最終更新日:2001/09/01
(リュナンたちが港へ上陸する)
(フォーカス:リュナン)
リュナン「 |
……オイゲン▼
ウエルト王国は我々と共に
戦ってくれるだろうか?▼
|
オイゲン「 |
先のバルト戦役で
ロファール王は消息を断たれ
主力騎士団もそのほとんどが
壊滅したと聞きます▼
いかに帝国の
横暴と脅威を訴えたとしても
説得するのは
容易なことではありますまい▼
|
リュナン「 |
……まずは、この国の内情を
把握すべきなのかもしれないな▼
|
リュナン「 |
そうだな、皆で手分けして
街の人たちの話を聞いてくれ▼
王宮に向かうのはその後だ▼
|
(マップ西からサーシャとケイトが現れる)
(フォーカス:サーシャ、ケイト)
(背景:海岸)
ケイト「 |
サーシャ様!▼
お急ぎください、このままでは
追いつかれてしまいます!▼
|
うつむくサーシャ「 |
はあっ、はぁっ……▼
ケイト……▼
私、もうだめ……▼
これ以上、走れない……▼
|
ケイト「 |
気弱なことをおっしゃらないでください!▼
ヴェルジェまであと少しです!▼
今しばらくのご辛抱を!▼
|
うつむくサーシャ「 |
でも……▼足が……▼
ううっ……!▼
|
ケイト「 |
……これは……!▼
足をくじかれていたのですね▼
これでは歩くことさえ辛いはず……▼
申し訳ありません
もっと早く気づくべきでした……▼
|
ケイト「 |
追手はここで私が食い止めます▼
その間にソラの港町までお逃げください▼
宿にでもお姿を隠して今夜一晩休めば
痛みもおさまるはずです▼
そしてサーシャ様だけでも
どうかヴェルジェに……!▼
|
うつむくサーシャ「 |
そんな!▼
ケイト一人を残しては行けないわ▼
|
ケイト「 |
私のことならご心配にはおよびません▼
私はこれでも王妃様をお守りする近衛騎士▼
コッダの兵士などに
遅れをとるものではありません▼
|
うつむくサーシャ「 |
ケイトが優れた騎士なのは知っています▼
でも相手は大勢なのでしょう▼
一人で戦うなんて無謀すぎます▼
|
ケイト「 |
たとえ無謀であったとしても
私はサーシャ様をお守りせねばなりません▼
それが近衛の騎士としての私の役割……▼
いえ、私の誇りなのですから▼
|
うつむくサーシャ「 |
ケイトは死を覚悟してるのね……▼
だめ!
そんなこと、私、絶対に許さない!▼
お願い、ケイト▼
ソラまで、我慢するから……▼
私、頑張るから……▼
だから、一緒に行きましょう▼
|
▲
じいさん「 |
本土ではほとんどの国が
帝国の支配下に入ったらしいな▼
だが帝国も、こんな辺境まで
進軍してはくるまいに▼
我らがロファール陛下は
リーヴェの窮地を見かねて
挙兵され、バルト要塞での
戦いで行方不明となられた▼
素晴らしい王であったのに……▼
その人の良さが災いするとは
皮肉な話だな▼
問題は、陛下なき後の
この国の行く末だ……▼
残されたリーザ王妃と
サーシャ王女の母娘だけでは
この国も長くは保てまい……▼
おっと、長話を聞いてくれた
お礼にこの剣を差し上げよう▼
ありふれた物だが
わしが使いこんだ分
切れ味がよいかもしれんぞ▼
|
(「てつの剣をてにいれた」)
▲
大柄の男「 |
港に来たでっかい船
あれグラナダの私掠船だろ?▼
……えっ、あんたたち
あれに乗って来たってのか!?▼
