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章別会話/その手が守る明日
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*その手が守る明日 [#ief58702]
#contents
**その手が守る明日 [#w1cb270c]
***オープニング [#w958f9eb]
:[ティータ]|
アスク王国ってすごいのね…。~
あんなにたくさんの英雄を~
見たのははじめて…▼~
:[パオラ]|
私もいくつかの戦いに~
参加したことがあるけど…▼~
あれほどの名だたる英雄たちが~
揃っているところは見たことないわ。~
なんとも壮観ね。▼~
:[リュート]|
裏を返せば、それだけの~
英雄が集まっているというのに~
危機は去っていないということだろう。▼~
この世界での戦い…~
さぞや厳しいものになるだろうな。▼~
:[ティータ]|
……▼~
:[ジーク]|
どうしたティータ。~
珍しいな。君が神妙な顔をするなんて。~
:[ティータ]|
あのね、ジーク…~
私、思ったの。▼~
これだけ英雄がいるなら~
ジークの素性を知っている人も~
いるんじゃないか、って。▼~
:[ジーク]|
……▼~
:[リュート]|
ジーク、お前…~
記憶を失っていたんだったな。▼~
:[ティータ]|
傷を負って海岸で倒れていた~
ジークを、私が見つけたの。▼~
命は助かったけど…~
怪我のせいか、記憶は戻らなかった…▼~
:[ジーク]|
このジークという名前も~
ルドルフ皇帝に付けていただいたもの。▼~
私が唯一覚えているのは…~
槍の使い方だけだった。▼~
:[パオラ]|
……▼~
:[ティータ]|
私ね、こう願ったことがあるの。~
ジークの記憶が戻らなければ~
ずっと一緒にいられるかもしれないって。▼~
でも、シスターがそんなこと~
願っちゃダメだよね。~
きっと神様は、許してくれないよ。▼~
:[ジーク]|
ティータ…▼~
:[ティータ]|
だから、ジークのことを知っている~
英雄を探してみようと思うの。▼~
リュート、パオラ。力を貸して!~
ね? ダメかな?▼~
:[リュート]|
お、俺は別にかまわんが…~
特段知り合いもいないし~
あまり力にはなれないと思うぞ。▼~
:[ティータ]|
パオラはどう?~
バレンシア大陸だけじゃなく~
隣の大陸のことも詳しいんだよね?▼~
:[パオラ]|
そ、そうね…いいわよ。~
私でよければ、力になるわ。▼~
……▼~
…私の記憶が正しければ…~
…ジークが失った過去というのは…▼~
***C [#y52df8f9]
:[パオラ]|
ミネルバ様…!▼~
:[ミネルバ]|
パオラか。~
アスク王国にはもう慣れたか?▼~
:[パオラ]|
はい、アンナ隊長や異界の姉妹たちにも~
とてもよくしてもらっています。~
あの、ミネルバ様にお伺いしたいことが…▼~
私と一緒にバレンシア大陸から~
呼ばれた騎士のこと…~
存じておられますか?▼~
:[ミネルバ]|
ジーク殿か。~
記憶をなくしておられるようだが~
彼は間違いなく…▼~
:[パオラ]|
やはり…そうですよね。▼~
ティータというシスターが~
ジークの過去を求めているようです。~
真実を…教えるべきなのでしょうか。▼~
:[ミネルバ]|
パオラたちはバレンシア大陸から~
来たのだったな。▼~
:[パオラ]|
は、はい。海賊にさらわれた~
エストを助けるため、カチュアと一緒に~
バレンシア大陸へと渡っていたのです。▼~
:[ミネルバ]|
少し未来の話になるが、~
お前たちがアカネイア大陸に戻ったあと…~
大きな戦いが起こる。▼~
:[パオラ]|
……!?~
また戦争が起こるのですか!▼~
:[ミネルバ]|
しかし、これはあくまで~
私がいた異界の話。お前のいた異界でも~
同じことが起こるとは限らない。▼~
その戦いで…私はおそらく~
未来のジーク殿と出会っている。▼~
:[パオラ]|
そのとき、ジークの記憶は~
戻っていたのでしょうか?▼~
:[ミネルバ]|
記憶が戻っていたかどうかは~
定かではないが…。▼~
彼は名前を変え、顔を仮面で隠し~
マルス王子に力を貸してくれた。▼~
:[パオラ]|
ということは…記憶は~
戻られていたのですね。▼~
このことを、ジークに~
伝えた方がいいのでしょうか?▼~
:[ミネルバ]|
いや、私はそうは思わぬ。~
彼の「過去」も「未来」も~
アスク王国には存在している。▼~
必要とあらば、彼らが動くだろう。~
我々が口を出す必要は~
ないのかもしれない。▼~
:[パオラ]|
そう…ですね。~
ミネルバ様、相談にのっていただき~
ありがとうございます。▼~
***B [#s5070195]
:[リュート]|
…というわけで~
ジークの記憶を取り戻す~
手伝いをすることになったのだ。▼~
:[デューテ]|
ふーん、記憶ねえ…。▼~
ヴァイス・ブレイヴにも~
記憶喪失の英雄が何人かいるけど~
特に困ってる様子はないよ?▼~
:[リュート]|
困る困らないは~
お前が決めることではないだろう。▼~
もしかすると、記憶を呼び戻す~
魔道も存在するかもしれん。▼~
デューテ、お前は魔道の才能があるのだ。~
その才能を活かすために~
ともに研究を進めてみようじゃないか。▼~
:[デューテ]|
他人のお手伝いをするよりも~
お兄ちゃんは、ともだちの一人でも~
作ったほうがいいんじゃない?▼~
ヴァイス・ブレイヴに来てから~
お兄ちゃん、いつも食堂の隅で~
ご飯を一人で食べてるじゃない。▼~
:[リュート]|
うっ…! それとこれとは~
別問題だろう!▼~
:[デューテ]|
あっ、ボク遊びに行く約束してたんだった。~
じゃあ頑張ってね、お兄ちゃん!▼~
:[リュート]|
あっ! こら待てっ!~
行ってしまった…。▼~
ふん。俺だってやればできる。~
記憶を呼び戻す魔道のひとつやふたつ。▼~
……。▼~
だめだ、まったく思い浮かばん。▼~
そうそう都合のいい方法は~
転がってはいないか…。▼~
……。▼~
ティータに頼まれて承諾はしたものの~
そもそも、ジーク本人は~
記憶を取り戻したがっているのか?▼~
人と話すのは得意ではないが…~
このままでは寝覚めが悪い。~
本人に直接聞いてみるか…。▼~
***A [#d7820b29]
:[ジーク]|
本当に過去を取り戻したいのか。~
過去を取り戻す意味があるのか…。~
私自身、測りかねているところがあるのだ。▼~
:[リュート]|
……。▼~
:[ジーク]|
記憶を取り戻したいという気持ちはあるが~
過去を知ることへの恐れもある。▼~
すまないな。ティータに頼まれて~
私の過去を探してくれているというのに。▼~
:[リュート]|
いや、それについてはその…。▼~
頼まれたから、ではなく~
俺自身も気になっていたので~
手を貸しているだけだ。▼~
あとひとつだけ、聞きたいのだが…~
もし記憶が戻ったら~
お前はどうするつもりだ?▼~
:[ジーク]|
記憶を取り戻そうが取り戻せまいが~
おそらく、私のやることは変わらない。▼~
この命をかけて…~
大切な存在を守るだけだ。▼~
:[リュート]|
そうか…。▼~
やるべきことが明確に見えているなら~
別に過去にこだわらなくても~
いいような気もするな。▼~
その手が守る明日へと~
まっすぐ歩いていけばいいじゃないか。~
振り返る必要もなかろう。▼~
:[ジーク]|
……。▼~
ああ、私もそう思う。▼~
背中を押してくれて感謝する、リュート。~
君は、善良な魂の持ち主なのだな。▼~
もしよければ、今後は友人として~
接してもらえないだろうか。▼~
:[リュート]|
ゆ、友人…!? そ、そうか、友人か。~
べ、別に構わないぞ。友人は…~
何人いても困らないからな。▼~
:(暗転)|
:[ティータ]|
パオラ…!~
よかった、探してたの。▼~
:[パオラ]|
ティータ…。~
ジークの記憶のことなんだけど…。▼~
:[ティータ]|
それはね、もういいの…~
ジークが話してくれたの。▼~
今は過去にこだわらず~
アスク王国のため、今の彼が守りたい~
大切な明日のために戦うんだって。▼~
:[パオラ]|
明日のために…。▼~
それが今のジークの本心なのね。▼~
:[ティータ]|
私も…ジークについていきたい。▼~
たとえ過去になにがあったとしても~
なにを思い出したとしても…~
ジークへの想いは変わらないから!▼~
:[パオラ]|
ティータ、あなたは強い人ね。~
自分の心を偽ることなく~
未来へと進んでいける。▼~
その想いは、きっとあなたと~
ジークの未来を~
照らしてくれると思うわ。▼~
:[ティータ]|
ありがとう、パオラ。~
私、負けないから…~
どんな過去にも、どんな未来にも。▼~
ジークと一緒なら…~
乗り越えられるって信じてる!▼~
**優しき長女 パオラ [#h406f6df]
***C [#ba009c19]
:[パオラ]|
さきほど見かけた~
うさぎの耳をつけたカチュア…。▼~
あの子も、異界から来た~
カチュアだったの?▼~
:[フィヨルム]|
春のお祭りに参加されていた~
カチュアさんですね。~
たぶん、違う世界の妹さんかと。▼~
春のお祭りのときは~
うさぎの耳をつけたパオラさんも~
お見かけしましたよ。▼~
:[パオラ]|
まあ…! 私がそんな~
祭りに参加した記憶はないから~
間違いなく異界の私ね…▼~
:[フィヨルム]|
みなさん、はじめはビックリされますね。~
私も違う自分と出会って~
何度か気を失いそうになりました。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
あっ! 異界のパオラ姉さまだ!▼~
:[パオラ]|
あら? この子たちは…。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はじめてお目にかかります…~
