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章別会話/もうひとつの夜明け
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*もうひとつの夜明け [#g60b46e8]
#contents
**もうひとつの夜明け [#scdd16be]
***オープニング [#h6956e2d]
:[エーデルガルト]|
……▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[クロード]|
うーむ…▼~
:[シャロン]|
えーと…みなさん、ずいぶん~
空気が重たいみたいですけど…▼~
:[クロード]|
ああ、空気ね。~
どうしたもんかな。▼~
:[リシテア]|
どうしたもんかな…じゃ~
ありませんよ、クロード。▼~
ここはフォドラとは違うんです。~
アスク王国でも凄惨な争いを~
繰り返すつもりですか?▼~
:[エーデルガルト]|
そうね、リシテアの言うとおり~
ここは異界の地。▼~
:[ディミトリ]|
この地にフォドラの遺恨を~
持ち込む必要はないだろう。▼~
:[クロード]|
そういやディミトリ…~
マトモに話せるようになったのか?~
なんだか妙に落ち着いているし。▼~
:[エーデルガルト]|
たしかに。私が最後に…~
貴方と戦ったときとは~
まるで別人のようだわ。▼~
:[ディミトリ]|
お前たちの世界にいた俺が~
どのような人物かは知らないが…▼~
俺の知るファーガスは~
アドラステア帝国を打倒し、~
俺は王として即位した。▼~
:[クロード]|
ファーガスが覇権を握った?~
うーん、俺のいたフォドラとは~
歴史が違うようだな…▼~
そっちの皇女様、いや…~
エーデルガルト皇帝陛下の世界では~
あんたがフォドラを支配したってんだろ?▼~
:[エーデルガルト]|
私の力だけではないわ。~
師が傍にいてくれたからこそ~
私の覇道は成ったのよ。▼~
なるほど。クロードの世界では~
レスター諸侯同盟が覇権を握り~
貴方がフォドラの王となったのね?▼~
:[リシテア]|
違いますよ。わたしたちがいた世界では~
アドラステア帝国との戦いのあと~
フォドラに統一王国が成立します。▼~
この人は故郷のパルミラに戻って~
王子様として暮らしていたみたいです。▼~
:[ディミトリ]|
クロードが隣国パルミラの王子?▼~
どういうことだ…リーガン公爵家の~
嫡男ではなかったのか?▼~
:[クロード]|
まあまあ…とりあえず今は~
細かい話はあとにして~
二人に相談がある。▼~
シャロン王女も心配していることだしさ。~
アスク王国では不戦条約を結ばないか?▼~
:[シャロン]|
そ、そうですね!~
英雄同士でケンカは良くないです!▼~
:[ディミトリ]|
俺に異存はない。~
この地に来たのはアスクの民を~
救うためと理解している。▼~
:[エーデルガルト]|
承知したわ。~
この世界でなにをなすべきか~
私もわかっているつもりよ。▼~
:[クロード]|
ありがとう。そしてもうひとつ~
二人に相談があるんだ…▼~
この世界には5年前の~
自分たちも存在しているらしい。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
:[クロード]|
エーデルガルトもディミトリも~
「あの事件」が起こる前の自分たちに~
極力、接触しないでほしいんだ…▼~
***C [#cc9a42e2]
(この会話の登場キャラは全て士官学校編の通常版)
:[ヒルダ]|
ねっねっ、~
聞いたクロードくん!?▼~
アスク王国に5年後の~
クロードくんたちが~
召喚されてきたらしいよ!▼~
:[クロード]|
ああ、そうらしいな。~
アルフォンス王子に聞いたよ。▼~
:[リシテア]|
5年後の私も、一緒に~
召喚されてきたみたいですね。▼~
:[ヒルダ]|
気になるよねー! 5年後!~
あたし、戦いとは無縁なところで~
ゴロゴロできているといいな…▼~
リシテアちゃんは5年後の自分と~
なにかお話しした?▼~
:[リシテア]|
…いえ。城でもなかなか~
会えませんし、訓練や出撃でも~
一緒になることがないので。▼~
そもそもわたしは、~
5年後のわたしに~
あまり興味がありません。▼~
5年後も生きている…~
その事実がわかれば十分です。▼~
:[ヒルダ]|
えー、あたしは気になるけどなー。~
クロードくんも気になるよね?▼~
:[クロード]|
んー、気にならないと言えば~
嘘になるかな。▼~
…まあ、~
成り行きは予想できるけどな…▼~
:[メルセデス]|
5年後の私か~。~
ちょっと想像つかないわね~。▼~
:[アネット]|
でも、メーチェは今よりもっと~
綺麗になっていると思うよ!▼~
:[メルセデス]|
ふふっ、ありがとう~。~
でも、アンだってきっと素敵な~
レディになっているはずよ。▼~
:[アネット]|
そ、そうかな?~
今より頑張れているといいんだけど。▼~
殿下も、きっと立派な王に~
なられているはずですよね!▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[アネット]|
あの…殿下?~
どうかしましたか?▼~
:[ディミトリ]|
あ、ああ…なんでもない。▼~
そうだな。ファーガスを背負って立つ~
立派な王になれていると信じよう。▼~
……~
5年後の俺、か。▼~
(暗転)~
:[ヒューベルト]|
エーデルガルト様…▼~
エクラ殿が~
5年後の貴方様を~
召喚された件ですが…▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
5年後の私がなにをしているか…~
帝国がどういう状況下に置かれていようが~
今、ここにいる私には関係ない。▼~
私はなすべきことを成す。~
その決意は微塵も揺るがないわ。▼~
:[ヒューベルト]|
承知しました。~
ならば私は、エーデルガルト様の~
歩む道に寄り添うまでです。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
***B [#r5143a6b]
:[ディミトリ]|
クロード、話がある…▼~
:[クロード]|
相談事なら遠慮は無用だぜ。▼~
あんな事があったとは言え…~
俺たちは同じ食堂の~
飯を食った仲だからな。▼~
:[ディミトリ]|
ふっ、お前は相変わらずだな。~
5年経っても…根っこの部分は~
まったく変わっていない。▼~
:[クロード]|
それはお互い様だろ。~
で、話っていうのは…▼~
:[ディミトリ]|
5年前の真実を…~
彼らに話すべきではないのか。▼~
ガルク=マクでなにが起こるのか。~
そして、先生の身になにが起こるのかを。▼~
:[クロード]|
……▼~
きょうだい…先生のことは~
俺も迷ったよ。▼~
まさか、5年前の先生まで~
この世界にいるなんてなあ…▼~
:[ディミトリ]|
みなに真実を話すことで~
防げる悲劇もあるんじゃないか?~
そして、救える命も…▼~
:[リシテア]|
クロード、わたしもそう思います。▼~
:[クロード]|
……▼~
:[リシテア]|
むしろこれは、悲劇を回避する~
好機なのではないでしょうか?▼~
過去のわたしたちに真実を伝える。~
そのために、わたしたちはアスク王国に~
呼ばれた可能性もありますよ。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
:[クロード]|
あんたもいたのか~
エーデルガルト。▼~
:[エーデルガルト]|
私たちが話そうが話すまいが…▼~
5年前の私はおそらく~
フォドラになにが起きたのか~
気づいている。▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[エーデルガルト]|
むしろ、5年後の私を見たことで~
己の内にある意思を確固たるものにし~
躊躇なく未来へと突き進むはずよ▼~
真実を話そうが話すまいが~
未来…いや、過去は変えられない。▼~
:[クロード]|
だとしても、だ。俺は真実を~
話すべきではないと考えている。▼~
なぜなら…俺は~
もうひとつの可能性に~
賭けているからさ。▼~
***A [#i04c9e3d]
:[ディミトリ]|
もうひとつの可能性に~
賭けているだと…?▼~
:[クロード]|
ああ、そうだ。▼~
俺たちはそれぞれが~
信じる道を歩んだために~
対立する運命から逃れられなかった。▼~
なにが正しくて間違っているかなんて~
問題じゃない。▼~
俺たちは…与えられた選択肢の中で~
精一杯のことをやっただけなんだ。▼~
:[リシテア]|
……▼~
:[クロード]|
5年前の俺たちに~
その後の運命を教えたところで~
結局、同じ道を歩んでしまうだろう。▼~
:[エーデルガルト]|
そのとおりね。▼~
きっと私はなにがあっても、~
なにを聞いたとしても、~
理想のために戦うことをやめないわ▼~
:[クロード]|
しかし、だ。~
俺たちと5年前の俺たちには~
明確な違いがある。わかるか?▼~
:[ディミトリ]|
アスク王国に召喚されている…~
ということか?▼~
:[クロード]|
そのとおりだよ、嵐の王。~
あいつらがアスク王国でなにかを学び~
俺たちとは違う関係を築けるとしたら…。▼~
:[リシテア]|
フォドラの未来は~
変わるかもしれない…ですか?▼~
:[クロード]|
ああ。だから、俺は~
その可能性を潰したくないのさ。▼~
ゆえに、あいつらには~
未来になにが起こるのかを~
最期まで話さずにおきたい。▼~
もちろん…先生にも、な。▼~
:[リシテア]|
そう簡単にいくとは思えませんが。▼~
でも、可能性は…~
まったく無いわけではないと思います。▼~
:[ディミトリ]|
俺たちが歩めなかった~
もうひとつの可能性…か。▼~
:[エーデルガルト]|
私の決意は~
そう簡単に揺るぎはしない。▼~
しかし、そのうえで…~
私が見出せなかった道に~
出会えるとしたら…▼~
:[クロード]|
あいつらは俺たちとは違う~
もうひとつの夜明けを~
見ることができるかもしれないな…▼~
:[シャロン]|
あっ! みなさんここにいたんですね!~
もうすぐ訓練がはじまりますよ!▼~
:[クロード]|
おっと、もうそんな時間か▼~
どうだ、黒鷲、青獅子、金鹿で~
どこが一番好成績を残せるか~
久しぶりに競ってみないか?▼~
:[ディミトリ]|
今の俺は級長ではなく~
国全体を背負う立場なのだが…▼~
いいだろう。父から受け継いだ~
この槍の冴え、存分に見るがいい。▼~
:[エーデルガルト]|
勝負というなら…容赦はしないわ。~
師にも、成長した私の姿を~
見てもらいたいから。▼~
:[クロード]|
よし、決まりだな!~
リシテア、先に行くぞ!▼~
:[リシテア]|
あっ! ちょっと…!~