一体何者なんだ
あんたたち……▼
本土からウエルトくんだりまで
何のために来たか知らないが
揉め事だけは起こすなよ▼
ただでさえ今
この国は、ゴタゴタの
真っ最中なんだからな……▼
ん? なんだ?▼
ああ、このクスリか?▼
港で拾ったんだけど
何の役に立つのかわからねぇ▼
いいぜ
欲しいならもってゆきな▼
|
(「WLVプラスをてにいれた」)
▲
(背景:訓練所)
訓練所のオヤジ「 |
ここは水兵訓練所▼
海の上を我が物顔でのさばっている
海賊どもと戦う海の戦士
水軍兵を養成するところだ▼
|
※スキル「海の戦士」を習得しているユニットで訪問した場合
訓練所のオヤジ「 |
君はすでに立派な海の戦士だ!▼
ここで教えることは何もない▼ 君の友人に
海の戦士を目指す人物がいたら
ぜひここへ連れてきてくれ!▼
|
※スキル「海の戦士」を習得していないユニットで訪問した場合
訓練所のオヤジ「 |
ほう、君はなかなか
才能がありそうだな▼
よし、海上での
戦いのコツを教えてやろう▼ |
(選択肢)
「よし!おしえてもらおう」
「かんがえなおそう」
※「よし!おしえてもらおう」を選択した場合
訓練所のオヤジ「 |
そもそも、海の上での
戦いというものはだな……▼
(画面暗転)
よし、これで君はもう
一人前の海の戦士だ!▼
海の上では、今まで以上に
活躍できることだろう!▼
頑張って
海上に巣くう悪党どもを
こらしめてやってくれっ!▼
|
(「海の戦士のスキルをおぼえた」)
※「かんがえなおそう」を選択した場合
訓練所のオヤジ「 |
そうか……▼ 気が向いたらまた来てくれ!▼
|
▲
※4ターン目までに訪問した場合
じいさん「 |
南の跳ね橋は
潮の満ち引きに合わせて
上がり下がりするように
なっとるんじゃ▼
まだ下りてないのなら
そのうち下りるはずじゃて▼
ちょいと
待ってみてはどうかの?▼
|
※5ターン目以降に訪問した場合
じいさん「 |
南の跳ね橋は
潮の満ち引きに合わせて
上がり下がりするように
なっとるんじゃ▼
一度下りたらもう当分は
上がることはないじゃろうて▼
安心して渡りなされ▼
|
▲
(背景:木造の民家A)
じいさん「 |
ほほう……▼
ヴェルジェから来た
解放軍とはあんたたちのことか▼
この地は代々コッダ伯爵家の領地じゃが▼
今の当主は酷い奴でのぉ▼
わしら領民は大変な目にあっておる▼
ロファール王さえいてくだされば
こんなバカなことには
ならなかっただろうに……▼
聖騎士ロジャーもまた、憐れな男での▼
早くして父親を無くしたため
一族の当主となったが
それゆえに身動きが取れぬのじゃ▼
誠実な若者ゆえにさぞ辛かろうの▼
うん?▼
ああ、シスターメルのことか?▼
彼女はもともと
マルス神殿の修道女じゃったが
ふとした事から聖騎士ロジャーと
愛し合うようになっての▼
だが修道女に恋愛は許されぬでな▼
思い余ったメルは神殿を出て
彼の元に走ったというわけじゃ▼
いわゆるひとつの
駆け落ちというヤツかのぉ……▼
おっとそうじゃ▼
長話を聞いてくれたお礼に
この「とおいやしの杖」をやろう▼
遠距離でも使えるいやしの杖だから
「遠・いやしの杖」と呼ぶのじゃが▼
一部不届き者は
「遠い・ヤシの杖」だと思っておる▼
愚かなる事山の如しじゃな……▼
|
(「おまもりをてにいれた」)
▲
娘「 |
つい半年前まで