で、いいのでしょうか?~
未来の私…ですよね?▼~
:[パオラ]|
そう…! そうです!~
この子は、マケドニア白騎士団を~
目指していたころの私…。▼~
カチュアもエストもまだ小さくて。~
まあ、まあっ! こんな可愛らしい~
英雄も召喚されているのね。▼~
:[フィヨルム]|
ええ。お城には、子どもの頃の~
マルス王子やシーダ王女、マリクさんも~
ミネルバ王女もいらっしゃいますよ。▼~
彼らも立派な英雄です。~
もちろん、ここにいる小さな~
パオラさんたちも!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
よろしくおねがいします。~
未来のパオラ姉様。▼~
:[パオラ]|
こちらこそよろしくね。~
私でよければ力になるから~
遠慮なく声をかけてね。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい、ありがとうございます。~
頼らせていただきますね。~
ご指導いただけるとうれしいです!▼~
***B [#s2d97c25]
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
おおきいパオラねえさま!~
槍のにぎりかたはこれでいいの?▼~
:[パオラ]|
ええ、握り方はいい感じね。~
あとはもう少し脇を締めて…~
はい、こんな感じかしら。▼~
:[パオラ(幼少)]|
すみません、妹たちまで~
お世話になってしまって…。▼~
:[パオラ]|
いいのよ、気にしないで。~
異界のあなたたちも~
大切な妹だもの。▼~
:[フィヨルム]|
みんな、すっかり懐いちゃいましたね。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい。妹たちだけでなく~
私にまでよくしていただき…~
姉がいたら、このような感じでしょうか。▼~
:[パオラ]|
本当にお姉さんだと思って~
頼ってくれていいのよ?▼~
:[パオラ(幼少)]|
そ、それはさすがに…~
年齢は違えども、同じ私ですし。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
パオラねえさまも~
おおきいパオラねえさまに~
あまえちゃえー!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
こら、よしなさいエスト。~
未来のパオラ姉さまを~
困らせてはダメよ。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
フィヨルムおうじょ、どうしたの?~
なんだかさびしそう…▼~
:[フィヨルム]|
いえ、なんでもありません。▼~
私もその…兄様と姉様と妹がいるので~
なんだか昔を思い出してしまって…▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
ねえさまと、いもうと…~
わたしたちとおなじ~
さんしまいだね…!▼~
:[フィヨルム]|
兄様はニフル王国にいるのですが…~
姉様は少し、遠いところにいて…▼~
:[パオラ]|
……▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
だから、フィヨルムおうじょ、~
すこしさびしそうだったんだ…▼~
:[フィヨルム]|
大丈夫ですよ。ここには~
たくさんの英雄のみなさんがいますし~
毎日にぎやかで寂しくありません。▼~
心配してくれてありがとう。~
エストさんは優しいですね。▼~
:[パオラ]|
ええ。カチュアもエストも…~
とても優しく育ってくれたわ。~
ね? そうでしょう?▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい。二人とも自慢の妹です。▼~
***A [#vab97ac2]
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
やだー! わたしも~
パオラねえさまと同じお花がいいー!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
エスト、わがまま言って~
パオラ姉さまを困らせてはダメよ。▼~
:[パオラ]|
あら…どうしたのかしら?~
なにかあったの?▼~
:[パオラ(幼少)]|
実は、シャロン王女から~
それぞれ違うお花を~
いただいたのですが…。▼~
エストも、私と同じお花を~
気に入ってしまったみたいで。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
わたしがもらってお花もきれいだけど~
パオラねえさまがもらった~
お花のほうがすきなのー!▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい、じゃあエストには~
これをあげるわ。大切にしてね。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
やったー!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
パオラ姉さまは甘すぎます。~
エストにはもっと~
我慢させることを教えないと…!▼~
:[パオラ]|
あら…懐かしいわ。▼~
そうそう、カチュアは~
この頃からとっても真面目で~
いつも私を助けてくれていたわね。▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
ま、真面目というか…私は~
当たり前のことを言っているだけです。~
未来のパオラ姉さま。▼~
:[パオラ(幼少)]|
でも最近、妹と好きなものが~
同じになってしまうことが多いんです。▼~
こういう時、未来の私は~
どうしていたのでしょう?▼~
:[パオラ]|
そうね、私は…▼~
***S [#be0f4d70]
:[パオラ]|
あなたもきっと~
同じだと思うけど…▼~
私の一番の幸せは~
妹たちの笑顔を見ること。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい、マケドニアのために~
白騎士団に入ることが~
私の夢ではありますが…。▼~
妹たちが笑顔であり続けることは~
私の譲れない夢です。▼~
そのためなら~
どんな苦労もいといません。▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
パオラ姉さま…。▼~
:[パオラ]|
妹たちのために、できることは~
なんでもしてあげたい。▼~
ときにその決意は…~
寂しさを伴うことがあるかもしれない。▼~
:[パオラ(幼少)]|
……。▼~
:[パオラ]|
でも、自分が信じる道を選べば~
妹たちの笑顔はいつまでも輝くはずよ。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい…!~
その言葉、胸に刻んでおきます。▼~
:[パオラ]|
あとは…~
なにがあっても、姉妹で手を取り合って~
進むことを忘れないで。▼~
そうすれば、必ず道は開けるから。▼~
誰かがピンチになったら~
姉妹で助け合う。今も私たちは~
そうやって支え合っているの。▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
もしかして、未来でもエストが~
パオラ姉さまに迷惑をかけているのでは…。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
えー! エストいい子にするもん!~
カチュアねえさまのいじわる!▼~
:[パオラ(幼少)]|
こら、ケンカしちゃダメでしょ。~
未来の私も言ってるじゃない。~
姉妹で助け合わないとって。▼~
:[パオラ]|
姉妹の絆こそが~
あなたたちの大きな武器になる。~
そのことを覚えておいてね。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい…! 未来の私から~
受け取ったその言葉…~
必ず依頼に活かしてみせます。▼~
**我が道を往く リュート [#n232c3be]
***C [#r30a097a]
:[リュート]|
ここが、アスク王国の大図書館…!▼~
なんという広さ、なんという数の書物!~
これだけの本を読み尽くすのに~
何年…いや、何十年かかることか…!▼~
:[ソフィーヤ]|
……。▼~
:[サイアス]|
……。▼~
:[リュート]|
ここに集う魔道士たちも~
さぞ名のある連中なのだろう。~
誰も彼もただならぬ雰囲気だな…▼~
:[ラインハルト]|
失礼。▼~
:[リュート]|
…!? 誰だあんたは…▼~
:[ラインハルト]|
ご挨拶が遅れた非礼、~
どうかお許しいただきたい。▼~
私はフリージ公爵家に仕える~
ラインハルトと申します。▼~
:[リュート]|
お、俺はリュート。~
魔道を究めんとするものだ。~
ええと…よろしく頼む。▼~
:[ラインハルト]|
やはりデューテの兄上でしたか。~
話は聞き及んでおります。▼~
私にも魔道を志す妹がおります。~
どうか、よろしく願いたい。▼~
:[リュート]|
デューテから…そ、そうか。▼~
ここはすごい図書館だな。~
魔道士にとっては宝の山だ。▼~
:[ラインハルト]|
アスク王国に呼ばれた魔道士はみな~
この図書館に感動し~
感銘を受けるのではないでしょうか。▼~
:[リュート]|
デューテもここには~
よく来るのだろうか?▼~
:[ラインハルト]|
…デューテは素晴らしい~
魔道の素質の持ち主ですね。▼~
彼女は座学に励まずとも~
