の図書館にある~
古文書で読んだんだけどね…▼~
王女の国、ニフルは~
竜が作ったってのは本当かい?▼~
:[フィヨルム]|
はい。氷の神であり~
氷竜としても崇められるニフル様が~
建国に関わっていると聞きました。▼~
で、でも、私もニフル様と~
不思議な場所でお会いしたのですが~
今でもあまり現実感がなくて…▼~
:[ニイメ]|
ん? なにか言ったかい?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ! 独り言のようなものです!▼~
:[ニイメ]|
人間たちの国を興すために手を貸す…~
ふむ、人に友好的な竜と考えるべきかね。▼~
:[フィヨルム]|
え…?▼~
:[ニイメ]|
わたしはね、昔からずっと調べているのさ。~
人間にとって竜とは~
どういう存在なのかってことをね。▼~
***B [#v3b16f3f]
:[ニイメ]|
わたしは古代魔法…~
王女には闇魔法のほうが~
通りがいいかね。▼~
その研究のかたわら~
竜について長年調べていたのさ。▼~
:[フィヨルム]|
ニイメ様は確かエレブ大陸のご出身。~
不思議ですね、どの異界でも~
人と竜が関係しているなんて。▼~
:[ニイメ]|
わたしが生まれる千年ほど前にね。~
エレブ大陸の覇権を巡って~
人と竜は熾烈な戦いを繰り広げたのさ。▼~
:[フィヨルム]|
エレブ大陸の英雄の方々に~
教えてもらいました。たしか…~
人竜戦役という戦い、ですよね?▼~
:[ニイメ]|
王女は勉強熱心だね。~
常日頃、学ぶことを忘れてはならないよ。~
知と武は成長するための両輪だからね。▼~
話を戻そうか。~
人竜戦役以降、エレブ大陸では~
人と竜は相容れぬ関係になった。▼~
人にとって竜は恐怖の対象。~
世界を滅ぼす存在とも~
目されていたんだよ。▼~
:[フィヨルム]|
世界を滅ぼす存在…~
竜の立場や人との関わり方は~
ずいぶん違うんですね…▼~
私が育ったニフル王国だけではなく~
アスク王国も竜によって建国され~
人に託されたと聞きます。▼~
私にとっては竜とは~
人に力を貸してくださる~
大いなる存在に思えるのです。▼~
:[ニイメ]|
……▼~
:[フィヨルム]|
あっ! す、すみません!~
これは私個人の考えといいますか~
そのっ…!▼~
:[ニイメ]|
いいさ。人の数だけ価値観があるんだから~
世界は面白いんだよ。▼~
かくいうわたしもね。~
とある出会いをきっかけに~
考えが変わってきてるのさ。▼~
竜とはいったいなんなのか。~
そいつを、自分なりに~
探している最中さね…▼~
***A [#pf30f1ea]
:[ニイメ]|
竜とは、いったいなんなのか。~
人間に破滅をもたらすものであり~
一方では力を与えるもの。▼~
アスク王国の大図書館には~
おあつらえ向きに~
異界の竜に関する書物もあってね。▼~
わたしの竜に関する知識も~
何倍にも膨れ上がったよ。▼~
:[フィヨルム]|
この国の大図書館には~
いろんな本がありますものね。▼~
:[ニイメ]|
うれしいねえ、この歳になっても~
まだまだ多くのことを~
学べるっていうのはさ。▼~
もっとも、そのせいで~
うるさい連中に追い回される~
はめになっちまったけどね。▼~
:[フィヨルム]|
ふふっ。みなさん、それだけ~
ニイメ様に教えを授けてもらいたいと~
思っているのでしょうね。▼~
:[ニイメ]|
こっちは竜のことを~
調べるので手一杯さね。まったく…▼~
しかし、調べれば調べるほど~
異界ごとに竜のあり方が違って~
実に面白いよ。▼~
アカネイア大陸やユグドラル大陸では~
人々に力を貸し~
信仰の対象として敬われている。▼~
その一方で、邪竜や暗黒竜として~
人々に破滅をもたらす恐怖の~