このウエルトは
平和で穏やかな国でした▼
そう、ロファール陛下が
バルト戦役に向かわれて
国を留守にされるまでは……▼
陛下の留守をいいことに
宰相となったコッダ伯爵の
横暴で、この港もすっかり
活気を失ってしまいました▼
宰相の兵がやってきては
船の積荷に法外な税金をかけ
何もかも根こそぎ
奪ってゆくのです▼
こんな状態ではとても
私たちは生きてゆけません……▼
ああ、ロファール陛下さえ
ご健在であられたなら……▼
あ、ごめんなさい▼
初めてお会いする方に
グチを聞かせてしまうなんて▼
お詫びといってはなんですが
この革の盾をお持ち下さい▼
父の形見なのですが
お役に立てば嬉しいです▼
|
(「かわのたてをてにいれた」)
▲
おばさん「 |
へえー▼
あんたたちがグラナダの
勇者なのかい▼
帝国相手に1年も
戦ったって言うから▼
どんなにすごい男たちかと
思ってたけど、なんだ
可愛いボウヤじゃないか▼
まあいいさ▼
せっかく来てくれたんだ▼
この薬草を持って行きな▼
|
(「やくそうをてにいれた」)
▲
(マップ西からコッダとルース率いるコッダ軍団が出現)
(フォーカス:コッダ)
(背景:森林)
コッダ「 |
ようやく追いついたようだな▼
ルースよ、あとはお前が指揮を取れ▼
王女を捕らえて、王宮まで連れ戻すのだ▼
|
コッダ「 |
フンッ、たかが女一人
なにほどのことがあろう▼
かまわぬ、殺せ!▼
|
(背景:フィールドマップ)
(コッダがマップ西の方に行きマップ上から消える)
▲
(フォーカス:サーシャ)
(背景:木造の橋の上A)
うつむくサーシャ「 |
だめ……▼
もう動けない……▼
|
▲
(フォーカス:跳ね橋)
(跳ね橋が下りる)
(フォーカス:リュナン)
(背景:酒場A)
オイゲン「 |
リュナン様、跳ね橋が下りたようです▼
そろそろ出発いたしましょう▼
|
▲
(フォーカス:リュナン、サーシャ)
リュナン「 |
どうしたんだ?▼
あの兵士たちに追われているのか?▼
|
オイゲン「 |
リュナン様
話しているヒマはありませぬぞ▼
まずは奴らを追い払いましょう▼
|
リュナン「 |
そうだな▼
追手は僕たちが引き受ける▼
君は安全な場所に……▼
戦いが終わったら、話を聞かせてもらう▼
|
(サーシャが仲間になる)
※ケイト生存時
(フォーカス:ケイト)
ケイト「 |
異国の騎士が?……▼
一体何者なの……▼
|
▲
※サーシャと戦わせた場合
ルース「 |
王女に手荒な真似は
したくないのだがな……▼
|
※それ以外のユニットと戦わせた場合
▲
▲
(背景:森林E)
オイゲン「 |
リュナン様
兵士たちは逃げてゆきましたぞ▼
|
オイゲン「 |
無事、保護いたしました▼
こちらに……▼
|
リュナン「 |
彼らはウエルトの兵士たちのようだが
なぜ君たちを追っていたんだ?▼
それに君は高貴な家柄の人のようだが……▼
|
オイゲン「 |
リュナン様
まだお気づきになられませぬか▼
この方はウエルト王国の王女
サーシャ様でございますぞ▼
|
リュナン「 |
そうだったのか……▼
すまない、気づかなかった……▼
|
サーシャ「 |
お会いしたのは
もうずいぶん昔のことですもの▼
忘れておられてもしかたありません▼
でも……▼私はすぐにわかりました▼
わずかな間だったけど、リュナン様には
