ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記・マスターバイブル 最終更新日:2001/06/16

会話集/MAP8 聖竜ネウロン


■オープニング

(拠点からホームズとシゲンが出現)

(フォーカス、ホームズ、シゲン)

(背景、街を一望できる山道)

[シゲン](左)
ホームズ
イスラ島を奪ったのはいいが
奴はこのまま大人しくしてるかな

[ホームズ](右)
奴ってのは
「覚えてやがれ!」とか言って
逃げてったイスラ海賊のボスのことか?
俺は顔も思い出せないが
どんな奴だった?

[シゲン]
ブサイクな
大男だったような気がするが……
いや、マヌケな小男だったかな……

[ホームズ]
ふんっ……
そんなヤツのことは
どうでもいいんだよ!

それよりゼノたちはどうした?
まだ戻ってこないのか!
くそっ……
まったく世話のかかる奴らだぜ!!

(背景、フィールドマップ)

(ホームズとシゲンが拠点に戻る)

(フォーカス、カトリ)

(背景、毒の沼地)

[カトリ](右)
ここはどこなの……
たすけて……ゼノ……

(背景、フィールドマップ)

(フォーカス、ゼノ)

(背景、荒地)

[ユニ](右)
ねえ、ゼノ
カトリ、どうしちゃったのかな……

[ゼノ](左)
ホームズに叱られて
ショックだったんだろ
どこかで泣いているかもな……

[ユニ]
ホームズって
どうしてあんなに口が悪いのかな

[ゼノ]
ホームズはさ……

[ユニ]
えっ?……
なに?

[ゼノ]
いや、いいんだ
何でもない……

(背景、フィールドマップ)

(フォーカス、リュナン)

(背景、港)

[オイゲン](左)
リュナン様
わざわざホームズなどに
会いに行かぬともよろしいでしょうに

[リュナン](右)
いや、僕が会いたいんだ
彼とはしばらく会えなかったから……

■2ターン目

(フォーカス、拠点)

(背景、砦の一室)

[ホームズ](右)
おい、シゲン!!

[シゲン](左)
どうした、ホームズ?
顔が青いぜ……

[ホームズ]
カトリの腕輪な……
ようやく思い出した……

[シゲン]
お前が気にしていた
あの腕輪のことか?

[ホームズ]
サリアの火の神殿に
行ったときのことを覚えているか

[シゲン]
サリアの火の神殿?
聖竜ネウロンが眠るとか言う
古代神殿のことか?

[ホームズ]
そうだ……

[シゲン]
ああ
ひどい目にあったことは覚えているぜ

訳のわからん魔物たちには襲われるし
捜し求めていた
お宝には巡りあえないしよ

収穫は結局
あのゾンビの杖だけだったよな
ホームズの言うこともあてにならねぇと
ぼやいていたっけ

[ホームズ]
確かにお宝はなかったが
その宝物庫には
古代の壁画が描かれていた

[シゲン]
壁画?
そんなもんに興味はないぜ
持って帰るわけにもいかんだろ

[ホームズ]
まあ聞けよ
壁画には、女神ユトナが
その娘サリアに与えたという
腕輪が描かれていた

[シゲン]
うん?
……!

……おい……
まさか……

[ホームズ]
そうなんだ
カトリの腕輪はリングオブサリア
サリア王家に伝わる紋章の腕輪だ

[シゲン]
……じゃあ、あの子は
滅亡したサリア王家の
末裔だということか?

[ホームズ]
ああ……
だがそんなことより
問題はだな……

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、カトリ)

[カトリ](左)
ああっ……
もうだめ……
……ユトナ神よ……
どうか私に力をお与えください……

(カトリが聖竜ネウロンに変身)

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス 拠点)

(背景、砦の一室)

[シゲン](左)
な、何なんだ、今の揺れは……
おいホームズ、様子を見に行こうぜ!

[ホームズ](右)
待てよシゲン、今はまずい
もう少し様子を見てからにしよう

[シゲン]
だがカトリはどうするんだ?

[ホームズ]
いや……
俺の予想が正しければ
問題なのは……
ゼノたちの方だ……

■4ターン目

(フォーカス、カトリ)

(カトリが元の姿に戻る)

[カトリ](右)
ハッ……
な、なに!?……
何が起こったの……

※このイベント以降、「リングオブサリア」を使ったとき

{

[カトリ](左)
ユトナ様、お許しください……
わたくしは……
ああ……

}

■5ターン目

(画面外から船が出現し、接岸する)

(フォーカス、メルヘンの船)

(背景、船上)

[メルヘン](右)
よーし、ついたぜ……
野郎ども、上陸の準備だッ!