戦場で戦うたびに強くなっている。▼~
:[リュート]|
ということは…~
あいつは、あまり図書館には~
姿を見せないということか。▼~
:[ラインハルト]|
魔道士にはそれぞれ自分に合った~
成長の仕方があります。▼~
彼女にとってみれば~
図書館よりも、外の世界や戦場に~
学びの機会があるのでしょう。▼~
:[リュート]|
……。▼~
***B [#ec8849e2]
:[ルーテ]|
いえ、そこは真水を加えるべきです。~
こちらの緑の書を見てください。▼~
:[リシテア]|
なるほど。試す価値はありますね。~
では、もう一度最初から~
術式を組み直してみましょう。▼~
:[リュート]|
……。~
今日は活発に議論している~
魔道士連中がいるな…▼~
:[ノール]|
……▼~
:[クリフ]|
……▼~
:[リュート]|
と思えば、一人で黙々と~
書を読み続ける魔道士もいる。▼~
この図書館、誰と馴れ合うこともなく~
一人で通ってもよさそうだな…。▼~
:[カナス]|
おや…? あなたは~
デューテちゃんのお兄さんですね。▼~
:[リュート]|
うわっ! ま、また出た…!?▼~
:[カナス]|
僕はカナスと言います。~
専門分野は闇魔法ですが~
魔道全般を研究する元学者です。▼~
:[リュート]|
闇魔法の使い手か…~
悪いが、あまりいい印象がないな。▼~
:[カナス]|
はは。無理もありませんね。~
闇魔法は闇と向かい合い~
研鑽を深めていくもの。▼~
本人に闇の影響が及ぶことも~
多々ありますから…その使い手も~
個性的な英雄が多いです。▼~
:[リュート]|
個性的、か…。~
うまいこと言い換えたな。▼~
:[カナス]|
デューテちゃんは元気な子ですが~
お兄さんは、落ちついていますね。▼~
:[リュート]|
似ていないとはよく言われる。~
まあ、似ていないのは~
外見や振る舞いだけではないがな。▼~
:[カナス]|
……?~
と、言うと…?▼~
:[リュート]|
デューテは俺とは~
比べものにならないほどに~
魔道の才能…素質があるのだ。▼~
アスク王国にはこのような~
素晴らしい図書館があるというのに~
あいつはまったく顔を見せない…。▼~
俺から見れば羨むような~
才能を伸ばそうとしないとは…~
兄としても実に嘆かわしい限りだ。▼~
:[カナス]|
……▼~
***A [#v630204f]
:[カナス]|
ずいぶん勤勉ですね、リュートさん。~
図書館に来るたびに~
お見かけする気がします。▼~
:[リュート]|
…ここくらいしか~
居場所がないからな。▼~
:[カナス]|
ふむ…。~
デューテちゃんのほうが~
魔道の素質があると~
おっしゃりましたが…▼~
先日の戦いぶりから~
リュートさんにも十分に~
その素質があるように見えました。▼~
:[リュート]|
……。~
俺とデューテは~
高名な女魔道士の末裔だ。▼~
そして、その血が濃く現れるのは~
代々女性の子孫だと~
言われてきた…▼~
魔道の素質は血に依存する。▼~
生まれ持った素質がなければ~
いくら修業を積んだところで~
精霊の声は聞こえない。▼~
そして…血の優位性は~
死ぬまで覆ることはないのだ。▼~
:[カナス]|
なるほど…。~
血は大いに関係が~
あるかもしれませんね。▼~
ここにいる魔道士たちの多くも~
祖先から受け継いだ才を活かし~
活躍しているようですし。▼~
:[リュート]|
だろうな。それが普通だ…。~
なんら不思議なことではない。▼~
:[カナス]|
…かくいう僕にも~
魔道の研究家として高名な母と~
三人の兄がいました。▼~
その母の知識と魔導書は~
本来、兄たちの誰かが~
受け継ぐ予定だったんですよ。▼~
しかし、受け継いだのは~
魔道の素質に劣る僕でした。▼~
:[リュート]|
理由が気になるな…。~
よければ、いきさつを~
聞かせてくれないか?▼~
***S [#h1b33cac]
:[カナス]|
三人の兄たちは~
古代魔法を研究していました。~
いわゆる…闇魔法です。▼~
しかし、素質があるゆえに~
どんどん研究にのめりこんでしまい…▼~
最終的に、古代魔法の闇に~
取り込まれてしまいました。▼~
今では歩くことも~
言葉を発することもできず~
ただ…生きているだけの状態です。▼~
:[リュート]|
……▼~
:[カナス]|
古代魔法を使いこなすには~
知識や魔道の素質だけではなく~
闇に囚われない心が必要だったのです。▼~
もっとも、僕が~
今こうしていられるのは、~
特別な才があったからではなく…▼~
僕を支えてくれる妻の~
存在があったからなのでしょう。▼~
:[リュート]|
意外だ。結婚していたのか…。~
魔道にすべてをささげるような~
人間かと思っていたのに…。▼~
:[カナス]|
ん? なにか言いました?▼~
:[リュート]|
い、いや、別になにも…。▼~
:[カナス]|
しかし、僕も闇に囚われないという~
保証はありません。もしかすると~
今日か、明日かもしれない…。▼~
それでも…知識を求めようとする~
欲求は抑えられないんですよね。~
学者とは、ほとほと困ったものです。▼~
:[リュート]|
闇に囚われない心の強さ…か。▼~
:[カナス]|
僕が思うに、心の強さは~
先祖から受け継いだ血とは~
まったく関係のないものです。▼~
デューテちゃんにそのことを~
教えてあげられるのは、リュートさんの~
役目なのかもしれませんね。▼~
:[リュート]|
……。~
かつてデューテは~
闇の力に操られたことがあった。▼~
なんとか事なきを得たが~
魔道の素質を伸ばすように~
うるさくするよりも…。▼~
兄として、かけるべき言葉が~
あったのかもしれないな。▼~
:[カナス]|
今からでも遅くはないと思いますよ。~
アスク王国で再会したのも~
なにかの縁なのでしょうから。▼~
:[リュート]|
カナス、お前はいい奴だな。~
気にかけてくれて…その、感謝する。▼~
そ、その、なんだ…~
俺はアスク王国に来て日が浅いし…。▼~
そもそも村の猫とアルムくらいしか~
友だちと呼べる存在がいない。▼~
だから俺と…~
その…友だちに…。▼~
:[カナス]|
え?~
僕はもうリュートさんと~
友だちだと思っていましたよ。▼~
:[リュート]|
そ、そうか…~
うん。それならいいんだ。~
俺もそんな気がしていたからな。▼~
……。▼~
最初は、こんな異界に召喚されて~
どうなることかと思ったが…~
意外となんとかなるかもしれんな…▼~
いい機会だし…デューテとも~
もう一度話し合ってみるか。~
兄として、な……▼~
**献身の聖女 ティータ [#bcffb847]
***C [#a304d806]
:[ピアニー]|
はーい、ここよ!~
いろんな異界から来た~
癒し手が集まっている教会!▼~
:[ティータ]|
うわぁ、大きな教会。~
私の村の教会とは大違い…!▼~
:[ピアニー]|
癒し手たちはここで~
戦争で焼け出された人のお世話や~
孤児の面倒を見たりしてるんだって。▼~
じゃ、入りましょ。~
私についてきてね。▼~
:(暗転)|
:[ブレディ]|
ん…!?~
なんだぁ、見ない顔だな…?▼~
:[ティータ]|
きゃっ! た、たたたた大変!~
教会に悪そうな人が…!▼~
:[ブレディ]|
ああん!? 誰が賊だ誰が!?▼~
:[アサマ]|
こらこら、ブレディさん。~
むやみやたらに凄まないでください。~
すっかり怯えているじゃないですか。▼~
:[ブレディ]|
あ、おう…悪かったな…▼~
:[ティータ]|
び、びっくりしちゃった…。~
こっちこそ、悪そうな人とか~
言ってしまってごめんなさい。▼~
:[レナ]|
ティータさん、でしたね。~
ようこそいらっしゃいました。~
癒し手たちが集う教会へ。▼~
:[ナンナ]|
信仰の形は違っても~
人々を助けるために~
ともに手を携えましょう。▼~
:[マリア]|
歓迎するね!~
仲間は一人でも多いほうがいいから。~
一緒に頑張ろ!▼~
:[ティータ]|
は、はい!~
私、そそっかしいけど~
やる気だけはありますから!▼~
:[ブレディ]|
でも、無理はするんじゃねーぞ。~
俺たちが倒れちまったら~
元も子もねえからな。▼~
:[ピアニー]|
頑張ってね、ティータ。~
私も応援してるわ!▼~
:[ティータ]|
ありがとう、ピアニー!~
その気持ちに~
必ず応えてみせるからね…!▼~
***B [#ddb1c9d4]
:[リフ]|
傷を治してくれる~
癒しの杖の力は~
大変ありがたいものです。▼~
ですが、ときには杖が使えない~
状況に陥ることもあるでしょう。~
そんなときこそ、傷薬です。▼~
正しく使えば、人々の痛みを~
和らげることができます。~
では、二人一組で練習をしてみましょう。▼~
:[ティータ]|
よろしくお願いします…!▼~
:[ブレディ]|
おう、よろしくな。▼~
:[ティータ]|
あれ? ブレディ…~
この手の傷はどうしたのかな?▼~
:[ブレディ]|
ああ、そいつは昨日~
路地裏で猫の出産を手伝って…。▼~
い、いや、なんでもねえ。~
名誉の負傷ってやつだ。▼~
:[ティータ]|
そっかー。でも傷薬を塗る~
練習をするにはうってつけだね!▼~
私がもってきた~
傷薬で治してあげる!▼~
:[ブレディ]|
おう、頼むぜ…って~
なんかすげー色の傷薬だな?▼~
:[ティータ]|
あれ? ホントだ。~
でもこれ、ミドリコちゃんっていう~
薬師の女の子にもらったものなの。▼~
涼しいところに保管しておいてって~
言われたから、お城の倉庫の隅を借りて~
ちゃんとしまっておいたのよ。▼~
:[ブレディ]|
ミドリコの薬か…時々やべー出来のも~
あるみたいだが、まあ大丈夫か…?▼~
:[ティータ]|
えーと、さっきリフさんが言ってたよね。~
まずは傷口が隠れるように~
たっぷりと塗り込んで…。▼~
:[ブレディ]|
……!? ……!?~