優しくしていただきましたから……▼
|
リュナン「 |
父上と共にウエルトを訪れたのは
僕がまだ10歳のときだった▼
幼い王女と遊んだ記憶はあるが
それがまさか君だなんて……▼
すっかり見違えてしまってわからなかった▼
|
サーシャ「 |
あなたは、リュナン様の守り役だった……▼
えっと……▼
|
オイゲン「 |
オイゲンでございます、サーシャお嬢様▼
|
サーシャ「 |
そうだわ、オイゲン将軍ね▼
覚えていてくれてありがとう▼
|
リュナン「 |
……サーシャ王女
事情を聞かせてくれないか▼
この国はどうなっている?▼
王女である君が
どうして追われなければならないんだ?▼
|
サーシャ「 |
リュナン様は
バルト戦役のことをご存知でしょうか?▼
|
リュナン「 |
話は聞いている▼
半年前、バルト要塞を巡って
西部諸国同盟と帝国の大きな戦があり
西部同盟の大敗北に終わったと……▼
西部同盟軍を指揮していたロファール王は
行方不明になられたとも聞いている▼
|
サーシャ「 |
ええ……▼
あの戦い以来、お父様の所在は不明です▼
お父様と共に出陣した諸候や騎士たちも
その多くは戦死し
国に戻れたのはほんの一握り▼
そのために国の治安は乱れ
野心を持つ者たちが
好き勝手なことをするようになりました▼
|
リュナン「 |
しかし、ウエルトほどの大国が
たった一度の敗戦で
それほど乱れるものかな▼
ロファール王は大陸5賢王の
一人に数えられるほどの方だ▼
国を離れるにあたっては
信頼できる者に留守を託したはずだが▼
|
サーシャ「 |
ええ、有力貴族のコッダ伯爵が
国の守りを託されました▼
でも、最近になって
コッダ伯爵に野心が芽生え▼
前宰相が老齢で病に伏せるや
自ら宰相となって▼
民に重税を課したり
反対する家臣たちを勝手に追放したりと▼
その横暴は日に日に
ひどくなるばかりで……▼
|
リュナン「 |
国王の留守を良いことに
王国を我が物にするつもりか▼
君の母上……▼
リーザ王妃はどうされている?▼
|
サーシャ「 |
コッダの野心に気付いた母は
彼を追放して
マーロン伯を宰相にと決意され
その命令書を作られたのですが……▼
|
サーシャ「 |
東のヴェルジェを領地とする
父の臣下の一人です▼
老齢ゆえにバルト出陣には
加えられませんでしたが
忠節の志し厚く、国民も慕う立派な方です▼
父上は出陣にあたり、マーロン伯に
宰相を務めるよう求められましたが
伯は「その器にあらず」と固辞され▼
今もまだ、ヴェルジェ砦に
引き込まれたままなのです▼
|
リュナン「 |
そうか……▼それで
サーシャがその命令書をたずさえて
ヴェルジェに行こうとしているのか▼
|
サーシャ「 |
お母様は近衛騎士のケイトに
命令書を託されたのですが▼
もしことが知れた場合に
私が人質になることを恐れて
一緒に行くようにと言われました▼
|
リュナン「 |
事情はだいたいわかった▼
それなら僕たちもヴェルジェに行こう▼
そのマーロン伯といわれる方に
僕もお会いしたい▼
|
サーシャ「 |
でもどうしてリュナン様がウエルトに?▼
グラナダで帝国軍と戦っておられることは
噂で聞いていましたが……▼
|
リュナン「 |
それはまた後で話そう▼
コッダの増援が来ないうちに
出発したほうがいいだろう▼
|
(Now Loading...)