級長が駆け足で行ってしまうなんて~
まだまだ子どもですね。▼~
:[シャロン]|
なーんだ。~
最初は心配してましたけど~
みなさん、仲良しなんですねっ!▼~
:[リシテア]|
仲良しに見えますか。~
それはなによりです。▼~
……▼~
…そうですね…~
同じ学び舎で過ごした時間が~
途切れることなく、未来を紡げば…▼~
…もうひとつの夜明けに~
たどり着くことができるかも~
しれませんね…▼~
**真摯なる求道者 リシテア [#xf32fdf3]
***C [#r77b52bf]
:[フィヨルム]|
うーん、リシテアさん…~
ここにもいらっしゃいませんね。▼~
しかし、この城の図書館って~
どうしてこんなに広いのでしょうか。~
外から見るとそうでもなさそうなのに。▼~
あ…ちょうどいいところに!~
マリクさん!▼~
:[マリク]|
やあ、フィヨルム王女。~
あなたも図書館で勉強ですか?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ、実はその…~
リシテアさんを探していまして。~
図書館にいると聞いたのですけど。▼~
:[ルーテ]|
彼女なら植物学の部屋にいましたよ。▼~
:[カナス]|
勉強熱心ですね、彼女は。~
最近、図書館で~
見かけない日はないですよ。▼~
:[フィヨルム]|
ありがとうございます~
ルーテさんにカナスさん!~
さっそく行ってみますね。▼~
(暗転)~
:[リシテア]|
ふむふむ…なるほど…~
多肉植物ひとつとっても~
フォドラとは違う進化を遂げている…▼~
こっちはアスク王国とは違う~
異界の植物図鑑ですね…~
このようなものまで収蔵しているとは…▼~
:[フィヨルム]|
ようやく見つけました!~
リシテアさん!▼~
:[リシテア]|
ん? フィヨルム王女。~
わたしになにか用でしょうか?▼~
:[フィヨルム]|
昨日の夕食と今日の朝食の時間~
食堂に来られなかったようでしたから~
なにかあったのかと…心配しまして。▼~
:[リシテア]|
え? そんなはずは…▼~
もしかして日付は変わっていますか?▼~
:[フィヨルム]|
え、ええ、リシテアさんが~
図書館に入ってから、おそらく~
丸一日は経っているかと…▼~
:[リシテア]|
つい夢中になってしまったわ…▼~
しかし、この図書館は素晴らしい。~
求めるほど新しい知識が得られる。~
まさに知の宝庫です。▼~
:[フィヨルム]|
たしかに、この図書館はすごいです…~
地下にも何階層もあるんですよね?▼~
でも、リシテアさん。無理はダメですよ。~
ちゃんと休んで、食事をして~
体調管理に気を配ってくださいね。▼~
:[リシテア]|
そうですね。~
ありがとうございます、フィヨルム王女。▼~
……▼~
***B [#c840cf17]
:[リシテア]|
んっ、んんっ…~
ここ…は…? わたしの…部屋?▼~
:[フィヨルム]|
あっ、リシテアさん。~
気がつきましたか!?▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…~
わたし…図書館にいたはずだけど…▼~
:[フィヨルム]|
訓練の時間になっても~
リシテアさんが現れないので~
様子を見に行ったんです…▼~
:[ガイア]|
要するに図書館で倒れていた~
おまえさんをフィヨルム王女が~
見つけてくれたってわけだ。▼~
そら、このカゴには~
俺が厳選に厳選を重ねた~
アスク王国の特選甘味が入っている。▼~
:[リシテア]|
こ、これは…!~
とても甘くて美味しそうな宝の山!▼~
それにしても、どうしてわたしが~
甘いものが好きだと…?▼~
ああ、なるほど。もう一人の~
「わたし」から聞いたのですね。▼~
:[フィヨルム]|
は、はい、それで~
甘いもの好きなガイアさんに相談して~
急ぎ用意していただいたのです。▼~
:[ガイア]|
まあ、糖分補給もいいが~
しっかり食事も取らないと~
身体が持たんぜ。▼~
それじゃフィヨルム王女…~
あとは任せた。▼~
:[フィヨルム]|
は、はい! ガイアさん~
ありがとうございます!▼~
:[リシテア]|
もぐもぐもぐもぐ…~
なんですかこの焼き菓子!~
外はサクサクで、中はしっとり…▼~
こちらのケーキも~
クリームの濃厚なこと。~
もぐもぐもぐ…▼~
:[フィヨルム]|
お口にあうようで良かったです!~
で、でも、一気に食べずに~
少しずつ召し上がってくださいね。▼~
あ、あの…リシテアさん。~
少し無理をされているのでは…?▼~
学問や研究に没頭することは~
とても素晴らしいと思いますが~
あまり根を詰めすぎるのも…▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…▼~
心配してくれてありがとうございます。~
しかし、わたしには…~
無理をする必要があるのです。▼~
:[フィヨルム]|
無理をする…必要?▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女には~
お話しておきましょう。▼~
わたしたちフォドラの民には~
始祖である女神ソティスを~
源流とする力の象徴…▼~
紋章と呼ばれる印を~
身体に宿している者がいます。▼~
:[フィヨルム]|
聞いたことがあります。~
エーデルガルトさんやディミトリさん~
クロードさんも紋章をお持ちですよね?▼~
いろいろと不思議な力を起こせる~
奇跡の象徴とか…▼~
:[リシテア]|
紋章は一人にひとつが原則。~
しかし稀に、ふたつの紋章を宿した~
人間が存在しています。▼~
その一人が…わたしです。▼~
そして、ふたつの紋章を得た代償として~
わたしは長くは生きられない。~
そう…言われているのです。▼~
:[フィヨルム]|
……!?▼~
***A [#ab55e4c5]
:[リシテア]|
わたしには、時間がないのです。▼~
普通の人と同じように~
悠長に学んでいる余裕はない…▼~
一刻も早く結果を出して~
わたしを育ててくれた両親を~
喜ばせてあげたいのです。▼~
:[フィヨルム]|
そんな理由があったのですね。▼~
でも、その気持ちは…わかります。~
私も似たようなものですから…▼~
:[リシテア]|
似たようなもの…~
フィヨルム王女が…?▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
私はかつて祖国を救うために~
ある儀式を行いました。▼~
そも供物として~
命を捧げたのです。▼~
:[リシテア]|
……!?▼~
:[フィヨルム]|
命が尽きるのは明日か…~
そう遠くない未来かも…しれません。▼~
私が今、こうして生きているのは~
奇跡のようなものなのです。▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…▼~
でも、不思議ですね…~
王女には焦っている様子が~
まったく感じられません。▼~
いつ果てるともしれない命を~
抱えて生きる恐ろしさは~
わたしもよく知っています。なのに…▼~
:[フィヨルム]|
最初は…私も恐れていたんです。▼~
国を救うために命を捨てる覚悟で~
儀式を行ったはずなのに…▼~
いざ生き残ってしまうと~
途端に命が惜しくなってしまいます。▼~
大切な人や~
ヴァイス・ブレイヴのみなさんと~
別れるのは…とても辛い。▼~
生きたい、死にたくない。~
もっと一緒にいたいと~
一人悩んでいることもありました。▼~
:[リシテア]|
……▼~
:[フィヨルム]|
ですが、さっきも言ったように…~
今の私が生きているのは~
奇跡のようなもの。▼~
だからこそ死を恐れるのではなく~
いつもどおりの自分でいようと~
思ったのです。▼~
残された時間で、~
ひとつでも多くの~
笑顔に出会えるように。▼~
:[リシテア]|
それが…フィヨルム王女の~
人を思いやる優しさに~
つながっているんですね。▼~
:[フィヨルム]|
私がいつまで生きられるかは~
わかりませんが…▼~
エクラ様や~
みなさんと一緒に支え合い、前に進む。~
それが、私が生きた証になると思うのです。▼~
だから、リシテアさんも~
研鑽に励み、結果を出すことは~
大事だと思いますが…▼~
ちゃんと食べて、ときには休んで~
ご自身の人生を豊かなものに~
してくれるといいなと…そう願います。▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…▼~
同じ境遇だからこそ~
その言葉は深く響きました。~
この胸に刻んでおきます。▼~
***S [#mde453a0]
:[フィヨルム]|
あ、あのっ、リシテアさん…!▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女?~
どうしました、血相を変えて。▼~
:[フィヨルム]|
先日、無理をなさらないように~
お話ししたばかりなのに、前よりずっと~
頑張ってしまっているではないですか!▼~
ここはその、体調を気遣いながら~
抑え気味に頑張るようになった…~
そういう流れになるはずでは!?▼~
:[リシテア]|
残念ながらそうはいきませんよ。▼~
でも、ご安心を!~
ちゃんと甘いものを食べて~
最低限の睡眠はとっています。▼~
ただ、新しくやることが増えたので~
ますます時間が惜しいのです。▼~
:[フィヨルム]|
はい? 新しく…やること?▼~
:[リシテア]|
わたしが邁進する目的は~
自己研鑽だけではありません。▼~
フィヨルム王女の命も…~
みんなで必ず元に戻してみせます。▼~
:[フィヨルム]|
え? 私の命を…ですか?▼~
:[マリク]|
実は僕たちも折を見て~
その方法を探していてね。▼~
:[フィヨルム]|
マリクさん…?~
それにカナスさんに~
ルーテさんまで…▼~
:[カナス]|
リシテア女史の相談を受けて~
せっかくだから僕たちも一緒に~
研究成果を出してみようと。▼~
:[ルーテ]|
私が優秀なのは間違いありませんが~
ここにいるメンバーは掛け値なしの~
秀才揃いです。▼~
なので、フィヨルム王女じゃ大船に~
乗ったつもりでいてもらって結構。▼~
もういやというほど寿命を延ばして~
差し上げることになるでしょう。~
私たち、優秀ですから。▼~
:[フィヨルム]|
みなさん…▼~
みなさんの心遣いに~
感謝の言葉もありません…~
本当にありがとうございます。▼~
ですが、くれぐれも無理は禁物です。~
適度に休んで、美味しいものを食べて、~
ご自身の人生も大切にしてくださいね。▼~
:[リシテア]|
任せてください。~
万事うまくやってみせます。▼~
なにしろ、わたしは…~
わたしたちは天才ですから!▼~
**パルミラ国王 クロード [#s9ceced0]
***C [#t2748390]
:[クロード]|
うーん…しかし見れば見るほど~
ガルグ=マク大修道院にいた~