いでぇ、いでっ! ま、待て待て待て!~
くぉぉっ! な、なんだこりゃあああ!▼~
:[ティータ]|
わお、すっごい効き目?~
ミドリコちゃんの傷薬はすごいね!▼~
:[ブレディ]|
こ、これは傷薬じゃ~
断じてねえぇぇ! いてぇっ!~
お、お前、なにを塗ったんだ!?▼~
ぺろっ…。ぐはっ!~
こ、こいつは香辛料じゃねえか!▼~
:[ティータ]|
え? こ、香辛料…?~
くんくん…あ、ほんとだ。~
よく見ると瓶の形も違う!?▼~
も、もしかして、傷薬と間違えて~
香辛料の瓶を持ってきちゃった!?~
ご、ごめんなさい、うっかりしてて!▼~
:[ブレディ]|
うっかりどころの話じゃねえ!~
み、水、水で洗わないと死ぬっ!▼~
:[ティータ]|
ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃっ!▼~
:[リフ]|
ティータとブレディ…~
真剣に練習しているようですね。~
結構なことです。▼~
日々の積み重ねが~
のちのち多くの命を救っていくのです。~
地道にコツコツと歩みましょう。▼~
:[ブレディ]|
いでぇぇぇー! いでぇぇぇよぉぉぉ!▼~
***A [#xa9cdae1]
:[プリシラ]|
大丈夫ですよ、みなさん。~
まだまだスープはありますからね。▼~
:[ミスト]|
一列に並んで~
慌てず騒がず待ってくださいね!▼~
:[ナターシャ]|
炊き出しに集まってくる人々の数…~
日に日に増えていますね。▼~
:[セーラ]|
無理ないわよね。アスク王国には~
次から次に危機が訪れているし…▼~
でも、だからって私たちが~
音を上げるわけにはいかないのよね。▼~
ここで頑張って…~
セーラ様は伝説になるの!▼~
:[ティータ]|
私もパンを焼いてきたの!~
これ、みんなに配ってあげて!▼~
:[ナターシャ]|
まあ、こんなにたくさん…~
大変だったでしょう?▼~
:[ティータ]|
大変だなんて言ってられないよ。~
少しでもみんなの力になりたいの。▼~
:[ブレディ]|
…待て。▼~
見た目は美味そうなパンだが~
なにか嫌な予感がするぜ。~
ちょっと味見させてくれ…。▼~
:[ティータ]|
味見? はい、どうぞ!▼~
:[ブレディ]|
……!? くっは!▼~
な、なんだこの硬さは!~
石かこいつは!? か、かてぇぇぇっ!▼~
:[ティータ]|
ええっ!? そんな大げさな…~
はむっ……あれ? 硬い…▼~
ごごご、ごめんなさい!~
生地に混ぜる水が少なすぎたみたい…!▼~
:[アサマ]|
……。~
なにやら盛り上がっているようですが~
面白いシスターがやってきたものですねぇ。▼~
暗夜王国の某メイドを~
思い出します。いや…~
それ以上の逸材かもしれませんね。▼~
:[ブレディ]|
歯が、俺の歯がぁぁぁっ!!▼~
:[ティータ]|
ごめんなさい!~
わざとじゃないのーっ!▼~
:[セーラ]|
欠けた歯って~
杖で治せるのかしら…▼~
***S [#l0391d7b]
:[ティータ]|
はぁ…。▼~
私って、なにをやっても~
ダメなのかな。▼~
このままじゃ、ジークや~
アスク王国の力になれないよ…。▼~
:[ピアニー]|
あれ? どうしたのティータ。~
珍しく落ち込んでいる感じ。▼~
:[ティータ]|
ピアニー…~
私、頑張れば頑張るほど~
みんなに迷惑をかけちゃって。▼~
シスターに向いてないのかなって。~
ちょっと悩んでいたって言うか…。▼~
:[ピアニー]|
そんなことないわ!▼~
だって、みんなを助けたいっていう~
ティータの夢は、ずっと胸の中で~
輝き続けてるもの!▼~
:[ティータ]|
……!▼~
:[ピアニー]|
私にはわかるの。~
ティータの優しさとみんなのために~
力になりたいっていう気持ち。▼~
その気持ちがあれば~
きっと想いは実る…▼~
ティータがアスク王国に呼ばれたのも~
その気持ちがあるからだと思うの!~
だから、元気出して!▼~
:[ティータ]|
ありがとう、ピアニー…▼~
落ち込むんじゃなくて~
落ち込んでいる人を~
励ますほうが、私は得意だしね!▼~
うん、頑張ってみる!~
それが私の取り柄だから!▼~
:[ピアニー]|
私もティータの夢を~
応援するね。▼~
寝ているときも起きているときも~
幸せな夢を見てもらうのが~
私の役目だから…!▼~
:[ティータ]|
よし、こうしちゃいられない!~
ちゃんと傷薬の勉強をして~
お料理だって練習する!▼~
:[ピアニー]|
きゃっ。~
その意気よ、ティータ!▼~
:(暗転)|
:[ブレディ]|
…ふん、わかってんじゃねえか。▼~
口先や小手先だけで~
心や気持ちがこもってないやつは~
なにもできねえ。▼~
やるべきことがわかってんなら~
俺が口出す必要はねえな。~
ま…頑張りな。▼~
:[ティータ]|
見ててね、ジーク!~
私、アスク王国で、たくさんの人の~
力になってみせるから…!▼~
**失いし過去 ジーク [#offa6cd8]
***C [#xce34097]
:[ジーク]|
…せいっ!▼~
:[漆黒の騎士]|
むぅ…っ!▼~
:[ジーク]|
渾身の一撃を真っ向から凌ぐとは…~
なんという剛剣!▼~
:[漆黒の騎士]|
では…参る!▼~
:[ジーク]|
受けきってみせよう…!▼~
:[アンナ]|
はいっ! それまで!~
今日の模擬戦はこれで終了ね!▼~
二人ともお疲れ様。~
しっかりと身体を休めて~
次の任務に備えてね。▼~
:[ジーク]|
ふぅ…。礼を言う。~
ひとときも気を抜けない~
よい手合わせだった。▼~
:[漆黒の騎士]|
さすがは…~
【黒騎士】、か…▼~
:[ジーク]|
……?~
【黒騎士】…~
それは私のことなのか?▼~
【黒騎士】という名は~
貴殿にこそ似合いであろう。▼~
:[漆黒の騎士]|
…………▼~
:[ジーク]|
【黒騎士】…~
その響き、遠い日に~
聞いたことがあるような…▼~
:(暗転)|
:[カミュ]|
……。▼~
:[シリウス]|
さて、我々はどう動くべきか。~
それとも動かざるべきか。▼~
***B [#l7333662]
:[カミュ]|
なんとも、数奇な運命だな。▼~
ジーク…彼の存在もまた~
私の至らなさが招いた~
ひとつの未来なのか。▼~
貴殿にとっては過去に~
なるのかもしれないがな。▼~
:[シリウス]|
……。~
異界ごとに、英雄の運命は異なるもの。~
貴殿が責を感じる必要はあるまい。▼~
貴殿が、ジークと同じ道を~
辿るとは限らないのだ。▼~
そして…私と同じ道を辿るかも~
定かではない。▼~
:[カミュ]|
すまないな。~
貴殿には無理を言ってしまった。▼~
本来、知りうるすべもない~
私の未来を教えてもらって…▼~
:[シリウス]|
いや、いいいのだ。~
貴殿の望みは~
すなわち私の望みでもある。▼~
過去の自分が少しでも~
より良き道に進めるのなら…~
力を貸すのが役目なのだろう。▼~
:[カミュ]|
……。~
貴殿は一度記憶を失い~
その後、取り戻したと言ったな。▼~
ならば、あのジークも…?▼~
:[シリウス]|
いや…~
彼が私と同じ道を辿るとは限らぬ。▼~
:[カミュ]|
真実を教えるべきか。~
それとも…▼~
:[シリウス]|
……。~
少し、頭を冷やそう。~
相手を願えるか。▼~
:[カミュ]|
承知。~
未来の自分といえども…~
考えることは同じだな。▼~
:[シリウス]|
では…いくぞ!▼~
***A [#ve8f1d81]
:[カミュ]|
ティータというシスターが~
ジークを知る英雄を~
探していると聞いた。▼~
彼女は…貴殿にとっても~
大切な人なのだろう?▼~
:[シリウス]|
…そうだ。生きる希望と~
言い換えてもいいほどの存在だ。▼~
:[カミュ]|
過去を取り戻した貴殿にとっても~
彼女が大切な存在だと言うのなら…▼~
ジークは過去に囚われることなく~
ジークとしての生き様を貫いたと。~
そう考えていいのだろうか。▼~
:[シリウス]|
生き様か…。~
所詮我らは戦うことしかできぬ田舎騎士。~
口先だけでは何も伝わらぬ。▼~
今の彼に必要なのは…~
記憶ではなく、我らが培ってきた~
生き様を伝えることではないのか。▼~
:[カミュ]|
それを伝える方法は…~
ただひとつ、か。▼~
:(暗転)|
:[ジーク]|
私と手合わせをしたい、と…?▼~
:[カミュ]|
ああ。遠慮はいらぬ。▼~
:[シリウス]|
…全力で参られよ。▼~
:[ジーク]|
その風貌…間違いない。~
貴殿らは私の記憶に関係が深い者…▼~
いや、私のなくした記憶~
そのもの、か…?▼~
:[カミュ]|
口で語るよりも…~
槍を交えればすべてわかることだ。▼~
:[シリウス]|
たとえ記憶をなくそうとも…~
その身に重ねた鍛錬は消えぬ。~
我らの槍、見事受けきってみせよ。▼~
***S [#n9c5ee2a]
:[ジーク]|
はぁ、はぁっ…!~
なんとか…凌げたか。▼~
:[カミュ]|
見事だ。貴殿の気迫…~
槍を通じて伝わってきた。▼~
:[ジーク]|
それは…こちらも同じこと。~
正々堂々と、常にまっすぐに~
誰にも恥じ入ることのない戦いぶり…。▼~
貴殿らの生き様は~
しっかりと私に伝わってきた。▼~
:[シリウス]|
ジーク…~
今の貴殿に過去はなくとも、~
ジークとして生きた人生がある。▼~
それが…~
貴殿の未来を形作るだろう。▼~
:[ジーク]|
……。▼~
:[シリウス]|
貴殿は貴殿の道を行くがいい。~
振り返ることなくな。▼~
:[カミュ]|
今の自分が一番大切に~
思っているものはなんなのか。▼~
自らの心に従うといいだろう…~
二度と後悔のないように。▼~
:(暗転)|
:[ジーク]|
今の自分に過去はない。~
だが、ジークとして生きた人生がある…▼~
なにものにも代えがたい大切な想い…~
それこそが、今の私が守るもの。~
槍を振るう理由なのだ。▼~