(背景:ワールドマップ)
(フォーカス:ウエルト王宮)
(背景:王室)
コッダ「 |
リーザ王妃様、ご機嫌は如何でしょう▼
至らぬことがあれば、なんなりと
このコッダにお申しつけ下さい▼
|
リーザ「 |
伯爵、私をいつまでこのような部屋に
閉じ込めておくつもりなのです▼
ロファール王の家臣として
恥ずかしくはないのですか▼
|
リーザ「 |
聞けば
あなたは帝国に和を請うつもりだとか▼
そのようなことをロファール王が
お許しになると思いますか▼
あなたは王が帰国されたら
どのように弁明するおつもりですか?▼
|
コッダ「 |
リーザ様、まことに残念ではありますが
ロファール王はすでに亡くなられたのです▼
私は宰相として、この国を守らねば
なりませぬゆえ……▼
|
リーザ「 |
王はご存命です▼
妻である私にはわかるのです……▼
コッダ伯爵、民を苦しめるのはやめなさい▼
もうこれ以上
過ちを繰り返してはなりません▼
|
コッダ「 |
むっ……▼いくら王妃とはいえ
それはあまりなお言葉ですな▼
私がいくらお人よしでも
限度と言うものがありますぞ▼
|
リーザ「 |
私を脅すつもりですか▼
ならば一思いに殺しなさい▼
あなたは謀反人として、後世まで
その名を残すことになりましょう▼
|
リーザ「 |
コッダ伯爵、▼御用がお済みなら
もう休ませていただけませんか▼
少々、疲れましたゆえ……▼
|
(背景:王座の間A)
コッダ「 |
くっ……▼
王妃め、言わせておけば……▼
いっそ一思いに……▼
|
側近「 |
それはなりませぬぞ▼
今、王妃様を害すれば
日和見の諸候たちも
コッダ様に敵対いたしましょう▼
ウエルト王家は
サザーラント将軍以来の名門▼
敵に回すことは得策ではありませぬ▼
|
側近「 |
王妃の強気はマーロン伯あってのこと▼
マーロンさえ亡き者になれば
王妃も折れてまいりましょう▼
|
コッダ「 |
そうだな……▼
マーロンとの決戦を急がねばならん▼
このままでは日和見の諸候どもが
裏切るかも知れぬでな……▼
|
(背景:ワールドマップ)
(フォーカス:ヴェルジェ)
(背景:屋内・部屋)
ラフィン「 |
父上、準備が整いました▼
これより出発いたします▼
|
マーロン「 |
まて、ラフィン▼
ソラの港から連絡が入った▼
サーシャ王女は無事
こちらに向かっておられるそうだ▼
|
ラフィン「 |
どういうことです?▼
コッダの追手が迫っていると
聞いていましたが……▼
|
マーロン「 |
ソラの港に上陸した騎士団が
王女を保護してくれたらしい▼
数十人の少勢らしいが
なかなか勇猛であったそうだ▼
|
ラフィン「 |
騎士団が?▼
まさか帝国の侵攻では……▼
|
マーロン「 |
いや、青き聖竜の旗を
掲げていたということだ▼
|
ラフィン「 |
青き聖竜の旗といえば
リーヴェの紋章……▼
|
マーロン「 |
リーヴェ本家、あるいは4公国の
騎士団ということになるが
おそらくラゼリア公国軍であろうな▼
数日前にリーヴェ最後の砦であった
グラナダが陥落したそうだ▼
|
ラフィン「 |
では、リュナン公子が手兵を連れて
逃れてきたと言われるのですか?▼
しかし、なぜ我が国へ……▼
|
マーロン「 |
ラゼリア大公とロファール陛下は
共に大陸5賢王と呼ばれた親しい間柄だ▼
このたびの出兵も、陛下には
仇討ちの気持ちがあったのだろう▼
そのラゼリア大公の子息が国を失い
我がウエルト王国を頼ってきたのだ▼
別に不思議なことではあるまい▼
|
ラフィン「 |
リュナン公子といえば
帝国の大軍を相手に戦い抜いた
若き英雄だと言われていますが
父上はどう思われます?▼
|
マーロン「 |
まだ二十歳にもならぬ若者だ▼
英雄と呼ばれるには早かろう▼
民衆は、非業の死を遂げた
英雄グラムドの姿を公子に重ね
