(背景、エレブ大陸、右にニニアンが表示)
ニニアンは死んだ。▼
(ニニアンが消え、左にネルガルが表示)
ネルガルの哄笑だけが
うつろに響く中・・・▼
(ネルガルが消え、右にヘクトルが表示)
一行はヘクトルの提案で
ひとまずオスティアへと向かった。▼
(ヘクトルが消え、マップ上のエリウッドがオスティアに移動)
疲れきった皆に休息を与え、
体勢を立て直さなくてはならない。▼
オスティアは、リキアで
最も堅牢な守りを誇る城塞都市。▼
いかなる敵も、容易には
手を出せぬ場所のはずだった。▼
(「29章 悠久の黄砂」)
(フィールドマップ、オスティア城内に入るエリウッド達)
(背景、城内入口)
[オスティア兵](左)
ヘクトル様!▼
ご無事でのご帰還、
お喜び申し上げます。▼
[ヘクトル](右)
兄上は?▼
[オスティア兵]
はっ。▼
先日、エトルリア王国との
会議にご出発なさいました。▼
お戻りは半月後になると
うかがっております。▼
[ヘクトル]
エトルリアに?
しょうがねえな。▼
とにかく、
部屋を用意してくれ。▼
みんなを休ませたい。▼
[オスティア兵]
はっ。▼
(兵士が消え、暗転)
(フィールドマップ、城の部屋、ヘクトルにカーソル)
(背景、城内部屋)
[ヘクトル](右)
・・・じーさん、あんた
なんか知ってんだろ?▼
教えてくれよ!
俺たちは、どうすりゃいいんだっ!▼
[アトス](左)
そうじゃな・・・▼
・・・おまえたちには
知る権利があるだろうな・・・・・・▼
(フィールドマップ、アトスが1マス上に移動、音楽が変わる)
(背景、砂漠で出会ったアトスとネルガルの1枚絵)
[アトス]
・・・ネルガル、▼
奴と出会ったのは500年も昔、
ナバタ砂漠でだ。▼
奴も、わしと同じく
この世の真理に魅せられた者だった。▼
自分と同等の力、知識を持つ
わしらは、すぐに意気投合した。▼
二人でかかれば、この世の謎
すべてを解き明かせると・・・▼
・・・そう思った。▼
[リン]
それが、どうして?▼
[アトス]
究極といえる高みでの、
思想の不一致だよ。▼
わしらは、ナバタ砂漠を
散策するうち、▼
一つの不思議な村を見つけた・・・▼
信じられんことに、
そこでは、人と竜が・・・▼
手を取り合い、共に暮らしていた。▼
[ヘクトル]
人と竜が?▼
いっしょに暮らしたり
・・・できるものなのか?▼
[アトス]
わしらも、
最初は目を疑ったよ。▼
だが、それは
本当に存在した。▼
[リン]
それは・・・
・・・すごいわ。▼
[アトス]
目の当たりにする
竜の姿。▼
・・・それは、かつて▼
わしが神将の一人として
戦ったものとは、▼
似ても似つかないものだった・・・▼
(フィールドマップ、エリウッドが部屋に来る)
(背景、フィールドマップ)
[ヘクトル](左、アトスの右)
・・・!▼
エリウッド・・・おまえ▼
[エリウッド](右)
・・・・・・
続けてください・・・▼
[アトス](左、ヘクトルの左)
・・・うむ。▼
(背景、理想郷でのアトスの1枚絵、音楽が変わる)
[アトス]
・・・彼らは、人竜戦役のとき
人と戦うことを嫌い、▼
そこに逃れてきたのだという。▼
人目を逃れて暮らすことを
望む彼らに、わしとネルガルは▼
魔法で結界をはった
オアシスを作り出し・・・▼
そこに彼らを招き住まわせた。▼
そこでの生活は・・・▼
とても穏やかで、
満たされたものだったよ。▼
いつしかその村は
【理想郷】と呼ばれ、▼