対象にもなっている。▼~
:[フィヨルム]|
ふたつの側面を持っている~
ということでしょうか。▼~
:[ニイメ]|
竜は創造と破壊、相反する特性を~
持っていることが多いのも~
面白いところだね。▼~
フォドラの神話では~
竜は世界を成した神祖に従い~
世の発展に尽くしたらしい。▼~
反対に、透魔王国の竜は~
獣の衝動に蝕まれ~
世界に災厄をもたらした…▼~
バレンシア大陸を創造したと言われる~
竜もまた、永き時を生きた果てに~
狂気に支配されたそうな。▼~
:[フィヨルム]|
すごい力を持っているにも関わらず~
自分を保てなくなってしまうなんて…▼~
:[ニイメ]|
人知を超えた力を有していても~
竜は全知全能の存在ではないようだね。▼~
むしろ、精神的に脆い。~
ある意味、人に近い存在と~
言えるかもしれないね。▼~
:[ファ]|
あっ!▼~
:[ニイメ]|
……!▼~
:[ファ]|
ニイメおばーちゃん!~
ニイメおばーちゃんだ!▼~
***S [#f3951a5a]
:[ファ]|
ニイメおばーちゃんも~
アスクにきてくれたんだね!~
わーいわーい!▼~
:[ニイメ]|
ファ。相変わらず元気だね。▼~
:[フィヨルム]|
お二人はお知り合いなんですね。▼~
:[ニイメ]|
ああ、そうだね。~
この子も、わたしにとって~
孫のようなものさ。▼~
:[ファ]|
ニイメおばーちゃん!~
ファね、アスクにきて~
おともだちがいっぱいできたよ!▼~
:[ノノ]|
ノノだよ! ファのおともだち!▼~
:[ンン]|
その方が、ファが前に言っていた~
ニイメおばーちゃんなのですか。▼~
:[ファ]|
そう! おもちゃをくれたりする~
やさしーおばーちゃん!▼~
:[ミルラ]|
ファがこんなに懐くなんて~
きっと、いい人なのでしょうね。▼~
:[ノノ]|
ノノもおもちゃほしいな!~
だめ?▼~
:[ニイメ]|
ダメなんてことはないさ。~
ほら、この球をごらん?~
キラキラ光っていて綺麗だろ?▼~
:[ノノ]|
うわっ! すごーい、なにこれ!?~
ンンも見て見て!▼~
:[ンン]|
お母さん、興奮しすぎですよ。~
どれどれ…。うわっ、綺麗なのです!▼~
:[ミルラ]|
魔力がこめられた球でしょうか。~
見ていて心がやすらぎます。▼~
:[フィヨルム]|
ふふっ、みんな大喜びですね。▼~
:[ニイメ]|
わたしはね。ファに出会うまで~
竜は感情を持ち合わせていない~
人の宿敵だと思ってたよ。▼~
得体の知れない力を持つ~
魔物のような存在だってね。▼~
けどね、ごらんよ。~
この子たちの笑顔をさ。▼~
:[ファ]|
えへへ。ニイメおばーちゃんの~
あたまなでなで、すきー。▼~
:[ニイメ]|
すまないねえ。~
人の世界の平和だの安定だのって話で~
あんたたちを戦いに巻き込んじまって。▼~
:[ンン]|
いいえ、それは人だけの問題では~
ないのです。▼~
:[ミルラ]|
竜も人もみんなが~
笑って過ごせる世界…~
私たちもそれを望んでます…▼~
:[ニイメ]|
みんなが笑える世界…か。~
あのアホ孫も同じようなことを~
言っていたねえ。▼~
フィヨルム王女。~
竜とは「力」なのかもしれないね。~
人知を超えた理を持つ純粋な力。▼~
途方もなく大きな力かもしれないが~
付き合い方さえ間違わなけりゃ~
きっと人と共存していけるはずさ。▼~
:[フィヨルム]|
人と竜の共存ですか。~
はい、私もそう思います。▼~
:[ニイメ]|
力と、どう向き合うか。~
力に飲まれず、支配されず。~
適切な距離を保ち、己の糧とする。▼~
ただ頼るだけではなく~
竜と同じ世界で暮らしていけるように~
わたしらも知恵を出し合わないと。▼~
:[ファ]|
ニイメおばーちゃん!~