行商人にそっくりだな。▼~
アンナ隊長、あんた本当に~
フォドラの出身じゃないのかい?▼~
:[アンナ]|
その質問…士官学校出身の~
生徒さんたちに何十回もされたわよ。▼~
名前は同じで見た目も似てるけど~
その女性と私は別人よ。▼~
:[クロード]|
まあ、それはそれとして…~
ちょっと聞きたいことがあるんだが。▼~
:[アンナ]|
なにかしら?▼~
:[クロード]|
「手段を選ばずに…
なにがなんでも勝ちたい」▼~
ヴァイス・ブレイヴの中でも~
とりわけ勝利に貪欲な英雄がいたら~
紹介してほしいんだ。▼~
:[アンナ]|
手段を選ばずに~
勝ちにこだわる英雄ねぇ…▼~
うーん、別にいいけど…~
思い当たる奴らは~
一癖も二癖もある英雄ばかりよ?▼~
:[クロード]|
ああ、それこそが~
俺が望んでいる人材さ。▼~
まっとうな手段で~
正々堂々と戦う英雄は~
掛け値なしに素晴らしい。▼~
しかし…ここには~
いろんな異界の英雄がいるんだ。▼~
せっかくだから~
型にとらわれない戦い方を~
学んでおこうと思ってさ。▼~
:[アンナ]|
そういうことなら~
力になれないこともないけど。▼~
いい? さっきも言ったように~
一癖も二癖もある英雄ばかりよ。~
くれぐれも悶着を起こさないようにね?▼~
:[クロード]|
今の俺もアスク王国にとっては~
異物みたいな存在だからな。~
わきまえてるさ。▼~
…さあて、どんな話が聞けるやら…▼~
***B [#n5553396]
:[ナーシェン]|
戦いとはなんたるかを~
私に聞きたいと…?▼~
:[クロード]|
ああ。ベルンが誇る三竜将…~
ナーシェン殿の勝利にかける情熱は~
並々ならぬものがあると聞いてね。▼~
:[ナーシェン]|
賢く強く、そして常に正しい私に~
教えを乞いにくるとは!▼~
キミはなかなか見どころがあるよ。~
いいだろう、勝つための鉄則を~
キミに教授しようじゃないか!▼~
いいかい?~
己の武を無闇やたらにひけらかし~
正面から挑むなど、まさしく愚の骨頂。▼~
戦いとは、戦力を~
いかに減らさずに勝つか。~
その一点に尽きるのだからね。▼~
:[クロード]|
ふむふむ。なるほど…▼~
:[ナーシェン]|
そのために必要なのは~
徹底的な懐柔さ。▼~
寝返らせ、仲間に引き込んでいく…~
そうすれば敵も減るうえ~
味方も増える…!▼~
:[クロード]|
一石二鳥と言うわけだな。▼~
:[ナーシェン]|
そのとおり!▼~
あとは自分の失敗を~
すべて押し付けられる~
都合のいい部下がいれば完璧だな。▼~
そうすれば、失敗なしの~
人生を送れること間違いなしだ。▼~
まあ、私に限ってそうそう~
失敗などするはずがないがね!~
天才とは常に備えるものなのだよ。▼~
:[クロード]|
敵を寝返らせ…~
失敗を押し付けられる部下の確保、か。~
なかなかに鋭い策だ。▼~
ありがとう。~
とても参考になった。▼~
:[ナーシェン]|
礼には及ばんよ。~
キミも早く私のレベルまで到達したまえ。~
はははは…!▼~
***A [#w1454953]
:[マクベス]|
勝つための方法を~
教えてほしい…と?▼~
:[クロード]|
ああ。暗夜王ガロンの軍師として~
辣腕を振るったマクベス殿に~
勝利の法則を説いてほしいのさ。▼~
:[マクベス]|
生き残った者が勝者であり~
敗れ去る者はすべからく敗者である。▼~
この法則は…どのような~
異界でも変わりはしません。▼~
:[クロード]|
そうだな。~
墓からいくら恨み言を叫んでも~
生者には届かないからな。▼~
:[マクベス]|
生き続けるというのは勝ち続けること。~
そのためには…~
手段など選んでいられません。▼~
いいでしょう。勝ち残るための条件を~
あなたに教授して差し上げましょう…▼~
敵を欺き、同士討ちを誘う…~
それが理想的な戦い方です。▼~
成功すれば~
自らの手を汚すことなく~
勝利にありつけますからねぇ…▼~
:[クロード]|
そのためには念入りな準備が~
必要…というわけだな。▼~
:[マクベス]|
そのとおり。ニセの情報を流し~
敵の心に味方への~
疑心暗鬼を植え付ける。▼~
あとはほんの少し…~
幻術の心得さえあれば~
同士討ちを誘うなど造作もないこと。▼~
:[クロード]|
なるほど…~
味方への不信感を芽生えさせ~
それを後押しする…と。▼~
:[マクベス]|
それと、民の犠牲を気にしていては~
大きな勝利は得られませんよ。▼~
勝つためにはどんな手も使う。~
これが私の信条です。▼~
もっとも…ヴァイス・ブレイヴでは~
そうした作戦は禁じ手なので~
活躍の機会が限られるのは残念ですが…▼~
:[クロード]|
いやぁ、実にためになった…!▼~
さすがマクベス殿。~
なにがなんでも勝とうという姿勢…~
頭が下がる思いだ!▼~
:[マクベス]|
フフフ…理解いただけたようで~
うれしいですよ。▼~
人道を重んじても~
負ければ終わりです。~
敗者になりたくないものですねぇ…▼~
***S [#d9406163]
:[ギャンレル]|
簡単なことじゃねぇか。~
勝ちてぇなら、相手に~
一切の手出しをさせねぇことだ。▼~
反撃の目を潰し、一方的に叩き潰す!~
それが最上の手だぜ。ヒャハハハ!▼~
:[クロード]|
そのための一番の策が~
人質をとって戦う…か。▼~
勝利を確実にものにするには~
それはたしかに有効だな。▼~
:[ギャンレル]|
……▼~
おっと、俺の話はここまでだ。~
今度はてめぇの話を聞かせろや。▼~
:[クロード]|
ん? 俺の話なんて聞いても~
面白くもなんともないぜ?▼~
:[ギャンレル]|
ぬかせ。てめぇ…~
なにを企んでやがる?▼~
他の奴らにも~
同じような話を聞いてたろ?~
言えよ…なにが目的だ?▼~
:[クロード]|
策には上等も下等もない。~
勝たなきゃ意味がないんだからな。▼~
言うだろ?~
敵を知り己を知れば~
百戦危うからずってな。▼~
だから俺は、ひとつでも~
たくさんの策を知ることで~
その対策を考えておきたかったのさ。▼~
そういうわけで奇策が得意なお歴々に~
お話を聞いて回っていた…と。~
それだけさ。▼~
:[ギャンレル]|
……▼~
:[クロード]|
優等生の俺なんかじゃ~
まるで考えもつかないような~
卑劣な策ばかりでタメになったよ。▼~
:[ギャンレル]|
ふん。どれもてめぇが一度は考えて~
実行に移さなかっただけだろうが。▼~
大方、そうした策が~
実際にどの程度有効だったのかを~
推し量ってただけじゃねぇのか?▼~
:[クロード]|
どうだろうな?▼~
:[ギャンレル]|
しかも俺たちゃ~
ヴァイス・ブレイヴでもいわば~
鼻つまみ者みてぇな存在だ。▼~
そいつらと関係を作っておくことで~
後々なにかあったときに利用しようとか~
考えてんじゃねぇだろうな? ああん?▼~
:[クロード]|
ご想像にお任せするよ…▼~
なんにせよ、ためになった。~
この経験は戦場で活かすことにするさ。~
それじゃ、失礼する。▼~
:[ギャンレル]|
ケッ、食えねぇやつだ…▼~
…のらりくらりとかわしやがったが~
一番勝利にこだわってるのは~
てめぇじゃねぇか…▼~
…なんにせよ…敵に回すと~
面倒くせぇことになりそうだな…▼~
クロード…あいつの動きは~
ちぃとばかし気にかけとくか…▼~
**アドラステア皇帝 エーデルガルト [#h0b581a6]
***C [#x7560f09]
:[アルフォンス]|
ごきげんよう、エーデルガルト陛下。~
もうここでの暮らしは慣れましたか?▼~
:[エーデルガルト]|
ごきげんよう、アルフォンス王子。~
異界と言っても~
生活様式もフォドラとほぼ同じ…▼~
アドラステア皇帝としての~
務めに注力しないでもいいから~
肩の荷はむしろ軽いわね。▼~
:[アルフォンス]|
先日の訓練での戦いぶり~
実に見事でした。▼~
ご自身の修練と~
一部のフォドラの民が~
宿すという紋章の力…▼~
そのふたつが噛み合った~
結果なのでしょうね。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
アルフォンス王子は~
フォドラの紋章について~
どの程度ご存知かしら?▼~
:[アルフォンス]|
フォドラを形作ったと言われる~
始祖の女神から受け継いだ力だと…▼~
:[エーデルガルト]|
一般的には「フォドラ十傑」と~
呼ばれた英雄が女神やその眷属から~
授かった力と言われているわ。▼~
そしてその力は~
血族やそれぞれの家系に受け継がれ…▼~
紋章の有無で~
家柄や地位が決まることがあるのよ。▼~
……▼~
:[アルフォンス]|
なるほど…~
紋章には力の象徴としてだけでなく~
別の意味合いもあるのですね。▼~
そういえば、フォドラの紋章とは~
違いますが…▼~
ヴァイス・ブレイヴにも~
血族や家系で受け継がれた印を持つ~
英雄が何人か存在しますね。▼~
:[エーデルガルト]|
受け継がれた印を持つ者…?▼~
アルフォンス王子、よければ~
名前を教えていただけるかしら。▼~
:[アルフォンス]|
ええ、いいですよ。▼~
:[エーデルガルト]|
…異界にも、フォドラの民と同じように~
血統で生き方を背負わされる英雄がいる。~
興味深いわね…▼~
***B [#n5553396]
:[エーデルガルト]|
リズ王女…ですね?~
私はアドラステア帝国のエーデルガルト。~
少しお話しても?▼~
:[リズ]|
あっ…!噂の5年後の~
エーデルガルトさん!▼~
いいですよ、お話しましょう!▼~
:[エーデルガルト]|
貴方の家…イーリス聖王国王家には~
代々受け継がれる、聖痕なるものが~
あると聞いたのだけれど…▼~
:[リズ]|
うん! ありますよ。▼~
イーリスの王族は1000年前に~
邪竜を封印した聖王の子孫で~
身体にその証の聖痕が現れるの。でも…▼~
:[エーデルガルト]|
聖王の子孫であるにもかかわらず~
リズ王女…貴方には聖痕がない。▼~
:[リズ]|
えへへ。おかしいよね。~
お姉ちゃんやお兄ちゃんには~
ちゃんと聖痕があるのに…▼~
:[エーデルガルト]|
気を悪くしたならごめんなさい。~
謝るわ。▼~
:[リズ]|
そんな、謝らなくていいですよ。~
エーデルガルトさん。▼~
悩んだことはあったけど…~
考えてもしょうがないことだしね。▼~
:[エーデルガルト]|
聖痕がないことが~
貴方の悩みだったのね。▼~
:[リズ]|
悩みというか…▼~
「聖痕があるからすごい!」とか~
「聖痕があるからつよい!」とか~
そういうことを考えたことはないけれど…▼~
お姉ちゃんとお兄ちゃんとわたしが~
本当の家族じゃなかったらどうしようって~
そんな心配をしてたんだー。▼~
:[エーデルガルト]|
なるほど…▼~
しかし、貴方の姉や兄も~
自ら望んでその身に聖痕が~
刻まれたわけではないはずでは?▼~
:[リズ]|
うん。でも、王家に生まれたのは~