[部下](左)
へいっ、おかしら!!

[メルヘン]
あの若造ども、タダじゃおかねえ……
この泣く子も黙るイスラ海賊
メルヘン様をナメやがって……
俺様のシマをかき回しやがったこと
たっぷりと後悔させてやるぜッ!!

■8ターン目

(フォーカス、メルヘンの船)

[メルヘン](左)
やい、てめえら
ぬかるんじゃねぇぜ
奴らをギャフンと言わせてやれ!

[部下](右)
おかしらはどうするんで?

[メルヘン]
俺はこの女を連れてアジトへ戻る
後はテメエらで何とかしやがれ

[部下](右)
ええーっ
そんな……

[メルヘン]
よお、レネとか言ったな
お前も運の悪い女だぜ
たまたま乗った船が海賊に
襲われるとはよ

[レネ](右)
……

[メルヘン]
へっへっへ……
さあ、俺たちのアジトへ招待してやるぜ

(船が西へ進んでいき、フィールドマップの外へ)

■TALK ME(ゼノ⇔カトリ)

[ゼノ](左)
カトリ!
大丈夫か!

[カトリ](右)
ゼノ!?
……来てくれたのね!

私……
一体どうなっちゃったの……
ゼノ……

[ゼノ]
カトリ……砦に戻ろう
ホームズたちが心配してるから……

■TALK ME(リュナン⇔ゼノ)

[ゼノ](左)
リュナン様!?
どうしてここに?

[リュナン](右)
ホームズに会いに来たんだけど
これはどういうわけなんだ
ホームズたちは無事なのか

[ゼノ]
何がおきたのかは僕にもわかりません
ホームズなら砦にいると思います

[リュナン]
わかった、僕たちは砦に向かう
ゼノはどうする?

[ゼノ]
もう少しここにいます
僕は彼女を守りたいから……

■拠点訪問後

(背景、砦の一室)

[リュナン](右)
ホームズ……

[ホームズ](左)
よお、リュナンか
大変なときに来てしまったな
驚いたろう……

[リュナン]
一体どういうことなんだ
さっきの巨大なドラゴンは
伝説の火竜ネウロンだろう
どうしてこの島にネウロンが?

[ホームズ]
まあ待ってくれ
お前よりもっと驚いている奴がいる

カトリ……大丈夫か

[カトリ]
ええ……

[ホームズ]
お前は自分が何をしたのか
わかっているのか?

[カトリ]
私……怖かった……
ゾンビたちに襲われて逃げ惑ううちに
毒の沼に迷い込んだの
苦しくてもう死んでしまうと思った

意識が薄れかけたとき
私は大きな赤い竜に生まれ変わったの
私は夢中で
襲いかかるゾンビを焼き払った

でもホームズ、あれは夢なのでしょう?
助かりたい一心で見た幻なのでしょう?
ねぇホームズ
お願いだからそうだと言って!

[ホームズ]
もうお前にもわかっているんだろ
あれは夢じゃないって

[カトリ]
でも……でもどうしてなの
どうして私が竜になっちゃうの

[ホームズ]
それはな、お前の体の中に
女神ユトナの血が流れているからだ
カトリ、お前は今いくつだ

[カトリ]
今日で……15歳に……

[ホームズ]
だろうな……聖典には
聖竜の巫女は15歳たるべしとある
聖竜のみ子としての力は15歳から
2、3年の間しか現れないそうだ

[カトリ]
聖竜の巫女?……

[ホームズ]
伝説では
竜に生まれ変わる事ができる
少女の事をそう呼ぶらしいな

[カトリ]
そんな……
私は竜になんてなりたくない!

[ホームズ]
ならその腕輪を外せ
そうすればお前は
普通の娘として暮らせるはずだ

[エンテ](左)
いえ、その腕輪を外してはいけません!

その腕輪はあなたを守るものなの
もし腕輪が邪悪な者の手に渡れば
あなたはその者に操られて
殺戮を繰り返す
ただの野獣となってしまいます

あなたがあなたでいたければ
その腕輪……リングオブサリアは
決して手放してはなりません!

[リュナン]
エンテ?……
どうして君が、そんなことを……

[エンテ]
ごめんなさい、リュナン様
いつか必ずお話しします
でも今はまだ……
もう少しだけ……時間を下さい……

[ホームズ]
ふーん……
そういうことか……

おいカトリ
いつまでも泣いているんじゃねぇ
今、聞いたろ

つまりだな
お前自身がしっかりしてりゃ
竜には変身しないってことだ
しかしその腕輪は大事にしろよ
ぜったい肌身から離すなよ

[カトリ]
でもホームズ……
私、怖い……

[ホームズ]
心配するな
わずか2、3年、辛抱すりゃいいんだよ

[カトリ]
でも……

[ホームズ]
だから……心配するなって
それまでは俺がお前を守ってやる
必ず守ってやる!
いいなカトリ、俺を信じろ!!