おしろをあんないしてあげる!▼~
:[ニイメ]|
おお、ありがとう。~
それじゃ、頼むとするかね。▼~
…この子たちの笑顔が未来に続けば~
きっと人と竜は、ともに手を携えて~
歩いていけるはずだよ…▼~
**怪盗 キャス [#nd18f8f5]
***C [#a8031508]
:[キャス]|
お・た・か・ら・が~
あ・た・し・を呼んでいるっと!▼~
アスク王国っていろんな異界と~
交流があるって聞いたけど…▼~
見たこともないお宝が~
たくさん眠ってそうよね!~
でしょ? 子分その1!▼~
:[チャド]|
あのなあ。なんども言うけど~
あんたの子分になった覚えはない。▼~
:[キャス]|
でね、あたし思ったの。~
ヴァイス・ブレイヴって盗賊を~
なりわいにしている英雄多くない?▼~
:[チャド]|
オレの話は無視かよ…▼~
そうだな。~
オレやお前以外にも~
盗賊の英雄がいて正直驚いた。▼~
どこの世界にもいるんだな。~
盗賊をなりわいにしなきゃ~
生きていけない連中が。▼~
:[キャス]|
でもさ、これって~
チャンスじゃない!?▼~
骨のありそうな盗賊連中に声をかけて~
子分を増やせばキャス怪盗団を~
結成できるじゃない!▼~
:[チャド]|
は? お、おい…~
お前はなにを言っているんだ?▼~
余計なことはするんじゃない!~
ロイ…いやロイ様に~
迷惑がかかるだろ!▼~
:[キャス]|
余計なことじゃないって!~
世直しのために必要なことだよ!▼~
よーし、見込みのありそうな盗賊に~
片っ端から声をかけて~
キャス怪盗団を結成しよう!▼~
アスク王国でも悪党を懲らしめて~
困っている人たちを~
助けちゃうんだから!▼~
:[チャド]|
お、おい! 待て!~
話を聞けって…!▼~
***B [#i900087c]
:[キャス]|
同業者ってのは気配でわかるのよね。~
独特の雰囲気があるっていうか。▼~
:[ゼロ]|
……▼~
:[キャス]|
あっ! あの人もたぶん盗賊だね。~
足音を立てずに歩いてる…~
こりゃタダモノじゃないね!▼~
どうもどうも~、あたしはキャス!~
こないだ、アスク王国に~
召喚されてきた怪盗だよ。▼~
:[ゼロ]|
俺に、ナニか用か?▼~
:[キャス]|
あんた、なかなかスジがよさそうじゃん。~
ね、キャス怪盗団に入らない!?▼~
:[ゼロ]|
スジ…? ふっ、スジときたか。~
ああ、俺のスジは~
いろいろとスゴいぜ…?▼~
:[キャス]|
……?~
えーと、それは腕前に~
自信ありってことでいいのかな?▼~
と、とりあえず、あたしは今~
怪盗団の団員を集めているの!~
世直しのためにね!▼~
どう? 入ってみない?~
あたしたちのやり方で~
肥え太った悪党たちを懲らしめるの!▼~
:[ゼロ]|
懲らしめる…ふふっ、イイね。~
我が世の春を満喫しているヤツらに~
豚のような悲鳴を上げさせるのは最高だ。▼~
:[キャス]|
じゃあ、入ってくれるんだ!~
キャス怪盗団に!▼~
:[ゼロ]|
そんな簡単に…俺をイれちまっても~
いいのかい?▼~
一度、俺をイれちまったら~
もう後戻りはできないぜ?~
ぶっ壊れるまでな…▼~
:[キャス]|
……??~
気のせいか、なーんか~
会話が噛み合ってない気がする。▼~
:[チャド]|
あっ! さっそく勧誘してやがる!~
おい、キャス!▼~
:[キャス]|
げっ、もう追いかけて来た!?~
次行こ、次!▼~
じゃあね! 怪盗団加入のこと~
考えといてね!▼~
***A [#m512b038]
:[キャス]|
自分でもすっかり忘れていたけど~
あたしの得意技といえば~
やっぱり色仕掛けなわけよ。▼~
:[ユーリス]|
……▼~
:[キャス]|
あの身のこなし。~
素人じゃ気づかないでしょうけど~