私も、誰にも恥じ入ることのない~
生き方を貫いてみせよう。▼~
過去ではなく…~
前を見据えてな。▼~
*コメント [#q90316a5]
#comment
終了行:
[[章別会話]]
*その手が守る明日 [#ief58702]
#contents
**その手が守る明日 [#w1cb270c]
***オープニング [#w958f9eb]
:[ティータ]|
アスク王国ってすごいのね…。~
あんなにたくさんの英雄を~
見たのははじめて…▼~
:[パオラ]|
私もいくつかの戦いに~
参加したことがあるけど…▼~
あれほどの名だたる英雄たちが~
揃っているところは見たことないわ。~
なんとも壮観ね。▼~
:[リュート]|
裏を返せば、それだけの~
英雄が集まっているというのに~
危機は去っていないということだろう。▼~
この世界での戦い…~
さぞや厳しいものになるだろうな。▼~
:[ティータ]|
……▼~
:[ジーク]|
どうしたティータ。~
珍しいな。君が神妙な顔をするなんて。~
:[ティータ]|
あのね、ジーク…~
私、思ったの。▼~
これだけ英雄がいるなら~
ジークの素性を知っている人も~
いるんじゃないか、って。▼~
:[ジーク]|
……▼~
:[リュート]|
ジーク、お前…~
記憶を失っていたんだったな。▼~
:[ティータ]|
傷を負って海岸で倒れていた~
ジークを、私が見つけたの。▼~
命は助かったけど…~
怪我のせいか、記憶は戻らなかった…▼~
:[ジーク]|
このジークという名前も~
ルドルフ皇帝に付けていただいたもの。▼~
私が唯一覚えているのは…~
槍の使い方だけだった。▼~
:[パオラ]|
……▼~
:[ティータ]|
私ね、こう願ったことがあるの。~
ジークの記憶が戻らなければ~
ずっと一緒にいられるかもしれないって。▼~
でも、シスターがそんなこと~
願っちゃダメだよね。~
きっと神様は、許してくれないよ。▼~
:[ジーク]|
ティータ…▼~
:[ティータ]|
だから、ジークのことを知っている~
英雄を探してみようと思うの。▼~
リュート、パオラ。力を貸して!~
ね? ダメかな?▼~
:[リュート]|
お、俺は別にかまわんが…~
特段知り合いもいないし~
あまり力にはなれないと思うぞ。▼~
:[ティータ]|
パオラはどう?~
バレンシア大陸だけじゃなく~
隣の大陸のことも詳しいんだよね?▼~
:[パオラ]|
そ、そうね…いいわよ。~
私でよければ、力になるわ。▼~
……▼~
…私の記憶が正しければ…~
…ジークが失った過去というのは…▼~
***C [#y52df8f9]
:[パオラ]|
ミネルバ様…!▼~
:[ミネルバ]|
パオラか。~
アスク王国にはもう慣れたか?▼~
:[パオラ]|
はい、アンナ隊長や異界の姉妹たちにも~
とてもよくしてもらっています。~
あの、ミネルバ様にお伺いしたいことが…▼~
私と一緒にバレンシア大陸から~
呼ばれた騎士のこと…~
存じておられますか?▼~
:[ミネルバ]|
ジーク殿か。~
記憶をなくしておられるようだが~
彼は間違いなく…▼~
:[パオラ]|
やはり…そうですよね。▼~
ティータというシスターが~
ジークの過去を求めているようです。~
真実を…教えるべきなのでしょうか。▼~
:[ミネルバ]|
パオラたちはバレンシア大陸から~
来たのだったな。▼~
:[パオラ]|
は、はい。海賊にさらわれた~
エストを助けるため、カチュアと一緒に~
バレンシア大陸へと渡っていたのです。▼~
:[ミネルバ]|
少し未来の話になるが、~
お前たちがアカネイア大陸に戻ったあと…~
大きな戦いが起こる。▼~
:[パオラ]|
……!?~
また戦争が起こるのですか!▼~
:[ミネルバ]|
しかし、これはあくまで~
私がいた異界の話。お前のいた異界でも~
同じことが起こるとは限らない。▼~
その戦いで…私はおそらく~
未来のジーク殿と出会っている。▼~
:[パオラ]|
そのとき、ジークの記憶は~
戻っていたのでしょうか?▼~
:[ミネルバ]|
記憶が戻っていたかどうかは~
定かではないが…。▼~
彼は名前を変え、顔を仮面で隠し~
マルス王子に力を貸してくれた。▼~
:[パオラ]|
ということは…記憶は~
戻られていたのですね。▼~
このことを、ジークに~
伝えた方がいいのでしょうか?▼~
:[ミネルバ]|
いや、私はそうは思わぬ。~
彼の「過去」も「未来」も~
アスク王国には存在している。▼~
必要とあらば、彼らが動くだろう。~
我々が口を出す必要は~
ないのかもしれない。▼~
:[パオラ]|
そう…ですね。~
ミネルバ様、相談にのっていただき~
ありがとうございます。▼~
***B [#s5070195]
:[リュート]|
…というわけで~
ジークの記憶を取り戻す~
手伝いをすることになったのだ。▼~
:[デューテ]|
ふーん、記憶ねえ…。▼~
ヴァイス・ブレイヴにも~
記憶喪失の英雄が何人かいるけど~
特に困ってる様子はないよ?▼~
:[リュート]|
困る困らないは~
お前が決めることではないだろう。▼~
もしかすると、記憶を呼び戻す~
魔道も存在するかもしれん。▼~
デューテ、お前は魔道の才能があるのだ。~
その才能を活かすために~
ともに研究を進めてみようじゃないか。▼~
:[デューテ]|
他人のお手伝いをするよりも~
お兄ちゃんは、ともだちの一人でも~
作ったほうがいいんじゃない?▼~
ヴァイス・ブレイヴに来てから~
お兄ちゃん、いつも食堂の隅で~
ご飯を一人で食べてるじゃない。▼~
:[リュート]|
うっ…! それとこれとは~
別問題だろう!▼~
:[デューテ]|
あっ、ボク遊びに行く約束してたんだった。~
じゃあ頑張ってね、お兄ちゃん!▼~
:[リュート]|
あっ! こら待てっ!~
行ってしまった…。▼~
ふん。俺だってやればできる。~
記憶を呼び戻す魔道のひとつやふたつ。▼~
……。▼~
だめだ、まったく思い浮かばん。▼~
そうそう都合のいい方法は~
転がってはいないか…。▼~
……。▼~
ティータに頼まれて承諾はしたものの~
そもそも、ジーク本人は~
記憶を取り戻したがっているのか?▼~
人と話すのは得意ではないが…~
このままでは寝覚めが悪い。~
本人に直接聞いてみるか…。▼~
***A [#d7820b29]
:[ジーク]|
本当に過去を取り戻したいのか。~
過去を取り戻す意味があるのか…。~
私自身、測りかねているところがあるのだ。▼~
:[リュート]|
……。▼~
:[ジーク]|
記憶を取り戻したいという気持ちはあるが~
過去を知ることへの恐れもある。▼~
すまないな。ティータに頼まれて~
私の過去を探してくれているというのに。▼~
:[リュート]|
いや、それについてはその…。▼~
頼まれたから、ではなく~
俺自身も気になっていたので~
手を貸しているだけだ。▼~
あとひとつだけ、聞きたいのだが…~
もし記憶が戻ったら~
お前はどうするつもりだ?▼~
:[ジーク]|
記憶を取り戻そうが取り戻せまいが~
おそらく、私のやることは変わらない。▼~
この命をかけて…~
大切な存在を守るだけだ。▼~
:[リュート]|
そうか…。▼~
やるべきことが明確に見えているなら~
別に過去にこだわらなくても~
いいような気もするな。▼~
その手が守る明日へと~
まっすぐ歩いていけばいいじゃないか。~
振り返る必要もなかろう。▼~
:[ジーク]|
……。▼~
ああ、私もそう思う。▼~
背中を押してくれて感謝する、リュート。~
君は、善良な魂の持ち主なのだな。▼~
もしよければ、今後は友人として~
接してもらえないだろうか。▼~
:[リュート]|
ゆ、友人…!? そ、そうか、友人か。~
べ、別に構わないぞ。友人は…~
何人いても困らないからな。▼~
:(暗転)|
:[ティータ]|
パオラ…!~
よかった、探してたの。▼~
:[パオラ]|
ティータ…。~
ジークの記憶のことなんだけど…。▼~
:[ティータ]|
それはね、もういいの…~
ジークが話してくれたの。▼~
今は過去にこだわらず~
アスク王国のため、今の彼が守りたい~
大切な明日のために戦うんだって。▼~
:[パオラ]|
明日のために…。▼~
それが今のジークの本心なのね。▼~
:[ティータ]|
私も…ジークについていきたい。▼~
たとえ過去になにがあったとしても~
なにを思い出したとしても…~
ジークへの想いは変わらないから!▼~
:[パオラ]|
ティータ、あなたは強い人ね。~
自分の心を偽ることなく~
未来へと進んでいける。▼~
その想いは、きっとあなたと~
ジークの未来を~
照らしてくれると思うわ。▼~
:[ティータ]|
ありがとう、パオラ。~
私、負けないから…~
どんな過去にも、どんな未来にも。▼~
ジークと一緒なら…~
乗り越えられるって信じてる!▼~
**優しき長女 パオラ [#h406f6df]
***C [#ba009c19]
:[パオラ]|
さきほど見かけた~
うさぎの耳をつけたカチュア…。▼~
あの子も、異界から来た~
カチュアだったの?▼~
:[フィヨルム]|
春のお祭りに参加されていた~
カチュアさんですね。~
たぶん、違う世界の妹さんかと。▼~
春のお祭りのときは~
うさぎの耳をつけたパオラさんも~
お見かけしましたよ。▼~
:[パオラ]|
まあ…! 私がそんな~
祭りに参加した記憶はないから~
間違いなく異界の私ね…▼~
:[フィヨルム]|
みなさん、はじめはビックリされますね。~
私も違う自分と出会って~
何度か気を失いそうになりました。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
あっ! 異界のパオラ姉さまだ!▼~
:[パオラ]|
あら? この子たちは…。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はじめてお目にかかります…~