神様の思し召しのようなものだし!▼~
:[エーデルガルト]|
王族に生まれたというだけで~
責務と宿命を背負わされ…~
危険な戦いに身を投じることになった。▼~
リズ王女…貴方はそのことで~
苦しんだことはないの?▼~
***A [#wde758d5]
:[エーデルガルト]|
これまでイーリス聖王国は~
数々の試練に見舞われるたびに~
王家の人間が立ち向かったと聞いたわ。▼~
:[リズ]|
う、うん…~
お姉ちゃんもお兄ちゃんも…~
イーリスを救うために命を賭けて戦ったよ。▼~
:[エーデルガルト]|
王族に生まれたというだけで~
貴方たちは危険な戦いに駆り出され~
戦乱の中に身を置くことになった。▼~
リズ王女は神の思し召しと言ったけれど~
貴方は神の行いといって~
簡単に受け入れることができるの?▼~
:[リズ]|
うーん…~
難しいことはわからないけれど…▼~
たしかに聖痕があることで~
お姉ちゃんもお兄ちゃんも~
危ない目にたくさんあったよ。▼~
でも、受け継がれた力を使って~
多くの人たちを救うことができた。▼~
だから、わたしはやっぱり~
神様に感謝したい…かな?▼~
エーデルガルトさんも~
代々受け継がれた力、えーっと~
紋章の力を持っているんだよね?▼~
:[エーデルガルト]|
…ええ、そうよ。▼~
:[リズ]|
じゃあ、エーデルガルトさんも~
紋章の力で、たくさんの人を~
救ったんじゃないのかな?▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
生まれながらに持っていたのは~
とても小さな力…▼~
そして私は口にするのも~
はばかられるような方法で…~
もうひとつの紋章をこの身体に宿した。▼~
神より賜った紋章の有無と~
力の優劣で人間の値打ちが決まる。▼~
そんな価値観がはびこる世界で~
生まれたのが…この私なのよ。▼~
:[リズ]|
もしかしてエーデルガルトさん~
自分の力が…紋章のことが~
嫌い…なのかな?▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
お話できてよかったです。~
リズ王女、それでは…▼~
:[リズ]|
あ、あのっ、エーデルガルトさん!~
さっきも言ったけど…▼~
わたし、神様を恨んでないよ!~
王族が宿命を背負うことも~
自分に聖痕がないことも…▼~
神様がくれた力があったから~
たくさんの命を救えたと思うから…▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
***S [#g04d929d]
:[リズ]|
あっ、エーデルガルトさん!~
こんにちはー!▼~
:[エーデルガルト]|
リズ王女、ごきげんよう。~
今日も元気ね。▼~
:[リズ]|
うんっ! 元気なのが~
わたしの取り柄だからね!▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
あれから聖痕を持つ英雄…~
アルムやセリカ王女にも~
話を聞いてみたの。▼~
:[リズ]|
そっか、バレンシア大陸の~
アルムさんたちも~
聖痕を持ってるんだよね。▼~
:[エーデルガルト]|
私は同じ質問…~
望まぬ運命と力を背負わす神を~
恨まなかったかと聞いてみたの。▼~
彼らの答えは…~
リズ王女と同じだったわ。▼~
その力があったからこそ~
多くの人を救うことができたと。~
彼らははっきりと、そう言ったわ。▼~
:[リズ]|
そうだったんですね…~
わたしの考えと同じだ!▼~
:[エーデルガルト]|
私は人が自らの足で立ち~
支え合う世界が、神の裁量で~
左右されてはいけないと思うの。▼~
生まれながらに~
望まぬ力と役割を与えられ~
力の有無で人の価値を決める…▼~
そういった価値観を~
私は廃絶していきたい。▼~
:[リズ]|
……▼~
:[エーデルガルト]|
その考えは~
アスク王国でも変わらないわ。~
だけど…▼~
アルムもセリカ王女も~
そして、イーリスの王家の人々も…▼~
血筋におごることなく~
受け継がれた力を~
民のために使おうと考えていた。▼~
力を与えられた人間次第で~
未来に繋がる選択肢は~
いくつも生まれるのかもしれない…▼~
:[リズ]|
うん、エーデルガルトさんの~
言うとおりだよ。▼~
力そのものが悪いんじゃなくて~
どう使うかが大事なんじゃないかな。▼~
世界は人間だけの者じゃなくて~
そこで暮らすいろいろな命のものだから。▼~
みんなが幸せになれるように~
受け継がれた力を~
大事に使っていけるといいよね!▼~
:[エーデルガルト]|
みんなが幸せになれるように…ね。▼~
ありがとう、リズ王女。~
貴方の考えを聞けてうれしかったわ。▼~
私ももう少し…学んでみようと思う。~
人間の可能性をね。▼~
:[リズ]|
ちなみに、ヴァイス・ブレイヴには~
ときどき本物の神様がやってきて~
力を貸してくれることがあるの。▼~
神様になにか聞きたいことがあったら~
直接聞いてみるといいよ!▼~
そういえば、フォドラの神様も~
来てくれたような気がするけど…▼~
:[エーデルガルト]|
え? そ、そうなの…?▼~
師…~
この世界は私の想像以上に~
学ぶべきことが多そうだわ…▼~
**ファーガス王 ディミトリ [#kba15e04]
***C [#hd9bdf93]
:[ディミトリ]|
……!▼~
また…この頭痛…~
ファーガスの王位についてから~
しばらく治まっていたと思ったが…▼~
アスク王国に来て~
再発するとは…▼~
:[???]|
「とどのつまり、同じ人殺しだ。~
化け物同士仲良くしようじゃないか、~
なあ?」▼~
「…あの女は、必ず殺してやる。必ずだ」▼~
「殺し尽くしてやる…!」▼~
:[ディミトリ]|
くっ…! ううっ!▼~
これは…過去の俺か…▼~
ぬぐえぬ…記憶…~
全身に染み付いた…血の匂い…▼~
俺が生き続ける限り~
いつまでも消えることは無いか…▼~
……~
しかし、俺は…~
ここで折れるわけにはいかない。▼~
約束したのだ。仲間に、民に…~
そして先生に。▼~
ファーガスの王として~
前に…進むと…▼~
:[???]|
苦悶し続ける王に~
民はついてくると思うか…?▼~
:[ディミトリ]|
……!?~
これは幻聴ではない…~
何者だ!?▼~
:[???]|
俺が何者であろうと~
どうでもいいことだ…▼~
:[リーヴ]|
だが、問われたのならば答えよう。~
俺の名は…リーヴ。▼~
***B [#vce5b090]
:[リーヴ]|
……▼~
:[ディミトリ]|
貴様…~
現世のものではないな?▼~
:[リーヴ]|
そのとおりだ。~
俺にもはや~
人としての命はない。▼~
心も…~
そして未来もない…▼~
:[ディミトリ]|
俺になんの用だ。~
:[リーヴ]|
お前の内にある闇は…~
まだ完全には消えてはいない。▼~
:[ディミトリ]|
……!▼~
:[リーヴ]|
お前が立つ場所はそこではない。~
むしろお前は…~
俺と同じ側の人間だ。▼~
:[ディミトリ]|
俺が…お前と同じだと?~
いったいなにを言っている。▼~
:[リーヴ]|
…………▼~
:[???]|
「今は、ただ憎い…すぐにでも~
あの女を引き裂いてやりたいよ」▼~
:[ディミトリ]|
くっ…! うっ、うううっ…!▼~
:[???]|
「く、くく。あっははははッ!~
ああ、傑作だなあ、先生!」▼~
「俺はもう、お前の知る俺じゃない。~
醜悪で血なまぐさい化け物だよ、先生」▼~
:[ディミトリ]|
なぜ…あのときの光景が…~
頭の中に…▼~
***A [#v0fe6bdc]
:[リーヴ]|
かつて俺は…~
ある国の王子だった。▼~
だが、国を襲った厄災に~
すべてを奪われた。いや…~
俺の過ちがすべてを奪った…▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[リーヴ]|
家族も、友も。~
民の命も、国そのものも。~
すべて、失った。▼~
狂うには…十分だ。~
お前にはわかるはずだ。~
この痛みが…▼~
:[ディミトリ]|
他人の痛みを~
すべて理解しようなどと~
それこそ傲慢な思い上がりだ。▼~
だが、その苦しみがどれほどのものか~
俺にも察することは…できる。▼~
:[リーヴ]|
俺とお前が見た闇は同じ…~
お前はこちら側の人間だ。▼~
…俺もお前も、変わらない…▼~
:[ディミトリ]|
くっ…ううっ…!▼~
:[???]|
「ふふ…ふっ、あははははは!~
少しは後ろに注意されたらどうです、~
殿下?」▼~
「ねえ、痛いですか。痛いでしょうね?~
でも、兄さんは…もっと…」▼~
「…許さない。~
絶対に…許さないッ!」▼~
「このおぞましい化け物が…!~
死ねッ! 死んでしまええええッ」▼~
:[ディミトリ]|
ぐっ、うううっ…あ、あああっ!▼~
:[リーヴ]|
…………▼~
:[ディミトリ]|
たしかに俺は、憎悪に染まり~
怒りに駆られて狂奔し~
多くの命を奪った。▼~
幾多の命乞いの声も、未来を望む声も~
そして…愛する者の名を呼ぶ声も~
俺は…この手で掻き消してきた。▼~
:[リーヴ]|
…………▼~
:[ディミトリ]|
どれだけ後悔しようが~
自分を責めようが、この罪は~
一生消えることはないだろう。▼~
だが俺は…その罪から~
目を背けるつもりはない。▼~
俺が背負った罪は、一生をかけて~
償い続けていかなくては~
ならないんだ…▼~
***S [#dimitri_s]
:[リーヴ]|
償い続ける…か。~
聞こえがいい言葉だが…▼~
:[ディミトリ]|
聞こえが良かろうが悪かろうが~
それが…今の俺の生き方だ。▼~
生き残った者が、死んだ者の~
意思と無念…そして憎悪を~
背負わなくてはならない。▼~
そのうえで、俺は信念のために生きる。~
過ちを…正しい行いで償うためにな。▼~
:[リーヴ]|
そうか…▼~
ならば痛みとともにあり続けるがいい。~
その命が尽きるまで。▼~
:[ディミトリ]|
もとより覚悟のうえだ。▼~
:[リーヴ]|
かつて俺は…~
他国の一人を殺せば~
自国の一人を救えると信じた…▼~
そうして、~
死者の帳尻を合わせようとした…▼~
お前はどう帳尻を合わせる…~
獅子の心持つ王よ?▼~
:[ディミトリ]|
失われた命は二度と戻らない。~
俺が奪った多くの命は、もう二度とな。~
だが、帳尻を合わせろと言うのなら…▼~
俺が奪った命の倍……いや~
もっと多くの命を救ってみせる。~
一生をかけて…支えてみせる。▼~
:[リーヴ]|
……▼~
…ならば、そう足掻いてみるがいい…▼~
:[ディミトリ]|
消えた…か。▼~
リーヴ…彼は何者だったんだ。~
俺の過去が見せた幻覚か、~
それとも…▼~
……▼~
奪った命の倍……いや~
もっと多くの命を救う、か。▼~
どんなに困難で険しい道のりでも~
俺は進まなくてはならない。~
それが…俺の心に従うということだ。▼~