あたしにはわかる!▼~
ありゃあ、かなりの修羅場を~
くぐって来た同業者ね。▼~
今度こそ、あたしの得意技で~
勧誘を成功させる。▼~
ねぇ~話があるの。~
ちょっと聞いてくれな~い?▼~
:[ユーリス]|
ん? しがない美少年の俺に~
なにか用か?▼~
:[キャス]|
ぎゃーっ! ヤ、ヤバイ!~
なにこいつ!?~
正面から見たらすごい目力!▼~
し、しかもなんて美肌なの!?~
輝いてキラキラしてるし!▼~
:[ユーリス]|
どうした? 声をかけてきて~
勝手に腰を抜かすとは面白いやつだな。▼~
:[キャス]|
美肌がまぶしすぎる…!~
こ、これは色仕掛けどころじゃない。▼~
ひ、人違いでした、なんでもないです!~
失礼しまーす!▼~
:(暗転)|
:[キャス]|
あらゆる異界から~
英雄が集まっているだけあって~
ヴァイス・ブレイヴは曲者揃いね…▼~
はぁ、こんな調子じゃ~
キャス怪盗団の結成は~
いつになることやら。▼~
いや、あたしはあきらめない!~
必ずアスクで大怪盗団を結成して…▼~
:(画面が点滅する)|
:[キャス]|
きゃっ!~
あーごめん! 考えごとしてたら~
ぶつかっちゃ…って……▼~
:[???(イラスト:キャス)]|
…▼~
:[キャス]|
えっ!? う、うそっ!~
あたしがもう一人!?▼~
も、もしかして、ほかの異界から来た~
もう一人のあたしなの!?▼~
***S [#ef89b27c]
:[???(イラスト:キャス)]|
キャス…お願い、私の話を聞いて!~
怪盗団を結成するなんて~
無茶なことはやめようよ?▼~
:[キャス]|
……▼~
ちょっとビックリしたけど~
あんた、偽物ね。~
誰? 正体見せなさいよ!▼~
:[???(イラスト:キャス)]|
……▼~
:(画面が白く光る)|
:[チェイニー]|
なんだ、もうバレちゃったのか。~
なかなか勘が鋭いな。▼~
:[キャス]|
う、うわっ!? 変身した?~
あんたがあたしに化けていたの!▼~
:[チェイニー]|
ああ、そうさ。~
俺は他人に変身する力を~
持ってるんだ。▼~
:[キャス]|
す、すごい…~
他人に変身できるなんて~
怪盗団向きじゃない!▼~
どう? あんたも~
キャス怪盗団に入らない!?▼~
:[チャド]|
無駄な勧誘はそこまでだ。~
やっと捕まえたぜ…▼~
:[キャス]|
子分その1…!?~
いつの間に。▼~
:[チャド]|
ったく、なんて逃げ足の速さだ。~
お前を仲間に誘ったときの~
ロイ様も苦労したんだろうな…▼~
:[チェイニー]|
実はチャドに頼まれたのさ。~
お前を捕まえるために~
協力してくれってな。▼~
ま、イタズラとしても面白そうだったし~
暇つぶしに協力したってわけだ。▼~
:[キャス]|
なによ。子分その1の差し金だったの?~
あたしはスカウトで忙しいのに。▼~
:[チャド]|
だから、それが無駄だってんだよ。~
オレたちがなんのためにアスク王国に~
呼ばれたのか、よく考えろよ。▼~
:[キャス]|
そっちこそ、よく考えなよ!~
私腹を肥やす悪徳商人や腐れ貴族を~
懲らしめなきゃいけないでしょ!▼~
:[チャド]|
だから…いないんだよ、この国には。~
そんな悪党連中はさ。▼~
:[キャス]|
へ…?~
そ、それ、どういうこと?▼~
:[チェイニー]|
この国の民は勤勉で~
お互いを支え合い、助け合い…~
王家を信頼して生きてる。▼~
:[キャス]|
それじゃあキャス怪盗団は?~
義賊なんて必要ないじゃん!▼~
:[チャド]|
だから、そう説明しようとしたら~
お前が暴走したんだろ?▼~
けど、ヴァイス・ブレイヴには~
オレたち盗賊の仕事はごまんとある。▼~
偵察や陽動、破壊工作や伝令など~
人手はいくらでも足りないくらいだ。▼~
:[キャス]|