で、いいのでしょうか?~
未来の私…ですよね?▼~
:[パオラ]|
そう…! そうです!~
この子は、マケドニア白騎士団を~
目指していたころの私…。▼~
カチュアもエストもまだ小さくて。~
まあ、まあっ! こんな可愛らしい~
英雄も召喚されているのね。▼~
:[フィヨルム]|
ええ。お城には、子どもの頃の~
マルス王子やシーダ王女、マリクさんも~
ミネルバ王女もいらっしゃいますよ。▼~
彼らも立派な英雄です。~
もちろん、ここにいる小さな~
パオラさんたちも!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
よろしくおねがいします。~
未来のパオラ姉様。▼~
:[パオラ]|
こちらこそよろしくね。~
私でよければ力になるから~
遠慮なく声をかけてね。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい、ありがとうございます。~
頼らせていただきますね。~
ご指導いただけるとうれしいです!▼~
***B [#s2d97c25]
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
おおきいパオラねえさま!~
槍のにぎりかたはこれでいいの?▼~
:[パオラ]|
ええ、握り方はいい感じね。~
あとはもう少し脇を締めて…~
はい、こんな感じかしら。▼~
:[パオラ(幼少)]|
すみません、妹たちまで~
お世話になってしまって…。▼~
:[パオラ]|
いいのよ、気にしないで。~
異界のあなたたちも~
大切な妹だもの。▼~
:[フィヨルム]|
みんな、すっかり懐いちゃいましたね。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい。妹たちだけでなく~
私にまでよくしていただき…~
姉がいたら、このような感じでしょうか。▼~
:[パオラ]|
本当にお姉さんだと思って~
頼ってくれていいのよ?▼~
:[パオラ(幼少)]|
そ、それはさすがに…~
年齢は違えども、同じ私ですし。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
パオラねえさまも~
おおきいパオラねえさまに~
あまえちゃえー!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
こら、よしなさいエスト。~
未来のパオラ姉さまを~
困らせてはダメよ。▼~
:[フィヨルム]|
……▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
フィヨルムおうじょ、どうしたの?~
なんだかさびしそう…▼~
:[フィヨルム]|
いえ、なんでもありません。▼~
私もその…兄様と姉様と妹がいるので~
なんだか昔を思い出してしまって…▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
ねえさまと、いもうと…~
わたしたちとおなじ~
さんしまいだね…!▼~
:[フィヨルム]|
兄様はニフル王国にいるのですが…~
姉様は少し、遠いところにいて…▼~
:[パオラ]|
……▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
だから、フィヨルムおうじょ、~
すこしさびしそうだったんだ…▼~
:[フィヨルム]|
大丈夫ですよ。ここには~
たくさんの英雄のみなさんがいますし~
毎日にぎやかで寂しくありません。▼~
心配してくれてありがとう。~
エストさんは優しいですね。▼~
:[パオラ]|
ええ。カチュアもエストも…~
とても優しく育ってくれたわ。~
ね? そうでしょう?▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい。二人とも自慢の妹です。▼~
***A [#vab97ac2]
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
やだー! わたしも~
パオラねえさまと同じお花がいいー!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
エスト、わがまま言って~
パオラ姉さまを困らせてはダメよ。▼~
:[パオラ]|
あら…どうしたのかしら?~
なにかあったの?▼~
:[パオラ(幼少)]|
実は、シャロン王女から~
それぞれ違うお花を~
いただいたのですが…。▼~
エストも、私と同じお花を~
気に入ってしまったみたいで。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
わたしがもらってお花もきれいだけど~
パオラねえさまがもらった~
お花のほうがすきなのー!▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい、じゃあエストには~
これをあげるわ。大切にしてね。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
やったー!▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
パオラ姉さまは甘すぎます。~
エストにはもっと~
我慢させることを教えないと…!▼~
:[パオラ]|
あら…懐かしいわ。▼~
そうそう、カチュアは~
この頃からとっても真面目で~
いつも私を助けてくれていたわね。▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
ま、真面目というか…私は~
当たり前のことを言っているだけです。~
未来のパオラ姉さま。▼~
:[パオラ(幼少)]|
でも最近、妹と好きなものが~
同じになってしまうことが多いんです。▼~
こういう時、未来の私は~
どうしていたのでしょう?▼~
:[パオラ]|
そうね、私は…▼~
***S [#be0f4d70]
:[パオラ]|
あなたもきっと~
同じだと思うけど…▼~
私の一番の幸せは~
妹たちの笑顔を見ること。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい、マケドニアのために~
白騎士団に入ることが~
私の夢ではありますが…。▼~
妹たちが笑顔であり続けることは~
私の譲れない夢です。▼~
そのためなら~
どんな苦労もいといません。▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
パオラ姉さま…。▼~
:[パオラ]|
妹たちのために、できることは~
なんでもしてあげたい。▼~
ときにその決意は…~
寂しさを伴うことがあるかもしれない。▼~
:[パオラ(幼少)]|
……。▼~
:[パオラ]|
でも、自分が信じる道を選べば~
妹たちの笑顔はいつまでも輝くはずよ。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい…!~
その言葉、胸に刻んでおきます。▼~
:[パオラ]|
あとは…~
なにがあっても、姉妹で手を取り合って~
進むことを忘れないで。▼~
そうすれば、必ず道は開けるから。▼~
誰かがピンチになったら~
姉妹で助け合う。今も私たちは~
そうやって支え合っているの。▼~
:[カチュア(イラスト:幼少パオラ)]|
もしかして、未来でもエストが~
パオラ姉さまに迷惑をかけているのでは…。▼~
:[エスト(イラスト:幼少パオラ)]|
えー! エストいい子にするもん!~
カチュアねえさまのいじわる!▼~
:[パオラ(幼少)]|
こら、ケンカしちゃダメでしょ。~
未来の私も言ってるじゃない。~
姉妹で助け合わないとって。▼~
:[パオラ]|
姉妹の絆こそが~
あなたたちの大きな武器になる。~
そのことを覚えておいてね。▼~
:[パオラ(幼少)]|
はい…! 未来の私から~
受け取ったその言葉…~
必ず依頼に活かしてみせます。▼~
**我が道を往く リュート [#n232c3be]
***C [#r30a097a]
:[リュート]|
ここが、アスク王国の大図書館…!▼~
なんという広さ、なんという数の書物!~
これだけの本を読み尽くすのに~
何年…いや、何十年かかることか…!▼~
:[ソフィーヤ]|
……。▼~
:[サイアス]|
……。▼~
:[リュート]|
ここに集う魔道士たちも~
さぞ名のある連中なのだろう。~
誰も彼もただならぬ雰囲気だな…▼~
:[ラインハルト]|
失礼。▼~
:[リュート]|
…!? 誰だあんたは…▼~
:[ラインハルト]|
ご挨拶が遅れた非礼、~
どうかお許しいただきたい。▼~
私はフリージ公爵家に仕える~
ラインハルトと申します。▼~
:[リュート]|
お、俺はリュート。~
魔道を究めんとするものだ。~
ええと…よろしく頼む。▼~
:[ラインハルト]|
やはりデューテの兄上でしたか。~
話は聞き及んでおります。▼~
私にも魔道を志す妹がおります。~
どうか、よろしく願いたい。▼~
:[リュート]|
デューテから…そ、そうか。▼~
ここはすごい図書館だな。~
魔道士にとっては宝の山だ。▼~
:[ラインハルト]|
アスク王国に呼ばれた魔道士はみな~
この図書館に感動し~
感銘を受けるのではないでしょうか。▼~
:[リュート]|
デューテもここには~
よく来るのだろうか?▼~
:[ラインハルト]|
…デューテは素晴らしい~
魔道の素質の持ち主ですね。▼~
彼女は座学に励まずとも~
戦場で戦うたびに強くなっている。▼~
:[リュート]|
ということは…~
あいつは、あまり図書館には~
姿を見せないということか。▼~
:[ラインハルト]|
魔道士にはそれぞれ自分に合った~
成長の仕方があります。▼~