俺を信じている民が、仲間が~
一人でもいる限り…▼~
俺はもう逃げない。~
それが俺がたどり着いた答えだよ、~
先生…▼~
*コメント [#r4a3eedd]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*もうひとつの夜明け [#g60b46e8]
#contents
**もうひとつの夜明け [#scdd16be]
***オープニング [#h6956e2d]
:[エーデルガルト]|
……▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[クロード]|
うーむ…▼~
:[シャロン]|
えーと…みなさん、ずいぶん~
空気が重たいみたいですけど…▼~
:[クロード]|
ああ、空気ね。~
どうしたもんかな。▼~
:[リシテア]|
どうしたもんかな…じゃ~
ありませんよ、クロード。▼~
ここはフォドラとは違うんです。~
アスク王国でも凄惨な争いを~
繰り返すつもりですか?▼~
:[エーデルガルト]|
そうね、リシテアの言うとおり~
ここは異界の地。▼~
:[ディミトリ]|
この地にフォドラの遺恨を~
持ち込む必要はないだろう。▼~
:[クロード]|
そういやディミトリ…~
マトモに話せるようになったのか?~
なんだか妙に落ち着いているし。▼~
:[エーデルガルト]|
たしかに。私が最後に…~
貴方と戦ったときとは~
まるで別人のようだわ。▼~
:[ディミトリ]|
お前たちの世界にいた俺が~
どのような人物かは知らないが…▼~
俺の知るファーガスは~
アドラステア帝国を打倒し、~
俺は王として即位した。▼~
:[クロード]|
ファーガスが覇権を握った?~
うーん、俺のいたフォドラとは~
歴史が違うようだな…▼~
そっちの皇女様、いや…~
エーデルガルト皇帝陛下の世界では~
あんたがフォドラを支配したってんだろ?▼~
:[エーデルガルト]|
私の力だけではないわ。~
師が傍にいてくれたからこそ~
私の覇道は成ったのよ。▼~
なるほど。クロードの世界では~
レスター諸侯同盟が覇権を握り~
貴方がフォドラの王となったのね?▼~
:[リシテア]|
違いますよ。わたしたちがいた世界では~
アドラステア帝国との戦いのあと~
フォドラに統一王国が成立します。▼~
この人は故郷のパルミラに戻って~
王子様として暮らしていたみたいです。▼~
:[ディミトリ]|
クロードが隣国パルミラの王子?▼~
どういうことだ…リーガン公爵家の~
嫡男ではなかったのか?▼~
:[クロード]|
まあまあ…とりあえず今は~
細かい話はあとにして~
二人に相談がある。▼~
シャロン王女も心配していることだしさ。~
アスク王国では不戦条約を結ばないか?▼~
:[シャロン]|
そ、そうですね!~
英雄同士でケンカは良くないです!▼~
:[ディミトリ]|
俺に異存はない。~
この地に来たのはアスクの民を~
救うためと理解している。▼~
:[エーデルガルト]|
承知したわ。~
この世界でなにをなすべきか~
私もわかっているつもりよ。▼~
:[クロード]|
ありがとう。そしてもうひとつ~
二人に相談があるんだ…▼~
この世界には5年前の~
自分たちも存在しているらしい。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
:[クロード]|
エーデルガルトもディミトリも~
「あの事件」が起こる前の自分たちに~
極力、接触しないでほしいんだ…▼~
***C [#cc9a42e2]
(この会話の登場キャラは全て士官学校編の通常版)
:[ヒルダ]|
ねっねっ、~
聞いたクロードくん!?▼~
アスク王国に5年後の~
クロードくんたちが~
召喚されてきたらしいよ!▼~
:[クロード]|
ああ、そうらしいな。~
アルフォンス王子に聞いたよ。▼~
:[リシテア]|
5年後の私も、一緒に~
召喚されてきたみたいですね。▼~
:[ヒルダ]|
気になるよねー! 5年後!~
あたし、戦いとは無縁なところで~
ゴロゴロできているといいな…▼~
リシテアちゃんは5年後の自分と~
なにかお話しした?▼~
:[リシテア]|
…いえ。城でもなかなか~
会えませんし、訓練や出撃でも~
一緒になることがないので。▼~
そもそもわたしは、~
5年後のわたしに~
あまり興味がありません。▼~
5年後も生きている…~
その事実がわかれば十分です。▼~
:[ヒルダ]|
えー、あたしは気になるけどなー。~
クロードくんも気になるよね?▼~
:[クロード]|
んー、気にならないと言えば~
嘘になるかな。▼~
…まあ、~
成り行きは予想できるけどな…▼~
:[メルセデス]|
5年後の私か~。~
ちょっと想像つかないわね~。▼~
:[アネット]|
でも、メーチェは今よりもっと~
綺麗になっていると思うよ!▼~
:[メルセデス]|
ふふっ、ありがとう~。~
でも、アンだってきっと素敵な~
レディになっているはずよ。▼~
:[アネット]|
そ、そうかな?~
今より頑張れているといいんだけど。▼~
殿下も、きっと立派な王に~
なられているはずですよね!▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[アネット]|
あの…殿下?~
どうかしましたか?▼~
:[ディミトリ]|
あ、ああ…なんでもない。▼~
そうだな。ファーガスを背負って立つ~
立派な王になれていると信じよう。▼~
……~
5年後の俺、か。▼~
(暗転)~
:[ヒューベルト]|
エーデルガルト様…▼~
エクラ殿が~
5年後の貴方様を~
召喚された件ですが…▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
5年後の私がなにをしているか…~
帝国がどういう状況下に置かれていようが~
今、ここにいる私には関係ない。▼~
私はなすべきことを成す。~
その決意は微塵も揺るがないわ。▼~
:[ヒューベルト]|
承知しました。~
ならば私は、エーデルガルト様の~
歩む道に寄り添うまでです。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
***B [#r5143a6b]
:[ディミトリ]|
クロード、話がある…▼~
:[クロード]|
相談事なら遠慮は無用だぜ。▼~
あんな事があったとは言え…~
俺たちは同じ食堂の~
飯を食った仲だからな。▼~
:[ディミトリ]|
ふっ、お前は相変わらずだな。~
5年経っても…根っこの部分は~
まったく変わっていない。▼~
:[クロード]|
それはお互い様だろ。~
で、話っていうのは…▼~
:[ディミトリ]|
5年前の真実を…~
彼らに話すべきではないのか。▼~
ガルク=マクでなにが起こるのか。~
そして、先生の身になにが起こるのかを。▼~
:[クロード]|
……▼~
きょうだい…先生のことは~
俺も迷ったよ。▼~
まさか、5年前の先生まで~
この世界にいるなんてなあ…▼~
:[ディミトリ]|
みなに真実を話すことで~
防げる悲劇もあるんじゃないか?~
そして、救える命も…▼~
:[リシテア]|
クロード、わたしもそう思います。▼~
:[クロード]|
……▼~
:[リシテア]|
むしろこれは、悲劇を回避する~
好機なのではないでしょうか?▼~
過去のわたしたちに真実を伝える。~
そのために、わたしたちはアスク王国に~
呼ばれた可能性もありますよ。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
:[クロード]|
あんたもいたのか~
エーデルガルト。▼~
:[エーデルガルト]|
私たちが話そうが話すまいが…▼~
5年前の私はおそらく~
フォドラになにが起きたのか~
気づいている。▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[エーデルガルト]|
むしろ、5年後の私を見たことで~
己の内にある意思を確固たるものにし~
躊躇なく未来へと突き進むはずよ▼~
真実を話そうが話すまいが~
未来…いや、過去は変えられない。▼~
:[クロード]|
だとしても、だ。俺は真実を~
話すべきではないと考えている。▼~
なぜなら…俺は~
もうひとつの可能性に~
賭けているからさ。▼~
***A [#i04c9e3d]
:[ディミトリ]|
もうひとつの可能性に~
賭けているだと…?▼~
:[クロード]|
ああ、そうだ。▼~
俺たちはそれぞれが~
信じる道を歩んだために~
対立する運命から逃れられなかった。▼~
なにが正しくて間違っているかなんて~
問題じゃない。▼~
俺たちは…与えられた選択肢の中で~
精一杯のことをやっただけなんだ。▼~
:[リシテア]|
……▼~
:[クロード]|
5年前の俺たちに~
その後の運命を教えたところで~
結局、同じ道を歩んでしまうだろう。▼~
:[エーデルガルト]|
そのとおりね。▼~
きっと私はなにがあっても、~
なにを聞いたとしても、~
理想のために戦うことをやめないわ▼~
:[クロード]|
しかし、だ。~
俺たちと5年前の俺たちには~
明確な違いがある。わかるか?▼~
:[ディミトリ]|
アスク王国に召喚されている…~
ということか?▼~
:[クロード]|
そのとおりだよ、嵐の王。~
あいつらがアスク王国でなにかを学び~
俺たちとは違う関係を築けるとしたら…。▼~
:[リシテア]|
フォドラの未来は~
変わるかもしれない…ですか?▼~
:[クロード]|
ああ。だから、俺は~
その可能性を潰したくないのさ。▼~
ゆえに、あいつらには~
未来になにが起こるのかを~
最期まで話さずにおきたい。▼~
もちろん…先生にも、な。▼~
:[リシテア]|
そう簡単にいくとは思えませんが。▼~
でも、可能性は…~
まったく無いわけではないと思います。▼~
:[ディミトリ]|
俺たちが歩めなかった~
もうひとつの可能性…か。▼~
:[エーデルガルト]|
私の決意は~
そう簡単に揺るぎはしない。▼~
しかし、そのうえで…~
私が見出せなかった道に~
出会えるとしたら…▼~
:[クロード]|
あいつらは俺たちとは違う~
もうひとつの夜明けを~
見ることができるかもしれないな…▼~
:[シャロン]|
あっ! みなさんここにいたんですね!~
もうすぐ訓練がはじまりますよ!▼~
:[クロード]|
おっと、もうそんな時間か▼~
どうだ、黒鷲、青獅子、金鹿で~
どこが一番好成績を残せるか~
久しぶりに競ってみないか?▼~
:[ディミトリ]|
今の俺は級長ではなく~
国全体を背負う立場なのだが…▼~
いいだろう。父から受け継いだ~
この槍の冴え、存分に見るがいい。▼~
:[エーデルガルト]|
勝負というなら…容赦はしないわ。~
師にも、成長した私の姿を~
見てもらいたいから。▼~
:[クロード]|
よし、決まりだな!~
リシテア、先に行くぞ!▼~
:[リシテア]|