迷い込む旅人の
やすらぎの場となった。▼
[エリウッド]
・・・理想・・・郷。▼
[アトス]
・・・竜族の知識は、
わしらを夢中にさせた。▼
むさぼるように
彼らの言語、歴史を学んだ。▼
100年、200年・・・
時は瞬く間に過ぎてゆき、▼
・・・わしらの考えは少しずつ
別の方向へと分かれていった。▼
[リン]
・・・どんな風に?▼
[アトス]
・・・わしは、
竜の英知を他の者にも伝え、▼
いつか・・・この理想郷を
もっと広げていければと考えた。▼
[ヘクトル]
・・・ネルガルは?▼
[アトス]
竜の知識を使い・・・▼
他の生き物から【エーギル】を奪い、
己の力を増す術を発見した。▼
(背景、ネルガルとモルフ達の1枚絵、音楽が変わる)
[アトス]
・・・恐ろしいことだった。▼
それに気付いたわしと長老は
ネルガルにやめるよう、強く説いた。▼
・・・じゃが、力に魅せられた奴は
耳を貸そうとはせんかった・・・・・・▼
始めは小さな生き物から、
小動物に・・・犬から馬になり・・・▼
そして、その対象が
人に移った時・・・・・・▼
わしは、村の民と力を合わせ
奴を・・・倒した。▼
いや、正確には
倒したつもりだった、か。▼
[エリウッド]
・・・・・・▼
[アトス]
・・・死を免れたネルガルは、
ベルンに逃れ・・・▼
わしらに見つからぬよう
力をためていたのだ・・・▼
たくさんの【エーギル】を使い、▼
自分の意のままに動く
【モルフ】という人形を作り出した。▼
人を魅了する容姿、
人を越える頭脳・・・▼
おぬしらも何度か
目にしておるはずだ。▼
黒い髪に青白い肌・・・
唇は血塗られたように赤い。▼
・・・何より印象に残るのは
金に光る双つの瞳・・・▼
(背景、フィールドマップ、曲が変わる)
[オスティア兵](右、姿は見えない)
敵襲! 敵襲ですっ!!▼
(ヘクトルが左に出現)
[ヘクトル](左)
なん・・・だとぉっ!?▼
(右から兵士が登場)
[オスティア兵](右)
ヘ、ヘクトル様っ!▼
大変ですっ!! 謎の一団が
城内に入り込みました!!▼
[ヘクトル]
城に入り込まれるまで
どうして気付かなかった!?▼
[オスティア兵]
いきなり、何もないところから
わいて出てきたのですっ!!▼
突然の奇襲に、
城の守備兵団は壊滅状態です!▼
[ヘクトル]
まさか・・・ 難攻不落と名高い
このオスティア城に▼
そんなに簡単に進入されて
たまるかよっ!!▼
(アトスがヘクトルの左に出現)
[アトス](左、ヘクトルの左側)
ネルガルじゃ。
・・・やつが手下どもを▼
魔道の力によって
送り込んできたのじゃ!!▼
[ヘクトル]
ちくしょう・・・ なめやがって!▼
なんとしても
玉座だけは死守するぞ!▼
兄上の留守に
城を奪われるわけにはいかねぇ!!▼
(ヘクトル、オスティア兵が消え、右にリンが出現)
[リン](右)
待って! ヘクトル!!
私も行くわ!!▼
(リンが消え、左端にうつむいたエリウッドが出現)
[エリウッド](右)
・・・・・・▼
(エリウッドが顔を上げ、消える。アトスもそれに続き消える)
※軍師がいる設定の場合のみ
(背景、城内)
[ヘクトル](右、正面向き)
マーク! おまえが頼りだっ!
なにか策をくれ!!▼
いくらかの間もたせれば
近くの砦から援軍が来るはずだ!▼
(背景、フィールドマップ)
※軍師がいる設定で、ヴァイダを出撃させている場合のみ
[ヴァイダ](右)
なんだい!?