過大な期待を抱いておるのだろう▼
|
マーロン「 |
おそらくな……▼
だが、その騎士たちが何者であっても
王女救出の礼は言わねばならぬ▼
ラフィン、お前は城門に出て
彼らを迎え入れよ▼
相応の礼儀は必要じゃ……▼
|
エステル「 |
兄上、私もご一緒していい?▼
それともお邪魔かしら?▼
|
エステル「 |
王女とは久しぶりの再会でしょう▼
二人っきりのほうがいいかなと思って▼
|
ラフィン「 |
バカを言うな▼
俺はウエルト王国の騎士として
王女に忠誠を誓っている▼
ただそれだけの事だ▼
|
エステル「 |
ふふっ、相変わらずね▼
こんなときこそ、優しい言葉の一つも
かけてあげれば王女も喜ぶのに……▼
|
ラフィン「 |
エステル▼
余計なことに気を回している暇があるなら
もっと修練に励んではどうだ▼
父上はお前が騎士になることに反対だった▼
だが俺は、父上の力になりたいと言う
お前の言葉を信じて賛成したのだ▼
俺はいずれ祖国へ帰らねばならぬ▼
いつまでも、お前を
守ってやれるわけではないのだぞ▼
|
エステル「 |
私は一度だって
守ってくれなんて頼んでないわ!▼
(効果音:去っていく足音) |
マーロン「 |
ラフィン
お前はエステルを甘やかしすぎる▼
妹だとはいえ、血は繋がっておらぬのだ▼
他の騎士たちの目もある、▼注意せよ▼
|
(背景:ワールドマップ)
(フォーカス:ソラの港)
(背景:街道)
サーシャ「 |
そうだったの……▼
ではグラムドおじさまも……▼
|
リュナン「 |
ああ▼
ミュースのブレスに焼かれて死んだ▼
父は戦いを止めようと必死だった▼
ようやく休戦の調印ができると
喜び勇んでノルゼリアに向かったのに▼
そこで帝国が復活させた
聖竜ミュースに襲われて
数千人の人々と共に
一握りの灰になってしまった……▼
|
サーシャ「 |
そんなこと……▼
あの優しかったグラムドおじさまが……▼
|
サーシャ「 |
……おじさまは何度もウエルトを
訪ねてくださいました▼
私には、自分の娘であるかのように
優しくしていただいて▼
最後にお会いしたときなどは
ラゼリアに遊びに来ないかとまで
言ってくださいました▼
|
オイゲン「 |
グラムド大公はサーシャ様が可愛くて
たまらなかったようですな▼
できることなら
我が公国の嫁にほしいものだと
おっしゃっておられましたが▼
サーシャ様はウエルトの
ただ一人の王位継承者ゆえ
それもなるまいと
ため息をついておいででした▼
|
サーシャ「 |
えっ、オイゲン、本当なのですか?▼
私は王位など継がないわ▼
父もそんなことは望んでいなかった▼
おじさま……▼
言ってくださればよかったのに……▼
|
オイゲン「 |
ではサーシャ様は
ラゼリアに来てくださいますと?▼
|
▲
(背景:砦前)
悲しむサーシャ「 |
ラフィン!!▼
どうして迎えに来てくれなかったの▼
ラフィンが迎えに来てくれると信じて
脱出したのに、放っておくなんて酷い!▼
|
ラフィン「 |
申し訳ありません▼
王女脱出の知らせが入ったのは昨夜▼
急なことゆえ準備に手間取り
出発が遅れました▼
|
悲しむサーシャ「 |
ラフィンは私のことなんて
どうでもいいのね▼
信じていたのに酷い……▼
|
サーシャ「 |
ふふっ▼
うそよ、ラフィン▼
ちょっとからかってみただけ▼
|
サーシャ「 |
あ、怒ったの?▼
だってラフィンはいつも冷静なんだもの▼
慌てる様子が見たかったの▼
でも、怒ったのなら謝ります▼
ごめんなさい……▼
|
オイゲン「 |
……サーシャ様▼
よろしければご紹介願えませんかな▼
|
ラフィン「 |
ヴェルジェの領主マーロンの子
ラフィンです▼
お話を伺う前に
まずは館にお入りください▼
父上もお待ちしております▼
|
(背景:屋内・部屋)