あっ! ちょっと…!~
級長が駆け足で行ってしまうなんて~
まだまだ子どもですね。▼~
:[シャロン]|
なーんだ。~
最初は心配してましたけど~
みなさん、仲良しなんですねっ!▼~
:[リシテア]|
仲良しに見えますか。~
それはなによりです。▼~
……▼~
…そうですね…~
同じ学び舎で過ごした時間が~
途切れることなく、未来を紡げば…▼~
…もうひとつの夜明けに~
たどり着くことができるかも~
しれませんね…▼~
**真摯なる求道者 リシテア [#xf32fdf3]
***C [#r77b52bf]
:[フィヨルム]|
うーん、リシテアさん…~
ここにもいらっしゃいませんね。▼~
しかし、この城の図書館って~
どうしてこんなに広いのでしょうか。~
外から見るとそうでもなさそうなのに。▼~
あ…ちょうどいいところに!~
マリクさん!▼~
:[マリク]|
やあ、フィヨルム王女。~
あなたも図書館で勉強ですか?▼~
:[フィヨルム]|
い、いえ、実はその…~
リシテアさんを探していまして。~
図書館にいると聞いたのですけど。▼~
:[ルーテ]|
彼女なら植物学の部屋にいましたよ。▼~
:[カナス]|
勉強熱心ですね、彼女は。~
最近、図書館で~
見かけない日はないですよ。▼~
:[フィヨルム]|
ありがとうございます~
ルーテさんにカナスさん!~
さっそく行ってみますね。▼~
(暗転)~
:[リシテア]|
ふむふむ…なるほど…~
多肉植物ひとつとっても~
フォドラとは違う進化を遂げている…▼~
こっちはアスク王国とは違う~
異界の植物図鑑ですね…~
このようなものまで収蔵しているとは…▼~
:[フィヨルム]|
ようやく見つけました!~
リシテアさん!▼~
:[リシテア]|
ん? フィヨルム王女。~
わたしになにか用でしょうか?▼~
:[フィヨルム]|
昨日の夕食と今日の朝食の時間~
食堂に来られなかったようでしたから~
なにかあったのかと…心配しまして。▼~
:[リシテア]|
え? そんなはずは…▼~
もしかして日付は変わっていますか?▼~
:[フィヨルム]|
え、ええ、リシテアさんが~
図書館に入ってから、おそらく~
丸一日は経っているかと…▼~
:[リシテア]|
つい夢中になってしまったわ…▼~
しかし、この図書館は素晴らしい。~
求めるほど新しい知識が得られる。~
まさに知の宝庫です。▼~
:[フィヨルム]|
たしかに、この図書館はすごいです…~
地下にも何階層もあるんですよね?▼~
でも、リシテアさん。無理はダメですよ。~
ちゃんと休んで、食事をして~
体調管理に気を配ってくださいね。▼~
:[リシテア]|
そうですね。~
ありがとうございます、フィヨルム王女。▼~
……▼~
***B [#c840cf17]
:[リシテア]|
んっ、んんっ…~
ここ…は…? わたしの…部屋?▼~
:[フィヨルム]|
あっ、リシテアさん。~
気がつきましたか!?▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…~
わたし…図書館にいたはずだけど…▼~
:[フィヨルム]|
訓練の時間になっても~
リシテアさんが現れないので~
様子を見に行ったんです…▼~
:[ガイア]|
要するに図書館で倒れていた~
おまえさんをフィヨルム王女が~
見つけてくれたってわけだ。▼~
そら、このカゴには~
俺が厳選に厳選を重ねた~
アスク王国の特選甘味が入っている。▼~
:[リシテア]|
こ、これは…!~
とても甘くて美味しそうな宝の山!▼~
それにしても、どうしてわたしが~
甘いものが好きだと…?▼~
ああ、なるほど。もう一人の~
「わたし」から聞いたのですね。▼~
:[フィヨルム]|
は、はい、それで~
甘いもの好きなガイアさんに相談して~
急ぎ用意していただいたのです。▼~
:[ガイア]|
まあ、糖分補給もいいが~
しっかり食事も取らないと~
身体が持たんぜ。▼~
それじゃフィヨルム王女…~
あとは任せた。▼~
:[フィヨルム]|
は、はい! ガイアさん~
ありがとうございます!▼~
:[リシテア]|
もぐもぐもぐもぐ…~
なんですかこの焼き菓子!~
外はサクサクで、中はしっとり…▼~
こちらのケーキも~
クリームの濃厚なこと。~
もぐもぐもぐ…▼~
:[フィヨルム]|
お口にあうようで良かったです!~
で、でも、一気に食べずに~
少しずつ召し上がってくださいね。▼~
あ、あの…リシテアさん。~
少し無理をされているのでは…?▼~
学問や研究に没頭することは~
とても素晴らしいと思いますが~
あまり根を詰めすぎるのも…▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…▼~
心配してくれてありがとうございます。~
しかし、わたしには…~
無理をする必要があるのです。▼~
:[フィヨルム]|
無理をする…必要?▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女には~
お話しておきましょう。▼~
わたしたちフォドラの民には~
始祖である女神ソティスを~
源流とする力の象徴…▼~
紋章と呼ばれる印を~
身体に宿している者がいます。▼~
:[フィヨルム]|
聞いたことがあります。~
エーデルガルトさんやディミトリさん~
クロードさんも紋章をお持ちですよね?▼~
いろいろと不思議な力を起こせる~
奇跡の象徴とか…▼~
:[リシテア]|
紋章は一人にひとつが原則。~
しかし稀に、ふたつの紋章を宿した~
人間が存在しています。▼~
その一人が…わたしです。▼~
そして、ふたつの紋章を得た代償として~
わたしは長くは生きられない。~
そう…言われているのです。▼~
:[フィヨルム]|
……!?▼~
***A [#ab55e4c5]
:[リシテア]|
わたしには、時間がないのです。▼~
普通の人と同じように~
悠長に学んでいる余裕はない…▼~
一刻も早く結果を出して~
わたしを育ててくれた両親を~
喜ばせてあげたいのです。▼~
:[フィヨルム]|
そんな理由があったのですね。▼~
でも、その気持ちは…わかります。~
私も似たようなものですから…▼~
:[リシテア]|
似たようなもの…~
フィヨルム王女が…?▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
私はかつて祖国を救うために~
ある儀式を行いました。▼~
そも供物として~
命を捧げたのです。▼~
:[リシテア]|
……!?▼~
:[フィヨルム]|
命が尽きるのは明日か…~
そう遠くない未来かも…しれません。▼~
私が今、こうして生きているのは~
奇跡のようなものなのです。▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…▼~
でも、不思議ですね…~
王女には焦っている様子が~
まったく感じられません。▼~
いつ果てるともしれない命を~
抱えて生きる恐ろしさは~
わたしもよく知っています。なのに…▼~
:[フィヨルム]|
最初は…私も恐れていたんです。▼~
国を救うために命を捨てる覚悟で~
儀式を行ったはずなのに…▼~
いざ生き残ってしまうと~
途端に命が惜しくなってしまいます。▼~
大切な人や~
ヴァイス・ブレイヴのみなさんと~
別れるのは…とても辛い。▼~
生きたい、死にたくない。~
もっと一緒にいたいと~
一人悩んでいることもありました。▼~
:[リシテア]|
……▼~
:[フィヨルム]|
ですが、さっきも言ったように…~
今の私が生きているのは~
奇跡のようなもの。▼~
だからこそ死を恐れるのではなく~
いつもどおりの自分でいようと~
思ったのです。▼~
残された時間で、~
ひとつでも多くの~
笑顔に出会えるように。▼~
:[リシテア]|
それが…フィヨルム王女の~
人を思いやる優しさに~
つながっているんですね。▼~
:[フィヨルム]|
私がいつまで生きられるかは~
わかりませんが…▼~
エクラ様や~
みなさんと一緒に支え合い、前に進む。~
それが、私が生きた証になると思うのです。▼~
だから、リシテアさんも~
研鑽に励み、結果を出すことは~
大事だと思いますが…▼~
ちゃんと食べて、ときには休んで~
ご自身の人生を豊かなものに~
してくれるといいなと…そう願います。▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女…▼~
同じ境遇だからこそ~
その言葉は深く響きました。~
この胸に刻んでおきます。▼~
***S [#mde453a0]
:[フィヨルム]|
あ、あのっ、リシテアさん…!▼~
:[リシテア]|
フィヨルム王女?~
どうしました、血相を変えて。▼~
:[フィヨルム]|
先日、無理をなさらないように~
お話ししたばかりなのに、前よりずっと~
頑張ってしまっているではないですか!▼~
ここはその、体調を気遣いながら~
抑え気味に頑張るようになった…~
そういう流れになるはずでは!?▼~
:[リシテア]|
残念ながらそうはいきませんよ。▼~
でも、ご安心を!~
ちゃんと甘いものを食べて~
最低限の睡眠はとっています。▼~
ただ、新しくやることが増えたので~
ますます時間が惜しいのです。▼~
:[フィヨルム]|
はい? 新しく…やること?▼~
:[リシテア]|
わたしが邁進する目的は~
自己研鑽だけではありません。▼~
フィヨルム王女の命も…~
みんなで必ず元に戻してみせます。▼~
:[フィヨルム]|
え? 私の命を…ですか?▼~
:[マリク]|
実は僕たちも折を見て~
その方法を探していてね。▼~
:[フィヨルム]|
マリクさん…?~
それにカナスさんに~
ルーテさんまで…▼~
:[カナス]|
リシテア女史の相談を受けて~
せっかくだから僕たちも一緒に~
研究成果を出してみようと。▼~
:[ルーテ]|
私が優秀なのは間違いありませんが~
ここにいるメンバーは掛け値なしの~
秀才揃いです。▼~
なので、フィヨルム王女じゃ大船に~
乗ったつもりでいてもらって結構。▼~
もういやというほど寿命を延ばして~
差し上げることになるでしょう。~
私たち、優秀ですから。▼~
:[フィヨルム]|
みなさん…▼~
みなさんの心遣いに~
感謝の言葉もありません…~
本当にありがとうございます。▼~
ですが、くれぐれも無理は禁物です。~
適度に休んで、美味しいものを食べて、~
ご自身の人生も大切にしてくださいね。▼~
:[リシテア]|
任せてください。~
万事うまくやってみせます。▼~
なにしろ、わたしは…~
わたしたちは天才ですから!▼~
**パルミラ国王 クロード [#s9ceced0]
***C [#t2748390]
:[クロード]|
うーん…しかし見れば見るほど~
ガルグ=マク大修道院にいた~
行商人にそっくりだな。▼~
アンナ隊長、あんた本当に~
フォドラの出身じゃないのかい?▼~
:[アンナ]|