弓兵だらけじゃあないか?▼
マーク! あんたあたしに恨みでも・・・
なんだって?▼
ふん、わかってんじゃあないか。▼
このヴァイダ様はね、
ただの竜騎士とはわけが違うのさ!▼
マーク! あたしの戦いぶりを
ちゃんと見ときなよ!▼
[デニング](左)
・・・ネルガル様からの
伝言を伝えます。▼
私は【魔の島】で、
お前たちを待っている・・・▼
ネルガル様からの
伝言を伝えます。▼
私は【魔の島】で、
お前たちを待っている・・・▼
ネルガル様からの・・・
(自動で会話が終了される)
(ヘクトルにカーソル)
[ヘクトル](右)
全軍に伝える!!▼
城の兵は持ち場にて
動かず守りを固めろ!!▼
とにかく、増援が到着するまで
持ちこたえることに専念するんだ!!▼
(リンにカーソル)
[リン](右)
エリウッド!▼
(左にエリウッドが出現)
[エリウッド](左)
!▼
[リン]
・・・無理はしないで。▼
[エリウッド]
・・・大丈夫、
僕はそこまで弱くないさ。▼
(エリウッドが消える)
[リン]
・・・・・・▼
(マップ左側の階段からニルスと兵士が出現)
[ニルス](右)
・・・・・・
・・・ニニアン・・・▼
[オスティア兵](左)
き、君! ヘクトル様の
お客人だね?▼
こんなところにいたら
あぶないじゃないか!!▼
あちらの部屋に隠れているんだ。
わかったね?▼
(兵士が消える)
[ニルス]
・・・・・・・・・▼
(マップの兵士とニルスが階段へ消える)
[デニング](左)
ネルガル様からの
伝言を伝えます。▼
私は【魔の島】で、
お前たちを待っている・・・▼
[デニング](左)
ネルガ・・・様からの・・・▼
伝・・・えま・・・▼
(マップ下方からオスティア兵達が出現)
(背景、フィールドマップ)
[オスティア兵](左)
ヘクトル様!
ご無事ですか!?▼
ヘクトル様をお守りするのだ!
オスティア重騎士団、突撃せよ!▼
(オスティア兵数人がマップ上方に移動、暗転)
(背景、城内)
[ヘクトル](右)
なあ、じいさん!
今のやつらがもしかして・・・▼
(左にアトスが出現)
[アトス](左)
ああ、間違いないじゃろう。
やつの造りだした【モルフ】ども・・・▼
(アトスの左にリンが出現)
[リン](左、アトスの左側)
確かにみんな・・・
同じような特徴だったわね。▼
そういえば、ヴァロールにいた
エフィデル・・・▼
【黒い牙】のソーニャも・・・▼
・・・みんな
創られたものだと言うの!?▼
[アトス]
・・・神を冒涜する
行為じゃよ・・・。▼
【モルフ】を使い、
ネルガルが行動を起こした時に、▼
奴の力は、わしらの手におえぬ
ものとなっていた。▼
人の次に、奴が望むもの・・・
それは【竜】の【エーギル】・・・▼
奴は、きっと【理想郷】を
狙うに違いない。▼
・・・わしは、砂嵐を繰り、
【理想郷】を隠した。▼
そして、地下遺跡にひそみ
奴との対決を・・・待っておった。▼
勝つことはできずとも、
刺し違えることはできよう・・・▼
この、わしの気に満ちた
砂漠に誘い込めれば・・・と。▼
(ヘクトルの右側にエリウッドが出現)
[エリウッド](右、ヘクトルの右側)
・・・だけど、ネルガルは
現れなかったのですね?▼
[アトス]
そうじゃ。▼
どういう手をつかったのかは
わからんが・・・▼
やつは【竜の門】から
あの姉弟を呼び出したのだ。▼
そして更に・・・▼
沢山の“竜”をこの地に
招きいれようとしている。▼
[ヘクトル]
・・・それを止めるには