彼女にとってみれば~
図書館よりも、外の世界や戦場に~
学びの機会があるのでしょう。▼~
:[リュート]|
……。▼~
***B [#ec8849e2]
:[ルーテ]|
いえ、そこは真水を加えるべきです。~
こちらの緑の書を見てください。▼~
:[リシテア]|
なるほど。試す価値はありますね。~
では、もう一度最初から~
術式を組み直してみましょう。▼~
:[リュート]|
……。~
今日は活発に議論している~
魔道士連中がいるな…▼~
:[ノール]|
……▼~
:[クリフ]|
……▼~
:[リュート]|
と思えば、一人で黙々と~
書を読み続ける魔道士もいる。▼~
この図書館、誰と馴れ合うこともなく~
一人で通ってもよさそうだな…。▼~
:[カナス]|
おや…? あなたは~
デューテちゃんのお兄さんですね。▼~
:[リュート]|
うわっ! ま、また出た…!?▼~
:[カナス]|
僕はカナスと言います。~
専門分野は闇魔法ですが~
魔道全般を研究する元学者です。▼~
:[リュート]|
闇魔法の使い手か…~
悪いが、あまりいい印象がないな。▼~
:[カナス]|
はは。無理もありませんね。~
闇魔法は闇と向かい合い~
研鑽を深めていくもの。▼~
本人に闇の影響が及ぶことも~
多々ありますから…その使い手も~
個性的な英雄が多いです。▼~
:[リュート]|
個性的、か…。~
うまいこと言い換えたな。▼~
:[カナス]|
デューテちゃんは元気な子ですが~
お兄さんは、落ちついていますね。▼~
:[リュート]|
似ていないとはよく言われる。~
まあ、似ていないのは~
外見や振る舞いだけではないがな。▼~
:[カナス]|
……?~
と、言うと…?▼~
:[リュート]|
デューテは俺とは~
比べものにならないほどに~
魔道の才能…素質があるのだ。▼~
アスク王国にはこのような~
素晴らしい図書館があるというのに~
あいつはまったく顔を見せない…。▼~
俺から見れば羨むような~
才能を伸ばそうとしないとは…~
兄としても実に嘆かわしい限りだ。▼~
:[カナス]|
……▼~
***A [#v630204f]
:[カナス]|
ずいぶん勤勉ですね、リュートさん。~
図書館に来るたびに~
お見かけする気がします。▼~
:[リュート]|
…ここくらいしか~
居場所がないからな。▼~
:[カナス]|
ふむ…。~
デューテちゃんのほうが~
魔道の素質があると~
おっしゃりましたが…▼~
先日の戦いぶりから~
リュートさんにも十分に~
その素質があるように見えました。▼~
:[リュート]|
……。~
俺とデューテは~
高名な女魔道士の末裔だ。▼~
そして、その血が濃く現れるのは~
代々女性の子孫だと~
言われてきた…▼~
魔道の素質は血に依存する。▼~
生まれ持った素質がなければ~
いくら修業を積んだところで~
精霊の声は聞こえない。▼~
そして…血の優位性は~
死ぬまで覆ることはないのだ。▼~
:[カナス]|
なるほど…。~
血は大いに関係が~
あるかもしれませんね。▼~
ここにいる魔道士たちの多くも~
祖先から受け継いだ才を活かし~
活躍しているようですし。▼~
:[リュート]|
だろうな。それが普通だ…。~
なんら不思議なことではない。▼~
:[カナス]|
…かくいう僕にも~
魔道の研究家として高名な母と~
三人の兄がいました。▼~
その母の知識と魔導書は~
本来、兄たちの誰かが~
受け継ぐ予定だったんですよ。▼~
しかし、受け継いだのは~
魔道の素質に劣る僕でした。▼~
:[リュート]|
理由が気になるな…。~
よければ、いきさつを~
聞かせてくれないか?▼~
***S [#h1b33cac]
:[カナス]|
三人の兄たちは~
古代魔法を研究していました。~
いわゆる…闇魔法です。▼~
しかし、素質があるゆえに~
どんどん研究にのめりこんでしまい…▼~
最終的に、古代魔法の闇に~
取り込まれてしまいました。▼~
今では歩くことも~
言葉を発することもできず~
ただ…生きているだけの状態です。▼~
:[リュート]|
……▼~
:[カナス]|
古代魔法を使いこなすには~
知識や魔道の素質だけではなく~
闇に囚われない心が必要だったのです。▼~
もっとも、僕が~
今こうしていられるのは、~
特別な才があったからではなく…▼~
僕を支えてくれる妻の~
存在があったからなのでしょう。▼~
:[リュート]|
意外だ。結婚していたのか…。~
魔道にすべてをささげるような~
人間かと思っていたのに…。▼~
:[カナス]|
ん? なにか言いました?▼~
:[リュート]|
い、いや、別になにも…。▼~
:[カナス]|
しかし、僕も闇に囚われないという~
保証はありません。もしかすると~
今日か、明日かもしれない…。▼~
それでも…知識を求めようとする~
欲求は抑えられないんですよね。~
学者とは、ほとほと困ったものです。▼~
:[リュート]|
闇に囚われない心の強さ…か。▼~
:[カナス]|
僕が思うに、心の強さは~
先祖から受け継いだ血とは~
まったく関係のないものです。▼~
デューテちゃんにそのことを~
教えてあげられるのは、リュートさんの~
役目なのかもしれませんね。▼~
:[リュート]|
……。~
かつてデューテは~
闇の力に操られたことがあった。▼~
なんとか事なきを得たが~
魔道の素質を伸ばすように~
うるさくするよりも…。▼~
兄として、かけるべき言葉が~
あったのかもしれないな。▼~
:[カナス]|
今からでも遅くはないと思いますよ。~
アスク王国で再会したのも~
なにかの縁なのでしょうから。▼~
:[リュート]|
カナス、お前はいい奴だな。~
気にかけてくれて…その、感謝する。▼~
そ、その、なんだ…~
俺はアスク王国に来て日が浅いし…。▼~
そもそも村の猫とアルムくらいしか~
友だちと呼べる存在がいない。▼~
だから俺と…~
その…友だちに…。▼~
:[カナス]|
え?~
僕はもうリュートさんと~
友だちだと思っていましたよ。▼~
:[リュート]|
そ、そうか…~
うん。それならいいんだ。~
俺もそんな気がしていたからな。▼~
……。▼~
最初は、こんな異界に召喚されて~
どうなることかと思ったが…~
意外となんとかなるかもしれんな…▼~
いい機会だし…デューテとも~
もう一度話し合ってみるか。~
兄として、な……▼~
**献身の聖女 ティータ [#bcffb847]
***C [#a304d806]
:[ピアニー]|
はーい、ここよ!~
いろんな異界から来た~
癒し手が集まっている教会!▼~
:[ティータ]|
うわぁ、大きな教会。~
私の村の教会とは大違い…!▼~
:[ピアニー]|
癒し手たちはここで~
戦争で焼け出された人のお世話や~
孤児の面倒を見たりしてるんだって。▼~
じゃ、入りましょ。~
私についてきてね。▼~
:(暗転)|
:[ブレディ]|
ん…!?~
なんだぁ、見ない顔だな…?▼~
:[ティータ]|
きゃっ! た、たたたた大変!~
教会に悪そうな人が…!▼~
:[ブレディ]|
ああん!? 誰が賊だ誰が!?▼~
:[アサマ]|
こらこら、ブレディさん。~
むやみやたらに凄まないでください。~
すっかり怯えているじゃないですか。▼~
:[ブレディ]|
あ、おう…悪かったな…▼~
:[ティータ]|
び、びっくりしちゃった…。~
こっちこそ、悪そうな人とか~
言ってしまってごめんなさい。▼~
:[レナ]|
ティータさん、でしたね。~
ようこそいらっしゃいました。~
癒し手たちが集う教会へ。▼~
:[ナンナ]|
信仰の形は違っても~
人々を助けるために~
ともに手を携えましょう。▼~
:[マリア]|
歓迎するね!~
仲間は一人でも多いほうがいいから。~
一緒に頑張ろ!▼~
:[ティータ]|
は、はい!~
私、そそっかしいけど~
やる気だけはありますから!▼~
:[ブレディ]|
でも、無理はするんじゃねーぞ。~
俺たちが倒れちまったら~
元も子もねえからな。▼~
:[ピアニー]|
頑張ってね、ティータ。~
私も応援してるわ!▼~
:[ティータ]|
ありがとう、ピアニー!~
その気持ちに~
必ず応えてみせるからね…!▼~
***B [#ddb1c9d4]
:[リフ]|
傷を治してくれる~
癒しの杖の力は~
大変ありがたいものです。▼~
ですが、ときには杖が使えない~
状況に陥ることもあるでしょう。~
そんなときこそ、傷薬です。▼~
正しく使えば、人々の痛みを~
和らげることができます。~
では、二人一組で練習をしてみましょう。▼~
:[ティータ]|
よろしくお願いします…!▼~
:[ブレディ]|
おう、よろしくな。▼~
:[ティータ]|
あれ? ブレディ…~
この手の傷はどうしたのかな?▼~
:[ブレディ]|
ああ、そいつは昨日~
路地裏で猫の出産を手伝って…。▼~
い、いや、なんでもねえ。~
名誉の負傷ってやつだ。▼~
:[ティータ]|
そっかー。でも傷薬を塗る~
練習をするにはうってつけだね!▼~
私がもってきた~
傷薬で治してあげる!▼~
:[ブレディ]|
おう、頼むぜ…って~
なんかすげー色の傷薬だな?▼~
:[ティータ]|
あれ? ホントだ。~
でもこれ、ミドリコちゃんっていう~
薬師の女の子にもらったものなの。▼~
涼しいところに保管しておいてって~
言われたから、お城の倉庫の隅を借りて~
ちゃんとしまっておいたのよ。▼~
:[ブレディ]|
ミドリコの薬か…時々やべー出来のも~
あるみたいだが、まあ大丈夫か…?▼~
:[ティータ]|
えーと、さっきリフさんが言ってたよね。~
まずは傷口が隠れるように~
たっぷりと塗り込んで…。▼~
:[ブレディ]|
……!? ……!?~
いでぇ、いでっ! ま、待て待て待て!~
くぉぉっ! な、なんだこりゃあああ!▼~
:[ティータ]|
わお、すっごい効き目?~
ミドリコちゃんの傷薬はすごいね!▼~
:[ブレディ]|
こ、これは傷薬じゃ~
断じてねえぇぇ! いてぇっ!~