その質問…士官学校出身の~
生徒さんたちに何十回もされたわよ。▼~
名前は同じで見た目も似てるけど~
その女性と私は別人よ。▼~
:[クロード]|
まあ、それはそれとして…~
ちょっと聞きたいことがあるんだが。▼~
:[アンナ]|
なにかしら?▼~
:[クロード]|
「手段を選ばずに…
なにがなんでも勝ちたい」▼~
ヴァイス・ブレイヴの中でも~
とりわけ勝利に貪欲な英雄がいたら~
紹介してほしいんだ。▼~
:[アンナ]|
手段を選ばずに~
勝ちにこだわる英雄ねぇ…▼~
うーん、別にいいけど…~
思い当たる奴らは~
一癖も二癖もある英雄ばかりよ?▼~
:[クロード]|
ああ、それこそが~
俺が望んでいる人材さ。▼~
まっとうな手段で~
正々堂々と戦う英雄は~
掛け値なしに素晴らしい。▼~
しかし…ここには~
いろんな異界の英雄がいるんだ。▼~
せっかくだから~
型にとらわれない戦い方を~
学んでおこうと思ってさ。▼~
:[アンナ]|
そういうことなら~
力になれないこともないけど。▼~
いい? さっきも言ったように~
一癖も二癖もある英雄ばかりよ。~
くれぐれも悶着を起こさないようにね?▼~
:[クロード]|
今の俺もアスク王国にとっては~
異物みたいな存在だからな。~
わきまえてるさ。▼~
…さあて、どんな話が聞けるやら…▼~
***B [#n5553396]
:[ナーシェン]|
戦いとはなんたるかを~
私に聞きたいと…?▼~
:[クロード]|
ああ。ベルンが誇る三竜将…~
ナーシェン殿の勝利にかける情熱は~
並々ならぬものがあると聞いてね。▼~
:[ナーシェン]|
賢く強く、そして常に正しい私に~
教えを乞いにくるとは!▼~
キミはなかなか見どころがあるよ。~
いいだろう、勝つための鉄則を~
キミに教授しようじゃないか!▼~
いいかい?~
己の武を無闇やたらにひけらかし~
正面から挑むなど、まさしく愚の骨頂。▼~
戦いとは、戦力を~
いかに減らさずに勝つか。~
その一点に尽きるのだからね。▼~
:[クロード]|
ふむふむ。なるほど…▼~
:[ナーシェン]|
そのために必要なのは~
徹底的な懐柔さ。▼~
寝返らせ、仲間に引き込んでいく…~
そうすれば敵も減るうえ~
味方も増える…!▼~
:[クロード]|
一石二鳥と言うわけだな。▼~
:[ナーシェン]|
そのとおり!▼~
あとは自分の失敗を~
すべて押し付けられる~
都合のいい部下がいれば完璧だな。▼~
そうすれば、失敗なしの~
人生を送れること間違いなしだ。▼~
まあ、私に限ってそうそう~
失敗などするはずがないがね!~
天才とは常に備えるものなのだよ。▼~
:[クロード]|
敵を寝返らせ…~
失敗を押し付けられる部下の確保、か。~
なかなかに鋭い策だ。▼~
ありがとう。~
とても参考になった。▼~
:[ナーシェン]|
礼には及ばんよ。~
キミも早く私のレベルまで到達したまえ。~
はははは…!▼~
***A [#w1454953]
:[マクベス]|
勝つための方法を~
教えてほしい…と?▼~
:[クロード]|
ああ。暗夜王ガロンの軍師として~
辣腕を振るったマクベス殿に~
勝利の法則を説いてほしいのさ。▼~
:[マクベス]|
生き残った者が勝者であり~
敗れ去る者はすべからく敗者である。▼~
この法則は…どのような~
異界でも変わりはしません。▼~
:[クロード]|
そうだな。~
墓からいくら恨み言を叫んでも~
生者には届かないからな。▼~
:[マクベス]|
生き続けるというのは勝ち続けること。~
そのためには…~
手段など選んでいられません。▼~
いいでしょう。勝ち残るための条件を~
あなたに教授して差し上げましょう…▼~
敵を欺き、同士討ちを誘う…~
それが理想的な戦い方です。▼~
成功すれば~
自らの手を汚すことなく~
勝利にありつけますからねぇ…▼~
:[クロード]|
そのためには念入りな準備が~
必要…というわけだな。▼~
:[マクベス]|
そのとおり。ニセの情報を流し~
敵の心に味方への~
疑心暗鬼を植え付ける。▼~
あとはほんの少し…~
幻術の心得さえあれば~
同士討ちを誘うなど造作もないこと。▼~
:[クロード]|
なるほど…~
味方への不信感を芽生えさせ~
それを後押しする…と。▼~
:[マクベス]|
それと、民の犠牲を気にしていては~
大きな勝利は得られませんよ。▼~
勝つためにはどんな手も使う。~
これが私の信条です。▼~
もっとも…ヴァイス・ブレイヴでは~
そうした作戦は禁じ手なので~
活躍の機会が限られるのは残念ですが…▼~
:[クロード]|
いやぁ、実にためになった…!▼~
さすがマクベス殿。~
なにがなんでも勝とうという姿勢…~
頭が下がる思いだ!▼~
:[マクベス]|
フフフ…理解いただけたようで~
うれしいですよ。▼~
人道を重んじても~
負ければ終わりです。~
敗者になりたくないものですねぇ…▼~
***S [#d9406163]
:[ギャンレル]|
簡単なことじゃねぇか。~
勝ちてぇなら、相手に~
一切の手出しをさせねぇことだ。▼~
反撃の目を潰し、一方的に叩き潰す!~
それが最上の手だぜ。ヒャハハハ!▼~
:[クロード]|
そのための一番の策が~
人質をとって戦う…か。▼~
勝利を確実にものにするには~
それはたしかに有効だな。▼~
:[ギャンレル]|
……▼~
おっと、俺の話はここまでだ。~
今度はてめぇの話を聞かせろや。▼~
:[クロード]|
ん? 俺の話なんて聞いても~
面白くもなんともないぜ?▼~
:[ギャンレル]|
ぬかせ。てめぇ…~
なにを企んでやがる?▼~
他の奴らにも~
同じような話を聞いてたろ?~
言えよ…なにが目的だ?▼~
:[クロード]|
策には上等も下等もない。~
勝たなきゃ意味がないんだからな。▼~
言うだろ?~
敵を知り己を知れば~
百戦危うからずってな。▼~
だから俺は、ひとつでも~
たくさんの策を知ることで~
その対策を考えておきたかったのさ。▼~
そういうわけで奇策が得意なお歴々に~
お話を聞いて回っていた…と。~
それだけさ。▼~
:[ギャンレル]|
……▼~
:[クロード]|
優等生の俺なんかじゃ~
まるで考えもつかないような~
卑劣な策ばかりでタメになったよ。▼~
:[ギャンレル]|
ふん。どれもてめぇが一度は考えて~
実行に移さなかっただけだろうが。▼~
大方、そうした策が~
実際にどの程度有効だったのかを~
推し量ってただけじゃねぇのか?▼~
:[クロード]|
どうだろうな?▼~
:[ギャンレル]|
しかも俺たちゃ~
ヴァイス・ブレイヴでもいわば~
鼻つまみ者みてぇな存在だ。▼~
そいつらと関係を作っておくことで~
後々なにかあったときに利用しようとか~
考えてんじゃねぇだろうな? ああん?▼~
:[クロード]|
ご想像にお任せするよ…▼~
なんにせよ、ためになった。~
この経験は戦場で活かすことにするさ。~
それじゃ、失礼する。▼~
:[ギャンレル]|
ケッ、食えねぇやつだ…▼~
…のらりくらりとかわしやがったが~
一番勝利にこだわってるのは~
てめぇじゃねぇか…▼~
…なんにせよ…敵に回すと~
面倒くせぇことになりそうだな…▼~
クロード…あいつの動きは~
ちぃとばかし気にかけとくか…▼~
**アドラステア皇帝 エーデルガルト [#h0b581a6]
***C [#x7560f09]
:[アルフォンス]|
ごきげんよう、エーデルガルト陛下。~
もうここでの暮らしは慣れましたか?▼~
:[エーデルガルト]|
ごきげんよう、アルフォンス王子。~
異界と言っても~
生活様式もフォドラとほぼ同じ…▼~
アドラステア皇帝としての~
務めに注力しないでもいいから~
肩の荷はむしろ軽いわね。▼~
:[アルフォンス]|
先日の訓練での戦いぶり~
実に見事でした。▼~
ご自身の修練と~
一部のフォドラの民が~
宿すという紋章の力…▼~
そのふたつが噛み合った~
結果なのでしょうね。▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
アルフォンス王子は~
フォドラの紋章について~
どの程度ご存知かしら?▼~
:[アルフォンス]|
フォドラを形作ったと言われる~
始祖の女神から受け継いだ力だと…▼~
:[エーデルガルト]|
一般的には「フォドラ十傑」と~
呼ばれた英雄が女神やその眷属から~
授かった力と言われているわ。▼~
そしてその力は~
血族やそれぞれの家系に受け継がれ…▼~
紋章の有無で~
家柄や地位が決まることがあるのよ。▼~
……▼~
:[アルフォンス]|
なるほど…~
紋章には力の象徴としてだけでなく~
別の意味合いもあるのですね。▼~
そういえば、フォドラの紋章とは~
違いますが…▼~
ヴァイス・ブレイヴにも~
血族や家系で受け継がれた印を持つ~
英雄が何人か存在しますね。▼~
:[エーデルガルト]|
受け継がれた印を持つ者…?▼~
アルフォンス王子、よければ~
名前を教えていただけるかしら。▼~
:[アルフォンス]|
ええ、いいですよ。▼~
:[エーデルガルト]|
…異界にも、フォドラの民と同じように~
血統で生き方を背負わされる英雄がいる。~
興味深いわね…▼~
***B [#n5553396]
:[エーデルガルト]|
リズ王女…ですね?~
私はアドラステア帝国のエーデルガルト。~
少しお話しても?▼~
:[リズ]|
あっ…!噂の5年後の~
エーデルガルトさん!▼~
いいですよ、お話しましょう!▼~
:[エーデルガルト]|
貴方の家…イーリス聖王国王家には~
代々受け継がれる、聖痕なるものが~
あると聞いたのだけれど…▼~
:[リズ]|
うん! ありますよ。▼~
イーリスの王族は1000年前に~
邪竜を封印した聖王の子孫で~
身体にその証の聖痕が現れるの。でも…▼~
:[エーデルガルト]|
聖王の子孫であるにもかかわらず~
リズ王女…貴方には聖痕がない。▼~
:[リズ]|
えへへ。おかしいよね。~
お姉ちゃんやお兄ちゃんには~
ちゃんと聖痕があるのに…▼~
:[エーデルガルト]|
気を悪くしたならごめんなさい。~
謝るわ。▼~
:[リズ]|
そんな、謝らなくていいですよ。~
エーデルガルトさん。▼~
悩んだことはあったけど…~
考えてもしょうがないことだしね。▼~
:[エーデルガルト]|
聖痕がないことが~
貴方の悩みだったのね。▼~
:[リズ]|
悩みというか…▼~
「聖痕があるからすごい!」とか~
「聖痕があるからつよい!」とか~
そういうことを考えたことはないけれど…▼~
お姉ちゃんとお兄ちゃんとわたしが~
本当の家族じゃなかったらどうしようって~
そんな心配をしてたんだー。▼~
:[エーデルガルト]|
なるほど…▼~
しかし、貴方の姉や兄も~
自ら望んでその身に聖痕が~
刻まれたわけではないはずでは?▼~
:[リズ]|
うん。でも、王家に生まれたのは~
神様の思し召しのようなものだし!▼~
:[エーデルガルト]|
王族に生まれたというだけで~
責務と宿命を背負わされ…~