マーロン「 |
……▼
なるほど、そのような事情でしたか▼
青き聖竜の軍旗と聞き
もしやと思っておりましたが
やはりリュナン殿でしたか▼
それで当地へは、兵を募りに
参られたわけですな▼
|
オイゲン「 |
さようです▼
ラゼリアはリーヴェ4公国の一つとして
大陸でも有数の
騎士団を擁しておりましたが▼
相次ぐ戦いによってそのほとんどを失い
今や数十名の兵士を残すのみ▼
これでは祖国奪回もままならず
かねてより親交厚いウエルト王国に
援助を求めて参ったのです▼
|
マーロン「 |
だが、すでにご存知の通り
我が国も内乱のさなかにあります▼
ウエルト王宮は、親帝国派の宰相に
牛耳られ、王妃の安否さえ不明です▼
これでは兵をお貸しするなど
とても不可能ですな▼
|
リュナン「 |
マーロン伯爵、コッダ宰相とは
どのような人物なのですか?▼
|
マーロン「 |
国祖サザーラント家の血を引く
名門貴族で、王都の北に広大な領地を
持っております▼
ただ、その性格は軽薄にして残忍▼
領民に過酷な税を課し、娘を奪い
逆らうものはみな処刑するという
有り様です▼
|
リュナン「 |
そのような男を
なぜ野放しにしておくのです▼
なぜ王宮から追放できないのです?▼
|
マーロン「 |
ご存知のように
我が国は半年前のバルト戦役で
多大な損害をこうむりました▼
出陣にあたっては
コッダを始めとする諸候の大半が反対し
休戦を求める帝国との
平和共存を望んだのですが▼
邪教ガーゼルと手を組んだ帝国を
そのまま放置すれば、やがて世界は
破滅に向かうと国王は申されて▼
王家に忠誠を誓う、心有る諸候たちは
みな王と共に出陣いたしました▼
|
オイゲン「 |
なるほど▼
それで生き残った諸候たちは
コッダのようなくだらぬ
男ばかりというわけですか▼
|
マーロン「 |
さよう▼
恥ずかしながら、私も
生き残った一人でありますが……▼
|
リュナン「 |
王はあなたを信頼して
留守を託されたのでしょう▼
コッダの野望を
阻止する方法はないのですか?▼
|
マーロン「 |
これまで何度も諫めてまいりましたが
彼は聞く耳を持ちませぬ▼
この上は、武力をもって
王都の解放をなすしかありませぬが
我がヴェルジェの兵力だけでは
それもかなわぬのです▼
|
マーロン「 |
それもありますが▼
我がヴェルジェの主力騎士団は
長男と共にバルトへ出陣し
今残っているのは、次男ラフィン配下の
わずかな兵士だけなのです▼
その上
我らが身動きできぬのをよいことに
トーラスの山賊どもが出没し
日々、村々を襲っております▼
私には彼らを守る義務があり
この砦を空けることすら
容易ではないのです▼
|
リュナン「 |
……わかりました▼
その山賊討伐は我らがいたしましょう▼
しばらくは立ち上がれぬ程度に
討伐してまいります▼
その上で、ウエルト王国解放の
ご相談をさせていただけませんか▼
|
マーロン「 |
むろん私に異存はございませんが
お願いしてもよろしいのですか?▼
|
マーロン「 |
ではラフィン、お前も行くがよい▼
ラゼリアの方たちだけでは
地理も不案内であろう……▼
|
ラフィン「 |
だめだエステル▼
お前は砦に残っていろ!▼
|
マーロン「 |
いや……▼
よかろうエステル▼
騎士となったからには戦いは避けられぬ▼
我が娘として恥ずかしくない戦いをせよ▼
|
マーロン「 |
リュナン殿、有能な者をあと1名
お付けいたします▼
どうぞ、こちらへ▼
|
(Now Loading...)
▲
Thanks!!
本文を提供してくださった、飛竜さん、小泉八雲さん 追加・修正してくださった、雪風翔さん 編集を手伝ってくださった、飛竜さん
Copyright © by Kawakicha. All Rights reserved.
|