[カトリ]
ホームズ……

[オイゲン](左)
コホン……あー、リュナン様
いろいろとありましょうが
我らは先を急がねばなりませぬ

[リュナン]
そうだなオイゲン

ホームズはまだ、この島に留まるのか?

[ホームズ]
いや、ぼちぼち飽きたからな……
皆で旅に出ようと言ってたところだ
準備ができしだい
俺たちも大陸に渡ろうと思っている

[リュナン]
前に言っていた遺跡発掘の旅か?

[ホームズ]
ああ、世界を巡って冒険をする
財宝や古代のアイテムや失われた伝説
それらを手にする事が俺の夢だ

だがお前のことは忘れはしない
戦いに役立つような品物があれば
可能な限り届けてやろう

[リュナン]
ありがとうホームズ
君には世話になってばかりだな

[ホームズ]
俺はな、お前のような男が
王になるべきだと思っている

リュナン、忘れるな
俺の力が欲しいときは
いつでも言ってくれ

俺たちはいつも
助け合っていることを忘れるなよ

※ジュリア生存時

(背景、港)

[シゲン](左)
ジュリア、ここにいたのか……

[ジュリア](右)
シゲン兄さん……

[シゲン]
しかし、お前まで
島を出ていたとは知らなかったな
おやじがよく承知したものだ

[ジュリア]
反対はされたわよ
兄さんたちがグラナダ防衛の手助けに
出陣した時だって私は島に残された

だけどもう子供じゃないんだし
私もイルの剣士として腕を試したかったの

[シゲン]
で、リュナン公子の傭兵か
まさか俺たちの後を
追ってきたのじゃあるまいな

[ジュリア]
ち、違うわよ!
公子と会ったのは偶然よ
私を罠にはめた奴がラゼリアにいるから
そいつに借りを返したくて
公子軍に合流しただけよ!

[シゲン]
じゃ、どうしてこんなところにいるんだ?

[ジュリア]
そ、そんなこと……
私に聞かないでよ!

※ガロ生存時

(背景、砂浜)

[ガロ](右)
公子、すまねぇが
俺は若についてゆくぜ
長い間世話になったな……

(ガロがホームズ軍へ異動)

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、セネー海西の船)

(背景、船上)

[メルヘン]
よし、マルス港のアジトへ
引き上げるぜ!

(背景、ワールドマップ)

(船がマルス港へ移動する)

(フォーカス、イスラ島)

(背景、港)

[ホームズ](左)
リュナン
いよいよ行くか

[リュナン](右)
ああ……
一日も早くラゼリアに戻りたいんだ

[ホームズ]
俺たちはこの辺りの悪党を片付けてから
大陸に渡ろうと思ってる

お前がウエルトの兵力を
連れて出たことで
トーラス山賊やイスラ海賊が
ウエルトの街を襲うかもしれないだろ

[リュナン]
ホームズは僕のために……

[ホームズ]
いや、そうじゃねえよ
奴らのお宝を頂きたいだけさ

おっと、そうだ
大事な話を忘れるところだった
リュナン、よく聞いてくれ

これからのお前の戦いは
厳しいものになるだろう
もし弱すぎて役に立たない兵士がいたら
俺に預けていかないか

俺たちの戦いなら相手も選べるし
好きなだけ何度でも戦う事ができる
新米の兵士にはいい戦闘経験に
なると思うんだ

それにさっきも言ったが
俺はお前の為に、役に立つ武器や道具を
集めようと思ってる

だけど今は戦争中だし
今度いつ会えるかもわからねえ
俺たちが再開できないと、武器や
アイテムを受け渡す事もできないんだ

まずはこのイスラ島だが
次に再開できるのは
かなり先の事になるだろう

いいなリュナン
機会は一度しかないから、よく考えて
部隊を「編成」するんだぞ

(背景、ワールドマップ)

(このあと1回目の編成を行なうことができる)

■セネー海西に到着したとき

(フォーカス、イスラ島)

(背景、砦の一室)

[シゲン](左)
ホームズ
うるわしき友情ドラマだったな
俺は涙が出たぜ

[ホームズ](右)
ふん、何とでも言え
俺とリュナンは兄弟みたいなものだ
他人のお前にはわかるまい

[シゲン]
まあ、いいさ
俺には関係のない話だ
それよりホームズ
これからどこへ行くつもりだ?