どうすればいいんだ?▼
[アトス]
・・・最後の望みは
残りの神将器の力じゃ。▼
わしらで全てを集めるのでは
時間がかかりすぎる。▼
今からわしは、封印の神殿に行き
ブラミモンドにすべてを話す。▼
あやつの力を・・・
なんとしてでも、借りねばならん。▼
[エリウッド]
・・・僕たちは先に
【竜の門】へ向っています。▼
[アトス]
なんと!?▼
[ヘクトル]
そりゃ名案かもな。▼
ネルガル自身には
歯が立たなくても、▼
奴の手勢を減らすことはできる。▼
[リン]
早くネルガルの招待に
応じないと・・・▼
今みたいに向こうから
仕掛けてこられる。▼
そんなことされる位なら
こっちから行くわ!▼
これ以上、リキアを
荒らされるのはごめんよ!!▼
[アトス]
・・・おまえたちは
本当に・・・▼
ローランによく似て・・・▼
ふっ この歳まで生きて
こんなに驚かされるとはな。▼
[エリウッド]
・・・アトス様。▼
[アトス]
定められた運命を変えるのは
・・・結ばれた強い絆。▼
・・・行くがいい、
若い者たちよ。▼
【竜の門】を目指して
進んで行くがいい。▼
(暗転)
(背景、城内、音量が下がる)
[アトス](左)
・・・エリウッド、
デュランダルはどうした?▼
(エリウッド、少し左へ移動)
[エリウッド](右)
・・・ここに。
申し訳ありません。▼
・・・どうしても使う気に
なれなかったのです・・・▼
[アトス]
一度、預けてもらうぞ。
構わんな?▼
[エリウッド]
はい。▼
[アトス]
・・・エリウッド、おまえの
気持ちはわかる。▼
じゃが・・・
この武器なくしては▼
ネルガルに傷をつけることすら
できんのだぞ・・・▼
・・・・・・わかっておるな。▼
[エリウッド]
・・・はい。▼
次に手にする時には
・・・・・・迷いません。▼
[アトス]
うむ。▼
(暗転)
※外伝マップに進まない場合のみ追加
(右上に「竜の門」表示)
(背景、竜の門)
[リムステラ](右)
・・・おかえりでしたか
我が主よ。▼
[ネルガル](左)
リムステラか、
これを見てみろ。▼
[リムステラ]
あの姉弟の竜石ですね?
これが何か?▼
[ネルガル]
・・・今から
これに【エーギル】を注ぎ込む。▼
(背景、フィールドマップ)
(画面が白くフラッシュ、ネルガルから光が放たれ竜の門に吸い込まれる)
[リムステラ]
これは・・・▼
[ネルガル]
あの竜の娘・・・
ニニアンの【エーギル】だ。▼
すばらしい・・・▼
まったくもって
すばらしい・・・・・・▼
これで、私は▼
いつでも【竜】を
呼び出すことができるのだ。▼
[リムステラ]
・・・すぐに儀式を
始められますか?▼
[ネルガル]
いや、アトスに受けた傷から
幾分かの【エーギル】が流れだした。▼
・・・充分な数を呼び寄せるには
もっと【エーギル】を得なくてはいかん。▼
・・・【竜】が相手なのだ
呼び出す時には万全でなくては。▼
逆にやられては、なんにもならんからな。▼
[リムステラ]
・・・恐れながら、▼
【黒い牙】の者どもの
【エーギル】は、使い尽くしました。▼
次は、どこから調達いたしましょう?▼
[ネルガル]
くくく こちらから出向かずとも、
材料は向こうからやってくる。▼
[リムステラ]
・・・なるほど、
エリウッドたちですね。▼
[ネルガル]
その通りだ。▼
やつらを倒し、
そのエーギルを奪って▼
【竜】を呼び出すぞ。▼
くくくくくく
はーっははははははは!!!!▼
本文を提供してくださった、山井寿章さん