はぁ、なーんだ。~
あたしが先走ったってわけか。▼~
悪い奴がいないんじゃ~
しょうがないわね。▼~
なら、アスク王国を狙う~
悪い連中を成敗しよっかな。▼~
よーし! あたし、がんばって~
ヴァイス・ブレイヴで~
一旗上げることにするわ!▼~
これからもよろしくね~
子分その1とその2!▼~
:[チェイニー]|
ん? 子分その2とかいうのは~
もしかして俺のことか?▼~
:[キャス]|
あ、ごめん、子分その2は~
エクラだったわ。▼~
頑張ろうね。~
子分その1とその3!▼~
:[チャド]|
だ~か~ら~!~
オレも子分その1になった覚えはねえよ!▼~
**神と魔の間で イドゥン [#edef239f]
***C [#cc242eb3]
:[イドゥン]|
こうしてあなたに~
礼を言える日が来るとは~
思っていませんでした。▼~
私の命をつないでくれて…~
ありがとう。▼~
:[ロイ]|
戦いのあと、あなたは~
ナバタの隠れ里で穏やかに~
暮らしていると聞いていたんだ。▼~
よかった。元気そうで。~
こうしてアスク王国で再会できたのも~
なにかの縁だろうね。▼~
:[イドゥン]|
私は今、夢から覚めたような…~
そんな日々を送っています。▼~
吹く風の心地よさ。~
咲き誇る花の美しさ。▼~
どれもみな知らなかった…~
いえ、忘れていただけかもしれません。▼~
:[ロイ]|
だけど、ぼくたちはまたあなたを~
戦いの渦中に連れ出そうとしている。▼~
アスク王国の明日を守るためには~
あなたの力が必要なんだ。~
心苦しいけど…▼~
:[イドゥン]|
案じてくれて…ありがとう。~
ファから聞いていた通り~
あなたは強く、優しい人ですね。▼~
しかしこれは、生き残った私が~
歩まなくてはいけない道。▼~
私も、私にできることを~
やってみようと思います。~
この国の…人たちのために。▼~
:[ロイ]|
ありがとう。~
あなたの決意は必ず多くの~
未来をつないでくれると思うよ。▼~
:[イドゥン]|
私がこの国にやって来たのは~
おそらく、運命の導き…▼~
私が再び歩き出す前に~
会わなくてはいけない人がいるのです。~
この…アスク王国に。▼~
:[ロイ]|
なにか困ったことがあれば~
いつでも言ってほしい。▼~
先ほどあなたは~
アスクの民に手を貸すことが~
自らの歩む道だと言ったけど…▼~
その道は一人で歩むものではないよ。~
どうか、ぼくたちとともに手を携え~
ともに未来へ歩んでほしい。▼~
:[イドゥン]|
ありがとう…▼~
***B [#pe728dec]
:[イドゥン]|
ギネヴィア…王女ですね。~
私は…。▼~
:[ギネヴィア]|
……!~
その瞳、あなたは…~
暗闇の巫女…イドゥン!?▼~
ですが、その雰囲気…~
それではまるで…▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
そうなのですね。あなたは…~
私が知るエレブ大陸より~
未来からやってきた。▼~
:[イドゥン]|
はい。▼~
:[ギネヴィア]|
あなたは…救われたのですね。~
もう暗闇の巫女ではない…~
今のあなたからは闇を感じません。▼~
:[イドゥン]|
エレブ大陸における戦いは~
終わりました。▼~
ロイが振るった…いえ~
ロイとその仲間たちが振るった~
封印の剣によって。▼~
:[ギネヴィア]|
封印の剣が…▼~
私がベルン王家から持ち出した~
ファイアーエムブレムは…~
正しくその力を発揮したのですね。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
私は…アスク王国にあなたがいると知り~
会うべきかどうか悩みました。▼~
それは、あなたに望まぬ未来を~