[ホームズ]
そう焦るなって
リュナンが大陸に渡った事で
ウエルト周辺の悪党どもが
動き出すかも知れねえ

特にあの海賊……
うーん……
名前が思い出せねぇ……

[シゲン]
メルヘンだろ
まったくふざけた野郎だったな

[ホームズ]
ああ、ヤツだけは許せねえ
アジトを見つけ出して
たっぷりと例をしてやる
大陸に渡るのはそれからだ
ウエルトを守ってやらないと
リュナンのヤツも心配だろうしな……

[シゲン]
ふっ……

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、セネー海西)

(背景、船上)

[リュナン](右)
オイゲン、マール港へは
無事に上陸できるだろうか

[オイゲン](左)
マール王国はバルトの敗戦以降
イストリア王国の占領下にあります
ギュネス国王はバルト戦の最中に
帝国へ寝返った卑劣な男
我らを快く迎えるとは考えられませぬ

とはいうものの、帝国との戦いを前にして
兵力の消耗は避けたいところ……
ここは少し様子を見て、リチャード軍の
到着を待っては如何でしょう

[リュナン]
マールのリチャード王子か……
先王が亡くなられた後は西部辺境に
逃れて再起を期していたと聞いたが……

[オイゲン]
はい、ティーエ王女を擁してからは
連戦連勝の勢いで、その軍勢はすでに
マール王宮の西にまで迫っておるとのこと

[リュナン]
ティーエ王女?

[オイゲン]
滅亡したレダ王国のただ一人の末裔だとか
美しく聡明な少女だともっぱらの噂です

永らくイストリアに囚われていましたが
家臣によって救出され
その後リチャード軍と共に
レダ同盟軍を率いております

[リュナン]
聖王国レダ……女神の戒めを破ったために
滅び去った王国か……

[オイゲン]
我がリーヴェと同じく
神君カーリュオンの血を受け継ぐ
4王国の一つでありましたが
聖竜クラニオンを復活させ
戦争に用いたことが国の滅亡を招きました

リュナン様もまたカーリュオンの血を
受け継ぐ、聖王家の一人
心せねばなりますまい

[リュナン]
そうだな
先の戦争では我が王家の水竜ミュースが
街一つを焼き払い数千人の人命を奪った

4聖竜は本来、人々を邪神から守る為に
女神ユトナが生み出したものだという
それを戦争の為に目覚めさせるなんて
絶対にあってはならないことだ

[オイゲン]
そう言えばあのカトリとかいう
娘には驚きましたな
火竜ネウロンを生み出す
聖竜の巫女だったとは……
あの娘が悪しき者に奪われれば
大変なことになりますぞ

[リュナン]
心配するなオイゲン
あの娘はホームズが守ってくれる
火竜ネウロンは
もう二度と現れはしまい

[オイゲン]
ならばよろしいのですが……

[リュナン]
いずれにしても、イストリアが
帝国と同盟していることは事実だ

レダ同盟軍が
マール王国の解放を目指しているなら
我々もその手助けをすべきだろう

マールへ上陸しよう
様子見は僕の性にあわない

[オイゲン]
はっ……
では、このまま西へ進みましょう
マール港へは、三日程度で
到着できると思います

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、マール王宮)

(背景、城門へ続く橋)

[アルベルト](左)
リチャード王子
ロレンス将軍が
左翼城壁を突破いたしました

[リチャード](右)
なに!……
ロレンスがやってくれたか!
よし、控えの諸侯らに攻撃命令を出せ
先陣は俺が引き受ける!

[アルベルト]
はっ!

[リチャード]
ティーエ、お前はここで待て
城下を制圧した後に迎えをよこす

[ティーエ](左)
リチャード、何を言っているの?
私も行きます、当然でしょう……

[リチャード]
マール王国は俺の祖国だ
まずは主人である俺が帰ってから
お前を客人として迎えたい

女のお前にはわからぬだろうが
ここは俺の顔を立てさせてくれ

[ティーエ]
……

[リチャード]
よし、アルベルト
攻撃力点を左翼に移せ
一気に城下へなだれ込むのだ!

[アルベルト]
はっ、承知いたしました!

(背景、王宮 玉座の間)

[部下(左)]
ロナルド殿下!
城壁が突破されました!
リチャード軍は城下になだれ込んでおり
もはや防ぐ手立てはありません!