危険な戦いに身を投じることになった。▼~
リズ王女…貴方はそのことで~
苦しんだことはないの?▼~
***A [#wde758d5]
:[エーデルガルト]|
これまでイーリス聖王国は~
数々の試練に見舞われるたびに~
王家の人間が立ち向かったと聞いたわ。▼~
:[リズ]|
う、うん…~
お姉ちゃんもお兄ちゃんも…~
イーリスを救うために命を賭けて戦ったよ。▼~
:[エーデルガルト]|
王族に生まれたというだけで~
貴方たちは危険な戦いに駆り出され~
戦乱の中に身を置くことになった。▼~
リズ王女は神の思し召しと言ったけれど~
貴方は神の行いといって~
簡単に受け入れることができるの?▼~
:[リズ]|
うーん…~
難しいことはわからないけれど…▼~
たしかに聖痕があることで~
お姉ちゃんもお兄ちゃんも~
危ない目にたくさんあったよ。▼~
でも、受け継がれた力を使って~
多くの人たちを救うことができた。▼~
だから、わたしはやっぱり~
神様に感謝したい…かな?▼~
エーデルガルトさんも~
代々受け継がれた力、えーっと~
紋章の力を持っているんだよね?▼~
:[エーデルガルト]|
…ええ、そうよ。▼~
:[リズ]|
じゃあ、エーデルガルトさんも~
紋章の力で、たくさんの人を~
救ったんじゃないのかな?▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
生まれながらに持っていたのは~
とても小さな力…▼~
そして私は口にするのも~
はばかられるような方法で…~
もうひとつの紋章をこの身体に宿した。▼~
神より賜った紋章の有無と~
力の優劣で人間の値打ちが決まる。▼~
そんな価値観がはびこる世界で~
生まれたのが…この私なのよ。▼~
:[リズ]|
もしかしてエーデルガルトさん~
自分の力が…紋章のことが~
嫌い…なのかな?▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
お話できてよかったです。~
リズ王女、それでは…▼~
:[リズ]|
あ、あのっ、エーデルガルトさん!~
さっきも言ったけど…▼~
わたし、神様を恨んでないよ!~
王族が宿命を背負うことも~
自分に聖痕がないことも…▼~
神様がくれた力があったから~
たくさんの命を救えたと思うから…▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
***S [#g04d929d]
:[リズ]|
あっ、エーデルガルトさん!~
こんにちはー!▼~
:[エーデルガルト]|
リズ王女、ごきげんよう。~
今日も元気ね。▼~
:[リズ]|
うんっ! 元気なのが~
わたしの取り柄だからね!▼~
:[エーデルガルト]|
……▼~
あれから聖痕を持つ英雄…~
アルムやセリカ王女にも~
話を聞いてみたの。▼~
:[リズ]|
そっか、バレンシア大陸の~
アルムさんたちも~
聖痕を持ってるんだよね。▼~
:[エーデルガルト]|
私は同じ質問…~
望まぬ運命と力を背負わす神を~
恨まなかったかと聞いてみたの。▼~
彼らの答えは…~
リズ王女と同じだったわ。▼~
その力があったからこそ~
多くの人を救うことができたと。~
彼らははっきりと、そう言ったわ。▼~
:[リズ]|
そうだったんですね…~
わたしの考えと同じだ!▼~
:[エーデルガルト]|
私は人が自らの足で立ち~
支え合う世界が、神の裁量で~
左右されてはいけないと思うの。▼~
生まれながらに~
望まぬ力と役割を与えられ~
力の有無で人の価値を決める…▼~
そういった価値観を~
私は廃絶していきたい。▼~
:[リズ]|
……▼~
:[エーデルガルト]|
その考えは~
アスク王国でも変わらないわ。~
だけど…▼~
アルムもセリカ王女も~
そして、イーリスの王家の人々も…▼~
血筋におごることなく~
受け継がれた力を~
民のために使おうと考えていた。▼~
力を与えられた人間次第で~
未来に繋がる選択肢は~
いくつも生まれるのかもしれない…▼~
:[リズ]|
うん、エーデルガルトさんの~
言うとおりだよ。▼~
力そのものが悪いんじゃなくて~
どう使うかが大事なんじゃないかな。▼~
世界は人間だけの者じゃなくて~
そこで暮らすいろいろな命のものだから。▼~
みんなが幸せになれるように~
受け継がれた力を~
大事に使っていけるといいよね!▼~
:[エーデルガルト]|
みんなが幸せになれるように…ね。▼~
ありがとう、リズ王女。~
貴方の考えを聞けてうれしかったわ。▼~
私ももう少し…学んでみようと思う。~
人間の可能性をね。▼~
:[リズ]|
ちなみに、ヴァイス・ブレイヴには~
ときどき本物の神様がやってきて~
力を貸してくれることがあるの。▼~
神様になにか聞きたいことがあったら~
直接聞いてみるといいよ!▼~
そういえば、フォドラの神様も~
来てくれたような気がするけど…▼~
:[エーデルガルト]|
え? そ、そうなの…?▼~
師…~
この世界は私の想像以上に~
学ぶべきことが多そうだわ…▼~
**ファーガス王 ディミトリ [#kba15e04]
***C [#hd9bdf93]
:[ディミトリ]|
……!▼~
また…この頭痛…~
ファーガスの王位についてから~
しばらく治まっていたと思ったが…▼~
アスク王国に来て~
再発するとは…▼~
:[???]|
「とどのつまり、同じ人殺しだ。~
化け物同士仲良くしようじゃないか、~
なあ?」▼~
「…あの女は、必ず殺してやる。必ずだ」▼~
「殺し尽くしてやる…!」▼~
:[ディミトリ]|
くっ…! ううっ!▼~
これは…過去の俺か…▼~
ぬぐえぬ…記憶…~
全身に染み付いた…血の匂い…▼~
俺が生き続ける限り~
いつまでも消えることは無いか…▼~
……~
しかし、俺は…~
ここで折れるわけにはいかない。▼~
約束したのだ。仲間に、民に…~
そして先生に。▼~
ファーガスの王として~
前に…進むと…▼~
:[???]|
苦悶し続ける王に~
民はついてくると思うか…?▼~
:[ディミトリ]|
……!?~
これは幻聴ではない…~
何者だ!?▼~
:[???]|
俺が何者であろうと~
どうでもいいことだ…▼~
:[リーヴ]|
だが、問われたのならば答えよう。~
俺の名は…リーヴ。▼~
***B [#vce5b090]
:[リーヴ]|
……▼~
:[ディミトリ]|
貴様…~
現世のものではないな?▼~
:[リーヴ]|
そのとおりだ。~
俺にもはや~
人としての命はない。▼~
心も…~
そして未来もない…▼~
:[ディミトリ]|
俺になんの用だ。~
:[リーヴ]|
お前の内にある闇は…~
まだ完全には消えてはいない。▼~
:[ディミトリ]|
……!▼~
:[リーヴ]|
お前が立つ場所はそこではない。~
むしろお前は…~
俺と同じ側の人間だ。▼~
:[ディミトリ]|
俺が…お前と同じだと?~
いったいなにを言っている。▼~
:[リーヴ]|
…………▼~
:[???]|
「今は、ただ憎い…すぐにでも~
あの女を引き裂いてやりたいよ」▼~
:[ディミトリ]|
くっ…! うっ、うううっ…!▼~
:[???]|
「く、くく。あっははははッ!~
ああ、傑作だなあ、先生!」▼~
「俺はもう、お前の知る俺じゃない。~
醜悪で血なまぐさい化け物だよ、先生」▼~
:[ディミトリ]|
なぜ…あのときの光景が…~
頭の中に…▼~
***A [#v0fe6bdc]
:[リーヴ]|
かつて俺は…~
ある国の王子だった。▼~
だが、国を襲った厄災に~
すべてを奪われた。いや…~
俺の過ちがすべてを奪った…▼~
:[ディミトリ]|
……▼~
:[リーヴ]|
家族も、友も。~
民の命も、国そのものも。~
すべて、失った。▼~
狂うには…十分だ。~
お前にはわかるはずだ。~
この痛みが…▼~
:[ディミトリ]|
他人の痛みを~
すべて理解しようなどと~
それこそ傲慢な思い上がりだ。▼~
だが、その苦しみがどれほどのものか~
俺にも察することは…できる。▼~
:[リーヴ]|
俺とお前が見た闇は同じ…~
お前はこちら側の人間だ。▼~
…俺もお前も、変わらない…▼~
:[ディミトリ]|
くっ…ううっ…!▼~
:[???]|
「ふふ…ふっ、あははははは!~
少しは後ろに注意されたらどうです、~
殿下?」▼~
「ねえ、痛いですか。痛いでしょうね?~
でも、兄さんは…もっと…」▼~
「…許さない。~
絶対に…許さないッ!」▼~
「このおぞましい化け物が…!~
死ねッ! 死んでしまええええッ」▼~
:[ディミトリ]|
ぐっ、うううっ…あ、あああっ!▼~
:[リーヴ]|
…………▼~
:[ディミトリ]|
たしかに俺は、憎悪に染まり~
怒りに駆られて狂奔し~
多くの命を奪った。▼~
幾多の命乞いの声も、未来を望む声も~
そして…愛する者の名を呼ぶ声も~
俺は…この手で掻き消してきた。▼~
:[リーヴ]|
…………▼~
:[ディミトリ]|
どれだけ後悔しようが~
自分を責めようが、この罪は~
一生消えることはないだろう。▼~
だが俺は…その罪から~
目を背けるつもりはない。▼~
俺が背負った罪は、一生をかけて~
償い続けていかなくては~
ならないんだ…▼~
***S [#dimitri_s]
:[リーヴ]|
償い続ける…か。~
聞こえがいい言葉だが…▼~
:[ディミトリ]|
聞こえが良かろうが悪かろうが~
それが…今の俺の生き方だ。▼~
生き残った者が、死んだ者の~
意思と無念…そして憎悪を~
背負わなくてはならない。▼~
そのうえで、俺は信念のために生きる。~
過ちを…正しい行いで償うためにな。▼~
:[リーヴ]|
そうか…▼~
ならば痛みとともにあり続けるがいい。~
その命が尽きるまで。▼~
:[ディミトリ]|
もとより覚悟のうえだ。▼~
:[リーヴ]|
かつて俺は…~
他国の一人を殺せば~
自国の一人を救えると信じた…▼~
そうして、~
死者の帳尻を合わせようとした…▼~
お前はどう帳尻を合わせる…~
獅子の心持つ王よ?▼~
:[ディミトリ]|
失われた命は二度と戻らない。~
俺が奪った多くの命は、もう二度とな。~
だが、帳尻を合わせろと言うのなら…▼~
俺が奪った命の倍……いや~
もっと多くの命を救ってみせる。~
一生をかけて…支えてみせる。▼~
:[リーヴ]|
……▼~
…ならば、そう足掻いてみるがいい…▼~
:[ディミトリ]|
消えた…か。▼~
リーヴ…彼は何者だったんだ。~
俺の過去が見せた幻覚か、~
それとも…▼~
……▼~
奪った命の倍……いや~
もっと多くの命を救う、か。▼~
どんなに困難で険しい道のりでも~
俺は進まなくてはならない。~
それが…俺の心に従うということだ。▼~
俺を信じている民が、仲間が~
一人でもいる限り…▼~
俺はもう逃げない。~
それが俺がたどり着いた答えだよ、~
先生…▼~
*コメント [#r4a3eedd]
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