伝えてしまうことに~
なるかもしれない…から。▼~
:[ギネヴィア]|
……▼~
:[イドゥン]|
陛下をお救いすることができず~
ごめんなさい…▼~
***A [#n396f5b4]
:[イドゥン]|
私は多くの過ちを犯してしまった。▼~
終末の冬を…引き起こし~
封印から目覚めたあとも~
多くの未来ある命を奪ってしまった。▼~
そして、陛下の命も…▼~
:[ギネヴィア]|
……▼~
戦乱を広げてしまったのは~
兄と和解に至れなかった~
私も同じです。▼~
血が流れぬ道にたどり着くことが~
できなかったのは~
私に力が足りなかったから…▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
国を裏切り、ベルンの至宝~
ファイアーエムブレムを持ち出し…▼~
ロイ様に託すことで~
戦争を終わらせようとしたのです。▼~
本当なら~
ベルンの王族である私自身が~
決着をつけねばならなかったのに。▼~
:[イドゥン]|
あなたも…苦しんでいたのですね。~
悩み続け、自分の心を責め続け~
辛い日々を送っていた。▼~
今の私には聞こえます。~
あなたの心の音…▼~
:[ギネヴィア]|
イドゥン、あなたはもう~
魔竜ではないのですね。▼~
他者の痛みがわかるということは~
自らの心を重ねられるということ。▼~
あなたはおそらく最後まで~
兄に寄り添っていてくれたのですね。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
ベルンの王女としてではなく~
兄の…たった一人の妹として~
あなたに伝えます。▼~
最後まで兄のそばにいてくれて~
ありがとう。▼~
***S [#w8fc15ae]
:[イドゥン]|
私を…責めないのですか?~
陛下を救えなかった私を。▼~
:[ギネヴィア]|
あなたの責任ではありません。~
それぞれの正義が不幸な形でぶつかり~
血が流れてしまった。▼~
戦争というものは~
関わってしまったすべての人間が~
加害者であり被害者なのかもしれません。▼~
:[イドゥン]|
……。~
陛下が歩もうとされた道は~
正しい道ではなかったのかもしれない。▼~
だけど、その出発点は…▼~
世界を悲しみの連鎖から~
解き放とうとした~
優しい心だったように思えます。▼~
:[ギネヴィア]|
兄は…優しすぎたのです。▼~
それゆえに、自分の目に映る~
世界の歪みを許容することができずに~
力で歪みを正そうとしてしまった。▼~
イドゥン、あなたたち竜族は~
永遠に近い時を生きると聞きます。▼~
:[イドゥン]|
……▼~
:[ギネヴィア]|
私たち、人間の一生など~
あなたたちにとっては~
一瞬なのかもしれませんが…▼~
どうか、兄の中にあった優しさも~
未来に連れていってあげてください。▼~
:[イドゥン]|
ええ。約束…します。▼~
:[ギネヴィア]|
戦争というものは~
関わるすべての人間が~
加害者であり被害者と言いました。▼~
ですが、そこには~
一方的に虐げられる人間も~
存在するのです。▼~
命をひとつでも多く守り抜き~
犠牲者をなくすこと…~
それが私たちの使命だと思います。▼~
:[イドゥン]|
きっと私はそのために…~
今、この地にいるのでしょう。▼~
命は、いつか終わります。~
それは私たち、竜族も例外ではない。▼~
ですが、想いは永遠。▼~
私を暗闇から連れ出そうとしてくれた~
あの優しい灯火を…▼~
心の中で、いつまでも~
灯し続けようと思います。▼~
この手に残る~
ぬくもりとともに…▼~
*コメント [#t3c498da]
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