[ロナルド]
やむをえんな
ここは撤退するしかあるまい……

[部下]
しかしロナルド様
帝国はどうして
援軍をよこさないのでありますか?
セネー海岸まで来ておりながら
兵を動かそうとはいたしません

[ロナルド]
遠征軍を預かるバルカ王子に
その気がないからだ
奴は火中のクリを拾うほどバカではない

[部下]
はぁ?……

[ロナルド]
ふっ……
バカなのはギュネス国王ただ一人よ
その器でもあるまいに
あらぬ野望を抱き、主家を滅ぼした
その報いは受けねばなるまい

[部下]
ロナルド様、それは……

[ロナルド]
父上に聞かれれば処刑は免れないか?
だがそんなことは
ティーエの逃亡を助けたときから
わかっていたことだ

あれは不思議な娘だ
リチャードは利用しているつもりだろうが
しょせんは手の上で踊らされているだけ
最後には俺と同じ運命をたどるのさ……

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、マールの港)

(背景、客間)

[メリエル](右)
おばさん
街が騒がしいわ
どうしたのかしら

[おばさん](左)
リチャード王子の解放軍が来たって話だよ
街の者たちはみんな大喜びさ
男たちは自分たちも戦うって騒いでるけど
まあ無理だね
足手まといになるのがオチさ

[メリエル]
ふーん……
私も手伝おうかな……

[おばさん]
なに言ってんのさ
アンタみたいなお嬢ちゃんが
戦えるわけないだろ

[メリエル]
おばさん、私はこれでも
大賢者マイオスの孫なのよ
魔法なら少しは自信があるの

[おばさん]
じゃ、お嬢ちゃんさ
アンタに人が殺せるのかい?
それとも殺した事があるのかい?

[メリエル]
それは……ないけど……

[おばさん]
だったらやめときな
戦争は男たちにやらせときゃいいのさ

あいつらはバカだから
戦うのが好きなんだ……

周りの迷惑も考えないで
戦争ばかりしてさ
アタシのロクデナシ亭主や
バカ息子も死んじまった

[メリエル]
おばさん……

[おばさん]
お嬢ちゃんは
兄さんを探す旅の途中なんだろ

だったら、戦いが終わるまで
ここで大人しくしてな

アタシもさぁ
どうせなら息子じゃなくて
アンタみたいな娘を
生んどきゃよかったね
そしたら、こんな寂しい思いを
しなくてもすんだのにね……

[メリエル]
おばさん……
わたし……ごめんなさい……

[おばさん]
ああ、ごめんよ
暗い話をしちまったね

さあ、何かおいしいものでも作るから
一緒に食べようね

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、マール王宮)

(背景、玉座の間)

[アルベルト](左)
リチャード様
敵は雪崩を打って敗走しております!
もはや勝利は間違いありません

[リチャード](右)
深追いはするなよ
今の我らにイストリアまで追いかける
余裕はないからな

[アルベルト]
セネーに駐留する帝国軍が
攻めて来るとお考えなのですか?

[リチャード]
そうだ
東からの攻撃に備えねばならん
まずは城の守りを固め
その後、ラゼリア軍との連携を図る

[アルベルト]
ラゼリア軍と申しますと?……

[リチャード]
どういう経緯かは知らぬが
ラゼリアの小僧がウエルトで兵をあげた
帝国から祖国を解放するなどと
馬鹿げたことを言っているそうだが
これを利用せぬ手はないだろう……

※ロジャーがホームズ軍、メルがリュナン軍にいる場合のみ

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス イスラ島)

(背景、海岸)

[ロジャー](左右不明)
ホームズ……
悪いが私はリュナン軍に戻る
私にはメルが必要なんだ

[ホームズ](左右不明)
ちっ……勝手にしやがれッ
女なんぞに振り回されやがって
お前なんかに用はねえよ!

[シゲン]
ふっ……
そりゃ女にモテねぇ奴のセリフだな……
行ってこいよ、ロジャー
俺たちに遠慮はいらねえぜ

※ロジャーがリュナン軍、メルがホームズ軍にいる場合のみ

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス イスラ島)

(背景、海岸)

[メル](左右不明)
ホームズ……
私はロジャーのところに戻ります
彼と離れたくないの
我が侭を言ってごめんなさい

[ホームズ](左右不明)
ちっ……勝手にしなよ
俺の知ったことじゃねえ

■マールの港に到着したとき

(フォーカス、マール王宮)

(背景、玉座の間)