お、お前、なにを塗ったんだ!?▼~
ぺろっ…。ぐはっ!~
こ、こいつは香辛料じゃねえか!▼~
:[ティータ]|
え? こ、香辛料…?~
くんくん…あ、ほんとだ。~
よく見ると瓶の形も違う!?▼~
も、もしかして、傷薬と間違えて~
香辛料の瓶を持ってきちゃった!?~
ご、ごめんなさい、うっかりしてて!▼~
:[ブレディ]|
うっかりどころの話じゃねえ!~
み、水、水で洗わないと死ぬっ!▼~
:[ティータ]|
ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃっ!▼~
:[リフ]|
ティータとブレディ…~
真剣に練習しているようですね。~
結構なことです。▼~
日々の積み重ねが~
のちのち多くの命を救っていくのです。~
地道にコツコツと歩みましょう。▼~
:[ブレディ]|
いでぇぇぇー! いでぇぇぇよぉぉぉ!▼~
***A [#xa9cdae1]
:[プリシラ]|
大丈夫ですよ、みなさん。~
まだまだスープはありますからね。▼~
:[ミスト]|
一列に並んで~
慌てず騒がず待ってくださいね!▼~
:[ナターシャ]|
炊き出しに集まってくる人々の数…~
日に日に増えていますね。▼~
:[セーラ]|
無理ないわよね。アスク王国には~
次から次に危機が訪れているし…▼~
でも、だからって私たちが~
音を上げるわけにはいかないのよね。▼~
ここで頑張って…~
セーラ様は伝説になるの!▼~
:[ティータ]|
私もパンを焼いてきたの!~
これ、みんなに配ってあげて!▼~
:[ナターシャ]|
まあ、こんなにたくさん…~
大変だったでしょう?▼~
:[ティータ]|
大変だなんて言ってられないよ。~
少しでもみんなの力になりたいの。▼~
:[ブレディ]|
…待て。▼~
見た目は美味そうなパンだが~
なにか嫌な予感がするぜ。~
ちょっと味見させてくれ…。▼~
:[ティータ]|
味見? はい、どうぞ!▼~
:[ブレディ]|
……!? くっは!▼~
な、なんだこの硬さは!~
石かこいつは!? か、かてぇぇぇっ!▼~
:[ティータ]|
ええっ!? そんな大げさな…~
はむっ……あれ? 硬い…▼~
ごごご、ごめんなさい!~
生地に混ぜる水が少なすぎたみたい…!▼~
:[アサマ]|
……。~
なにやら盛り上がっているようですが~
面白いシスターがやってきたものですねぇ。▼~
暗夜王国の某メイドを~
思い出します。いや…~
それ以上の逸材かもしれませんね。▼~
:[ブレディ]|
歯が、俺の歯がぁぁぁっ!!▼~
:[ティータ]|
ごめんなさい!~
わざとじゃないのーっ!▼~
:[セーラ]|
欠けた歯って~
杖で治せるのかしら…▼~
***S [#l0391d7b]
:[ティータ]|
はぁ…。▼~
私って、なにをやっても~
ダメなのかな。▼~
このままじゃ、ジークや~
アスク王国の力になれないよ…。▼~
:[ピアニー]|
あれ? どうしたのティータ。~
珍しく落ち込んでいる感じ。▼~
:[ティータ]|
ピアニー…~
私、頑張れば頑張るほど~
みんなに迷惑をかけちゃって。▼~
シスターに向いてないのかなって。~
ちょっと悩んでいたって言うか…。▼~
:[ピアニー]|
そんなことないわ!▼~
だって、みんなを助けたいっていう~
ティータの夢は、ずっと胸の中で~
輝き続けてるもの!▼~
:[ティータ]|
……!▼~
:[ピアニー]|
私にはわかるの。~
ティータの優しさとみんなのために~
力になりたいっていう気持ち。▼~
その気持ちがあれば~
きっと想いは実る…▼~
ティータがアスク王国に呼ばれたのも~
その気持ちがあるからだと思うの!~
だから、元気出して!▼~
:[ティータ]|
ありがとう、ピアニー…▼~
落ち込むんじゃなくて~
落ち込んでいる人を~
励ますほうが、私は得意だしね!▼~
うん、頑張ってみる!~
それが私の取り柄だから!▼~
:[ピアニー]|
私もティータの夢を~
応援するね。▼~
寝ているときも起きているときも~
幸せな夢を見てもらうのが~
私の役目だから…!▼~
:[ティータ]|
よし、こうしちゃいられない!~
ちゃんと傷薬の勉強をして~
お料理だって練習する!▼~
:[ピアニー]|
きゃっ。~
その意気よ、ティータ!▼~
:(暗転)|
:[ブレディ]|
…ふん、わかってんじゃねえか。▼~
口先や小手先だけで~
心や気持ちがこもってないやつは~
なにもできねえ。▼~
やるべきことがわかってんなら~
俺が口出す必要はねえな。~
ま…頑張りな。▼~
:[ティータ]|
見ててね、ジーク!~
私、アスク王国で、たくさんの人の~
力になってみせるから…!▼~
**失いし過去 ジーク [#offa6cd8]
***C [#xce34097]
:[ジーク]|
…せいっ!▼~
:[漆黒の騎士]|
むぅ…っ!▼~
:[ジーク]|
渾身の一撃を真っ向から凌ぐとは…~
なんという剛剣!▼~
:[漆黒の騎士]|
では…参る!▼~
:[ジーク]|
受けきってみせよう…!▼~
:[アンナ]|
はいっ! それまで!~
今日の模擬戦はこれで終了ね!▼~
二人ともお疲れ様。~
しっかりと身体を休めて~
次の任務に備えてね。▼~
:[ジーク]|
ふぅ…。礼を言う。~
ひとときも気を抜けない~
よい手合わせだった。▼~
:[漆黒の騎士]|
さすがは…~
【黒騎士】、か…▼~
:[ジーク]|
……?~
【黒騎士】…~
それは私のことなのか?▼~
【黒騎士】という名は~
貴殿にこそ似合いであろう。▼~
:[漆黒の騎士]|
…………▼~
:[ジーク]|
【黒騎士】…~
その響き、遠い日に~
聞いたことがあるような…▼~
:(暗転)|
:[カミュ]|
……。▼~
:[シリウス]|
さて、我々はどう動くべきか。~
それとも動かざるべきか。▼~
***B [#l7333662]
:[カミュ]|
なんとも、数奇な運命だな。▼~
ジーク…彼の存在もまた~
私の至らなさが招いた~
ひとつの未来なのか。▼~
貴殿にとっては過去に~
なるのかもしれないがな。▼~
:[シリウス]|
……。~
異界ごとに、英雄の運命は異なるもの。~
貴殿が責を感じる必要はあるまい。▼~
貴殿が、ジークと同じ道を~
辿るとは限らないのだ。▼~
そして…私と同じ道を辿るかも~
定かではない。▼~
:[カミュ]|
すまないな。~
貴殿には無理を言ってしまった。▼~
本来、知りうるすべもない~
私の未来を教えてもらって…▼~
:[シリウス]|
いや、いいいのだ。~
貴殿の望みは~
すなわち私の望みでもある。▼~
過去の自分が少しでも~
より良き道に進めるのなら…~
力を貸すのが役目なのだろう。▼~
:[カミュ]|
……。~
貴殿は一度記憶を失い~
その後、取り戻したと言ったな。▼~
ならば、あのジークも…?▼~
:[シリウス]|
いや…~
彼が私と同じ道を辿るとは限らぬ。▼~
:[カミュ]|
真実を教えるべきか。~
それとも…▼~
:[シリウス]|
……。~
少し、頭を冷やそう。~
相手を願えるか。▼~
:[カミュ]|
承知。~
未来の自分といえども…~
考えることは同じだな。▼~
:[シリウス]|
では…いくぞ!▼~
***A [#ve8f1d81]
:[カミュ]|
ティータというシスターが~
ジークを知る英雄を~
探していると聞いた。▼~
彼女は…貴殿にとっても~
大切な人なのだろう?▼~
:[シリウス]|
…そうだ。生きる希望と~
言い換えてもいいほどの存在だ。▼~
:[カミュ]|
過去を取り戻した貴殿にとっても~
彼女が大切な存在だと言うのなら…▼~
ジークは過去に囚われることなく~
ジークとしての生き様を貫いたと。~
そう考えていいのだろうか。▼~
:[シリウス]|
生き様か…。~
所詮我らは戦うことしかできぬ田舎騎士。~
口先だけでは何も伝わらぬ。▼~
今の彼に必要なのは…~
記憶ではなく、我らが培ってきた~
生き様を伝えることではないのか。▼~
:[カミュ]|
それを伝える方法は…~
ただひとつ、か。▼~
:(暗転)|
:[ジーク]|
私と手合わせをしたい、と…?▼~
:[カミュ]|
ああ。遠慮はいらぬ。▼~
:[シリウス]|
…全力で参られよ。▼~
:[ジーク]|
その風貌…間違いない。~
貴殿らは私の記憶に関係が深い者…▼~
いや、私のなくした記憶~
そのもの、か…?▼~
:[カミュ]|
口で語るよりも…~
槍を交えればすべてわかることだ。▼~
:[シリウス]|
たとえ記憶をなくそうとも…~
その身に重ねた鍛錬は消えぬ。~
我らの槍、見事受けきってみせよ。▼~
***S [#n9c5ee2a]
:[ジーク]|
はぁ、はぁっ…!~
なんとか…凌げたか。▼~
:[カミュ]|
見事だ。貴殿の気迫…~
槍を通じて伝わってきた。▼~
:[ジーク]|
それは…こちらも同じこと。~
正々堂々と、常にまっすぐに~
誰にも恥じ入ることのない戦いぶり…。▼~
貴殿らの生き様は~
しっかりと私に伝わってきた。▼~
:[シリウス]|
ジーク…~
今の貴殿に過去はなくとも、~
ジークとして生きた人生がある。▼~
それが…~
貴殿の未来を形作るだろう。▼~
:[ジーク]|
……。▼~
:[シリウス]|
貴殿は貴殿の道を行くがいい。~
振り返ることなくな。▼~
:[カミュ]|
今の自分が一番大切に~
思っているものはなんなのか。▼~
自らの心に従うといいだろう…~
二度と後悔のないように。▼~
:(暗転)|
:[ジーク]|
今の自分に過去はない。~
だが、ジークとして生きた人生がある…▼~
なにものにも代えがたい大切な想い…~
それこそが、今の私が守るもの。~
槍を振るう理由なのだ。▼~
私も、誰にも恥じ入ることのない~
生き方を貫いてみせよう。▼~
過去ではなく…~
前を見据えてな。▼~
*コメント [#q90316a5]
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