[リチャード](左)
マール港にリュナン公子率いる
ラゼリア・ウエルト連合軍が
上陸したそうだ

たかが17歳の小僧だが
会わぬ訳にもいかぬだろう
やれやれ、面倒なことだな

[ティーエ](右)
リチャード王子、それは言葉が
過ぎるのではありませんか
その若さで人々を救うために
戦っているのです
わたしは立派な方だと思います

[リチャード]
ふっ……
奴の目的など知れたものではない
ティーエのように
物事をよい方ばかりに見ていたら
後で裏切られて泣くことになるぞ

[ティーエ]
私はそれでもかまわない
人を信じることができないのは
人間として、最も不幸なことだと思います

[リチャード]
ははは、ティーエは可愛いな
だからこそ俺が
好きでいられるというわけだ

[ティーエ]
!……

[リチャード]
フッ、そう怒るな
使いを向かわせたから
もうすぐここに来るだろう
会えばどんなヤツかはわかる

まあ、所詮は父親の名声を騙る若造だ
英雄とは名ばかりの
ただの飾り物にすぎぬだろうよ

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、マールの港)

(背景、客間)

[メリエル](右)
おばさん、ごめんなさい……
わたし、やっぱり行きます!

[おばさん](左)
いいよ、もう止めはしないさ
でも一つだけ覚えておいて

アタシの亭主と息子は
イストリアの侵略から
女や子供たちを守るために戦った
アタシはね
バカな男たちだといったけど
それでもやっぱり、誇りに思うのさ

アタシの亭主、アタシの息子……
アタシを守るために戦うと言ってくれた
お嬢ちゃん、忘れないで
大切なものを守るために戦うの
それだけは忘れないでね

(背景、街)

[メリエル](右)
メーヴェ様!?……
メーヴェ様でしょう!

[エンテ](左)
メリエル!?
どうしてあなたが……
レネ様の教会ではなかったの?

[メリエル]
ええ……
リシュエル兄様を探したくて
教会を抜け出してきました
帝国の監視も少しは
緩くなったかと思って……

[エンテ]
内緒で出てきたの?……
レネ様はきっと心配してるわ

[メリエル]
レネ姉様には手紙をおいてきました
すぐに帰るから心配いらないって

[エンテ]
メリエル……
あのね……

[メリエル]
もう決めたの
お小言なら聞きたくありません!

[エンテ]
ふぅ……
でも、どうしてマール港に?

[メリエル]
陸路は帝国軍に封鎖されているから
船しかないと思って……

でもリーヴェ行きの船はなくて
今日まで宿屋のおばさんに
お世話になっていたの

[エンテ]
それで……メリエルは
魔道士として戦うつもりなの?……

[メリエル]
わたしはガーゼルが憎いの……
おじい様を奪われ、その上
大好きなお兄様までも……

メーヴェ様、あたし……
もう……逃げるのは嫌!
お兄様を探しだして
私もガーゼルと戦います!

[エンテ]
メリエル……

※マルジュがリュナン軍にいるとき

[マルジュ](右)
エンテ
誰なんだ、この子は?

[エンテ]
水の神官家のメリエル
私とは従兄弟同士なの
マルジュ、いろいろと教えてあげてね
あなたと同じ魔道士だから

[マルジュ]
ふーん……
魔道士なのか?

[メリエル]
ええ、でもただの魔道士じゃないわ
水の神殿に伝わる光の魔道書を使えるの
ほら、このスターライトだって……

[マルジュ]
魔道書を誇ってどうする?
そんなものは使い切れば終わりだし
自分自身の魔力と技を磨かなければ
一人前の魔道士にはなれないぞ

[メリエル]
そ、そんな事くらいわかっているわ!
なによ、偉そうに!

[エンテ]
ふふっ
二人ともどうしたの?
会って早々にケンカだなんて
まるで子供みたい……

[マルジュ]
エンテ、僕は子供の面倒を見るほど
暇じゃない!

(効果音、足音)

[メリエル]
まっ……
待ちなさいよ!
くぅ〜、なんてヤな奴なの……

(背景、噴水のある中庭)

[エンテ](左)
リュナン様、お願いがあるのですが……

[リュナン](右)
なんだいエンテ
君が頼み事をするなんて珍しいな

[エンテ]
あの……この子をしばらく
預かりたいのです
私が責任を持って見ますから
置いてやっていただけませんか?

[リュナン]
君は……魔道士なのか?

[メリエル](左)
ええ、始めまして、リュナン様
わたし、メリエルといいます

[リュナン]
エンテ
よければ理由を聞かせてもらえないか?

[エンテ]
はい……彼女はリーヴェ神殿の大神官
マイオス様の孫娘なのですが……

[オイゲン](右)
な、なんと!?
水の神官家の娘だと言われるのか!

[メリエル]
はい!
二年前、神殿がガーゼル軍に襲われた事は
ご存知でしょうか?

[オイゲン]
その事件ならよく存じております
神聖なる水の神殿が賊に襲われ
大神官を始めとして多くの方々が
亡くなられた……

私などは、神官家の方全員が
亡くなられたものと思っておりましたが

[メリエル]
いえ……私は兄様に助けられて
脱出する事ができました

ブラードの街の教会に
従兄弟のお姉様がいらっしゃって
一年間身を寄せていました

でも兄からは何の知らせも無くて
もう心配で心配で……

[リュナン]
それで兄さんを探しに
一人で出てきたわけか……
オイゲン……

[オイゲン]
わかっておりまする
兄弟を思う気持ちは誰しも同じ
よいではありませぬか

水の神官家の一族とあらば
たとえ年若くとも有能な魔道士に
違いありませぬ
力を貸してくださるというなら
喜んでお受けいたしましょう

[リュナン]
いいだろう……だけどメリエル
僕の指示には従って欲しい
君を前線に立たせるつもりはないから
エンテ、それでいいだろ

[エンテ]
はい、無理を言ってごめんなさい
よろしくお願いいたします

[メリエル]
ありがとう、リュナン様、エンテ様
それに、おじさまも!

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、マールの港)

(背景、屋敷噴水のある中庭)

[アルベルト](左)
ラゼリアのリュナン様ですね
私はリチャード王子の部下
アルベルトと申します

我が主君が公子にぜひお会いしたいと
申しております
ご足労ですがマール王宮まで
おいで願えぬでしょうか

[リュナン]
ええ、喜んでお伺いいたしましょう
リチャード王子
それにレダ同盟のティーエ王女には
ぜひ一度
お目にかかりたいと思っておりました

■マール王宮に到着したとき

(フォーカス、マール王宮)

(背景、玉座の間)

[リュナン](左)
ティーエ王女
リチャード王子
ラゼリア公国のリュナンと申します

この度は王宮にお招きいただき
ありがとうごさいます


†○ございます ×ごさいます …誤字発見( ̄▽ ̄;(by ぬお〜さん)

[リチャード](左)
リュナン公子、非常時のことゆえ
そのような形どおりの挨拶は
抜きにしようではないか

俺はな、バルトの敗戦から
毎日のように戦ってきたのだ
それも常に部下の先陣に立ち
剣と槍を振るってきた
貴公子然としている小僧を見ると
反吐が出るほどむかつくのだよ

[リュナン]
それはわたしのことを
言われているのでしょうか
リチャード王子

[リチャード]
ほほう……
ヘラヘラと作り笑いをするか
それとも側近に泣きつくかと思ったが
なかなかの余裕だな、リュナン公子

[オイゲン](右)
リチャード王子!
我が主君を愚弄するのも
ほどほどにされよ
老いたりと言えどもこのオイゲン……

[リュナン]
オイゲン!
お前は黙っていろ!!

リチャード王子
何を試しているのです?
マールの獅子王子とも呼ばれるあなたが
一体なにを恐れているのです?

あなたの敵であるイストリアは
帝国と同盟している
マール王宮が奪われたとなれば
帝国も兵を進める事でしょう
マール王国は北と東から攻撃を受け
守る事さえ容易ではありません
我らウエルト・ラゼリア連合は
バルトへの侵攻にあたり
その重要な中継点である
マールの安全が必要です
お分かりですか、リチャード王子
我らは同盟する以外に道はないのです

[リチャード]
……
リュナン公子
あなたの言われるとおりだ

イストリアとの戦いを残す我らに
帝国へ振り向ける兵力は残されていない
つまり、貴軍との同盟は
我らこそ望むところなのだが
私は過去にバルトで裏切られ
マールでも裏切られた
その為に多数の部下たちを失い
己の甘さを悔いてきたのだ

ゆえに貴公が
信頼に値する人物かどうかを
試さずにはおれなかった
失礼は詫びる
どうか許していただきたい

[リュナン]
いえ、単に甘言を弄する
人物よりは信頼できます
あなたも私も
ギリギリの戦力で戦っている
同盟者の動向一つで勝敗が決まる以上
慎重であるのは当然でしょう

[リチャード]
いやいや、噂には聞いていたが
さすがはグラムド大公のご子息
その若さで大したものだ

リュナン殿
我が同盟軍の盟主であられる
ティーエ殿下にも
ぜひお会いいただきたい

[リュナン]
ええ、そのつもりで参りました

[リチャード]
リュナン殿
ティーエ殿下は
偉大なる聖王国レダの正当なる後継者
つまり、我ら
西部諸国の王族、貴族にとっては
遥かな昔より主筋にあたる
高貴な姫君です
どうか失礼の無いように
お願いいたしますぞ

[リュナン]
……承知いたしました

[リチャード]
ティーエ殿下
ラゼリア公爵家のリュナン殿です

[ティーエ](左)
リュナン様
トレンテ侯爵の娘、ティーエと申します

我が軍との同盟を
受けてくださったそうですね
わたくしも心より感謝いたします

[リュナン]
ティーエ王女
君はイストリアを征服したのち
どうするつもりだ?
レダ王国の再興を考えているのか?

[リチャード]
リュナン殿、無礼だぞ
口を慎め!

[ティーエ]
いえ……よいのです

リュナン様
私はイストリアの滅亡や
レダ王家の再興を
望んでいるわけではありません

ただ一つだけ
どうしても成し遂げたいことがあり
そのために人々の力を
結集したいのです
イストリアとの戦いも
その過程の一つでしかありません

[リュナン]
王女が成し遂げたいこととはなんだ?
よければ聞かせてくれないか

[ティーエ]
ガーゼル教国を滅ぼし
教皇グエンカオスを倒すこと
それが私に課せられた運命です……

[リュナン]
君がグエンを倒す?……

[ティーエ]
そうしなければ、私は
生涯怯え続けて暮らさねばなりません
私は逃げるより
挑む道を選びたいのです

[リチャード]
リュナン公子
王女はお疲れのようだ
もうそこらでいいだろう

[リュナン]
ティーエ王女
グエンは僕にとっても憎い敵だ
君とも無関係とは思えない
僕にできる事はないだろうか

[ティーエ]
ありがとう……
たぶん私たちはもう一度
お会いすることになりましょう

リュナン様、どうかお元気で
あなたの御武運を祈っております……

(背景、ワールドマップ)

(フォーカス、セネー海岸)

(背景、王宮 玉座の間)

[バルカ](右)
ケイモス将軍
変わりはないか?

[ケイモス](左)
こ、これはバルカ王子!?
このような最前線までおいでとは
恐れ入ります!

[バルカ]
当然だろう
私は皇帝より
この方面の指揮を委ねられている
将兵だけに苦労をさせて
我らが遊んでいるわけにもゆくまい
そんなことより、現状を報告せよ

[ケイモス]
はっ
本街道、海岸道とも、警備は万全です

[バルカ]
情報では
リュナン公子がウエルト軍を率いて
リーヴェを目指しているという
彼らはすでにマール港への
上陸を果たしたそうだ

[ケイモス]
その話は聞いております
ですがその実態は
敗残兵や民兵からなる
寄せ集めの軍隊とか
我が帝国将兵の敵ではありますまい

[バルカ]
卿はグラナダでの戦いを知っているのか?
その寄せ集めの軍隊のために
我が軍はどれほどの犠牲を
払ったと思うのだ

[ケイモス]
お言葉ですが
グラナダ攻略に手間取ったのは
ヴァルス提督の働きによるもの
たかが17歳の若者に
いかほどの事ができましょう

[バルカ]
リュナン公子を侮るな
彼の父親は我が兄と共に
魔竜クラニオンを討ち果たした
稀代の英雄

また母親は
神君カーリュオンの血を受け継ぐ
リーヴェ王家の女性である

久しく王家に有能な人物を
得なかったリーヴェの民は
リュナン公子を
「グラナダの英雄」と呼び
彼こそが祖国の解放を
成し遂げてくれるものと信じている

その若者が
ウエルト王国数千の軍隊を率いて
リーヴェ解放の為に戻ってくるのだ
容易ならざる事態だということが
卿にはわからぬのか

[ケイモス]
は……確かに
仰せのとおりでございます
申し訳ございません

[バルカ]
謝らぬとも良い
ただ、細心の注意を払って
この最前線を警備せよ

目下、後方のセネー基地に
軍団を集結中であるが
今しばらく準備が必要だ

それまでは
貴下の兵力で持ちこたえてくれ
数時間後にはわずかだが
援軍も送れるはずだ

[ケイモス]
はっ
この一命に変えましても、必ず!

[バルカ]
その心意気はよいが
持ちこたえるのが無理となれば
セネー基地に撤退せよ

卿も、卿の兵士たちも
我がカナン王国にとって
貴重な民草である
けっして無駄死にはならぬ
わかったか!

[ケイモス]
はっ!
仰せの通りにいたします!

(背景、ワールドマップ)

(セネー海岸にケイモス兵団が出現)

Thanks!!

本文を提供してくださった、ぬお〜さん、タチバナヒビキさん


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